JP4196395B2 - 直流モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ回転速度を可変できるブラシ付きの直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ブラシ付きの直流モータは、小型・高トルクで制御しやすい等の利点があるため、種々の装置の駆動源として広く採用されている。例えば、自動車用の燃料ポンプの駆動源にもブラシ付きの直流モータが使用されている。燃料ポンプは、エンジンで消費される最大流量以上の燃料を吐出する能力が要求されるが、エンジン冷間始動時には、スタータ等の電気負荷が大きくなるため、電源となるバッテリ電圧が大幅に低下し、燃料ポンプのモータへの印加電圧も5.5V程度まで低下することがある。このバッテリ電圧の低下により、始動時の燃料ポンプの回転速度の立上がりが遅くなって、始動時に燃料噴射弁に供給する燃料圧力の上昇が遅くなり、エンジン始動性を悪化させることがあった。
【0003】
この対策として、特開平9−32673号公報では、電源回路にDC−DCコンバータを搭載し、バッテリ電圧が所定電圧以下に低下したときに、DC−DCコンバータによって燃料ポンプの直流モータへの印加電圧を昇圧して、バッテリ電圧低下時の燃料吐出能力を確保するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、DC−DCコンバータは、一般に高価であるため、製造コストが高くなる欠点があり、しかも、DC−DCコンバータは、スイッチング動作により電圧を昇圧するため、スイッチング動作に伴う電磁波ノイズが発生し、これが車載ラジオにノイズとして乗ってしまうという欠点もある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、低コストで、且つ電磁波ノイズの発生しない方式で、モータ回転速度を可変できるブラシ付きの直流モータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直流モータの回転速度がモータ全体の通電コイルのターン数によって変化するという特性に着目し、モータ全体の通電コイルのターン数を変えることで、モータ回転速度を可変するものである。
【0007】
すなわち、請求項1の直流モータは、燃料を吐出する燃料ポンプを駆動する直流モータであって、直列に接続された複数のコイルのうちの一部のコイルを短絡させる状態とその短絡を解除する状態とを切り換える短絡手段を設け、モータ全体の通電コイル数を、前記短絡手段の切換動作によって増減させることで、モータ全体の通電コイルのターン数を変えて、モータ回転速度を変化させる直流モータにおいて、前記短絡手段を、2つ以上の整流子片に跨がって摺接する位置と該整流子片から離れた位置との間を移動する短絡用ブラシによって構成し、前記短絡用ブラシを、前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力によって駆動されるように構成したことを技術的特徴とするものである。この構成では、コイルの短絡という単純な手法でモータ回転速度を可変できるので、回転速度可変システムの構成が比較的簡単で、低コスト化の要求を満たすことができると共に、DC−DCコンバータ等の電源電圧変換装置とは異なり、電磁波ノイズが発生せず、電磁波ノイズによる問題も解消できる。
【0008】
この場合、請求項1に係る発明では、短絡手段は、2つ以上の整流子片に跨がって摺接する位置と該整流子片から離れた位置との間を移動する短絡用ブラシによって構成されているため、短絡用ブラシを移動させるだけの極めて簡単な構成で、モータ回転速度を変化させることができる。
【0009】
更に、請求項1に係る発明では、燃料ポンプから吐出される燃料の圧力によって短絡用ブラシを駆動するように構成したので、エンジンの燃料消費量と燃料ポンプの燃料吐出流量との大小関係によって燃料圧力が変化すると、それに応じて短絡用ブラシが自動的に動いてモータ回転速度(燃料ポンプの燃料吐出流量)をエンジンの燃料消費量に応じて変化させることができ、燃料噴射制御に要求される燃料圧力の安定性を確保できる。しかも、短絡用ブラシの駆動力として燃料圧力を利用するので、短絡用ブラシを駆動するアクチュエータ(駆動手段)が不要となり、構成を更に簡単化できる。
【0011】
