JP4192890B2 - ハイブリッド車のモード遷移制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車のモード遷移制御装置に関する。
従来、共線図上に4つの入出力要素が配列される4要素2自由度の遊星歯車機構を構成し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結したハイブリッド駆動装置が知られている。この駆動装置を搭載したハイブリッド車は、走行モードとして、駆動源の違いにより、モータジェネレータのみを駆動源とする電気自動車走行モードと、エンジンとモータジェネレータを駆動源とするハイブリッド車走行モードと、を持つ。そして、両走行モードにおいて、変速比の違いにより、無段変速比を得る無段変速比モードと、固定変速比を得る固定変速比モードと、を有する(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−32808号公報
上記従来のハイブリッド車において、無段変速比モードから固定変速比モードへのモード遷移時、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結に伴うショックを発生せないため、2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロとなるように変速比制御した後、摩擦締結要素を締結するモード遷移制御が行われる。
しかしながら、このモード遷移制御において、摩擦締結要素の締結が開始されると直ちにモータのトルクを抜く制御を行うと、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達せず、摩擦締結要素が滑る。その結果、滑りにより摩擦締結要素で発熱を生じると共に、目標駆動力通りの駆動力を発生させることができず、車両の加減速ショックや違和感を乗員に与える可能性がある。
一方、モード遷移制御において、摩擦締結要素の締結が開始された後、十分にトルク容量が上がったにもかかわらず、モータのトルクを出力し続ける制御を行うと、モータが無駄に電力を消費すると共に、ゼロ回転近傍ではモータの発熱が多く、冷却を含めた損失が大きい。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、無段変速比モードから固定変速比モードへのモード遷移時、摩擦締結要素を締結する際の発熱を抑制しながら、車両の加減速ショックや違和感の防止とモータ損失の抑制との両立を図ることができるハイブリッド車のモード遷移制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明では、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように前記モータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けた。
また第2の発明では、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けた。
また第3の発明では、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御手段を設けた。
よって、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、無段変速比モードから固定変速比モードへのモード遷移時、モード遷移制御手段において、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結が開始され、この摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力が維持される。そして、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力が停止される。すなわち、モータの回転数がゼロ近傍の設定値以下になるまでは摩擦締結要素の締結を開始しないため、回転差がある状態で摩擦締結要素を締結する際の発熱を抑制できる。また、摩擦締結要素の締結が開始されても摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力が維持されるため、摩擦締結要素の滑りが抑えられ目標駆動力通りの駆動力を発生できる。さらに、摩擦締結要素のトルク容量が、モータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するため、モータの無駄な電力消費が無く、冷却を含めたモータ損失が抑えられる。この結果、無段変速比モードから固定変速比モードへのモード遷移時、摩擦締結要素を締結する際の発熱を抑制しながら、車両の加減速ショックや違和感の防止とモータ損失の抑制との両立を図ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例5に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系の構成を説明する。
図1は実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(モータ)と、第2モータジェネレータMG2(モータ)と、出力軸OUT(駆動出力部材)と、これらの入出力要素E,MG1,MG2,OUTが連結される差動装置(第1遊星歯車PG1、第2遊星歯車PG2、第3遊星歯車PG3)を有する駆動力合成変速機と、を備えている。
そして、選択された走行モードに応じ後述する油圧制御装置5からの制御油圧により締結・解放が制御される摩擦締結要素としては、ハイクラッチHC(第1クラッチ)と、エンジンクラッチEC(第2クラッチ)と、シリーズクラッチSCと、モータジェネレータクラッチMGCと、ローブレーキLB(第1ブレーキ)と、ハイローブレーキHLB(第2ブレーキ)と、を備えている。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度などが制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、永久磁石を埋設したロータと、ステータコイルが巻き付けられたステータと、を有する同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流をそれぞれのステータコイルに印加することにより独立に制御される。
