JP4192493B2 - 画像ノイズ検出方法及びそれを用いた画像処理装置 - Google Patents

画像ノイズ検出方法及びそれを用いた画像処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号に含まれるノイズを検出するノイズ検出方法、及びそれを用いた画像処理装置に関する。特に、画像信号に複数の局所領域を設け、その非飽和の局所領域の輝度のばらつきに基づいてノイズレベルを検出するノイズ検出方法、及びそれを用いた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より画像信号中のノイズの測定方法及びその装置の1例として、特開平6−51009号公報に開示のノイズ測定方法及びその装置がある。これは、画像中に複数のブロックを設け(図9(a))、各ブロックのアクティビティー値Aを計算して、そのアクティビティー値Aに基づいて、ノイズレベルを設定する方法である。このアクティビティー値Aはブロック中での輝度のばらつきの大きさを表す量であり、例えば統計処理における分散値である。そして、図9(b)に示すように、全てのブロックについてアクティビティー値Aの頻度分布をとり、頻度小の方からK %(K =1〜10)の点のアクティビティー値Nを求め、それをノイズ値Nとして出力する方法である。
更には、図10に示すようにアクティビティ値計算回路1によって周期的に計算されたアクティビティー値Aと累算回路2に記憶されているノイズ値Nとを比較回路3によって比較し、A<Nなら第1の補正値をノイズ値Nに加算し、A>Nなら第1の補正値よりも10〜100倍大きい第2の補正値をノイズ値Nから減算することにより、このノイズ値Nをブロック毎に更新し、この更新を繰り返してノイズ値Nを所望の値に収束させることにより、頻度分布を求めることなくノイズ値Nを求めることを特徴としている。
【0003】
又、他に特開平7−30786号公報に開示の画像信号中の雑音成分を測定する方法、及びその方法を遂行するための回路がある。これは、原画像信号を遅延回路で遅延させ、両者の差分をとって差分絶対値信号を形成し、信号の経時的なゆらぎによるノイズを明確にする方法である。具体的には、それらの差分絶対値信号にブロックであるサーチ窓を設定し、そのサーチ窓内での最大ピーク値を検出し、更に複数のサーチ窓内でのピーク値の最小値を求めて、それをノイズレベルとすることを特徴としている。
【0004】
又、他に特開平8−201464号公報に開示のテレビジョン信号のS/N値検出方法がある。この方法は、入力映像信号を画面上で複数のブロックに分割し、各ブロックにおいて画素毎に時間平均された信号及び空間平均された信号との差分を求めている。そして、ブロック内での差分値の分布とノイズ値の統計的な分布とを比較し有意度を判定し、有意度有りと判定されたブロックの差分値の全画面内での発生頻度を求める。この発生頻度の分布から映像信号のS/N値を検出することを特徴としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開平6−51009号公報に開示のノイズ測定方法及びその装置は、画面内のすべてのブロックのアクティビティー値Aに基づいて、そのK %点をノイズ値Nとして採用している。このため、推定されるノイズ値が原画像(ノイズフリー)の特性に大きく依存するという問題がある。即ち、原画像に占める飽和する部分の面積の割合が大きい場合、アクティビティ値の小さいブロックの数が多くなり、結果としてK%点であるノイズ値も小さくなる。逆に原画像に占める飽和する部分の面積の割合が小さい場合、アクティビティ値の大きいブロックの数が多くなり、結果としてK%点であるノイズ値は大きくなる。また、原画像が画面全体に高周波成分を多く含む場合、アクティビティー値の大きいブロックの数が多くなり、結果としてK %点であるノイズ値も大きくなる。逆に、原画像が画面全体に低周波成分を多く含む場合は、アクティビティー値Nの小さいブロックの数が多くなり、結果としてK %点であるノイズ値は小さくなる。
【0006】
又、推定されたノイズ値と新たなブロックのアクティビティー値との比較結果に基づいて、推定されたノイズ値Nに第1の補正値を加算、又は第2の補正値を減算するステップを繰り返すことにより、ノイズ値を適切な値に収束させるているが、この方法では、ノイズ値の大きさに対する第1及び第2 の補正値の大きさにより収束結果が変化することになる。即ち、ノイズ値Nに対し、第1及び第2の補正値が大きい場合、比較的少数回の比較によりノイズ値Nは収束するが、収束結果のばらつきが大きくなる。一方、ノイズ値Nに対し、第1及び第2の補正値が小さい場合、収束結果のばらつきは小さくなるが、収束に必要な比較回数が多くなる。即ち、画面内のすべてのブロックに対して比較を行ってもノイズ値Nが収束しない場合がある。従って、第1及び第2の補正値の大きさを適切に定め、正しくノイズ値を収束させるためには、予めノイズ値Nのおよその値が既知である必要があるという問題もある。
【0007】
又、特開平7−30786号公報に開示の画像信号中の雑音成分を測定する方法、及びその方法を遂行するための回路では、原画像信号とその遅延信号との差分絶対値信号のサーチ窓内での最大値は、サーチ窓内に動きがない場合は入力画像中のノイズ成分のピーク値を表し、サーチ窓内に動きがある場合は動きの成分とノイズの成分の重塁された値のピーク値を表している。即ち、複数のサーチ窓において、各サーチ窓内の最大値の最小値を検出することにより、動きの成分を含まないノイズの成分のみのピーク値を検出するものである。したがって、複数のサーチ窓のいずれかにおいては、画像の動きが無いことを仮定した方法である。しかし、例えば車載カメラのように動いているカメラで撮像した画像の場合、画面内すべてにおいて動きが生じているため、検出されるピーク値はすべてのサーチ窓内において動きの成分を含んだ値となる。即ち、動いているカメラで撮像した画像のノイズを測定する場合に、実際のノイズの成分よりも大きな値を検出するという問題がある。
