JP4198526B2 - ニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法及び点検装置 - Google Patents

ニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法及び点検装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設分野における、ニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法及び点検装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地上での掘削作業に際して作業機械のメンテナンスが必要であるのと同様に、地下深い場所での掘削作業であるニューマチックケーソン工法による建設工事においても、ケーソン作業室内での機器類のメンテナンスが必要である。メンテナンス項目は多岐にわたり、その一例を上げれば、▲1▼機器類(掘削機本体、走行機、バケット等)の取付ボルトの弛み、脱落の補修、▲2▼各部材の破損、亀裂、損傷、磨耗の修理、▲3▼給脂系統の損傷、油漏れの修理、▲4▼給脂状況の不良の修理、▲5▼油量、油圧の不正常の修理などがある。
【0003】
前記の補修、修理に際しては、先ず作業者がケーソン作業室に入室して直接目視により点検作業を行うことによって前記▲1▼〜▲5▼等の修理、補修必要箇所を調べ、補修、修理の必要個所を発見したとき、必要な対応処置を採るという手順を踏んでいるのが現状である。
【0004】
この場合、ニューマチックケーソン工法は地下深い場所で、かつ高気圧という厳しい環境下での掘削作業であることから、作業者の健康管理ため作業室内での作業時間が制限されると共に、作業室からの退室に際しても減圧室にて体を大気圧環境まで順応させてから地上に戻るという過程を経る必要があり、これには一定の時間が必要とされる。
【0005】
本出願人は、前記の問題点である大深度下での人体に与える労働負荷を減少することの工夫を既に行っている。すなわち、これにより、人体への労働負荷低減策および高気圧作業終了後の減圧過程における減圧症(高気圧障害)の発症防止対策として、呼吸ガスによりヘリウムなどの不活性ガスを酸素と併用する混合ガス呼吸システムが本出願人により開発されている。
【0006】
さらに、作業者が作業室から退室するに際し、より短時間で円滑に高気圧環境から大気圧環境まで身体を慣らす工夫につき従来から種々の提案を行っている。その一つに、潜水分野における呼吸技術を応用し、特に人体負荷への軽減および安全性などの面で新技術を提案しており、かつ実用化することで問題解決に貢献している。
【0007】
また本出願人により、極力人間を高気圧環境下におかないように、ケーソン作業室内に設備する掘削機をはじめとする機器類を地上の大気圧環境である地上から遠隔操作可能とすべく、遠隔操作システムが既に複数構築されており一般技術として認識されてきた。(前記に関連する先行技術として特許文献1〜3)。
【0008】
前述のとおり本出願人は、機器類は地上から遠隔操作することを基本的施工法とし、混合ガス呼吸システムについては、日常的に発生する始業時の点検整備などに活用することで、極力作業室内での有人作業を排除(低減)するよう努めている。
【0009】
【特許文献1】
特開平01−146025号公報
【特許文献2】
特開平02−088082号公報
【特許文献3】
実開昭63−141236号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年のニューマチックケーソン工事は、大深度化(地下40m以深を大深度という)の傾向が顕著になってきたが、作業者がこの大深度にある作業室に入室することは、人体に与える労働負荷が大きくなるだけではなく、函内作業終了後に、作業者が作業室から退室するに際し、高気圧環境から大気圧環境まで環境圧力を減少させるまでの時間が非常に長くなってきている。これは作業室内での正味作業時間の一層の減少を意味するものである。前記に関連し法的制約もなされており、大深度化の傾向にあることは、つまるところ高気圧障害発症防止の面から、函内に作業者が滞在できる延べ時間(高圧下の時間)の減少につながる。
【0011】
