JP4196916B2 - ハイブリッド車のエンジン動作点制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンと少なくとも1つのモータを動力源とし、該動力源とタイヤへの出力部材が連結される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車のエンジン動作点制御装置に関する。
従来、エンジンと2つのモータジェネレータを動力源とする駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなハイブリッド車では、エンジンとモータジェネレータを用いて無段変速比にて走行するハイブリッド車無段変速モードを有し、例えば、中高速での走行中において、このハイブリッド車無段変速モードを選択していた。
特開2003−269596号公報
しかしながら、従来のハイブリッド車にあっては、車両の運転点(例えば、車速と要求駆動力にて決まる点)が極低・ゼロ・負の駆動力領域にある場合、エンジン制御では、吸入空気量が極小であり安定しないため、実エンジントルクに脈動が発生し易い。このエンジントルクの脈動は、モータイナーシャがゼロではない限り、変速比とは関係なく駆動力に影響し、駆動力の脈動となる。これにより車両の不快な振動を励起するため、走行フィーリングが悪化してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ハイブリッド車無段変速モードでの低負荷走行時、駆動力の脈動を抑えることで走行フィーリングの向上を図ることができるハイブリッド車のエンジン動作点制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置では、エンジンと少なくとも1つのモータを動力源とし、該動力源とタイヤへの出力部材が連結される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記エンジンとモータを動力源とするハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジントルクとエンジン回転数によるエンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値に正の値による下限リミットを設定し、車速とエンジン回転数と車両の駆動力目標値とバッテリの充放電目標値に基づきエンジントルクとエンジン回転数を計算し、計算したエンジントルクが設定したエンジントルク下限値を超えているときは計算値をエンジントルク指令値及びエンジン回転数指令値として出力し、計算したエンジントルクが設定したエンジントルク下限値以下であるときは、エンジントルク計算値がエンジントルク下限値を超えるまで前記エンジン回転数を修正するエンジン動作点制御手段を設けた。
よって、本発明のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置にあっては、エンジンとモータを動力源とするハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジン動作点制御手段において、エンジントルクとエンジン回転数によるエンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値に正の値による下限リミットが設定される。すなわち、例えば、車両の運転点が極低・ゼロ・負の駆動力領域にある低負荷走行の場合で、エンジントルク指令値を燃費重視で算出した場合には極低・ゼロ・負の値となるようなとき、エンジントルク指令値が正の値による下限リミット以上に設定される。このため、エンジンにて安定した吸入空気量が確保され、実エンジントルクの脈動、さらには、駆動力の脈動が抑えられる。この結果、ハイブリッド車無段変速モードでの低負荷走行時、駆動力の脈動を抑えることで走行フィーリングの向上を図ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1のエンジン動作点制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(モータ)と、第2モータジェネレータMG2(モータ)と、出力ギヤOG(出力部材)と、駆動力合成変速機TMと、を有する。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することによりそれぞれ独立に制御される。
前記駆動力合成変速機TMは、ラビニョウ型遊星歯車列PGR(差動装置、遊星歯車列)と、ローブレーキLBと、を有し、前記ラビニョウ型遊星歯車列PGRは、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1と、第1リングギヤR1と、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2と、第2リングギヤR2と、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2とを支持する共通キャリアPCと、によって構成されている。つまり、ラビニョウ型遊星歯車PGRは、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、共通キャリアPCと、の5つの回転要素を有する。この5つの回転要素に対する入出力部材の連結関係について説明する。
