JP4197105B2 - 歯科診療システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科診療システムに関し、詳しくは歯科診療における対患者コミュニケーションを支援する画像表示装置を備えた歯科診療システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科科診療では、患者の不安が大きく、最近では、診療・治療内容に関する患者説明、いわゆるインフォームドコンセントの必要性が認識されている。このため、医師は患者導入の都度、一般的説明資料と患者個別資料を提示して治療経過説明や、今後の治療方法を説明している。また、この説明の際には、患者本人の口腔内映像をモニターに表示することもなされている。
【0003】
しかしながら、初診患者に対する説明では、問診表から患者の主訴や、傷病の判断を行ない、適切な説明資料を準備する必要があると共に、再診患者の場合には、これまでの説明済事項と、治療経過を判断して説明資料を準備する必要があるところから、資料の準備が煩雑で、時間を要している。
【0004】
一方、患者においては、診療ユニットに導入され着座してから、診療開始までの待ち時間や、麻酔導入待ち時間、資器材準備の待ち時間の間、不安を感じるため、不安を取り除くための説明をすることが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、歯科診療ユニットに着座した患者に画像・音声で適切な診療情報を提供することにより、処置までの煩雑さや患者の不安さを解消することが可能な歯科診療システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の歯科診療システムは、患者が着座する歯科診療ユニットと、歯科診療ユニットに着座した患者に対し診療情報を画像によって提供する画像表示装置と、画像表示装置の表示画像を歯科診療ユニットに着座した患者に対応して制御する表示制御コンピュータとを備え、前記表示制御コンピュータは、患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知し着座信号が入力されたとき、当該患者に関する治療目的・治療経過を表示する一方、任意に選択された画像を表示するように画像表示装置を制御する中央処理制御部と、患者情報、表示画像及び信号の入出力制御部と、治療情報及び患者情報を記録したデータベースとを有していることを特徴とする。
【0007】
この発明では、画像表示装置が歯科診療ユニットに着座した患者に対する適切な画像表示を行うため、診療説明(インフォームドコンセント)を効率よく行うことができる。また、表示制御コンピュータが画像表示装置を制御して、患者に関する治療目的・治療経過の表示や、任意に選択された画像の表示を行うため、歯科診療における資料の準備を行う必要がなくなる。
【0008】
請求項2の発明の歯科診療システムは、患者が着座する歯科診療ユニットと、患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知し、着座信号を出力する患者検知手段と、前記着座信号の入力によって当該患者についての診療情報を表示する画像表示装置と、画像表示装置による表示画像を患者が操作することにより選択することが可能な画像択手段と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
この発明においても、画像表示装置が歯科診療ユニットに着座した患者に対し、治療目的・治療経過の表示や任意に選択された画像の表示を行うため、診療説明(インフォームドコンセント)を効率よく行うことができる。特に、この発明では、表示制御コンピュータを備えていないため、構成が簡単となり、安価に提供することができる。
【0010】
請求項の発明は、請求項記載の歯科診療システムであって、画像表示装置による表示画像を選択することが可能な画像選択手段をさらに備え、前記中央処理制御部は画像選択手段が選択した画像を表示するように画像表示装置を制御することを特徴とする。
【0011】
この発明では、患者、術者、アシスタント等が画像選択手段を操作することにより、表示画像の選択ができるため、これらが興味を示す画像の表示ができ、緊張感を緩和することができる。
【0012】
請求項の発明は、請求項1または3記載の歯科診療システムであって、患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知して前記中央処理制御部に着座信号を出力する患者検知手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0013】
