JP4197765B2 - ローラチェーン・スプロケットシステム - Google Patents

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    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
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    • F16H55/30Chain-wheels
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローラチェーンとともに使用されるスプロケットに関する。また本発明は、コーダル運動(chordal motion)やチェーンおよびスプロケットの衝突に関連するノイズを減少させるために、ローラチェーンとともに使用されるスプロケットに関する。さらに本発明は、従来のスプロケットよりもノイズを大きく低減させるスプロケットの独特な歯形形状に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
〔発明の背景〕
スプロケットおよびローラチェーンは、自動車用トランスミッションやトランスファケース、エンジンタイミングシステム等において一般に使用されている。現在使用されているスプロケットは、種々の形式の歯形形状を有している。たとえば、広く使用されている標準規格のスプロケットは、尖端形状を有する歯を備えている。この従来のスプロケットの歯底部は、チェーンのローラ半径と実質的に一致する半径を有しかつローラ半径の中心がスプロケットのピッチ円に位置している円弧形状を有している。
【0003】
動力の伝達を実現するために、スプロケット歯は、ローラチェーンのローラと噛み合う。衝突ノイズは、ローラチェーンのローラがスプロケットのスプロケット歯と衝突し噛み合うときに発生する。
【0004】
ノイズはまた、チェーンがスプロケットと噛み合うときのチェーンの鉛直方向の動きによっても発生する。これは、スプロケットと噛み合うときに、チェーンがスプロケットに多角形状に巻き付くことによる。このような巻き付きは、チェーンが駆動および従動スプロケットに入り込みあるいはこれらのスプロケットから離れていくときに、チェーンの弦運動すなわち鉛直運動を生じさせる。弦運動は、チェーンの緊張力を変化させるとともに、チェーン走行時の周速を変化させる。その結果、従動軸に対する駆動力の変動、従動軸の角速度変動およびノイズの上昇が引き起こされる。
【0005】
チェーンおよびスプロケットの運転中のノイズを減少させるための多くの試みがこれまでなされてきた。このようなノイズ低減の種々の試みは、チェーンがスプロケットと接触するときの噛合または衝突ノイズばかりでなく、チェーンの弦運動によるノイズを減少させるための種々の設計手法を含んでいた。
【0006】
たとえば、チェーンおよびスプロケットにより生じるノイズを減少させるためにサイレントチェーンが用いられてきた。一般に、サイレントチェーンは、多数のリンクプレートから構成されており、各リンクプレートは、一対の内向き歯および開孔を有している。リンクは、交互に配置されており、開孔つまりピン孔内に挿入されたピンによって連結されている。
【0007】
リンクプレートの各歯は、内側フランクおよび外側フランクから構成されている。各歯のうちの少なくとも一つのフランクが動力伝達のためにスプロケット歯と噛み合う。その結果、駆動スプロケットから従動スプロケットに動力が伝達される。サイレントチェーンの例は米国特許第 5,345,753号に見出され、該特許は本発明の譲受人により所有されている。
【0008】
チェーンの運転中のノイズをさらに減少させるために、サイレントチェーンそのものに多くの変更が加えられてきた。たとえば、あるタイプのサイレントチェーンは、異なった形状の内側フランクおよび外側フランクを有するリンクプレートを不規則に配置している。リンクプレートの内側フランクの形状すなわち突出量は、チェーンの長さ方向において不規則になっている。あるいは、内側フランク噛合のリンクおよび外側フランク噛合のリンクが、ノイズ低減のために不規則に配置されている。
【0009】
サイレントチェーンのノイズを低減させるための他の試みは、リンクプレートおよびスプロケット歯の噛合調整を含んでいた。すべてのリンク列について内側フランクの突出部の形状または突出量のいずれか一方を外側フランクよりも大きくすることによって、スプロケット歯と同時に噛み合うリンクプレート歯の枚数を増加させている。
【0010】
