JP4198237B2 - Antibacterial dental adhesive system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌性を有する歯科用接着剤システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科治療において、歯牙の部分的欠損を充填用コンポジットレジン、充填用コンポマー、歯科用合金、陶材等の修復材料を補綴する場合に、歯科用接着剤がしばしば利用される。しかしながら、歯牙表面に直接修復材料を接着した場合、修復材料自体に接着性を有さないために、十分な接着強度が得られず、修復材料が脱落したり、歯牙と修復材料の接着界面からの細菌の侵入により2次カリエスや歯髄炎などが惹起されたりすることがある。
【0003】
かかる問題を解決するために、予め種々の歯面処理剤を使用する接着剤システムが提案されており、かかる歯面処理剤により歯牙と修復材料の接着強度が向上することが報告されている。例えば、▲1▼ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ(Journal of Dental Research)第34巻、849−854頁(1955年)には、いわゆる酸エッチング処理剤により、修復材料と歯牙エナメル質との接着強度が向上することが、▲2▼ジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ(Journal of Dental Research)第63巻、1087−1089頁(1984年)には、グルタリルアルデヒド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下これをHEMAと略称する)および水からなるプライマー組成物が修復材料と象牙質との接着強度を増強することが、▲3▼特開昭62−223289号公報には、HEMA水溶液にマレイン酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸などの酸を添加したプライマーが修復材料とエナメル質、象牙質との接着力を顕著に向上させることが、▲4▼特開平1−113057号公報には、HEMA水溶液に酸の塩を添加したプライマーが修復材料とエナメル質、象牙質との接着力を顕著に向上させることが、そして、▲5▼歯科材料・器械、第9巻、65−73頁(1990年)には、HEMA水溶液にN−アクリロイルアニリンなどのアミノ酸残基を有するモノマーを添加したプライマーが修復材料とエナメル質、象牙質との接着力を顕著に向上させることが記載されている。また、▲6▼特開平3−240712号公報には、HEMA水溶液に酸性基を有する重合性モノマーと硬化剤を添加した接着性組成物が開示されており、さらには、▲7▼特開平4−8368号公報には、前記組成物にアミノ化合物を添加することにより修復材料と象牙質との接着力が飛躍的に向上することが記載されている。
【0004】
上記接着剤によれば歯牙と修復材料との接着強度の向上はみられるものの、臨床では、依然として両者の接着界面からの細菌の侵入が原因と思われる2次カリエスや歯髄炎がしばしば発生し問題となっている。
【0005】
一方、このような接着界面への細菌の侵入を阻止するため、歯科用接着剤に抗菌性を付与する試みもなされており、例えば、特開昭1−17107号公報には、抗菌剤を含有する歯科用セメントが記載され、また、特開平2−16176号公報、特開平8−198723号公報には、特に抗菌性についての記載はないものの、抗菌効果を期待し得る第4級アルキルアンモニウム塩を添加した歯科用前処理剤が記載が開示されている。しかし、これらの抗菌剤あるいは第4級アルキルアンモニウム塩は重合性基を有さないことから、歯科用接着剤が重合硬化後に口腔内に溶出するため、臨床に応用するためには十分な安全性の確認が必要である。また、これらの抗菌剤および第4級アンモニウム塩には長期間にわたって抗菌性を発現することができない。
【0006】
さらに、特開平6−9725号公報、特開平7−215814号公報には、抗菌性重合性単量体および酸性基を有する重合性単量体を含有する歯科用組成物が記載されている。ここでの抗菌性は、重合硬化後の硬化物表面に抗菌性物質が溶出しない非溶出型の抗菌性であり、抗菌性重合性単量体とその他の単量体が共重合して生成した硬化物の表面の抗菌性に言及している。しかし、これらの方法で与えられた歯科用組成物では、硬化物のポリマーネットワークに共重合した抗菌性化合物が表面に露出することで、硬化物表面に付着した細菌を減弱させることは可能であるが、象牙細管などの接着界面の微細構造に残存する細菌を死滅させることは不可能であった。
【0007】
これらの問題を解決する方法として、特開平8−157318号公報には、抗菌性重合性単量体と酸性基を有する重合性単量体とアルコール性水酸基を有する重合性単量体と水と重合触媒とからなる抗菌性歯科用接着性組成物が提案されている。
この技術は、いわゆる、セルフエッチング型プライマーに抗菌性重合性単量体を添加することによって、歯質の脱灰を行うと同時に抗菌性単量体によって、歯質に存在する細菌を死滅させ、かつ、重合硬化後にも、硬化面には非溶出型の抗菌性が発現するため、非常に有用な技術である。しかし、該プライマーには、酸性基を有する重合性単量体やアルコール性水酸基を有する重合性単量体などの揮発しにくい成分が多く存在するため、細菌と抗菌性重合性単量体との接触する確率が低く、抗菌性を十分には発現できなかった。さらに、硬化後においても、歯牙と接着剤との接着界面付近に抗菌性重合性単量体と他の重合性単量体が共重合したポリマーの層が形成されるが、他の重合性単量体成分の割合が多く、抗菌性単量体の占める割合が低いため、十分に抗菌効果を発現するまでには至っていない。
これらの抗菌性を向上させるには、抗菌性重合性単量体を極端に増加させたり、酸性基を有する重合性単量体やアルコール性水酸基を有する重合性単量体を極端に減らすことによって、ある程度の抗菌性の向上は可能であるが、それに伴って、歯質に対する接着力が著しく低下するため、実用的でない。
【0008】
また、抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤が配合された組成物の例としては、例えば、特開平9−67546号公報に開示されているように、金属接着性モノマーと揮発性溶剤からなる接着性組成物に抗菌性重合性単量体を配合してもよいという記載はあるものの、該接着性組成物は、金属の表面を改質することを目的としており、歯質中の細菌を殺菌することについては何ら述べられていない。さらに、該実施例の組成物を用いても、歯質に対して高い接着は得られなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、まず、抗菌性化合物が口腔内に溶出する問題点を解消し、次に歯質に対して高い接着力を維持しつつ、歯質の象牙細管内、スメア層内、あるいは接着界面の微細構造の中に残存している細菌を強力に死滅させることができ、さらには、接着後、長期間にわたって接着界面に侵入してくる細菌をも死滅させることのできる抗菌性歯科用接着剤システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、抗菌性重合性単量体を含む歯科用接着剤システムについて鋭意検討した結果、抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤とからなる抗菌性プライマーを歯面に塗布し、自然乾燥あるいは歯科用エアーブローによって高濃度の抗菌性重合性単量体を歯面に接触させることによって、歯質表面に付着している細菌を死滅させ、さらに、その上に酸性基を有する重合性単量体と重合性単量体と重合開始剤からなる接着性組成物を塗布し、該接着性組成物を、先に塗布して歯面に残存している抗菌性単量体と共に硬化させることにより、歯牙と接着性組成物との接着界面付近に高い濃度で抗菌性ポリマーの層を形成させ、長期間にわたって接着界面に侵入してくる細菌を死滅させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち本発明は、下記の一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】
一般式(II)
【0014】
【化6】
【0015】
一般式(III)
【0016】
【化7】
【0017】
および一般式(IV)
【0018】
【化8】
【0019】
で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤からなる抗菌性プライマー(a)であって、前記抗菌性重合性単量体の配合量が抗菌性プライマー全体に対して0.01重量%〜10重量%であり、前記揮発性溶剤の配合量が抗菌性プライマー全体に対して90重量%〜99.99重量%である抗菌性プライマー(a)、並びに、重合性を有する有機酸、重合性単量体および重合開始剤からなる接着性組成物(b)から構成される抗菌性歯科用接着剤システムである。
【0020】
なお、本明細書において「接着性組成物」と表記される語は、歯牙と歯科用修復材料を接着するための接着剤であり、該接着剤には接着を行う前に接着性の増強を目的として歯牙あるいは修復材料に塗布するプライマーをも包含するものである。即ち、本発明の接着性組成物においては、プライマーとボンディング材あるいはプライマーとレジンセメントのように2分割以上の包装形態をとるものも含まれる。
【0021】
本発明において使用される抗菌性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
一般式(I)の化合物としては
【0022】
【化9】
【0023】
などが挙げられる。
一般式(II)の化合物としては
【0024】
【化10】
【0025】
などが挙げられる。
一般式(III)の化合物としては
【0026】
【化11】
【0027】
などが挙げられる。
一般式(IV)の化合物としては
【0028】
【化12】
【0029】
などが挙げられる。
【0030】
これらの中で、メタクリロイルオキシドデシルピリジニウム塩、メタクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウム塩、メタクリロイルオキシデシルトリエチルアンモニウム塩、4−ヘキサデシルメタクリロイルオキシエチルピリジニウム塩、メタクリロイルオキシエチルヘキサデシルビピリジニウム塩、メタクリロイルオキシドデシルトリメチルホスホニウム塩、メタクリロイルオキシオクタデシルトリエチルホスホニウム塩、4−メタクリロイルオキシエチルドデシルピリジニウム塩、ジ(4−ビニルベンジル)ヘキサデシルメチルアンモニウム塩、ジ(メタクリロイルオキシエチル)ドデシルメチルアンモニウム塩、ハロゲン化メタクリロイルオキシエチル(4−N−ヘキサデシルピリジニルメチル)コハク酸エステル等の炭素数10以上のアルキレン基を有する抗菌性重合性単量体が好ましい。
【0031】
これらの抗菌性重合性単量体において、アンモニウムカチオンおよびホスホニウムカチオンと対になるアニオンは、特に限定されるものではなく、かかるアニオンとしては、例えば、F-、Cl-、Br-、I-のハロゲン類。PO4 3-、 HPO3 2-、 H2PO4 -、NaPO3 2-、 Na2PO4 -、SO4 2-、HSO4 -、 KSO4 -、NO3 -などの無機酸由来のアニオン類。メタンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、フェノール、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸等の有機酸由来のアニオン類。さらには後述に記載した重合性を有する酸性化合物より由来するアニオン類などが挙げられる。また、AlF6 3-、AsFe-、BF4 -、BiCl4 2-、BiCl3 2-、SbCl6 -、SbF6 -、PF6 -、BiCl4 2-、GaCl4 -、InF4 -、TiF6 2-、ZrF6 -、FeCl4 -、SnCl6 -などのブレンステッドの酸より由来するアニオン類も挙げられる。中でもハロゲン類が好適に用いられる。これらのアニオンは、単独または数種類の組み合わせでカチオンと対になっていてもよい。抗菌性重合性単量体は1種類または数種類の組み合わせで用いられる。これらの抗菌性重合性単量体の配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、0.01重量%〜10重量%の範囲で使用される。
【0032】
本発明において、抗菌性プライマーに使用される揮発性溶剤は、本発明の抗菌性重合性単量体を溶解できるものである必要がある。溶剤としては、常圧での沸点が250℃以下の揮発性有機溶剤、水、これらの混合物などが挙げられる。上記揮発性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−エチルブタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ブタノン、3−ペンタノンなどのケトン類、およびジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸エチル、トルエン、キシレン、p−シメン、ヘキサン、オクタン、ペンタン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、メチルメタクリレートなどが挙げられる。中でも、エタノール、アセトンなどの常圧での沸点が100℃以下の揮発性有機溶剤が望ましい。また、これら溶剤は1種類または数種類の組み合わせで用いられる。これらの溶剤の配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、90重量%〜99.99重量%の範囲で使用される。
【0033】
抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤とからなる本発明の抗菌性プライマーにおいては、抗菌性重合性単量体を強固に硬化させるために、重合開始剤を配合させた方が望ましい場合がある。かかる重合開始剤としては、公知のものが何ら制限無く用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、α−ジケトン/還元剤、ケタール/還元剤、チオキサントン/還元剤等があげられる。α−ジケトンの例としては、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオンなどが挙げられる。ケタールの例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チオキサントンの例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。還元剤の例としては、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、ジメチルアミノフェナントール等の三級アミン、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド類、2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸等のチオール基を有する化合物等を挙げることが出来る。また、紫外線照射による光重合を行う場合は、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等が好適である。
【0034】
さらに、アシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤も好適に用いられる。かかるアシルホスフィンオキサイドとしては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイドおよび特公平3−57916号公報に開示されている水溶性のアシルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらアシルホスフィンオキサイド系の光重合開始剤は、単独もしくは各種アミン類、アルデヒド類またはメルカプタン類、スルフィン酸塩等の還元剤と併用して用いる場合もよい。これらの光重合開始剤は1種類または数種組み合わせて用いられる。また、これらの光重合開始剤の配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で好適に使用される。
【0035】
また、化学重合開始剤としては、例えば、レドックス系の重合開始剤が好適に用いられる。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、本発明の接着システムで用いられる抗菌性プライマーは、酸化剤と還元剤を含む組成物をそれぞれ2分割以上の包装形態にとる必要があるが、本発明の接着システムにおいては、別の構成要素である接着性組成物と必ず組み合わせて使用することから、酸化剤および還元剤をそれぞれ抗菌性プライマーと接着性組成物に別々に配合する手法が可能である。
【0036】
酸化剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類などの有機過酸化物も配合することが可能であり、具体的には、ジアシルパーオキサイド類としてはベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
パーオキシケタール類としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
ケトンパーオキサイド類としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等が挙げられる。
ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの酸化剤は1種類または数種組み合わせて用いられる。
【0037】
還元剤としては、芳香族第3級アミン、脂肪族第3級アミンおよびスルフィン酸またはその塩などが好適な還元剤として使用される。
芳香族第3級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジt−ブチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。
【0038】
脂肪族第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート等が挙げられる。