【0008】
又、特開平8−201464号公報に開示のテレビジョン信号のS/N値検出方法では、入力映像信号中の各ブロックにおいて画素毎に時間平均された信号及び空間平均された信号との差分を求め、その差分値の分布とノイズ値の既知の統計的な分布とを比較することで有意度を判定している。即ち、入力画像信号とその時間平均された信号との差分値の分布から、ブロック内での画像の動きの有無を判定し、又入力画像信号とその空間平均された信号との差分値の分布から、ブロック内での画像の変化成分(エッジ)の有無を判定している。この方法では、各ブロック内においてノイズの統計的分布との比較による有意度の判定を行う為、計算コストが大きくなるという問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するため成されたものであり、その目的は画像に設定された非飽和局所領域の輝度のばらつき係数を検出し、検出された複数のばらつき係数に基づいて適切に画像のノイズを検出することである。
そして、画像の動きの成分、画面内の飽和する部分の面積、及び画面内に存在する高周波成分に依存せず、ノイズの概算値が未知である場合でも正しくノイズの大きさを検出することである。又、それを利用した画像処理装置を提供することである。
更には、入力画像に含まれるノイズの大きさに基づいてダイナミックレンジ圧縮機能をオンオフさせるか圧縮量の大小を変化させ、常に、視認性に優れた画像とする方法を提供することである。又、それを用いた画像処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の画像ノイズ検出方法は、入力画像信号に対し、画面内の全領域にほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置し、その各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定し、複数の非飽和局所領域において輝度のばらつき係数をそれぞれ検出し、複数のばらつき係数に基づいてノイズレベルを検出することを特徴とする。
【0011】
又、請求項2に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイズレベルはばらつき係数の最小値に基づいて決定する、又は最小クラスのばらつき係数に基づいて決定することを特徴とする。
又、請求項3に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1又は請求項2に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイズレベルは複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値、又は複数の最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値に基づいて決定することを特徴とする。
【0012】
又、請求項4に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における輝度の分散値であることを特徴とする。
又、請求項5に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値であることを特徴とする。
又、請求項6に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における画素値の最大値と最小値との差値であることを特徴とする。
【0013】
又、請求項7に記載の画像処理装置は入力画像の視認性を向上させる画像処理装置であって、入力画像信号に対し画面内の全領域にほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置する局所領域設定手段と、その局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する飽和判定手段と、複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつきを検出するばらつき係数検出手段と、その複数のばらつき係数に基づいてノイズレベルを特定するノイズレベル特定手段とからなるノイズ測定手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
又、請求項8に記載の画像処理装置は請求項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定手段はノイズレベルを最小のばらつき係数に基づいて特定する、又は最小クラスのばらつき係数に基づいて特定することを特徴とする。
又、請求項9に記載の画像処理装置は請求項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定手段は複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値を、又は最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値を算出する時間平均手段を有することを特徴とする。
【0015】
又、請求項10に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数は局所領域内における輝度の分散値であることを特徴とする。
