JP4197264B2 - 新規な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類 - Google Patents

新規な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体として有用である新規な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類に関する。詳しくは、本発明は、コーティング法や真空蒸着法にて安定な有機半導体膜に容易に製膜することができると共に、酸化還元過程の可逆性にすぐれるので、種々のデバイス、例えば、有機エレクトロルミネッセンス装置における正孔輸送剤、電子写真装置における電荷輸送剤、太陽電池における有機半導体等として好適に用いることができる新規で有用な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機物質のアモルファス膜からなる有機半導体が種々の電子デバイスにおいて用いられている。例えば、電子写真装置においては、ポリカーボネート樹脂のようなバインダー樹脂と光・電子変換機能を有するトリフェニルアミン誘導体のような低分子量有機化合物を適宜の有機溶剤に溶解させ、これを塗布し、乾燥させ、有機アモルファス膜とし、これが正孔輸送層として用いられている(特許文献1参照)。また、太陽電池においても、同様に、所謂「スターバースト」(starburst) 化合物を適宜の有機溶剤に溶解させ、これを塗布し、乾燥させ、有機アモルファス膜とし、これが有機p型半導体膜として用いられている(特許文献2参照)。
【0003】
従来、このように、光・電子変換機能を有する低分子量有機化合物をバインダー樹脂と共にコーティング組成物とし、これを適宜の基材上に塗布し、乾燥させて、有機アモルファス膜からなる有機半導体膜が形成されている。しかし、従来、知られている多くの低分子量有機化合物は、酸化電位が低いので、上述したように、コーティング法によって有機半導体膜を形成する際に、用いる低分子量有機化合物が酸化されやすく、かくして、製膜が容易でなく、また、酸化還元過程における可逆性が十分でないので、耐久性にすぐれる実用的な有機半導体膜を形成し難い問題がある。更に、得られる有機半導体膜が耐熱性において十分でないので、それを利用した電子デバイスは安定性や耐久性に劣る問題がある。
【0004】
他方、従来、このように、有機アモルファス膜を形成するための光・電子変換機能を有する低分子量有機化合物としては、代表的には、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルベンジジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、N,N’−ジエチル−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノスチルベン等が知られているが、しかし、これらの低分子量有機化合物は、これらを有機感光体において、電荷輸送剤として用いるには、それら自体では、アモルファス膜の安定性に劣るので、上述したように、高分子量の樹脂をバインダーとして用い、これに溶解させ、又は分散させて(即ち、希釈した状態で)、基材上に塗布することによって、有機アモルファス膜が形成されている。
【0005】
このように、従来の有機アモルファス膜によれば、光・電子変換機能を有する低分子量有機化合物は、マトリックスであるバインダー樹脂の影響を受けると共に、希釈されているので、その本来の特性を十分に発揮することができない。更に、従来のそのような低分子量有機化合物は、バインダーの助けを借りて、常温で比較的安定なアモルファス膜を形成することができても、ガラス転移温度が低く、耐熱性に劣るので、得られる電子デバイスが安定性や寿命において問題がある。
【0006】
そこで、近年、光・電子変換機能を有する低分子量有機化合物として、常温以上の温度でそれ自体でアモルファス膜を形成することができる低分子量有機化合物の開発が進められており、所謂「スターバースト」分子群と呼ばれる種々の含窒素多核芳香族化合物がそのような材料として有用であるとして、提案されている。
【0007】
このようなスターバースト分子群は、その分子構造から三つの群、即ち、トリフェニルアミン骨格を有するもの(トリフェニルアミン類)とトリアミノベンゼン骨格を有するもの(トリアミノベンゼン類)とトリフェニルベンゼン骨格を有するもの(トリフェニルベンゼン類)に大別される。これら以外にトリフェニルメタン骨格を有するものも提案されている。
【0008】
これらのうち、トリフェニルアミン類としては、例えば、4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)(1)
【0009】
【化2】
Figure 0004197264
【0010】
(特許文献3参照)や4,4’,4”−トリス(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)(2)
【0011】
【化3】
Figure 0004197264
【0012】
(特許文献3参照)、4,4’,4”−トリス(N−(2−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)(3)
【0013】
【化4】
Figure 0004197264
【0014】
(特許文献4参照)、4,4’,4”−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(1−TNATA)等が知られている。
【0015】
このようなトリフェニルアミン類は、酸化還元過程は可逆的であるが、しかし、酸化電位(Ag/Ag+ 電極に対する酸化電位、以下、同じ。)が約0.1V又はそれよりも小さいので、上述したように、コーティング法によって有機半導体膜を製膜する際に、容易に酸化される問題がある。