ノイズ低減のためのチェーンおよびその構造の変化に加えて、チェーンおよびスプロケットの噛合いにより生じるノイズを低減させるために、スプロケット自身にも変更が加えられている。たとえば米国特許第 4,758,209号においては、スプロケットが、実質的に同一の半径を有しかつ交互に変化する歯の形状を有する偶数枚の歯から構成されている。一方の歯の形状は、外方に収束しかつわずかに丸みを帯びた端部を有するフランクから構成されている。他方の歯の形状は、わずかに丸みを帯びた縁部を有するインボリュート曲線のフランクから構成されている。
【0011】
このスプロケットは、ブロック配列のタイミングチェーンとともに使用されており、外方に収束するフランクが噛合先行側の(leading) チェーンリンク歯の内側フランクと噛み合い、インボリュート曲線のフランクが後方側の(trailing)チェーンリンク歯の外側フランクと噛み合う。
【0012】
チェーン駆動機構におけるノイズ低減のための他の方法は、米国特許第5,360,378号に見出される。このチェーン駆動機構においては、スプロケットの各側面にラバーリングが設けられている。各ラバーリングはスプロケットと同軸に配置されている。ラバー本体の外縁部とピンリンクプレートおよびローラリンクプレートの内縁部との間にクリアランスが形成されているので、ラバーリングはその回転時にはチェーンと噛み合わない。
【0013】
スズキらによる米国特許第 5,397,278号は、従来のローラチェーンのようなチェーンのためのスプロケットの使用について記述している。このスプロケットは、運転中においてローラチェーンのローラおよびスプロケット間の衝撃を減少させる。スズキらによるスプロケットは、隣り合う二枚の歯の間に配置された底面を有する複数の歯を備えている。各歯は、噛合先行側のフランクと後方側のフランクとを有している。ある一つの歯の噛合先行側フランクおよびこれに先行する歯の後側フランクには、チェーンのローラがこれらの歯の間の歯底部に着座することなく接触する二つの噛合点がある。
【0014】
スズキらによると、歯の噛合先行側の面における歯末面は、ローラ径と同一径を有する円の包絡線によって限定されており、ローラは、隣り合う歯との間の間隙内に位置するローラの中心に中心を有しかつチェーンローラ間のピッチと等しい半径を有する円周に従って移動する。スズキらは、チェーンがスプロケットに入り込むときのチェーンの弦運動によるノイズについては言及していない。
【0015】
本発明は、スプロケット噛合時のチェーンの弦運動によるノイズおよび衝突ノイズの双方について取り組むスプロケットの設計によって、チェーンおよびスプロケット組立体の運転により生じるノイズの問題に取り組んでいる。さらに詳細には、本発明は、スプロケット歯の歯形形状の設計手法を含んでいる。
【0016】
このように本発明の目的は、チェーンおよびスプロケット間の衝突によるノイズおよびチェーンのコーダル運動によるノイズを一層低減させることができるローラチェーン・スプロケットシステムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムは、スプロケットがピッチ円Cpによって限定されるとともに、その外周に均等間隔で配置された複数の歯を有しており、前記歯が半径方向に延びるとともに、隣り合う歯との間でローラチェーンのローラを収容するように十分に間隔を隔てて配置されており、前記歯の各々が側面のフランク部と頂上部とを有し、隣り合う歯の前記各フランク部が歯底部を形成する円弧面で接続され、前記頂上部がスプロケットの外周円の直径Deによって限定されており、ローラチェーンが交互に配置されたリンクプレートの複数の列を有し、前記リンクプレートが前記リンクプレートの列の関節運動を許容するようにピン部材によって連結されており、前記リンクプレートの列の各々が前記スプロケットの歯と接触するためのローラを有し、前記各ローラが半径rr によって限定される外周面を有しており、前記スプロケット歯のフランク部の各々が基部AB,中間部BCおよび先端部CDを有するとともに、前記基部ABが前記歯底部の前記円弧面の中心Aから前記フランク部上の点Bまで延びる円弧形状を有し、前記点Bがスプロケットのピッチ円Cpとローラの外周円との交点として定義されており、前記先端部CDが、スプロケット外周円の直径Deにおける前記歯の頂上部Dから前記歯のフランク部上の点Cまで延びる円弧形状を有するとともに、前記点Cが、ピッチ円Cpおよび中心線bの交点の上に中心Crを有しかつピッチpおよびローラ半径rr間の差である半径から形成される円弧上の点として定義されており、前記中間部BCが、フランク部上の点Bから交点Cにおいて基部ABと先端部CDとを混成した複合形状を有しており、スプロケット歯の歯形形状における前記中間部BCの複合曲線が以下の式(1)および(2)により定義されていることを特徴としている。
