JP4195554B2 - カードリーダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードリーダに関する。更に詳述すると、本発明は処理したカードの表面を撮影して画像データを取得することができるカードリーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば銀行のATM等で使用されているカードリーダは、処理したカードのエンボス文字等を撮影して画像データを取得するイメージスキャナを備えている。カードリーダで処理するカードには湾曲しているものもあるため、従来のカードリーダではイメージスキャナとして、被写界深度が深い縮小光学型イメージスキャナを使用していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、縮小光学型イメージスキャナは光路長を確保する構造であるため大型である。このため、縮小光学型イメージスキャナを使用したカードリーダを小型化するのが困難であった。
【0004】
一方、縮小光学型イメージスキャナとは別のタイプのイメージスキャナとして、密着型スキャナがある。この密着型スキャナは小型であり、カードリーダの小型化には適している。しかしながら、密着型スキャナは被写界深度が浅く、カードリーダに使用する場合にはカード搬送路の高さを狭くする必要がある。このため、処理するカードが曲がっていた場合等にはジャムが発生する虞があり、密着型スキャナをそのまま使用することはできなかった。
【0005】
本発明は、密着型スキャナの使用を可能にして小型化を図ることができるカードリーダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載のカードリーダは、駆動モータで駆動されるカード搬送手段によりカードがカード搬送路内を搬送されるカードリーダにおいて、搬送中のカードに形成されたエンボスを読み取る密着型スキャナと、この密着型スキャナをカードに密着するように加圧する加圧機構とを備えるものである。
【0007】
したがって、カード搬送手段によってカードを搬送しながら密着型スキャナによってカード表面の画像が取り込まれる。加圧機構は被写界深度の浅い密着型スキャナをカード表面に押し付ける。このため、たとえカードが湾曲していてもカードの湾曲が矯正され、カードと密着型スキャナの間隔を所定長にした状態で密着型スキャナによってカード表面が走査される。
【0008】
また、請求項1記載のカードリーダは、密着型スキャナ及び加圧機構をカード搬送路に対して近接・離間する方向に移動可能な開閉機構を備え、開閉機構は固定フレームを係止する係止手段と、エンボスを避けた位置に設けられ加圧機構が密着型スキャナを加圧することでカードに押し付けられてカードと密着型スキャナの間隔を所定長にするリブとを有し、係止手段による係止を解除することで開閉機構を開いて密着型スキャナの読み取り面をクリーニングすることが可能であるようにしている。したがって、加圧機構が密着型スキャナを加圧する方向と、開閉機構による密着型スキャナ及び加圧機構の移動方向が同じになる。また、開閉機構を開き密着型スキャナの読み取り面を持上げることでクリーニングが容易になる。さらに、リブがカードの表面に接触し、カードと密着型スキャナとの間隔が一定に保持される。
【0009】
この場合、請求項2記載のカードリーダのように、開閉機構は、本体フレームに軸によって揺動可能に取り付けられた揺動フレームと、この揺動フレームに固定され、リブが設けられたホルダとを備え、密着型スキャナはホルダに固定されており、係止手段はホルダを固定フレームに係止するものであることが好ましい。
【0010】
さらに、請求項記載のカードリーダのように、係止手段は、摘みと、この摘みに固定された軸と、この軸をその径方向に貫通する止めピンとを備えることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1から図6に本発明を適用したカードリーダの実施形態の一例を示す。このカードリーダは、駆動モータ1で駆動されるカード搬送手段3によりカードとしてのICカード4がカード搬送路2内を搬送されるもので、搬送中のICカード4に形成されたエンボスを読み取る密着型スキャナ5と、この密着型スキャナ5をICカード4に密着するように加圧する加圧機構6とを備えている。また、このカードリーダは、密着型スキャナ5及び加圧機構6をカード搬送路2に対して近接・離間する方向に移動可能な開閉機構7を有している。