前記差動装置としての第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3は、何れも2自由度3要素のシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギヤR3と、によって構成されている。
前記第1サンギヤS1と前記第2サンギヤS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギヤR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギヤR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
前記差動装置の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTと各係合要素LB,HC,HLB,EC,SC,MGCの連結関係について説明する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。また、エンジンクラッチEC及びシリーズクラッチSCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。つまり、前記エンジンEと第1モータジェネレータMG1とは、シリーズクラッチSCを介して連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2)の順に配列され、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(第1遊星歯車PG1のレバー(1)、第2遊星歯車PG2のレバー(2)、第3遊星歯車PG3のレバー(3))を導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリア、サンギヤ等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比(α、β、δ)になるように配置したものである。
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりハイ側変速比を分担する「2速固定変速比モード」と「ハイ側無段変速比モード」と「ハイギヤ固定変速比モード」を実現する。
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを、エンジン入力回転要素である第3回転メンバM3(PC2,R3)に入力する。
前記シリーズクラッチSCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する位置に配置され、締結によりエンジンEと第1モータジェネレータMG1とを連結する。
前記モータジェネレータクラッチMGCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2を連結する位置に配置され、第1モータジェネレータMG1と第2リングギヤR2との締結解除を行う。
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、締結によりロー側変速比を分担する「ローギヤ固定変速比モード」と「ロー側無段変速比モード」を実現する。
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図6の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、図2及び図3の共線図に示すように、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側の「ローギヤ固定変速比モード」とし、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側の「ハイギヤ固定変速比モード」とする。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、第2リングギヤ回転数センサ13と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した3相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令に基づいて、ハイクラッチHCと、エンジンクラッチECと、シリーズクラッチSCと、モータジェネレータクラッチMGCと、ローブレーキLBと、ハイローブレーキHLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第3リングギヤ回転数センサ12からの駆動力合成変速機入力回転数Ni等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
走行モードとしては、ローギヤ固定変速比モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速比モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定変速比モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速比モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定変速比モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
前記5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータージェネレータMG1,MG2のみで走行する電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータージェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。
よって、図2(EVモード関連の5つの走行モード)及び図3(HEVモード関連の5つの走行モード)に示すように、「EVモード」と「HEVモード」とを合わせると「10の走行モード」が実現されることになる。