【0039】
スルフィン酸またはその塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、トルエンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸カリウム、トルエンスルフィン酸カルシウム、トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられる。これらの還元剤は、1種類または数種組み合わせて用いられる。
【0040】
これらの酸化剤および還元剤の配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲で好適に使用される。
【0041】
本発明の抗菌性プライマーは、以上に述べた各成分の他、実用上必要に応じて、リン酸、硝酸などの無機酸、マレイン酸、クエン酸等の有機酸、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料および染料等を添加することができる。また、抗菌性を著しく低下させない程度の重合性単量体を配合することもでき、その配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、通常10重量部以下である。また、抗う蝕効果を目的として、フッ化ナトリウムなどのフッ素化合物を配合することもできる。
【0042】
本発明の抗菌性プライマーには、さらにフィラーを配合することもできる。かかるフィラーとしては、無機系あるいは有機物及びこれらの複合体が用いられる。無機系フィラーとしては、シリカあるいはカオリン、クレー、雲母、マイカなどのシリカを基材とする鉱物、シリカを基材とし、Al2O3、B2O3、TiO2、ZrO2、BaO、La2O3、SrO2、CaO、P2O5等を含有するセラミックスやガラスの類、特にランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ソーダガラス、リチウムボロシリケートガラス、亜鉛ガラス、フルオロアルミナムボロシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、バイオガラス等が挙げられる。さらには結晶石英、ヒドロキシアパタイト、アルミナ、酸化チタン、酸化イットリウム、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等も好適に用いられる。
有機物のフィラーとしては、ポリメチルメタクリレート、多官能メタクリレートの重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の有機樹脂が挙げられる。
また、これらの有機樹脂中に無機フィラーが分散したり、無機フィラーを上記有機樹脂でコーティングした無機/有機複合フィラー等も挙げられる。
【0043】
これらのフィラーは、該抗菌性プライマーの流動性の調製、分散性の向上のため、必要に応じてシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。かかる表面処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのフィラーは、1種類または数種類の組み合わで配合され、その配合量は、抗菌性プライマー全体に対して、通常30重量%以下、さらに好ましくは10重量部以下の範囲で添加される。また、平均粒径0.1μmの以下のコロイダルシリカがより好ましい。
【0044】
本発明の接着剤システムの他方の構成要素である接着性組成物において使用される酸は、重合性を有する有機酸である。重合性を有する有機酸としては、リン酸残基、ピロリン酸残基、チオリン酸残基、カルボン酸残基またはスルホン酸残基等の酸性基、およびアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチレン基等の重合可能な不飽和基を有する重合性単量体である。具体例として、以下のものが挙げられる。なお、本発明においては、(メタ)アクリルをもってメタクリルとアクリルの両方を包括的に表現する。
【0045】
リン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、9−(メタ)アクリロイルオキシノニルジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデシルジハイドロジェンホスフェート、20−(メタ)アクリロイルオキシエイコシルジハイドロジェンホスフェート、1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−ジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルリン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル 2’−ブロモエチルリン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチル フェニルホスホネート等、およびこれらの酸塩化物。
【0046】
ピロリン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、ピロリン酸ジ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等、およびこれらの酸塩化物。チオリン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンジチオホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンチオホスフェート等、およびこれらの酸塩化物。
【0047】
カルボン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸無水物、5−(メタ)アクリロイルアミノペンチルカルボン酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸等およびこれらの酸塩化物。
【0048】
スルホン酸残基を有する重合性単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、などのスルホン酸基を含有する化合物などを挙げることができる。
これらの酸性基を有する重合性単量体は1種類または数種類の組み合わせで用いられる。
【0049】
これらの重合性基を有する有機酸の配合量は、接着性組成物全体に対して、通常0.01重量%〜70重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜50重量%の範囲、さらに該接着性組成物に有機溶剤または水が配合される場合は、0.1重量%〜30重量%の範囲で好適に使用される。
【0050】
本発明の接着性組成物に使用される重合性単量体としては、通常、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル類、(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等が挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸エステルが好適に用いられる。かかる重合性単量体を例を以下に示す。
【0051】
本発明において、一つのオレフィン性二重結合を有する単量体を一官能性単量体とする。
(イ)一官能性単量体
メチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
【0052】
(ロ)二官能性単量体
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−〔3−((メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル]ジメタクリレートなどが挙げられる。
【0053】
(ハ)三官能性以上の単量体
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタンなどが挙げられる。
これらの重合性単量体は1種類または数種類の組み合わせで用いられる。
これら重合性単量体の配合量は、接着性組成物全体に対して、通常5〜95重量%の範囲、より好ましくは30〜90重量%、さらに好ましくは、40〜80重量%の範囲で使用される。
【0054】
本発明において、接着性組成物に使用される重合開始剤は、接着性組成物および抗菌性プライマーの両方を硬化させるために必要であるが、重合開始剤としては、公知のものが何ら制限無く用いることができる。かかる重合開始剤としては、光重合開始剤または/および化学重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、先に記載した抗菌性プライマーに配合できる光重合開始剤を同様に使用することができる。中でも、α−ジケトン/還元剤、アシルホスフィンオキサイド/還元剤が好適に用いられる。
これらの光重合開始剤は1種または数種類の組み合わせで用いられる。また、これらの光重合開始剤の配合量は、接着性組成物全体に対して、通常0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。
【0055】
また、化学重合開始剤としては、例えば、レドックス系の重合開始剤が好適に用いられる。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、本発明の接着性組成物は、酸化剤および還元剤を別々に配合した2以上の包装形態をとる必要がある。また、接着性組成物は本発明の接着システムの別の構成要素である、前述の抗菌性プライマーと必ず組み合わせて使用することから、抗菌性プライマーと接着性組成物にそれぞれ酸化剤および還元剤のいずれか一方を配合して、接着性組成物としては一つの包装形態をとることも可能である。
【0056】
酸化剤及び還元剤としては、先に記載した抗菌性プライマーに配合できる酸化剤および還元剤を同様に使用することができる。
これらの酸化剤および還元剤は1種または数種類の組み合わせで用いられる。また、これらの酸化剤および還元剤の配合量は、接着性組成物全体に対して通常0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で使用される。
【0057】
本発明の接着性組成物は、操作性、塗布性、機械的強度の改善のために、フィラーを配合しても構わない。かかるフィラーとしては、先に記載した抗菌性プライマーに配合できる無機系あるいは有機系のフィラー及びこれらの複合体が同様に使用することができる。
【0058】
これらのフィラーは、1種類または数種類の組み合わせで配合され、接着性組成物全体に対して、通常、70重量%以下、より好ましく50重量%以下の範囲で添加される。さらに該接着性組成物に有機溶剤または水が配合される場合は、30重量%以下で好ましく使用される。特に好適なフィラーとしては、平均粒径0.1μmの以下のコロイダルシリカが挙げられる。
【0059】
本発明の接着性組成物は、以上に述べた各成分の他、実用上必要に応じて、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料および染料等を添加することができる。また、抗う蝕効果を目的として、フッ化ナトリウムなどのフッ素化合物を配合することもできる。
【0060】
本発明の抗菌性接着剤システムは、抗菌性プライマーを歯面に塗布し、その後、その上に接着性組成物を塗布し、硬化させる方法により使用される。より具体的な使用方法を下記に示すが、かかる使用方法に限定されるものではない。
(1)コンポジットレジン等による直接充填修復
窩洞形成された歯牙に本接着システムの抗菌性プライマーを塗布し、そのまま静置あるいは歯科用エアーシリンジを用いて揮発性溶剤を乾燥させ、その上に本発明の接着性組成物を塗布し、しばらく放置後、必要に応じて歯科用エアーシリンジにてブローを行った後に硬化させる。硬化反応は、光重合、化学重合、あるいは、これらの両方の重合様式を合わせ持つデュアルキュアのいずれの反応方式の触媒も使用できる。光照射器を使用する光重合もしくはデュアルキュア方式が、操作の容易さの面から好ましい。
接着性組成物を硬化した後、その上に充填用コンポジットレジンあるいは充填用コンポマーを填入し、硬化させて修復を完了させる。
【0061】
(2)補綴物による間接修復
まず、窩洞形成された歯牙歯牙に本接着システムの抗菌性プライマーを塗布し、そのまま放置あるいは歯科用エアーシリンジを用いて揮発性溶剤を乾燥させる。
次に、金属合金、陶材、コンポジットレジン硬化物などの補綴物に本発明の接着性組成物を塗布し、これを先に抗菌性プライマーにて処理した歯質表面に押しつけた後、硬化させて修復を完了させる。この時、接着性組成物を歯質の抗菌性プライマー塗布面上に塗布してもかもわない。
【0062】
硬化方法は、光重合、化学重合、あるいはデュアルキュアのいずれの硬化方法でもよいが、光照射器の光が補綴物によっては遮光される場合が多いため、化学重合もしくはデュアルキュアが好ましい。該接着性組成物は、好ましくは2包装に分割されており、混和することによって化学硬化するものが望ましい。
【0063】
本発明の抗菌性接着性システムは、その他にも、グラスアイオノマーセメント、リン酸亜鉛セメント、ポリカルボキシレートセメント、シリケートセメント、酸化亜鉛ユージノールセメントなどの合着剤、加熱重合レジン、即重レジン、根管充填材または仮封材等と組み合わせて使用することもできる。
【0064】
また、特に、口腔内にて修復材料が破折した場合の修理には、歯質ばかりでなく、金属、陶剤、コンポジット硬化物に対しても使用することができ、さらには、市販の酸エッチング剤や次塩素酸塩等の歯面清掃剤と組み合わせて使用してもよい。
【0065】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。なお、本発明中並びに実施例に示した略称・略号については次の通りである。
【0066】
略称・略号
抗菌性化合物
MDPB:メタクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド
MHPC:メタクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド
HMPC:4−ヘキサデシルメタクリロイルオキシエチルピリジニウムクロライド
MHBP:メタクリロイルオキシエチルヘキサデシルビピリジニウムジクロライド
DMPC:メタクリロイルオキシドデシルトリメチルホスホニウムクロライド
OEPA:メタクリロイルオキシオクタデシルトリエチルホスホニウムアセテート
MEDP:4−メタクリロイルオキシエチルドデシルピリジニウムクロライド
VHMS:ジ(4−ビニルベンジル)ヘキサデシルメチルアンモニウムメチルスルフェート
DDMC:ジ(メタクリロイルオキシエチル)ドデシルメチルアンモニウムクロライド
BMPS:臭化メタクリロイルオキシエチル(4−N−ヘキサデシルピリジニルメチル)コハク酸エステル
【0067】
光重合開始剤、還元剤、酸化剤
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
CQ:カンファーキノン
BSS:ベンゼンスルフィン酸ナトリウム
TPBSS:2,4,6−トリイソベンゼンスルフィン酸ナトリウム
DMAB:4−ジメチルアミノベンゾフェノン
BPO:ベンゾイルパーオキサイド
【0068】
重合性単量体
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HD:1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
DD:1,10−ドデカンジオールジメタクリレート
UDMA:[2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル]ジメタクリレート
TH: N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート
【0069】
実施例1
エタノール、蒸留水およびMDPBを表1に示す重量比で混合した抗菌性プライマーを調製した。さらに、MDP、蒸留水、HEMA、HD、CQおよびDMABを表1に示す重量比で混合した接着性組成物を調製した。
この抗菌性プライマーと接着性組成物を用いて、後述の接着力試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表1に併記した。さらに、同じ抗菌性プライマーと接着性組成物を使用して、後述の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表1に併記した。
【0070】
接着力試験方法
ウシの前歯を#1000シリコン・カーバイド紙(日本研紙(株)製)で平滑に湿潤研磨した後、エナメル質表面、または象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙質表面に、直径3mmの穴を開けた厚さ約150ミクロンの粘着テープを貼り、穴の部分に、まず、本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を乾燥させた。その上に、本発明の接着性組成物を筆で塗布し、60秒間静置後、歯科用エアーシリンジを用いて約100ミクロンの厚さになるようブローした後、歯科用光照射器「ライテルII」(群馬牛尾電気(株)製)にて30秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に市販の光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」((株)クラレ製)をのせ、エバール(登録商標、(株)クラレ製)からなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から押しつけ、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照射を行い、硬化させた。この硬化面に対して、市販の歯科用レジンセメント「パナビア21」((株)クラレ製)を用いて直径7mmのステンレス棒を接着し、30分間後に全試験片8個を37℃の水中に浸漬した。全試験片8個について、37℃水中24時間浸漬後に接着強度を測定した。接着強度の測定には、万能試験機(インストロン製)を用い、クロス・ヘッドスピード2mm/minの条件で引張接着強度を測定した。各々の測定値を平均した。