このように患者検知手段を備えることにより、歯科診療ユニットへの患者の着座を自動的に検知することができるため、円滑な処置を行うことができる。
【0014】
患者検知手段としては、歯科診療ユニットの患者座席に設けられた圧力センサー、反射センサー、透過センサー、ポジションセンサー、温度センサーまたは画像表示装置に設けられた赤外線などの反射センサーの一つまたは何れかの組み合わせを用いることができる。
【0015】
請求項の発明は、請求項1,3,4のいずれかに記載の歯科診療システムであって、前記中央処理制御部は、初診患者の問診表及び主訴を登録する初診患者情報登録手段と、患者への歯科診療ユニット割当情報に基づいて表示画像を自動選択する画像サービス割当手段と、着座信号の入力により画像サービスを開始するサービス開始判断手段と、初診患者を判断して表示する初診患者向画像表示手段と、再診患者の治療経過、画像表示サービスの利用履歴を判断して対応した画像サービスを表示する再診患者向画像表示手段と、患者が選択したメニュー画像に切り替える患者選択メニュー切替手段と、術者が診察・治療行為中に表示する診療中画像切替手段と、診療・治療履歴と次回予定をデータベースに記録する治療記録登録手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
このような構成の表示制御コンピュータの中央処理制御部によれば、画像表示装置を用いたインフォームドコンセントを効率よく行うことができる
【0017】
請求項の発明は、請求項1または記載の歯科診療システムであって、前記データベースは、歯科診療に関する治療情報を患者属性・診療属性・処理経過別に分類記録した治療情報データベースと、患者毎の問診情報、診療情報、カルテ情報、画像表示サービス利用情報、次回再診予定情報を記録する患者情報データベースとを備えていることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、データベースが治療情報データベース及び患者情報データベースを備えるため、患者の主訴や治療状況に応じた適切な情報を自動選択して表示することができる。
【0019】
なお、以上の発明における画像表示装置としては、画像を表示するモニター等の表示画面装置と、この表示画面装置に画像を供給する外部画像再生装置とを接続することにより構成することができる。外部画像再生装置としては、VTR、DVD、その他の映像記録装置を用いることができる。外部画像再生装置は表示制御コンピュータを介して画像表示装置に接続されることにより、或いは画像表示装置に直接に接続されることにより、画像表示装置に画像を供給する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態における歯科診療システムを示す全体図、図2は表示制御コンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、この実施の形態の歯科診療システムは、治療のために患者が着座する歯科診療ユニット10と、歯科診療ユニット10に着座した患者に対し診療情報を画像によって提供する画像表示装置20と、画像表示装置20の表示画像を歯科診療ユニット10に着座した患者に対応して制御する表示制御コンピュータ30と、患者が歯科診療ユニット10に着座したことを検知し、表示制御コンピュータ30に着座信号を出力する患者検知手段11a、11bと、画像表示装置20による表示画像を患者が操作することにより選択することが可能な画像選択手段25とを備える。
【0022】
前記画像表示装置20は、モニター等の表示画面装置21と、表示画面装置21に画像を供給するVTR、DVD等の外部画像再生装置40とを備え、これらが表示制御コンピュータ30を介して接続されている。従って、表示画面装置21に対しては、表示制御コンピュータ30を介して画像が供給される。画像の供給は有線、無線のいずれであっても良い。
【0023】
患者検知手段11a、11bは患者が歯科診療ユニット10に着座したことを検知し、その着座信号を表示制御コンピュータ30に出力するものである。患者検知手段の内、一方の患者検知手段11aとしては、歯科診療ユニット10の椅子側で感知する圧力センサー、椅子からのポジション信号、着座を検知する透過センサー、反射センサーまたは温度センサー等のセンサーを選択することができる。他方の患者検知手段11bは、画像表示装置20の患者に対面する表示画面装置21側に設けられることにより、患者を感知する赤外線センサーまたは反射センサーが用いることができる。
【0024】
患者検知手段としては、歯科診療ユニット10に患者が着座したことを検知するものであれば良く、いずれかの一方の患者検知手段11a、11bであっても、双方の患者検知手段11a、11bであっても良い
【0025】