又、請求項11に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数は局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値であることを特徴とする。
【0016】
又、請求項12に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数は局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値であることを特徴とする
【0017】
又、請求項13に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装置であって、入力画像の低空間周波数成分を抑制することによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレンジ圧縮手段と、ノイズ測定手段により測定されたノイズの大きさにより、ダイナミックレンジ圧縮手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
【作用及び発明の効果】
請求項1に記載の画像ノイズ検出方法は、先ず、入力画像信号に対し画面内の全領域にほぼ一様に分布するように多数の局所領域を設定する。局所領域とは、図3に示すように撮像装置から出力されるノイズを含んだ画像信号に設定された区間A〜E等である。尚、図3には、1次元の局所領域の例を示したが、局所領域は2次元であってもよい。そして、その各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する。何故なら、局所領域において輝度が飽和していると、たとえノイズが存在してもその飽和値に埋没してしまい正しくノイズ検出ができないからである(図4)。従来のように、飽和領域を考慮せず、複数の局所領域のばらつきの係数のk%点(k=1〜10)、又は最小値に基づいてノイズの大きさを求めると、真のノイズの大きさよりも小さな値が検出される危険性がある。
【0019】
よって、本発明の方法は、飽和していないと判定された複数の局所領域(以降、非飽和局所領域)に対して、輝度のばらつき係数を検出する。ばらつき係数とは、例えば統計上の分散である。ばらつき係数と画像信号中のノイズの大きさとには、図4に示すような関連性がある。即ち、飽和局所領域Cを除く他の領域において、特に例えば局所領域Aのようにエッジや濃度勾配等が存在しない場合は、主にノイズ信号のみとなりばらつき係数NA は小さくなる。一方、他の局所領域において画像の輝度が変化している場合、即ち局所領域B、D、Eのようにエッジが存在する場合や濃度勾配が存在する場合、検出されるばらつき係数NB 、ND 、NE は大きくなる。即ち、ばらつき係数とノイズレベルは相関がある。よって、非飽和局所領域に対してばらつき係数を求め、それをその画像のノイズレベルの指標とする。
【0020】
本発明の方法によれば、従来のように飽和信号の影響を受けないので、正確にノイズレベルを検出することができる。又、従来のように、ノイズの大きさに依存した閾値や補正値を用いない為、ノイズの大きさの概算値が未知であっても正しくノイズの大きさを求めることができる。
尚、本発明の方法は、画面内の複数の非飽和局所領域の少なくとも1ケ所以上がエッジや濃度勾配を含まない一様な領域であるという仮定に基づいている。屋外シーンを撮影した画像では、局所領域の大きさを適切に定めることにより、この仮定がほぼ成立する。例えば、建物の壁面、空、路面等がエッジや濃度勾配を含まない一様な非飽和局所領域に相当する。
【0021】
又、本発明の方法は静止画のみならず動画にも適用可能である。即ち、車載カメラ画像等の動きのあるカメラ信号に対しても有効である。車載カメラの画像は、画面全体に動きがあるが、1画面内の1次元又は2次元の一部分を局所領域として定めることにより、局所領域内には動きに起因した輝度変化は生じない。したがって、画面全体に動きがあっても、正しくノイズの大きさを検出することができる。
【0022】
又、請求項2に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイズレベルはばらつき係数の最小値に基づいて決定する。又は、最小クラスのばらつき係数に基づいて決定する。局所領域内において、ノイズ以外の成分による輝度変化がある場合、検出されるばらつき係数はそれがない場合より大きくなる。従って、複数の非飽和局所領域のばらつき係数を算出した場合、最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数は正確なノイズレベルを示す指標となる。最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数は容易に求めることができる。即ち、ノイズレベルを容易に正しく求めることができる。
【0023】
又、請求項3に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1又は請求項2に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイズレベルは複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値、又は複数の最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値に基づいて決定する。ここで時間平均関連値とは、所定時間内のばらつき係数の平均値、又は荷重平均値、所定時間内のばらつき係数の総和、又は荷重和等を意味する。何れでも良い。最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数を時間平均関連値で表現するので、検出するノイズレベルの短時間変動が緩和される。よって、安定したノイズレベルの検出結果を得ることができる。