【0071】
抗菌性試験方法1(重合硬化前の抗菌性の評価)
ウシの前歯を1000番のシリコン・カーバイド研磨紙(日本研紙(株)製)で平滑に湿潤研磨し、象牙質表面を露出させた後、ダイヤモンドソーを用いて厚さ1mmの切片に切断した。両面に40%リン酸水溶液を塗布し、60秒間静置した後、流水下で洗浄し、使用するまで水中に保管した。象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。予めブレインハートインフュージョン(BHI)液体培地(日水製薬製)で24時間前培養したストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans.、IFO13955)を滅菌生理食塩水で細菌濃度が1×106(CFU/ml)となるように希釈し、BHI寒天培地に100μl接種し、コーンラージ棒を用いて、表面に均一に広げた。
【0072】
前述の象牙質切片の表面に直径5mmの穴を開けたテープを貼ったものを、上記の寒天培地の中央部分に置き、軽く押しつけて密着させた。切片のテープの穴の部分に本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、直ちに、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を蒸散させた後、続いて、その上に、本発明の接着性組成物を筆で塗布し、そのまま60秒間放置して、該抗菌性プライマーおよび該接着性組成物の切片組織への浸透をはかる。試験片を取り除き、BHI寒天培地を37℃、48時間培養した後、細菌の増殖状態を観察し、下記の判定基準に基づき評価を行った。
++)試験片を置いた場所でも周辺部分と同様に細菌が増殖している。
+)試験片を置いた場所では周辺部分に比べ細菌の増殖が抑制されている。
−)試験片を置いた場所では全く細菌が増殖していない。
【0073】
抗菌性試験方法2(重合硬化後の表面の抗菌性の評価方法)
エバール(登録商標、(株)クラレ製)からなるフィルムに内径9mmの穴を開けたテープを貼り付け、フィルムが水平になるようにドーナツ型の金属(内径15mm、外形40mm、厚さ0.5mm)をのせて固定した。金型の穴の部分に、本発明の抗菌性プライマーを10μl滴下し、直ちに歯科用エアーシリンジで揮発性溶剤をさせた。続いて、その上に、本発明の接着性組成物を10μlを滴下し、歯科用光照射器「ライテルII」にて30秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に、市販の光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」((株)クラレ製)をのせ、エバール(登録商標、(株)クラレ製)からなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から押しつけ、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照射を行い、硬化させた。硬化物を金型からはずし、水中で1時間超音波洗浄を行った。
【0074】
予め、ブレインハートインフュージョン(BHI)液体培地(日本製薬製)で24時間培養したストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans.、IFO13955)を滅菌生理食塩水で細菌濃度が1×106(CFU/ml)となるように希釈し、上記の硬化物表面に100μl接種した。15分間静置後に、硬化物を逆さまにして、BHI寒天培地に乗せ、細菌溶液を回収した。さらに硬化物を寒天培地の別な場所に押しつけ、硬化物表面に付着している残存細菌を全て回収し、これをサンプルとした。同時に、上記の細菌希釈液を直接BHI寒天培地に100μl接種したものを調製し、これを対照とした。両者を37℃、24時間嫌気培養した後、さらに24時間好気培養し、形成されたコロニー数を計測し、下記の式により、細菌死滅率を算出した。
【0075】
【数1】
【0076】
実施例2〜7
表1に示すように、実施例1の抗菌性プライマーの組成からMDPBを除き、代わりにHMPC、MHBP、OEPA、VHMS、DDMCまたはBMPSを配合した抗菌性プライマーを各々調製した。さらに、実施例1の接着性組成物を調製した。これらの抗菌性プライマーと接着性組成物を用いて、実施例1と同様の接着力試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表1に併記した。さらに、同じ抗菌性プライマーと接着性組成物を使用して、実施例1と同様の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表1に併記した。
【0077】
【表1】
【0078】
比較例1
表2に示すように、実施例1の抗菌性プライマーの組成からMDPBを除いた組成物を調製した。さらに、実施例1の接着性組成物を調製した。
これらを用いて、実施例1の接着力試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表2に併記した。さらに、実施例1の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表2に併記した。
【0079】
比較例2
表2に示すように、実施例1の接着性組成物を調製した。この接着性組成物のみを使用して、実施例1の接着力試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表2に併記した。さらに、実施例1の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表2に併記した。
【0080】
比較例3〜10
表2に示すように、実施例1の接着性組成物に抗菌性単量体であるMDPB、HMPC、MHBP、OEPA、VHMS、DDMCまたはBMPSを配合した接着性組成物を各々調製した。これらの接着性組成物を使用して、実施例1の接着力試験方法に従って接着強度を測定し、測定結果を表2に併記した。さらに、実施例1の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表2に併記した。
【0081】
【表2】
【0082】
表1に示したように、抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤を含む抗菌性プライマーと接着性組成物を用いた実施例1〜7の場合には、エナメル質に対して約15MPa、象牙質に対して約13MPaの強い接着強度を示し、さらに、抗菌性試験1においては、ディスク下面の細菌を完全に死滅させ、重合硬化前でも強い抗菌性が観察された。また、抗菌性試験2においては、重合硬化後の表面に付着した細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
これに対して、表2から明らかなように、抗菌性重合性単量体を含まない比較例1および2の場合には、良好な接着強度は得られるものの、重合硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも観察されなかった。
また、接着性組成物に抗菌性重合性単量体を配合した比較例3〜9の場合には、接着強度は実施例1〜7と同様に高い接着強度が得られるが、硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも細菌を死滅させるには不十分なものであった。
【0083】
実施例8
MDPB、エタノール、蒸留水、TMDPOおよびBSSを表3に示す重量比で混合した抗菌性プライマーを調製した。さらに、MDP、HEMA、蒸留水およびTMDPOを表3に示す重量比で混合した接着性組成物(A液)とUDMA、HEMA、MDP、TMDPO、CQ、DMABおよびシラン処理した石英粉末からなる接着性組成物(B液)を調製し、これらを用いて後述の接着力試験方法に従って、歯質に対する引張接着強度を測定し、測定結果を表3に併記した。さらに、後述の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表3に併記した。
【0084】
接着強度試験方法
実施例1と同じ要領で、ウシの前歯のエナメル質表面、または象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙質表面に、直径3mmの穴を開けた厚さ約150ミクロンの粘着テープを貼り、穴の部分に、まず、本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を乾燥させた。その上に、本発明の接着性組成物(A液)を筆で塗布し、30秒間静置後に、歯科用エアーシリンジを用いて、余剰部分を除去した後、続いて、その上に接着性組成物(B液)を筆で塗布し、約100ミクロンの厚さになるよう歯科用エアーシリンジを用いてブローした後、歯科用光照射器「ライテルII」にて10秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に、実施例1と同様に、光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」を付与し硬化させた後、37℃の水中に浸漬した。全試験片8個について、37℃水中24時間浸漬後に引張接着強度を測定した。各々の測定値を平均した。
【0085】
抗菌試験法1(重合硬化前の抗菌性の評価)
実施例1と同じ要領で象牙質切片を調製し、さらに、実施例1と同じ要領で、予めブレインハートインフュージョン(BHI)液体培地(日水製薬製)で24時間前培養したストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans.、IFO13955)を滅菌生理食塩水で細菌濃度が1×106(CFU/ml)となるように希釈し、BHI寒天培地に100μl接種し、コーンラージ棒を用いて、表面に均一に広げた。
【0086】
前述の象牙質切片の表面に直径5mmの穴を開けたテープを貼ったものを、上記の寒天培地の中央部分に置き、軽く押しつけて密着させた。切片のテープの穴の部分に本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、直ちに、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を蒸散させた後、続いて、その上に、接着性組成物(A液)を筆で塗布し、そのまま30秒間放置した後、続いて接着性組成物(B液)を塗布し、30秒間放置して、抗菌性プライマー、接着性組成物(A液)および接着性組成物(B液)の切片組織への浸透をはかる。試験片を取り除き、BHI寒天培地を37℃、48時間培養した後、細菌の増殖状態を観察し、実施例1と同様の判定基準に基づき評価を行った。
【0087】
抗菌性試験方法2(重合硬化後の表面の抗菌性の評価方法)
実施例1と同じ要領で、エバールからなるフィルムに内径9mmの穴を開けたテープを貼り付け、フィルムが水平になるようにドーナツ型の金属をのせて固定した。金型の穴の部分に、本発明の抗菌性プライマーを10μl滴下し、直ちに歯科用エアーシリンジで揮発性溶剤をさせた。続いて、その上に、本発明の接着性組成物(A液)を10μlを滴下し、歯科用エアーシリンジでブローした後、その上に、本発明の接着性組成物(B液)を筆で約100μmの厚さに塗布し、歯科用光照射器「ライテルII」にて10秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に、市販の光重合型歯科用コンポジットレジン「クリアフィルAP−X」をのせ、エバールからなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から押しつけ、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照射を行い、硬化させた。硬化物を金型からはずし、水中で1時間超音波洗浄を行った後、実施例1と同じ要領で、細菌の死滅率を求めた。
【0088】
実施例9
DMPC、エタノール、蒸留水、TMDPOおよびBSSを表3に示す重量比で混合した抗菌性プライマーを調製した。さらに、実施例8と同じ組成の接着性組成物(A液)および接着性組成物(B液)を調製し、これらを用いて、実施例8の試接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、その測定結果を表3に併記した、さらに、実施例8の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表3に併記した。
【0089】
比較例10
実施例8と同じ組成の接着性組成物(A液)および接着性組成物(B液)を調製し、これらを用いて、実施例8の接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、測定結果を表3に併記した、さらに、実施例8の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表3に併記した。
【0090】
比較例11、12
表3に示すように、実施例8の接着性組成物(A液)にMDPBまたはDMPCを配合した抗菌性接着性組成物(A液)を各々調製した。また、実施例8と同様の組成の接着性組成物(B液)を調製した。これらを用いて、実施例8の接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、測定結果を表3に併記した。さらに、実施例8の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表3に併記した。
【0091】
【表3】
【0092】
表3に示したように、抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤を含む抗菌性プライマーと接着性組成物を用いた実施例8および9の場合には、エナメル質に対して約20MPa、象牙質に対して約19MPaの強い接着強度を示し、さらに、抗菌性試験1においては、ディスク下面の細菌を完全に死滅させ、重合硬化前でも強い抗菌性が確認された。また、抗菌性試験2においては、重合硬化後の表面に付着した細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
これに対して、抗菌性重合性単量体を含まない比較例10の場合には、良好な接着強度は得られるものの、重合硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも確認されなかった。また、接着性組成物(A液)に抗菌性重合性単量体を配合した比較例11および12の場合には、接着強度は実施例8および9と同様に高い接着強度が得られるが、硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも細菌を死滅させるには不十分なものであった。
【0093】
実施例10
MHPCとエタノールを表4に示す重量比で混合した抗菌性プライマーを調製した。さらに、MDP、HEMA、蒸留水、CQ、DMABおよびDEPTを表4に示す重量比で混合した接着性組成物(C液)、TH、DD、MDP、TMDPO、BPOおよびシラン処理した石英粉末を表4に示す重量比で混合した接着性組成物(D液)およびTH、HEMA、DD、DEPT、TPBSSおよびシラン処理した石英粉末粉末を表4に示す重量比で混合した接着性組成物(E液)をそれぞれ調製した。これらを用いて後述の接着試験方法に従って、歯質に対する接着強度を測定し、さらに、後述の抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価した。
【0094】
接着強度試験方法
実施例1と同じ要領で、ウシの前歯のエナメル質表面、または象牙質表面を露出させた後、表面の水を歯科用エアーシリンジで吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙質表面に、直径5mmの穴を開けた厚さ約150ミクロンの粘着テープを貼り、穴の部分に、まず、本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を乾燥させた。その上に、本発明の接着性組成物(C液)を筆で塗布し、30秒間静置後に、歯科用エアーシリンジを用いて、余剰部分を除去した。
次に、本発明の接着性組成物(D液)と接着性組成物(E液)を等量とり、練和したペーストを塗布し、直径7mmのステンレス棒に塗布し、これを先に接着性組成物(C液)を塗布した歯質表面に押しつけた。30分静置後、37℃の水中に浸漬させ、24時間後に引張接着強度を測定した。
【0095】
抗菌性試験法1(重合硬化前の抗菌性の評価)
実施例1と同じ要領で象牙質切片を調製し、さらに、実施例1と同じ要領で、予めブレインハートインフュージョン(BHI)液体培地(日水製薬製)で24時間前培養したストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans.、IFO13955)を滅菌生理食塩水で細菌濃度が1×106(CFU/ml)となるように希釈し、BHI寒天培地に100μl接種し、コーンラージ棒を用いて、表面に均一に広げた。
【0096】
前述の象牙質切片の表面に直径5mmの穴を開けたテープを貼ったものを、上記の寒天培地の中央部分に置き、軽く押しつけて密着させた。切片のテープの穴の部分に本発明の抗菌性プライマーを筆で塗布し、直ちに、歯科用エアーシリンジにて揮発性溶剤を蒸散させた後、続いて、その上に、接着性組成物(C液)を筆で塗布し、そのまま30秒間放置して、抗菌性プライマーおよび接着性組成物(C液)の切片組織への浸透をはかる。試験片を取り除き、BHI寒天培地を37℃、48時間培養した後、細菌の増殖状態を観察し、実施例1と同様の判定基準に基づき評価を行った。
【0097】
抗菌性試験方法2(重合硬化後の表面の抗菌性の評価方法)
