以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面に基づき説明する。本実施形態として、フィルムから読み込んだ画像を用いて、自動的にアルバムを作成するための装置を例として説明する。
図1は、第1の実施形態の画像レイアウト装置の構成を示すブロック図であり、101は画像個数選択部であり、1ページの中にレイアウトする画像の個数を操作指示入力部111に接続されているキーボードまたはマウスなどの指示デバイスを用いて指示する。
102は画像選択部であり、レイアウトすべき画像を選択するための画像を、操作指示入力部111に接続されているキーボードまたはマウスなどの指示デバイスを用いて指示する。103は画像回転指示部であり、画像選択部102で選択した複数の画像の中から任意の画像に対して、90度単位の回転を操作指示入力部111に接続されているキーボードまたはマウスなどの指示デバイスを用いて指示する。
104は画像回転部であり、画像回転指示部103の指示に従い、画像の回転を行う。105は自動レイアウト部であり、画像選択部102で選択された画像に対し、画像回転部104で回転処理を行った後の画像を画像個数選択部101で指示された個数で、ページ上に自動的にレイアウトを行う。なお、自動レイアウト部105は、初期レイアウト部113、レイアウト評価部114、レイアウト調整部115等により構成される。106は画像入力部であり、フィルムスキャナ、フラットベッドタイプのスキャナなどの画像入力機器から画像を入力する。
107は本実施形態の各構成全ての制御を含む全体制御を司る制御部であり、CPU(中央演算処理装置)などから構成される。108は印刷部であり、レイアウトの結果を印刷用紙や写真フィルムに印刷して出力する。印刷部108は、例えば白黒、またはカラーのインクジェットプリンタやレーザプリンタ、フィルムライタのように点の集合で文字や画像を印刷する機能をもっている。109は記憶部であり、各種処理に必要なデータを記憶するためのメモリなどの記憶装置が用いられる。110は画像蓄積部であり、画像入力部106で入力された画像を保存するためのもので、ハードディスク、MO、ZIP、PDなどの各種の記憶装置を用いることができる。
111は操作指示入力部であり、キーボードを用いて文字、数字を入力したり、マウスなどのポインティングデバイスを用いてコマンドや画像を選択したりするためのものである。112は表示部であり、レイアウトの仮定や結果をCRTなどのモニタ画面に表示し、リアルタイムで認識可能に表示出力する。
また、116はROMであり、制御部106や自動レイアウト部105等の制御プログラムが格納されている。
次に、以上の構成を備える本実施形態の画像レイアウト装置において、RAM116に格納された制御プログラムに基づいて制御する流れを図2に基づき説明する。
まず、ステップS201においてテンプレートの選択を行う。テンプレートとは、アルバムの台紙に相当するものである。テンプレートには、全体に色がついていたり、背景に絵、柄が施されていたりする。このテンプレートは、予め複数種類が用意されており、操作者がこの用意されたテンプレート(サンプルテンプレート)中の所望のテンプレートを選択する。
図3に表示部112及び操作指示入力部111を用いたテンプレートを選択するための画面を示す。操作者は図3に示す画面右側に示す複数のサンプルテンプレート301の中から任意のテンプレートを選択する。初期設定では、予め決められたテンプレートが1枚選択されている。
このようにしてテンプレートを選択すると次にステップS202で1ページに表示される画像数の選択を行う。操作者は図3に示すFrame/Pageボタン302の3,4,5のうちいずれかを選択する。初期設定では、予め3個が選択されている。
続いてステップS203において、レイアウトに使用する画像の選択を行う。ただし、このステップに進む前に、予め、図1に示す画像入力部106により画像の入力が完了し、複数個の画像が画像蓄積部110に保存されているものとする。
図4に画像を選択するための画面の例を示す。図4において、右側に示すウィンドウ401は、画像リストウィンドウと呼ばれ、画像蓄積部110に予め入力されている画像のリストが画像として表示されている。また、左側に示すウィンドウ402は、画像選択ウィンドウと呼ばれ、画像リストウィンドウの中からレイアウトすべき画像を選択したものが表示される。
