JP4192630B2 - ガラスクロスの開繊処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスクロスの開繊処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラスクロスは、プリント配線基板を構成するプリプレグの補強材として使用されている。プリプレグを用いたプリント配線基板は電子機器等に用いられているが、電子機器等は近年の技術の高度化に伴い小型化、高機能化が目指されている。そのため、プリント配線基板用のガラスクロスも平滑性、薄物化が要求されている。
【0003】
通常、ガラスクロスはシランカップリング剤処理液中に浸漬し表面処理を施して巻き取られる。さらに、薄物のガラスクロスの場合には一般に高圧水流などの開繊処理を施し扁平化することが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−315446号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガラスクロスは、薄くなってくると剛性が低下してくるため、ガラスクロスを巻き取る工程において、上記の開繊処理やシランカップリング剤処理のように液中に浸漬させるとガラスクロスの幅方向すなわち緯糸方向に縮もうとする歪によってシワが発生しやすい。このシワはガラスクロスの搬送(進行)方向に筋状に発生する。このようにシワが発生したガラスクロスを用いると製品不良が起こるおそれが考えられる。このようにシワの発生はガラスクロスの平滑性を損ね、プリント配線基板の品質上の大きな問題になりかねない。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シワが発生することを抑制しつつガラスクロスを開繊処理することができる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のガラスクロスの開繊処理方法は、進行するガラスクロスを、浸漬処理槽の液中に配置したバーにより屈曲させて液中に浸漬させる浸漬工程と、浸漬工程で浸漬されたガラスクロスを乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程で乾燥されたガラスクロスを巻き取る巻取り工程とを備え、浸漬工程における液中に配置したバーがエキスパンドバーであり、浸漬処理槽内には開繊処理装置が配置されており、浸漬工程では、開繊処理装置によりガラスクロスを開繊処理することを特徴とする。
【0008】
この方法では、浸漬工程において、進行するガラスクロスが液中に配置されているエキスパンドバーで屈曲されて(エキスパンドバーの外周面に沿って曲げられて)液中に浸漬される。そのため、エキスパンドバーによりガラスクロスの両縁部に向けて張力が与えられる。従って、液中においてガラスクロスの幅方向に縮もうとする歪を押えシワが発生しにくくなっている。そして、浸漬工程でのシワの発生が抑制されたガラスクロスを乾燥させて巻き取ることができる。液中に配置されているエキスパンドバーによりガラスクロスにシワが発生することが防止されているため、ガラスクロスの全体に渡って均等に開繊処理が行え、ガラスクロスの開繊を効率的且つ確実に行うことができる。上記ガラスクロスは、厚さ50μm以下の薄物ガラスクロスであることが好適である。
【0009】
また、上記のガラスクロスの開繊処理方法においては、上記乾燥工程において、ガラスクロスを加熱ローラに接触させて乾燥させることが好適である。
【0010】
このように液中を通過したガラスクロスを加熱ローラに接触させて乾燥させるためガラスクロスの乾燥効率が良い。また、ガラスクロスは、乾いた状態ではガラス繊維束が滑りやすく歪を解放しやすくなり、濡れた状態に比較してシワが発生しにくい。そのため、加熱ローラによりガラスクロスを乾かすことで、巻き取り時等にガラスクロスにシワが発生することを防止することができる。
【0011】
更に、本発明のガラスクロスの開繊処理方法においては、浸漬工程において、単位幅あたりのガラスクロスの進行方向にかかる張力が10〜200Nであるようにガラスクロスを進行させることが好適である。ここで、単位幅とはガラスクロスの幅方向、即ち、緯糸方向のメートル(m)で表される単位長さを意味する。
【0012】
ガラスクロスの単位幅あたりに進行方向に向けて10〜200Nの張力をかけることで上述したエキスパンドバーでガラスクロスのシワが発生することをより効率的に抑制することができ、更に、上述した範囲の張力を与えながらガラスクロスを乾燥させ巻き取るので、ガラスクロスを巻き取る場合の全工程においてガラスクロスにシワが発生しにくい。
【0013】