実施例1と同じ要領で、エバールからなるフィルムに内径9mmの穴を開けたテープを貼り付け、フィルムが水平になるようにドーナツ型の金属をのせて固定した。金型の穴の部分に、本発明の抗菌性プライマーを10μl滴下し、直ちに歯科用エアーシリンジで揮発性溶剤をさせた。続いて、その上に、本発明の接着性組成物(C液)を10μlを滴下し、歯科用エアーシリンジでブローした。次に、本発明の接着性組成物(D液)と接着性組成物(E液)を等量ずつとって練和し、その練和したペーストを先に接着性組成物(C液)にて処理した上面に塗布し、エバールからなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から押しつけ、かかる状態で60分間放置して硬化させた。硬化物を金型からはずし、水中で1時間超音波洗浄を行った後、実施例1と同じ要領で、細菌の死滅率を求めた。
【0098】
実施例11
MEDPとエタノールを表4に示す重量比で混合した抗菌性プライマーを調製した。さらに、実施例10と同じ組成の接着性組成物(C液)、接着性組成物(D液)および接着性組成物(E液)を調製し、これらを用いて、実施例10の接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、その測定結果を表4に併記した、さらに、実施例10と抗菌性試験方法に従って、抗菌性の強さを評価し、評価結果を表4に併記した。
【0099】
比較例13
実施例10と同じ組成の接着性組成物(C液)、接着性組成物(D液)および接着性組成物(E液)を調製した。これらを用いて、実施例10の接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、測定結果を表4に併記した。さらに、実施例10の抗菌性試験方法に従って抗菌性の強さを評価し、評価を表4に併記した。
【0100】
比較例14、15
表4に示すように、実施例10の接着性組成物(C液)にMHPCまたはMEDPを配合した接着性組成物(C液)を各々調製した。さらに、実施例10の接着性組成物(D液)および接着性組成物(E液)を調製した。これらを用いて、実施例10の接着力試験方法に従って、接着強度を測定し、測定結果を表4に併記した。さらに、実施例10との抗菌性試験方法に従って抗菌性の強さを評価し、評価結果を表4に併記した。
【0101】
【表4】
【0102】
表4に示したように、抗菌性重合性単量体と揮発性溶剤を含む抗菌性プライマーと接着性組成物(C液)、(D液)および(E液)を用いた実施例10および11の場合には、エナメル質の対して約20MPa、象牙質に対して約13MPaの強い接着強度を示し、さらに、抗菌性試験1においては、ディスク下面の細菌を完全に死滅させ、重合硬化前でも強い抗菌性が確認された。また、抗菌性試験2においては、重合硬化後の表面に付着した細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
これに対して、抗菌性重合性単量体を含まない比較例13の場合には、良好な接着強度は得られるものの、重合硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも確認されなかった。また、接着性組成物(C液)に抗菌性重合性単量体を配合した比較例14および15の場合には、接着強度は実施例10および11と同様に高い接着強度が得られるが、硬化前の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性については、いずれも細菌を死滅させるには不十分なものであった。
【0103】
【発明の効果】
本発明の抗菌性接着システムによれば、歯牙と修復材料とを強固に接着できる上、象牙細管などの接着界面の微細構造中に残存している細菌を強力に死滅させることができ、さらに、接着後に接着界面に侵入してくる細菌をも死滅させることができることから、2次カリエスや歯髄感染などを防止することが可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dental adhesive system having antibacterial properties.
[0002]
[Prior art]
In dental treatment, dental adhesives are often used when prosthetic restorations such as filling composite resins, filling compomers, dental alloys, porcelain, etc., are used for partial tooth defects. However, when the restoration material is bonded directly to the tooth surface, the restoration material itself does not have adhesiveness, so that sufficient adhesion strength cannot be obtained, and the restoration material falls off or from the adhesion interface between the tooth and the restoration material. Invasion of bacteria may cause secondary caries or pulpitis.
[0003]
In order to solve such a problem, adhesive systems using various tooth surface treatment agents have been proposed in advance, and it has been reported that the adhesive strength between the tooth and the restoration material is improved by such tooth surface treatment agents. For example, (1) Journal of Dental Research, Vol. 34, pages 849-854 (1955) describes the adhesive strength between restoration material and tooth enamel by so-called acid etching treatment. (2) Journal of Dental Research, Vol. 63, pages 1087-1089 (1984) includes glutarylaldehyde, 2-hydroxyethyl methacrylate (hereinafter referred to as “this”). (3) Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-223289 discloses that a primer composition consisting of HEMA) and water enhances the adhesive strength between the restoration material and the dentin. Primer to which acid such as p-toluenesulfonic acid is added remarkably improves the adhesion between restoration material and enamel and dentin (4) In Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-113057, a primer in which an acid salt is added to a HEMA aqueous solution significantly improves the adhesive force between the restoration material, enamel and dentin, and (5) Dental Materials and Instruments, Vol. 9, pp. 65-73 (1990), a primer prepared by adding a monomer having an amino acid residue such as N-acryloylaniline to an HEMA aqueous solution is used as a restoration material, enamel, and ivory It is described that the adhesive strength with the quality is remarkably improved. Further, (6) JP-A-3-240712 discloses an adhesive composition in which a polymerizable monomer having an acidic group and a curing agent are added to an HEMA aqueous solution, and further, No. 8368 describes that the adhesive force between the restoration material and the dentin is dramatically improved by adding an amino compound to the composition.
[0004]
Although the adhesive has improved the adhesion strength between the tooth and the restorative material, in the clinic, secondary caries and pulpitis, which are thought to be caused by the invasion of bacteria from the adhesive interface between the two, often occur. It has become.
[0005]
On the other hand, attempts have been made to impart antibacterial properties to dental adhesives in order to prevent such bacteria from entering the adhesive interface. For example, JP-A-1-17107 contains an antibacterial agent. And quaternary alkylammonium salts that can be expected to have an antibacterial effect, although there is no description of antibacterial properties in JP-A-2-16176 and JP-A-8-198723. A description is disclosed of a dental pretreatment agent to which is added. However, since these antibacterial agents or quaternary alkylammonium salts do not have a polymerizable group, the dental adhesive elutes in the oral cavity after polymerization and is sufficiently safe for clinical application. Confirmation is required. Further, these antibacterial agents and quaternary ammonium salts cannot exhibit antibacterial properties over a long period of time.
[0006]
Furthermore, JP-A-6-9725 and JP-A-7-215814 describe dental compositions containing an antibacterial polymerizable monomer and a polymerizable monomer having an acidic group. The antibacterial property here is a non-eluting antibacterial property in which the antibacterial substance does not elute on the surface of the cured product after polymerization curing, and is produced by copolymerization of the antibacterial polymerizable monomer and other monomers. It refers to the antibacterial properties of the surface of the cured product. However, in the dental composition provided by these methods, it is possible to attenuate bacteria attached to the surface of the cured product by exposing the antibacterial compound copolymerized to the polymer network of the cured product to the surface. However, it was impossible to kill bacteria remaining in the fine structure of the adhesion interface such as dentinal tubules.
[0007]
As a method for solving these problems, JP-A-8-157318 discloses an antibacterial polymerizable monomer, a polymerizable monomer having an acidic group, a polymerizable monomer having an alcoholic hydroxyl group, and water. An antibacterial dental adhesive composition comprising a polymerization catalyst has been proposed.
This technology, by adding an antibacterial polymerizable monomer to the so-called self-etching primer, demineralizes the tooth, and at the same time kills bacteria present in the tooth by the antibacterial monomer, In addition, even after polymerization and curing, a non-eluting antibacterial property is exhibited on the cured surface, which is a very useful technique. However, since the primer contains many components that are difficult to volatilize, such as a polymerizable monomer having an acidic group and a polymerizable monomer having an alcoholic hydroxyl group, the primer and the antibacterial polymerizable monomer The probability of contact was low, and antibacterial properties could not be fully expressed. Furthermore, even after curing, a polymer layer in which an antibacterial polymerizable monomer and another polymerizable monomer are copolymerized is formed near the adhesive interface between the tooth and the adhesive. Since the proportion of the monomer component is large and the proportion of the antibacterial monomer is low, the antibacterial effect is not sufficiently exhibited.
In order to improve these antibacterial properties, the number of antibacterial polymerizable monomers is extremely increased, or the number of polymerizable monomers having an acidic group or the number of polymerizable monomers having an alcoholic hydroxyl group is extremely decreased. It is possible to improve the antibacterial properties to some extent, but this is not practical because the adhesive strength to the tooth is significantly reduced.