前記第1サンギヤS1には、第1モータジェネレータMG1が連結されている。前記第1リングギヤR1は、ローブレーキLBを介してケースに固定可能に設けられている。前記第2サンギヤS2には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。前記第2リングギヤR2(エンジン入力部材)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。前記共通キャリアPCには、出力ギヤOGが直結されている。なお、出力ギヤOGからは、図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動タイヤに駆動力が伝達される。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(第1サンギヤS1)、エンジンE(第2リングギヤR2)、出力ギアOG(共通キャリアPC)、ローブレーキLB(第1リングギヤR1)、第2モータジェネレータMG2(第2サンギヤS2)の順に配列され、ラビニョウ型遊星歯車列PGRの動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入することができる。
ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸に各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比になるように配置したものである。
前記エンジンクラッチECとローブレーキLBは、後述する油圧制御装置5からの油圧により締結される多板摩擦クラッチと多板摩擦ブレーキであり、エンジンクラッチECは、図2の共線図上において、エンジンEと共にエンジン入力回転部材である第2リングギヤR2の回転速度軸と一致する位置に配置され、ローブレーキLBは、図2の共線図上において、第1リングギヤR1の回転速度軸(出力ギヤOGの回転速度軸と第2サンギヤS2の回転速度軸との間の位置)に配置される。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9(エンジン回転数検出手段)と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第2リングギヤ回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10,11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した三相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令を受け、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第2リングギヤ回転数センサ12からの第2リングギヤ入力回転数ωin等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
実施例1のハイブリッド車における走行モードとしては、電気自動車無段変速モード(以下、「EVモード」という。)と、電気自動車固定変速モード(以下、「EV-LBモード」という。)と、ハイブリッド車固定変速モード(以下、「LBモード」という。)と、ハイブリッド車無段変速モード(以下、「E-iVTモード」という。)と、を有する。
前記「EVモード」は、図2(a)の共線図に示すように、二つのモータジェネレータMG1.MG2のみで走行する無段変速モードであり、エンジンEは停止で、エンジンクラッチECは解放である。
前記「EV-LBモード」は、図2(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結した状態で、二つのモータジェネレータMG1,MG2のみで走行する固定変速モードであり、エンジンEは停止で、エンジンクラッチECは解放である。第1モータジェネレータMG1から出力Outputへの減速比、及び、第2モータジェネレータMG2から出力Outputへの減速比が大きいので駆動力が大きく出るモードである。
前記「LBモード」は、図2(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結した状態で、エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2で走行する固定変速モードであり、エンジンEは運転でエンジンクラッチECは締結である。エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2から出力Outputへの減速比が大きいので駆動力が大きく出るモードである。
前記「E-iVTモード」は、図2(d)の共線図に示すように、エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2で走行する無段変速モードであり、エンジンEは運転でエンジンクラッチECは締結である。
そして、前記4つの走行モードのモード遷移制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、図3に示すような前記4つの走行モードを割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両の停止時や走行時には、要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cの各検知値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じて最適な走行モードが選択される。なお、図3は三次元走行モードマップをバッテリS.O.Cが充分な容量域のある値で切り取ることにより、要求駆動力Fdrvと車速VSPとの二次元によりあらわした走行モードマップの一例である。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「EV-LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、ローブレーキLBの締結・解放が行われる。「E-iVTモード」と「LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、ローブレーキLBの締結・解放が行われる。また、「EVモード」と「E-iVTモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、エンジンクラッチECの締結・解放とエンジンEの始動・停止が行われる。「EV-LBモード」と「LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、エンジンクラッチECの締結・解放とエンジンEの始動・停止が行われる。
