JP2003331283A - 画像ノイズ検出方法及びそれを用いた画像処理装置 - Google Patents

画像ノイズ検出方法及びそれを用いた画像処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確に画像ノイズを検出する検出方法を提供
する。 【解決手段】 リアルタイムで画像信号のノイズ指標を
検出する方法である。入力画像信号Cに対し、カウンタ
12からなる局所領域設定手段によって、一連の画像信
号に一様に分布する多数の局所領域を設定する。そし
て、加算器18、レジスタ19、20、比較器26で飽
和判定手段を形成し、局所領域の飽和の有無を判定す
る。又、乗算器13、加算器14 、レジスタ15 、16
、乗算器17 、加算器18 、レジスタ19 、20、乗
算器21、減算器22でばらつき係数検出手段を形成
し、分散(ばらつき係数)を算出する。又、レジスタ2
3、比較器24、レジスタ25でノイズレベル特定手段
を構成し、非飽和パルスPH と最小値ロードパルス
L2’でばらつき係数(減算器22の出力)の最小値を
レジスタ23に記憶し、レジスタ25からそれをノイズ
指標Nとして出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に含まれ
るノイズを検出するノイズ検出方法、及びそれを用いた
画像処理装置に関する。特に、画像信号に複数の局所領
域を設け、その非飽和の局所領域の輝度のばらつきに基
づいてノイズレベルを検出するノイズ検出方法、及びそ
れを用いた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より画像信号中のノイズの測定方法
及びその装置の1例として、特開平6−51009号公
報に開示のノイズ測定方法及びその装置がある。これ
は、画像中に複数のブロックを設け(図9(a))、各
ブロックのアクティビティー値Aを計算して、そのアク
ティビティー値Aに基づいて、ノイズレベルを設定する
方法である。このアクティビティー値Aはブロック中で
の輝度のばらつきの大きさを表す量であり、例えば統計
処理における分散値である。そして、図9(b)に示す
ように、全てのブロックについてアクティビティー値A
の頻度分布をとり、頻度小の方からK %(K =1〜1
0)の点のアクティビティー値Nを求め、それをノイズ
値Nとして出力する方法である。更には、図10に示す
ようにアクティビティ値計算回路1によって周期的に計
算されたアクティビティー値Aと累算回路2に記憶され
ているノイズ値Nとを比較回路3によって比較し、A<
Nなら第1の補正値をノイズ値Nに加算し、A>Nなら
第1の補正値よりも10〜100倍大きい第2の補正値
をノイズ値Nから減算することにより、このノイズ値N
をブロック毎に更新し、この更新を繰り返してノイズ値
Nを所望の値に収束させることにより、頻度分布を求め
ることなくノイズ値Nを求めることを特徴としている。
【0003】又、他に特開平7−30786号公報に開
示の画像信号中の雑音成分を測定する方法、及びその方
法を遂行するための回路がある。これは、原画像信号を
遅延回路で遅延させ、両者の差分をとって差分絶対値信
号を形成し、信号の経時的なゆらぎによるノイズを明確
にする方法である。具体的には、それらの差分絶対値信
号にブロックであるサーチ窓を設定し、そのサーチ窓内
での最大ピーク値を検出し、更に複数のサーチ窓内での
ピーク値の最小値を求めて、それをノイズレベルとする
ことを特徴としている。
【0004】又、他に特開平8−201464号公報に
開示のテレビジョン信号のS/N値検出方法がある。こ
の方法は、入力映像信号を画面上で複数のブロックに分
割し、各ブロックにおいて画素毎に時間平均された信号
及び空間平均された信号との差分を求めている。そし
て、ブロック内での差分値の分布とノイズ値の統計的な
分布とを比較し有意度を判定し、有意度有りと判定され
たブロックの差分値の全画面内での発生頻度を求める。
この発生頻度の分布から映像信号のS/N値を検出する
ことを特徴としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
特開平6−51009号公報に開示のノイズ測定方法及
びその装置は、画面内のすべてのブロックのアクティビ
ティー値Aに基づいて、そのK %点をノイズ値Nとして
採用している。このため、推定されるノイズ値が原画像
(ノイズフリー)の特性に大きく依存するという問題が
ある。即ち、原画像に占める飽和する部分の面積の割合
が大きい場合、アクティビティ値の小さいブロックの数
が多くなり、結果としてK%点であるノイズ値も小さく
なる。逆に原画像に占める飽和する部分の面積の割合が
小さい場合、アクティビティ値の大きいブロックの数が
多くなり、結果としてK%点であるノイズ値は大きくな
る。また、原画像が画面全体に高周波成分を多く含む場
合、アクティビティー値の大きいブロックの数が多くな
り、結果としてK %点であるノイズ値も大きくなる。逆
に、原画像が画面全体に低周波成分を多く含む場合は、
アクティビティー値Nの小さいブロックの数が多くな
り、結果としてK %点であるノイズ値は小さくなる。
【0006】又、推定されたノイズ値と新たなブロック
のアクティビティー値との比較結果に基づいて、推定さ
れたノイズ値Nに第1の補正値を加算、又は第2の補正
値を減算するステップを繰り返すことにより、ノイズ値
を適切な値に収束させるているが、この方法では、ノイ
ズ値の大きさに対する第1及び第2 の補正値の大きさに
より収束結果が変化することになる。即ち、ノイズ値N
に対し、第1及び第2の補正値が大きい場合、比較的少
数回の比較によりノイズ値Nは収束するが、収束結果の
ばらつきが大きくなる。一方、ノイズ値Nに対し、第1
及び第2の補正値が小さい場合、収束結果のばらつきは
小さくなるが、収束に必要な比較回数が多くなる。即
ち、画面内のすべてのブロックに対して比較を行っても
ノイズ値Nが収束しない場合がある。従って、第1及び
第2の補正値の大きさを適切に定め、正しくノイズ値を
収束させるためには、予めノイズ値Nのおよその値が既
知である必要があるという問題もある。
【0007】又、特開平7−30786号公報に開示の
画像信号中の雑音成分を測定する方法、及びその方法を
遂行するための回路では、原画像信号とその遅延信号と
の差分絶対値信号のサーチ窓内での最大値は、サーチ窓
内に動きがない場合は入力画像中のノイズ成分のピーク
値を表し、サーチ窓内に動きがある場合は動きの成分と