また、請求項のように、短絡手段は、異なる整流子片に摺接する少なくとも一対の短絡用ブラシと、各短絡用ブラシ間を短絡/遮断する短絡用スイッチとから構成し、短絡用スイッチのオン/オフによって各短絡用ブラシ間を短絡/遮断することで、通電コイル数を増減させると共に、燃料ポンプから吐出される燃料の圧力に基づいて前記短絡用スイッチのオン/オフを制御するように構成しても良い。この構成では、短絡用ブラシを一定位置に固定すれば良く、短絡用ブラシの取付構造が簡単になると共に、短絡用スイッチのオン/オフによって通電コイル数の切換タイミングを任意に設定することができ、制御性を向上できる。しかも、燃料ポンプから吐出される燃料の圧力に基づいて短絡用スイッチのオン/オフを制御するため、前記請求項1の場合と同じく、モータ回転速度(燃料ポンプの燃料吐出流量)をエンジンの燃料消費量に応じて変化させることができ、燃料噴射制御に要求される燃料圧力の安定性を確保できる。
【0012】
また、請求項のように、エンジン回転速度、負荷、モータ回転速度の少なくとも1つに基づいて短絡用スイッチのオン/オフを制御するように構成しても良い。つまり、エンジン回転速度や負荷によってエンジンの燃料消費量が変化し、モータ回転速度(燃料ポンプの回転速度)によって燃料ポンプの燃料吐出流量が変化するため、エンジン回転速度、負荷、モータ回転速度の少なくとも1つに基づいて短絡用スイッチのオン/オフを制御すれば、エンジンの燃料消費量に応じて燃料ポンプの燃料吐出流量を制御したり、或は、電源電圧変化等によるモータ回転速度の変化を少なくするように通電コイル数を切り換えることができ、電源電圧変化の影響が少ない安定したモータ回転速度の制御が可能となる。
【0013】
また、エンジン始動時には、スタータ等の電気負荷が大きくなるため、電源となるバッテリ電圧が低下し、燃料ポンプのモータへの印加電圧も低下することを考慮して、請求項のように、エンジン始動から所定時間が経過するまで、短絡用スイッチをオン状態に維持して通電コイル数を減少させるようにしても良い。このようにすれば、エンジン始動から所定時間が経過するまでの間は、電源となるバッテリ電圧が低下しても、通電コイル数を減少させて、始動時に燃料ポンプの回転速度を速やかに立ち上げることができ、早期に燃料圧力を上昇させることができて、エンジン始動性を向上できる。
【0015】
また、請求項のように、短絡用ブラシをモータの回転中心に対して対称な位置に配置すると良い。このようにすれば、非通電コイル(短絡するコイル)の位置をモータの回転中心に対して対称な位置に配置することができ、モータを滑らかに回転させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1))]
以下、本発明を燃料ポンプに適用した実施形態(1)を図1乃至図5に基づいて説明する。まず、図1に基づいて燃料ポンプ10の全体構成を概略的に説明する。燃料ポンプ10の円筒状のハウジング11内にポンプ部12と直流モータ13とが組み付けられている。ポンプ部12は、ハウジング11の下端部にポンプケーシング14,15をかしめ等により固定し、このポンプケーシング14,15内にインペラ16を収容した構成となっている。下側のポンプケーシング14には、燃料吸入口17が形成され、この燃料吸入口17から燃料タンク(図示せず)内の燃料がポンプケーシング14,15内に吸入され、上側のポンプケーシング15に形成された吐出口(図示せず)から吐出された燃料は、後述する電機子22と磁石21との間に形成された燃料通路18を通って燃料吐出口19から吐出される。
【0017】
一方、直流モータ13の外周部には、界磁を作る磁石21が円筒状に配列され、その内周側には、電機子22(回転子)が回転軸23を介して回転自在に支持され、その回転軸23の下端部にポンプ部12のインペラ16が固定されている。電機子22は、直列に接続された複数のコイル25(図3及び図4参照)を電機子鉄心24の各スロットに装着した構成となっている。この電機子鉄心24の中心に貫通固定された回転軸23の両端部は、ポンプケーシング15の中心部に固定された軸受26と、軸受ホルダ27の中心部に固定された軸受28とによって回転自在に支持されている。尚、軸受ホルダ27には、燃料を燃料吐出口19側に通過させる燃料通路20が形成されている。
【0018】
電機子鉄心24の上端面には、複数の整流子片29が回転軸23の周囲に放射状に配列されている。この整流子片29に摺接する一対の通電用ブラシ30(図3及び図4参照)が回転軸23に対して対称な位置に設けられ、各通電用ブラシ30がスプリング(図示せず)によって整流子片29に摺接した状態に保持されている。更に、整流子片29に対向する2個の短絡用ブラシ31(短絡手段)が回転軸23に対して対称な位置に設けられている。この短絡用ブラシ31と通電用ブラシ30は、それぞれ回転軸23の周囲に90°ピッチで交互に配置されている。
【0019】
