JP4194152B2 - Method for producing erythritol - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエリスリトールの製造方法に関し、更に詳しくは、培地中にカルシウムを含有させることにより、発酵法により工業的に有利にエリスリトールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エリスリトールの製造方法としては、トリゴノプシス属(Trigonopsis)、キャンジダ属(Candida)の酵母を、グリセロールを炭素源とし、カゼイン加水分解物を窒素源とする培地に培養して製造する方法(特公昭47−41549号公報)、キャンジダ属(Candida)、トルロプシス属(Torulopsis)、ハンゼヌラ属(Hansenula)の酵母を炭化水素などを炭素源とし、酵母エキス、尿素を窒素源とする培地に培養して製造する方法(特公昭51−21072号公報)が知られている。しかしながら、これらの方法は、炭素源として使用される原料が実際の工業生産において適当でないため、未だ工業化されてない。
【0003】
また、モニリエラ・トメントサ・バール・ポリニス(Moniliella tomentosa var.pollinis)をグルコースなどの糖質を炭素源とし、コーンステープリカー、尿素、酵母エキスを窒素源とする培地に培養して製造する方法(特開昭60−110295号公報など)、エリスリトール生産菌を酵母エキス、コーンステープリカーを窒素源とする培地に培養して製造する方法(特開平1−199584号公報)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
エリスリトールの製造方法としては上記の様な種々のものが知られている。しかしながら、それらの方法においては、グリセリンが大量に副生したり発酵の終了(グルコースの消失)に時間がかかる等、製造工程に負荷がかかり、また経済的にも不利である。
【0005】
本発明は、上記観点からなされたものであり、エリスリトールを、工業的発酵生産に適した培地を用いて効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく研究を重ねた結果、発酵培地中にカルシウムを含有させることにより、安価な培地を用いてエリスリトールを効率よく製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の要旨は、エリスリトール生産能を有する微生物をカルシウムを含有する培地で培養してエリスリトールを生成させ、その培養物からエリスリトールを採取することによりなるエリスリトールの製造方法に存する。
【0008】
本発明により、上記方法の好ましい態様として、前記培地が、5ppm以上の濃度のカルシウムを含有する培地である上記方法、及び
前記微生物が、モニリエラ属又はトリコスポロノイデス属に属する微生物から選ばれる微生物である上記方法、を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】
本発明で用いる微生物としては、発酵性糖質からエリスリトールを産生する能力を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、モニリエラ属(Moniliella)又はトリコスポロノイデス属(Trichosporonoides)に属する微生物が挙げられる。
【0011】
モニリエラ(Moniliella)属に属する微生物としては、例えばモニリエラ・ポリニス(Moniliella polinis)、モニリエラ・アセトアブテンス(Moniliella acetoabutens)、及びモニリエラ・スアベオレンス(Moniliella suaveolens)が挙げられる。
【0012】
これらの中で好ましい菌株としては、モニリエラ・ポリニス(Moniliella polinis)CBS461.67、モニリエラ・ポリニス(Moniliella polinis)MCI3554(FERM BP-6170)、モニリエラ・ポリニス(Moniliella polinis)MCI3371(FERM BP-6173)、モニリエラ・アセトアブテンス(Moniliella acetoabutens)CBS170.66、モニリエラ・スアベオレンス・バール・ニグラ(Moniliella suaveolens var. nigra)CBS223.32、モニリエラ・スアベオレンス・バール・ニグラ(Moniliella suaveolens var. nigra)CBS382.36、モニリエラ・スアベオレンス・バール・ニグラ(Moniliella suaveolens var. nigra)CBS223.79等を挙げることができる。
【0013】
またトリコスポロノイデス(Trichosporonoides)属に属する微生物としては、例えば、トリコスポロノイデス・エドセファリス(Trichosporonoides oedocephalis)、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)、トリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)、トリコスポロノイデス・ニグレッセンス(Trichosporonoides nigrescens)、及びトリコスポロノイデス・マジダ(Trichosporonoides madida)が挙げられる。
【0014】
これらの中で好ましい菌株としては、例えば、トリコスポロノイデス・エドセファリス(Trichosporonoides oedocephalis)CBS649.66、トリコスポロノイデス・エドセファリス(Trichosporonoides oedocephalis)CBS568.85、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)CBS567.85、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)ATCC76718、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)SN-r96(FERM BP-1431)、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)MCI3369(FERM BP-6172)、トリコスポロノイデス・マジダ(Trichosporonoides madida)CBS240.79、トリコスポロノイデス・ニグレッセンス(Trichosporonoides nigrescens)CBS268.81、トリコスポロノイデス・ニグレッセンス(Trichosporonoides nigrescens)CBS269.81、トリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)CBS241.79、トリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)CBS241.81、トリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)CBS242.79A、トリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)CBS242.79B等を挙げることができる。
【0015】
これらの菌株は、いずれも国際寄託機関であるオランダ国の Centraal Bureau voor Schimmelcultures(CBS)、アメリカ合衆国の American Type Culture Collection(ATCC)、日本国の工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託されている菌株であり、当業者に容易に入手可能なものである。
【0016】
また、本発明には、これらの微生物から、自然変異や紫外線照射や変異剤による変異処理により得られる変異株も同様に使用することができる。変異処理は、紫外線照射、X線照射、放射線照射、N−メチル−N'−ニトロ−ニトロソグアニジン(NTG)等の変異誘起剤処理、遺伝子組み替え、細胞融合等の人為的変異処理等のそれ自体既知の通常用いられる方法を用いて行えばよい。
