JP4192489B2 - サージアブソーバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サージから様々な機器を保護し、事故を未然に防ぐのに使用するサージアブソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
電話機、ファクシミリ、モデム等の通信機器用の電子機器が通信線との接続する部分、或いはCRT駆動回路等、雷サージや静電気等の異常電圧(サージ電圧)による電撃を受けやすい部分には、異常電圧によって電子機器やこの機器を搭載するプリント基板の熱的損傷又は発火等による破壊を防止するために、サージアブソーバが接続されている。
【0003】
従来、例えば特開平7−320845号公報等に記載されているマイクロギャップを有するサージ吸収素子を用いたサージアブソーバが提案されている。このサージアブソーバは、導電性皮膜で被包した円柱状のセラミックス部材の周面に、いわゆるマイクロギャップが形成され、セラミックス部材の両端に一対のキャップ電極を有するサージ吸収素子が不活性ガスと共にガラス管内に収容され、円筒状のガラス管の両端に一対の封止電極が相対向して高温加熱で封着された放電型サージアブソーバである。
【0004】
このようなサージアブソーバには、一対の封止電極にリード線がそれぞれ接続されたリード線型があり、装置等の基板への接続のために一方のリード線をラジアル型やコの字型に折り返し加工して、他方のリード線と同じ向きにし、電化機器の電源部のサージ対策用に利用されるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のサージアブソーバには、以下の課題が残されている。すなわち、電源部用のサージアブソーバには、各種安全規格等により例えばAC1500V−1分といったAC耐電圧が要望されているが、上記のようにリード線を折り返し加工したものは、リード線若しくは電圧の掛かる部分がガラス管内にあるアブソーバ素子に近接しているので、より高い電圧を印加すると、マイクロギャップ付近には、放電形成を誘導する電子密度が増加し、容易に放電を形成しやすい状態になる場合があった。この現象により、リード線が折り返し加工されていない場合に比べて、AC耐電圧が低下する場合があった。特に、リード線の折り返し加工の状態や基板等への取付時の状態により、AC耐電圧が変化する現象が生じていた。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、リード線が折り返し加工されたタイプでも、より高いAC耐電圧を得ることができるサージアブソーバを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサージアブソーバは、周面に放電ギャップを介して導電性皮膜が分割形成された柱状の絶縁性部材とこの両端に導電性皮膜に接触して対向配置された一対のキャップ電極とからなるサージ吸収素子と、前記一対のキャップ電極の端部に対向配置された一対の封止電極と、前記一対の封止電極を両端に配して前記サージ吸収素子を内部に不活性ガスと共に封止するガラス管とを備えたサージアブソーバであって、前記一対の封止電極の外端には、外方に延びるリード線がそれぞれ接続され、一方のリード線は折り返され、保持手段によって前記ガラス管との間隔を1mm以上開けて保持され、前記保持手段は、前記一方のリード線にのみ折り返し状態に沿って被せた絶縁性の熱収縮チューブにより構成されることを特徴とする。
【0008】
このサージアブソーバでは、一方のリード線が、折り返されてガラス管との間隔を1mm以上開けてガラス管と平行に配されているので、後述するように、高AC耐電圧特性として要求されるAC1500V以上のAC耐電圧特性を有することができる。
なお、上記リード線とガラス管との間隔は、1mm以上であれば上記AC耐電圧特性を維持できるが、上記間隔の上限としては10mm以下に設定することが好ましい。なぜなら、基板等に実装された際、部品としての占有面積を必要以上に大きくしないことが望まれるためである。
また、このサージアブソーバでは、一方のリード線とガラス管との間隔を一定に保持する保持手段が設けられているので、例えば取付作業時などでリード線に力が加わっても、上記1mm以上の間隔を維持することができる。
さらに、このサージアブソーバでは、保持手段が、一方のリード線にのみ折り返し状態に沿って被せた絶縁性の熱収縮チューブであるので、該チューブにより強制的にかつ容易に上記間隔を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
【0013】
本実施形態のサージアブソーバは、図1に示すように、いわゆるマイクロギャップを使用した放電型サージアブソーバであって、周面に放電ギャップであるマイクロギャップMを介してSnO2等の導電性皮膜10が軸方向に分割形成された円柱状のセラミックス部材(絶縁性部材)11とこの両端に導電性皮膜10に接触して対向配置されたステンレス等の金属製キャップ電極12とからなるサージ吸収素子13と、該サージ吸収素子13の両端に対向配置され導電性皮膜10に接触する円柱状の一対の封止電極14と、これらの封止電極14を両端に配してサージ吸収素子13を内部にHe、Ar、Ne、Xe、SF6、CO2、C3F8、C2F6、CF4、H2及びこれらの混合ガス等の不活性ガスGと共に封止する鉛ガラス等のガラス管15とを備えている。
【0014】
上記一対の封止電極14は、ジュメット(FeNi合金)製であると共に、リード線Lが外側にそれぞれ外方に延びるように設けられており、高温加熱でガラス管15の両端に溶着されている。
また、マイクロギャップMは、ムライト焼結体等のサージ吸収素子13表面にスパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、めっき法、CVD法等の薄膜形成技術により導電性皮膜10を形成し、この導電性皮膜10を分割するようにレーザ光を照射して除去し、10〜200μm程度の幅で形成したものである。
【0015】
また、セラミックス部材11としてムライト焼結体を採用したが、その他にアルミナ、ベリリア、ステアライト、フォルステライト、ジルコン、普通磁器、ガラスセラミック、窒化ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素等の絶縁性セラミックスでもよい。