[0008]
In addition, as an example of a composition in which an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent are blended, for example, as disclosed in JP-A-9-67546, a metal adhesive monomer and a volatile solvent are used. Although there is a description that an antibacterial polymerizable monomer may be added to the adhesive composition, the adhesive composition is intended to modify the surface of the metal, and bacteria in the tooth Nothing is said about sterilizing Furthermore, even when the composition of this example was used, high adhesion to the tooth was not obtained.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to solve the problem that the antibacterial compound elutes in the oral cavity, and then maintain a high adhesive force to the tooth, Bacteria remaining in the layer or in the fine structure of the adhesion interface can be killed strongly, and furthermore, bacteria that enter the adhesion interface for a long time after adhesion can also be killed. It is to provide an antibacterial dental adhesive system.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have intensively studied a dental adhesive system containing an antibacterial polymerizable monomer, and as a result, an antibacterial comprising an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent. By applying a functional primer to the tooth surface and letting the tooth surface come into contact with a high concentration of antibacterial polymerizable monomer by natural drying or dental air blow, the bacteria attached to the tooth surface are killed. Then, an adhesive composition composed of a polymerizable monomer having an acidic group, a polymerizable monomer and a polymerization initiator is applied thereon, and the adhesive composition is applied first and remains on the tooth surface. By curing together with the antibacterial monomer, a layer of antibacterial polymer is formed at a high concentration in the vicinity of the adhesive interface between the tooth and the adhesive composition, and bacteria that invade the adhesive interface over a long period of time are killed. That can be found, book Which resulted in the completion of the Akira.
[0011]
That is, the present invention provides the following general formula (I)
[0012]
[Chemical formula 5]
[0013]
Formula (II)
[0014]
[Chemical 6]
[0015]
Formula (III)
[0016]
[Chemical 7]
[0017]
And general formula (IV)
[0018]
[Chemical 8]
[0019]
An antibacterial primer (a) comprising at least one antibacterial polymerizable monomer selected from the compound represented byThe blending amount of the antibacterial polymerizable monomer is 0.01% by weight to 10% by weight with respect to the whole antibacterial primer, and the blending amount of the volatile solvent is based on the whole antibacterial primer. Antibacterial primer (a) of 90% to 99.99% by weight, and organic having polymerization propertyAn antibacterial dental adhesive system comprising an adhesive composition (b) comprising an acid, a polymerizable monomer and a polymerization initiator.
[0020]
In this specification, the term “adhesive composition” is an adhesive for adhering a tooth and a dental restorative material, and the adhesive has an enhanced adhesive property before bonding. It also includes a primer applied to the tooth or restorative material for the purpose. That is, the adhesive composition of the present invention includes those that take a packaging form of two or more parts, such as a primer and a bonding material or a primer and a resin cement.
[0021]
The following are mentioned as an antimicrobial polymerizable monomer used in this invention.
As a compound of general formula (I),
[0022]
[Chemical 9]
[0023]
Etc.
As a compound of general formula (II),
[0024]
[Chemical Formula 10]
[0025]
Etc.
As a compound of general formula (III),
[0026]
Embedded image
[0027]
Etc.
As a compound of general formula (IV),
[0028]
Embedded image
[0029]
Etc.
[0030]
Among these, methacryloyl oxide decylpyridinium salt, methacryloyloxyhexadecylpyridinium salt, methacryloyloxydecyltriethylammonium salt, 4-hexadecylmethacryloyloxyethylpyridinium salt, methacryloyloxyethylhexadecylbipyridinium salt, methacryloyloxidedecyltrimethylphosphonium salt, Methacryloyloxyoctadecyltriethylphosphonium salt, 4-methacryloyloxyethyldodecylpyridinium salt, di (4-vinylbenzyl) hexadecylmethylammonium salt, di (methacryloyloxyethyl) dodecylmethylammonium salt, methacryloyloxyethyl halide (4-N- Hexadecylpyridinylmethyl) succinate, etc. Antibacterial polymerizable monomer having an alkylene group is preferred.
[0031]
In these antibacterial polymerizable monomers, anions that are paired with ammonium cations and phosphonium cations are not particularly limited, and examples of such anions include F-, Cl-, Br-, I-Halogens. POFour 3-, HPOThree 2-, H2POFour -, NaPOThree 2-, Na2POFour -, SOFour 2-, HSOFour -, KSOFour -, NOThree -Anions derived from inorganic acids such as Anions derived from organic acids such as methanesulfonic acid, acetic acid, propionic acid, benzoic acid, phenol, p-toluenesulfonic acid, maleic acid, succinic acid and citric acid. Furthermore, the anions derived from the acidic compound which has the polymeric property described below are mentioned. AlF6 3-, AsFe-, BFFour -, BiClFour 2-, BiClThree 2-, SbCl6 -, SbF6 -, PF6 -, BiClFour 2-, GaClFour -, InFFour -TiF6 2-, ZrF6 -, FeClFour -, SnCl6 -And anions derived from Bronsted acid. Of these, halogens are preferably used. These anions may be paired with cations alone or in combination of several kinds. The antibacterial polymerizable monomer is used alone or in combination of several kinds. The compounding amount of these antibacterial polymerizable monomers is based on the whole antibacterial primer., 0. Range of 01% to 10% by weightUsed inUsed.
[0032]
In the present invention, the volatile solvent used for the antibacterial primer must be capable of dissolving the antibacterial polymerizable monomer of the present invention. Examples of the solvent include a volatile organic solvent having a boiling point of 250 ° C. or less at normal pressure, water, and a mixture thereof. Examples of the volatile organic solvent include alcohols such as methanol, ethanol, 2-ethylbutanol and isopropanol, ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, 2-butanone and 3-pentanone, and diethyl ether, n-butyl ether, 1,4 -Ethers such as dioxane and tetrahydrofuran, ethyl acetate, toluene, xylene, p-cymene, hexane, octane, pentane, methylene chloride, 1,2-dichloroethane, methyl methacrylate and the like. Among them, a volatile organic solvent having a boiling point of 100 ° C. or less at normal pressure such as ethanol and acetone is desirable. These solvents are used alone or in combination of several kinds. The amount of these solvents is based on the whole antibacterial primer., 9Range of 0% to 99.99% by weightUsed inUsed.
[0033]
In the antibacterial primer of the present invention comprising an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent, it may be desirable to add a polymerization initiator in order to firmly cure the antibacterial polymerizable monomer. is there. Any known polymerization initiator may be used without any limitation.
Examples of the photopolymerization initiator include α-diketone / reducing agent, ketal / reducing agent, thioxanthone / reducing agent, and the like. Examples of α-diketones include camphorquinone, benzyl, 2,3-pentanedione and the like. Examples of ketals include benzyl dimethyl ketal and benzyl diethyl ketal. Examples of thioxanthone include 2-chlorothioxanthone and 2,4-diethylthioxanthone. Examples of reducing agents include 2- (dimethylamino) ethyl methacrylate, N, N-bis [(meth) acryloyloxyethyl] -N-methylamine, ethyl 4-dimethylaminobenzoate, butyl 4-dimethylaminobenzoate , Tertiary amines such as butoxyethyl 4-dimethylaminobenzoate, N-methyldiethanolamine, 4-dimethylaminobenzophenone, dimethylaminophenanthol, aldehydes such as dimethylaminobenzaldehyde, terephthalaldehyde, 2-mercaptobenzoxazole, decane Examples thereof include compounds having a thiol group such as thiol, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, and thiobenzoic acid. Moreover, when performing photopolymerization by ultraviolet irradiation, benzoin alkyl ether, benzyl dimethyl ketal, etc. are suitable.
[0034]
Furthermore, acylphosphine oxide photopolymerization initiators are also preferably used. Examples of the acylphosphine oxide include 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, 2,6-dimethoxybenzoyldiphenylphosphine oxide, 2,6-dichlorobenzoyldiphenylphosphine oxide, 2,3,5,6-tetra Methylbenzoyldiphenylphosphine oxide, benzoyldi- (2,6-dimethylphenyl) phosphonate, 2,4,6-trimethylbenzoylethoxyphenylphosphine oxide, water-soluble acylphosphine oxide disclosed in JP-B-3-57916, etc. Is mentioned. These acylphosphine oxide photopolymerization initiators may be used alone or in combination with reducing agents such as various amines, aldehydes, mercaptans, sulfinates and the like. These photopolymerization initiators are used alone or in combination. In addition, the blending amount of these photopolymerization initiators is based on the whole antibacterial primer.GoodIt is preferably used in the range of 0.01% to 10% by weight, more preferably in the range of 0.1% to 5% by weight.
[0035]
As the chemical polymerization initiator, for example, a redox polymerization initiator is preferably used. When a redox polymerization initiator is used, the antibacterial primer used in the adhesive system of the present invention needs to take a composition containing an oxidizing agent and a reducing agent in two or more divided packaging forms. In this adhesive system, since it is always used in combination with an adhesive composition that is a separate component, it is possible to add an oxidizing agent and a reducing agent separately to the antibacterial primer and the adhesive composition, respectively. .
[0036]
As the oxidizing agent, for example, organic peroxides such as diacyl peroxides, peroxyesters, dialkyl peroxides, peroxyketals, ketone peroxides, hydroperoxides can be blended. Specific examples of diacyl peroxides include benzoyl peroxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, and m-toluoyl peroxide.
Examples of peroxyesters include t-butyl peroxybenzoate, bis-t-butylperoxyisophthalate, 2,5-dimethyl-2,5-bis (benzoylperoxy) hexane, t-butylperoxy- Examples include 2-ethylhexanoate, t-butyl peroxyisopropyl carbonate, and the like.
Examples of the dialkyl peroxides include dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, lauroyl peroxide, and the like.
Examples of peroxyketals include 1,1-bis (t-butylperoxy) 3,3,5-trimethylcyclohexane.
Examples of ketone peroxides include methyl ethyl ketone peroxide.
Examples of hydroperoxides include t-butyl hydroperoxide. These oxidizing agents are used alone or in combination.
[0037]
As the reducing agent, aromatic tertiary amine, aliphatic tertiary amine and sulfinic acid or a salt thereof are used as suitable reducing agents.
Examples of the aromatic tertiary amine include N, N-dimethylaniline, N, N-dimethyl-p-toluidine, N, N-dimethyl-m-toluidine, N, N-diethyl-p-toluidine, N, N-dimethyl-3,5-dimethylaniline, N, N-dimethyl-3,4-dimethylaniline, N, N-dimethyl-4-ethylaniline, N, N-dimethyl-4-i-propylaniline, N, N-dimethyl-4-t-butylaniline, N, N-dimethyl-3,5-di-t-butylaniline, N, N-di (2-hydroxyethyl) -p-toluidine, N, N-di (2 -Hydroxyethyl) -3,5-dimethylaniline, N, N-di (2-hydroxyethyl) -3,4-dimethylaniline, N, N-di (2-hydroxyethyl) -4-ethylaniline, N, N-di 2-hydroxyethyl) -4-i-propylaniline, N, N-di (2-hydroxyethyl) -4-t-butylaniline, N, N-di (2-hydroxyethyl) -3,5-di- i-propylaniline, N, N-bis (2-hydroxyethyl) -3,5-di-t-butylaniline, ethyl 4-dimethylaminobenzoate, n-butoxyethyl 4-dimethylaminobenzoate, 4-dimethyl And aminobenzoic acid (2-methacryloyloxy) ethyl.
[0038]
Examples of the aliphatic tertiary amine include trimethylamine, triethylamine, N-methyldiethanolamine, N-ethyldiethanolamine, Nn-butyldiethanolamine, N-lauryldiethanolamine, triethanolamine, (2-dimethylamino) ethyl methacrylate, Examples thereof include N-methyldiethanolamine dimethacrylate, N-ethyldiethanolamine dimethacrylate, triethanolamine monomethacrylate, triethanolamine dimethacrylate, triethanolamine trimethacrylate and the like.
[0039]
Examples of the sulfinic acid or a salt thereof include benzenesulfinic acid, sodium benzenesulfinate, potassium benzenesulfinate, calcium benzenesulfinate, lithium benzenesulfinate, toluenesulfinic acid, sodium toluenesulfinate, potassium toluenesulfinate, toluenesulfine. Acid calcium, lithium toluenesulfinate, 2,4,6-trimethylbenzenesulfinic acid, sodium 2,4,6-trimethylbenzenesulfinate, potassium 2,4,6-trimethylbenzenesulfinate, 2,4,6-trimethyl Calcium benzenesulfinate, lithium 2,4,6-trimethylbenzenesulfinate, 2,4,6-triethylbenzenesulfinic acid, 2,4,6-triethylbenzenes Sodium fins, potassium 2,4,6-benzene sulfinic acid, 2,4,6-benzene sulfinic acid calcium, 2,4,6TriisoPropylbenzenesulfinic acid, 2,4,6-TriisoSodium propylbenzenesulfinate, 2,4,6-TriisoPotassium propylbenzenesulfinate, 2,4,6-TriisoExamples include calcium propylbenzenesulfinate. These reducing agents are used alone or in combination.