また、上述したエキスパンドバーの外周面において、エキスパンドバーの軸線方向に対して傾斜している複数の溝が軸線に垂直な所定の面に関して対称に形成されており、エキスパンドバーが固定される場合またはガラスクロスの進行速度よりも相対的に遅く回転する場合には、ガラスクロスと向かい合うエキスパンドバーの溝がガラスクロスの進行方向に向けて広がるようにエキスパンドバーを液中に配置し、エキスパンドバーがガラスクロスの進行速度よりも相対的に速く回転する場合には、ガラスクロスと向かい合うエキスパンドバーの溝がガラスクロスの進行方向に向けて狭くなるようにエキスパンドバーを液中に配置することが望ましい。ここで、エキスパンドバーがガラスクロスの進行速度よりも相対的に遅く回転する場合とは、エキスパンドバーをガラスクロスの進行を妨げないようにガラスクロスの進行方向と逆方向に回転させる場合を含む。
【0014】
上述したような溝を有するエキスパンドバーが固定される場合、ガラスクロスの進行速度よりも相対的に遅く回転する場合、ガラスクロスの進行速度よりも相対的に速く回転させる場合夫々に応じて上記のようにエキスパンドバーを配置するので、エキスパンドバーの外周面が、ガラスクロスの進行によりガラスクロスとこすれて接するとガラスクロスの両縁部に向けて張力が付与される。そのため、ガラスクロスが幅方向に広げられるのでシワが発生することを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いるものとし、重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、ガラスクロスを巻き取るための巻取りシステムの概略構成図である。
【0019】
巻取りシステム10は、巻き取るべきガラスクロス12が巻かれている送出しローラ14と、開繊処理やシランカップリング剤処理などをガラスクロス12に施す浸漬処理槽16、その浸漬処理槽16を通過したガラスクロス12を乾かす加熱ローラ18と、ガラスクロス12の進行速度を調整する一対のフィードローラ20a,20bと、ガラスクロス12を巻き取る巻取りローラ22と、送出しローラ14と浸漬処理槽16との間及び浸漬処理槽16と加熱ローラ18との間に配置されてガラスクロス12を夫々支持するガイドローラ24a,24bとから構成されている。
【0020】
送出しローラ14、加熱ローラ18、フィードローラ20a,20b、巻取りローラ22、及びガイドローラ24a,24bの回転軸は夫々平行になっており、ガラスクロス12が巻き掛けられている。
【0021】
また、フィードローラ20a,20b及び巻取りローラ22には駆動源としてモータ(不図示)が接続されており、各モータが同期して回転することで、図1の矢印Aの方向にガラスクロス12を進行させるようになっている。
【0022】
送出しローラ14には、上述したようにガラスクロス12が巻かれている。送出しローラ14に巻かれているガラスクロス12は、複数本のガラス繊維フィラメントをガラス繊維用集束剤で集束したガラス繊維束を経糸及び緯糸として製織して製造されている。本実施形態において送出しローラ14に巻かれているガラスクロス12は、その厚さが40μmであって、いわゆる薄物ガラスクロスである。送出しローラ14は回転軸に対して自由に回転するようになっており、巻取りローラ22及びフィードローラ20a,20bの回転に伴ってガラスクロス12が繰り出されるようになっている。また、送出しローラ14にはガラスクロス12の繰り出しを制御するブレーキ機構(不図示)が取り付けられている。
【0023】
ガイドローラ24aは、送出しローラ14と浸漬処理槽16との間で、ガラスクロス12を下側から支持するように配置されている。ガイドローラ24aには、ガラスクロス12の進行方向の張力を検出する張力検出器(不図示)が取り付けられている。
【0024】
浸漬処理槽16には、処理液26が貯められており、ガラスクロス12を開繊するための開繊処理装置28を配置しても良い。開繊処理装置28としては、例えば、高圧水のシャワー発生装置、超音波発生装置、バイブロウオッシャーなどが考えられる。なお、処理液26としては、例えばシランカップリング剤処理をする場合にはシランカップリング剤含有液とし、開繊処理をする場合には水またはシランカップリング剤含有液などとすれば良い。
【0025】
また、浸漬処理槽16には、2本のエキスパンドバー30a,30bが処理液26中に配置し固定されている。エキスパンドバー30a,30bは、浸漬処理槽16に脱着できるように取り付けられている。
【0026】
図2を参照してエキスパンドバー30a,30bについて説明する。尚、図2は図1のII-II線に沿った矢視図であり、図2中の矢印Aはガラスクロス12の進行方向を表している。エキスパンドバー30a,30bの外周面には複数の溝32が等間隔で形成されている。溝32は、ガラスクロス12の軸線方向に対して傾斜しており、軸線に垂直な所定の面、例えば両端間の中点を通り軸線に垂直な面に関して対称になるように形成されている。エキスパンドバー30a,30bは、図2に示すように軸線がガラスクロス12の進行方向と略直交し、ガラスクロス12と向かい合う面(即ち、ガラスクロス12とこすれて接する面)において図2に示すように溝32がガラスクロスの進行方向に向けて広がっており、且つ、エキスパンドバー30a,30bの外周面がガラスクロス12の進行によりガラスクロス12とこすれて接するように浸漬処理槽16に固定されている。