図2に示すように、短絡用ブラシ31は、軸受ホルダ27に軸方向に貫通形成された貫通穴32内に軸方向に移動可能に収容されている。この貫通穴32内には、短絡用ブラシ31の他に、ボールプランジャ33とスプリング34が収納され、該貫通穴32の上端開口(吐出側の開口)が連通孔35付きの蓋36で閉鎖されている。これにより、短絡用ブラシ31は、ボールプランジャ33を介してスプリング34によって整流子片29側(下側)に付勢されている。そして、短絡用ブラシ31には燃料圧力(燃圧)が作用し、この燃圧が目標燃圧以上の時には、短絡用ブラシ31に作用する燃圧がスプリング34の弾性力に打ち勝って、図2(a)に示すように、短絡用ブラシ31が整流子片29から離れた位置に移動し、燃圧が目標燃圧より低い時には、スプリング34の弾性力が燃圧に打ち勝って、図2(b)に示すように、短絡用ブラシ31が整流子片29に摺接する位置に移動する。
【0020】
図3に示すように、通電用ブラシ30の幅は、整流子片29の幅よりも狭く形成され、モータ回転に伴って、各通電用ブラシ30がそれぞれ1個の整流子片29のみに摺接した状態(以下「1セグメント通電」という)と、各通電用ブラシ30がそれぞれ2個の整流子片29に跨がって摺接した状態(以下「2セグメント通電」という)とに交互に切り換わる。
【0021】
一方、短絡用ブラシ31の幅は、整流子片29の幅よりも少し広く形成されている。本実施形態(1)の直流モータ13は、コイル25と整流子片29の個数がそれぞれ例えば8個であり、燃圧が目標燃圧より低い時の1セグメント通電では、図3に示すように、各短絡用ブラシ31がそれぞれ3個の整流子片29に跨がって摺接した状態となり、各短絡用ブラシ31によってコイル25が2個ずつ短絡された状態となる。また、2セグメント通電では、各短絡用ブラシ31がそれぞれ2個の整流子片29に跨がって摺接した状態となり、各短絡用ブラシ31によってコイル25が1個ずつ短絡された状態となる。更に、短絡用ブラシ31と通電用ブラシ30との間隔が整流子片29の幅よりも少し広く形成され、短絡用ブラシ31と通電用ブラシ30とが同じ整流子片29に同時に摺接しないようになっている。
【0022】
一般に、直流モータ13の回転速度Nは、次の(1)式で表される。
N=60×(E−R・I−Vbr)/(Φ・z)
ここで、Nはモータ回転速度、Eは印加電圧、Rはコイル抵抗値、Iは電流、Vbrは通電用ブラシ30と整流子片29との間の接触電圧降下幅、Φは磁束、zはモータ全体の通電コイルのターン数である。
【0023】
上記(1)式から明らかなように、モータ回転速度Nを変化させるには、モータ全体の通電コイルのターン数zを変化させれば良い。図3に示すように、各短絡用ブラシ31によってコイル25が2個又は1個ずつ短絡された状態となるとモータ全体の通電コイルのターン数zが通常(図4)よりもコイル4個分又は2個分減少し、その結果、図5に示すように、直流モータ13に流れる電流Iが増加してモータ回転速度Nが上昇する。
【0024】
一般に、エンジン停止中は、燃料ポンプ10内の燃圧はほぼ大気圧まで低下するので、スプリング34の弾性力が燃圧に打ち勝って、図2(b)に示すように短絡用ブラシ31が整流子片29に摺接した状態に保持される。従って、エンジン始動時には、図3に示すように、各短絡用ブラシ31によってコイル25が2個又は1個ずつ短絡された状態で、直流モータ13が起動されるため、モータ全体の通電コイルのターン数zが通常(図4)よりもコイル4個分又は2個分減少した状態で直流モータ13が起動される。これにより、エンジン始動時の燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)を速やかに立ち上げることができて、早期に燃圧を上昇上昇させることができ、エンジン始動性を向上できる。
【0025】
その後、燃料ポンプ10内の燃圧が目標燃圧以上になると、短絡用ブラシ31に作用する燃圧がスプリング34の弾性力に打ち勝って、図2(a)に示すように、短絡用ブラシ31が整流子片29から離れた位置に移動し、短絡用ブラシ31によるコイル25の短絡が解除され、図4に示すように、直流モータ13の全てのコイル25に通電される。これにより、モータ全体の通電コイルのターン数zが増加し、直流モータ13に流れる電流Iが減少して、モータ回転速度Nがほぼ一定又は減少するようになる。その結果、必要以上の燃料を燃料噴射弁側に送らずに済み、その分、電力消費量を低減することができる。
【0026】