【0024】
又、請求項4に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における輝度の分散値としている。ばらつきは統計上の概念であり、それは統計上の分散で最も的確に表すことができる。よって、ばらつき係数を分散値とすれば、的確にノイズレベルを検出することができる。
【0025】
又、請求項5に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値としている。
このようにすれば、分散値のように2乗演算をしなくとも、絶対値演算と加算平均演算のみで、容易にばらつき係数を検出することができる。
【0026】
又、請求項6に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値としている。分散値をばらつき係数とした場合、検出されるノイズレベルがノイズの平均値となるのに対し、最大値と最小値との差値をばらつき係数とした場合、検出されるノイズレベルはノイズのピーク値となる。即ち、ノイズの大きさを表現する1つの方法となる。よって、非飽和局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値をばらつき係数とすれば、演算は比較演算のみとなる。よって、更に簡略化してばらつき係数を検出することができる。
【0027】
又、請求項7に記載の画像処理装置は、通常の画像処理装置に入力画像信号のノイズを測定するノイズ測定手段を備えている。そして、そのノイズ測定手段は、局所領域設定手段、飽和判定手段、ばらつき係数検出手段、ノイズレベル特定手段から構成されている。先ず、ノイズ測定手段の局所領域設定手段が、入力画像信号に対し画面内の全領域にほぼ一様に分布するよう多数の局所領域を設定する。局所領域とは、図3に示すようにカメラから出力されるノイズを含んだ画像信号に設定された区間A〜E等である。そして、飽和判定手段がその各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する。何故なら、局所領域において輝度が飽和していると、たとえノイズが存在してもその飽和値に埋没してしまい正しくノイズ検出ができないからである(図4)。即ち、従来のように飽和領域を考慮せず、複数の局所領域のばらつきの係数のk%点(k=1〜10)、又は最小値に基づいてノイズの大きさを求めると、真のノイズの大きさよりも小さな値が検出される可能性がある。
【0028】
よって、本発明の画像処理装置では、非飽和局所領域に対してばらつき係数検出手段を作用させ、輝度のばらつき係数を検出する。ばらつき係数とは、例えば統計上の分散である。ばらつき係数と画像信号中のノイズの大きさとには、図4に示したような関連性がある。即ち、例えば局所領域Aのように単調な背景に主にノイズ信号がある場合は、ばらつき係数は小さくなる。逆に、原画像の輝度が変化している場合、即ち局所領域B、D、Eのようにエッジが存在する場合や濃度勾配が存在する場合、検出されるばらつき係数は大きくなる。即ち、ばらつき係数とノイズレベルは相関がある。従って、ばらつき係数検出手段によって非飽和局所領域に対してばらつき係数を算出する。そして、ノイズレベル特定手段がその算出された複数のばらつき係数からノイズレベルを特定する。例えば、ばらつき係数の最小値をノイズレベルの指標として特定する。
【0029】
本発明の画像処理装置によれば、画像信号のノイズ検出において、飽和した局所領域を除外している。よって、従来のように飽和信号の影響を受けないので、正確にノイズレベルを検出して画像処理することができる。又、従来のように、ノイズの大きさに依存した閾値や補正値を用いない為、ノイズの大きさの概算値が未知であっても正しくノイズの大きさを求めて、それを用いて画像処理することができる。
【0030】
又、請求項8に記載の画像処理装置は請求項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定手段はノイズレベルを最小のばらつき係数に基づいて特定する、又は最小クラスのばらつき係数に基づいて特定する。
局所領域内においてノイズ以外の成分による輝度変化がある場合、検出されるばらつき係数はそれがない場合よりも大きくなる。従って、複数の非飽和局所領域のばらつき係数を算出した場合、最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数が正確なノイズの大きさを示すものとなる。よって、ノイズレベル特定手段は、そのばらつき係数の最小値、又は最小クラスのばらつき係数に基づいてノイズレベルを決定する。これにより、画像に含まれるノイズの大きさは容易に正しく検出される。よって、ノイズを考慮した正確な画像処理を行うことができる。
【0031】
又、請求項9に記載の画像処理装置は請求項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定手段は複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値を算出する、又は複数時刻で検出された複数の最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値を算出する時間平均手段を有している。ここで、時間平均関連値とは、所定時間内に得られたばらつき係数の平均値、又は荷重平均値、所定時間内でのばらつき係数の総和、又は荷重和等の意味である。何れでも良い。時間平均手段が、複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値を算出するので、ノイズレベルの短時間変動を緩和することができる。よって、安定したノイズ処理を行うことができ、その結果、安定した画像処理結果を得ることができる。