【0017】
本発明に好ましく用いられる上記菌株のうちでも更に好ましい菌株として、モニリエラ・ポリニスMCI3371株、及びトリコスポロノイデス・メガチリエンシスMCI3369株等を挙げることができる。
【0018】
上記菌株の中で、MCI3369株は、セントラル ビューロー フォー シュメルカルチャーズ(Centraal Bureau voor Schimmelcultures)にトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)CBS567.85として寄託されている菌株を、グルコース30%、酵母エキス1.5%の培地にて30℃で2日間培養し、菌を集め生理食塩水にて2度洗浄し、ついでNTG(N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン)500〜1000μg/mlを含む生理食塩水にて30℃にて60分間変異処理を行い、その後菌体を集め、培地に懸濁し、30℃にて浸透して変異の安定化を行い、この菌体を同一組成上の寒天培地に広げコロニーを形成させ、その中から泡の出ないコロニーを選択することにより得た変異株である。
【0019】
また、MCI3371株は、セントラル ビューロー フォー シュメルカルチャーズ(Centraal Bureau voor Schimmelcultures)にモニリエラ・ポリニス(Moniliella polinis)CBS461.67として寄託されている菌株を、上記と同様な変異処理して得られた変異株である。
【0020】
MCI3369株およびMCI3371株はそれぞれ工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−6172およびFERM BP−6173として寄託されている。MCI3369株およびMCI3371株の菌学的性状は以下の通りである。
【0021】
〔MCI3369株〕
MCI3369株はPDA(potato dextrose agar)上、24℃培養ではじめ白色、後にオリーブがかった灰色、2週間以上の古い培養ではオリーブ褐色に変色する。菌の生育は速く、酵母様の出芽により増殖する。酵母様の細胞は、はじめ無色、後にはオリーブがかった褐色を呈する。栄養菌糸はよく発達し、隔壁を有し分枝する、幅2〜3.8μm、はじめ無色、後に若干厚膜化し褐色に変色する。気中菌糸の発達は旺盛で、気中菌糸の側面より出芽型分生子を形成する。栄養菌糸、気中菌糸は断片状に切れて分節型の分生子となる。分節型分生子は円筒形〜樽形、3.6〜25μm×2.2〜4.3μm、はじめ無色、後に淡褐色になる。出芽型分生子は単一または3〜4個の連鎖となる。分生子は細長い楕円形、大きさは3.4〜7.5μm×1.9〜4.1μm(平均6.5±1.2μm×3.8±0.6μm)、はじめ無色、後にオリーブがかった褐色を呈する。
【0022】
本菌株(MCI3369)の形態学的性状は親株であるトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis) CBS567.85の基準株の特徴によく一致した。従って、本菌株はトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis) と同定した。
【0023】
〔MCI3371株〕
MCI3371株はPDA上、24℃培養で始め白色〜黄味白色、培地一週間後ににぶ黄色、さらに古い培養では黒褐色に変色する。菌の生育は速く、酵母様の出芽により増殖する。出芽細胞は、はじめ薄膜でオリーブがかった褐色を呈し、後に厚膜化して着色する。酵母様の出芽と同時に栄養菌糸が伸長する。栄養菌糸は隔壁を有し、分枝する。幅2〜4.5μm、はじめ無色、後に褐色になる。菌糸は断片状に切れて分節型の分生子となる、または菌糸の側面あるいは先端部より出芽型の分生子を形成する。分節型分生子は円筒形〜樽形、6〜35μm×2.5〜5.0μm、はじめ無色、後に褐色になる。出芽型分生子は単一または2〜3個の連鎖となって形成される、卵形〜楕円形、あるいは亜球形、大きさは4.7〜9.4μm×3.1〜5.6μm(平均6.8±1.3μm×4.5±0.6μm)、はじめ無色、後にオリーブがかった褐色となる。
【0024】
本菌株(MCI3371)は分節型分生子と出芽型分生子の二形性を有し、出芽型分生子は求頂的に形成され同調的に形成されない特徴を有する。これらの特徴に基づいてDe Hoog & Hermanides-Nijhof (1977)のモノグラフに従って属の検索を行ったところ、本菌株はモニリエラ(Moniliella) 属に帰属することが判明した。De Hoog (1979)の“The Black yeasts, II:Moniliella and Allied Genera”Studies in Mycology No.19,1〜90によれば、モニリエラ(Moniliella)属にはモニリエラ・スアベオレンス・バール・スアベオレンス(Moniliella suaveolens var. suaveolens)、モニリエラ・スアベオレンス・バール・ニグラ(Moniliella suaveolens var. nigra)、モニリエラ・アセトアブテンス(Moniliella acetoabutens)およびモニリエラ・ポリニス(Moniliella pollinis)の3種2変種が知られている。これらの種や変種は主として出芽型分生子あるいは分節型分生子の形態学的特徴によって区別されている。本菌株の形態学的性状を精査した結果、本菌はモニリエラ・ポリニス(Moniliella pollinis)の記載によく合致した。従って本菌株はモニリエラ・ポリニス(Moniliella pollinis)と同定した。
【0025】
本発明において、発酵性糖質からエリスリトールを産生する能力を有する微生物を培養するには、カルシウムを含む培地を用いる。カルシウム以外の成分については、使用する微生物に応じて適宜選択されるが、通常用いられる主な成分を以下に示す。
【0026】
主炭素源としては、グルコース、フルクトース、グリセロール等の発酵性糖質が利用される。これらは単独でも組み合わせでも使用できる。使用濃度は特に限定されないが、エリスリトールの生産を阻害しない範囲で使用できる。好ましい濃度は20%〜60%(W/V)の範囲である。
【0027】
培地の窒素源としてはアンモニア塩、尿素、コーンステープリカー等の各種の有機、無機の窒素化合物が用いられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビタミン、ヌクレオチド、アミノ酸等の微生物の生育を促進する因子を必要に応じて添加することができる。また、培養中の発泡を押さえるために市販の消泡剤を添加することもできる。
【0028】
培地に添加するカルシウム源は、カルシウム化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、塩化カルシウム(CaCl2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、硫酸カルシウム(CaSO4)等が挙げられる。
【0029】
また、カルシウム源としては、培地調製時に使用する水に含まれるカルシウムであってもよく、具体的にはカルシウムを含有する上水を培地調製に用いてもよい。
【0030】
本発明においては、カルシウム源の種類に関わらず、本発明に用いる微生物を培養する際に培地に一定濃度以上のカルシウムが含まれていればよい。カルシウムの濃度は、5ppm以上が好ましく、30ppm以上がより好ましい。カルシウム濃度の上限は特に制限されないが、通常、一定濃度以上になるとエリスリトールの産生量が頭打ちとなるので、それ以上加える必要はない。エリスリトールの産生量が頭打ちとなるカルシウム濃度、あるいは好ましいカルシウムの濃度は、カルシウム濃度が異なる培地を複数用意し、それらの培地でエリスリトール産生能を有する微生物を培養し、生成するエリスリトールの量を測定することによって決定することができる。
【0031】