【0016】
また、m−MTDATAは、ガラス転移温度が約77℃であり、実用的な電子デバイスに用いるには、耐熱性に難があり、2−又は1−TNATAは、110℃前後のガラス転移温度を有し、耐熱性にすぐれた有機アモルファス膜を形成するが、比較的結晶しやすい性質を有しているので、アモルファス膜が安定性や寿命に欠ける問題がある。
【0017】
トリフェニルベンゼン類としては、例えば、1,3,5−トリス(4−N,N−ジフェニルアミノフェニル)ベンゼン(TDAPB)(4)
【0018】
【化5】
Figure 0004197264
【0019】
や1,3,5−トリス(4−(N−トリル−N−フェニルアミノフェニル)ベンゼン(MTDAPB)(5)
【0020】
【化6】
Figure 0004197264
【0021】
が知られている(「バンドー・テクニカル・レポート」、第2号、第9〜18頁(1998年))。
【0022】
このようなトリフェニルベンゼン類は、アモルファス膜を形成し、また、0.6〜0.7Vの範囲の酸化電位を有するが、酸化還元過程が不可逆的であるので、実用的な有機半導体として用いるに適しない。
【0023】
トリアミノベンゼン類としては、例えば、1,3,5−トリス(N−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)ベンゼン(6)(MTDAB)
【0024】
【化7】
Figure 0004197264
【0025】
等が知られている(非特許文献1参照)。
【0026】
このようなトリアミノベンゼン類も、0.5〜0.6V程度の酸化電位を有するが、しかし、上記トリフェニルベンゼン類と同様に、いずれも酸化還元過程が不可逆的であり、更に、ガラス転移温度が約60℃又はそれより低い。従って、実用的な有機半導体として用いるには適しないし、更に、耐熱性の点でも問題がある。
【0027】
【特許文献1】
特開平11−174707号公報
【特許文献2】
特開2000−174657公報
【特許文献3】
特開平1−224353号公報
【特許文献4】
特開平8−291115号公報
【非特許文献1】
「バンドー・テクニカル・レポート」、第2号、第9〜18頁(1998年)
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の有機半導体材料としてのトリアミノベンゼン骨格を有するスターバースト分子におけるこのような問題を解決するためになされたものであって、酸化電位が0.5〜0.6V程度であり、酸化還元過程における可逆性にすぐれると共に、高いガラス転移温度を有し、更に、耐熱性にもすぐれるので、コーティング法や真空蒸着法によって、実用性にすぐれる有機半導体膜を容易に製膜することができ、しかも、常温以上の温度で自体で、即ち、バインダー樹脂の助けなしに、安定なアモルファス膜を形成することができるので、それ自体からなる安定で耐久性にすぐれる高性能な有機半導体膜を形成することができる新規な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、一般式(I)
【0030】
【化8】
Figure 0004197264
【0031】
(式中、Aはナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基を示し、Rは水素原子又はジアリールアミノ基を示す。)
で表される1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類が提供される。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、一般式(I)
【0033】
【化9】
Figure 0004197264
【0034】
で表され、ここに、Aはナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基であり、好ましくは、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基又は9−フェナントリル基である。また、Rは水素原子又はジアリールアミノ基であり、このジアリールアミノ基として、例えば、アリール基がそれぞれ独立にフェニル基、トリル基又はナフチル基であるものを挙げることができる。従って、ジアリールアミノ基の具体例として、例えば、ジフェニルアミノ基、フェニルトリルアミノ基(トリル基は、好ましくは、o−又はm−トリル基である。)、フェニルナフチルアミノ基(ナフチル基は、1−又は2−ナフチル基である。)等を挙げることができる。これらのなかでは、フェニルトリルアミノ基やフェニルナフチルアミノ基のように非対称のジアリールアミノ基が好ましい。
【0035】
本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、例えば、一般式(II)
【0036】
【化10】
Figure 0004197264
【0037】
(式中、Rは前記と同じである。)
で表される1,3,5−トリス(1−ナフチルアミノ)ベンゼン類に、目的とする1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類に応じて、一般式(III)
【0038】
【化11】
Figure 0004197264
【0039】
(式中、Aは前記と同じであり、Xはハロゲン原子を示す。)
で表されるハロゲン化アリールを、例えば、18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)のようなクラウンエーテルを触媒として用いて、塩基と銅粉との存在下、窒素、アルゴン、ヘリウム等のような不活性ガス雰囲気下に、必要に応じて、反応溶剤中で反応させることによって得ることができる。
【0040】