ここで、図2(a)は「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)は「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)は「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)は「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)は「EV-Highモード」の共線図である。また、図3(a)は「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)は「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)は「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)は「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)は「HEV-Highモード」の共線図である。
前記「Lowモード」は、図2(a)及び図3(a)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるローギヤ固定変速比モードである。
前記「Low-iVTモード」は、図2(b)及び図3(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるロー側無段変速比モードである。
前記「2ndモード」は、図2(c)及び図3(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られる2速固定変速比モードである。
前記「High-iVTモード」は、図2(d)及び図3(d)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイ側無段変速比モードである。
前記「Highモード」は、図2(e)及び図3(e)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結し、シリーズクラッチSCを解放し、モータジェネレータクラッチMGCを締結することで得られるハイギヤ固定変速比モードである。
そして、前記「10の走行モード」のモード遷移制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、例えば、図4に示すような前記「10の走行モード」を割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両走行時等においては、要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cの各検出値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードが選択される。なお、図4は三次元走行モードマップをバッテリS.O.Cが充分な容量域のある値で切り取ることにより、要求駆動力Fdrvと車速VSPとの二次元によりあらわした走行モードマップの一例である。
さらに、シリーズクラッチSCとモータジェネレータクラッチMGCとを採用したことに伴い、上記「10の走行モード」に加え、図5に示すように、発進時等で選択されるシリーズローギヤ固定変速比モード(以下、「S-Lowモード」という。)が追加される。この「S-Lowモード」は、ローブレーキLBとハイローブレーキHLBを締結し、エンジンクラッチECとハイクラッチHCとモータジェネレータクラッチMGCを解放し、シリーズクラッチSCを締結することで得られる。
つまり、上記「10の走行モード」はパラレル型ハイブリッド車としての走行モードであるが、シリーズローギヤ固定変速比モードである「S-Lowモード」については、図6に示すように、エンジンEと第1モータジェネレータMG1とを共線図から切り離し、エンジンEにより第1モータジェネレータMG1を駆動して発電し、該第1モータジェネレータMG1による発電電力を受け入れて充電するバッテリ4と、該バッテリ4の充電電力を用いて第2モータジェネレータMG2を駆動するというシリーズ型ハイブリッド車としての走行モードということができる。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、図5に示すように、エンジンEの始動・停止と、エンジンクラッチECを締結・解放する制御が実行される。また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、図5に示すON/OFF作動表にしたがって行われる。
前記「HEVモード」のうち、無段変速比モードから固定変速比モードへのモード遷移パターンとしては、
(1)「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へモード遷移する際には、ローブレーキLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロとなるように変速比を制御して、ローブレーキLBを締結する。
(2)「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」
「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」へモード遷移する際には、ハイローブレーキHLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第1モータジェネレータ回転数N1がゼロとなるように変速比を制御して、ハイローブレーキHLBを締結する。
(3)「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へモード遷移する際には、ハイクラッチHC(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロとなるように変速比を制御して、ハイクラッチHCを締結する。
(4) 「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」
「HEV-High-iVTモード」から「HEV-Highモード」へモード遷移する際には、ハイローブレーキHLB(摩擦締結要素)の締結時にショックを発生させないために、第1モータジェネレータ回転数N1がゼロとなるように変速比を制御して、ハイローブレーキHLBを締結する。
との4つのモード遷移パターンを有する。
前記統合コントローラ6には、上記4つのパターンのモード遷移時、変速比制御により2つのモータジェネレータMG1,MG2のうち一方のモータジェネレータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータジェネレータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御部(モード遷移制御手段)を有する。このモード遷移制御部は、前記摩擦締結要素の締結開始からのトルク容量を推定し、該トルク容量推定値が、摩擦締結要素のみでケース固定するのに十分な必要容量となったら、前記モータジェネレータのトルク出力を停止する。