本発明者らは、ケーソンの大深度化に伴う問題点を整理した結果、次の点を確認した。▲1▼厳しい環境下での正味作業時間の確保のための工夫が求められる。▲2▼前記に伴い、ケーソン作業室内での有人作業を排除する必要性が一層の増大する。▲1▼については、前述のように、潜水分野の技術応用や混合ガス呼吸システム開発による、大気圧下での作業者の作業環境の改善、ケーソン作業室からの退室に関する安全性の向上などが図られている。
【0012】
▲2▼については、ケーソン作業室内の監視用カメラとコンピュータ制御により遠隔操作で掘削機を操作することが主目的とされていて、機器の故障など不具合の際は、作業者が大深度のケーソン作業室内に入って修理点検などのメンテナンスを行っているのが現状である。
【0013】
前記の現状認識を踏まえて、ケーソン工法の大深度化に伴う問題点改善に付き、更なる検討の結果、次の知見を得た。すなわち、ケーソン工法における掘削機の遠隔操作による無人化ができても、機器の故障など修理点検などに際して作業者が大深度のケーソン作業室内に入って行っている現状を改善しなければ、前述の▲1▼、▲2▼の利点を十分に生かしきれないとの結論に達した。
【0014】
前述の問題を解決するための一つの指針は、(イ)機器類のメンテナンスの内容を大別すると、▲1▼機器類の修理、補修すべき箇所を発見する点検作業と、▲2▼修理、補修すべき箇所が発見された場合、その箇所を修理、補修する作業に分けられることである。前記▲2▼の作業は函内での有人作業に頼らざるを得ないことが多いが、前記▲1▼の点検作業は、目視やセンサでの監視に頼ることができる。このことは地上での遠隔作業が可能であることを示唆しており、仮に▲1▼と▲2▼の作業に要する時間が半分ずつとすれば、▲1▼を地上作業とすることで、▲2▼の作業可能時間を2倍に増やすことができる。
【0015】
(ロ)さらに、▲2▼の函内での有人作業に頼ることが多い作業であっても、遠隔操作で可能な作業もあるのではないか。仮に遠隔操作可能なものは遠隔操作で修理、補修できれば、人体に与える労働負荷を大幅に低減できる。
【0016】
本発明は、前記の観点から創案されたもので、特に、(イ)、(ロ)の問題を自動的な手段とすることで解決し、もって、点検に要する作業室内の有人作業時間を短縮し、点検状況を意識せずに機器類のメンテナンスがなされるようにしたものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、函内に設備する機器類の必要箇所に監視用カメラを設置し、この画像情報を地上の遠隔操作室でモニタし、人間による目視点検の代替とするほか、地上のコンピュータ操作で点検作業を可能とし、さらに、機器類の必要とする給脂箇所には、地上から指令を発信することで給脂装置を作動させることでチェックフリーの機構とする。これらより、監視装置を用いたニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検システムを提供するものである。
【0018】
本発明を具体的に説明すると次のとおりである。
【0019】
第1の発明は、ニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法であって、作業室内機器に設置したセンサにより検知された当該作業室内機器の関節部への給脂についての情報を地上の遠隔操作室に設置されるモニタで監視し、前記モニタの監視により給脂を必要とされた作業室内機器の関節部に対して、前記作業室内機器に設けられた自動給脂装置を遠隔操作室での遠隔操作により作動させて油脂を供給することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、ケーソン作業室内または作業機械に設置される複数の監視用カメラにより、作業室内機器の点検状況を監視用カメラを通じて地上の遠隔操作室に設置される監視用カメラ用モニタで監視すると共に、監視用カメラを通じて遠隔操作室に設置されるコンピュータに画像情報を送信し、当該画像解析により作業室内機器の正常状態記録画像との比較から差分情報を抽出することでその正否の状態を監視し、さらに、作業室内機器に設置したセンサにより地上の遠隔操作室に設置されるモニタで給脂、油圧系統を監視すること等の作業点検記録簿における複数点検事項につき、人間が作業室に入室することなく地上の遠隔操作室にて点検作業を行うことを特徴とする。
【0020】