上記ハロゲン化アリールとしては、例えば、ヨウ化物や臭化物が好ましく用いられるが、必要に応じて、塩化物も用いられる。例えば、1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)を得る場合には、上記ハロゲン化アリールとして、例えば、4−ヨードビフェニルが好ましく用いられ、また、1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)を得る場合には、上記ハロゲン化アリールとして、例えば、(4’−ヨードビフェニル−4−イル)フェニル−m−トリルアミンが好ましく用いられる。
【0041】
このようなハロゲン化アリールは、1,3,5−トリス(4−ビフェニリルアミノ)ベンゼン類に対して過剰量が用いられ、好ましくは、1,3,5−トリス(4−ビフェニリルアミノ)ベンゼン類1モル部に対して3モル部以上、好ましくは、3〜10モル部、特に好ましくは、3.5〜5モル部が用いられる。
【0042】
塩基としては、水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物や、アルカリ金属の炭酸塩や炭酸水素塩等が用いられるが、特に、ナトリウムやカリウムの炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましく用いられ、なかでも、炭酸カリウムが好ましく用いられる。また、上記反応溶剤としては、反応を阻害しない限りは、特に限定されるものではないが、通常、デカリン、メシチレン、ヘプタン等のような炭化水素溶媒が好ましく用いられる。反応温度は、特に、限定されるものではないが、通常、140〜190℃の範囲であり、反応時間は、通常、5〜30時間の範囲である。
【0043】
反応終了後、反応生成物を有機溶媒に溶解させ、触媒を濾別し、次いで、適宜の溶出液を用いて反応生成物をカラム・クロマトグラフイーにて分離精製することによって、高純度品を高収率にて得ることができる。
【0044】
本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、酸化電位が約0.5〜0.6Vの範囲にあり、構造的には、第1に、トリフェニルアミン骨格の有する窒素原子の一方に置換基としてビフェニリル基を有し、これによってこの化合物の反応活性点を覆い隠して、酸化還元反応における可逆性を確保することができ、第2には、トリフェニルアミン骨格の有する窒素原子の他方に置換基としてナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基を有し、これによってこの化合物のガラス転移点を高めて、すぐれた耐熱性を有せしめることができ、更には、酸化還元反応における可逆性をも向上させることができる。
【0045】
かくして、本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、コーティング法や真空蒸着法による有機半導体膜の形成に好適に用いることができ、しかも、得られる有機半導体膜は安定性と耐熱性にすぐれる。更に、本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、常温以上の温度でそれ自体でアモルファス膜を形成することができるので、それ自体で高性能で耐久性にすぐれる有機半導体膜を形成することができる。
【0046】
従って、本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、何ら限定されるものではないが、種々の電子デバイス、例えば、有機エレクトロルミネッセンス装置における正孔輸送剤、電子写真装置における電荷輸送剤、太陽電池における有機半導体等として好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0048】
実施例1
(1,3,5−トリス(1−ナフチルアミノ)ベンゼンの製造)
フロログルシノ−ル4.4g、1−ナフチルアミン25g及びヨウ素0.5gを100mL容量三つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下に140℃で4時間加熱攪拌して反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をメタノール、ヘキサン、メタノールの順序で洗浄し、乾燥させて、やや赤みがかった固体として、目的とする1,3,5−トリス(1−ナフチルアミノ)ベンゼン4.4gを得た。収率は25%であった。
【0049】
(1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)の製造)
1,3,5−トリス(1−ナフチルアミノ)ベンゼン2.0g、4−ヨ−ドビフェニル5.0g、炭酸カリウム3.7g、銅粉2g及び18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)0.3gを反応溶剤メシチレン10mLと共に100mL容量ガラスフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に170℃で17時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をトルエン抽出し、このトルエン溶液をシリカゲルクロマトグラフィーに付して、反応生成物を分取した。この反応生成物をトルエン/ヘキサン混合溶媒から再結晶乾燥し、更に、昇華精製して、目的とする1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)1.2gを得た。収率は32%であった。
【0050】
Figure 0004197264
赤外線吸収スペクトル:図1に示す。
【0051】
示差走査熱量測定(DSC):
試料としてTBNAB約5mgを秤量し、示差走査熱量測定装置中で一度融解させた後、50℃/分の速度で室温まで冷却したが、試料は結晶化せず、アモルファスなガラス状となった。引続き、アルミニウム板を参照として昇温速度5℃/分で熱特性を測定した。DSCチャートを図2に示すように、ガラス転移点(Tg)は130℃、結晶化温度(Tc)は204℃、融点(Tm)は271℃あった。