その後、燃圧が目標燃圧より低くなると、スプリング34の弾性力が燃圧に打ち勝って、図2(b)に示すように、各短絡用ブラシ31が整流子片29に摺接して、各短絡用ブラシ31によってコイル25が2個又は1個ずつ短絡された状態となる。これにより、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)が上昇して燃圧が上昇する。以後、上述した短絡用ブラシ31の動作を繰り返して、燃圧を目標燃圧付近に維持する。
【0027】
以上説明した本実施形態(1)では、短絡用ブラシ31によるコイル25の短絡という単純な手法でモータ回転速度(燃料ポンプ10の回転速度)を可変できるので、回転速度可変システムの構成が比較的簡単で、低コスト化の要求を満たすことができると共に、DC−DCコンバータ等の電源電圧変換装置とは異なり、電磁波ノイズが発生せず、電磁波ノイズによる問題も解消できる。
【0028】
しかも、本実施形態(1)では、燃圧によって短絡用ブラシ31を駆動するようにしたので、エンジンの燃料消費量と燃料ポンプ10の燃料吐出流量との大小関係によって燃圧が変化すると、それに応じて短絡用ブラシ31が自動的に動いてモータ回転速度(燃料ポンプ10の燃料吐出流量)をエンジンの燃料消費量に応じて変化させることができ、燃料噴射制御に要求される燃料圧力の安定性を確保できる。しかも、短絡用ブラシ31の駆動力として燃圧を利用するので、短絡用ブラシ31を駆動するアクチュエータ(駆動手段)が不要となり、構成を更に簡単化できる。
【0030】
また、本実施形態(1)では、短絡用ブラシ30を回転軸23に対して対称な位置に配置するようにしたので、非通電コイル(短絡するコイル)の位置を回転軸23に対して対称な位置に配置することができ、非通電コイルの存在による直流モータ13の回転むらを低減できて、直流モータ13を滑らかに回転させることができる。しかしながら、本発明は、短絡用ブラシ30を回転軸23に対して非対称な位置に配置しても良く、この場合でも、本発明の所期の目的を達成することができる。
【0031】
尚、コイル25の数や整流子片29の数は適宜変更しても良く、また、短絡用ブラシ31の数も1個のみ又は3個以上としても良い。また、コイル25の数や整流子片29の数が多い場合は、1個の短絡用ブラシ31で3個以上のコイル25を短絡するようにしても良い。
【0032】
[実施形態(2)]
上記実施形態(1)では、整流子片29に対して短絡用ブラシ31を摺接位置と離間位置に移動させることで、通電コイル数を増減させるようにしたが、図6及び図7に示す本発明の実施形態(2)では、2対の短絡用ブラシ41を回転軸23に対して対称な位置に固定し、常時、各短絡用ブラシ41をそれぞれ異なる整流子片29に摺接させると共に、各対の短絡用ブラシ41間に、短絡用スイッチ42を設け、各短絡用スイッチ42のオン/オフによって各対の短絡用ブラシ41間を短絡/遮断することで、通電コイル数を増減させるようにしている。従って、本実施形態(2)では、短絡用ブラシ41と短絡用スイッチ42とから特許請求の範囲でいう短絡手段が構成されている。
【0033】
この場合、図6に示すように、各短絡用スイッチ42がオンすると、各対の短絡用ブラシ41間が短絡されて、コイル25が2個又は1個ずつ短絡された状態となる。これにより、モータ全体の通電コイルのターン数zが通常よりコイル4個分又は2個分減少した状態で直流モータ13が運転され、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)が上昇して燃圧が上昇する。一方、各短絡用スイッチ42がオフすると、各対の短絡用ブラシ41間が遮断されて、全てのコイル25に通電される。これにより、モータ全体の通電コイルのターン数zが増加し、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)が減少するようになる。
【0034】
本実施形態(2)では、短絡用スイッチ42のオン/オフは、燃料ポンプ10の運転を制御するエンジン制御用コンピュータ(図示せず)によって例えば図7の短絡用スイッチ制御プログラムに従って制御される。本プログラムは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定時間毎又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、エンジン始動から所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であれば、ステップ104に進み、各短絡用スイッチ42をオンして各対の短絡用ブラシ41間を短絡し、モータ全体の通電コイルのターン数zを減少させて、エンジン始動時の燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)を速やかに立ち上げ、早期に燃圧を上昇させて、エンジン始動性を向上させる。