Figure 0004197765
【0018】
ここで
f(x,y, β ) ={ x −[ (Rp sin β−√{− Rp 2 2Rp 2 cos β− Rp 2 (cos β ) 2 p 2 }− (n 1) p) cos(n ・α−β ) Rp sin(n ・α−β ) ]} 2 +{ y −[− (Rp sin β−√{− Rp 2 2Rp 2 cos β− Rp 2 (cos β ) 2 p 2 }− (n 1) p) sin(n ・α−β ) Rp cos(n ・α−β ) ]} 2 r 2
である。
【0019】
また
x,y : スプロケット軸の原点Oに関して定義されたデカルト座標(直
交座標)であって、xは、キャビティすなわち歯間の間隙の半
径方向対称軸に沿って延びている
p : スプロケットピッチであって、隣り合うローラの中心Cr間の
直線距離
Rp : スプロケットのピッチ円の半径であって、Rp=1/2Dpと
なっている(Dp:ピッチ円Cpの直径)
α : 連続する二枚の歯の間の角度
β : 第1のローラの位置をx軸に関して定義する角度
n : 自然数(1,2,3,…)であって、スプロケットと同時に噛
み合うローラの数
である。
【0020】
請求項の発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムは、請求項において、スプロケット歯の各面の形状が他の面の形状と互いに対称になっていることを特徴としている。
【0021】
請求項の発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムは、請求項において、先端部の長さが零であることを特徴としている。
【0022】
請求項の発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムは、請求項において、前記先端部の縁部が丸く形成されていることを特徴としている。
【0023】
請求項の発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムは、請求項において、前記先端部の縁部が傾斜面になっていることを特徴としている。
【0024】
本発明においては、スプロケットのフランク部が、上述のような基部AB,中間部BCおよび先端部CDから構成されており、これにより、チェーンおよびスプロケット間の衝突によるノイズおよびチェーンのコーダル運動によるノイズを一層低減させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
〔発明の要約〕
本発明は、チェーン・スプロケット組立体に使用されるスプロケットに関する。このスプロケットは、基部および中間部を備えた歯形形状を有している。基部は、チェーンローラの半径と等しいかあるいはチェーンローラの半径よりもわずかに大きい円弧形状を有している。中間部は、複数の線から混成されている。スプロケット歯形形状はまた、半径Rの円弧により構成される先端部を有している。この半径Rは、チェーンローラのピッチおよびローラ半径間の差に等しく、隣り合う歯との間の間隙の底部に着座するローラの中心と一致する中心を有している。
【0026】
本発明によるスプロケットによれば、チェーンローラが、スプロケット歯と衝突することなく徐々に噛み合うようになり、これにより、衝突ノイズが低減する。したがって、従来のスプロケットおよびチェーンと比べて、運転中のチェーンの衝突ノイズあるいは噛合ノイズが減少すると予想される。
【0027】
さらに、本発明によるスプロケットの設計手法によれば、チェーンローラおよびスプロケットが徐々に噛み合う一方、チェーンの張り側スパンがスプロケット軸に関して同じ位置に維持され、これにより、チェーンの垂直方向の弦運動を制限しあるいは最小に抑える。その結果、従来の組立体と比較して、チェーンローラおよびスプロケットがリード角で噛み合うようになり、チェーンの弦運動に関連するノイズが減少すると考えられる。
【0028】
〔好ましい実施態様の詳細な説明〕
まず、対比のために、従来のスプロケットを図1を用いて説明する。図1は、ローラチェーン用の従来のスプロケット1を示している。従来のローラチェーンは、各ローラ2とともに、スプロケット1に入り込み、スプロケット1の回りに巻き付く。とくに、ローラチェーンのローラ2は、参照数字21 ,2 2 ,2 3等で示されており、ローラ21 がまずスプロケット1と噛み合い、次にローラ2 2等が噛み合う。スプロケット1は時計方向に回転している。