次に、作用を説明する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図7に示す実施例1のタイムチャートを用いて説明する。
時刻t2以前は、「モード5」であり、「モード5」の制御則を用いて、ローブレーキLBの回転差がゼロに向かうよう変速を行う。時刻t2〜t4の間は、遷移過渡フェーズであり、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を協調制御して、ローブレーキLBの締結処理を行う。時刻t4以降は、「モード4」であり、「モード4」の制御則を用いて、駆動力制御を行う。
以下、「モード5」、「遷移過渡フェーズ」、「モード4」で行う制御を順に説明する。まず、「モード5」について説明する。
「モード5」の制御則は次式であらわされる。
T1=k11ui+k12To+k13Te …(1)
T2=k21ui+k22To+k23Te+Tb …(2)
ここで、k11,k12,k13,k21,k22,k23は制御ゲイン、Toは目標駆動力、uiは目標変速速度、Teはエンジントルク、Tbはローブレーキトルクである。また、ローブレーキLBは、締結を開始していないので、Tb=0とする。目標変速速度uiは、目標変速比を達成するように、例えば、PI制御器等を用いて、目標回転数と実回転数との偏差から演算すると良い。
第1モータジェネレータトルクT1と、第2モータジェネレータトルクT2は、式(1),(2)を用いて、目標駆動力To、変速速度uiから算出する。
時刻t1は、運転者のアクセル操作や車両状態(バッテリS.O.C、車速)等から、「モード4」への遷移指令が出された時刻である。時刻t1以降では、熱やショックを減らすために、ローブレーキLBの回転差がゼロに収束するように変速する。
時刻t2は、第2モータジェネレータMG2の回転数N2が、ゼロ回転近傍の設定回転数Naとなった時刻であり、ローブレーキLBの締結を開始して遷移過渡フェーズに移行する。時刻t2でローブレーキLBのトルク容量の推定を開始すると共に、これによる補正を含めた、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2、ローブレーキLBのトルクの協調制御を開始する。なお、前記設定回転数Naは、ゼロ回転近傍に設定されているため、ローブレーキLBの発熱を抑制することができる。
次に、「遷移過渡フェーズ」について説明する。
「遷移過渡フェーズ」は、時刻t2〜t3と時刻t3〜t4の2つのフェーズに分けて行う。時刻t2〜t3においては、時刻t1〜t2と同様に、第2モータジェネレータ回転数N2がゼロに収束するように、式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出する。ただし、「モード5」と異なり、Tb=0ではないので、推定するローブレーキトルクTbで、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を補正する。
ローブレーキトルクTbの推定は、滑っているときのローブレーキトルクTbはトルク容量に等しく、トルク容量は油圧に比例するので、予め実験等で求めた、指令値に対する実油圧の応答に基づくフィルタ等を用いることで、指令値に対して実油圧の応答遅れがあっても、精度良くローブレーキトルクTbを推定できる。
しかし、時刻t3以降、ローブレーキLBの回転差がゼロの状態では、ローブレーキLBに作用するトルクは、トルク容量を上限とする伝達トルク(ローブレーキLBが完全締結しているときの内部応力)であるので、推定が困難である。よって、上記式(1),(2)を使い続けていると、ローブレーキトルクTbのズレが大きくなる可能性がある。このズレにより、駆動力等の制御性も悪化する可能性がある。
そこで、時刻t3以降では、ローブレーキの回転差がゼロであることを前提として、ローブレーキトルクTbを無視して考えられる「モード4」の制御則を用いて、第1モータジェネレータトルクT1を演算する。「モード4」の制御則は、次式で表される。
T1=k1To+k2Te …(3)
ここで、k1,k2は制御ゲインである。ただし、ローブレーキLBの回転差がゼロであっても、十分な油圧が立ち上がっていない可能性があるので、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te …(4)
ここで、式(4)は、上記式(1)において、変速速度uiにゼロを代入した式であり、この式(4)から第2モータジェネレータトルクT2を算出する。この第2モータジェネレータトルクT2のおかげで、時刻t3の時点で、ローブレーキLBが締結するのに十分な油圧になっていなくても、ローブレーキLBが滑ることがないので、「モード4」の制御則で目標駆動力を達成でき、車両の加減速ショックや違和感をより確実に抑えることができる。そして、時刻t4で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
最後に、「モード4」について説明する。
「モード4」では、「モード4」の制御則、すなわち、上記式(3)を用いて、目標駆動力を実現するように、第1モータジェネレータトルクT1を決定する。
また、例えば、外乱オブザーバ等で、ローブレーキトルクTbを推定すると、回転差がゼロbになった後でのローブレーキトルクTbの推定精度を上げられるので、時刻t3〜t4でも、式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を演算しても良い。
また、式(1)で時刻t3〜t4で、ローブレーキトルクTbがTb=0となるように制御できるならば、Tb=0とて、時刻t3〜t4でも式(1),(2)を用いて第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を演算しても良い。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 動力源としてエンジンEと少なくとも2つのモータジェネレータMG1,MG2を有し、これらのエンジンE及びモータジェネレータMG1,MG2と駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、「無段変速比モード」から「固定変速比モード」へのモード遷移時、変速比制御により2つのモータジェネレータMG1,MG2のうち一方のモータジェネレータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、「固定変速比モード」にて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータジェネレータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御部を有するため、「無段変速比モード」から「固定変速比モード」へのモード遷移時、摩擦締結要素を締結する際の発熱を抑制しながら、車両の加減速ショックや違和感の防止とモータ損失の抑制との両立を図ることができる。