【0013】
なお、密着型スキャナ5はICカード4の表面に形成されたエンボス文字を読み取るものであるが、これに限るものではなく、ICカード4等のカードの表面の模様等を読み取るものであっても良い。
【0014】
このカードリーダは、ICカード4に設けられたIC接点に接触してデータのリード・ライトを行う接触式のIC接点ブロック8と、ICカード4に設けられた磁気ストライプとの間でデータのリード・ライトを行う磁気ヘッド9を有している。なお、本実施形態では、密着型スキャナ5及び加圧機構6は、カードリーダの磁気処理・接触処理部11の奥側の画像読み込み部12に配置されている。
【0015】
開閉機構7は、カードリーダの本体フレーム13に軸14によって揺動可能に取り付けられた揺動フレーム15と、揺動フレーム15に固定されたホルダ16と、ホルダ16を固定フレーム17に係止する係止手段18を備えて構成されている。ホルダ16には、密着型スキャナ5が左右の押さえ板19,20によって固定されている。また、ホルダ16の密着型スキャナ5の前後部分はカード搬送路2の上方を画する壁(以下、搬送路上側壁という)21となっている。さらに、本実施形態では、ホルダ16は樹脂成形されており、前後の搬送路上側壁21も樹脂成形されている。また、前後の搬送路上側壁21には、ICカード4に形成されているエンボス文字を避けた位置にICカード4と密着型スキャナ5の間隔を所定長にするリブ22が設けられている。本実施形態では、図4に示すように、前後の搬送路上側壁21の左右両端と中央にリブ22が形成されている。
【0016】
係止手段18は、摘み23と、摘み23に固定された軸24と、軸24をその径方向に貫通する止めピン25を備えて構成されている。軸24はホルダ16に設けられた孔26を貫通し、止めピン25によって抜け落ちるのを防止されている。ホルダ16の孔26の周囲部分の下面には、図5に示すように、止めピン25を収容可能な窪み27が設けられている。
【0017】
図6に固定フレーム17を示す。固定フレーム17はカードリーダの本体フレーム13に固定され、カード搬送路2の上方を画する壁を構成している。固定フレーム17の係止手段18に対向する位置には、図2に示すように、孔28が設けられている。また、固定フレーム17の上面には、孔28を覆うように係止プレート29が取り付けられており、係止プレート29の孔28に対向する位置には、軸24の先端及び止めピン25が通過可能な形状のスリット30が設けられている。したがって、軸24を回転させて止めピン25の位置をスリット30の形状に合わせることで、軸24の先端を孔28に挿入したり孔28から引き抜いたりすることが出来る。また、軸24を回転させて止めピン25の位置をスリット30からずらしておくことで、孔28内に挿入した軸24の先端を孔28から抜けないようにすることが出来る。
【0018】
加圧機構6は、例えば係止手段18の軸24の周りに配置されたコイルスプリングである。この加圧機構6は、摘み23とホルダ16の間に圧縮された状態で設けられ、ホルダ16をカード搬送路2に向けて、即ち開閉機構7が開閉する方向に向けて押圧している。
【0019】
このカードリーダのカード挿入口32に差し込まれたICカード4をプリヘッド33が検出すると、駆動モータ1が回転しカード搬送手段3を駆動する。カード搬送手段3は、例えば4つの搬送ローラ対34〜37を備えている。駆動モータ1の回転はギア38に伝えられ、さらに搬送ローラ対34に伝えられる。搬送ローラ対34の回転は2つの搬送ローラ対35,36に伝えられ、さらに搬送ローラ対35の回転は搬送ローラ対37に伝えられる。
【0020】
カード搬送手段3によってカードリーダ内に取り込まれたICカード4が画像読み込み部12まで搬送され密着型スキャナ5の下方を通過すると、この密着型スキャナ5によってICカード4の表面の画像が読み込まれる。
【0021】