次に、作用を説明する。
[エンジン動作点制御処理]
図5は実施例1の統合コントローラ6において実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(エンジン動作点制御手段)。
ステップS1では、「E-iVTモード」を選択しての走行時、エンジン動作点制御を開始し、ステップS2へ移行する。
このエンジン動作点制御処理は、上記走行モードマップ上において、要求駆動力Fdrvと車速VSPによる運転点が、図3に示す「E-iVTモード」の設定範囲の存在し、かつ、他のモードへの遷移が無い間は、所定の計算周期により繰り返し実行される。
ステップS2では、ステップS1でのエンジン動作点制御の開始に引き続き、エンジン動作点(Ne,Te)の計算に必要な情報(車速センサ8からの車速VSP、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Ne、車両の駆動力目標値F、バッテリ4の充放電目標値Pb)を入力し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、ステップS2でのエンジン動作点(Ne,Te)の計算に必要な情報入力に引き続き、エンジントルク指令値Terefを下記の式により計算し、ステップS4へ移行する。
Teref=(Pv−Pb+Ploss)/(Ne*2*pi/60) …(1)
Pv=VSP*F …(2)
尚、Pvは車両目標駆動力、Pbは充放電目標値(=充電指令値)、Plossは各種ロス推定値、Neはエンジン回転数、VSPは車速、Fは駆動力目標値である。
ステップS4では、ステップS3でのエンジントルク指令値Terefの計算に引き続き、エンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるか否かが判断され、YESの場合はステップS5へ移行し、NOの場合はステップS6へ移行する。
ここで、「エンジントルク下限値TeLL(Ne)」は、エンジン回転数Neの関数として与えられる。すなわち、図6に示すように、エンジン回転数Neが低回転数領域ではエンジントルクが安定しないので高い値にて与えられ、エンジン回転数Neが高回転数領域ではエンジントルクが安定するので低い値にて与えられるというように、エンジン回転数Neが高いほど徐々に低くなる正の値にて与えられる。
ステップS5では、ステップS4でのTeref≦TeLL(Ne)との判断に引き続き、充放電目標値Pbを、エンジントルク指令値Terefが高い値となるように修正し、ステップS2へ戻る。
この充放電目標値Pbの修正は、充放電目標修正値をPb'としたとき、
Pb'=Pb−dTe*Ne …(3)
dTe=TeLL(Ne)−Teref …(4)
の式を用いて計算される。つまり、充放電目標修正値Pb'は、エンジントルク指令値Terefとエンジントルク下限値TeLL(Ne)との差dTeとエンジン回転数Neとを掛け合わせた値だけ、今回の充放電目標値Pbから減じた値で与えられる。
ステップS6では、ステップS4でのTeref>TeLL(Ne)との判断に引き続き、ステップS3にて計算されたエンジントルク指令値Terefと、検出されたエンジン回転数Neをそのままエンジン回転数指令値Nerefとするエンジン動作点(Ne,Te)を出力し、ステップS7へ移行する。
なお、エンジン動作点(Ne,Te)と、車速VSPと駆動力目標値Fとから出力ギヤOGの動作点(No,To)が決まると、「E-iVTモード」での共線図上でのレバー位置が決まり、レバーの回転数バランス式とトルクバランス式を用い、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)が決定される。
ステップS7では、ステップS6でのエンジン動作点(Ne,Te)の出力に引き続き、ステップS1へ戻り、次の計算周期へ移行する。
[技術背景]
エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2を用いて無段変速比にて走行する「E-iVTモード」と、モータジェネレータMG1,MG2のみを用いて無段変速比にて走行する「EVモード」とを有し、例えば、「E-iVTモード」を選択しての中高速での走行中、車両の運転点a(車速VSPと駆動力Fdrvにて決まる点)が極低駆動力領域あるいは負駆動力領域の運転点a’へ変化し、「E-iVTモード」の選択領域から「EVモード」の選択領域へと移行する場合(図3参照)、エンジンクラッチECを切り離し、エンジンEを停止することで、「EVモード」へのモード遷移を行っていた。
しかしながら、例えば、図3の矢印で示すように、「E-iVTモード」の選択領域を拡大し、「E-iVTモード」を選択しての中高速での走行中、車両の運転点aが極低・ゼロ・負の駆動力領域の運転点へと変化しても、下記の理由により、「E-iVTモード」を選択したままで走行するシーンが増えている。
理由1:「E-iVTモード」→「EVモード」のモード遷移時時間がかかる(準備変速・エンジン始動等)。
理由2:エンジンクラッチECの締結時に駆動力ショックがある。
よって、過渡駆動力波形が乱れてしまうことになり、この過渡駆動力波形を整形する必要性がある。
さらに、「E-iVTモード」を選択しての走行時に駆動力指令(あるいは走行パワー)が、極低・ゼロ・負の場合、エンジン動作点(Ne,Te)に関しては、下記の問題がある。
・第1モータジェネレータトルク指令値T1ref、第2モータジェネレータトルク指令値T2ref、エンジントルク指令値Terefの全てがゼロになってしまう。