培養に際しては、斜面培養から直接菌体を培地に接種しても構わないが、液体培地にて予め1日〜4日の培養で得られる前培養物を培地に接種するのが望ましい。
【0032】
培養条件は、用いる微生物に応じて適宜設定することができるが、モニリエラ属又はトリコスポロノイデス属に属する微生物を用いる場合には、例えば以下に示す条件が挙げられる。
【0033】
培地のpHは、培養の初めは3〜7、好ましくは3〜4.5に調整する。pHを制御可能な培養においては、培養中に、酸またはアルカリにて3〜4.5に調整することが望ましい。培養温度は25℃〜37℃、好ましくは27℃〜37℃が適当である。また培養は、通気攪拌、振とう等の好気的条件で行うのが望ましい。
【0034】
培養時間は、主炭素源が消費されるまで行うのが望ましく、通常は3日〜8日間行われる。
【0035】
培養液中のエリスリトール生成量は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の方法で測定できる。
【0036】
上記の様にして培養液中に蓄積したエリスリトールは、常法に従って培養物より分離・精製される。具体的には、遠心分離、濾過等により固形物を除去した後、活性炭、イオン交換樹脂により脱色・脱塩し、その溶液から結晶化することによりエリスリトールを分離・精製することができる。
【0037】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下に記載する方法に限定されるものではない。
【0038】
なお、以下の実施例及び比較例に用いた培地の組成は、下記表1又は表2のとおりである。
【0039】
【表1】

Figure 0004194152
【0040】
【表2】
Figure 0004194152
【0041】
【実施例1】
グルコース30%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したモニリエラ・ポリニス(Moniliella pollinis)MCI3371株(FERM BP-6173)を1白金耳植菌し、35℃で3日間振とう培養した。
【0042】
上記表1に示す組成の培地20mlを入れた200mlのバッフル付きフラスコに塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O))をカルシウム濃度として5ppm、15ppm、30ppm、60ppm、120ppmになるように添加して上記の種培養液を0.5ml接種し、温度35℃、回転数240rpmにて4日間振とう培養した。比較実験としてカルシウムを添加しない培地にても同様に培養した。培養液中のエリスリトール(以下これを「ERT」と略記することがある)とグリセリン(以下これを「GLY」と略記することがある)の濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0004194152
【0044】
【実施例2】
塩化カルシウム2水塩の代わりに水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を同様の濃度にて添加した以外は、実施例1と同様にして培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0004194152
【0046】
【実施例3】
グルコース30%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)MCI3369株(FERM BP-6172)を1白金耳植菌し、35℃で3日間振とう培養した。
【0047】
上記表1に示す組成の培地20mlを入れた200mlのバッフル付きフラスコに塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)をカルシウム濃度として5ppm、15ppm、30ppm、60ppm、120ppmになるように添加して上記の培養液を0.5ml接種し、温度35℃、回転数240rpmにて4日間振とう培養した。比較実験としてカルシウムを添加しない培地にても同様の条件にて培養を行った。培養液中のERTとGLYの濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
Figure 0004194152
【0049】
【実施例4】
塩化カルシウム2水塩の代わりに水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を同様の濃度にて添加した以外は、実施例3と同様にして培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表6に示す。
【0050】
【表6】
Figure 0004194152
【0051】
【実施例5】
グルコース20%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したトリコスポロノイデス・エドセファリス(Trichosporonoides oedocephalis)CBS649.66株を1白金耳植菌し、30℃で3日間振とう培養した。表1に示す組成の培地20mlを入れた200mlのフラスコに塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)をカルシウム濃度として15ppm、30ppmになるように添加して上記の種培養液を0.5ml接種し、温度30℃、回転数160rpmにて4日間振とう培養した。比較実験としてカルシウムを添加しないものも同様の条件にて培養した。培養液中のERTとGLYの濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
Figure 0004194152
【0053】
【実施例6】
菌株としてCBS649.66の代わりにトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)CBS567.85を用いた以外は実施例5と同様の条件にて培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表8に示す。
【0054】
【表8】
Figure 0004194152
【0055】
【実施例7】
菌株としてCBS649.66の代わりにトリコスポロノイデス・ニグレッセンス(Trichosporonoides nigrescens)CBS268.81を用いた以外は実施例5と同様の条件にて培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表9に示す。
【0056】
【表9】
Figure 0004194152
【0057】
【実施例8】
グルコース30%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)MCI3369株(FERM BP-6172)を1白金耳植菌し、35℃にて3日間振とう培養した。表1に示す組成の培地を脱イオン水と上水(カルシウムを18ppm含む)にてそれぞれ調製し、20mlづつ200mlのバッフル付きフラスコに分注して、上記の種培養液を0.5ml接種し、温度35℃、回転数240rpmにて4日間振とう培養した。培養液中のERTとGLYの濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表10に示す。
【0058】
【表10】
Figure 0004194152
【0059】
【実施例9】
グルコース30%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したモニリエラ・ポリニス(Moniliella pollinis)MCI3371株(FERM BP-6173)を1白金耳植菌し、35℃で3日間振とう培養した。ついで表2に示す組成の培地にカルシウム濃度が30ppmになるように塩化カルシウム2水塩(CaCl2・2H2O)を添加し、その600mlを1リットル容の発酵槽に入れた。上記培養物を10ml発酵槽に植菌し、温度35℃、通気量0.5vvm、回転数800rpmの条件で4日間培養した。培養中はpHを3.8〜4.0に5Nの水酸化ナトリウム(NaOH)にて制御した。培養液中のグルコース(以下これを「GLU」と略記することがある)、ERT、GLYの濃度は高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表11に示す。