ホルダ16に取り付けられた密着型スキャナ5は加圧機構6によってカード搬送路2に向けて加圧されているので、リブ22がICカード4の表面に接触し、ICカード4と密着型スキャナ5との間隔が一定に保持される。また、たとえICカード4が湾曲していても、加圧機構6の加圧力によってICカード4の湾曲が矯正され、あるいは湾曲を完全に矯正できない場合であっても加圧機構6であるコイルスプリングが縮むことで密着型スキャナ5がICカード4の湾曲に応じて退くので、常にICカード4と密着型スキャナ5との間隔が一定に保持される。また、密着型スキャナ5がICカード4の湾曲に応じて退くので、たとえICカード4が湾曲していても搬送中にジャムを発生することがない。
【0022】
密着型スキャナ5をメンテナンスする場合等には、係止手段18を固定フレーム17から外して開閉機構7を開けば良い。係止手段18の摘み23を回転させて止めピン25の位置を係止プレート29のスリット30の形状に合わせることで、軸24の先端を固定フレーム17の孔28から引き抜くことが出来る。軸24の先端を引き抜いてホルダ16及び揺動フレーム15を軸14まわりに持ち上げることで開閉機構7が開き、密着型スキャナ5の読み取り面を上に向けることができてメンテナンスし易くなる。なお、軸24の先端を固定フレーム17の孔28から引き抜くと加圧機構6の加圧力が軸24を孔26から引き抜こうとするが、ホルダ16に設けられた窪み27に止めピン25が入り込んで引っ掛かり、軸24が抜け落ちるのを防止する。
【0023】
密着型スキャナ5のメンテナンスを行った後、開閉機構7を閉じる。ホルダ16及び揺動フレーム15を軸14まわりに降ろし、係止手段18によって固定フレーム17に係止する。係止手段18の止めピン25の位置をスリット30の形状に合わせることで軸24の先端を固定フレーム17の孔28内に挿入することができる。そして、摘み23を回転させて止めピン25の位置をスリット30からずらすことで、軸24の先端が固定フレーム17の孔28から抜けなくなり、係止手段18によってホルダ16及び揺動フレーム15が固定フレーム17に係止される。
【0024】
このカードリーダでは、加圧機構6によって開閉機構7のホルダ16を加圧しているので、ICカード4と密着型スキャナ5との間隔を一定に保持することができ、被写界深度の浅い密着型スキャナ5の使用が可能になる。密着型スキャナ5は縮小光学型イメージスキャナに比べて小型であり、カードリーダを小型化することが出来る。
【0025】
また、加圧機構6によってICカード4の湾曲を矯正しながら密着型スキャナ5が画像を取り込むので、読み取り性能が向上する。
【0026】
また、たとえICカード4の湾曲を完全に矯正できない場合であっても加圧機構6であるコイルスプリングが縮まることで密着型スキャナ5が退くので、ICカード4の湾曲に応じてカード搬送路2の高さが変化することになり、搬送負荷を軽減しカードジャムを防止することができる。
【0027】
また、開閉機構7によって密着型スキャナ5を開閉式にしているので、密着型スキャナ5の投受光面(ガラス)に付着したゴミ等のクリーニング等のメンテナンス性が向上する。
【0028】
さらに、開閉機構7のホルダ16を加圧機構6によって加圧すると共に、開閉機構7の開閉方向と加圧機構6の加圧方向とを一致させているので、いわば加圧機構6と開閉機構7を兼用することになり、部品点数の増加を抑えて生産コストを削減することができる。
【0029】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では開閉機構7を軸14を中心に揺動させることで上下方向に開閉する構造とし且つ加圧機構6によってホルダ16を下方向に加圧する構造であったが、必ずしもこの構造に限るものではない。例えば、ホルダ16を図示しないガイド等に沿って上下に移動させてメンテナンスを可能にすると共に、加圧機構6によってホルダ16を下方に加圧するようにしても良い。また、ホルダ16を取り外し可能にしても良い。
【0030】
また、上述の説明では、加圧機構6として圧縮コイルスプリングを使用していたが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば引っ張りコイルスプリングや、捻りコイルスプリング、更にはリーフスプリング等を使用しても良い。
【0031】