ノイズの成分の重塁された値のピーク値を表している。
即ち、複数のサーチ窓において、各サーチ窓内の最大値
の最小値を検出することにより、動きの成分を含まない
ノイズの成分のみのピーク値を検出するものである。し
たがって、複数のサーチ窓のいずれかにおいては、画像
の動きが無いことを仮定した方法である。しかし、例え
ば車載カメラのように動いているカメラで撮像した画像
の場合、画面内すべてにおいて動きが生じているため、
検出されるピーク値はすべてのサーチ窓内において動き
の成分を含んだ値となる。即ち、動いているカメラで撮
像した画像のノイズを測定する場合に、実際のノイズの
成分よりも大きな値を検出するという問題がある。
【0008】又、特開平8−201464号公報に開示
のテレビジョン信号のS/N値検出方法では、入力映像
信号中の各ブロックにおいて画素毎に時間平均された信
号及び空間平均された信号との差分を求め、その差分値
の分布とノイズ値の既知の統計的な分布とを比較するこ
とで有意度を判定している。即ち、入力画像信号とその
時間平均された信号との差分値の分布から、ブロック内
での画像の動きの有無を判定し、又入力画像信号とその
空間平均された信号との差分値の分布から、ブロック内
での画像の変化成分(エッジ)の有無を判定している。
この方法では、各ブロック内においてノイズの統計的分
布との比較による有意度の判定を行う為、計算コストが
大きくなるという問題がある。
【0009】本発明は上記課題を解決するため成された
ものであり、その目的は画像に設定された非飽和局所領
域の輝度のばらつき係数を検出し、検出された複数のば
らつき係数に基づいて適切に画像のノイズを検出するこ
とである。そして、画像の動きの成分、画面内の飽和す
る部分の面積、及び画面内に存在する高周波成分に依存
せず、ノイズの概算値が未知である場合でも正しくノイ
ズの大きさを検出することである。又、それを利用した
画像処理装置を提供することである。更には、入力画像
に含まれるノイズの大きさに基づいてダイナミックレン
ジ圧縮機能をオンオフさせるか圧縮量の大小を変化さ
せ、常に、視認性に優れた画像とする方法を提供するこ
とである。又、それを用いた画像処理装置を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の画像ノイズ検出方法は、入力画像
信号に対し、画面内の全領域にほぼ一様に分布する多数
の局所領域を設置し、その各局所領域内の輝度の飽和の
有無を判定し、複数の非飽和局所領域において輝度のば
らつき係数をそれぞれ検出し、複数のばらつき係数に基
づいてノイズレベルを検出することを特徴とする。
【0011】又、請求項2に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイ
ズレベルはばらつき係数の最小値に基づいて決定する、
又は最小クラスのばらつき係数に基づいて決定すること
を特徴とする。又、請求項3に記載の画像ノイズ検出方
法は請求項1又は請求項2に記載の画像ノイズ検出方法
であって、ノイズレベルは複数時刻で検出された複数の
最小のばらつき係数の時間平均関連値、又は複数の最小
クラスのばらつき係数の時間平均関連値に基づいて決定
することを特徴とする。
【0012】又、請求項4に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイ
ズ検出方法であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内
における輝度の分散値であることを特徴とする。又、請
求項5に記載の画像ノイズ検出方法は請求項1乃至請求
項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方法であっ
て、ばらつき係数は非飽和局所領域内における平均輝度
と各輝度との差分絶対値の平均値であることを特徴とす
る。又、請求項6に記載の画像ノイズ検出方法は請求項
1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出方
法であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における
画素値の最大値と最小値との差値であることを特徴とす
る。
【0013】又、請求項7に記載の画像処理装置は入力
画像の視認性を向上させる画像処理装置であって、入力
画像信号に対し画面内の全領域にほぼ一様に分布する多
数の局所領域を設置する局所領域設定手段と、その局所
領域内の輝度の飽和の有無を判定する飽和判定手段と、
複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつきを検出
するばらつき係数検出手段と、その複数のばらつき係数
に基づいてノイズレベルを特定するノイズレベル特定手
段とからなるノイズ測定手段を備えたことを特徴とす
る。
【0014】又、請求項8に記載の画像処理装置は請求
項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定
手段はノイズレベルを最小のばらつき係数に基づいて特
定する、又は最小クラスのばらつき係数に基づいて特定
することを特徴とする。又、請求項9に記載の画像処理
装置は請求項7に記載の画像処理装置であって、ノイズ
レベル特定手段は複数時刻で検出された複数の最小のば
らつき係数の時間平均関連値を、又は最小クラスのばら
つき係数の時間平均関連値を算出する時間平均手段を有
することを特徴とする。
【0015】又、請求項10に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置
であって、ばらつき係数は局所領域内における輝度の分
散値であることを特徴とする。又、請求項11に記載の
画像処理装置は請求項7乃至請求項9の何れか1項に記
載の画像処理装置であって、ばらつき係数は局所領域内
における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値であ
ることを特徴とする。
【0016】又、請求項12に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置
であって、ばらつき係数は局所領域内における輝度の最
大値と最小値との差値であることを特徴とする。又、請
求項13に記載の画像処理装置は入力画像の視認性を向
上させる画像処理装置であって、入力画像信号のノイズ
レベルを測定するノイズレベル測定手段と、入力画像の