【0060】
【表11】
Figure 0004194152
【0061】
【比較例1】
培地中にカルシウムを添加しない以外は実施例9と同様の条件にて培養し、培養液中のGLU、ERTおよびGLYの濃度を測定した。その結果を表12に示す。
【0062】
【表12】
Figure 0004194152
【0063】
【実施例10】
グルコース30%(W/V)、酵母エキス(アサヒビール社製)1%を含む液体培地20mlを綿栓した200mlの三角フラスコに入れ、120℃、20分間滅菌したものに、常法により斜面培養したトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)CBS567.85株を1白金耳植菌し、35℃で3日間振とう培養した。ついで表2に示す組成の培地を上水(カルシウムを18ppm含む)で調製し、その600mlを1リットル容の発酵槽に入れた。上記培養物を10ml発酵槽に植菌し、温度35℃、通気量0.5vvm、回転数800rpmの条件で4日間培養した。培養中はpHを3.8〜4.0に5Nの水酸化ナトリウム(NaOH)にて制御した。培養中のGLU、ERT、GLYの濃度は高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果を表13に示す。
【0064】
【表13】
Figure 0004194152
【0065】
【比較例2】
培地の調製に上水の代わりに脱イオン水を用いた以外は実施例10と同様の条件にて培養し、培養液中のGLU、ERTおよびGLYの濃度を測定した。その結果を表14に示す。
【0066】
【表14】
Figure 0004194152
【0067】
【実施例11】
実施例5において、菌株としてトリコスポロノイデス・マジダ(Trichosporonoides madida)CBS240.79を用いた以外は同様の条件にて培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表15に示す。
【0068】
【表15】
Figure 0004194152
【0069】
【実施例12】
実施例5において、菌株としてモニリエラ・スアベオレンス・バール・ニグラ(Moniliella suaveolens var. nigra)CBS223.79を用い、表1に示す組成の培地のグルコースを20%(W/V)にした以外は同様の条件で培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表16に示す。
【0070】
【表16】
Figure 0004194152
【0071】
【実施例13】
実施例5において、菌株としてトリコスポロノイデス・メガチリエンシス(Trichosporonoides megachiliensis)SN-r96(FERM BP-1431)を用い、表1に示す組成の培地のグルコースを20%(W/V)にした以外は同様の条件で培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表17に示す。
【0072】
【表17】
Figure 0004194152
【0073】
【実施例14】
実施例5において、菌株としてトリコスポロノイデス・スパスラータ(Trichosporonoides spathulata)CBS241.81を用いた以外は同様の条件にて培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表18に示す。
【0074】
【表18】
Figure 0004194152
【0075】
【実施例15】
実施例5において、菌株としてモニリエラ・アセトアブテンス(Moniliella acetoabutens)CBS170.66を用いた以外は同様の条件にて培養し、培養液中のERTとGLYの濃度を測定した。その結果を表19に示す。
【0076】
【表19】
Figure 0004194152
【0077】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、カルシウムまたは上水という安価な原料を用いて、効率良くエリスリトールを製造できるばかりでなく、グリセリン等の副産物の低減による精製コストの削減、さらに培養時間の短縮という工業的に有利なプロセスを構築できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing erythritol, and more specifically to a method for producing erythritol industrially advantageously by fermentation by containing calcium in a medium.
[0002]
[Prior art]
As a method for producing erythritol, a method of culturing yeasts of the genus Trigonopsis and Candida in a medium containing glycerol as a carbon source and casein hydrolyzate as a nitrogen source (Japanese Examined Patent Publication No. 47- No. 41549), Candida, Torulopsis, Hansenula yeast, which is produced by culturing in a medium containing hydrocarbon as a carbon source, yeast extract, urea as a nitrogen source. (Japanese Patent Publication No. 51-21072) is known. However, these methods have not been industrialized yet because raw materials used as a carbon source are not suitable in actual industrial production.
[0003]
In addition, Moniliella tomentosa var.pollinis is produced by culturing in a medium containing saccharides such as glucose as a carbon source and corn stapler, urea, or yeast extract as a nitrogen source (special Japanese Laid-Open Patent Publication No. 60-110295) and the like (Japanese Patent Laid-Open No. 1-199584) are also known which are prepared by culturing erythritol-producing bacteria in a medium using yeast extract and corn staple as a nitrogen source.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Various methods for producing erythritol as described above are known. However, in these methods, a large amount of glycerin is produced as a by-product, and it takes time to complete fermentation (disappearance of glucose).