の発明は、第1又は第2の発明において、前記遠隔操作室に設置されるコンピュータに送信される画像情報が、監視用カメラを通じて視覚的に検知される、前記作業機械に配置締結されるボルトとナットの緩みを伴う回転変位であることを特徴とする。
【0021】
の発明は、第13の何れかの発明の自動点検方法における作業室内機器の自動点検項目の一つである給脂系統について機能する自動給脂装置であって、作業機械に載置する給脂用ポンプがタイマー動作または地上からの遠隔操作により作動し、ケーソン機械の各給脂箇所に一様に給脂することを特徴とする。
【0022】
の発明は、第1〜第の何れかの発明により地上の遠隔操作室に設置されるコンピュータに取り込んだ、作業点検記録簿に記載すべき複数点検情報にもとづき自動的に点検記録簿を作表することを特徴とする。
【0023】
【作用】
本発明によると、ニューマチックケーソン作業室内機器の点検作業において、従来作業者が入室し、目視確認により行うケーソン機器類の点検作業を、作業室内またはケーソン作業機械に設備される監視用カメラを通じて得られる画像情報により、機器類が正常であるときの元画像と比較し差分を抽出することが可能となり、予め設定した管理基準値に対して整備の必要があるか否かを、地上からコンピュータプログラミング上、または設置したモニタの画像を監視者の目視により判断し、整備の必要がない場合には作業者を大深度の作業室に入室させずに済む。
【0024】
また、機器類の必要箇所に自動的に動作する給脂装置を設備し、これをタイマー動作または地上からの遠隔操作にて作動させることで、日常的に発生するメンテナンス作業時に作業者を大深度の入室させずに済む。
【0025】
さらに、機器類の点検記録簿を、前述の画像情報の比較やモニタ上の画像を監視者が目視確認し、各ケーソン機器に備えるセンサからの情報も含めてその結果をコンピュータ上で処理し、作表することで、作業室内機器の点検記録簿を半ば自動的に生成することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
【0027】
図1は、第1発明の実施形態の説明図、図2は、第2発明の実施形態の説明図で、同図(a)は、ケーソン作業室内機器の正常状態記録画像をモニタした状態図、同図(b)は、ケーソン作業室内機器を監視用カメラを通じてモニタした状態図、同図(c)は、同図(a)、(b)の比較から差分情報を抽出した解析図、図3は、第3発明の実施形態の説明図、図4は、第1発明および第4発明の実施形態の説明図、図5は、自動点検用自動給脂装置をケーソンショベルに搭載時のシステム系統例の図である。
【0028】
図1、図2、図4は、本発明を実施する場合の第1実施形態を示す。図1に示すように、ニューマチックケーソン躯体1における作業室2の天井スラブ18の下面に、平行に延長するように2組の走行用レール19が固定され、そのレール19に沿って走行する掘削機(ケーソン作業機械)20が設けられる。掘削機20には、走行用駆動装置およびブレーキ装置(いずれも図を省略)が設けられ、かつ掘削機20の下部に旋回用駆動装置(図を省略)により旋回される旋回フレーム21が取付けられ、さらに、第1アーム22とこれに摺動自在に嵌挿された第2アーム23とが伸縮用液圧シリンダーにより連結されて伸縮式掘削アーム24が構成される。この伸縮式掘削アーム24の基端部は前記旋回フレーム21に対し横軸25により枢着され、また第1アーム22の先端部分と旋回フレーム21とは俯抑液圧シリンダー(図示省略)を介して連結されている。
【0029】
前記第2アーム23の先端部に掘削バケットからなる掘削具26が横軸27により枢着され、その掘削具26と第2アーム23とは掘削具回動用液圧シリンダ(図示省略)を介して連結される。前記掘削機20における機械本体には、掘削具26による掘削部付近を含む掘削状況や、掘削機20その他ケーソン作業室内の機器類を監視する監視用カメラ5が複数台設置されている。監視用カメラ5は、ケーソン作業室2の上方部の他の場所にも監視方向に向けて設けられてる。
【0030】
他方、地上に設けられた遠隔操作室4に運転制御盤および、パーソナルコンピュータ7と監視用モニタ(パソコン画面)8が設けられ、コンピュータ7と監視用カメラ5とは通信ライン6で接続されている。そして、これらを監視者または点検者(以下監視者という)9が監視し、そこで得られる情報に基づき監視者は必要な処置をとることができ、監視用モニタ(パソコン画面)8により目視で監視できる点検項目に関しての点検作業が可能である。