・フリクション補償量が正確に分からないため、エンジンEはゼロトルク指令が苦手(精度が出ない)である。また、吸入空気量で制御されるエンジントルク制御も、吸入空気量が極小であり、安定しないため、実エンジントルクの脈動などがでやすい。
・モータトルクゼロ付近も、モータのフリクション補償量が正確には分からないため、モータは苦手であるが、エンジンEほどではない。
これらの実際的な問題点は、下記の通りである。
・実エンジントルクの脈動は、「E-iVTモード」では、変速比と関係なく、駆動力の脈動となる。これにより、車両の不快な振動などを励起するため、走行フィーリングが悪化する。
例えば、通常の自動変速機や手動変速機などでは、エンジントルクゼロが変速比がハイの時に発生するので、エンジントルク→駆動力の倍率が低く、あまり問題とならない。変速比がローの時は車両振動など同様の問題を発生させる。しかし、ハイブリッド車で「E-iVTモード」が選択されている時は、変速比がハイだから倍率が低いということはなく、モータイナーシャがゼロではない限り、駆動力に影響する。
また、従来のハイブリッド車では、エンジントルクゼロの時には、エンジン回転数もゼロとしてエンジンを完全に停止することで燃費の向上を狙うため、このときの駆動力脈動は発生しない(例えば、特開平11−93727号公報参照)。その代わり、エンジンを始動する場合にはエンジン再加速のための時間・バッテリパワーを必要とし、駆動力の応答性に欠けることになる。
・燃費走行の場合、エンジン出力が極低の場合、エンジントルクが小さくなると共にエンジン回転数も低くなる。これは吸入空気量のさらなる減少を引き起こし、吸入空気量によりトルク制御されているエンジンEの運転状態は、さらに不安定化し、トルク脈動も大きく、周波数も低くなる。よって、車両振動などの悪影響はさらに大きくなり、走行フィーリングも悪化する。
[本発明のエンジン動作点制御の考え方]
上記問題は、主にエンジン動作点に依存しているので、
(1)エンジントルク状態を変更する(大きくする)。
(2)エンジン回転数状態を変更する(高くする)。
(3)エンジンパワーを変更する(トルクも回転数も変更する)。
などの対処法により改善することができるが、本来の目的をできるだけ損なわないように改善することが必要である。
・エンジントルクを大きくすることの効果:エンジン回転数(変速比)を変更しないので、駆動力指令が小さいにもかかわらずエンジン回転数が高いなどの違和感やフィーリングの悪化がなく目的を達成する(実施例1)。
・エンジン回転数を大きくすることの効果:実エンジントルクがほぼゼロであれば、エンジンパワーゼロのままで目的を達成する。しかし、フィーリングは悪化する。また、エンジンにおけるフリクションロスも増大するため燃費も悪化する。そのためにこの方法を採ることはほとんどない。
・トルクも回転数も変更することの効果:トルクを大きくすると共に回転数を小さくすれば、エンジンパワーを大きく変更することなく、目的を達成することができる。また、エンジンパワーに下限リミット(正の値)を設け、車両の駆動力指令から計算されるパワーがこれを下回った場合、余ったパワーをバッテリの充電に向けることにしても良い(実施例2,3)。
[エンジン動作点制御作用]
「E-iVTモード」を選択しての走行時であって、今回の周期にて計算されたエンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超える場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6→ステップS7へと進む。
また、今回の周期にて計算されたエンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下となるような場合には、図5のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、ステップS4でのエンジントルク下限条件をクリアしない限り、ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む流れが繰り返される。
すなわち、ステップS3において、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジントルク指令値Terefを計算し、ステップS4において、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えているときは、ステップS6へ進み、計算値をエンジントルク指令値Terefとして出力する。
一方、ステップS3にて計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるときは、ステップS5→ステップS2→ステップS3へと進む流れとなり、ステップS5にて充放電目標値Pbを修正し、ステップS3にて充放電目標修正値Pb'を用いて改めて計算されたエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えるまで充放電目標値Pbが修正されることになる。
つまり、図8において、エンジン等パワー線(Pe=Pv−Pb)上で、かつ、エンジントルク下限値TeLL(Ne)の設定線以下である(1)の点から、エンジン回転数Neを変えないでエンジントルクTeを高めるように移動させ、エンジントルク下限値TeLL(Ne)の設定線上の(2)の点まで達すると、この点でのエンジントルクTeとエンジン回転数Neがエンジントルク指令値Terefとエンジン回転数Nerefとされる。