[0005]
This invention is made | formed from the said viewpoint, and makes it a subject to provide the method of manufacturing erythritol efficiently using the culture medium suitable for industrial fermentation production.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated studies to solve the above problems, the present inventors have found that erythritol can be efficiently produced using an inexpensive medium by containing calcium in the fermentation medium, and the present invention is completed. It came to.
[0007]
That is, the gist of the present invention resides in a method for producing erythritol by culturing a microorganism having erythritol-producing ability in a medium containing calcium to produce erythritol, and collecting erythritol from the culture.
[0008]
According to the present invention, as a preferred embodiment of the method, the medium is a medium containing calcium at a concentration of 5 ppm or more, and the microorganism is selected from microorganisms belonging to the genus Moniliella or Trichosporonides The above method is provided.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0010]
The microorganism used in the present invention is not particularly limited as long as it has an ability to produce erythritol from a fermentable sugar. Specific examples include microorganisms belonging to the genus Moniliella or Trichosporonoides.
[0011]
Examples of microorganisms belonging to the genus Moniliella include Moniliella polinis, Moniliella acetoabutens, and Moniliella suaveolens.
[0012]
Among these, preferable strains include Moniliella polinis CBS461.67, Moniliella polinis MCI3554 (FERM BP-6170), Moniliella polinis MCI3371 (FERM BP-6173), Moniliella acetoabutens CBS 170.66, Moniliella suaveolens var. Nigra CBS 223.32, Moniliella suaveolens var. Nigra CBS 382.36 -Suaveorens bar nigra (Moniliella suaveolens var. Nigra) CBS223.79 etc. can be mentioned.
[0013]
Examples of microorganisms belonging to the genus Trichosporonoides include, for example, Trichosporonoides oedocephalis, Trichosporonoides megachiliensis, Trichosporonoides spathulata ), Trichosporonoides nigrescens, and Trichosporonoides madida.
[0014]
Among these, preferable strains include, for example, Trichosporonoides oedocephalis CBS649.66, Trichosporonoides oedocephalis CBS568.85, Trichosporonoides megachiliensis (Trichosporonoides megachiliensis) ) CBS 567.85, Trichosporonoides megachiliensis ATCC 76718, Trichosporonoides megachiliensis SN-r96 (FERM BP-1431), Trichosporonoides megachiliensis ( Trichosporonoides megachiliensis MCI3369 (FERM BP-6172), Trichosporonoides madida CBS 240.79, Trichosporonoides nigrescens CBS 268.81, Trichosporonoides nigrescens CBS 269.81, Trichosporonoides spathulata CBS 241.79, Trichosporonoides spathulata CBS 241.81 Examples thereof include Spasula (Trichosporonoides spathulata) CBS 242.79A, Trichosporonoides spathulata CBS 242.79B, and the like.
[0015]
All of these strains have been internationally deposited at the Centraal Bureau voor Schimmelcultures (CBS) in the Netherlands, which is an international depositary organization, the American Type Culture Collection (ATCC) in the United States, and the Biotechnology Institute of Industrial Technology, the Industrial Technology Institute in Japan. Strains that are readily available to those skilled in the art.
[0016]
In the present invention, mutant strains obtained from these microorganisms by natural mutation, ultraviolet irradiation or mutation treatment with a mutation agent can also be used. Mutation treatment itself includes ultraviolet ray irradiation, X-ray irradiation, radiation irradiation, treatment of mutagen such as N-methyl-N′-nitro-nitrosoguanidine (NTG), gene modification, artificial mutation treatment such as cell fusion, etc. Any known and commonly used method may be used.
[0017]
Among the strains preferably used in the present invention, more preferred strains include Moniliella polynis MCI3371 strain and Trichosporonides megachiliensis MCI3369 strain.
[0018]
Among the above strains, the strain MCI3369 is a strain deposited at the Central Bureau voor Schimmelcultures as Trichosporonoides megachiliensis CBS567.85, with 30% glucose, The yeast extract was cultured in a medium of 1.5% at 30 ° C. for 2 days, the bacteria were collected and washed twice with physiological saline, and then NTG (N-methyl-N′-nitro-N-nitrosoguanidine) 500˜ Mutation treatment is performed in physiological saline containing 1000 μg / ml at 30 ° C. for 60 minutes, and then the cells are collected, suspended in a medium, and permeated at 30 ° C. to stabilize the mutation. It is a mutant obtained by spreading colonies on an agar medium with the same composition and selecting colonies from which bubbles do not appear.
[0019]
The MCI3371 strain is a mutant obtained by subjecting a strain deposited as Moniliella polinis CBS 461.67 to the Central Bureau voor Schimmelcultures in the same manner as described above. It is.
[0020]
The MCI3369 strain and the MCI3371 strain are deposited as FERM BP-6172 and FERM BP-6173 at the Institute of Biotechnology, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, respectively. The mycological properties of MCI3369 strain and MCI3371 strain are as follows.
[0021]
[MCI3369 strain]
The MCI3369 strain is white on a PDA (potato dextrose agar), initially white at 24 ° C., then an olive-grey color, and turns brown in an old culture for 2 weeks or more. The fungus grows fast and grows by yeast-like budding. Yeast-like cells initially appear colorless and later olive-brown. The vegetative mycelium is well developed, has a partition and branches, has a width of 2 to 3.8 μm, is initially colorless, and later thickens and turns brown. The development of aerial hyphae is thriving, and budding-type conidia are formed from the side of the aerial hyphae. The vegetative hyphae and aerial hyphae are cut into pieces to form segmental conidia. Segmental conidia are cylindrical to barrel-shaped, 3.6 to 25 μm × 2.2 to 4.3 μm, initially colorless, and then light brown. Budding type conidia are single or 3-4 chains. The conidia is an elongated oval, the size is 3.4-7.5 μm × 1.9-4.1 μm (average 6.5 ± 1.2 μm × 3.8 ± 0.6 μm), colorless at first, followed by olive It exhibits a dark brown color.