低空間周波数成分を抑制することによりダイナミックレ
ンジを圧縮するダイナミックレンジ圧縮手段と、ノイズ
レベル測定手段により測定されたノイズの大きさにより
ダイナミックレンジ圧縮手段を制御する制御手段とを備
えたことを特徴とする。
【0017】又、請求項14に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装
置であって、入力画像の低空間周波数成分を抑制するこ
とによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレ
ンジ圧縮手段と、ノイズレベル特定手段により特定され
たノイズの大きさにより、ダイナミックレンジ圧縮手段
を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
【作用及び発明の効果】請求項1に記載の画像ノイズ検
出方法は、先ず、入力画像信号に対し画面内の全領域に
ほぼ一様に分布するように多数の局所領域を設定する。
局所領域とは、図3に示すように撮像装置から出力され
るノイズを含んだ画像信号に設定された区間A〜E等で
ある。尚、図3には、1次元の局所領域の例を示した
が、局所領域は2次元であってもよい。そして、その各
局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する。何故なら、
局所領域において輝度が飽和していると、たとえノイズ
が存在してもその飽和値に埋没してしまい正しくノイズ
検出ができないからである(図4)。従来のように、飽
和領域を考慮せず、複数の局所領域のばらつきの係数の
k%点(k=1〜10)、又は最小値に基づいてノイズ
の大きさを求めると、真のノイズの大きさよりも小さな
値が検出される危険性がある。
【0019】よって、本発明の方法は、飽和していない
と判定された複数の局所領域(以降、非飽和局所領域)
に対して、輝度のばらつき係数を検出する。ばらつき係
数とは、例えば統計上の分散である。ばらつき係数と画
像信号中のノイズの大きさとには、図4に示すような関
連性がある。即ち、飽和局所領域Cを除く他の領域にお
いて、特に例えば局所領域Aのようにエッジや濃度勾配
等が存在しない場合は、主にノイズ信号のみとなりばら
つき係数NA は小さくなる。一方、他の局所領域におい
て画像の輝度が変化している場合、即ち局所領域B、
D、Eのようにエッジが存在する場合や濃度勾配が存在
する場合、検出されるばらつき係数NB 、ND 、NE
大きくなる。即ち、ばらつき係数とノイズレベルは相関
がある。よって、非飽和局所領域に対してばらつき係数
を求め、それをその画像のノイズレベルの指標とする。
【0020】本発明の方法によれば、従来のように飽和
信号の影響を受けないので、正確にノイズレベルを検出
することができる。又、従来のように、ノイズの大きさ
に依存した閾値や補正値を用いない為、ノイズの大きさ
の概算値が未知であっても正しくノイズの大きさを求め
ることができる。尚、本発明の方法は、画面内の複数の
非飽和局所領域の少なくとも1ケ所以上がエッジや濃度
勾配を含まない一様な領域であるという仮定に基づいて
いる。屋外シーンを撮影した画像では、局所領域の大き
さを適切に定めることにより、この仮定がほぼ成立す
る。例えば、建物の壁面、空、路面等がエッジや濃度勾
配を含まない一様な非飽和局所領域に相当する。
【0021】又、本発明の方法は静止画のみならず動画
にも適用可能である。即ち、車載カメラ画像等の動きの
あるカメラ信号に対しても有効である。車載カメラの画
像は、画面全体に動きがあるが、1画面内の1次元又は
2次元の一部分を局所領域として定めることにより、局
所領域内には動きに起因した輝度変化は生じない。した
がって、画面全体に動きがあっても、正しくノイズの大
きさを検出することができる。
【0022】又、請求項2に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1に記載の画像ノイズ検出方法であって、ノイ
ズレベルはばらつき係数の最小値に基づいて決定する。
又は、最小クラスのばらつき係数に基づいて決定する。
局所領域内において、ノイズ以外の成分による輝度変化
がある場合、検出されるばらつき係数はそれがない場合
より大きくなる。従って、複数の非飽和局所領域のばら
つき係数を算出した場合、最小のばらつき係数、又は最
小クラスのばらつき係数は正確なノイズレベルを示す指
標となる。最小のばらつき係数、又は最小クラスのばら
つき係数は容易に求めることができる。即ち、ノイズレ
ベルを容易に正しく求めることができる。
【0023】又、請求項3に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1又は請求項2に記載の画像ノイズ検出方法で
あって、ノイズレベルは複数時刻で検出された複数の最
小のばらつき係数の時間平均関連値、又は複数の最小ク
ラスのばらつき係数の時間平均関連値に基づいて決定す
る。ここで時間平均関連値とは、所定時間内のばらつき
係数の平均値、又は荷重平均値、所定時間内のばらつき
係数の総和、又は荷重和等を意味する。何れでも良い。
最小のばらつき係数、又は最小クラスのばらつき係数を
時間平均関連値で表現するので、検出するノイズレベル
の短時間変動が緩和される。よって、安定したノイズレ
ベルの検出結果を得ることができる。
【0024】又、請求項4に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイ
ズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内
における輝度の分散値としている。ばらつきは統計上の
概念であり、それは統計上の分散で最も的確に表すこと
ができる。よって、ばらつき係数を分散値とすれば、的
確にノイズレベルを検出することができる。
【0025】又、請求項5に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイ
ズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内
における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値とし
ている。このようにすれば、分散値のように2乗演算を
しなくとも、絶対値演算と加算平均演算のみで、容易に
ばらつき係数を検出することができる。
【0026】又、請求項6に記載の画像ノイズ検出方法