さらに、上述の説明では、接触式のIC接点ブロック8を備えるカードリーダを例にしたが、必ずしもこのタイプのカードリーダに限るものではない。また、磁気ヘッド9を有していないカードリーダや、逆にIC接点ブロック8を有していないカードリーダに適用しても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のカードリーダでは、搬送中のカードに形成されたエンボスを読み取る密着型スキャナと、この密着型スキャナをカードに密着するように加圧する加圧機構とを備えているので、被写界深度の浅い密着型スキャナの使用が可能になり、カードリーダを小型化することができる。また、加圧機構によってカードの湾曲を矯正しながら密着型スキャナによって画像取り込みを行うことが出来るので、読み取り性能が向上する。さらに、カードの湾曲を完全に矯正できない場合であっても加圧機構によって密着型スキャナを逃がすことができるので、カードの搬送負荷を軽減しカードジャムを防止することができる。
【0033】
また、密着型スキャナ及び加圧機構をカード搬送路に対して近接・離間する方向に移動可能な開閉機構を有しているので、密着型スキャナのメンテナンスが容易になる。また、加圧機構の加圧方向と開閉機構による密着型スキャナ及び加圧機構の移動方向が同じになり、加圧機構と開閉機構の部品の兼用を図ることができ、部品点数の増加を抑えて製造コストを削減することができる。
【0034】
この場合、請求項2記載のカードリーダのように、開閉機構は、本体フレームに軸によって揺動可能に取り付けられた揺動フレームと、この揺動フレームに固定され、リブが設けられたホルダと、このホルダを固定フレームに係止する係止手段とを備えることが好ましい。
【0035】
また、請求項記載のカードリーダのように、係止手段は、摘みと、この摘みに固定された軸と、この軸をその径方向に貫通する止めピンとを備えることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したカードリーダの実施形態の一例を示し、その側面からみた概略構成図である。
【図2】同カードリーダの画像読み込み部を拡大して示す概略構成図である。
【図3】同カードリーダの画像読み込み部の平面図である。
【図4】同カードリーダのホルダに設けられたリブを示す図である。
【図5】同カードリーダのホルダを示す平面図である。
【図6】同カードリーダの固定フレームを示す平面図である。
【符号の説明】
1 駆動モータ
2 カード搬送路
3 カード搬送手段
4 ICカード
5 密着型スキャナ
6 加圧機構
7 開閉機構
13 本体フレーム
14 軸
15 揺動フレーム
16 ホルダ
17 固定フレーム
18 係止手段
23 摘み
24 摘みに固定された軸
25 止めピン

Claims (3)

  1. 駆動モータで駆動されるカード搬送手段によりカードがカード搬送路内を搬送されるカードリーダにおいて、搬送中のカードに形成されたエンボスを読み取る密着型スキャナと、この密着型スキャナを上記カードに密着するように加圧する加圧機構と、上記密着型スキャナ及び上記加圧機構を上記カード搬送路に対して近接・離間する方向に移動可能な開閉機構とを備え、上記開閉機構は固定フレームを係止する係止手段と、上記エンボスを避けた位置に設けられ上記加圧機構が上記密着型スキャナを加圧することで上記カードに押し付けられて上記カードと上記密着型スキャナの間隔を所定長にするリブとを有し、上記係止手段による係止を解除することで上記開閉機構を開いて上記密着型スキャナの読み取り面をクリーニングすることが可能であることを特徴とするカードリーダ。
  2. 上記開閉機構は、本体フレームに軸によって揺動可能に取り付けられた揺動フレームと、この揺動フレームに固定され、上記リブが設けられたホルダとを備え、上記密着型スキャナは上記ホルダに固定されており、上記係止手段は上記ホルダを上記固定フレームに係止するものであることを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
  3. 上記係止手段は、摘みと、この摘みに固定された軸と、この軸をその径方向に貫通する止めピンとを備えることを特徴とする請求項2記載のカードリーダ。
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