画像選択ウィンドウの1行は1ページに相当する。つまり、図4の画像選択ウィンドウの1行には、5個の画像が並んでいるが、テンプレート(アルバム)の1ページには、画像選択ウィンドウの1行に並ぶ5個の画像が、左から順に自動レイアウトに使用される。同様に、2行目は2ページ目に相当する。図4において、3行目は2個しか画像がないので、3ページ目には2枚の画像だけが自動レイアウトされることになる。
操作者は、マウスを用い右側の画像リストウィンドウから、任意の画像を選択し、左側の画像選択ウィンドウへドラッグアンドドロップ(画像をつかんで、目的の場所で放す)することにより、任意のページの任意の順番に画像を入れることができる。
次にステップS204で、後述する自動レイアウト処理で並べられる画像の順番の入れ替えを行う。操作者は、図4の画像選択ウィンドウにおいて、マウスを用いて、移動したい画像に対してドラッグアンドドロップの操作を行うことにより、任意の位置に画像を移動することができる。
以上の処理でテンプレートの各々のページに格納する画像及びその順番が確定したことになり、次のステップS205で画像の回転指示入力を行う。図4の画像選択ウィンドウ402に並べられた画像の中には、縦位置で撮影した画像、横位置で撮影された画像が混在しているので、向きが正しくない画像は左右いずれかの方向に90度回転しなければならない。図4の中央下部に示すように、表示部112には、制御部107の表示制御に従って右に90度回転するためのボタン403と左に90度回転するためのボタン404が表示されており、操作者はマウスを用いて画像選択ウィンドウに表示されている画像の中から回転すべき画像をクリックすることにより回転処理を行うべき画像を選択し、次に、左回り、または右回りの回転ボタンをマウスを用いて選択することにより、表示画像の回転を行う。結果は、画像選択ウィンドウに即座に表示される。
続いて図2のステップS206において、自動レイアウト部105により、自動レイアウト処理を行う。図4の画像選択ウィンドウ402に表示されている画像に対して自動レイアウトを行う。ステップS203で説明したように、画像選択ウィンドウの1ラインに並ぶ画像が1ページに自動的にレイアウトされる。
このように、操作者は画像選択領域中のどの領域に、レイアウトすべき画像を表示するかを指示することで、レイアウト処理前の段階で、画像が配置されるページを決定することができる。
そして、ステップS207において表示部112にレイアウト結果を表示する。図5に自動レイアウトを行った結果を表示した例を示す。画面下部には、ページを順次表示するためのページめくりボタン(NEXTボタン)501があり、任意のページを表示、確認することが可能である。
以上で、本実施形態における画像の自動レイアウトが終了する。
上述した自動レイアウト処理ステップS206の詳細を図6のフローチャートを参照して以下に説明する。
自動レイアウト処理においては、まずステップS501において、初期レイアウト部113により初期レイアウトを行う。予め、ページ上での大まかな並び順が用意されていて、その並びに従って、大まかなレイアウトを行う。本発明の実施の形態例では、1ページに5個の画像がレイアウトされるように選択されたと仮定する。図7に示す(a)は、1ページに5個の画像がレイアウトされる場合の並び順を示す図である。初期レイアウトにおいては、図7に示す順で、画像の均等割付けを行う。画像には、複数のアスペクト比があり、また、縦位置、横位置のものもある。従って、この初期レイアウト段階では、画像によって図7に示す(b)の如く重ならないものや、図7に示す(c)の如く大きく重なるものが生ずる。
フィルムから画像を入力する場合、画像には、クラシック、ハイビジョン、パノラマという3つの異なるアスペクト比の画像が存在する。本発明の実施の形態例においては、それぞれのアスペクト比と、1ページあたりにレイアウトされる画像数に対して、予め最適な画像サイズが決められている。
表1に本発明の実施の形態例における画像のアスペクト比とページあたりの画像数のページ上の画像サイズの関係を示す。