[0040]
Compounding amount of these oxidizing and reducing agentsIsFor the whole antibacterial primerGoodIt is preferably used in the range of 0.01% to 10% by weight, more preferably in the range of 0.1% to 5% by weight.
[0041]
The antibacterial primer of the present invention includes, in addition to the above-mentioned components, an inorganic acid such as phosphoric acid and nitric acid, an organic acid such as maleic acid and citric acid, a polymerization inhibitor, and an antioxidant, as necessary in practice. UV absorbers, pigments and dyes can be added. Moreover, the polymerizable monomer of the grade which does not reduce an antimicrobial property remarkably can also be mix | blended, and the compounding quantity is 10 weight part or less normally with respect to the whole antimicrobial primer. Moreover, fluorine compounds, such as sodium fluoride, can also be mix | blended for the purpose of an anti-caries effect.
[0042]
The antibacterial primer of the present invention may further contain a filler. As such a filler, inorganic or organic substances and composites thereof are used. As inorganic fillers, silica or minerals based on silica such as kaolin, clay, mica, mica, silica based, Al2OThree, B2OThreeTiO2, ZrO2, BaO, La2OThree, SrO2, CaO, P2OFiveAnd the like, particularly lanthanum glass, barium glass, strontium glass, soda glass, lithium borosilicate glass, zinc glass, fluoroaluminum borosilicate glass, borosilicate glass, bioglass and the like. Furthermore, crystalline quartz, hydroxyapatite, alumina, titanium oxide, yttrium oxide, zirconia, calcium phosphate, barium sulfate, aluminum hydroxide, and the like are also preferably used.
Examples of the organic filler include organic resins such as polymethyl methacrylate, polyfunctional methacrylate polymer, polyamide, polystyrene, polyvinyl chloride, chloroprene rubber, nitrile rubber, and styrene-butadiene rubber.
Moreover, the inorganic / organic composite filler etc. which the inorganic filler disperse | distributed in these organic resins, or coated the inorganic filler with the said organic resin are mentioned.
[0043]
These fillers may be used after being surface-treated with a known surface treatment agent such as a silane coupling agent as necessary in order to adjust the fluidity of the antibacterial primer and improve dispersibility. Examples of the surface treatment agent include vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, vinyltrichlorosilane, vinyltri (β-methoxyethoxy) silane, γ-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, and γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane. , Γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, and the like.
These fillers are blended in one kind or a combination of several kinds, and the blending amount is usually 30% by weight or less, more preferably 10 parts by weight or less, based on the whole antibacterial primer. Further, colloidal silica having an average particle size of 0.1 μm or less is more preferable.
[0044]
The acid used in the adhesive composition that is the other component of the adhesive system of the present invention isHeavyOrganic acids with compatibilityIt is.Examples of polymerizable organic acids include acidic groups such as phosphoric acid residues, pyrophosphoric acid residues, thiophosphoric acid residues, carboxylic acid residues or sulfonic acid residues, and acryloyl groups, methacryloyl groups, vinyl groups, and styrene groups. It is a polymerizable monomer having a polymerizable unsaturated group such as. Specific examples include the following. In the present invention, both methacryl and acryl are comprehensively expressed with (meth) acryl.
[0045]
Examples of the polymerizable monomer having a phosphoric acid residue include 2- (meth) acryloyloxyethyl dihydrogen phosphate, 9- (meth) acryloyloxynonyl dihydrogen phosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl. Dihydrogen phosphate, 11- (meth) acryloyloxyundecyl dihydrogen phosphate, 20- (meth) acryloyloxyeicosyl dihydrogen phosphate, 1,3-di (meth) acryloyloxypropyl-2-dihydrogen Phosphate, 2- (meth) acryloyloxyethylphenyl phosphoric acid, 2- (meth) acryloyloxyethyl 2′-bromoethyl phosphoric acid, (meth) acryloyloxyethyl phenylphosphonate, etc., and acid chlorides thereof .
[0046]
Examples of the polymerizable monomer having a pyrophosphate residue include diphosphate pyrophosphate.[2- (Meth) acryloyloxyethyl]Etc., and their acid chlorides. Examples of the polymerizable monomer having a thiophosphoric acid residue include 2- (meth) acryloyloxyethyl dihydrogendithiophosphate, 10- (meth) acryloyloxydecyl dihydrogenthiophosphate, and their acid chlorides. object.
[0047]
Examples of the polymerizable monomer having a carboxylic acid residue include 4- (meth) acryloyloxyethoxycarbonylphthalic acid, 4- (meth) acryloyloxyethoxycarbonylphthalic anhydride, and 5- (meth) acryloylaminopentyl. Carboxylic acid, 11- (meth) acryloyloxy-1,1-undecanedicarboxylic acid and acid chlorides thereof.
[0048]
Examples of the polymerizable monomer having a sulfonic acid residue include sulfonic acid groups such as 2- (meth) acrylamide-2-methylpropanesulfonic acid, styrenesulfonic acid, and 2-sulfoethyl (meth) acrylate. A compound etc. can be mentioned.
These polymerizable monomers having an acidic group are used alone or in combination of several kinds.
[0049]
theseOrganic having a polymerizable groupThe compounding amount of the acid is usually in the range of 0.01% to 70% by weight, preferably in the range of 0.1% to 50% by weight, and more organic in the adhesive composition. When a solvent or water is blended, it is preferably used in the range of 0.1% by weight to 30% by weight.
[0050]
The polymerizable monomer used in the adhesive composition of the present invention is usually α-cyanoacrylic acid, (meth) acrylic acid, α-halogenated acrylic acid, crotonic acid, cinnamic acid, sorbic acid, maleic acid. Examples include esters such as acids and itaconic acids, (meth) acrylamides, and (meth) acrylamide derivatives, vinyl esters, vinyl ethers, mono-N-vinyl derivatives, styrene derivatives, etc. Preferably used. Examples of such polymerizable monomers are shown below.
[0051]
In the present invention, a monomer having one olefinic double bond is a monofunctional monomer.
(I) Monofunctional monomer
Methyl (meth) acrylate, iso-butyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, 2- (N, N-dimethylamino) ethyl (meth) acrylate, 2,3-dibromopropyl (meth) ) Acrylate, 3-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 6-hydroxyhexyl (meth) acrylate, 10-hydroxydecyl (meth) acrylate, propylene glycol mono (meth) acrylate, glycerin mono ( (Meth) acrylate, erythritol mono (meth) acrylate, N-methylol (meth) acrylamide, N-hydroxyethyl (meth) acrylamide, N, N- (dihydroxyethyl) (meth) acrylamide (Meth) acryloyloxydodecyl pyridinium bromide, (meth) acryloyloxy-dodecyl pyridinium chloride, (meth) acryloyloxydodecyl pyridinium bromide, and the like (meth) acryloyloxy hexadecyl pyridinium chloride.
[0052]
(B) Bifunctional monomer
Ethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, 1,10- Decanediol di (meth) acrylate, bisphenol A diglycidyl (meth) acrylate, 2,2-bis [4- (meth) acryloyloxyethoxyphenyl] propane, 2,2-bis [4- (meth) acryloyloxypolyethoxyphenyl ] Propane, 2,2-bis [4- [3-((meth) acryloyloxy-2-hydroxypropoxy] phenyl] propane, 1,2-bis [3- (meth) acryloyloxy-2-hydroxypropoxy] ethane , Pentaerythri Ruji (meth) acrylate, 1,2-bis (3-methacryloyloxy-2-hydroxypropoxy) ethane, and the like [2,2,4-trimethylhexamethylene bis (2-carbamoyloxy-ethyl] dimethacrylate.
[0053]
(C) Monofunctional or higher monomer
Trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylolethane tri (meth) acrylate, tetramethylolmethane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, N, N ′-(2,2,4-trimethylhexamethylene ) Bis [2- (aminocarboxy) propane-1,3-diol] tetramethacrylate, 1,7-diaacryloyloxy-2,2,6,6-tetraacryloyloxymethyl-4-oxyheptane, and the like.
These polymerizable monomers are used alone or in combination of several kinds.
The compounding amount of these polymerizable monomers is usually in the range of 5 to 95% by weight, more preferably in the range of 30 to 90% by weight, and still more preferably in the range of 40 to 80% by weight with respect to the entire adhesive composition. used.
[0054]
In the present invention, the polymerization initiator used in the adhesive composition is necessary for curing both the adhesive composition and the antibacterial primer, but any known polymerization initiator is not limited. Can be used. Examples of such a polymerization initiator include a photopolymerization initiator and / or a chemical polymerization initiator.
As a photoinitiator, the photoinitiator which can be mix | blended with the antimicrobial primer described previously can be used similarly. Of these, α-diketone / reducing agent and acylphosphine oxide / reducing agent are preferably used.
These photopolymerization initiators are used alone or in combination of several kinds. Moreover, the compounding quantity of these photoinitiators is used in the range of 0.01-20 weight% normally with respect to the whole adhesive composition, Preferably it is used in the range of 0.1-5 weight%.
[0055]
As the chemical polymerization initiator, for example, a redox polymerization initiator is preferably used. When a redox polymerization initiator is used, the adhesive composition of the present invention needs to take two or more packaging forms in which an oxidizing agent and a reducing agent are separately blended. In addition, since the adhesive composition is always used in combination with the above-described antibacterial primer, which is another component of the adhesive system of the present invention, an oxidizing agent and a reducing agent are respectively added to the antibacterial primer and the adhesive composition. Any one of them may be blended to take a single packaging form as the adhesive composition.
[0056]
As an oxidizing agent and a reducing agent, the oxidizing agent and reducing agent which can be mix | blended with the antibacterial primer described previously can be used similarly.
These oxidizing agents and reducing agents are used alone or in combination of several kinds. Moreover, the compounding quantity of these oxidizing agents and a reducing agent is 0.01 to 20 weight% normally with respect to the adhesive composition whole, Preferably it is used in 0.1 to 10 weight%.
[0057]
The adhesive composition of the present invention may contain a filler in order to improve operability, applicability, and mechanical strength. As such a filler, inorganic or organic fillers and composites thereof that can be blended in the antibacterial primer described above can be similarly used.
[0058]
These fillers are blended in one kind or a combination of several kinds, and are usually added in the range of 70% by weight or less, more preferably 50% by weight or less, based on the entire adhesive composition. Further, when an organic solvent or water is added to the adhesive composition, it is preferably used at 30% by weight or less. Particularly suitable fillers include colloidal silica having an average particle size of 0.1 μm or less.
[0059]
In addition to the above-described components, the adhesive composition of the present invention may contain a polymerization inhibitor, an antioxidant, an ultraviolet absorber, a pigment, a dye, and the like as necessary in practice. Moreover, fluorine compounds, such as sodium fluoride, can also be mix | blended for the purpose of an anti-caries effect.
[0060]
The antibacterial adhesive system of the present invention is used by a method in which an antibacterial primer is applied to a tooth surface, and then an adhesive composition is applied thereon and cured. Although the more specific usage method is shown below, it is not limited to this usage method.
(1) Direct filling restoration with composite resin, etc.
Apply the antibacterial primer of this adhesive system to the cavity-formed tooth, leave it as it is or dry the volatile solvent using a dental air syringe, and apply the adhesive composition of the present invention on it for a while. After leaving, if necessary, blow with a dental air syringe and then cure. For the curing reaction, a photopolymerization, chemical polymerization, or dual cure catalyst having both polymerization modes can be used. Photopolymerization using a light irradiator or a dual cure method is preferable from the viewpoint of ease of operation.
After the adhesive composition is cured, the filling composite resin or the filling compomer is filled thereon and cured to complete the repair.
[0061]
(2) Indirect repair with prosthesis
First, the antibacterial primer of this adhesion system is applied to the tooth formed with the cavity, and the volatile solvent is dried as it is or using a dental air syringe.
Next, the adhesive composition of the present invention is applied to a prosthesis such as a metal alloy, porcelain, or a composite resin cured product, which is pressed against the surface of a tooth previously treated with an antibacterial primer, and then cured. To complete the repair. At this time, the adhesive composition may be applied on the surface of the tooth where the antibacterial primer is applied.