【0029】
図1から分かるように、スプロケット1が回転すると、スプロケット歯がローラ2と接触し、ローラ2が、スプロケット1の連続する歯の間の間隙の底部に着座する。このようなローラおよびスプロケット歯間の衝突すなわち噛合いが衝突ノイズを生じさせる。
【0030】
各ローラ2が連続してスプロケット1に入り込む場合において、ローラ2が、図1に示される二つの歯3の間に形成される特定の歯元部またはキャビティに着座したとき、ローラチェーンは押し上げられ、次に押し下げられる。この垂直方向の動きすなわち弦運動は、チェーンの緊張力を変化させ、チェーンの周速を変化させる。その結果、従動軸に対する駆動力の変動、従動軸の角速度変動および弦運動によるノイズ増加が引き起こされる。
【0031】
本発明によるチェーンスプロケット歯の設計手法は、以下に記述される。とくに、本発明によるチェーンスプロケット歯のための新しい歯形形状が以下に説明される。この新しい歯形形状は、図3に示されている。なお、全米規格協会(ANSI:American National Standards Institute)による従来の歯形形状が同図中の破線で示されている。
【0032】
図2ないし図4に見られるように、スプロケット10は、歯底部13によって隔てられた歯12を有している。同じ歯数を有する従来のスプロケット歯と比較して、本発明によるスプロケット歯12は、かなり幅の広いすなわち肉厚のある先端部を有している。図3は、以下に定義される歯を示している。以下のパラメータは、本発明による歯形形状を定義するのに用いられている。
【0033】
p :スプロケットピッチ(チェーンピッチすなわち連続する二つの
ローラの各中心Cr間の直線距離と一致している)
Dp:スプロケットのピッチ径すなわちスプロケットに巻き付くチェーンの一
部のローラの中心によって定義されるピッチ円Cpの直径
De:工業規格によって定義されるスプロケット外周円Ceの直径あるいはス
プロケット頂上部までの最大円の直径
α :隣り合う二枚のスプロケット歯の法線(すなわちスプロケット中心から
歯の中心まで延びる半径)a,a間の角度
z :スプロケットの歯数
rr :チェーンのローラ半径
【0034】
本発明のスプロケットは、図2および図3に示すように矢印Fの方向に回転する。スプロケット歯の先行噛合面12eおよび後方噛合面12uは、左右対称になっている。すなわち、各スプロケット歯は、法線aを含む半径方向の平面に関して対称になっている。
【0035】
本発明によるスプロケット歯12eの歯形形状が以下に説明される。
歯底部すなわち二枚のスプロケット歯間の間隙13の半径方向の対称線bに関して、スプロケット歯12の形状12eまたは12uについて、以下の部分が定義されており、これらの部分は、点A,B,C,Dによって範囲が定められている。AB部分は基部、BC部分は中間部、CD部分は先端部と呼ばれる。
【0036】
なお、CD部分は本発明のスプロケット歯に含まれているものの、改良されたノイズ低減のためには必ずしも必要なものではない。
【0037】
点Aは、歯底部13の対称軸bが二つの歯間の間隙の底部と交差する点である。点Bは、ピッチ円Cpと、点Aに着座するローラによって限定される外周円との交点である。点Cは、先端の湾曲部または先端部と、中間の湾曲部または中間部との交点として定義される。点Dは、外形線12eと外周円の直径Deとの交点である。
【0038】
スプロケット歯形形状の基部ABは、ピッチ円と対称軸bとの交点に中心Crを有し、ローラ半径rr と等しいかあるいは若干大きい半径rを有する円弧である。
【0039】
中間部BCは、次の式によって定義される。すなわち
Figure 0004197765
【0040】
ここで
f(x,y,β) ={x −[(Rp ・sin β−√{−Rp2+2Rp2・ cosβ−Rp2(cos β)2+p2}−(n−1)・p)・cos(n ・α−β) +Rp・ sin(n・α−β) ]}2 +{y −[−(Rp ・sin β−√{−Rp2 +2Rp2・ cosβ−Rp2 (cosβ)2+p2}−(n−1)・p)・sin(n ・α−β) +Rp・cos(n ・α−β) ]}2 −r2
である。
【0041】
また、x,yは、スプロケット軸の原点Oに関して定義されたデカルト座標(直交座標)であって、xは、キャビティすなわち間隙の半径方向対称軸に沿って延びている(図2参照)。