以上に対処するために続くステップS502において、カウンタNをゼロにセットし初期化を行う。このカウンタNは、画像の重なり量の調整を何回行ったかをカウントするためのものである。
次にステップS503において、レイアウト調整部115により、レイアウトの微調整を行う。即ち、それぞれの画像を移動し、レイアウト評価部114により評価されるそれぞれの画像の重なり面積が小さくなるように微調整を行う。微調整は以下の様に行う。
初期レイアウト処理において、図7に示す如く、まず、2から5までの画像を固定し、1個目の画像をX方向及びY方向に微少量移動する。この移動量は、印刷出力上で例えば1mmに対応する。そして、移動後の当該画像と隣接する画像との重なり量が画像のサイズや方向や個数等に応じた適正な値となったならば、1個目の画像に対する微調整を終了する。一方、重なり量が適正でない場合は、重なり量が適正値になるまで、1個目の画像に対する微少量の移動を繰り返し行う。また、移動により重なり量が更に適正値から外れた場合には、その微少量の移動方向を変更する。
この様にして、1個目の画像に対する微調整が済んだら、次に、1及び3から5までの画像を固定し、2個目の画像に対する微調整を同様に行い、その後、3、4、5個目の画像に対しても同様に微調整を実行する。続いてステップS504でカウンタNが規定回数Tに達したかどうか判断する。本発明の実施の形態例においては、予め規定回数Tが定められており、例えばTは500回にセットされている。T回以下ならステップS505へ進み、重なり量の評価を行う。T回になったらこのページに対する処理を終了して、当該ページのレイアウトを確定してステップS507に進む。
ステップS504でT回以下の場合にはステップS505に進み、当該ページ内のそれぞれの画像の重なり面積を評価する。それぞれの重なり面積を求め、それらが、一定値よりも大きいか、小さいかを判断して、重なり面積を評価する。重なり面積量が一定値よりも大きな場合にはステップS506へ進み、カウンタNをインクリメントする。カウンタNに1を加えてステップS503へ進む。
一方、ステップS505の評価で一定値より小さい場合にはこのページのレイアウトの微調整処理を終了して当該ページのレイアウトを確定してステップS507に進む。なお、レイアウトが確定されると、当該ページ内の各画像の座標地やサイズ等のパラメータが記憶部109に一旦格納され、その後の表示や印刷の際に読み出される。
ステップS507では全てのページに対する自動レイアウト処理が終了したか否かを調べる。未だ自動レイアウト処理を行っていないページがあった場合にはステップS501に進み、次の未処理のページに対する自動レイアウト処理を行う。
このようにして全てのページに対して連続して同様のレイアウト処理を行い、ステップS507で全てのページに対する処理が終了すると自動レイアウトを終了する。
この後例えばこのレイアウトの終了した各ページを印刷部108より印刷出力することにより、簡単な操作で自動レイアウトされた画像出力が得られる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、所望のテンプレートを選択してこのテンプレートにはめ込む画像を単に読み込み画像より選択し、画像の向きを指定するのみで、自動的に全てのページに対する自動レイアウトが終了し、しかもこの自動レイアウトの結果も表示装置112の表示画面で確認できるため、特別の熟練を要しなくても容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図2に基づき説明する。
上述した第1の実施形態においては、ステップS203においてレイアウトすべき画像の選択を行っている。しかし、場合によっては、入力したすべての画像を入力順にレイアウトすることも考えられる。そのような場合、図1の画像選択部102と図2のステップS203,ステップS204が必要ない。従って、図2のフローチャートにおいて、ステップS203,ステップS204が省略される。
その場合、ステップS206の自動レイアウトにおいては、入力した画像を入力順にステップS202で指定された個数ずつ、ページ毎に自動的にレイアウトされる。