は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイ
ズ検出方法であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内
における輝度の最大値と最小値との差値としている。分
散値をばらつき係数とした場合、検出されるノイズレベ
ルがノイズの平均値となるのに対し、最大値と最小値と
の差値をばらつき係数とした場合、検出されるノイズレ
ベルはノイズのピーク値となる。即ち、ノイズの大きさ
を表現する1つの方法となる。よって、非飽和局所領域
内における輝度の最大値と最小値との差値をばらつき係
数とすれば、演算は比較演算のみとなる。よって、更に
簡略化してばらつき係数を検出することができる。
【0027】又、請求項7に記載の画像処理装置は、通
常の画像処理装置に入力画像信号のノイズを検出するノ
イズ検出手段を備えている。そして、そのノイズ検出手
段は、局所領域設定手段、飽和判定手段、ばらつき係数
検出手段、ノイズレベル特定手段から構成されている。
先ず、ノイズ検出手段の局所領域設定手段が、入力画像
信号に対し画面内の全領域にほぼ一様に分布するよう多
数の局所領域を設定する。局所領域とは、図3に示すよ
うにカメラから出力されるノイズを含んだ画像信号に設
定された区間A〜E等である。そして、飽和判定手段が
その各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する。何故
なら、局所領域において輝度が飽和していると、たとえ
ノイズが存在してもその飽和値に埋没してしまい正しく
ノイズ検出ができないからである(図4)。即ち、従来
のように飽和領域を考慮せず、複数の局所領域のばらつ
きの係数のk%点(k=1〜10)、又は最小値に基づ
いてノイズの大きさを求めると、真のノイズの大きさよ
りも小さな値が検出される可能性がある。
【0028】よって、本発明の画像処理装置では、非飽
和局所領域に対してばらつき係数検出手段を作用させ、
輝度のばらつき係数を検出する。ばらつき係数とは、例
えば統計上の分散である。ばらつき係数と画像信号中の
ノイズの大きさとには、図4に示したような関連性があ
る。即ち、例えば局所領域Aのように単調な背景に主に
ノイズ信号がある場合は、ばらつき係数は小さくなる。
逆に、原画像の輝度が変化している場合、即ち局所領域
B、D、Eのようにエッジが存在する場合や濃度勾配が
存在する場合、検出されるばらつき係数は大きくなる。
即ち、ばらつき係数とノイズレベルは相関がある。従っ
て、ばらつき係数検出手段によって非飽和局所領域に対
してばらつき係数を算出する。そして、ノイズレベル特
定手段がその算出された複数のばらつき係数からノイズ
レベルを特定する。例えば、ばらつき係数の最小値をノ
イズレベルの指標として特定する。
【0029】本発明の画像処理装置によれば、画像信号
のノイズ検出において、飽和した局所領域を除外してい
る。よって、従来のように飽和信号の影響を受けないの
で、正確にノイズレベルを検出して画像処理することが
できる。又、従来のように、ノイズの大きさに依存した
閾値や補正値を用いない為、ノイズの大きさの概算値が
未知であっても正しくノイズの大きさを求めて、それを
用いて画像処理することができる。
【0030】又、請求項8に記載の画像処理装置は請求
項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定
手段はノイズレベルを最小のばらつき係数に基づいて特
定する、又は最小クラスのばらつき係数に基づいて特定
する。局所領域内においてノイズ以外の成分による輝度
変化がある場合、検出されるばらつき係数はそれがない
場合よりも大きくなる。従って、複数の非飽和局所領域
のばらつき係数を算出した場合、最小のばらつき係数、
又は最小クラスのばらつき係数が正確なノイズの大きさ
を示すものとなる。よって、ノイズレベル特定手段は、
そのばらつき係数の最小値、又は最小クラスのばらつき
係数に基づいてノイズレベルを決定する。これにより、
画像に含まれるノイズの大きさは容易に正しく検出され
る。よって、ノイズを考慮した正確な画像処理を行うこ
とができる。
【0031】又、請求項9に記載の画像処理装置は請求
項7に記載の画像処理装置であって、ノイズレベル特定
手段は複数時刻で検出された複数の最小のばらつき係数
の時間平均関連値を算出する、又は複数時刻で検出され
た複数の最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値を
算出する時間平均手段を有している。ここで、時間平均
関連値とは、所定時間内に得られたばらつき係数の平均
値、又は荷重平均値、所定時間内でのばらつき係数の総
和、又は荷重和等の意味である。何れでも良い。時間平
均手段が、複数時刻で検出された複数の最小のばらつき
係数、又は最小クラスのばらつき係数の時間平均関連値
を算出するので、ノイズレベルの短時間変動を緩和する
ことができる。よって、安定したノイズ処理を行うこと
ができ、その結果、安定した画像処理結果を得ることが
できる。
【0032】又、請求項10に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置
であって、ばらつき係数は非飽和局所領域内における輝
度の分散値である。ばらつきは統計上の概念であり、そ
れは分散で最も的確に表すことができる。よって、ばら
つき係数を分散値とすれば、的確にノイズレベルを検出
することができる。よって、的確にノイズレベルを検出
して画像処理する装置となる。
【0033】又、請求項11に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置
であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における平
均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値としている。こ
のようにすれば、絶対値演算と加算平均演算のみで容易
にばらつき係数を検出することができる為、装置構成を
簡略化できる。
【0034】又、請求項12に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理装置
であって、ばらつき係数を非飽和局所領域内における輝
度の最大値と最小値との差値としている。非飽和局所領
域内において、ノイズ以外の成分による輝度変化がない
場合、輝度の最大値と最小値の差値はノイズのピーク値