【0042】
Rpは、スプロケットのピッチ円の半径であって、Rp=1/2Dpとなっている。βは、第1のローラの位置あるいはスプロケット歯間のキャビティの位置xをスプロケットの鉛直方向の中心線に関して定義した角度である。nは、自然数(1,2,3,…)であって、スプロケットと同時に噛み合うローラの数である。αは、隣り合う二枚の歯の中心間の角度であって、pは、隣り合う二つのローラの中心間のピッチまたは距離である。
【0043】
上記式は、中間部BCが一連の曲線部分からなる複合曲線であることを示している。図5には、中間部BCを構成する曲線の一つが示されており、半径Rの先端部CDの延長線が破線で示されている。
【0044】
先端部CDは、p−rr に等しい半径Rを有する円弧である。また、先端部CDは、スプロケットピッチ(およびチェーンピッチ)からローラ径を引いたものに等しく、ローラは、ピッチ円および間隙の対称軸b上に中心Crを有している。先端部CDは、点Dの近傍において、傾斜したまたは丸みを帯びた縁部を有していてもよい。
【0045】
図2にもっともよく示されるように、このようなスプロケットの新しい歯形形状により、ローラチェーンのローラおよびスプロケット歯を徐々に接触させることができるようになる。位置22 に到達するとき各ローラは、ローラおよびスプロケット歯間の衝突を防止するために、スプロケット歯にすでに十分に保持されて着座している。このような設計は、噛合ノイズまたは衝突ノイズを低減させる。
【0046】
しかも、この新しい設計により、スプロケットとの各噛合段階でチェーンの張り側スパンと実質的に同じライン上に各ローラを保持することができ、これにより、チェーンの垂直方向のコーダルアクションおよびこれにより生じるノイズを低減させ、最小に抑えることができる。
【0047】
本発明によるスプロケット歯形形状の先端部CDの長さは、非常に小さいかあるいは実質的に零である。垂直方向のコーダルアクションによるノイズと同様に衝突ノイズを低減させるという本発明の目的は、歯形形状が基部ABおよび中間部BCのみから構成され先端部CDのないスプロケットであっても達成可能である。このような変形例は、先端部CDを有する実施例と同様に作動する。
【0048】
本発明が関連する技術分野の当業者は、とくに上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神あるいは本質的な特徴から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施態様を構築し得る。上述の実施態様はあらゆる点で単なる例示としてのみみなされるべきものであり、限定的なものではない。
【0049】
それゆえ、本発明の範囲は、上記記述内容よりもむしろ添付の請求の範囲に示されている。したがって、本発明が個々の実施態様に関連して説明されてきたものの、構造、順序、材料その他の変更は、本発明の範囲内においてではあるが、当該分野の当業者にとって明らかであろう。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るローラチェーン・スプロケットシステムによれば、チェーンおよびスプロケット間の衝突によるノイズおよびチェーンのコーダル運動によるノイズを一層低減させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスプロケットおよびローラチェーンを示す図であって、ここでは、チェーンローラの一部がスプロケットと噛み合う状態が示されている。
【図2】本発明によるスプロケットを示す図であって、スプロケット歯がローラチェーンのローラと噛み合う状態が示されている。
【図3】本発明によるスプロケット歯形形状の一部を示す拡大図であって、破線で示される従来のスプロケット歯形形状の一部と比較して示されている。
【図4】本発明によるスプロケット歯の拡大図であって、スプロケット歯と噛み合うチェーンローラの位置が示されている。
【図5】図3および図4に示された、本発明によるスプロケットの新しい歯形形状の拡大図である。
【符号の説明】
10 スプロケット
12 歯
13 歯底部
AB 基部
BC 中間部
CD 先端部
p スプロケットピッチ
Cp ピッチ円
Rp スプロケットのピッチ円の半径
De スプロケットの外周円の直径
α 連続する二枚の歯の間の角度
β 第1のローラの位置をx軸に関して定義する角度
n スプロケットと同時に噛み合うローラの数
r ローラ半径

Claims (5)

  1. ローラチェーン・スプロケットシステムであって、