[0062]
The curing method may be any of photopolymerization, chemical polymerization, or dual cure, but chemical polymerization or dual cure is preferred because the light from the light irradiator is often shielded by the prosthesis. The adhesive composition is preferably divided into two packages and is desirably chemically cured by mixing.
[0063]
The antibacterial adhesive system of the present invention includes other binders such as glass ionomer cement, zinc phosphate cement, polycarboxylate cement, silicate cement, and zinc oxide Eugenol cement, heat polymerization resin, instant heavy resin, root It can also be used in combination with a tube filler or a temporary sealing material.
[0064]
In particular, when repair materials break in the oral cavity, they can be used not only for teeth but also for metals, porcelain, and composite hardened materials. You may use it in combination with tooth surface cleaning agents, such as an etching agent and hypochlorite.
[0065]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further, this invention is not limited to this Example. The abbreviations and abbreviations shown in the present invention and in the examples are as follows.
[0066]
Abbreviations and abbreviations
Antibacterial compounds
MDPB: Methacryloyl oxide decyl pyridinium bromide
MHPC: Methacryloyloxyhexadecylpyridinium chloride
HMPC: 4-hexadecylmethacryloyloxyethylpyridinium chloride
MHBP: methacryloyloxyethyl hexadecylbipyridinium dichloride
DMPC: Methacryloyl oxide decyltrimethylphosphonium chloride
OEPA: Methacryloyloxyoctadecyltriethylphosphonium acetate
MEDP: 4-methacryloyloxyethyl dodecyl pyridinium chloride
VHMS: Di (4-vinylbenzyl) hexadecylmethylammonium methylsulfate
DDMC: Di (methacryloyloxyethyl) dodecylmethylammonium chloride
BMPS: methacryloyloxyethyl bromide (4-N-hexadecylpyridinylmethyl) succinate
[0067]
Photopolymerization initiator, reducing agent, oxidizing agent
TMDPO: 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide
CQ: camphorquinone
BSS: Sodium benzenesulfinate
TPBSS: 2, 4, 6TriisoSodium benzenesulfinate
DMAB: 4-dimethylaminobenzophenone
BPO: Benzoyl peroxide
[0068]
Polymerizable monomer
MDP: 10-methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphate
HEMA: 2-hydroxyethyl methacrylate
HD: 1,6-hexanediol dimethacrylate
DD: 1,10-dodecanediol dimethacrylate
UDMA: [2,2,4-trimethylhexamethylenebis (2-carbamoyloxyethyl) dimethacrylate
TH: N, N '-(2,2,4-trimethylhexamethylene) bis [2- (aminocarboxy) propane-1,3-diol] tetramethacrylate
[0069]
Example 1
An antibacterial primer in which ethanol, distilled water and MDPB were mixed at a weight ratio shown in Table 1 was prepared. Furthermore, an adhesive composition in which MDP, distilled water, HEMA, HD, CQ and DMAB were mixed at a weight ratio shown in Table 1 was prepared.
Using this antibacterial primer and adhesive composition, the adhesive strength was measured according to the adhesive strength test method described later, and the measurement results are also shown in Table 1. Furthermore, using the same antibacterial primer and adhesive composition, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method described below, and the evaluation results are also shown in Table 1.
[0070]
Adhesion test method
The bovine front teeth were smoothly wet-polished with # 1000 silicon carbide paper (manufactured by Nihon Kenshi Co., Ltd.), the enamel surface or dentin surface was exposed, and the surface water was removed with a dental air syringe. Blowed away. Adhesive tape with a thickness of about 150 microns with a 3mm diameter hole is applied to the exposed enamel surface or dentin surface, and the antibacterial primer of the present invention is first applied to the hole portion with a brush. The volatile solvent was dried with an air syringe. On top of that, the adhesive composition of the present invention was applied with a brush, allowed to stand for 60 seconds, and then blown to a thickness of about 100 microns using a dental air syringe. II ”(Gunma Ushio Electric Co., Ltd.) was irradiated with light for 30 seconds and cured. Furthermore, after placing a commercially available photopolymerization type dental composite resin “Clearfill AP-X” (manufactured by Kuraray Co., Ltd.) and covering with a film made of EVAL (registered trademark, manufactured by Kuraray Co., Ltd.), A slide glass was pressed from above, and in this state, the light was irradiated for 40 seconds with the light irradiator and cured. A 7 mm diameter stainless steel rod was bonded to the cured surface using a commercially available dental resin cement “Panavia 21” (manufactured by Kuraray Co., Ltd.), and after 30 minutes, all 8 test pieces were placed in 37 ° C. water. Soaked. For all eight test pieces, the adhesive strength was measured after immersion in water at 37 ° C. for 24 hours. For measuring the adhesive strength, a universal testing machine (manufactured by Instron) was used, and the tensile adhesive strength was measured under the condition of a cross head speed of 2 mm / min. Each measurement was averaged.
[0071]
Antibacterial test method 1 (Evaluation of antibacterial properties before polymerization)
The bovine front teeth were smoothly wet-polished with No. 1000 silicon carbide abrasive paper (Nihon Kenshi Co., Ltd.) to expose the dentin surface, and then cut into 1 mm thick sections using a diamond saw. . A 40% phosphoric acid aqueous solution was applied to both sides, allowed to stand for 60 seconds, washed under running water, and stored in water until used. After exposing the dentin surface, the surface water was blown off with a dental air syringe. Streptococcus mutans (IFO13955) previously cultured in a brain heart infusion (BHI) liquid medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) for 24 hours was sterilized with a bacterial concentration of 1 × 106It was diluted to (CFU / ml), inoculated into 100 μl of BHI agar medium, and evenly spread on the surface using a corn large rod.
[0072]
A tape with a hole having a diameter of 5 mm attached to the surface of the above-mentioned dentin slice was placed on the central part of the agar medium, and lightly pressed to adhere. The antibacterial primer of the present invention was applied to the hole portion of the tape of the section with a brush, and immediately after the volatile solvent was evaporated with a dental air syringe, the adhesive composition of the present invention was further formed thereon. The object is applied with a brush and left as it is for 60 seconds to penetrate the antibacterial primer and the adhesive composition into the sliced tissue. After removing the test piece and incubating the BHI agar medium at 37 ° C. for 48 hours, the growth state of the bacteria was observed and evaluated based on the following criteria.
++) Bacteria are growing at the place where the test piece is placed as well as the surrounding area.
+) Bacterial growth is suppressed at the place where the test piece is placed compared to the surrounding area.
-) No bacteria are growing at the place where the test piece is placed.
[0073]
Antibacterial test method 2 (Method for evaluating antibacterial properties of the surface after polymerization)
A film made of EVAL (registered trademark, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) is affixed with a tape having a 9 mm inner diameter hole, and a donut-shaped metal (15 mm inner diameter, 40 mm outer diameter, 0.5 mm thickness) so that the film is horizontal. ) Was fixed. 10 μl of the antibacterial primer of the present invention was dropped into the hole portion of the mold, and a volatile solvent was immediately applied with a dental air syringe. Subsequently, 10 μl of the adhesive composition of the present invention was dropped thereon, and light was irradiated for 30 seconds with a dental light irradiator “Litel II” to be cured. Furthermore, after placing a commercially available photopolymerizable dental composite resin “Clear Fill AP-X” (manufactured by Kuraray Co., Ltd.) and a film made of EVAL (registered trademark, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) Then, the slide glass was pressed from above, and in this state, light irradiation was performed for 40 seconds with the above light irradiator and cured. The cured product was removed from the mold and subjected to ultrasonic cleaning in water for 1 hour.
[0074]
Streptococcus mutans (IFO13955) previously cultured in Brain Heart Infusion (BHI) liquid medium (Nippon Pharmaceutical Co., Ltd.) for 24 hours with sterile physiological saline at a bacterial concentration of 1 × 106It diluted so that it might become (CFU / ml), and inoculated 100 microliters on said hardened | cured material surface. After standing for 15 minutes, the cured product was turned upside down and placed on a BHI agar medium, and the bacterial solution was collected. Furthermore, the cured product was pressed against another place on the agar medium, and all remaining bacteria adhering to the surface of the cured product were collected, and this was used as a sample. At the same time, 100 μl of the above bacterial dilution was directly inoculated into BHI agar medium, and this was used as a control. Both were subjected to anaerobic culture at 37 ° C. for 24 hours, followed by further aerobic culture for 24 hours. The number of formed colonies was counted, and the bacterial kill rate was calculated by the following formula.
[0075]
[Expression 1]
[0076]
Examples 2-7
As shown in Table 1, MDPB was removed from the composition of the antibacterial primer of Example 1, and antibacterial primers each containing HMPC, MHBP, OEPA, VHMS, DDMC or BMPS were prepared instead. Furthermore, the adhesive composition of Example 1 was prepared. Using these antibacterial primers and adhesive composition, the adhesive strength was measured according to the same adhesive strength test method as in Example 1, and the measurement results are also shown in Table 1. Furthermore, using the same antibacterial primer and adhesive composition, the antibacterial strength was evaluated according to the same antibacterial test method as in Example 1, and the evaluation results are also shown in Table 1.
[0077]
[Table 1]
[0078]
Comparative Example 1
As shown in Table 2, a composition was prepared by removing MDPB from the antibacterial primer composition of Example 1. Furthermore, the adhesive composition of Example 1 was prepared.
Using these, the adhesive strength was measured according to the adhesive strength test method of Example 1, and the measurement results are also shown in Table 2. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 1, and the evaluation results are also shown in Table 2.
[0079]
Comparative Example 2
As shown in Table 2, the adhesive composition of Example 1 was prepared. Using only this adhesive composition, the adhesive strength was measured according to the adhesion test method of Example 1, and the measurement results are also shown in Table 2. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 1, and the evaluation results are also shown in Table 2.
[0080]
Comparative Examples 3-10
As shown in Table 2, adhesive compositions were prepared by blending MDPB, HMPC, MHBP, OEPA, VHMS, DDMC or BMPS, which are antibacterial monomers, with the adhesive composition of Example 1. Using these adhesive compositions, the adhesive strength was measured according to the adhesive strength test method of Example 1, and the measurement results are also shown in Table 2. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 1, and the evaluation results are also shown in Table 2.
[0081]
[Table 2]
[0082]
As shown in Table 1, in the case of Examples 1-7 using an antibacterial primer and an adhesive composition containing an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent, about 15 MPa with respect to enamel, A strong adhesive strength of about 13 MPa was exhibited for dentin. Further, in antibacterial test 1, bacteria on the lower surface of the disk were completely killed, and strong antibacterial properties were observed even before polymerization hardening. Moreover, in the antibacterial test 2, strong antibacterial property that completely killed the bacteria attached to the surface after polymerization hardening was confirmed.
On the other hand, as is clear from Table 2, in the case of Comparative Examples 1 and 2 that do not contain an antibacterial polymerizable monomer, good adhesive strength is obtained, but antibacterial property and curing before polymerization and curing are obtained. None of the later surface antibacterial properties were observed.
Moreover, in the case of Comparative Examples 3-9 which mix | blended the antibacterial polymerizable monomer with the adhesive composition, high adhesive strength is obtained similarly to Examples 1-7, but antibacterial before hardening The antibacterial properties and the antibacterial properties of the surface after curing were insufficient to kill the bacteria.
[0083]
Example 8
An antibacterial primer in which MDPB, ethanol, distilled water, TMDPO and BSS were mixed at a weight ratio shown in Table 3 was prepared. Further, an adhesive composition (liquid A) in which MDP, HEMA, distilled water and TMDPO are mixed at a weight ratio shown in Table 3, and an adhesive comprising UDMA, HEMA, MDP, TMDPO, CQ, DMAB and silane-treated quartz powder. A composition (liquid B) was prepared, and using these, the tensile adhesive strength to the tooth was measured according to the adhesive strength test method described later, and the measurement results are also shown in Table 3. Furthermore, according to the antibacterial test method described later, the antibacterial strength was evaluated, and the evaluation results are also shown in Table 3.