【0052】
サイクリックボルタンメトリー(CV):
TBNABをジクロロメタンに溶解させて、10-3M濃度に調整した。支持電解質として、過塩素酸テトラブチルアンモニウム((n−C49)4NClO4(0.1M))を用い、参照電極としてAg/Ag+ を用いて、スキャン速度50mV/秒にて酸化還元特性を測定した。図3にサイクリックボルタモグラムを示すように、酸化電位は0.62V(vs Ag/Ag+)であり、50回の繰返し測定において、酸化還元過程に可逆性を有し、有機正孔輸送剤として好適に用いることができることが確認された。
【0053】
実施例2
(1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)の製造)
1,3,5−トリス(1−ナフチルアミノ)ベンゼン1.1g、(4’−ヨードビフェニル−4−イル)フェニル−m−トリルアミン5g、炭酸カリウム3g、銅粉250mg及び18−クラウン−6(1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン)290mgを反応溶剤メシチレン15mLと共に100mL容量ガラスフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に160℃で21時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物をトルエン抽出し、このトルエン溶液をシリカゲルクロマトグラフィーに付して、反応生成物を分取した。この反応生成物を再結晶乾燥し、更に、昇華精製して、目的とする1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)1.4gを得た。収率は42%であった。
【0054】
Figure 0004197264
赤外線吸収スペクトル:図4に示す。
【0055】
示差走査熱量測定(DSC):
試料としてm−MDPABNAB約5mgを秤量し、示差走査熱量測定装置中で一度融解させた後、50℃/分の速度で室温まで冷却したが、試料は結晶化せず、アモルファスなガラス状となった。引続き、アルミニウム板を参照として昇温速度5℃/分で熱特性を測定した。DSCチャートを図5に示すように、ガラス転移点(Tg)は145℃であった。結晶化温度(Tc)と融点(Tm)は観察されなかった。
【0056】
サイクリックボルタンメトリー(CV):
m−MDPABNABをジクロロメタンに溶解させて、10-3M濃度に調整した。支持電解質として、過塩素酸テトラブチルアンモニウム((n−C49)4NClO4(0.1M))を用い、参照電極としてAg/Ag+ を用いて、スキャン速度50mV/秒にて酸化還元特性を測定した。図6にサイクリックボルタモグラムを示すように、酸化電位は0.52V(vs Ag/Ag+)であり、50回の繰返し測定において、酸化還元過程に可逆性を有し、有機正孔輸送剤として好適に用いることができることが確認された。
【0057】
【発明の効果】
本発明によって、新規な1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類が提供される。このような1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、酸化電位が約0.5〜0.6Vの範囲にあり、酸化還元過程においてすぐれた可逆性を有すると共に、ガラス転移温度が高く、すぐれた耐熱性を有し、かくして、コーティング法や真空蒸着法によって有機半導体や正孔輸送剤として好適なアモルファス膜に容易に製膜することができ、更に、本発明による1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類は、常温以上の温度でそれ自体でアモルファス膜を形成することができるので、有機アモルファス材料として広い用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)の赤外線吸収スペクトルである。
【図2】本発明による1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)の示差走査熱量測定(DSC)曲線である。
【図3】本発明による1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(TBNAB)のサイクリックボルタモグラムである。
【図4】本発明による1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)の赤外線吸収スペクトルである。
【図5】本発明による1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)の示差走査熱量測定(DSC)曲線である。
【図6】本発明による1,3,5−トリス(N−4−(4’−N−フェニル−N−m−トリルアミノ)ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン(m−MDPABNAB)のサイクリックボルタモグラムである。

Claims (2)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004197264
    (式中、Aはナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基を示し、Rは水素原子を示す。)
    で表される1,3,5−トリス(アリールアミノ)ベンゼン類。
  2. 1,3,5−トリス(N−(4−ビフェニリル)−N−(1−ナフチル)アミノ)ベンゼン。
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