[0022]
The morphological characteristics of this strain (MCI3369) closely matched the characteristics of the reference strain of the parent strain, Trichosporonoides megachiliensis CBS567.85. Therefore, this strain was identified as Trichosporonoides megachiliensis.
[0023]
[MCI3371 strain]
The strain MCI3371 starts with 24 ° C. culture on PDA and turns white to yellowish white, yellowish after one week of the medium, and dark brown in older cultures. The fungus grows fast and grows by yeast-like budding. The budding cells initially have a thin, olive-brown color and later become thicker and more colored. The vegetative mycelium grows at the same time as the yeast-like budding. The vegetative mycelium has a septum and branches. Width 2 to 4.5 μm, initially colorless and later brown. The hyphae are cut into pieces to form segmental conidia, or form budding type conidia from the side surface or tip of the hyphae. Segmental conidia are cylindrical to barrel-shaped, 6 to 35 μm × 2.5 to 5.0 μm, initially colorless, and later brown. The budding type conidia is formed as a single or a chain of 2 to 3, oval to oval, or subspherical, and has a size of 4.7 to 9.4 μm × 3.1 to 5.6 μm ( (Average 6.8 ± 1.3 μm × 4.5 ± 0.6 μm), initially colorless and later olive-brown.
[0024]
This strain (MCI3371) has the dimorphism of segmental conidia and budding type conidia, and the budding type conidia is formed in an apical manner and is not formed synchronously. Based on these characteristics, the genus was searched according to the monograph of De Hoog & Hermanides-Nijhof (1977), and it was found that this strain belongs to the genus Moniliella. According to De Hoog (1979) “The Black yeasts, II: Moniliella and Allied Genera” Studies in Mycology No. 19, 1-90, the Moniliella genus is Moniliella suaveolens var. Suaveolens), Moniliella suaveolens var. nigra, Moniliella acetoabutens and Moniliella pollinis are known. These species and varieties are distinguished mainly by the morphological characteristics of budding-type conidia or segmental-type conidia. As a result of scrutinizing the morphological characteristics of this strain, this strain was in good agreement with the description of Moniliella pollinis. Therefore, this strain was identified as Moniliella pollinis.
[0025]
In the present invention, a medium containing calcium is used for culturing a microorganism having the ability to produce erythritol from fermentable carbohydrates. Components other than calcium are appropriately selected according to the microorganism to be used, and main components that are usually used are shown below.
[0026]
As the main carbon source, fermentable carbohydrates such as glucose, fructose, and glycerol are used. These can be used alone or in combination. The concentration used is not particularly limited, but it can be used within a range that does not inhibit the production of erythritol. A preferred concentration is in the range of 20% to 60% (W / V).
[0027]
As the nitrogen source of the medium, various organic and inorganic nitrogen compounds such as ammonia salt, urea, corn stapler and the like are used. As the inorganic salt, metal salts such as various phosphates, sulfates, magnesium, potassium, manganese and zinc are used. Moreover, the factor which accelerates | stimulates growth of microorganisms, such as a vitamin, a nucleotide, and an amino acid, can be added as needed. Moreover, in order to suppress foaming during culture, a commercially available antifoaming agent can be added.
[0028]
The calcium source added to the medium is not particularly limited as long as it is a calcium compound, and examples thereof include calcium chloride (CaCl 2 ), calcium hydroxide (Ca (OH) 2 ), calcium sulfate (CaSO 4 ) and the like. It is done.
[0029]
Further, the calcium source may be calcium contained in water used at the time of preparing the medium, and specifically, clean water containing calcium may be used for preparing the medium.
[0030]
In the present invention, regardless of the type of calcium source, it is sufficient that the medium contains calcium at a certain concentration or higher when the microorganism used in the present invention is cultured. The concentration of calcium is preferably 5 ppm or more, and more preferably 30 ppm or more. The upper limit of the calcium concentration is not particularly limited, but usually, when the concentration exceeds a certain level, the amount of erythritol produced reaches its peak, so it is not necessary to add more. Calculating the amount of erythritol produced by preparing multiple media with different calcium concentrations, cultivating microorganisms capable of producing erythritol, and cultivating microorganisms capable of producing erythritol in these media. Can be determined by
[0031]
When culturing, the cells may be directly inoculated into the medium from the slope culture, but it is desirable to inoculate the medium with a preculture obtained in advance by culturing for 1 to 4 days in a liquid medium.
[0032]
The culture conditions can be appropriately set according to the microorganism to be used, and the following conditions can be given when microorganisms belonging to the genus Moniliella or Trichosporonides are used.
[0033]
The pH of the medium is adjusted to 3 to 7, preferably 3 to 4.5 at the beginning of the culture. In culture in which pH can be controlled, it is desirable to adjust to 3 to 4.5 with acid or alkali during culture. The culture temperature is 25 ° C to 37 ° C, preferably 27 ° C to 37 ° C. The culture is preferably performed under aerobic conditions such as aeration and shaking.
[0034]
The culture time is desirably carried out until the main carbon source is consumed, and is usually carried out for 3 to 8 days.
[0035]
The amount of erythritol produced in the culture can be measured by a method such as gas chromatography or high performance liquid chromatography.
[0036]
The erythritol accumulated in the culture medium as described above is separated and purified from the culture according to a conventional method. Specifically, erythritol can be separated and purified by removing solids by centrifugation, filtration, etc., decolorizing and desalting with activated carbon and ion exchange resin, and crystallizing from the solution.