画像選択手段25は、画像表示装置20に対して赤外線などの近距離無線あるいは有線により、画像表示装置20に画像選択信号を送信するものであり、通常のAV機器に使用されるリモートコントロール装置を用いることができる。また、画像表示装置20にタッチパネルを設け、このタッチパネルを画像選択手段25とすることも可能である。
【0026】
画像選択手段25は患者、術者やアシスタントが操作することにより、表示画面装置21が表示する画面を任意に選択することが可能となっている。選択された選択信号は、直接に表示画面装置21に供給されて選択された画像への切り替えが行われるか、あるいは表示画面装置21を介して表示制御コンピュータ30に供給される。後者の場合には、表示制御コンピュータ30が選択された画像への切り替えを制御し、これにより表示画面装置21が切り替え画面を表示する。患者の治療に関する画像に切り替えた場合においては、患者が治療に関する情報を事前に見て、一定の知識を得ることができる。また、治療以外の患者の興味のある画面を選択して見ることもでき、リラックスを感受することができる。
【0027】
この実施の形態では、患者の口腔内を撮影すると共に、画像表示装置20との接続・離脱が可能となっている口腔内カメラ50を備えている。口腔内カメラ50は、カメラ本体51と、カメラ本体51とコード52を介して接続された差込プラグ53とを備えている。これに対し、画像表示装置20の表示画面装置21には、差込プラグ53が差し込み及び引き抜きされる差し込み口22が設けられている。これにより、画像表示装置20は口腔内カメラ50との接続・離脱が可能となっている。
【0028】
この実施の形態において、差し込みプラグ53を差し込み口22に差し込むことにより、画像表示装置20と口腔内カメラ50との接続が行われる。画像表示装置20には、差し込みプラグ53の差し込みを検知し、この検知によってその接点が差し込みプラグ53側が投入されるスイッチング回路等のモニター切替手段(図示省略)が設けられている。従って、差し込みプラグ53を差し込み口22に差し込むことにより、画像表示装置20は口腔内カメラ50からの画像を他の画像に優先して表示する。これにより、術者は差し込みプラグ53の差し込み操作を行うだけで、患者の口腔内の画像を画像表示装置20に表示させることができる。従って、煩雑な器材の接続作業やスイッチングを行う必要がなくなる。
【0029】
なお、差し込みプラグ53が差し込む口22から抜き出された場合においては、その接点が表示制御コンピュータ30側に自動的に復帰投入されるようになっており、これにより、口腔内カメラ50の接続が離脱した後は、外部画像再生装置40から供給された画像の表示が行われる。
【0030】
この実施の形態において、口腔内カメラ50を画像表示装置20に接続した状態を維持したままで、口腔内カメラ50からの画像以外の画像、すなわち外部画像再生装置40からの画像を表示させることも可能である。この場合には、外付けスイッチを別途設け、このスイッチを常時、外部画像再生装置40側に投入することにより可能となる。
【0031】
図2は、表示制御コンピュータ30の構成を示すブロック図であり、中央処理制御部35と、入出力制御部31と、データベース32とを備えている。
【0032】
中央処理制御部35は、患者検知手段11から着座信号が入力されたとき、当該患者に関する治療目的・治療経過を表示する一方、画像選択手段25が表示画像を選択したとき、選択された画像を表示するように画像表示装置20を制御する。入出力制御部31は患者情報、表示画像及び信号の入出力を制御する。データベース32は治療情報及び患者情報が記録される。入出力制御部31には画像表示装置20、患者検知手段11、外部画像再生装置40、キーボード33、電子カルテシステム47が接続されて入出力信号が制御される。
【0033】
前記データベース32は、治療情報データベース32aと患者情報データベース32bを少なくとも備える。治療情報データベース32aは、歯科診療に関する治療情報を患者属性・診療属性・処置経過別に分類記録した治療情報データである。患者属性は、患者の来院目的、主訴で、診療属性は傷病区分等である。
【0034】
患者情報データベース32bは、患者名、性別、年令、住所、保険証番号などの個人情報と、問診情報、診療情報、カルテ情報、画像表示サービス利用情報、次回再診予定情報とが記録される。画像表示サービス利用情報は、これまでの来院時に患者が画像選択手段25で選択した内容項目などの情報である。
【0035】
中央処理制御部35は、初診患者情報登録手段35aと、画像サービス割当手段35bと、サービス開始判断手段35cと、初診患者向画像表示手段35dと、再診患者向画像表示手段35eと、患者選択メニュー切替手段35fと、治療中画像切替手段35gと、治療履歴登録手段35hとを備える。