(2) 前記モード遷移制御部は、前記摩擦締結要素の締結開始からのトルク容量を推定し、該トルク容量推定値が、摩擦締結要素のみでケース固定するのに十分な必要容量となったら、前記モータジェネレータのトルク出力を停止するため、摩擦締結要素のトルク容量が十分になるまではモータジェネレータのトルク出力を維持する制御となり、摩擦締結要素の滑りによる車両の加減速ショックや違和感を確実に抑制することができる。
(3) 前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3により構成し、前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを第1回転メンバM1により直結し、第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とを第2回転メンバM2により直結し、第2ピニオンキャリアPC2と第3リングギヤR3とを第3回転メンバM3により直結し、前記第1回転メンバM1と前記第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギヤR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有し、前記第1回転メンバM1に、第2モータジェネレータMG2を連結し、前記第3回転メンバM3に、エンジンクラッチECを介してエンジンEを連結すると共にエンジンクラッチEC及びシリーズクラッチSCを介して第1モータジェネレータMG1を連結し、前記第1ピニオンキャリアPC1に、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2を連結すると共にローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結し、前記第2リングギヤR2に、モータジェネレータクラッチMGCを介して第1モータジェネレータMG1を連結すると共にハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結し、前記第3ピニオンキャリアPC3に、前記駆動出力軸OUTを連結したため、「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」、「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」、「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」、「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」、の4つのモード遷移パターンにおいて、(1),(2)に記載した効果を享受することができる。
実施例2は、モータジェネレータは、摩擦締結要素のトルク容量の増加に応じ、摩擦締結要素が滑らない範囲でトルクを減少させるモード遷移制御を行う例である。
すなわち、実施例2のハイブリッド車のモード遷移制御装置では、統合コントローラ6に、摩擦締結要素の締結開始からモータジェネレータの回転数がゼロとなった後の遷移過渡フェーズにおいて、前記摩擦締結要素のトルク容量を徐々に増加させ、前記モータジェネレータは、摩擦締結要素のトルク容量の増加に応じ、摩擦締結要素が滑らない範囲でトルクを減少させるモード遷移制御部を有する。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に作用を説明する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図8に示す実施例2のタイムチャートを用いて説明する。
時刻t2以前は、「モード5」であり、「モード5」の制御則を用いて、ローブレーキLBの回転差がゼロに向かうよう変速を行う。時刻t2〜t4の間は、遷移過渡フェーズであり、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を協調制御して、ローブレーキLBの締結処理を行う。時刻t4以降は、「モード4」であり、「モード4」の制御則を用いて、駆動力制御を行う。
なお、「モード5」と、「遷移過渡フェーズ」の時刻t2〜t3の間と、「モード4」とは、実施例1と同じ制御を行うので説明は省略し、「遷移過渡フェーズ」の時刻t3〜t4で行う制御を以下説明する。
時刻t3以降では、第1モータジェネレータトルクT1は、実施例1と同様にして、式(3)で表される「モード4」の制御則を用いて算出する。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te−Tb …(5)
ここで、式(5)は、上記式(4)の右辺からローブレーキトルクTbを減じた式であり、この式(5)から第2モータジェネレータトルクT2を算出する。この第2モータジェネレータトルクT2のおかげで、ローブレーキLbの油圧立ち上がり遅れなどにより、ローブレーキLBを締結するのに不足する締結力を、第2モータジェネレータトルクT2が補うので、ローブレーキLBが滑ることがなくなる。よって、「モード4」の制御則で目標駆動力を達成でき、車両の加減速ショックや違和感をより確実に抑えることができる。また、ローブレーキLBのトルク容量の上昇に応じて、第2モータジェネレータトルクT2を減らすので、第2モータジェネレータMG2の発熱量を抑制できる。そして、時刻t4で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 前記モード遷移制御部は、摩擦締結要素の締結開始からモータジェネレータの回転数がゼロとなった後の遷移過渡フェーズにおいて、前記摩擦締結要素のトルク容量を徐々に増加させ、前記モータジェネレータは、摩擦締結要素のトルク容量の増加に応じ、摩擦締結要素が滑らない範囲でトルクを減少させるため、摩擦締結要素の滑りを抑えながらも遷移過渡フェーズを早期タイミングにて終了することができ、これにより、モータジェネレータの発熱量を抑制できると共に、摩擦締結要素の滑りによる車両の加減速ショックや違和感を抑制することができる。