【0032】
又、請求項10に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における輝度の分散値である。ばらつきは統計上の概念であり、それは分散で最も的確に表すことができる。よって、ばらつき係数を分散値とすれば、的確にノイズレベルを検出することができる。よって、的確にノイズレベルを検出して画像処理する装置となる。
【0033】
又、請求項11に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値としている。このようにすれば、絶対値演算と加算平均演算のみで容易にばらつき係数を検出することができる為、装置構成を簡略化できる。
【0034】
又、請求項12に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値としている。非飽和局所領域内において、ノイズ以外の成分による輝度変化がない場合、輝度の最大値と最小値の差値はノイズのピーク値を表す。よって、上記のような場合には、ばらつき係数はノイズの大きさを表す一つの指標とすることができる。このようにすれば、演算は比較演算のみとなり、更に演算が簡略化される。
【0036】
又、請求項13に記載の画像処理装置は請求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装置であって、入力画像の低空間周波数成分を抑制することによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレンジ圧縮手段と、ノイズ測定手段により測定されたノイズの大きさにより、ダイナミックレンジ圧縮手段を制御する制御手段とを備えている。
画像処理には、低空間周波数成分を抑制することにより、輝度のダイナミックレンジを圧縮する方法がある。夜間に撮影された画像は、AGCによる増幅率が大きいため、ノイズレベルが大きくなる。このような、ノイズレベルの大きな画像に対してダイナミックレンジ圧縮処理をするとノイズが強調されるという問題がある。このような場合は、画像信号のノイズレベルを請求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装置のノイズ測定手段によって、そのノイズレベルを効率よく適切に測定する。そして、その結果を制御手段に送出する。制御手段は、例えば測定結果によって、出力画像をダイナミックレンジ圧縮手段からの画像信号から原画像信号に切り換える。又は、制御手段はその結果によってダイナミックレンジ圧縮手段の低空間周波数成分の抑制量を小さくする。これにより、画像ノイズを強調しないようにする。このようにすれば、夜間画像のようなノイズレベルの大きな画像信号に対してもノイズを強調することなく、より適切に画像処理を行うことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施例について図を用いて説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
図1に本発明の画像ノイズ検出方法を利用した画像処理装置を示す。図は、システム構成図である。本実施例の画像処理装置は、撮像装置90、ノイズ測定装置100、フレームメモリ110、CPU120、ROM130、RAM140、I/Oインターフェース150から構成される。本実施例は、撮像装置90後段に、正確にノイズレベルを検出するノイズ測定装置100を設けたことが特徴である。
【0038】
このノイズ測定装置100の詳細を図2に示す。図は、ブロック図である。ノイズ測定装置100は、デコーダ11、局所領域設定手段であるカウンタ12、ばらつき係数検出手段を構成する乗算器13、加算器14 、レジスタ15 、レジスタ16 、乗算器17 、加算器18 、レジスタ19 、レジスタ20、乗算器21、減算器22、ノイズレベル特定手段を構成するレジスタ23、比較器24、レジスタ25、飽和判定手段である加算器18、レジスタ19、レジスタ20、比較器26から構成される。尚、以降、細線で示した信号線は1ビットの制御信号線路を意味し、太線で示した信号線はバス信号線路を意味するものとする。
【0039】
上記構成において、入力画像信号Cはアナログ信号でデコーダ11に入力される。デコーダ11は入力されたアナログ画像信号をデコードし、画面左上から右下までの画素毎の輝度値Yi を順次デジタル値で出力し、又、各ラインの開始を示すパルスHs 、及び各フレームの開始を示すパルスVsを出力する。
そして、画素毎の輝度値Yi は、カウンタ12、乗算器13、加算器18に入力される。ここで、カウンタ12は後述するように、例えば縦1画素横W画素の局所領域を設定する役割を果たしている。即ち、W画素のカウント毎に、リセット信号PR 、及びロード信号PL1を出力し、後述の累積データ(ΣYi 2 、ΣYi 、i=1〜W)を更新する。この局所領域は、画像信号上では図5のように示される。即ち、撮像装置90から出力されるノイズを含んだ画像信号に互いに重なり合わずに、且つ密に設定された区間A〜G等が局所領域となる。
【0040】
図2において、乗算器13に入力された輝度値Yi は乗算器13により2乗され、加算器14において前回の値(レジスタ15 に記憶された値)と加算され再びレジスタ15 に記憶される。このレジスタ15 の出力データはカウンタ12からパルスPL1が入力されたときにレジスタ16に記憶され、レジスタ15 のデータはパルスPR が入力された時に零にリセットされる。従って、レジスタ16 には局所領域内の輝度Yi の2 乗和(=ΣYi 2 、i=1〜W)が記憶される。加算器18 、レジスタ19 、レジスタ20の動作も同様であり、レジスタ20には局所領域内の輝度Yi の和(ΣYi 、i=1〜W)が記憶される。