このように制御することにより、第1の実施形態と比較して、より簡単な操作で画像の全てに対して、自動的にレイアウトを行うことができ、全ての画像の表示出力が得られ、例えばこれを印刷部108より印刷出力することにより、アルバム化された写真の出力なども可能となる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態を図2に基づき説明する。
上述した第1の実施形態においては、ステップS202において1ページあたりにレイアウトされるべき画像の個数を指定している。しかし、場合によっては、ページ毎にレイアウトすべき画像の個数を変えたい場合も考えられる。そのような場合、図1の画像個数選択部101と図2のステップS202が必要ない。従って、図2のフローチャートにおいてステップS202が省略される。
その場合、ステップS203の画像の選択において、図4に示す画像選択ウィンドウで1ページに任意枚数の画像を割り当てることが可能である。また、図2のステップS206において、1ページに並べられる画像の枚数に応じて、自動的に画像サイズの拡大、縮小が行われる。
このように制御することにより、第1の実施形態と比較して、より簡単な操作でより操作者の意に添ったレイアウトが可能となり、全ての画像の表示出力が得られ、例えばこれを印刷部108より印刷出力することにより、アルバム化された写真の出力なども可能となる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態を図2に基づき説明する。
上述した第1の実施形態においては、ステップS205において画像の向きを整えるために、画像の回転を行っている。しかし、場合によっては、全ての画像が正しい向きで入力されている場合、画像の回転を行う必要がない。そのような場合、図1の画像回転指示部103、画像回転部104、図2のフローチャートにおいてステップS205が省略される。
この結果、第1の実施形態と比較して、より簡単な操作で所望の画像に対するレイアウトが可能となり、例えばこれを印刷部108より印刷出力することにより、アルバム化された写真の出力なども可能となる。
[第5の実施形態]
なお、上述した実施形態においては、入力画像にフィルムからの入力データを用いているが、それに限られるものではなく、入力装置として、デジタルカメラ、デジタルVRT、フラットベットスキャナ、MO、ZIP、PD、フロッピー(登録商標)ディスク、レーザディスク、DVD、ネットワークなどあらゆる画像入力装置が接続可能である。また、図1の印刷部108には、BJプリンタ、LBPプリンタ、カラーレーザコピア、フィルムレコーダ、ビデオプリンタなどのあらゆる画像出力装置が接続可能である。また、上述した実施形態においては、図1の操作指示入力部111にキーボードとマウスを用いているが、マウスの代わりに、トラックボール、タッチパネルなどの他のポインティングデバイスを用いることも可能である。
即ち、初期レイアウトされたレイアウト結果において、それぞれの画像の重なり量を評価することで、容易な操作で美しいレイアウト結果を得ることができる。
[第6の実施形態]
また、上述した実施例においては、図2のステップS206における自動レイアウト処理を図6に示す如く処理する例について説明したが、図8の如く処理するとなお良い。
即ち、上述した実施形態では、レイアウトの評価パラメータとして、それぞれの画像の重なり量を用いたが、本実施形態ではさらに、その他のレイアウト位置に関する種々のパラメータを用いてレイアウトを総合的に評価することにより、さらなる最適化を図るものである。
また、図8のステップS801において、初期レイアウト部113により初期レイアウト行う。デザインの世界では、画像をレイアウトする場合、レイアウト上、好ましいレイアウトとなるためのレイアウトパターンというものがある。これには、デザイン上の経験則に基づき、複数のレイアウトパターンが存在する。
図9に本実施形態で用いられるレイアウトパターンを示す。901〜903は1ページに画像3枚をレイアウトするためのパターンである。904〜905は画像4〜5枚を1ページにレイアウトする場合のパターンである。初期設定において、画像3枚の場合は、901が、画像4または5枚の場合は、904のパターンが自動的に選択される。