【0027】
ガイドローラ24bは、浸漬処理槽16と加熱ローラ18との間であって、ガラスクロス12を下側から支持するように配置されている。ガイドローラ24bも回転軸に対して回転自在に設けられている。また、ガイドローラ24bは、ガラスクロス12の進行方向の張力を検出する張力検出器(不図示)を有する。
【0028】
加熱ローラ18も回転軸に対して自由に回転することができるようになっている。加熱ローラ18の外周面は、ガラスクロスに付着している水などの処理液26を蒸発させ、ガラスクロスを乾燥させるため80℃〜160℃に加熱されていることが好適であり、90℃〜120℃に加熱されていることがより好適である。
【0029】
一対のフィードローラ20a,20bは、加熱ローラ18と巻取りローラ22との間に配置されている。上流側のフィードローラ20aはモータにより図1中時計方向に回転し、下流側のフィードローラ20bは反時計方向に回転するようになっている。
【0030】
巻取りローラ22には上述したように駆動源であるモータが接続されており、図1において時計方向に回転するようになっている。巻取りローラ22の外周面には、浸漬処理槽16を通過し加熱ローラ18で乾かされたガラスクロス12が巻き取られるようになっている。
【0031】
上記構成において、フィードローラ20a,20b及び巻取りローラ22のモータを起動すると、フィードローラ20a,20bによりガラスクロス12が巻取りローラ22側に送られ且つ巻取りローラ22がガラスクロス12を巻き取るため、ガラスクロス12は、図1の矢印Aで示す方向に引っ張られて送出しローラ14から繰り出される。送出しローラ14から繰り出されたガラスクロス12は、ガイドローラ24aを経て浸漬処理槽16中のエキスパンドバー30aで屈曲され、そのエキスパンドバー30で擦られながらエキスパンドバー30b側に進行する。ここで、「屈曲」とは、ガラスクロス12がエキスパンドバーの外周面に沿って曲がる、即ち、ガラスクロス12がエキスパンドバーの外周面に一定の面積接していることをいう。このようにガラスクロス12がエキスパンドバー30aで屈曲すると、エキスパンドバー30aの外周面には、上述したように溝32が形成されているため、ガラスクロス12は溝32が延びている方向(図2の矢印B1及びB2の方向)、即ち、ガラスクロス12の両縁部に向けて張力が付与されてエキスパンドバー30aを通過する。
【0032】
エキスパンドバー30aを通過したガラスクロス12は、浸漬処理槽16の処理液26中を通過してエキスパンドバー30bに向かう(浸漬工程)。そしてエキスバンドバー30bにより屈曲されて、その外周面に接しつつ通過してガイドローラ24bに向かう。この際、エキスパンドバー30aの場合と同様に、溝32の延びている方向(図2の矢印B1及びB2の方向)に張力が付与される。
【0033】
なお、浸漬処理槽16で開繊処理を施す場合には、エキスパンドバー30aを通過したガラスクロス12に対して、開繊処理装置28により、例えば、高圧流の水を噴出してガラスクロス12を開繊させる開繊処理が施される。
【0034】
また、上述したようにガイドローラ24a,24bには夫々張力検出器が取り付けられており、送出しローラ14にブレーキ機構が取り付けられている。そのため、ガイドローラ24a,24bの張力検出器により、ガラスクロス12の長手方向の張力を検出することができる。そして、その検出結果に応じて、送出しローラ14のブレーキ機構を作動させて、ガラスクロス12の長手方向の張力を調整することができる。本実施形態では、液中におけるガラスクロス12の単位幅あたりの張力であって、ガラスクロス12の進行方向にかかる張力を10〜200Nとなるように制御するようにしている。これは、単位幅あたりの張力が10N未満の場合は、進行方向の張力が弱くガラスクロス12の進行速度が遅くなり、エキスパンドバー30a,30bによりガラスクロス12の幅方向に与えられる張力が弱くなりシワが発生しやすくなるからである。一方、単位幅あたりの張力が200Nより大きい場合には、進行方向の張力に対してエキスパンドバー30a,30bにより付与される両縁部に向けた張力が相対的に小さくなりシワが発生するからである。
【0035】
ガイドローラ24bを通過したガラスクロス12は、加熱ローラ18の外周面に沿って回転してフィードローラ20a,20bに向かう。加熱ローラ18は、表面温度が90℃〜120℃に加熱されているため、その外周面に接することでガラスクロス12は乾燥させられる(乾燥工程)。この乾燥したガラスクロス12は、フィードローラ20a,20bを経て巻取りローラ22に巻き取られる(巻取り工程)。