[0037]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. However, the present invention is not limited to the methods described below.
[0038]
In addition, the composition of the culture medium used for the following Examples and Comparative Examples is as shown in Table 1 or Table 2 below.
[0039]
[Table 1]
Figure 0004194152
[0040]
[Table 2]
Figure 0004194152
[0041]
[Example 1]
A 20 ml liquid culture medium containing 30% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C for 20 minutes. Moniliella pollinis MCI3371 strain (FERM BP-6173) was inoculated with 1 platinum ear and cultured with shaking at 35 ° C. for 3 days.
[0042]
Calcium chloride dihydrate (CaCl 2 · 2H 2 O)) is added to a 200 ml baffled flask containing 20 ml of the medium having the composition shown in Table 1 above so that the calcium concentration is 5 ppm, 15 ppm, 30 ppm, 60 ppm, and 120 ppm. Then, 0.5 ml of the seed culture solution was inoculated, and cultured with shaking at a temperature of 35 ° C. and a rotation speed of 240 rpm for 4 days. As a comparative experiment, the same culture was performed even in a medium to which calcium was not added. The concentration of erythritol (hereinafter sometimes abbreviated as “ERT”) and glycerin (hereinafter sometimes abbreviated as “GLY”) in the culture medium was measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 3.
[0043]
[Table 3]
Figure 0004194152
[0044]
[Example 2]
Culture was carried out in the same manner as in Example 1 except that calcium hydroxide (Ca (OH) 2 ) was added in the same concentration instead of calcium chloride dihydrate, and the concentrations of ERT and GLY in the culture solution were measured. did. The results are shown in Table 4.
[0045]
[Table 4]
Figure 0004194152
[0046]
[Example 3]
A 20 ml liquid culture medium containing 30% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C. for 20 minutes. Trichosporonoides megachiliensis MCI3369 strain (FERM BP-6172) was inoculated with 1 platinum ear and cultured with shaking at 35 ° C. for 3 days.
[0047]
Calcium chloride dihydrate (CaCl 2 · 2H 2 O) was added to a 200 ml baffled flask containing 20 ml of the medium having the composition shown in Table 1 above to a calcium concentration of 5 ppm, 15 ppm, 30 ppm, 60 ppm, and 120 ppm. Then, 0.5 ml of the above culture solution was inoculated and cultured with shaking at a temperature of 35 ° C. and a rotation speed of 240 rpm for 4 days. As a comparative experiment, the culture was performed under the same conditions even in a medium to which calcium was not added. The concentrations of ERT and GLY in the culture were measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 5.
[0048]
[Table 5]
Figure 0004194152
[0049]
[Example 4]
Culture was carried out in the same manner as in Example 3 except that calcium hydroxide (Ca (OH) 2 ) was added at the same concentration instead of calcium chloride dihydrate, and the concentrations of ERT and GLY in the culture solution were measured. did. The results are shown in Table 6.
[0050]
[Table 6]
Figure 0004194152
[0051]
[Example 5]
A 20 ml liquid culture medium containing 20% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C for 20 minutes. One platinum ear of the Trichosporonoides oedocephalis strain CBS649.66 was inoculated and cultured with shaking at 30 ° C. for 3 days. Calcium chloride dihydrate (CaCl 2 · 2H 2 O) was added to a 200 ml flask containing 20 ml of the medium having the composition shown in Table 1 so that the calcium concentration was 15 ppm and 30 ppm, and the above seed culture solution was added to a concentration of 0. 5 ml was inoculated and cultured with shaking at a temperature of 30 ° C. and a rotation speed of 160 rpm for 4 days. As a comparative experiment, a culture without calcium was also cultured under the same conditions. The concentrations of ERT and GLY in the culture were measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 7.
[0052]
[Table 7]
Figure 0004194152
[0053]
[Example 6]
Culturing was carried out under the same conditions as in Example 5 except that Trichosporonoides megachiliensis CBS567.85 was used instead of CBS649.66, and the concentrations of ERT and GLY in the culture were changed. It was measured. The results are shown in Table 8.
[0054]
[Table 8]
Figure 0004194152
[0055]
[Example 7]
Culturing was performed under the same conditions as in Example 5 except that Trichosporonoides nigrescens CBS268.81 was used instead of CBS649.66, and the concentrations of ERT and GLY in the culture were measured. . The results are shown in Table 9.
[0056]
[Table 9]
Figure 0004194152
[0057]
[Example 8]
A 20 ml liquid culture medium containing 30% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C. for 20 minutes. Trichosporonoides megachiliensis MCI3369 strain (FERM BP-6172) was inoculated with 1 platinum ear and cultured with shaking at 35 ° C. for 3 days. Prepare media with the composition shown in Table 1 in deionized water and clean water (containing 18 ppm of calcium), dispense 20 ml each into a 200 ml baffled flask, and inoculate 0.5 ml of the above seed culture solution. Then, the cells were cultured with shaking at a temperature of 35 ° C. and a rotation speed of 240 rpm for 4 days. The concentrations of ERT and GLY in the culture were measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 10.
[0058]
[Table 10]
Figure 0004194152
[0059]
[Example 9]
A 20 ml liquid culture medium containing 30% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C. for 20 minutes. Moniliella pollinis MCI3371 strain (FERM BP-6173) was inoculated with 1 platinum ear and cultured with shaking at 35 ° C. for 3 days. Next, calcium chloride dihydrate (CaCl 2 .2H 2 O) was added to the medium having the composition shown in Table 2 so that the calcium concentration was 30 ppm, and 600 ml thereof was placed in a 1 liter fermenter. The culture was inoculated into a 10 ml fermentor and cultured for 4 days under conditions of a temperature of 35 ° C., an aeration rate of 0.5 vvm, and a rotation speed of 800 rpm. During the cultivation, the pH was controlled at 3.8 to 4.0 with 5N sodium hydroxide (NaOH). The concentrations of glucose (hereinafter sometimes abbreviated as “GLU”), ERT, and GLY in the culture broth were measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 11.