【0031】
また、図4に函内掘削機点検記録簿15を示すように、作業時の機器類についての点検事項が列挙されている。図4には、▲1▼固定ボルトの弛み、▲2▼破損・亀裂・損傷、▲3▼油漏れ(ホース)、▲4▼油漏れ(シリンダ)、▲5▼ポンプ油圧、▲6▼極端な汚れ、▲7▼異物の噛み込み、▲8▼動作状態など各種点検事項が記載されており、その中には、画像情報で目視点検可能なものと、センサにより点検するものとがある。
【0032】
図1の第1実施形態において、パーソナルコンピュータ7は、画像解析機能を有しており、前記監視用カメラ5を通じて遠隔操作室4に設置される前記パーソナルコンピュータ7に画像情報を送信し、当該画像解析により作業室内機器類の正常状態記録画像との比較から差分情報を抽出することでその作業室内機器の正否の状態を監視可能に設けられている。
【0033】
点検する作業室内機器の具体例が図2(a)、(b)、(c)に示されている。同図には、掘削機(作業室内機器)3または、その他ケーソン機器の接続フランジ12における複数のボルト11aにそれぞれナット11が締結された状態が監視用カメラ5で撮影されて、監視用モニタ8の画面に写し出されている。ナット11の外周と接続フランジ12にはアイマーク10が付されており、図2(a)の状態は、ナット11の外周側のアイマーク10と接続フランジ12側のアイマーク10が合致しており、ナット11は締結時と同じ正常状態にあることを示している。パーソナルコンピュータ7には、前記ナット11のアイマーク10の位置を入力データとする当該ナット11の正常締結時の画像情報が取り込んである。
【0034】
図2(b)は、ナット11が緩み、ナット11の外周に付したアイマーク10と接続フランジ12側のアイマーク10がずれた状態が監視用カメラ5で撮影されて、監視用モニタ8の画面に写し出されている。パーソナルコンピュータ7には、ナット11のアイマーク10を入力データとする当該ナット11の締結の緩みの画像情報が取り込まれる。
【0035】
図2(c)には、図2(a)のパーソナルコンピュータ7に取り込まれたナット11の正常締結時の画像情報と、図2(b)でパーソナルコンピュータ7に取り込まれたナット11の締結緩み時の画像情報との差分情報13が画像解析により比較されている状態が模式的に示されている。そして、この画像解析によりナット11の締結緩みが検知されたときは、音声または目視表示により所定の警告を発し、それにより、監視者(または点検者)9はナット11の緩みを音または目で確認でき、必要ならばケーソン作業室2に入室して緩んだボルト11を締結し直す。
【0036】
この場合、従来であれば、ボルト11の緩みが有る無しに拘わらず、適当な間隔を置いて定期的に作業室内に入室し、多くのナットを一つひとつ直接目視により確認し、緩みを発見した場合締め直している。この場合、ケーソン作業室内に入室しナットを一つひとつ直接目視により点検する作業に時間が掛かり、作業環境が時間的、身体的に制約される大深度ケーソン作業において、このナット等の点検作業は、施工上各種の面で不利な条件となっていったが、本発明ではこの不利な条件が克服されたものである。
【0037】
したがって、第1実施形態によると、ケーソン作業室2内に設置された監視用カメラ5、または掘削機3に設置される監視用カメラ5を通じて地上の遠隔操作室4にて人間が作業室に入室することなく、掘削機3その他の作業室内機器を総合的に点検モニタリングすることができ、さらにナット11の緩みなども点検できる。
【0038】
なお、図5に示すように、遠隔操作室に設けられたショベル掘削操作機29を監視者が操作することにより送信機30を介して無線信号にて掘削機3を遠隔操作することができる。さらに、人間による直接の目視点検に比し、監視用カメラによる手法が有効となる理由として、最近点検不可能な狭溢な箇所も、遠方からでもズーミングして確認できるほか、コンピュータを介して監視モニタ上で映像を見るため、暗く不明瞭な箇所も画質を調整することで、人間の目に映らなかった細部まで点検することが可能である。
【0039】
図3、図5は第2実施形態を示している。
【0040】