【0036】
上記のように浸漬処理槽16で開繊処理などを施す場合、ガラスクロス12は水などの処理液26に浸漬される。ガラスクロス12は、水などの処理液に濡れると縮もうとする歪が生じる場合がある。このシワの発生は、本実施形態で用いたガラスクロス12、即ち、厚さ50μm以下のいわゆる薄物ガラスクロスの場合、剛性が低下するためより顕著になる。シワが生じたガラスクロス12は外観が悪く、また、ガラスクロス12の平滑性が損なわれているので、プリプレグに製品不良が起こる恐れが考えられる。
【0037】
本実施形態では、浸漬処理槽16中に、ガラスクロス12の進行方向に向けて広がるように傾斜した溝32が形成されているエキスパンドバー30a,30bが配設されている。そのため、浸漬処理槽16において、ガラスクロス12が水などの処理液26中に浸漬してもエキスパンドバー30a,30bに接しつつ進行することで溝32が延びている方向にガラスクロス12が広げられるように張力が付与される。これにより、ガラスクロス12にシワが生じにくくなっている。上記のようなエキスパンドバー30a,30bを使用しているため、水などの処理液26中にエキスパンドバー30a,30bをガラスクロス12に接するように配置するだけで良く、容易にシワの発生防止を行うことができる。また、エキスパンドバー30a,30bにより溝32が延びている方向、即ち、ガラスクロス12の両縁部に向けて張力が付与されているため、ガラスクロス12の経糸方向と緯糸方向との張力の差が小さい。このような状態では、ガラスクロス12が均等に開繊処理され、効率的且つ確実にガラスクロス12が開繊される。
【0038】
更に、浸漬処理槽16を通過したガラスクロス12は、加熱ローラ18により乾燥させられるため、ガラスクロス12の乾燥効率が良い。ガラスクロス12は乾燥した状態では、濡れた状態よりもシワが生じにくい。そのため、加熱ローラ18でガラスクロス12を乾燥させることにより、その後の巻取りや巻取りローラ22までの経路上においてもシワの発生を防止できる。
【0039】
更にまた、上述したようにガイドローラ24a,24bは張力検出器を有し、送出しローラ14はブレーキ制御できるようになっている。そのため、張力検出器の結果に応じて送出しローラ14のブレーキ機構を調整すれば、ガラスクロス12の進行方向の張力を調整することができる。進行方向の張力を適宜調整することによりエキスパンドバー30a,30bによるガラスクロス12への張力を有効に作用させることができ、シワがより生じにくくなる。
【0040】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0041】
例えば、上記実施形態ではエキスパンドバー30a,30bとして、ガラスクロス12と向かい合う外周面にガラスクロス12の進行方向に向けて広がるように傾斜した溝32が形成されているとしているがこれに限る必要はない。例えば、上記の溝部分に溝間の突起部と摩擦係数の異なる材料を充填し、外周面を平坦にしたものを用いても良い。この場合、ガラスクロス12の進行方向に向けて広がるように摩擦係数の異なる帯が形成される。これによりガラスクロス12がエキスパンドバーに接しつつ通過すると帯間の摩擦係数の違いにより進行方向に向けて広がるようにガラスクロス12に張力が付与される。そのためガラスクロス12にシワが生じにくい。
【0042】
また、エキスパンドバー30a,30bとして、図3に示すように外周面に溝が形成されておらず、両端部の直径に比べて両端間の中央部の直径が大きい、即ち、両端間の中央部が膨らんでいる湾曲形状のエキスパンドバー34を用いても良い。この場合、ガラスクロス12は、エキスパンドバー34の湾曲形状に沿って屈曲させられるためガラスクロス12に両縁部に向けて張りが生じてシワが伸ばされる。
【0043】
エキスパンドバー30a,30bは固定されているとしているが、固定する場合に限らず回転させても良い。
【0044】
ここで、エキスパンドバー30a,30bがガラスクロス12の進行速度よりも相対的に遅く回転する場合には、本実施形態と同様にエキスパンドバー12の溝32がガラスクロス12と向かい合う部分でガラスクロス12の進行方向に向かって広がるように配置すれば良い。
【0045】
また、エキスパンドバー30a,30bがガラスクロス12の進行速度よりも相対的に速く回転する場合、即ち、エキスパンドバー30a,30bによりガラスクロス12が押し出される場合には、エキスパンドバー30a,30bの溝32がガラスクロス12と向かい合う部分でガラスクロス12の進行方向に向かって狭くなるように配置すれば良い。
【0046】