[0060]
[Table 11]
Figure 0004194152
[0061]
[Comparative Example 1]
The medium was cultured under the same conditions as in Example 9 except that calcium was not added to the medium, and the concentrations of GLU, ERT and GLY in the culture were measured. The results are shown in Table 12.
[0062]
[Table 12]
Figure 0004194152
[0063]
[Example 10]
A 20 ml liquid culture medium containing 30% glucose (W / V) and 1% yeast extract (Asahi Breweries) was placed in a 200 ml Erlenmeyer flask with cotton plug and sterilized at 120 ° C. for 20 minutes. One platinum ear of the Trichosporonoides megachiliensis CBS567.85 strain was inoculated and cultured with shaking at 35 ° C. for 3 days. Next, a medium having the composition shown in Table 2 was prepared with clean water (containing 18 ppm of calcium), and 600 ml thereof was placed in a 1 liter fermenter. The culture was inoculated into a 10 ml fermentor and cultured for 4 days under conditions of a temperature of 35 ° C., an aeration rate of 0.5 vvm, and a rotation speed of 800 rpm. During the cultivation, the pH was controlled at 3.8 to 4.0 with 5N sodium hydroxide (NaOH). The concentrations of GLU, ERT, and GLY during the culture were measured by high performance liquid chromatography. The results are shown in Table 13.
[0064]
[Table 13]
Figure 0004194152
[0065]
[Comparative Example 2]
The medium was prepared under the same conditions as in Example 10 except that deionized water was used instead of clean water, and the concentrations of GLU, ERT, and GLY in the culture were measured. The results are shown in Table 14.
[0066]
[Table 14]
Figure 0004194152
[0067]
Example 11
In Example 5, the cells were cultured under the same conditions except that Trichosporonoides madida CBS 240.79 was used as a strain, and the concentrations of ERT and GLY in the culture solution were measured. The results are shown in Table 15.
[0068]
[Table 15]
Figure 0004194152
[0069]
Example 12
In Example 5, the same procedure was used except that Moniliella suaveolens var. Nigra CBS 223.79 was used as the strain, and the glucose of the medium having the composition shown in Table 1 was changed to 20% (W / V). Culturing was performed under conditions, and the concentrations of ERT and GLY in the culture were measured. The results are shown in Table 16.
[0070]
[Table 16]
Figure 0004194152
[0071]
Example 13
In Example 5, Trichosporonoides megachiliensis (Trichosporonoides megachiliensis) SN-r96 (FERM BP-1431) was used as the strain, and the glucose of the medium having the composition shown in Table 1 was adjusted to 20% (W / V). The culture was carried out under the same conditions, and the concentrations of ERT and GLY in the culture were measured. The results are shown in Table 17.
[0072]
[Table 17]
Figure 0004194152
[0073]
Example 14
In Example 5, the cells were cultured under the same conditions except that Trichosporonoides spathulata CBS 241.81 was used as a strain, and the concentrations of ERT and GLY in the culture were measured. The results are shown in Table 18.
[0074]
[Table 18]
Figure 0004194152
[0075]
Example 15
In Example 5, culture was performed under the same conditions except that Moniliella acetoabutens CBS 170.66 was used as a strain, and the concentrations of ERT and GLY in the culture solution were measured. The results are shown in Table 19.
[0076]
[Table 19]
Figure 0004194152
[0077]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, not only can erythritol be efficiently produced using an inexpensive raw material such as calcium or clean water, but also the industrial cost of reducing purification costs by reducing by-products such as glycerin, and shortening the culture time. A process that is advantageous to

Claims (3)

エリスリトール生産能を有するモニリエラ属又はトリコスポロノイデス属に属する微生物を、5〜120ppmの濃度のカルシウムを含有する培地で培養してエリスリトールを生成させ、その培養物からエリスリトールを採取することによりなるエリスリトールの製造方法。Erythritol produced by culturing a microorganism belonging to the genus Moniliella or Trichosporonoides having the ability to produce erythritol in a medium containing calcium at a concentration of 5 to 120 ppm to produce erythritol, and collecting erythritol from the culture Manufacturing method. モニリエラ属に属する微生物が、モニリエラ・ポリニス、モニリエラ・アセトアブテンス又はモニリエラ・スアベオレンスから選ばれる微生物である請求項1に記載の製造方法。 The production method according to claim 1, wherein the microorganism belonging to the genus Moniliella is a microorganism selected from Moniliella polynis, Moniliella acetoabtens or Moniliella suaveorens. トリコスポロノイデス属に属する微生物が、トリコスポロノイデス・エドセファリス、トリコスポロノイデス・メガチリエンシス、トリコスポロノイデス・スパスラータ、トリコスポロノイデス・ニグレッセンス又はトリコスポロノイデス・マジダから選ばれる微生物である請求項1に記載の製造方法。 Microorganisms belonging to the genus Trichosporonoides selected from Trichosporonoides edcephalis, Trichosporonoides megachiriensis, Trichosporonoides spaslaters, Trichosporonoides nigrescens or Trichosporonoides majida The manufacturing method according to claim 1.
JP34523698A 1997-12-04 1998-12-04 Method for producing erythritol Expired - Lifetime JP4194152B2 (en)

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