ここで、操作者は、前述の図5中のオートレイアウトボタン502をクリックすると、上記、レイアウトパターンを順次選択することができ、選択されたレイアウトパターンが、初期レイアウトとして用いられる。なお、画像3枚の場合は、ボタンをクリックする毎に、901,902,903,901,…の順でレイアウトパターンが設定される。また、画像が4または5枚の場合は、904,905,904,…の順でレイアウトパターンが設定される。
本実施形態では、1ページに5個の画像がレイアウトされるように選択されたと仮定する。初期レイアウトにおいては、904に示すパターンで、画像の中心の均等割付を行う。画像には、複数のアスペクト比があり、また、縦位置、横位置のものもある。従って、この初期レイアウト段階では、画像によっては画像同士重ならないものや、大きく重なるものが生ずる。
次に、ステップS802において、カウンタNをゼロにセットし初期化を行う。このカウンタNは、画像の位置調整を何回行ったかをカウントするためのものである。
次に、ステップS803において、レイアウト評価部114により、レイアウト結果の個々のコストを求める。コストとは、レイアウトの結果を多方面から評価した結果の評価値を意味する。評価する項目には、例えば、以下の項目がある。
(1)画像の重なり量
(2)画像の隔たり量
(3)画像の隔たり量の偏差
(4)画像の位置の偏り量。
ここで、画像の重なり量の評価とは、画像と画像が重なる面積を評価することを意味する。レイアウト画面全体で、画像の重なり面積が少ない方が、より良いレイアウトである。それぞれの画像の重なり面積を求め、原画像のトータル面積で割った値をコストとする。
画像の隔たり量の評価とは、画像どうしのエッジ部が直線上に並んでいるかどうかを評価することを意味する。エッジが直線状に並んでいる方が、より良いレイアウトである。水平、垂直方向別々に、画像のエッジどうしの間隔を求め、それを決められた一定値で割りコストとする。
画像の隔たり量の偏差の評価とは、画像どうしが重ならない場合における画像のエッジとエッジの間隔の偏差を評価することを意味する。レイアウト画面全体で、上記、間隔が水平方向、もしくは垂直方向に対して、均一である方が、より良いレイアウトである。画像どうしのエッジとエッジの間隔を水平、垂直方向ごとに求め、平均値からの偏差を計算し、それをコストとする。
画像の位置の偏りの評価とは、画像を、質量を持つ物体とみなし、ページの水平方向中心軸、垂直方向中心軸からの、モーメントを計算し、バランスを評価することを意味する。
図10をもとに、説明を行う。
例えば、水平中心軸を中心として、上下それぞれにn個の画像があるとする。画像iの面積をAi、水平中心軸から画像中心迄の距離をdiとすると、水平中心軸上部の、総モーメントMtは、
Mt=ΣAidi (i=0〜n−1) …(a)
となる。また、水平中心軸下部の総モーメントMbは、
Mb=ΣAidi (i=0〜n−1) …(b)
と表せる。水平中心軸に対するコストChは、
Ch=|Mt−Mb| …(c)
となる。なお、垂直中心軸に対するコストCvも同様にして求められるので、説明は割愛する。
n枚の画像をレイアウトする場合、n枚の画像の中心座標を(x0,y0),…(xn−1,yn−1)とすると、画像の重なり量、画像間の隔たり量及びその偏差、画像位置の偏り量のそれぞれの評価関数は、
f1=a*F_overlap(x0,y0,x1,y1...xn-1,yn-1) …(1)
f2=b*F_edge(x0,y0,x1,y1...xn-1,yn-1) …(2)
f3=c*F_distribute(x0,y0,x1,y1...xn-1,yn-1) …(3)
f4=d*F_moment(x0,y0,x1,y1...xn-1,yn-1) …(4)
と表わされる。ここで、a,b,c,dは各評価関数に対する重み付けで係数であり、実験により、あらかじめ決められた値を使用する。
a,b,c,dの総和は、
a+b+c+d+e=1.0 …(5)
となるように正規化される。また、各関数の値も、
0≦F_overlap(),F_edge(),F_distribute(),F_MOMENT()≦1.0 …(6)