を表す。よって、上記のような場合には、ばらつき係数
はノイズの大きさを表す一つの指標とすることができ
る。このようにすれば、演算は比較演算のみとなり、更
に演算が簡略化される。
【0035】又、請求項13に記載の画像処理装置は入
力画像の視認性を向上させる画像処理装置であって、入
力画像信号のノイズレベルを測定するノイズレベル測定
手段と、入力画像の低空間周波数成分を抑制することに
よりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレンジ
圧縮手段と、ノイズレベル測定手段により測定されたノ
イズの大きさによりダイナミックレンジ圧縮手段を制御
する制御手段とを備えている。画像処理には、低空間周
波数成分を抑制することにより、輝度のダイナミックレ
ンジを圧縮する方法がある。夜間に撮影された画像は、
AGCによる増幅率が大きいため、ノイズレベルが大き
くなる。このような、ノイズレベルの大きな画像に対し
てダイナミックレンジ圧縮処理をするとノイズが強調さ
れるという問題がある。このような場合は、画像信号の
ノイズレベルをノイズレベル測定手段によって測定し、
その結果を制御手段に送出する。制御手段は、例えば測
定結果によって、出力画像をダイナミックレンジ圧縮手
段からの画像信号から原画像信号に切り換える。又は、
制御手段はその結果によってダイナミックレンジ圧縮手
段の低空間周波数成分の抑制量を小さくする。これによ
り、画像ノイズを強調しないようにする。このようにす
れば、夜間画像のようなノイズレベルの大きな画像信号
に対してもノイズを強調することなく、適切な画像処理
を行うことができる。
【0036】又、請求項14に記載の画像処理装置は請
求項7乃至請求項12の何れか1項に記載の画像処理装
置であって、入力画像の低空間周波数成分を抑制するこ
とによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミックレ
ンジ圧縮手段と、ノイズレベル測定手段により測定され
たノイズの大きさにより、ダイナミックレンジ圧縮手段
を制御する制御手段とを備えている。画像処理には、低
空間周波数成分を抑制することにより、輝度のダイナミ
ックレンジを圧縮する方法がある。夜間に撮影された画
像は、AGCによる増幅率が大きいため、ノイズレベル
が大きくなる。このような、ノイズレベルの大きな画像
に対してダイナミックレンジ圧縮処理をするとノイズが
強調されるという問題がある。このような場合は、画像
信号のノイズレベルを請求項7乃至請求項12の何れか
1項に記載の画像処理装置のノイズレベル測定手段によ
って、そのノイズレベルを効率よく適切に測定する。そ
して、その結果を制御手段に送出する。制御手段は、例
えば測定結果によって、出力画像をダイナミックレンジ
圧縮手段からの画像信号から原画像信号に切り換える。
又は、制御手段はその結果によってダイナミックレンジ
圧縮手段の低空間周波数成分の抑制量を小さくする。こ
れにより、画像ノイズを強調しないようにする。このよ
うにすれば、夜間画像のようなノイズレベルの大きな画
像信号に対してもノイズを強調することなく、より適切
に画像処理を行うことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例に
ついて図を用いて説明する。尚、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。 (第1実施例)図1に本発明の画像ノイズ検出方法を利
用した画像処理装置を示す。図は、システム構成図であ
る。本実施例の画像処理装置は、撮像装置90、ノイズ
測定装置100、フレームメモリ110、CPU12
0、ROM130、RAM140、I/Oインターフェ
ース150から構成される。本実施例は、撮像装置90
後段に、正確にノイズレベルを検出するノイズ測定装置
100を設けたことが特徴である。
【0038】このノイズ測定装置100の詳細を図2に
示す。図は、ブロック図である。ノイズ測定装置100
は、デコーダ11、局所領域設定手段であるカウンタ1
2、ばらつき係数検出手段を構成する乗算器13、加算
器14 、レジスタ15 、レジスタ16 、乗算器17 、加
算器18 、レジスタ19 、レジスタ20、乗算器21、
減算器22、ノイズレベル特定手段を構成するレジスタ
23、比較器24、レジスタ25、飽和判定手段である
加算器18、レジスタ19、レジスタ20、比較器26
から構成される。尚、以降、細線で示した信号線は1ビ
ットの制御信号線路を意味し、太線で示した信号線はバ
ス信号線路を意味するものとする。
【0039】上記構成において、入力画像信号Cはアナ
ログ信号でデコーダ11に入力される。デコーダ11は
入力されたアナログ画像信号をデコードし、画面左上か
ら右下までの画素毎の輝度値Yi を順次デジタル値で出
力し、又、各ラインの開始を示すパルスHs 、及び各フ
レームの開始を示すパルスVsを出力する。そして、画
素毎の輝度値Yi は、カウンタ12、乗算器13、加算
器18に入力される。ここで、カウンタ12は後述する
ように、例えば縦1画素横W画素の局所領域を設定する
役割を果たしている。即ち、W画素のカウント毎に、リ
セット信号PR 、及びロード信号PL1を出力し、後述の
累積データ(ΣYi 2 、ΣY i 、i=1〜W)を更新す
る。この局所領域は、画像信号上では図5のように示さ
れる。即ち、撮像装置90から出力されるノイズを含ん
だ画像信号に互いに重なり合わずに、且つ密に設定され
た区間A〜G等が局所領域となる。
【0040】図2において、乗算器13に入力された輝
度値Yi は乗算器13により2乗され、加算器14にお
いて前回の値(レジスタ15 に記憶された値)と加算さ
れ再びレジスタ15 に記憶される。このレジスタ15 の
出力データはカウンタ12からパルスPL1が入力された
ときにレジスタ16に記憶され、レジスタ15 のデータ
はパルスPR が入力された時に零にリセットされる。従
って、レジスタ16 には局所領域内の輝度Yi の2 乗和
(=ΣYi 2 、i=1〜W)が記憶される。加算器18
、レジスタ19 、レジスタ20の動作も同様であり、
レジスタ20には局所領域内の輝度Yi の和(ΣYi
i=1〜W)が記憶される。
【0041】そして、減算器22において乗算器17で
W倍された輝度Yi の2乗和(WΣYi 2 )から、乗算
器21で輝度Yi の和の2乗された値(ΣYi 2 が減
算されて出力される。この出力は、局所領域内の輝度の