上記のように、「E-iVTモード」にて走行する際には、エンジン動作点制御において、エンジントルクTeとエンジン回転数Neによるエンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値Terefに正の値による下限リミットが設定されることになる。よって、例えば、車両の運転点が極低・ゼロ・負の駆動力領域にある低負荷走行の場合で、エンジントルク指令値Terefを燃費重視で算出した場合には極低・ゼロ・負の値となるようなとき、エンジントルク指令値Terefが正の値による下限リミット以上に設定される。このため、エンジンEにて安定した吸入空気量が確保され、実エンジントルクTeの脈動、さらには、駆動力の脈動が抑えられる。この結果、「E-iVTモード」での低負荷走行時、駆動力の脈動を抑えることで走行フィーリングの向上を図ることができる。
また、実施例1では、エンジン回転数Ne(変速比)を変更せずに、エンジントルクTeを大きくすることで、駆動力の脈動抑制に対処する方法を採用したため、駆動力指令が小さいにもかかわらずエンジン回転数Neが高いなどの違和感がなく、走行フィーリングの向上を図ることができる。
さらに、実施例1では、実エンジン回転数Neが低回転数であるほど高い正の値によるエンジントルク下限値TeLL(Ne)を設定するというように、実エンジン回転数Neに依存してエンジントルク下限値TeLL(Ne)を設定したため、実エンジン回転数Neの低回転数域では脈動の無い安定した実エンジントルクTeを得ることができ、実エンジン回転数Neの高回転数域では実エンジントルクTeの脈動抑制と、下限リミットをよりゼロに近づけることによる燃費向上と、の両立を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEと少なくとも1つのモータを動力源とし、該動力源とタイヤへの出力部材が連結される差動装置を有する駆動力合成変速機TMを備えたハイブリッド車において、前記エンジンEとモータを動力源とするハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジントルクTeとエンジン回転数Neによるエンジン動作点(Ne,Te)を決めるにあたり、エンジントルク指令値Terefに正の値による下限リミットを設定するエンジン動作点制御手段を設けたため、ハイブリッド車無段変速モードでの低負荷走行時、駆動力の脈動を抑えることで走行フィーリングの向上を図ることができる。
(2) 前記エンジン動作点制御手段は、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジントルク指令値Terefを計算し、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えているときは計算値をエンジントルク指令値Terefとして出力し、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるときは、エンジントルク計算値がエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えるまで前記充放電目標値Pbを修正するため、エンジン回転数Ne(変速比)を変更しない対処方法となり、駆動力指令が小さいにもかかわらずエンジン回転数Neが高いなどの違和感を解消することができる。
(3) 実エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ9を設け、前記エンジン動作点制御手段は、実エンジン回転数Neが低回転数であるほど高い正の値によるエンジントルク下限値TeLL(Ne)を設定するため、実エンジン回転数Neの低回転数域では脈動の無い安定した実エンジントルクTeを得ることができ、実エンジン回転数Neの高回転数域では実エンジントルクTeの脈動抑制と、下限リミットをよりゼロに近づけることによる燃費向上と、の両立を図ることができる。
(4) 前記差動装置は、共線図上に4つ以上の回転要素が配列され、各回転要素のうちの内側に配列される2つの回転要素の一方にエンジンEからの入力を、他方に駆動系統への出力ギヤOGをそれぞれ割り当てると共に、前記内側の回転要素の両外側に配列される2つの回転要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結した遊星歯車列であり、前記エンジン動作点制御手段は、エンジンEと第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を動力源とする「E-iVTモード」にて走行する際、エンジントルクTeとエンジン回転数Neによるエンジン動作点(Ne,Te)を決めるにあたり、エンジントルク指令値Terefに正の値による下限リミットを設定するため、「E-iVTモード」での低負荷走行時、駆動力の脈動を抑えることで走行フィーリングの向上を図ることができる。また、この効果によって、走行モードマップ上での「E-iVTモード」の選択領域をさらに拡大することができ、その結果、モード遷移頻度を少なくし、低負荷走行からアクセル踏み込みによる再加速要求がある場合にも高い応答性により再加速要求に応えることができる。
実施例2は、エンジントルク指令値に下限リミットを設けると共にエンジン回転数指令値を小さくするようにした例である。なお、構成については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[エンジン動作点制御処理]
図7は実施例2の統合コントローラ6において実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(エンジン動作点制御手段)。なお、ステップS21,S22,S26,S27は、それぞれ実施例1の図5におけるステップS1,S2,S6,S7と同様の処理であるので、説明を省略する。
ステップS23では、ステップS22でのエンジン動作点(Ne,Te)の計算に必要な情報入力に引き続き、エンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefを下記の式により計算し、ステップS24へ移行する。
Teref=(Pv−Pb+Ploss)/(Ne*2*pi/60) …(1)