となるように正規化されている。
ここで、個々の評価コストf1,f2,…は小さい値の方がより良いレイアウト結果を意味する。
次に、「ステップS804」において、総合的な評価値、即ち、総合コストを求める。本実施形態の場合、総合コストCostは、
Cost=f1+f2+f3+f4 …(7)
となる。仮に、評価関数が、m個あるとすると、
Cost=Σfi (i=1〜m) …(8)
となる。ここで、個々の評価コストf1,f2,…は、小さい値の方がより良いレイアウト結果である。従って、総合コストCostも小さい値の方がより良いレイアウトであることを意味する。
次に、「ステップS805」において、カウンタNが規定回数Tに達した稼働か判断する。予め規定回数Tが定められている。本実施形態では、Tは500回にセットされている。T回以下なら、ステップS806ヘ進み、コストの評価を行う。そして、T回になったら処理を終了して、その状態を最適なレイアウトと決定する。
次に、ステップS806において、ステップS804で求めたCostが、予め決められた目標値として評価基準値Cよりも大きいか、小さいかを判断して評価する。一定値より小さい場合は、最適なレイアウトであるので処理を終了する。一定値よりも大きな場合、ステップS807へ進む。
ステップS807において、カウンタNをインクリメントする。カウンタNに1を加え、ステップS508へ進む。
ステップS808において、レイアウト調整部115によりレイアウトの位置調整を行う。それぞれの画像を微少量だけ移動する。移動する方向は、ステップS803で求めたCostの変化量で決まる。つまり、前回に比べコストが小さくなる場合は、継続して同一方向へ移動して位置調整を行う。逆に、前回に比べコストが大きくなる場合は、前回の逆方向、もしくは、直角方向へ移動する。位置調整が終了したら、S803へ戻る。
全てのページに対して、連続して同様の処理を行い自動レイアウトを終了し、S207へ移る。
なお、上述の調整回数の上限値Nや、総合コストの目標値Cは、操作指示入力部111によりユーザが設定できるものである。
また、レイアウト評価部114による評価後、必ずしもレイアウト調整部115により調整する必要はなく、例えば評価値を表示部112に表示する。これにより、ユーザは好みに応じて画像レイアウトを手動調整するよう構成することができる。
このように、本実施形態によれば、画像レイアウトの評価パラメータとして、各画像の重なり量に加え、画像の隔たり量、及びその偏差、モーメント等を用い、これらにより初期レイアウトを総合的に評価して調整することで、さらに美しいレイアウト結果を得ることができる。
[第7の実施形態]
以上の第1〜第6の実施形態における自動レイアウト処理において、さらに、ユーザの好みを反映し、見栄え良くレイアウトするためのいくつかの方法について説明する。例えば、画像同士の重なりを許可する場合の重なり量の最適法や、他の例として、背景画像がある場合には背景画像がない場合に比べ、配置される画像のサイズを小さくした方がよい、等が知られており、本実施形態においては、操作者の作業を煩雑化することなく、また、単調なレイアウト結果になることなく、画像を見栄え良くレイアウトするものである。
図11に本実施形態における全体構成図を示す。
図11において、1106はイメージスキャナであり、原画像はこれにより入力される。1108は外部記憶装置としてのハードディスクであり、イメージスキャナ1106により入力された原画像を一旦記憶する。1101はシステムコントローラであり、原画像を仮想のシート上にレイアウト編集するためのシーケンス制御及び演算を行うものであり、また1103はRAMでありシステムコントローラ1101の作業領域等に用いられる。1102はROMであり、システムコントローラ1101の制御プログラムや、予め定められたテンプレート、各種パラメータ等を記憶している。また、1104はキーボード、1109はマウスであり、これらは、画像のレイアウト等に関し操作者が指示を入力するための手段として用いられる。1105は画像やテンプレート、編集結果であるところのシート画像等を表示するCRT、1107は完成したシート画像を出力するプリンタである。