【0035】
一方、エンジン始動から所定時間経過後は、ステップ101からステップ102に進み、燃圧センサ(図示せず)で検出した燃圧が目標燃圧よりも低いか否かを判定し、燃圧が目標燃圧よりも低ければ、ステップ104に進み、各短絡用スイッチ42をオンして各対の短絡用ブラシ41間を短絡し、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)を上昇させて、燃圧を目標燃圧に上昇させる。
【0036】
一方、燃圧が目標燃圧以上であれば、ステップ103に進み、エンジン回転速度(又は負荷)が所定値以上か否かを判定し、所定値以上であれば、エンジンの燃料消費量が多いため、ステップ104に進み、各短絡用スイッチ42をオンして各対の短絡用ブラシ41間を短絡し、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)を上昇させて、燃圧低下を防ぐ。
【0037】
これに対し、ステップ101〜103で全て「No」と判定された時は、ステップ105に進み、各短絡用スイッチ42をオフして各対の短絡用ブラシ41間を遮断し、全てのコイル25に通電する。これにより、モータ全体の通電コイルのターン数zが増加して、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)が減少するようになる。この結果、必要以上の燃料を燃料噴射弁側に送らずに済み、その分、電力消費量を低減することができる。
【0038】
以上説明した本実施形態(2)では、短絡用ブラシ41を一定位置に固定すれば良いため、短絡用ブラシ41の取付構造が簡単になると共に、短絡用スイッチ42のオン/オフによって通電コイル数の切換タイミングを任意に設定することができ、制御性を向上できる利点がある。
【0039】
尚、図7のステップ101〜103で判定する3つの短絡用スイッチ42のオン条件のうちの1つ又は2つを省略しても良く、或は、他の条件(例えばモータ回転速度が所定値以下か否かで短絡用スイッチ42のオン/オフを切り換える)を用いても良い。
或は、短絡用スイッチ42のオン/オフを燃圧を駆動力として機械的に切り換えるようにしても良い。
【0040】
本実施形態(2)においても、コイル25の数や整流子片29の数は適宜変更しても良く、また、短絡用ブラシ41の数も、1対のみ、又は、3対以上設けるようにしても良い。また、コイル25の数や整流子片29の数が多い場合は、1対の短絡用ブラシ41で3個以上のコイル25を短絡するようにしても良い。
【0041】
[実施形態(3)]
次に、図8に基づいて本発明を蓄圧式燃料供給装置に適用した実施形態(3)を説明する。本実施形態(3)では、上記実施形態(2)と同様の短絡用ブラシ41と短絡用スイッチ42を持つ燃料ポンプ10を用い、この燃料ポンプ10の燃料吐出口19に連結された燃料配管45に蓄圧装置46を接続し、この蓄圧装置46内にダイアフラム47で容積変化可能に仕切形成された蓄圧室48内に燃料を一旦貯溜し、スプリング49によって蓄圧室48内の燃圧を維持しながら、該蓄圧室48から燃料を燃料噴射弁(図示せず)側に供給するようにしている。そして、ダイアフラム47の位置(蓄圧室48の容積)をセンサ50で検出し、このセンサ50の検出値によって蓄圧室48内の燃料貯溜量が下限値まで減ったことが検出された時に、直流モータ13を起動して燃料ポンプ10を起動する。起動時は、各短絡用スイッチ42をオンして各対の短絡用ブラシ41間を短絡し、モータ全体の通電コイルのターン数zを減少させて、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)を速やかに立ち上げ、早期に蓄圧室48内に燃料を供給して燃圧を速やかに上昇させる。
【0042】
この短絡用スイッチ42のオン状態は、例えば、次の▲1▼〜▲4▼のいずれか1つの条件が満たされている期間、継続すれば良い。
▲1▼モータ起動から所定時間以内
▲2▼蓄圧室48の容積が所定値以下
▲3▼燃圧が所定燃圧以下
▲4▼エンジン回転速度(又は負荷)が所定値以上
【0043】
尚、これら4つの条件▲1▼〜▲4▼のうちの1〜3つの条件を省略しても良く、或は、他の条件(例えばモータ回転速度が所定値以下か否かで短絡用スイッチ42のオン/オフを切り換える)を用いても良い。
【0044】
その後、上記オン条件が不成立になった時に、各短絡用スイッチ42をオフして各対の短絡用ブラシ41間を遮断し、全てのコイル25に通電する。これにより、モータ全体の通電コイルのターン数zが増加して、燃料ポンプ10の回転速度(モータ回転速度N)が減少するようになる。