ケーソン作業室内の機器類点検種類は、図4に函内掘削機点検記録簿15を示すように各種あるが、このうち油漏れ(ホース)、油漏れ(シリンダ)、ポンプ油圧、機械の関節部への給脂などの給脂関連はその一部を機器類の所定部位に付設した複数のセンサ28で検知し、その情報を遠隔操作室4でモニタ監視し、かつ、遠隔操作室4での遠隔操作によりモニタ監視で得られた機器類点検箇所に補修・修理・保守等の必要な処置を施すことができるものである。
【0041】
機械の各部油脂系統に必要な処置を自動的に施す具体例として、図3、図5には関節部の油脂量の不足について遠隔操作で給脂を行う例を示している。
【0042】
すなわち、図にはケーソン作業機械(掘削機)3には自動メンテナンス用給脂装置14が設けられていて、この給脂装置14から給脂パイプ31を介して複数の関節部に給脂先端部32が導かれており、この給脂先端部32が位置する各関節部の状況は前記監視用カメラ5により監視され、コンピュータ7を経て遠隔操作室4の自動給脂モニタ40に表示される。
【0043】
また、図5に示すように、ケーソン作業室2内には、グリースポンプ33、バッテリ式直動グリースポンプ34その他の機器類が油脂回路44で接続された油脂供給機構39が構成されている。
【0044】
したがって、油量油温監視装置28がケーソン作業室2内の機器類の内油タンクの油量不足を検知し、コンピュータ7を経由して信号を自動給脂モニタ40で監視したとき、コンピュータ7が必要な指令を発信し、また、給脂を必要とする機器類の関節部は、その機器類の円滑な作動のため極力新しいグリスを供給しなければならないため、I/O盤41、油量油温監視装置28、油量油温監視装置制御盤42、グリスポンプ33、34、自動給脂制御盤36、受信機43、コントロールバルブ35、分配弁作動スイッチ38、分配弁37等からなる油脂供給機構39を介して、図3に示す自動給脂装置14から油脂の劣化した機器類の関節部に油脂を供給する。
【0045】
コンピュータ7内には、例えば図4に示すようなニューマチックケーソン作業室内点検記録簿15のソフトが搭載されている。この点検記録簿15には、コンピュータによる自動記録欄16や監視者または点検者による確認記入欄17等の記入欄が設けられていて、前記の各種点検項目が実行されるのに伴い、その結果にもとづき自動的に点検記録簿15を作表するようになっている。
【0046】
以上説明したように、本発明の実施形態によると、函内に設備する機器類の必要箇所に監視用カメラ5を設置し、この画像情報を地上の遠隔操作室4でモニターし、監視用カメラでもって人間による目視点検の代替とするほか、画像情報を地上のコンピュータ7に送信し、画像解析を行うことで、正常状態との差異を検出して点検作業を行うことができる。また、機器類の必要とする給脂箇所には、給脂回路を設け、給脂用ポンプをタイマー動作させることでチェックフリーの油脂供給機構にでき、これらより監視装置を用いたニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検システムを提供できるものである。
【0047】
こうして、機器類のメンテナンス作業のうち点検作業と一部の保守作業を遠隔操作で達成できるようにしたことにより、自動的な手段をもって点検作業を省略でき、よって、混合ガス呼吸システムを活用してなる機器類の点検に要する作業室内の有人作業時間を短縮でき、作業者は機器類の点検作業にとらわれずにすぐにメンテナンスを行うことができるので、大深度にある作業室内での有人による有効作業時間を延長できる。
【0048】
【発明の効果】
ニューマチックケーソン作業において、無人遠隔操作でケーソン作業室内機器類を操作し掘削作業する場合、機器類の故障、保守等に伴う、▲1▼修理、▲2▼給脂、▲3▼点検などの際には必ず人がケーソン作業室内に入室しなければならず、大深度施工の場合は作業室内の気圧が高い関係で、作業者の作業室内での作業可能な時間が少なくなり、修理、給脂、点検のうち直接手を施す作業を一つでも省略できれば、それに要する時間を他の作業時間に振り分けられる。この点において本発明によると、前記の▲2▼給脂、▲3▼点検を遠隔操作できるようにしたので、これに要する時間を他の作業、すなわち▲1▼の修理時間に充てることができる。したがって、大深度のケーソン施工を効率化、低コスト化でき、さらに作業室内点検簿のコンピュータによる自動作成を含めて、一層の作業効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の実施形態の説明図である。