    スプロケットがピッチ円Cpによって限定されるとともに、その外周に均等間隔で配置された複数の歯を有しており、前記歯が半径方向に延びるとともに、隣り合う歯との間でローラチェーンのローラを収容するように十分に間隔を隔てて配置されており、前記歯の各々が側面のフランク部と頂上部とを有し、隣り合う歯の前記各フランク部が歯底部を形成する円弧面で接続され、前記頂上部がスプロケットの外周円の直径Deによって限定されており、
    ローラチェーンが交互に配置されたリンクプレートの複数の列を有し、前記リンクプレートが前記リンクプレートの列の関節運動を許容するようにピン部材によって連結されており、前記リンクプレートの列の各々が前記スプロケットの歯と接触するためのローラを有し、前記各ローラが半径rr によって限定される外周面を有しており、
    前記スプロケット歯のフランク部の各々が基部AB,中間部BCおよび先端部CDを有するとともに、前記基部ABが前記歯底部の前記円弧面の中心Aから前記フランク部上の点Bまで延びる円弧形状を有し、前記点Bがスプロケットのピッチ円Cpとローラの外周円との交点として定義されており、
    前記先端部CDが、スプロケット外周円の直径Deにおける前記歯の頂上部Dから前記歯のフランク部上の点Cまで延びる円弧形状を有するとともに、前記点Cが、ピッチ円Cpおよび中心線bの交点の上に中心Crを有しかつピッチpおよびローラ半径rr 間の差である半径から形成される円弧上の点として定義されており、
    前記中間部BCが、フランク部上の点Bから交点Cにおいて基部ABと先端部CDとを混成した複合形状を有しており、
    スプロケット歯の歯形形状における前記中間部BCの複合曲線が以下の式(1)および(2)により定義されている、
    ことを特徴とするローラチェーン・スプロケットシステム。
    Figure 0004197765
    ここで
    f(x,y, β ) ={ x −[ (Rp sin β−√{− Rp 2 2Rp 2 cos β− Rp 2 (cos β ) 2 p 2 }− (n 1) p) cos(n ・α−β ) Rp sin(n ・α−β ) ]} 2 +{ y −[− (Rp sin β−√{− Rp 2 2Rp 2 cos β− Rp 2 (cos β ) 2 p 2 }− (n 1) p) sin(n ・α−β ) Rp cos(n ・α−β ) ]} 2 r 2
    である。
    また
    x,y : スプロケット軸の原点Oに関して定義されたデカルト座標(直
    交座標)であって、xは、キャビティすなわち歯間の間隙の半
    径方向対称軸に沿って延びている
    p : スプロケットピッチであって、隣り合うローラの中心Cr間の
    直線距離
    Rp : スプロケットのピッチ円の半径であって、Rp=1/2Dpと
    なっている(Dp:ピッチ円Cpの直径)
    α : 連続する二枚の歯の間の角度
    β : 第1のローラの位置をx軸に関して定義する角度
    n : 自然数(1,2,3,…)であって、スプロケットと同時に噛
    み合うローラの数
    である。
  2. 請求項において、
    スプロケット歯の各面の形状が他の面の形状と互いに対称になっている、
    ことを特徴とするローラチェーン・スプロケットシステム。
  3. 請求項において、
    先端部の長さが零である
    ことを特徴とするローラチェーン・スプロケットシステム。
  4. 請求項において、
    前記先端部の縁部が丸く形成されている、
    ことを特徴とするローラチェーン・スプロケットシステム。
  5. 請求項において、
    前記先端部の縁部が傾斜面になっている、
    ことを特徴とするローラチェーン・スプロケットシステム。
JP18970698A 1997-06-18 1998-06-18 ローラチェーン・スプロケットシステム Expired - Fee Related JP4197765B2 (ja)

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EP97830289A EP0886085B1 (en) 1997-06-18 1997-06-18 Sprocket wheel with improved tooth profile for greater silentness
EP97830289.1 1997-06-18

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