[0084]
Bond strength test method
In the same manner as in Example 1, the enamel surface or dentin surface of the bovine front teeth was exposed, and then water on the surface was blown off with a dental air syringe. Adhesive tape with a thickness of about 150 microns with a 3mm diameter hole is applied to the exposed enamel surface or dentin surface, and the antibacterial primer of the present invention is first applied to the hole portion with a brush. The volatile solvent was dried with an air syringe. On top of that, the adhesive composition of the present invention (Liquid A) was applied with a brush, allowed to stand for 30 seconds, and then the excess part was removed using a dental air syringe. After applying the composition (Liquid B) with a brush and blowing it with a dental air syringe to a thickness of about 100 microns, perform irradiation with a dental light irradiator “Litel II” for 10 seconds, Cured. Further, in the same manner as in Example 1, a photopolymerizable dental composite resin “Clearfill AP-X” was applied and cured, and then immersed in water at 37 ° C. Ten test pieces were immersed in 37 ° C. water for 24 hours and then measured for tensile adhesive strength. Each measurement was averaged.
[0085]
Antibacterial test method 1 (Evaluation of antibacterial properties before polymerization)
A dentin section was prepared in the same manner as in Example 1, and further, Streptococcus mutans pre-cultured for 24 hours in a brain heart infusion (BHI) liquid medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) in the same manner as in Example 1. (Streptococcus mutans., IFO13955) in sterile saline with a bacterial concentration of 1 × 106It was diluted to (CFU / ml), inoculated into 100 μl of BHI agar medium, and evenly spread on the surface using a corn large rod.
[0086]
A tape with a hole having a diameter of 5 mm attached to the surface of the above-mentioned dentin slice was placed on the central part of the agar medium, and lightly pressed to adhere. After applying the antibacterial primer of the present invention to the hole portion of the tape of the section with a brush and immediately evaporating the volatile solvent with a dental air syringe, the adhesive composition (A Liquid) with a brush and left as it is for 30 seconds, and then the adhesive composition (liquid B) is applied and left for 30 seconds to be antibacterial primer, adhesive composition (liquid A) and adhesiveness. The composition (liquid B) is penetrated into the sliced tissue. After removing the test piece and culturing the BHI agar medium at 37 ° C. for 48 hours, the growth state of the bacteria was observed and evaluated based on the same criteria as in Example 1.
[0087]
Antibacterial test method 2 (Method for evaluating antibacterial properties of the surface after polymerization)
In the same manner as in Example 1, a tape having an inner diameter of 9 mm was attached to a film made of Eval, and a donut-shaped metal was placed and fixed so that the film was horizontal. 10 μl of the antibacterial primer of the present invention was dropped into the hole portion of the mold, and a volatile solvent was immediately applied with a dental air syringe. Subsequently, 10 μl of the adhesive composition of the present invention (liquid A) was dropped thereon and blown with a dental air syringe, and then the adhesive composition of the present invention (liquid B) was written thereon. Was applied to a thickness of about 100 μm, and was irradiated with light for 10 seconds with a dental light irradiator “Litel II” and cured. Furthermore, after putting a commercially available photopolymerization type dental composite resin “Clearfill AP-X” on it, and covering it with a film made of Eval, press the slide glass from above, and in this state with the above light irradiator It was irradiated with light for 40 seconds to be cured. The cured product was removed from the mold, and after ultrasonic cleaning in water for 1 hour, the bacterial kill rate was determined in the same manner as in Example 1.
[0088]
Example 9
An antibacterial primer in which DMPC, ethanol, distilled water, TMDPO and BSS were mixed at a weight ratio shown in Table 3 was prepared. Further, an adhesive composition (A liquid) and an adhesive composition (B liquid) having the same composition as in Example 8 were prepared, and using these, the adhesive strength was measured in accordance with the test adhesive strength test method of Example 8. The measurement results are also shown in Table 3. Further, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 8, and the evaluation results are also shown in Table 3.
[0089]
Comparative Example 10
An adhesive composition (liquid A) and an adhesive composition (liquid B) having the same composition as in Example 8 were prepared, and using these, the adhesive strength was measured and measured according to the adhesive strength test method of Example 8. The results are shown in Table 3, and the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 8. The evaluation results are also shown in Table 3.
[0090]
Comparative Examples 11 and 12
As shown in Table 3, antibacterial adhesive compositions (liquid A) were prepared by blending MDPB or DMPC with the adhesive composition (liquid A) of Example 8. Moreover, the adhesive composition (B liquid) of the composition similar to Example 8 was prepared. Using these, the adhesive strength was measured according to the adhesion test method of Example 8, and the measurement results are also shown in Table 3. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 8, and the evaluation results are also shown in Table 3.
[0091]
[Table 3]
[0092]
As shown in Table 3, in the case of Examples 8 and 9 using an antibacterial primer and an adhesive composition containing an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent, about 20 MPa relative to the enamel, A strong adhesive strength of about 19 MPa was exhibited for dentin. Furthermore, in antibacterial test 1, bacteria on the lower surface of the disk were completely killed, and strong antibacterial properties were confirmed even before polymerization hardening. Moreover, in the antibacterial test 2, strong antibacterial property that completely killed the bacteria attached to the surface after polymerization hardening was confirmed.
On the other hand, in the case of Comparative Example 10 containing no antibacterial polymerizable monomer, good adhesive strength can be obtained, but the antibacterial property before polymerization and the antibacterial property of the surface after curing, Also not confirmed. Further, in the case of Comparative Examples 11 and 12 in which an antibacterial polymerizable monomer was blended into the adhesive composition (liquid A), the adhesive strength was as high as in Examples 8 and 9, Both the antibacterial properties before curing and the antibacterial properties of the surface after curing were insufficient to kill the bacteria.
[0093]
Example 10
An antibacterial primer in which MHPC and ethanol were mixed at a weight ratio shown in Table 4 was prepared. Furthermore, the adhesive composition (liquid C), TH, DD, MDP, TMDPO, BPO and silane-treated quartz powder in which MDP, HEMA, distilled water, CQ, DMAB and DEPT were mixed at a weight ratio shown in Table 4 are shown. 4. Adhesive composition (Liquid D) mixed at a weight ratio shown in FIG. 4 and TH, HEMA, DD, DEPT, TPBSS and silane-treated quartz powder powder mixed at a weight ratio shown in Table 4 (Liquid E) ) Were prepared respectively. Using these, the adhesion strength to the tooth was measured according to the adhesion test method described later, and the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method described later.
[0094]
Bond strength test method
In the same manner as in Example 1, the enamel surface or dentin surface of the bovine front teeth was exposed, and then water on the surface was blown off with a dental air syringe. Adhesive tape with a thickness of about 150 microns with a 5mm diameter hole is applied to the exposed enamel surface or dentin surface, and the antibacterial primer of the present invention is first applied to the hole portion with a brush. The volatile solvent was dried with an air syringe. On top of that, the adhesive composition (C solution) of the present invention was applied with a brush, and after standing for 30 seconds, an excess portion was removed using a dental air syringe.
Next, an equal amount of the adhesive composition (D liquid) of the present invention and the adhesive composition (E liquid) are taken, and a kneaded paste is applied and applied to a stainless steel rod having a diameter of 7 mm. It pressed on the tooth | gear surface which apply | coated the composition (C liquid). After leaving still for 30 minutes, it was immersed in 37 degreeC water, and the tensile adhesive strength was measured 24 hours afterward.
[0095]
Antibacterial test method 1 (Evaluation of antibacterial properties before polymerization)
Streptococcus mutans prepared in the same manner as in Example 1 and pre-cultured for 24 hours in a brain heart infusion (BHI) liquid medium (manufactured by Nissui Pharmaceutical) in the same manner as in Example 1. (Streptococcus mutans., IFO13955) in sterile saline with a bacterial concentration of 1 × 106It was diluted to (CFU / ml), inoculated into 100 μl of BHI agar medium, and evenly spread on the surface using a corn large rod.
[0096]
A tape with a hole having a diameter of 5 mm attached to the surface of the above-mentioned dentin slice was placed on the central part of the agar medium, and lightly pressed to adhere. The antibacterial primer of the present invention was applied to the hole portion of the tape of the section with a brush, and immediately after the volatile solvent was evaporated with a dental air syringe, the adhesive composition (C (Liquid) is applied with a brush and left as it is for 30 seconds to allow the antibacterial primer and the adhesive composition (Liquid C) to penetrate into the tissue. After removing the test piece and culturing the BHI agar medium at 37 ° C. for 48 hours, the growth state of the bacteria was observed and evaluated based on the same criteria as in Example 1.
[0097]
Antibacterial test method 2 (Method for evaluating antibacterial properties of surfaces after polymerization)
In the same manner as in Example 1, a tape having an inner diameter of 9 mm was attached to a film made of Eval, and a donut-shaped metal was placed and fixed so that the film was horizontal. 10 μl of the antibacterial primer of the present invention was dropped into the hole portion of the mold, and a volatile solvent was immediately applied with a dental air syringe. Subsequently, 10 μl of the adhesive composition (C solution) of the present invention was dropped thereon and blown with a dental air syringe. Next, the adhesive composition (D liquid) and the adhesive composition (E liquid) of the present invention are taken in equal amounts and kneaded, and the kneaded paste is first used as the adhesive composition (C liquid). After coating on the treated upper surface and covering with a film made of eval, a slide glass was pressed from above and left in this state for 60 minutes to cure. The cured product was removed from the mold, and after ultrasonic cleaning in water for 1 hour, the bacterial kill rate was determined in the same manner as in Example 1.
[0098]
Example 11
An antibacterial primer in which MEDP and ethanol were mixed at a weight ratio shown in Table 4 was prepared. Furthermore, the adhesive composition (C liquid), the adhesive composition (D liquid), and the adhesive composition (E liquid) having the same composition as in Example 10 were prepared, and using these, the adhesive strength of Example 10 was prepared. The adhesive strength was measured according to the test method, and the measurement results are shown in Table 4. Further, the antibacterial strength was evaluated according to Example 10 and the antibacterial test method, and the evaluation results were also shown in Table 4.
[0099]
Comparative Example 13
An adhesive composition (C solution), an adhesive composition (D solution), and an adhesive composition (E solution) having the same composition as in Example 10 were prepared. Using these, the adhesive strength was measured according to the adhesion test method of Example 10, and the measurement results are also shown in Table 4. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method of Example 10, and the evaluation is also shown in Table 4.
[0100]
Comparative Examples 14 and 15
As shown in Table 4, adhesive compositions (liquid C) were prepared by mixing MHPC or MEDP with the adhesive composition (liquid C) of Example 10. Furthermore, the adhesive composition (D liquid) and the adhesive composition (E liquid) of Example 10 were prepared. Using these, the adhesive strength was measured according to the adhesion test method of Example 10, and the measurement results are also shown in Table 4. Furthermore, the antibacterial strength was evaluated according to the antibacterial test method with Example 10, and the evaluation results are also shown in Table 4.
[0101]
[Table 4]
[0102]
As shown in Table 4, Example 10 using an antibacterial primer containing an antibacterial polymerizable monomer and a volatile solvent, and an adhesive composition (C liquid), (D liquid) and (E liquid) and In the case of No. 11, a strong adhesive strength of about 20 MPa to enamel and about 13 MPa to dentin is shown. Further, in the antibacterial test 1, bacteria on the lower surface of the disc are completely killed and before polymerization hardening. But strong antibacterial properties were confirmed. Moreover, in the antibacterial test 2, strong antibacterial property that completely killed the bacteria attached to the surface after polymerization hardening was confirmed.
On the other hand, in the case of Comparative Example 13 containing no antibacterial polymerizable monomer, although good adhesive strength is obtained, the antibacterial property before polymerization and the antibacterial property of the surface after curing are Also not confirmed. In the case of Comparative Examples 14 and 15 in which an antibacterial polymerizable monomer was blended into the adhesive composition (C solution), the adhesive strength was as high as in Examples 10 and 11, Both the antibacterial properties before curing and the antibacterial properties of the surface after curing were insufficient to kill the bacteria.
[0103]
【The invention's effect】
According to the antibacterial adhesion system of the present invention, it is possible to firmly bond a tooth and a restoration material, and it is possible to powerfully kill bacteria remaining in the fine structure of an adhesion interface such as a dentinal tubule, Since bacteria that enter the adhesion interface after adhesion can also be killed, it is possible to prevent secondary caries and dental pulp infection.
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