【0041】
そして、減算器22において乗算器17でW倍された輝度Yi の2乗和(WΣYi 2 )から、乗算器21で輝度Yi の和の2乗された値(ΣYi 2 が減算されて出力される。この出力は、局所領域内の輝度の分散値のW2 倍であり、即ちばらつき係数となる。尚、カウンタ12は、パルスHsが入力された時はパルスPR のみを出力する。これは、局所領域内を探索中に画像端に達したときにレジスタ15及びレジスタ19の値をロードせずにリセットすることにより探索中の局所領域を無効にするためである。
【0042】
そして、ノイズレベル特定手段であるレジスタ23、比較器24、レジスタ25によりノイズレベルを特定する。ここでは、ばらつき係数の最小値をノイズレベルの指標として検出する(図3)。又、同時に現在の局所領域が非飽和局所領域か否か判定する。これは局所領域の輝度が飽和していると、図4に示すようにノイズがその飽和レベルに埋もれ、ばらつき係数が正しくノイズの大きさを表す指標とならないからである。即ち、飽和判定しない場合は、図4において局所領域Cのばらつき係数Ncが最小となるが、飽和判定すれば局所領域Aのばらつき係数NA が最小値となる。飽和の判定は、以下のように行う。図2において、比較器26によってレジスタ20の出力(ΣYi 、i=1〜W)と所定の閾値Tとを比較し、前者が小さい場合に(非飽和)パルスPH を出力する。レジスタ20の出力は局所領域内の輝度の和であり、閾値Tは輝度の飽和レベルにWを乗じた値、若しくはそれよりも若干小さい値とする。つまり、比較器26によって局所領域の輝度の飽和の有無を判定する。
【0043】
一方、最小のばらつき係数は、レジスタ23、比較器24、及びAND器10によって特定される。先ず、Vsの入力(1フレームの終了)により、レジスタ23の記憶値を初期値にリセットする。この初期値は、ばらつき係数よりも十分大きな値としておく。次に、ばらつき係数の最小値候補を減算器22から出力し、比較器24によってレジスタ23に記憶された値と比較する。そして、前者が小さい場合にパルスPL2’を出力する。このパルスPL2’は、上述した(非飽和)パルスPH とAND器10で、論理積が取られ、両者が’H’の時のみロードパルスPL2がレジスタ23に出力される。即ち、局所領域が非飽和であって、且つ、現在の領域が最小である場合に、レジスタ23に記憶される。これを、全ての局所領域について演算する。
【0044】
最後に、次フレーム開始の信号Vsによって、最小値をレジスタ25に記憶する。これにより、ノイズレベルの指標である最小のばらつき係数がN値として出力される。尚、CPU120は、このばらつき係数Nを内部バスで検出し、その値に応じてROM130に書かれた様々なプログラムを実行する。例えば、ノイズの大きさに応じて微分画像の2値化レベルを決定したり、平滑化フィルタの大きさを決定したりする。このばらつき係数Nは、様々な画像処理に使用することができる。
【0045】
(第2実施例)
第1実施例は、ばらつき係数を分散値から算出し、局所領域内の輝度の和により、飽和の有無を判定する例であった。このばらつき係数は、他のパラメータから算出してもよく、飽和の判定を他の方法で行っても良い。本実施例は、局所領域における最大輝度と最小輝度の差値からノイズレベルを特定し、局所領域内の最小輝度から飽和の有無を判定する例である。図6に第2実施例のノイズ測定装置200を示す。図は、回路図である。このノイズ測定装置200は、第1実施例のノイズ測定装置100(図2)におけるばらつき係数検出手段及び飽和判定手段の構成部分を以下のように置換えたものである。
【0046】
本実施例のばらつき係数検出手段は、レジスタ27、比較器28、レジスタ29、レジスタ30、比較器31、レジスタ32、減算器22から構成される。飽和判定手段は、レジスタ30、比較器31、レジスタ32、比較器26から構成される。本実施例のばらつき係数は、以下のように求められる。先ず、比較器28によって、輝度Yi (i=1〜W)とレジスタ27に記憶された値とを比較し、前者が大きい場合にパルスPL3をレジスタ27に出力する。これにより、レジスタ27はパルスが入力されたとき輝度Yi を記憶する。即ち、レジスタ27には局所領域内を探索中の暫定の最大輝度Ymax が記憶される。尚、レジスタ27はパルスPR が入力されたとき、記憶する値を初期値にリセットする。このとき初期値は輝度Yに対し十分小さな値に設定する。
【0047】
又、レジスタ29はパルスPL1が入力されたときレジスタ27に記憶された値を記憶する。したがって、レジスタ29に記憶される値は局所領域内の最大値である。同様にして、レジスタ30、比較器31、レジスタ32により局所領域内の輝度の最小値を検出する。こうして検出された局所領域内の輝度の最大値と最小値は、減算器22により減算されてばらつき係数として出力される。本実施例の飽和判定手段はレジスタ30、比較器31、レジスタ32により検出された局所領域内の輝度の最小値を、比較器26により閾値Tと比較することにより飽和の有無を判定する。
本実施例におけるばらつき係数検出手段及び飽和判定手段は、加算器、乗算器等の演算器が不要である。レジスタ、比較器のみで構成できるため、装置構成を簡略化することが可能となる。
【0048】
(第3実施例)