【0036】
初診患者情報登録手段35aは、初診患者の問診表及び主訴を患者情報データベース32bに登録する手段である。この登録作業は、入出力制御部31に接続されたキーボード33から登録画面に直接入力する方法と、別途設けられた電子カルテシステム47(歯科用レセプトコンピュータなど)を入出力制御部31に接続して電子カルテシステムの入力データを共用する方法の何れかを用いることができる。
【0037】
画像サービス割当手段35bは、歯科診療ユニット10に着座した患者に関する情報を患者情報データベース32bから検索し、検索した患者情報に基づいて表示画像を自動選択するものである。歯科診療ユニット10が複数ある場合においては、来院患者に割当てられた歯科診療ユニット10の情報をキーボード33から入力することにより、その患者に関する画像情報を当該歯科診療ユニット10に割り当てるように作用する。
【0038】
サービス開始判断手段35cは、患者検知手段11または術者等の手動スイッチによる着座信号を受けて画像表示装置20の電源をONさせて表示を開始させると共に、画像サービス割当手段35bの患者情報表示作業を開始させる。
【0039】
初診患者向画像表示手段35dは、初診患者に関する画像を表示する。初診患者に対しては、初診者向けの案内情報を表示する他、患者情報データベース32bに記録された患者本人の主訴に対応する情報を治療情報データベース32aから検索して表示する。この場合、診察前の歯科情報を術者が歯科診療ユニット10に来るまでの間、表示する。
【0040】
再診患者向画像表示手段35eは、再診患者の治療経過、画像表示サービスの利用履歴を判断し、対応する画像を表示する手段である。再診患者に対しては、患者情報データベース32bから前回までの来院時に利用された歯科情報を検索し、興味ある情報を一覧表示したり、未だ見ていない情報を選択表示する。また、治療経過から、今回治療予定の内容を表示させることもできる。
【0041】
患者選択メニュー切替手段35fは、画像選択手段25からの選択信号を受けて、患者が選択したメニュー画像に切替える手段である。
【0042】
治療中画像切替手段35gは、医師が診療・治療行為中に表示させる手段である。この手段により、治療中の患者をリラックスさせる映像・音声や歯科関係のコマーシャル映像を治療中に流すことができる。
【0043】
治療履歴登録手段35hは、診療・治療履歴と次回予定を患者情報データベース32bに登録する手段である。登録方法は、キーボード33から直接入力画面に入力する他、電子カルテシステム47からデータを入力することもできる。
【0044】
初診患者向画像表示手段35d及び再診患者向画像表示手段35eで制御表示される画像は、画像表示装置20に内蔵された画像記録部からの再生画像または、外部画像再生装置40からの再生画像の何れでもよい。なお、外部画像再生装置40は、DVD41,VTR42,デジタルビデオカメラ43、スキャナー44を選択して使用することができる。
【0045】
図3〜図5は、この実施の形態の歯科診療システムを利用した業務のフローチャートを流れに沿って示すものである。この実施の形態では、歯科診療ユニット10を複数台使用して診療を行って医院であり、全ての歯科診療ユニット10に画像表示装置20が設置されている。
【0046】
図3において、ステップS1では、来院した患者が初診であるか否かを区別し、初診の場合にはステップS2に移行する。ステップS2では、患者に関する問診票を作成し、その後、電子カルテを使用するか否かの判断が行われる(ステップS3)。電子カルテを用いない場合には、その患者のカルテを作成した後、カルテの内容を表示制御コンピュータ(PC)30に入力する(ステップS4、S5)。このステップS5の後、及び電子カルテを使用する場合、患者情報データベース32bに登録を行い(ステップS6)、主訴を抽出する(ステップS7)。
【0047】
ステップS1において、患者が初診でなく、再診のために来院した場合には、ステップS8に移行する。このステップS8では、表示制御コンピュータ30の患者情報データベース32bからその患者に関する情報を抽出し、ステップS9で前回の来院時に利用していた治療情報を抽出する。
【0048】
ステップS7及びステップS9の後においては、これらの情報を治療情報データベース32aと照合し(ステップS10)、適合する情報を抽出する(ステップS11)。その後、複数の歯科診療ユニットから患者導入先の歯科診療ユニット10を決定し(ステップS12)、その歯科診療ユニット10の番号を表示制御コンピュータ30に入力する(ステップS13)。そして、導入先の歯科診療ユニット10が決定した後、患者をその歯科診療ユニット10に導入し(ステップS14)、図4のフローチャートに移行する。