Pv=VSP*F …(2)
Ne=Neref …(5)
尚、Pvは車両目標駆動力、Pbは充放電目標値(=充電指令値)、Plossは各種ロス推定値、Neはエンジン回転数、VSPは車速、Fは駆動力目標値である。
ステップS24では、ステップS23でのエンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefの計算に引き続き、エンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるか否かが判断され、YESの場合はステップS25へ移行し、NOの場合はステップS26へ移行する。
ここで、「エンジントルク下限値TeLL(Ne)」は、実施例1と同様に、エンジン回転数Neの関数として与えられる。
ステップS25では、ステップS24でのTeref≦TeLL(Ne)との判断に引き続き、エンジン動作点(Ne,Te)のうち、エンジン回転数指令値Nerefを、下記のように低い値となるように修正し、ステップS23へ戻る。
このエンジン回転数指令値Nerefの修正は、エンジン回転数指令修正値をNeref'としたとき、
Neref'=Neref−(dTe*Ne)/Teref …(6)
dTe=TeLL(Ne)−Teref …(4)
の式を用いて計算される。つまり、エンジン回転数指令修正値Neref'は、エンジントルク指令値Terefとエンジントルク下限値TeLL(Ne)との差dTeとエンジン回転数Neとを掛け合わせた値を、エンジントルク指令値Terefにより除した分だけ、今回のエンジン回転数指令値Nerefから減じた値で与えられる。本プロセスは、1回のみでも、あるいは、有限回の繰り返しで収束させても良い。繰り返す場合、Ne=Neref'としてエンジントルク下限値TeLL(Ne)のマップを引き直し、(4)式によるdTe計算→(6)式によるNeref'の計算、を繰り返す。
[エンジン動作点制御作用]
「E-iVTモード」を選択しての走行時であって、今回の周期にて計算されたエンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超える場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS26→ステップS27へと進む。
また、今回の周期にて計算されたエンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下となるような場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進み、ステップS24でのエンジントルク下限条件をクリアしない限り、ステップS23→ステップS24→ステップS25へと進む流れが繰り返される。
すなわち、ステップS23において、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Neref(1回目はNeref=Ne)を計算し、ステップS24において、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えているときは、ステップS26へ進み、計算値をエンジントルク指令値Terefとし、実エンジン回転数Neをエンジン回転数指令値Nerefとして出力する。
一方、ステップS23にて計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるときは、ステップS25→ステップS23へと進む流れとなり、ステップS25にてエンジン回転数指令値Nerefを修正し、ステップS23にてエンジン回転数指令修正値Neref'を用いて改めて計算されたエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えるまでエンジン回転数指令値Nerefが修正されることになる。
つまり、図8において、エンジン等パワー線(Pe=Pv−Pb)上で、かつ、エンジントルク下限値TeLL(Ne)の設定線以下である(1)の点から、エンジン等パワー線上に沿ってエンジン回転数を低下させながら移動し、エンジン等パワー線とエンジントルク下限値TeLL(Ne)の設定線と交わる(3)の点に達すると、この点でのエンジントルクTeとエンジン回転数Neがエンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefとされる。
実施例2では、エンジントルクTeを大きくすると共にエンジン回転数Neを小さくすることで、駆動力の脈動抑制に対処する方法を採用したため、図8においてエンジン等パワー線上に(1)の点と(3)の点が存在することからも明かなように、エンジンパワーを大きく変更することなく、走行フィーリングの向上を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置にあっては、実施例1の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記エンジン動作点制御手段は、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefを計算し、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えているときは計算値をエンジントルク指令値Teref及びエンジン回転数指令値Terefとして出力し、計算したエンジントルク指令値Terefが設定したエンジントルク下限値TeLL(Ne)以下であるときは、エンジントルク指令値Terefがエンジントルク下限値TeLL(Ne)を超えるまで前記エンジン回転数指令値Nerefを修正するため、エンジンパワーを大きく変更することなく、走行フィーリングの向上を図ることができる。