図7に第3の実施例の画像処理装置を示す。本実施例の画像処理装置は、撮像装置90、ノイズ測定装置100、ダイナミックレンジ圧縮手段であるダイナミックレンジ圧縮器50、ダイナミックレンジ圧縮器50の制御手段である制御装置60、フレームメモリ110、CPU120、ROM130、RAM140、I/Oインターフェース150から構成される。尚、制御装置60は後述するように時間平均手段も有している。本実施例は、撮像装置90後段に、ノイズ測定装置100とダイナミックレンジ圧縮器50、及びそれを制御する制御装置60を設けたことが特徴である。ダイナミックレンジ圧縮機能を有する画像処理装置においては、夜間の画像のようにノイズレベルの大きな画像に適用した場合にノイズ成分が強調されるという問題がある。第3実施例は、画像信号のノイズレベルをノイズ測定装置100によって測定し、その検出信号によってダイナミックレンジ圧縮器50を制御して(原画像に切り換えて)ノイズを発生させない構成である。又、ばらつき係数を時間平均関連値で算出して、安定してノイズ値を検出する1例である。
【0049】
図8にノイズ測定装置100、ダイナミックレンジ圧縮器50と制御装置60の回路図を示す。図8において、ノイズ測定装置100とダイナミックレンジ圧縮器50、デコーダ33以外が制御装置60である。制御装置60は、カウンタ35 、加算器36、レジスタ37 、レジスタ38 、比較器39 、セレクタ40、41から構成される。
上記構成において、先ず、入力画像信号Cはアナログ信号でデコーダ33に入力される。デコーダ33は入力されたアナログ画像信号をデコードし、画面左上から右下までの画素毎の輝度値Y、色差U、Vを順次デジタル値で出力する。更に、各ラインの開始を示すパルスHs、及び各フレームの開始を示すパルスVsを出力する。デコーダ33でデコードされた輝度値Y' 、色差U' 、V' はダイナミックレンジ圧縮器50において、ダイナミックレンジの圧縮された輝度値Y、色差U、Vに変換される。ダイナミックレンジ圧縮器50としては、例えば本願出願人による特願2001−265895号に記載の方法を用いることができる。
【0050】
又、デコーダ33でデコードされた輝度値Yがノイズ測定装置100に入力され、第1実施例同様にばらつき係数Nが検出される。カウンタ35 は、1フレームを表すパルスVsをカウントし、カウント値がMになったときにパルスPL5を出力し、カウント値をゼロにリセットする。
加算器36にはばらつき係数Nが入力され、暫定的な加算結果がレジスタ37に、Mフレーム分の加算結果がレジスタ38に記憶される。即ち、このMフレーム間にノイズが時間変動しても、全てが加算されるので短時間当たりの変動が緩和される。このMフレーム間は、所定時間であり、その間のばらつき係数Nの総和は時間平均関連値である。この意味において、カウンタ35、加算器36、レジスタ37、38は時間平均手段である。
時間平均関連値である上記総和を所定時間で除算すれば時間平均値となるが、特に除算しなくてもよい。本実施例では、その総和をそのまま用いる。このような時間平均関連値を用いることにより、時間の変化に対して安定してノイズレベルを検出することができる。尚、本来の意味での時間平均を算出する場合は、レジスタ38の後段に除算器を設け、所定時間で除算すればよい。
【0051】
次に、レジスタ38 の出力(ノイズ加算値Ns)は比較器39 に送られる。比較器39はノイズ加算値Nsと閾値T1、又は閾値T2とを比較し、ノイズ加算値Nsが小さい場合に出力をハイレベルとし、セレクタ41の端子1を選択する。即ち、ダイナミックレンジ圧縮器50からの信号を選択する。逆に、ノイズ加算値Nsが大きい場合には出力をローレベルとし、セレクタ41の端子2を選択する。即ち、原画像の信号をそのまま選択する。このように、原画像信号に含まれるノイズの大きさを検出し、ノイズレベルが大である時にはダイナミックレンジを圧縮しないようにする。即ち、夜間のシーン等のノイズの大きい入力画像に対してはダイナミックレンジ圧縮機能をオフにし、結果的にノイズが強調された視認性の悪い画像を出力するのを防止することができる。
【0052】
尚、セレクタ40では、比較器39の出力レベルがハイレベルであるとき閾値T1が選択され、ローレベルであるとき閾値T2が選択される。即ち、閾値T1とT2は、ダイナミックレンジ圧縮機能のオンからオフ及びオフからオンへの切換を決定するための閾値であり、閾値T1は閾値T2よりも小さな値に設定する。このように、閾値に幅(T1−T2)を持たせることにより、加算ノイズ値が閾値付近のときに原画像とダイナミックレンジ圧縮画像が頻繁に切り変わることを防止する。
【0053】
(変形例)
第1実施例では、1 フレーム毎にばらつき係数の最小値を検出する例を示したが、1 フレーム毎でない場合もノイズを検出することはできる。例えば、デコーダ11により出力されるパルスVsを、Mフレーム毎のフレームの開始を示すパルスとすることにより、Mフレーム毎にノイズを検出することも可能である。更に、パルスVS を複数ライン毎にラインの開始を示すパルスとすることにより、1 フレーム内の複数ライン毎にノイズを求めることも可能である。
【0054】
又、第1実施例では、ハードウエア構成で自動的に1フレーム毎にばらつき係数の最小値を求めたが、時間が許されるならコンピュータ装置で特定してもよい。即ち、図1に示したようにばらつき係数Nを局所領域毎にCPU側で読み取り、それに基づいてCPUが最小値、又は所定の誤差範囲にある最小クラスのばらつき係数を求めてもよい。又、その最小のばらつき係数、最小クラスのばらつき係数に所定の補正係数を演算してもよい。より柔軟にノイズレベルを決定することができる。
【0055】
又、第2実施例では局所領域における最大輝度と最小輝度の差値からばらつき係数を特定していたが、他の方法でばらつき係数を特定してもよい。例えば、局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値をばらつき係数としてもよい。これは、図6の輝度Yi とパルスPL1、パルスPR 、パルスPH を直接、CPUで読み取るようにし、パルスPL1とパルスPH で限定される非飽和局所領域区間で輝度Yi を読んでそれに基づいて平均値輝度、各輝度との差分を求めることで実現できる。