【0049】
図3に続く図4において、ステップS21では、患者が歯科診療ユニット10に着座したか否かを判断する。この判断は、上述したように患者検知手段11a及び/または11bによって行っても良く、術者やアシスタントが手動スイッチを操作することによって行っても良く、着座信号が表示制御コンピュータ30に出力される。着座信号の入力により、表示制御コンピュータ30は治療情報データベース32aから患者に合わせた治療情報を抽出し、抽出した内容を表示画面装置21に表示する(ステップS22)。
【0050】
表示画面装置21が現に表示している情報を利用する場合、ステップS23からステップS24に移行する。ステップS24では、画像選択手段25を操作して利用したい情報を選択し、ステップS25で、選択した情報についての詳細な内容を治療情報データベース32bから取り出し、ステップS26では取り出した詳細な内容を表示画面装置21が表示する。
【0051】
一方、表示画面装置21が表示している情報を利用しない場合においては、ステップS31に移行して他の情報を検索するか否かの判断を行う。他の情報を検索する場合には、画像選択手段25を用いて検索キーワードを入力し(ステップS32)、これにより、表示制御コンピュータ30は検索キーワードと治療情報データベース32aとを照合し(ステップS33)、治療情報データベース32aから適合情報を抽出し(ステップS34)、抽出した内容を表示画面装置21によって表示し(ステップS35)、上述したステップS25に移行する。
【0052】
ステップS31において、他の情報を検索しない場合であって、DVD、VTR等の外部画像再生装置40を利用する場合(ステップS36)には、画像選択手段25によって外部画像再生装置40を選択し(ステップS37)、外部画像再生装置40からの映像が表示画面装置21に表示される(ステップS38)。これにより、患者はリラックスすることができる。以上のステップS26、S38の後、担当医(術者)がその患者に対しての治療説明を開始する(ステップS27)。
【0053】
図5は担当医が治療説明を開始した後のフローチャートを示し、担当医が差し込みプラグ53を差し込み口22に差し込むことにより、口腔内カメラ50が接続された場合(ステップS41)には、画像表示装置21が表示する表示内容を口腔内カメラ50からの映像に切り換える(ステップS42)。そして、担当医は口腔内カメラ50からの映像を患者に見せながら今後の治療方針の説明を行う(ステップS43)。この説明が終了した後(ステップS44)、差し込みプラグ53を差し込み口22から抜き取ることにより、口腔内カメラ50との接続から離脱させる。これにより、画像表示装置21は外部画像再生装置40からの映像を表示し(ステップS45)、担当医による患者への治療が開始される(ステップS46)。
【0054】
図6は、治療情報データベース32aが有しているデータの一例を示す。図6においては、主訴が「歯を白くしたい」場合における患者の性別、年齢に合わせて情報が区分けされて格納されており、抽出された情報を表示するようになっている。
【0055】
図7は、図6のデータベースを使用して表示用情報を抽出する場合のフローチャートを示し、図6を参照しながらその流れを説明する。ステップS51では、カルテに入力された患者の主訴と治療情報データベース32aの主訴とを照合して、患者の主訴と一致する主訴「歯を白くしたい」をデータベースから抽出する。この抽出が行われた場合には、適合項目ありとして(ステップS52)ステップS53に移行する。
【0056】
ステップS53では、主訴「歯を白くしたい」の項目の次項目である「性別」をカルテの内容と適合するように抽出する。適合項目がある場合(ステップS54)には、次項目である「年齢」をカルテの内容と適合するように抽出する(ステップS55)。そして、適合項目がある場合(ステップS56)、その「情報」を表示用データとして抽出する。
【0057】
ステップS54において、性別の抽出ができない場合には、ステップS58に移行して、「年齢」をカルテと適合するように抽出する。そして、適合項目がある場合(ステップS59)には、ステップS57に移行する。適合項目がない場合、主訴「歯を白くしたい」における情報を表示用データとして抽出する(ステップS60)。
【0058】
ステップS56で適合項目がない場合には、治療情報データベース32aにおける「主訴」、「性別」で適合した項目を表示用データとして抽出する(ステップS68)。
【0059】