実施例3は、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように回転数をゼロにするモータジェネレータのトルクを補正するモード遷移制御を行う例である。
すなわち、実施例3のハイブリッド車のモード遷移制御装置では、統合コントローラ6に、摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように回転数をゼロにするモータジェネレータのトルクを補正するモード遷移制御部を有する。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に作用を説明する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図9に示す実施例3のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際に、ローブレーキLBのトルク容量を実トルク容量よりも大きく推定したため、第2モータジェネレータトルクT2が締結力を補うのに不足して、ローブレーキLBが滑ってしまった場合を例にとる。
時刻t2以前は、「モード5」であり、「モード5」の制御則を用いて、ローブレーキLBの回転差がゼロに向かうよう変速を行う。時刻t2〜t4の間は、遷移過渡フェーズであり、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を協調制御して、ローブレーキLBの締結処理を行う。時刻t4以降は、「モード4」であり、「モード4」の制御則を用いて、駆動力制御を行う。
なお、「モード5」と、「遷移過渡フェーズ」の時刻t2〜t3の間と、「モード4」とは、実施例1または実施例2と同じ制御を行うので説明は省略し、「遷移過渡フェーズ」の時刻t3〜t5で行う制御を以下説明する。
時刻t3以降では、第1モータジェネレータトルクT1は、実施例1と同様にして、式(3)で表される「モード4」の制御則を用いて算出する。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、式(5)を用いて演算する。しかし、ローブレーキトルクTbの推定値が実トルクより大きく推定しまったために、ローブレーキLBが滑り出してしまっている。ローブレーキLBの滑りを検知したら、第2モータジェネレータトルクT2は、次式を用いて演算する。
T2=k22To+k23Te−Tb+Th …(6)
ここで、式(6)は、上記式(5)の右辺からローブレーキLBの滑りを減少させるための補正項Thを右辺に足したものである。補正項Thは、例えば、ローブレーキLBの回転差から、P制御器等を用いて演算すると良い。
時刻t4では、ローブレーキLBの回転差がほぼゼロとなったので、式(3)と式(5)を用いて実施例2と同様に、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出する。そして、時刻t5で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
次に、効果を説明する。
実施例3のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記モード遷移制御部は、摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように回転数をゼロにするモータジェネレータのトルクを補正するため、遷移過渡フェーズにおいて摩擦締結要素に滑りが発生しても、モータジェネレータのトルクにより摩擦締結要素の滑りが抑えられ、目標駆動力とのズレ発生を抑制することができる。
実施例4は、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように両モータジェネレータのトルクを補正するモード遷移制御を行う例である。
すなわち、実施例4のハイブリッド車のモード遷移制御装置では、統合コントローラ6に、摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータジェネレータMG1,MG2のトルクを補正するモード遷移制御部を有する。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に作用を説明する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図10に示す実施例4のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際に、ローブレーキLBのトルク容量を実トルク容量よりも大きく推定したため、ローブレーキLBが滑ってしまった場合を例にとる。
時刻t2以前は、「モード5」であり、「モード5」の制御則を用いて、ローブレーキLBの回転差がゼロに向かうよう変速を行う。時刻t2〜t4の間は、遷移過渡フェーズであり、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を協調制御して、ローブレーキLBの締結処理を行う。時刻t4以降は、「モード4」であり、「モード4」の制御則を用いて、駆動力制御を行う。
なお、「モード5」と、「遷移過渡フェーズ」の時刻t2〜t3の間と、「モード4」とは、実施例2と同じ制御を行うので説明は省略し、「遷移過渡フェーズ」の時刻t3〜t5で行う制御を以下説明する。
時刻t3以降では、実施例2と同様にして、式(3)で表される「モード4」の制御則を用いて、第1モータジェネレータトルクT1を演算する。
また、ローブレーキLBが十分なトルク容量になるまでは、第2モータジェネレータトルクT2は、式(5)を用いて演算する。しかし、ローブレーキトルクTbの推定値が実トルクより大きく推定しまったために、ローブレーキLBが滑り出してしまっている。ローブレーキLBの滑りを検知したら、変速制御が可能な、式(1),(2)に示す制御則に戻して、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出し、第2モータジェネレータ回転数N2をゼロに収束させる。
時刻t4では、ローブレーキLBの回転差がほぼゼロとなったので、式(3)と式(5)を用いて実施例2と同様に、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出する。そして、時刻t5で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