実施例3は、エンジン要求出力に下限リミットを設けると共にエンジン要求出力が下限リミット以下である場合は余ったエンジン出力をバッテリの充電に回すようにした例である。なお、構成については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明する。
[エンジン動作点制御処理]
図9は実施例3の統合コントローラ6において実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(エンジン動作点制御手段)。なお、ステップS31,S32,S37は、それぞれ実施例1の図5におけるステップS1,S2,S7と同様の処理であるので、説明を省略する。
ステップS33では、ステップS32でのエンジン要求出力の計算に必要な情報入力に引き続き、エンジン要求出力指令値Perefを下記の式により計算し、ステップS34へ移行する。
Peref=(Pv−Pb+Ploss) …(7)
Pv=VSP*F …(2)
尚、Pvは車両目標駆動力、Pbは充放電目標値(=充電指令値)、Plossは各種ロス推定値、VSPは車速、Fは駆動力目標値である。
ステップS34では、ステップS33でのエンジン要求出力指令値Perefの計算に引き続き、エンジン要求出力指令値Perefがエンジン要求出力下限値PeLL以下であるか否かが判断され、YESの場合はステップS35へ移行し、NOの場合はステップS36へ移行する。
ここで、「エンジン要求出力下限値PeLL」は、ステップS36にて計算されるエンジントルク指令値Terefが、例えば、実施例1,2でのエンジントルク下限値TeLL(Ne)を上回る値となる固定値により与えられる。
ステップS35では、ステップS34でのPeref≦PeLLとの判断に引き続き、エンジン要求出力下限値PeLLをエンジン要求出力指令値Perefとする修正をし、ステップS36へ移行する。
すなわち、このエンジン要求出力指令値Perefの修正は、エンジン要求出力下限値PeLLまでエンジン要求出力を嵩上げすることにより行われる。
ステップS36では、ステップS34またはステップS35を経過して決められたエンジン要求出力指令値Perefに基づき、エンジン動作点(Ne,Te)を下記の式により計算し、ステップS37へ移行する。
エンジントルク指令Terefは、上記(1)式と(7)式に基づく、
Teref=(Pv−Pb+Ploss)/(Ne*2*pi/60)=(Peref)/(Ne*2*pi/60) …(8)
の式により計算され、エンジン回転数指令値Nerefは、
Neref=Teref/Peref …(9)
の式により計算される。
[エンジン動作点制御作用]
「E-iVTモード」を選択しての走行時であって、今回の周期にて計算されたエンジン要求出力指令値Perefがエンジン要求出力下限値PeLLを超える場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS34→ステップS36→ステップS37へと進む。
また、今回の周期にて計算されたエンジン要求出力指令値Perefがエンジン要求出力下限値PeLL以下となるような場合には、図9のフローチャートにおいて、ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS34→ステップS35→ステップS36→ステップS37へと進む。
すなわち、ステップS33において、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジン要求出力指令値Perefを計算し、ステップS34において、計算したエンジン要求出力指令値Perefが予め設定されたエンジン要求出力下限値PeLLを超えているときは、そのままステップS36へ進み、エンジン要求出力指令値Perefに基づき、エンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefが計算される。
一方、ステップS33にて計算したエンジン要求出力指令値Perefが予め設定したエンジン要求出力下限値PeLL以下であるときは、ステップS35へと進み、ステップS35において、エンジン要求出力指令値Perefをエンジン要求出力下限値PeLLに修正し、ステップS36において、修正したエンジン要求出力指令値Perefに基づき、エンジントルク指令値Terefとエンジン回転数指令値Nerefが計算される。
実施例3では、エンジン要求出力(エンジンパワー)を変更することで、駆動力の脈動抑制に対処する方法を採用したため、エンジン要求出力指令値Perefが予め設定したエンジン要求出力下限値PeLL以下であるときは、エンジン要求出力指令値Perefがエンジン要求出力下限値PeLLまで嵩上げされることになり、この嵩上げ分の余ったパワーをバッテリ4の充電に回すことができる。
次に、効果を説明する。
実施例3のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置にあっては、実施例1の(1),(3),(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記エンジン動作点制御手段は、車速VSPとエンジン回転数Neと車両の駆動力目標値Fとバッテリ4の充放電目標値Pbに基づきエンジン要求出力指令値Perefを計算し、計算したエンジン要求出力指令値Perefが設定したエンジン要求出力下限値PeLLを超えているときは、エンジン要求出力指令値Perefに基づき計算したエンジントルク計算値をエンジントルク指令値Terefとして出力し、計算したエンジン要求出力指令値Perefが設定したエンジン要求出力下限値PeLLであるときは、前記エンジン要求出力指令値Perefをエンジン要求出力下限値PeLLに修正し、エンジン要求出力指令値Perefに基づき計算したエンジントルク計算値をエンジントルク指令値Terefとして出力するため、エンジン要求出力指令値Perefが予め設定したエンジン要求出力下限値PeLL以下であるときは、余ったパワーをバッテリ4の充電に回すことができる。