分散値のW2 倍であり、即ちばらつき係数となる。尚、
カウンタ12は、パルスHsが入力された時はパルスP
R のみを出力する。これは、局所領域内を探索中に画像
端に達したときにレジスタ15及びレジスタ19の値を
ロードせずにリセットすることにより探索中の局所領域
を無効にするためである。
【0042】そして、ノイズレベル特定手段であるレジ
スタ23、比較器24、レジスタ25によりノイズレベ
ルを特定する。ここでは、ばらつき係数の最小値をノイ
ズレベルの指標として検出する(図3)。又、同時に現
在の局所領域が非飽和局所領域か否か判定する。これは
局所領域の輝度が飽和していると、図4に示すようにノ
イズがその飽和レベルに埋もれ、ばらつき係数が正しく
ノイズの大きさを表す指標とならないからである。即
ち、飽和判定しない場合は、図4において局所領域Cの
ばらつき係数Ncが最小となるが、飽和判定すれば局所
領域Aのばらつき係数NA が最小値となる。飽和の判定
は、以下のように行う。図2において、比較器26によ
ってレジスタ20の出力(ΣYi 、i=1〜W)と所定
の閾値Tとを比較し、前者が小さい場合に(非飽和)パ
ルスPH を出力する。レジスタ20の出力は局所領域内
の輝度の和であり、閾値Tは輝度の飽和レベルにWを乗
じた値、若しくはそれよりも若干小さい値とする。つま
り、比較器26によって局所領域の輝度の飽和の有無を
判定する。
【0043】一方、最小のばらつき係数は、レジスタ2
3、比較器24、及びAND器10によって特定され
る。先ず、Vsの入力(1フレームの終了)により、レ
ジスタ23の記憶値を初期値にリセットする。この初期
値は、ばらつき係数よりも十分大きな値としておく。次
に、ばらつき係数の最小値候補を減算器22から出力
し、比較器24によってレジスタ23に記憶された値と
比較する。そして、前者が小さい場合にパルスPL2’を
出力する。このパルスPL2’は、上述した(非飽和)パ
ルスPH とAND器10で、論理積が取られ、両者が’
H’の時のみロードパルスPL2がレジスタ23に出力さ
れる。即ち、局所領域が非飽和であって、且つ、現在の
領域が最小である場合に、レジスタ23に記憶される。
これを、全ての局所領域について演算する。
【0044】最後に、次フレーム開始の信号Vsによっ
て、最小値をレジスタ25に記憶する。これにより、ノ
イズレベルの指標である最小のばらつき係数がN値とし
て出力される。尚、CPU120は、このばらつき係数
Nを内部バスで検出し、その値に応じてROM130に
書かれた様々なプログラムを実行する。例えば、ノイズ
の大きさに応じて微分画像の2値化レベルを決定した
り、平滑化フィルタの大きさを決定したりする。このば
らつき係数Nは、様々な画像処理に使用することができ
る。
【0045】(第2実施例)第1実施例は、ばらつき係
数を分散値から算出し、局所領域内の輝度の和により、
飽和の有無を判定する例であった。このばらつき係数
は、他のパラメータから算出してもよく、飽和の判定を
他の方法で行っても良い。本実施例は、局所領域におけ
る最大輝度と最小輝度の差値からノイズレベルを特定
し、局所領域内の最小輝度から飽和の有無を判定する例
である。図6に第2実施例のノイズ測定装置200を示
す。図は、回路図である。このノイズ測定装置200
は、第1実施例のノイズ測定装置100(図2)におけ
るばらつき係数検出手段及び飽和判定手段の構成部分を
以下のように置換えたものである。
【0046】本実施例のばらつき係数検出手段は、レジ
スタ27、比較器28、レジスタ29、レジスタ30、
比較器31、レジスタ32、減算器22から構成され
る。飽和判定手段は、レジスタ30、比較器31、レジ
スタ32、比較器26から構成される。本実施例のばら
つき係数は、以下のように求められる。先ず、比較器2
8によって、輝度Yi (i=1〜W)とレジスタ27に
記憶された値とを比較し、前者が大きい場合にパルスP
L3をレジスタ27に出力する。これにより、レジスタ2
7はパルスが入力されたとき輝度Yi を記憶する。即
ち、レジスタ27には局所領域内を探索中の暫定の最大
輝度Ymax が記憶される。尚、レジスタ27はパルスP
R が入力されたとき、記憶する値を初期値にリセットす
る。このとき初期値は輝度Yに対し十分小さな値に設定
する。
【0047】又、レジスタ29はパルスPL1が入力され
たときレジスタ27に記憶された値を記憶する。したが
って、レジスタ29に記憶される値は局所領域内の最大
値である。同様にして、レジスタ30、比較器31、レ
ジスタ32により局所領域内の輝度の最小値を検出す
る。こうして検出された局所領域内の輝度の最大値と最
小値は、減算器22により減算されてばらつき係数とし
て出力される。本実施例の飽和判定手段はレジスタ3
0、比較器31、レジスタ32により検出された局所領
域内の輝度の最小値を、比較器26により閾値Tと比較
することにより飽和の有無を判定する。本実施例におけ
るばらつき係数検出手段及び飽和判定手段は、加算器、
乗算器等の演算器が不要である。レジスタ、比較器のみ
で構成できるため、装置構成を簡略化することが可能と
なる。
【0048】(第3実施例)図7に第3の実施例の画像
処理装置を示す。本実施例の画像処理装置は、撮像装置
90、ノイズ測定装置100、ダイナミックレンジ圧縮
手段であるダイナミックレンジ圧縮器50、ダイナミッ
クレンジ圧縮器50の制御手段である制御装置60、フ
レームメモリ110、CPU120、ROM130、R
AM140、I/Oインターフェース150から構成さ
れる。尚、制御装置60は後述するように時間平均手段
も有している。本実施例は、撮像装置90後段に、ノイ
ズ測定装置100とダイナミックレンジ圧縮器50、及
びそれを制御する制御装置60を設けたことが特徴であ
る。ダイナミックレンジ圧縮機能を有する画像処理装置
においては、夜間の画像のようにノイズレベルの大きな
画像に適用した場合にノイズ成分が強調されるという問
題がある。第3実施例は、画像信号のノイズレベルをノ
イズ検出装置100によって検出し、その検出信号によ
ってダイナミックレンジ圧縮器50を制御して(原画像
に切り換えて)ノイズを発生させない構成である。又、
ばらつき係数を時間平均関連値で算出して、安定してノ
イズ値を検出する1例である。
【0049】図8にノイズ測定装置100、ダイナミッ
クレンジ圧縮器50と制御装置60の回路図を示す。図
8において、ノイズ測定装置100とダイナミックレン
ジ圧縮器50、デコーダ33以外が制御装置60であ
る。制御装置60は、カウンタ35 、加算器36、レジ