【0045】
その後、センサ50の検出値によって蓄圧室48内の燃料貯溜量が上限値まで増加したことが検出された時に、直流モータ13を停止し、燃料ポンプ10を停止させる。以後、上述した動作を繰り返す。
【0046】
尚、上記各実施形態では、整流子片29を回転軸23の周囲に放射状に平面的に配列したが、整流子片を回転軸23の周囲に円筒状に配列して、その外周囲に通電用ブラシと短絡用ブラシとを配置するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示す燃料ポンプの縦断面図
【図2】(a)は燃圧が高い時の短絡用ブラシの位置を示す拡大断面図、(b)は燃圧が低い時の短絡用ブラシの位置を示す拡大断面図、
【図3】実施形態(1)における燃圧が目標燃圧よりも低い時のコイル通電状態(コイル短絡状態)を説明する図
【図4】実施形態(1)における燃圧が目標燃圧以上の時のコイル通電状態を説明する図
【図5】コイル短絡の有無とモータ回転速度、電流、トルクの関係を示す特性図
【図6】本発明の実施形態(2)における燃圧が目標燃圧よりも低い時のコイル通電状態を説明する図
【図7】実施形態(2)で用いる短絡用スイッチ制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態(3)を示す蓄圧式燃料供給装置の概略構成図
【符号の説明】
10…燃料ポンプ、12…ポンプ部、13…直流モータ、16…インペラ、17…燃料吸入口、18…燃料通路、19…燃料吐出口、21…磁石、22…電機子、23…回転軸、24…電機子鉄心、25…コイル、29…整流子片、30…通電用ブラシ、31…短絡用ブラシ(短絡手段)、33…ボールプランジャ、34…スプリング、41…短絡用ブラシ(短絡手段)、42…短絡用スイッチ(短絡手段)、46…蓄圧装置、47…ダイアフラム、48…蓄圧室、49…スプリング、50…センサ。

Claims (5)

  1. 燃料を吐出する燃料ポンプを駆動する直流モータであって、直列に接続された複数のコイルを電機子に装着し、該電機子に設けられた整流子片にブラシを摺接させることで、直流電源から前記複数のコイルに通電して該電機子を駆動すると共に、前記複数のコイルのうちの一部のコイルを短絡させる状態とその短絡を解除する状態とを切り換える短絡手段を設け、モータ全体の通電コイルの数を、前記短絡手段の切換動作によって増減させることで、モータ回転速度を変化させる直流モータにおいて、
    前記短絡手段は、2つ以上の整流子片に跨がって摺接する位置と該整流子片から離れた位置との間を移動する短絡用ブラシによって構成され、
    前記短絡用ブラシは、前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力によって駆動されるように構成されていることを特徴とする直流モータ。
  2. エンジンに燃料を供給する燃料ポンプを駆動する直流モータであって、直列に接続された複数のコイルを電機子に装着し、該電機子に設けられた整流子片にブラシを摺接させることで、直流電源から前記複数のコイルに通電して該電機子を駆動すると共に、前記複数のコイルのうちの一部のコイルを短絡させる状態とその短絡を解除する状態とを切り換える短絡手段を設け、モータ全体の通電コイルの数を、前記短絡手段の切換動作によって増減させることで、モータ回転速度を変化させる直流モータにおいて、
    前記短絡手段は、異なる整流子片に摺接する少なくとも一対の短絡用ブラシと、各短絡用ブラシ間を短絡/遮断する短絡用スイッチとから構成され、
    前記燃料ポンプから吐出される燃料の圧力に基づいて前記短絡用スイッチのオン/オフを制御するように構成したことを特徴とする直流モータ。
  3. エンジンに燃料を供給する燃料ポンプを駆動する直流モータであって、
    エンジン回転速度、負荷、モータ回転速度の少なくとも1つに基づいて前記短絡用スイッチのオン/オフを制御するように構成したことを特徴とする請求項に記載の直流モータ。
  4. エンジンに燃料を供給する燃料ポンプを駆動する直流モータであって、
    エンジン始動から所定時間が経過するまで前記短絡用スイッチをオン状態に維持するように構成したことを特徴とする請求項又はに記載の直流モータ。
  5. 前記短絡用ブラシは、モータの回転中心に対して対称な位置に配置されていることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の直流モータ。
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