【図2】第2および第4発明の実施形態の説明図で、(a)は、ケーソン作業室内機器の正常状態記録画像をモニタした状態図、(b)は、ケーソン作業室内機器を監視用カメラを通じてモニタした状態図、(c)は、図(a)、(b)の比較から差分情報を抽出した解析図である。
【図3】第3発明の実施形態の説明図である。
【図4】第4発明および第5発明の実施形態の説明図である。
【図5】自動点検用自動給脂装置をケーソンショベルに搭載時のシステム系統例の図である。
【符号の説明】
1 ニューマチックケーソン躯体
2 ニューマチックケーソン作業室
3 掘削機(ケーソン作業機械)
4 遠隔操作室
5 監視用カメラ
6 通信ライン
7 パーソナルコンピュータ
8 監視用モニタ
9 監視者または点検者
10 アイマーク
11 ナット
11a ボルト
12 ケーソン機器の接続フランジ
13 正常状態記録画像との差分情報
14 自動メンテナンス用自動給脂装置
15 点検記録簿(の作表例)
16 コンピュータによる自動記入欄
17 監視者または点検者による確認記入欄
18 天井スラブ
19 走行レール
20 掘削機
21 旋回フレーム
22 第1アーム
23 第2アーム
24 伸縮式掘削アーム
25 横軸
26 掘削具
27 横軸
28 センサ(油量油温監視装置)
29 ショベル掘削操作機
30 送信機
31 給脂パイプ
32 給脂先端部
33 グリースポンプ
34 バッテリ直動式グリースポンプ
35 コントロールバルブ
36 自動給脂制御盤
37 分配弁
38 分配弁作動検出スイッチ
39 油脂供給機構
40 自動給脂モニタ
41 I/O盤
42 油量油温監視装置制御盤
43 受信機
44 油脂回路

Claims (5)

  1. ニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法であって、作業室内機器に設置したセンサにより検知された当該作業室内機器の関節部への給脂についての情報を地上の遠隔操作室に設置されるモニタで監視し、前記モニタの監視により給脂を必要とされた作業室内機器の関節部に対して、前記作業室内機器に設けられた自動給脂装置を遠隔操作室での遠隔操作により作動させて油脂を供給することを特徴とするニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法。
  2. ケーソン作業室内または作業機械に設置される複数の監視用カメラにより、作業室内機器の点検状況を監視用カメラを通じて地上の遠隔操作室に設置される監視用カメラ用モニタで監視すると共に、監視用カメラを通じて遠隔操作室に設置されるコンピュータに画像情報を送信し、当該画像解析により作業室内機器の正常状態記録画像との比較から差分情報を抽出することでその正否の状態を監視し、さらに、作業室内機器に設置したセンサにより地上の遠隔操作室に設置されるモニタで給脂、油圧系統を監視すること等の作業点検記録簿における複数点検事項につき、人間が作業室に入室することなく地上の遠隔操作室にて点検作業を行うことを特徴とする請求項1に記載のニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法。
  3. 前記遠隔操作室に設置されるコンピュータに送信される画像情報が、監視用カメラを通じて視覚的に検知される、前記作業機械に配置締結されるボルトとナットの緩みを伴う回転変位であることを特徴とする請求項1又は2に記載のニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の自動点検方法における作業室内機器の自動点検項目の一つである給脂系統について機能する自動給脂装置であって、作業機械に載置する給脂用ポンプが地上からの遠隔操作により作動し、ケーソン機械の各給脂箇所に一様に給脂することを特徴とするニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検用自動給脂装置。
  5. 請求項1〜の何れか1項記載の手段により地上の遠隔操作室に設置されるコンピュータに取り込んだ、作業点検記録簿に記載すべき複数点検情報にもとづき自動的に点検記録簿を作表することを特徴とするニューマチックケーソン作業室内機器の自動点検方法。
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