更に、エキスパンドバーを2本用いているが必ずしも2本に限る必要はなく。例えば、1本でもよく、更に、3本以上を用いても良い。これらは、浸漬処理槽の大きさやガラスクロス12に施すべき処理、例えば、シランカップリング剤処理などに応じて適宜選択すればよい。
【0047】
上記浸漬処理槽16でのガラスクロスに施す処理は開繊処理に限定する必要は無い。例えば、上述したようにシランカップリング剤処理を施しても良い。尚、この場合、浸漬処理槽16にはシランカップリング剤含有液を入れておけばよい。このように処理槽に貯めておくべき液体は水に限らず、ガラスクロスを処理する方法に応じて変更すればよい。処理液としては例えば、水、温水、シランカップリング剤含有液、樹脂分散液などの水系の処理液の場合、シワ発生の抑制に特に効果があるが、それに限るものではない。
【0048】
また、本発明は、浸漬工程があるガラスクロスに適用可能であって、サイズ剤が付着しているものや、脱油後のもの、カップリング処理したものなどにも適用しても良い。
【0049】
更に、ガイドローラ24b及び加熱ローラ18を夫々エキスパンドバーにしても良い。
【0050】
更にまた、加熱ローラ18はガラスクロス12の片面のみに接するようにしているが、例えば、2つの加熱ローラでガラスクロス12を挟んだり、2つの加熱ローラを段違いにしてそれらにガラスクロス12を掛け渡して両面が加熱ローラに接するようにしたりしても良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、浸漬工程において、液中を通過するガラスクロスにはエキスパンドバーにより両縁部に向けて張力が付与される。このように両縁部に向けた張力が与えられるため、エキスパンドバーを通過するガラスクロスは両縁部、即ち外側に広がるように伸ばされる。従って、液中でガラスクロスにシワが発生することを抑制することができ、上記のように浸漬工程において、シワ発生が抑制されたガラスクロスを乾燥させ、巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したガラスクロスの巻取りシステム10の概略構成図である。
【図2】図1におけるII-II線に沿った矢視図である。
【図3】図1のエキスパンドバーの一変形形態を示す図である。
【符号の説明】
10…巻取りシステム、12…ガラスクロス、14…送出しローラ、16…浸漬処理槽、18…加熱ローラ、20a,20b…フィードローラ、22…巻取りローラ、24a,24b…ガイドローラ、26…処理液、28…開繊処理装置、30a,30b…エキスパンドバー、32…溝、34…湾曲形状のエキスパンドバー。
Claims (5)
- 進行するガラスクロスを、浸漬処理槽の液中に配置したバーにより屈曲させて液中に浸漬させる浸漬工程と、
前記浸漬工程で浸漬されたガラスクロスを乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥されたガラスクロスを巻き取る巻取り工程と
を備え、
前記浸漬工程における液中に配置したバーがエキスパンドバーであり、
前記浸漬処理槽内には開繊処理装置が配置されており、
前記浸漬工程では、前記開繊処理装置により前記ガラスクロスを開繊処理する、
ことを特徴とするガラスクロスの開繊処理方法。 - 前記ガラスクロスが、厚さ50μm以下である薄物ガラスクロスであることを特徴とする請求項1に記載のガラスクロスの開繊処理方法。
- 前記乾燥工程において、前記ガラスクロスを加熱ローラに接触させて乾燥させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラスクロスの開繊処理方法。
- 前記浸漬工程において、単位幅あたりの前記ガラスクロスの進行方向にかかる張力が10〜200Nであるように前記ガラスクロスを進行させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のガラスクロスの開繊処理方法。
- 前記エキスパンドバーの外周面において、前記エキスパンドバーの軸線方向に対して傾斜している複数の溝が前記軸線に垂直な所定の面に関して対称に形成されており、
前記エキスパンドバーが固定される場合または前記ガラスクロスの進行速度よりも相対的に遅く回転する場合には、前記ガラスクロスと向かい合う前記エキスパンドバーの溝が前記ガラスクロスの進行方向に向けて広がるように前記エキスパンドバーを液中に配置し、
前記エキスパンドバーが前記ガラスクロスの進行速度よりも相対的に速く回転する場合には、前記ガラスクロスと向かい合う前記エキスパンドバーの溝が前記ガラスクロスの進行方向に向けて狭くなるように前記エキスパンドバーを液中に配置することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のガラスクロスの開繊処理方法。
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