次に、効果を説明する。
実施例4のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記モード遷移制御部は、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータジェネレータMG1,MG2のトルクを補正するため、遷移過渡フェーズにおいて摩擦締結要素に滑りが発生しても、両モータジェネレータMG1,MG2のトルクにより摩擦締結要素の滑りが抑えられ、目標駆動力とのズレ発生を抑制することができる。
実施例5は、モータジェネレータのトルク補正によっても摩擦締結要素の滑りを抑制できない場合、目標駆動力を減少させるモード遷移制御を行う例である。
すなわち、実施例5のハイブリッド車のモード遷移制御装置では、統合コントローラ6に、摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、モータジェネレータのトルク補正によっても摩擦締結要素の滑りを抑制できない場合、目標駆動力を減少させるモード遷移制御部を有する。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に作用を説明する。
「HEV-High-iVTモード(以下、「モード5」という。)」から「HEV-2ndモード(以下、「モード4」という。)」へのモード遷移を代表例とし、モード遷移制御作用を図11に示す実施例5のタイムチャートを用いて説明する。この例では、「モード5」から「モード4」へ遷移する際、時刻t3において、第2モータジェネレータMG2が発熱等により、十分なトルクを出力できない場合を例にとる。
時刻t2以前は、「モード5」であり、「モード5」の制御則を用いて、ローブレーキLBの回転差がゼロに向かうよう変速を行う。時刻t2〜t4の間は、遷移過渡フェーズであり、エンジンE、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2を協調制御して、ローブレーキLBの締結処理を行う。時刻t4以降は、「モード4」であり、「モード4」の制御則を用いて、駆動力制御を行う。
なお、「モード5」と、「遷移過渡フェーズ」の時刻t2〜t3の間と、「モード4」とは、実施例1,2と同じ制御を行うので説明は省略し、「遷移過渡フェーズ」の時刻t3〜t4で行う制御を以下説明する。
時刻t3以降、第2モータジェネレータMG2が発熱等により、ローブレーキLBの回転差をゼロにし続けるトルクを出力できない場合は、ローブレーキLBが滑り出してしまうので、駆動力が変動し、車両の加減速に違和感を生じる。そこで、第2モータジェネレータMG2の出力可能なトルクと第1モータジェネレータMG2のトルク容量から、目標駆動力を実現可能な範囲に引き下げる。これにより、ローブレーキLBが滑らなくなるので、「モード4」の制御則で目標駆動力が達成でき、車両の加減速のショックや違和感を抑えることができる。
時刻t4以降では、式(3)と式(5)を用いて実施例1,2と同様に、第1モータジェネレータトルクT1と第2モータジェネレータトルクT2を算出する。そして、時刻t5で十分な油圧になったと判断したら、第2モータジェネレータトルクT2をゼロにして「モード4」の制御則へ移行する。
次に、効果を説明する。
実施例5のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、実施例1,2の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記モード遷移制御部は、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、モータジェネレータのトルク補正によっても摩擦締結要素の滑りを抑制できない場合、目標駆動力を減少させるため、モータジェネレータが発熱等により、十分なトルクを出力できない場合等においても、摩擦締結要素の滑りが抑えられ、滑りによる車両の加減速のショックを抑制することができる。
以上、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置を実施例1〜実施例5に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1〜5では、「無段変速比モード」から「固定変速比モード」へのモード遷移例として、「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へのモード遷移の場合について説明したが、「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-Lowモード」へのモード遷移の場合、「HEV-Low-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へのモード遷移の場合、「HEV-High-iVTモード」から「HEV-2ndモード」へのモード遷移の場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
実施例1〜5のモード遷移制御装置は、3つのシングルピニオン型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機を搭載したハイブリッド車への適用例を示したが、例えば、特開2003−32808号公報等に記載されているようにラビニョウ型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機を搭載したハイブリッド車にも適用することができる。さらに、動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、少なくとも1つの「無段変速比モード」と「固定変速比モード」とを有する他のハイブリッド車にも適用することができる。
