JP4194371B2 - 管継手用キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管継手用キャップに関し、特に、配管接続口にパイプを挿入するだけで接続が完了する接続構造を備えた管継手の配管接続口を一時的に閉塞する際に使用するキャップの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製パイプを接続するための管継手として、配管接続口にパイプを挿入するだけで接続が完了する接続構造を備えた管継手が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この管継手は、配管接続口の奥部にパイプ抜け止め用のロックリングを設けたものであって、配管接続口にパイプを挿入すると、このロックリングの作用によってパイプが強固に接合された状態になるように形成されている。
【0003】
一方、屋内配管の設置工事において、パイプと管継手とを所定の状態で接続した状態の配管ユニットをあらかじめ工場で製作しておき、建築現場でこの配管ユニットを所定の位置に敷設するとともに、配管ユニットの途中に設けた分岐継手に現場に対応したパイプを接続するようにした工法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−257273号公報
【0005】
【特許文献2】
特許第3035399号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のような配管ユニットは、工場で配管ユニットを製作した後に水漏れ検査を行い、パイプと管継手との接続状態を確認するようにしている。この水漏れ検査において、配管ユニット中の管継手として一般的なネジ接続のものを使用したときには、パイプが接続されていない配管接続口にねじこみ式のキャップやプラグを装着して閉塞状態とすることにより、所定の水漏れ検査を行うことができ、水漏れ検査終了後には、キャップやプラグを配管接続口から取り外すことによって所定のパイプを接続することができる。
【0007】
しかし、前述のようなパイプを挿入するだけで接続が完了する管継手を使用した場合は、配管接続口にキャップやプラグを装着することができず、パイプ等を挿入すると抜けなくなってしまうので、今までの方法では配管ユニットの水漏れ検査を行うことができなかった。
【0008】
そこで本発明は、パイプを挿入するだけで接続が完了する管継手のように、キャップやプラグを使用することができない管継手の配管接続口でも簡単な操作で確実に閉塞することができる管継手用キャップを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の管継手用キャップは、配管接続口の外周に大径円筒面を有する管継手の前記配管接続口を閉塞するためのキャップであって、前記大径円筒面を挿入可能な内径を有する有底円筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の内周に装着されて前記大径円筒面に密接するリング状パッキンと、キャップ本体の開口側で前記大径円筒面の基端部に対応する位置のキャップ本体周壁に設けられたスリットと、該スリットに挿入されて前記大径円筒面の基端部に係合することによりキャップ本体を配管接続口の閉塞位置に保持する係合片を備えた抜け止め具とを有することを特徴としている。
【0010】
さらに、前記スリットは、2本のスリットがキャップ本体周壁の対向位置にそれぞれ設けられ、前記抜け止め具は、2本のスリットにそれぞれ挿入される一対の係合片を備えていることを特徴とし、前記キャップ本体は、前記スリットが設けられていない外面部分に転動防止用の平面部が設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の管継手用キャップは、別の態様として、配管接続口の外周に大径部を有する管継手の前記配管接続口を閉塞するためのキャップであって、前記大径部を挿入可能な内径を有する有底筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の底面から突出して前記配管接続口内に挿入される封止突起と、該封止突起の外周に装着されて配管接続口内面に密接するリング状パッキンと、キャップ本体の開口側で前記大径部の基端部に対応する位置のキャップ本体周壁に設けられたスリットと、該スリットに挿入されて前記大径部の基端部に係合することによりキャップ本体を配管接続口の閉塞位置に保持する係合片を備えた抜け止め具とを有することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1乃至図6は、本発明の管継手用キャップの一形態例を示すもので、図1は管継手用キャップを管継手に装着した状態を示す一部断面正面図、図2は断面平面図、図3は管継手用キャップにおけるキャップ本体及び抜け止め具と管継手との関係を示す側面図、図4は抜け止め具を挿入する前の状態を示す一部断面斜視図、図5は抜け止め具を挿入した状態を示す一部断面斜視図、図6は抜け止め具を挿入した状態を示す斜視図である。
【0013】
この管継手用キャップ11は、配管接続口51の外周に大径円筒面52を有する管継手53における前記配管接続口51を閉塞するために用いられるものであって、配管接続口51の全体を覆うような形状のキャップ本体12と、キャップ本体12を配管接続口51に固定するための抜け止め具13とにより形成されている。
【0014】
キャップ本体12は、前記大径円筒面52を挿入可能な内径を有する有底円筒状に形成されており、このキャップ本体12の内周には、前記大径円筒面52の外周に密接する2本のリング状パッキン14が設けられている。さらに、キャップ本体12の開口側で、前記大径円筒面52の基端部52aに対応する位置のキャップ本体周壁には、キャップ本体軸線と直交する方向の2本のスリット15がキャップ本体中心を挟んで対向する位置に平行に設けられている。また、このスリット15が設けられていないキャップ本体12の外面部分には、平面部16が設けられており、キャップ本体12を寝かせておいたときの転動を防止するようにしている。さらに、キャップ本体12の基部側(反開口側)には、管継手53からキャップ本体12を抜き取る際の指掛け部となる周溝17が設けられている。
【0015】