なお、以上の構成は専用のハードウェアによって実現されるのみならず、汎用のパーソナルコンピュータ等を用いることも可能である。
次に、例えば1シート内に縦横各1枚ずつの画像を用いて、各効果を指定した場合のレイアウトパターンの例を図12に示す。図12において、1201は、効果指定無しの場合のレイアウトパターンある。また1202は画像重なり有りの効果を指定した場合のレイアウトパターン、1203はドロップシャドウ有りの効果を指定した場合のレイアウトパターン、1204は背景画像有りの効果を指定した場合のレイアウトパターンである。以後これら、1201乃至1204のレイアウトパターンを各々レイアウトパターン1乃至4と呼び、以下に詳述する。
図13は、プリント用紙のプリント可能領域と、画像のレイアウト可能領域を説明するための詳細図である。図13において、1301は用紙の外形、1302はプリンタの印刷可能領域、1303は画像のレイアウト可能領域である。また、印刷可能領域1302の対角点の座標をP1とP2、レイアウト可能領域1303の対角点の座標をL1とL2とする。
図14は効果指定なしの場合、即ちレイアウトパターン1であり、図14中の1401及び1402は標準のレイアウトサイズRtpを示している。このレイアウトサイズ及びレイアウト位置等のレイアウト条件はシート上にバランス良く配置される様予め所定値に設定されており、ROM1102内に記憶されているものとする。
図15は画像重なり有りの効果を指定した場合、即ちレイアウトパターン2であり、図15中の1501,1502はレイアウトサイズRovを示している。また、1401及び1402は図14で説明した標準レイアウトサイズRtpであり、比較説明のために示した。このように、レイアウトサイズRovは標準レイアウトサイズRtyより大きく、画像同士が一部重なるように配置されている。ここで、重なり量が適正となるように、標準レイアウトサイズRtpに対する比、即ちRov/Rtpは予めROM1102に記憶させてある。本実施形態においてはこの比を例えば1.2とした。
図16はドロップシャドウ有りの効果を指定した場合、即ちレイアウトパターン3であり、図16中の1601、1602はレイアウトサイズRdsを示し、また、1603、1604はドロップシャドウを示している。このように、レイアウトサイズRdsを標準レイアウトサイズRtpより一回り小さくし、余った領域即ちRtpとRdsの差分の領域に影の画像を貼り付け、所定方向からの光源により照明されて影が背景に投影されているようにし、画像があたかも背景から所定高さ分浮いて位置しているかのように見えるという効果が生じる。ここで、Rdsの標準サイズに対する比、即ちRds/Rtpは予めROM1102に記憶させてある。本実施形態においてはこの比を例えば0.95とした。
以上のレイアウトパターン1乃至4においては、画像がレイアウト領域1303の外形に沿って整列するべく、レイアウト位置が設定される0図17は背景画像有りの効果を指定した場合、即ちレイアウトパターン4であり、図17中の1701、1702はレイアウトサイズRbkを示し、また、1703は背景画像を示している。ここで、背景画像1703は予め設定されており、ハードディスク1102内に記憶されている。また、Rbkの標準レイアウトサイズRtpに対する比、即ちRbk/Rtpも予めROM1102に記憶させてある。本実施形態においてはこの比を例えば0.80とした。
また、このように、背景がある場合は、レイアウト領域1303の水平方向の中間と、画像1701、1702の画像幅の中心が合致するようにレイアウト位置を設定することにより、背景画像がシート内において片寄ることなく、調和がとれる。
次に、本実施形態におけるシステムコントローラ1101がROM1102に格納された制御プログラムに基づき動作する際の動作フローチャートを、図18に用いて説明する。
まず、本システムが起動されると、ステップS1801においてイメージスキャナ1106より原画像を読み込む。読み込まれた原画像はRAM1103やシステムコントローラ1101に接続されたハードディスク1108等に記憶される。
ステップS1802において、入力された原画像をCRT1105に表示する。