【0056】
又、第1実施例では、局所領域内の輝度の和により飽和の有無を判定する例を示し、第2実施例では、局所領域内の輝度の最小値により飽和の有無を判定する例を示したが、他の方法で飽和の判定を行ってもよい。例えば、局所領域内で飽和した画素の数をカウントし、その数に基づいて飽和の有無を判定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る画像処理装置のシステム構成図。
【図2】本発明の第1実施例に係るノイズ測定装置の構成ブロック図。
【図3】本発明の第1実施例に係る局所領域説明図。
【図4】本発明の第1実施例に係る飽和判定説明図。
【図5】本発明の第1実施例に係る密に設定した局所領域説明図。
【図6】本発明の第2実施例に係るノイズ測定装置の構成ブロック図。
【図7】本発明の第3実施例に係る画像処理装置のシステム構成図。
【図8】本発明の第3実施例係るダイナミックレンジ圧縮装置の制御回路図。
【図9】従来例に係る画像ノイズ測定方法説明図。
【図10】従来例に係る画像ノイズ測定回路図。
【符号の説明】
10…AND器
11…デコーダ
12…カウンタ
13、17、21…乗算器
14、18…加算器
15、16、19…レジスタ
20、23、25…レジスタ
22…減算器
24、26、28、31…比較器
27、30…レジスタ
50…ダイナミックレンジ圧縮器
60…制御装置
90…撮像装置
100…ノイズ測定装置
200…ノイズ測定装置

Claims (13)

  1. 入力画像信号に対し、画面内の全領域にほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置し、
    前記各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定し、
    複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつき係数をそれぞれ検出し、
    複数の前記ばらつき係数に基づいてノイズレベルを検出することを特徴とする画像ノイズ検出方法。
  2. 前記ノイズレベルは、前記ばらつき係数の最小値に基づいて決定する、又は最小クラスの前記ばらつき係数に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像ノイズ検出方法。
  3. 前記ノイズレベルは、複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値、又は複数の最小クラスの前記ばらつき係数の時間平均関連値に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像ノイズ検出方法。
  4. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における輝度の分散値であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法。
  5. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法。
  6. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法。
  7. 入力画像の視認性を向上させる画像処理装置であって、入力画像信号に対し、画面内の全領域にほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置する局所領域設定手段と、
    前記局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する飽和判定手段と、
    複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつきを検出するばらつき係数検出手段と、
    複数の前記ばらつき係数に基づいてノイズレベルを特定するノイズレベル特定手段とからなるノイズ測定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記ノイズレベル特定手段は、前記ノイズレベルを最小の前記ばらつき係数に基づいて特定する、又は最小クラスの前記ばらつき係数に基づいて特定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記ノイズレベル特定手段は、複数時刻で検出された複数の最小の前記ばらつき係数の時間平均関連値を、又は最小クラスの前記ばらつき係数の時間平均関連値を算出する時間平均手段を有することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における前記輝度の分散値であることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値であることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領域内における輝度の最大値と最小値との差値であることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置。
  13. 力画像の低空間周波数成分を抑制することによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレンジ圧縮手段と、
    前記ノイズ測定手段により測定されたノイズの大きさにより、前記ダイナミックレンジ圧縮手段を制御する制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装置。
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