ステップS52において、治療情報データベース32aにカルテの主訴と適合する主訴がない場合、治療情報データベース32aにおける「性別」の項目からカルテの内容と適合するものを抽出する(ステップS61)。適合項目がある場合(ステップS62)には、治療情報データベース32aにおける「年齢」の項目からカルテの内容と適合するものを抽出する(ステップS63)。そして、適合項目がある場合(ステップS64)、ステップS57に移行し、適合項目がない場合には、「性別」で適合した項目を表示用データとして抽出する(ステップS65)。
【0060】
ステップS62において適合項目がない場合、治療情報データベース32aにおける「年齢」の項目から適合するものを抽出し(ステップS66)、適合項目がある場合(ステップS67)にはステップS57に移行する。適合項目がない場合には、カルテの内容と治療情報データベース32aの内容とが一致しないことから表示用データなしとして処理を行う(ステップS69)。
【0061】
このような実施の形態では、患者が歯科診療ユニット10に着座したとき、表示制御コンピュータ30が患者に関する診療内容を画像表示装置20に表示させるため、診療説明を効率良く行うことができる。また、画像選択手段25により任意の情報を選択して画像表示装置20に表示させることができるため、患者の興味のある診療内容を知ることができる。
【0062】
しかも、この実施の形態では、口腔内カメラ50の接続によって患者の口腔内の画像を優先して表示するため、接続作業に神経を取られることなく、術者が治療内容の説明を行うことができ、インフォームドコンセントを円滑に行うことができる。さらに、治療中は、歯科関係のコマーシャル画像やVTRを画像表示することができ、患者がリラックスした状態で治療を受けることができる。
【0063】
この実施の形態では、口腔内カメラ50が画像表示装置20に対して接続及び離脱可能となっているが、これに限らず、口腔内カメラ50を省いた構成とすることも可能である。この場合には、画像表示装置20は、外部画像再生装置40から供給される画像を表示したり、画像選択手段25が選択した画像を表示する。これによっても、患者に対してリラックス感を付与することができる。
【0064】
なお、この実施の形態では、画像選択手段25を備えているが、画像選択手段25を省いても良い。この場合には、画像表示装置20は口腔内カメラ50からの映像を表示したり、外部画像再生装置40からの画像表示を行うものである。
【0065】
さらに、表示制御コンピュータ30については、個々の歯科診療ユニット10に対して設けても良く、或いは複数の歯科診療ユニット10とラン接続された単一のコンピュータとしても良い。
【0066】
図8は、本発明の別の実施の形態の歯科診療システムであり、上述した実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
この実施の形態の歯科診療システムは、歯科診療ユニット10に着座した患者に対し診療情報を画像によって提供する画像表示装置20と、患者が歯科診療ユニット10に着座したことを検知し、着座信号を画像表示装置20に出力する患者検知手段11と、画像表示装置20による表示画像を患者が操作することにより選択することが可能な画像選択手段25と、患者の口腔内を撮影すると共に、画像表示装置20との接続・離脱が可能となっている口腔内カメラ50とを備えている。
【0068】
これにより、上述した実施の形態と同様に、患者が歯科診療ユニット10に着座することにより、画像表示装置20が患者に関する治療等の所定の画像を表示すると共に、画像選択手段25によって任意の好みの画像を選択した場合は、その画像を表示するようになっている。
【0069】
この実施の形態において、画像表示装置20はモニター切替手段45を備えており、着座信号の入力によって当該患者についての診療情報を表示する一方、画像選択手段25が表示画像を選択したとき、選択された画像を表示し、口腔内カメラ50が接続されたとき、当該口腔内カメラ50からの画像を優先して表示する。従って、この実施の形態においても、口腔内カメラ50を画像表示装置20に接続することにより、画像表示装置20が患者の口腔内の画像を優先的に表示するため、医師による治療説明を円滑に行うことができる。
【0070】
なお、この実施の形態では、患者に対する共通画像を予め画像表示装置20または外部画像再生装置40にセットしておくか、或いは着座する患者の主訴や、治療経過に合わせた画像記録のDVDやVTRをその都度セットことにより運用することができる。
【0071】
このような実施の形態では、図1に示す実施の形態に対し、表示制御コンピュータ30を省いたものであり、これにより、構成が簡単となり、安価とすることが可能となる。
【0072】