以上、本発明のハイブリッド車のエンジン動作点制御装置を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では充放電目標値を修正しながらエンジントルクのみを変更する例を示し、実施例2ではエンジン回転数を修正しながらエンジントルクとエンジン回転数を変更する例を示し、実施例3ではエンジンパワーの変更によりエンジントルクとエンジン回転数を変更する例を示したが、エンジン動作点制御手段は、これらの実施例に限られるものではなく、要するに、ハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値に正の値による下限リミットを設定するものであれば、例えば、計算したエンジントルク指令値が下限リミットを下回った場合には、単純にエンジントルク指令値を下限リミットに修正する例としても良い。
実施例1〜3では、2自由度のラビニョウ型遊星歯車列を有する駆動力合成変速機を採用したハイブリッド車への適用例を示したが、実施例1〜3にて示す以外の差動装置を有する駆動力合成変速機を採用したハイブリッド車には適用することができる。要するに、エンジンと少なくとも1つのモータを動力源とし、該動力源とタイヤへの出力部材が連結される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車であれば適用することができる。
実施例1のエンジン動作点制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 実施例1のエンジン動作点制御装置が適用されたハイブリッド車に採用されたラビニョウ型遊星歯車列による各走行モードをあらわす共線図である。 実施例1のエンジン動作点制御装置が適用されたハイブリッド車での走行モードマップの一例を示す図である。 実施例1のエンジン動作点制御装置が適用されたハイブリッド車での4つの走行モード間におけるモード遷移経路を示す図である。 実施例1の統合コントローラにおいて実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1において採用されたエンジン回転数に依存するエンジントルク下限値を示す特性図である。 実施例2の統合コントローラにおいて実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートである。 エンジン回転数に依存するエンジントルク下限値線とエンジン等パワー線と実施例1,2におけるエンジントルク指令値の修正前後の各点を示す特性図である。 実施例3の統合コントローラにおいて実行されるエンジン動作点制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ(モータ)
MG2 第2モータジェネレータ(モータ)
OG 出力ギヤ(出力部材)
TM 駆動力合成変速機
PGR ラビニョウ型遊星歯車列(差動装置)
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第2リングギヤ回転数センサ

Claims (3)

  1. エンジンと少なくとも1つのモータを動力源とし、該動力源とタイヤへの出力部材が連結される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    前記エンジンとモータを動力源とするハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジントルクとエンジン回転数によるエンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値に正の値による下限リミットを設定し、車速とエンジン回転数と車両の駆動力目標値とバッテリの充放電目標値に基づきエンジントルクとエンジン回転数を計算し、計算したエンジントルクが設定したエンジントルク下限値を超えているときは計算値をエンジントルク指令値及びエンジン回転数指令値として出力し、計算したエンジントルクが設定したエンジントルク下限値以下であるときは、エンジントルク計算値がエンジントルク下限値を超えるまで前記エンジン回転数を修正するエンジン動作点制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のエンジン動作点制御装置
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車のエンジン動作点制御装置において、
    実エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を設け、
    前記エンジン動作点制御手段は、実エンジン回転数が低回転数であるほど高い正の値によるエンジントルク下限値を設定することを特徴とするハイブリッド車のエンジン動作点制御装置
  3. 請求項1または請求項2に記載されたハイブリッド車のエンジン動作点制御装置において、
    前記差動装置は、共線図上に4つ以上の回転要素が配列され、各回転要素のうちの内側に配列される2つの回転要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の回転要素の両外側に配列される2つの回転要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した遊星歯車列であり、
    前記エンジン動作点制御手段は、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータを動力源とするハイブリッド車無段変速モードにて走行する際、エンジントルクとエンジン回転数によるエンジン動作点を決めるにあたり、エンジントルク指令値に正の値による下限リミットを設定することを特徴とするハイブリッド車のエンジン動作点制御装置。
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