ステップS1803において操作者がCRT1105上に表示された原画像を確認し、その画像方向、即ち縦か横の何れかを指定する。この指定方法としては、各原画像に対してキーボード1104に縦横指定専用に割り当てられたキーにより指定する方法や、マウス1109等のポインティングデバイスでグラフィカルに指定する方法等、何れでも構わない。また、ここで操作者は上述の各種効果を指定する。
次に、ステップS1804乃至1806において操作者による効果指定の内容を判定し、ステップS1807乃至1810において各効果を実行するためのレイアウト条件、即ちレイアウトサイズ、及びレイアウト位置が設定される。ステップS1804において重なり有りと判断された場合は、ステップS1807においてレイアウトサイズをRov=RTp×1.2に設定する。また、ステップS105においてドロップシャドウ有りと判定された場合は、ステップS1808においてレイアウトサイズをRsh=Rtp×0.95に設定する。また、ステップS1806において背景有りと判定された場合は、ステップS1809においてレイアウトサイズをRSh=Rtp×0.80に設定し、ステップS1810においてレイアウト位置をセンタリングに指定する。即ち、画像の横幅レイアウト領域1303の中心を合致させるまた、上記ステップS1804乃至1806の何れにおいても肯定判定されなかった場合には、ステップS1811においてレイアウトサイズを標準値、即ちRtpに設定する。
このように設定されたレイアウト位置、サイズ等のパラメータはRAM1103に一旦格納され、以後の表示やプリントの際に読み出される。
次に、ステップS1812において、上記ステップで設定されたレイアウト条件に基づいてレイアウトパターンをCRT1805上に表示する。
次に、ステップS1813において、上述のようにして設定されたレイアウトバターンに従って画像をレイアウトし、ステップS1814においてCRT1105に表示する。ただし、この際、ステップS1803において入力された画像の縦横情報に従う。
次に、ステップS1815において、操作者はCRT1105上に表示されたレイアウトを見て、確定か否かの指示を入力する。確定でなければステップS1804に戻り、指示を再入力してレイアウトをやり直す。
ステップS1815において確定が指示されると、ステップS1816において、RAM1103からレイアウトパラメータをプリンタ1807に送信し、プリント用紙上にレイアウトイメージがプリントされ、処理を終了する。
なお、ステップS1815でレイアウトを確定しなかった場合、キーボード1104やマウス1109等により、手動でレイアウトを調整できる様、構成してもよい。
[第8の実施形態]
上記実施形態においては修飾効果の指定を各々順に指定する方法について説明したが、これら複数のレイアウトパラメータが予め設定された雛形、即ちテンプレートを複数用意しておき、これらのテンプレートのうち所望の1つを選択することで、全ての効果指定を一度に実行する構成を示す。
図19に各テンプレートに設定されたパラメータの内容を表す表を示す。これらのテンプレート1乃至4は各々前述のレイアウトパターン1乃至4に相当する。
図20に動作のフローチャートを示す。
ステップS201乃至S203は第7の実施形態におけるステップS1801〜1803と同様である。
ステップS2004において、操作者が所望のテンプレートを選択して指示する。ステップS2005乃至S2009において、図19の表に従い、レイアウト条件、即ちレイアウトサイズ及びレイアウト位置を設定する。
また、ステップS210以降の処理過程は、第7の実施形態におけるステップS1812以降と同様である。
このように、複数のパラメータが予め設定された雛形を用意しておき、所望の一つを選択することにより、さらに操作者の手間を簡略化することができる。
以上、説明したように実施形態によれば、自動的に、簡単に、しかも、あたかもプロのデザイナーがレイアウトしたかのように奇麗な画像のレイアウトを行うことができるという効果を得られる。
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
また、本発明の目的は前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。