なお、図8では、モニター切替手段45を画像表示装置20に設けているが、画像表示装置20に外付けのモニター切替手段45としてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、歯科診療ユニットに着座した患者に対応した画像表示を行なうため、診療説明(インフォームドコンセント)を効率良く行なうことができる。また、患者が着座してから診療開始までの待ち時間に診療説明を行なうことができるため、効率の良い説明が可能となる。
【0074】
特に、表示制御コンピュータを備える場合には、患者の治療目的・治療経過に応じた適切な情報を表示させることができる。また、画像選択手段を備える場合には、患者の希望する情報表示を選択させることができ、患者検知手段を備える場合には、患者の着座を確実に検知することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の歯科診療システムを示す全体図である。
【図2】表示制御コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】歯科診療システムを利用したフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】治療情報データベースの一例のデータ図である。
【図7】図6のデータベースを利用した場合の表示情報の抽出を示すフローチャートである。
【図8】別の実施の形態の歯科診療システムを示す全体図である。
【符号の説明】
10 歯科診療ユニット
11 患者検知手段
20 画像表示装置
21 表示画面装置
25 画像選択手段
30 表示制御コンピュータ
31 入出力制御部
32 データベース
35 中央処理制御部
40 外部画像再生装置
45 モニター切替手段
50 口腔内カメラ

Claims (6)

  1. 患者が着座する歯科診療ユニットと、
    歯科診療ユニットに着座した患者に対し診療情報を画像によって提供する画像表示装置と、
    画像表示装置の表示画像を歯科診療ユニットに着座した患者に対応して制御する表示制御コンピュータとを備え、
    前記表示制御コンピュータは、患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知し着座信号が入力されたとき、当該患者に関する治療目的・治療経過を表示する一方、任意に選択された画像を表示するように画像表示装置を制御する中央処理制御部と、患者情報、表示画像及び信号の入出力制御部と、治療情報及び患者情報を記録したデータベースとを有していることを特徴とする歯科診療システム。
  2. 患者が着座する歯科診療ユニットと、
    患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知し、着座信号を出力する患者検知手段と、
    前記着座信号の入力によって当該患者についての診療情報を表示する画像表示装置と、
    画像表示装置による表示画像を患者が操作することにより選択することが可能な画像択手段と、
    を備えていることを特徴とする歯科診療システム。
  3. 画像表示装置による表示画像を選択することが可能な画像選択手段をさらに備え、前記中央処理制御部は画像選択手段が選択した画像を表示するように画像表示装置を制御することを特徴とする請求項1記載の歯科診療システム。
  4. 患者が歯科診療ユニットに着座したことを検知して前記中央処理制御部に着座信号を出力する患者検知手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または3記載の歯科診療システム。
  5. 前記中央処理制御部は、初診患者の問診表及び主訴を登録する初診患者情報登録手段と、患者への歯科診療ユニット割当情報に基づいて表示画像を自動選択する画像サービス割当手段と、着座信号の入力により画像サービスを開始するサービス開始判断手段と、初診患者を判断して表示する初診患者向画像表示手段と、再診患者の治療経過、画像表示サービスの利用履歴を判断して対応した画像サービスを表示する再診患者向画像表示手段と、患者が選択したメニュー画像に切り替える患者選択メニュー切替手段と、術者が診察・治療行為中に表示する診療中画像切替手段と、診療・治療履歴と次回予定をデータベースに記録する治療記録登録手段とを備えていることを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の歯科診療システム。
  6. 前記データベースは、歯科診療に関する治療情報を患者属性・診療属性・処理経過別に分類記録した治療情報データベースと、患者毎の問診情報、診療情報、カルテ情報、画像表示サービス利用情報、次回再診予定情報を記録する患者情報データベースとを備えていることを特徴とする請求項1または5記載の歯科診療システム。
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