スタ37 、レジスタ38 、比較器39 、セレクタ40、
41から構成される。上記構成において、先ず、入力画
像信号Cはアナログ信号でデコーダ33に入力される。
デコーダ33は入力されたアナログ画像信号をデコード
し、画面左上から右下までの画素毎の輝度値Y、色差
U、Vを順次デジタル値で出力する。更に、各ラインの
開始を示すパルスHs、及び各フレームの開始を示すパ
ルスVsを出力する。デコーダ33でデコードされた輝
度値Y' 、色差U' 、V' はダイナミックレンジ圧縮器
50において、ダイナミックレンジの圧縮された輝度値
Y、色差U、Vに変換される。ダイナミックレンジ圧縮
器50としては、例えば本願出願人による特願2001
−265895号に記載の方法を用いることができる。
【0050】又、デコーダ33でデコードされた輝度値
Yがノイズ測定装置100に入力され、第1実施例同様
にばらつき係数Nが検出される。カウンタ35 は、1フ
レームを表すパルスVsをカウントし、カウント値がM
になったときにパルスPL5を出力し、カウント値をゼロ
にリセットする。加算器36にはばらつき係数Nが入力
され、暫定的な加算結果がレジスタ37に、Mフレーム
分の加算結果がレジスタ38に記憶される。即ち、この
Mフレーム間にノイズが時間変動しても、全てが加算さ
れるので短時間当たりの変動が緩和される。このMフレ
ーム間は、所定時間であり、その間のばらつき係数Nの
総和は時間平均関連値である。この意味において、カウ
ンタ35、加算器36、レジスタ37、38は時間平均
手段である。時間平均関連値である上記総和を所定時間
で除算すれば時間平均値となるが、特に除算しなくても
よい。本実施例では、その総和をそのまま用いる。この
ような時間平均関連値を用いることにより、時間の変化
に対して安定してノイズレベルを検出することができ
る。尚、本来の意味での時間平均を算出する場合は、レ
ジスタ38の後段に除算器を設け、所定時間で除算すれ
ばよい。
【0051】次に、レジスタ38 の出力(ノイズ加算値
Ns)は比較器39 に送られる。比較器39はノイズ加
算値Nsと閾値T1、又は閾値T2とを比較し、ノイズ
加算値Nsが小さい場合に出力をハイレベルとし、セレ
クタ41の端子1を選択する。即ち、ダイナミックレン
ジ圧縮器50からの信号を選択する。逆に、ノイズ加算
値Nsが大きい場合には出力をローレベルとし、セレク
タ41の端子2を選択する。即ち、原画像の信号をその
まま選択する。このように、原画像信号に含まれるノイ
ズの大きさを検出し、ノイズレベルが大である時にはダ
イナミックレンジを圧縮しないようにする。即ち、夜間
のシーン等のノイズの大きい入力画像に対してはダイナ
ミックレンジ圧縮機能をオフにし、結果的にノイズが強
調された視認性の悪い画像を出力するのを防止すること
ができる。
【0052】尚、セレクタ40では、比較器39の出力
レベルがハイレベルであるとき閾値T1が選択され、ロ
ーレベルであるとき閾値T2が選択される。即ち、閾値
T1とT2は、ダイナミックレンジ圧縮機能のオンから
オフ及びオフからオンへの切換を決定するための閾値で
あり、閾値T1は閾値T2よりも小さな値に設定する。
このように、閾値に幅(T1−T2)を持たせることに
より、加算ノイズ値が閾値付近のときに原画像とダイナ
ミックレンジ圧縮画像が頻繁に切り変わることを防止す
る。
【0053】(変形例)第1実施例では、1 フレーム毎
にばらつき係数の最小値を検出する例を示したが、1 フ
レーム毎でない場合もノイズを検出することはできる。
例えば、デコーダ11により出力されるパルスVsを、
Mフレーム毎のフレームの開始を示すパルスとすること
により、Mフレーム毎にノイズを検出することも可能で
ある。更に、パルスVS を複数ライン毎にラインの開始
を示すパルスとすることにより、1 フレーム内の複数ラ
イン毎にノイズを求めることも可能である。
【0054】又、第1実施例では、ハードウエア構成で
自動的に1フレーム毎にばらつき係数の最小値を求めた
が、時間が許されるならコンピュータ装置で特定しても
よい。即ち、図1に示したようにばらつき係数Nを局所
領域毎にCPU側で読み取り、それに基づいてCPUが
最小値、又は所定の誤差範囲にある最小クラスのばらつ
き係数を求めてもよい。又、その最小のばらつき係数、
最小クラスのばらつき係数に所定の補正係数を演算して
もよい。より柔軟にノイズレベルを決定することができ
る。
【0055】又、第2実施例では局所領域における最大
輝度と最小輝度の差値からばらつき係数を特定していた
が、他の方法でばらつき係数を特定してもよい。例え
ば、局所領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対
値の平均値をばらつき係数としてもよい。これは、図6
の輝度Yi とパルスPL1、パルスPR 、パルスPH を直
接、CPUで読み取るようにし、パルスPL1とパルスP
H で限定される非飽和局所領域区間で輝度Yi を読んで
それに基づいて平均値輝度、各輝度との差分を求めるこ
とで実現できる。
【0056】又、第1実施例では、局所領域内の輝度の
和により飽和の有無を判定する例を示し、第2実施例で
は、局所領域内の輝度の最小値により飽和の有無を判定
する例を示したが、他の方法で飽和の判定を行ってもよ
い。例えば、局所領域内で飽和した画素の数をカウント
し、その数に基づいて飽和の有無を判定することも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る画像処理装置のシス
テム構成図。
【図2】本発明の第1実施例に係るノイズ測定装置の構
成ブロック図。
【図3】本発明の第1実施例に係る局所領域説明図。
【図4】本発明の第1実施例に係る飽和判定説明図。
【図5】本発明の第1実施例に係る密に設定した局所領
域説明図。
【図6】本発明の第2実施例に係るノイズ測定装置の構
成ブロック図。
【図7】本発明の第3実施例に係る画像処理装置のシス
テム構成図。
【図8】本発明の第3実施例係るダイナミックレンジ圧
縮装置の制御回路図。
【図9】従来例に係る画像ノイズ測定方法説明図。
【図10】従来例に係る画像ノイズ測定回路図。
【符号の説明】