実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 実施例1のモード遷移制御装置を搭載したハイブリッド車において電気自動車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1のモード遷移制御装置を搭載したハイブリッド車においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1のモード遷移制御装置を搭載したハイブリッド車において走行モードの選択に用いられる走行モードマップの一例を示す図である。 実施例1のモード遷移制御装置を搭載したハイブリッド車において「10の走行モード」でのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキ・シリーズクラッチ・モータジェネレータクラッチの作動表である。 実施例1のモード遷移制御装置を搭載したハイブリッド車において各係合要素との関係を示す共線図である。 実施例1の統合コントローラにて実行されるモード遷移制御作用を示すタイムチャートである。 実施例2の統合コントローラにて実行されるモード遷移制御作用を示すタイムチャートである。 実施例3の統合コントローラにて実行されるモード遷移制御作用を示すタイムチャートである。 実施例4の統合コントローラにて実行されるモード遷移制御作用を示すタイムチャートである。 実施例5の統合コントローラにて実行されるモード遷移制御作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ(モータ)
MG2 第2モータジェネレータ(モータ)
OUT 駆動出力軸(駆動出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
HC ハイクラッチ(第1クラッチ)
EC エンジンクラッチ(第2クラッチ)
SC シリーズクラッチ
MGC モータジェネレータクラッチ
LB ローブレーキ(第1ブレーキ)
HLB ハイローブレーキ(第2ブレーキ)
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ
13 第2リングギヤ回転数センサ

Claims (7)

  1. 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
    前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように前記モータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  2. 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    前記駆動力合成変速機は、摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
    前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止し、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、摩擦締結要素の滑りを検知したら、滑りを減少するように2つのモータのトルクを補正するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  3. 請求項1または2に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始から必要トルク容量となるまでの遷移過渡フェーズにおいて、モータのトルク補正によっても摩擦締結要素の滑りを抑制できない場合、目標駆動力を減少させることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
    前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
    前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結したことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  5. 動力源としてエンジンと少なくとも2つのモータを有し、これらのエンジン及びモータと駆動出力部材とが接続される差動装置を有する駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    前記差動装置は、シングルピニオン型の第1遊星歯車と第2遊星歯車と第3遊星歯車により構成し、
    前記駆動力合成変速機は、第1サンギヤと第2サンギヤとを第1回転メンバにより直結し、第1リングギヤと第3サンギヤとを第2回転メンバにより直結し、第2ピニオンキャリアと第3リングギヤとを第3回転メンバにより直結し、前記第1回転メンバと前記第2回転メンバと第3回転メンバと第1ピニオンキャリアと第2リングギヤと第3ピニオンキャリアとの6つの回転要素を有し、
    前記第1回転メンバに、第2モータジェネレータを連結し、前記第3回転メンバに、第2クラッチを介してエンジンを連結すると共に第2クラッチを介して第1モータジェネレータを連結し、前記第1ピニオンキャリアに、第1クラッチを介して第2モータジェネレータを連結すると共に第1ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第2リングギヤに、第1モータジェネレータを連結すると共に第2ブレーキを介して変速機ケースに連結し、前記第3ピニオンキャリアに、前記駆動出力部材を連結し、
    摩擦締結要素の締結・解放制御により、無段変速比を得る少なくとも1つの無段変速比モードと、固定変速比を得る少なくとも1つの固定変速比モードと、を有し、
    前記無段変速比モードから前記固定変速比モードへのモード遷移時、変速比制御により2つのモータのうち一方のモータの回転数がゼロ近傍の設定値以下となったら、固定変速比モードにて締結される摩擦締結要素の締結を開始し、該摩擦締結要素のトルク容量が上がるまではモータのトルク出力を維持しておき、摩擦締結要素のトルク容量がモータ回転数をゼロ回転に拘束するのに必要なトルク容量に達するとモータのトルク出力を停止するモード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始からのトルク容量を推定し、該トルク容量推定値が、摩擦締結要素のみでケース固定するのに十分な必要容量となったら、前記モータのトルク出力を停止することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記モード遷移制御手段は、前記摩擦締結要素の締結開始から前記モータの回転数がゼロとなった後の遷移過渡フェーズにおいて、前記摩擦締結要素のトルク容量を徐々に増加させ、前記モータは、摩擦締結要素のトルク容量の増加に応じ、摩擦締結要素が滑らない範囲でトルクを減少させることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
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