前記抜け止め具13は、前記2本のスリット15にそれぞれ挿入される一対の係合片18を有する略コ字状(フォーク状)の板材であって、板厚は前記スリット15の溝幅より僅かに小さく、係合片18の長さはスリット15の長さに対応した長さに形成されている。両係合片18同士の間隔は、前記大径円筒面52の基端部52aに接する小径部分51aの外径より僅かに大きく形成されており、この係合片18を前記スリット15にそれぞれ挿入したときに、前記大径円筒面52の基端部52aに係合片18が係合し、配管接続口51からのキャップ本体12の抜けを防止するように形成されている。
【0016】
このように形成した管継手用キャップ11は、一時的に閉塞する必要がある配管接続口51にキャップ本体12を被せた後、キャップ本体12のスリット15に抜け止め具13の係合片18を挿入するだけで、前記リング状パッキン14が大径円筒面52の外周に密接して配管接続口51を閉塞した状態に保持することができる。そして、抜け止め具13をスリット15から引き抜き、周溝17を利用してキャップ本体12を引っ張るだけで配管接続口51からキャップ本体12を取り外すことができる。
【0017】
すなわち、配管接続口51の密封や開放の操作を、工具を用いることなく極めて容易に行うことができるので、前述のような配管ユニットの水漏れ検査を行うときの配管接続口51の閉塞を簡単かつ確実に行うことができる。さらに、この管継手用キャップ11は、キャップ本体12を硬質合成樹脂で形成し、抜け止め具13を金属で形成することにより、これらの製造も容易であり、ねじ切り等の複雑な加工も必要ないため、製造コストも安価である。
【0018】
図7は、本発明の管継手用キャップの他の形態例を示す一部断面正面図である。なお、前記形態例に示した管継手用キャップと同一の構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0019】
本形態例に示す管継手用キャップは、配管接続口51の大径円筒面52を挿入可能な内径を有する有底円筒状のキャップ本体22の底面から配管接続口51内に挿入される封止突起23を突出させるとともに、この封止突起23の外周に配管接続口内面に密接するリング状パッキン24を装着したものであって、このキャップ本体22を配管接続口51に取り付けると、封止突起23が配管接続口51の内部に挿入され、リング状パッキン24が配管接続口内面に密接して閉塞状態となる。
【0020】
配管接続口51へのキャップ本体22の固定は、前記形態例と同様に、キャップ本体22に形成したスリット15と、このスリット15に挿入される係合片18を備えた抜け止め具13とで行うことができる。
【0021】
このように、リング状パッキン24を外周に装着した封止突起23を配管接続口51の内部に挿入して密封することにより、配管接続口の外周に設けられている大径部が平滑な円筒面ではなく、例えば雄ねじを有する場合でも、配管接続口51を簡単に閉塞することができる。また、ユニオンナットを使用した管継手の開口を閉塞するときにも使用可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管継手用キャップによれば、パイプを挿入するだけで接続が完了する管継手の配管接続口も簡単な操作で確実に閉塞することができ、その取り外しも容易に行うことができる。したがって、本発明の管継手用キャップは、水漏れ試験等で配管接続口を一時的に閉塞する必要があるときに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の管継手用キャップを管継手に装着した一形態例を示す一部断面正面図である。
【図2】 同じく断面平面図である。
【図3】 管継手用キャップにおけるキャップ本体及び抜け止め具と管継手との関係を示す側面図である。
【図4】 抜け止め具を挿入する前の状態を示す一部断面斜視図である。
【図5】 抜け止め具を挿入した状態を示す一部断面斜視図である。
【図6】 抜け止め具を挿入した状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明の管継手用キャップの他の形態例を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
11…管継手用キャップ、12…キャップ本体、13…抜け止め具、14…リング状パッキン、15…スリット、16…平面部、17…周溝、18…係合片、22…キャップ本体、23…封止突起、24…リング状パッキン、51…配管接続口、52…大径円筒面、53…管継手

Claims (4)

  1. 配管接続口の外周に大径円筒面を有する管継手の前記配管接続口を閉塞するためのキャップであって、前記大径円筒面を挿入可能な内径を有する有底円筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の内周に装着されて前記大径円筒面に密接するリング状パッキンと、キャップ本体の開口側で前記大径円筒面の基端部に対応する位置のキャップ本体周壁に設けられたスリットと、該スリットに挿入されて前記大径円筒面の基端部に係合することによりキャップ本体を配管接続口の閉塞位置に保持する係合片を備えた抜け止め具とを有することを特徴とする管継手用キャップ。
  2. 前記スリットは、2本のスリットがキャップ本体周壁の対向位置にそれぞれ設けられ、前記抜け止め具は、2本のスリットにそれぞれ挿入される一対の係合片を備えていることを特徴とする請求項1記載の管継手用キャップ。
  3. 前記キャップ本体は、前記スリットが設けられていない外面部分に転動防止用の平面部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の管継手用キャップ。
  4. 配管接続口の外周に大径部を有する管継手の前記配管接続口を閉塞するためのキャップであって、前記大径部を挿入可能な内径を有する有底筒状のキャップ本体と、該キャップ本体の底面から突出して前記配管接続口内に挿入される封止突起と、該封止突起の外周に装着されて配管接続口内面に密接するリング状パッキンと、キャップ本体の開口側で前記大径部の基端部に対応する位置のキャップ本体周壁に設けられたスリットと、該スリットに挿入されて前記大径部の基端部に係合することによりキャップ本体を配管接続口の閉塞位置に保持する係合片を備えた抜け止め具とを有することを特徴とする管継手用キャップ。
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