10…AND器 11…デコーダ 12…カウンタ 13、17、21…乗算器 14、18…加算器 15、16、19…レジスタ 20、23、25…レジスタ 22…減算器 24、26、28、31…比較器 27、30…レジスタ 50…ダイナミックレンジ圧縮器 60…制御装置 90…撮像装置 100…ノイズ測定装置 200…ノイズ測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 充彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5B057 AA20 BA02 BA30 CC02 CE02 CH08 CH18 5C061 BB03 BB06 CC01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像信号に対し、画面内の全領域に
    ほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置し、 前記各局所領域内の輝度の飽和の有無を判定し、 複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつき係数を
    それぞれ検出し、 複数の前記ばらつき係数に基づいてノイズレベルを検出
    することを特徴とする画像ノイズ検出方法。
  2. 【請求項2】 前記ノイズレベルは、前記ばらつき係数
    の最小値に基づいて決定する、又は最小クラスの前記ば
    らつき係数に基づいて決定することを特徴とする請求項
    1に記載の画像ノイズ検出方法。
  3. 【請求項3】 前記ノイズレベルは、複数時刻で検出さ
    れた複数の最小のばらつき係数の時間平均関連値、又は
    複数の最小クラスの前記ばらつき係数の時間平均関連値
    に基づいて決定することを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の画像ノイズ検出方法。
  4. 【請求項4】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領
    域内における輝度の分散値であることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像ノイズ検出
    方法。
  5. 【請求項5】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領
    域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均値
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか
    1項に記載の画像ノイズ検出方法。
  6. 【請求項6】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所領
    域内における輝度の最大値と最小値との差値であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載
    の画像ノイズ検出方法。
  7. 【請求項7】 入力画像の視認性を向上させる画像処理
    装置であって、入力画像信号に対し、画面内の全領域に
    ほぼ一様に分布する多数の局所領域を設置する局所領域
    設定手段と、 前記局所領域内の輝度の飽和の有無を判定する飽和判定
    手段と、 複数の非飽和局所領域において、輝度のばらつきを検出
    するばらつき係数検出手段と、 複数の前記ばらつき係数に基づいてノイズレベルを特定
    するノイズレベル特定手段とからなるノイズ測定手段
    を、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記ノイズレベル特定手段は、前記ノイ
    ズレベルを最小の前記ばらつき係数に基づいて特定す
    る、又は最小クラスの前記ばらつき係数に基づいて特定
    することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 【請求項9】 前記ノイズレベル特定手段は、複数時刻
    で検出された複数の最小の前記ばらつき係数の時間平均
    関連値を、又は最小クラスの前記ばらつき係数の時間平
    均関連値を算出する時間平均手段を有することを特徴と
    する請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所
    領域内における前記輝度の分散値であることを特徴とす
    る請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の画像処理
    装置。
  11. 【請求項11】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所
    領域内における平均輝度と各輝度との差分絶対値の平均
    値であることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れ
    か1項に記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記ばらつき係数は、前記非飽和局所
    領域内における輝度の最大値と最小値との差値であるこ
    とを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記
    載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 入力画像の視認性を向上させる画像処
    理装置であって、 入力画像信号のノイズレベルを測定するノイズレベル測
    定手段と、 入力画像の低空間周波数成分を抑制することによりダイ
    ナミックレンジを圧縮するダイナミックレンジ圧縮手段
    と、 前記ノイズレベル測定手段により測定されたノイズの大
    きさにより、前記ダイナミックレンジ圧縮手段を制御す
    る制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  14. 【請求項14】 入力画像の視認性を向上させる画像処
    理装置であって、入力画像の低空間周波数成分を抑制す
    ることによりダイナミックレンジを圧縮するダイナミッ
    クレンジ圧縮手段と、 前記ノイズレベル測定手段により測定されたノイズの大
    きさにより、前記ダイナミックレンジ圧縮手段を制御す
    る制御手段と、 を備えたことを特徴とする請求項7乃至請求項12の何
    れか1項に記載の画像処理装置。
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