上記一対のリード線Lのうち一方は、ラジアル型に折り返されてガラス管15との間隔tを1mm以上開けてガラス管15と平行に配され、他方のリード線Lと同方向に平行して突出している。
なお、上記間隔tの上限としては10mm以下に設定する。
【0016】
このサージアブソーバでは、一方のリード線Lが、折り返されてガラス管15との間隔を1mm以上開けてガラス管15と平行に配されているので、後述する実施例に示すように、要求されるAC1500V以上のAC耐電圧特性を有することができる。なお、AC1500Vは、DC2121Vに相当するものである。
【0017】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。
【0018】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、折り返されたリード線Lは、ラジアル型に折り返し加工されたままの状態であるのに対し、第2実施形態のサージアブソーバでは、さらにガラス管15と一方のリード線Lとを絶縁性樹脂(保持手段)20で封止している点である。すなわち、本実施形態では、絶縁性樹脂20により、一方のリード線Lとガラス管15との間隔tが一定に保持されており、取付作業時などでリード線Lに力が加わっても、リード線Lが曲がらずに上記1mm以上の間隔tを維持することができる。また、絶縁性樹脂20による封止でリード線L及びガラス管15を互いに固定するため、強制的にかつ容易に上記間隔tを確保することができ、量産性にも優れている。なお、絶縁性樹脂20は、例えば粉体樹脂(エポキシ系樹脂)を5回程度重ねて塗布したものである。
【0019】
次に、本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を、図3を参照しながら説明する。
【0020】
第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、折り返されたリード線Lとガラス管15との間隔tを絶縁性樹脂20で保持しているのに対し、第3実施形態のサージアブソーバでは、折り返されたリード線Lとガラス管15との間隔tを絶縁性の熱収縮チューブ(保持手段)30で保持している点である。すなわち、本実施形態では、熱収縮チューブ30に折り返されたリード線Lを挿入させると共に加熱することにより収縮させて被覆処理を行っている。なお、熱収縮チューブ30は、上記間隔tを確保できるように、上記熱収縮した状態で厚さが1mm以上となるものである。これにより、取付作業時などにリード線Lに力が加わっても、熱収縮チューブ30がスペーサとして機能し、上記間隔tが1mm未満に狭まらない。
【0021】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記各実施形態のサージアブソーバでは、折り返させたリード線はラジアル型で円弧状に折り返されているが、他の折り返し形状でも構わない。例えば、コの字状に折り返させてもよい。
【0022】
【実施例】
次に、本発明に係るサージアブソーバを、実施例により具体的に説明する。
【0023】
上記第2実施形態により実際に作製したサージアブソーバに対して、AC耐電圧測定を行った結果を下記に示す。なお、比較のためにリード線Lとガラス管15との間隔tを、0mm(リード線とガラス管とが接触した状態)、0.5mm、1.0mm及び1.5mmと変更した4種類のサージアブソーバを作製して比較した。
【0024】
<測定結果>
・(間隔t):(AC耐電圧)
d=0mm :1400V
d=0.5mm:1450V
d=1.0mm:1500V
d=1.5mm:1500V
このように、上記測定結果からわかるように、上記間隔tが1.0mm以上の場合に、高AC耐電圧特性として要求されるAC1500Vに対する耐電圧を具備している。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明のサージアブソーバによれば、一方のリード線が、折り返されてガラス管との間隔を1mm以上開けてガラス管と平行に配されているので、例えばAC1500V以上といったAC耐電圧特性を安定して有することができ、電源部などの高耐圧が特に要求される回路でもサージ対策用として好適である。
また、このサージアブソーバでは、一方のリード線とガラス管との間隔を一定に保持する保持手段が設けられているので、リード線に力が加わっても、上記1mm以上の間隔を維持することができる。
さらに、このサージアブソーバでは、保持手段が、一方のリード線にのみ折り返し状態に沿って被せた絶縁性の熱収縮チューブであるので、該チューブにより強制的にかつ容易に上記間隔を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るサージアブソーバの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明に係るサージアブソーバの第2実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明に係るサージアブソーバの第3実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 導電性皮膜
11 セラミックス部材(絶縁性部材)
12 キャップ電極
13 サージ吸収素子
14 封止電極
15 ガラス管
20 絶縁性樹脂
30 熱収縮チューブ
G 不活性ガス
L リード線
M マイクロギャップ(放電ギャップ)
t リード線とガラス管との間隔
Claims (1)
- 周面に放電ギャップを介して導電性皮膜が分割形成された柱状の絶縁性部材とこの両端に導電性皮膜に接触して対向配置された一対のキャップ電極とからなるサージ吸収素子と、前記一対のキャップ電極の端部に対向配置された一対の封止電極と、前記一対の封止電極を両端に配して前記サージ吸収素子を内部に不活性ガスと共に封止するガラス管とを備えたサージアブソーバであって、
前記一対の封止電極の外端には、外方に延びるリード線がそれぞれ接続され、一方のリード線は折り返され、保持手段によって前記ガラス管との間隔を1mm以上開けて保持され、
前記保持手段は、前記一方のリード線にのみ折り返し状態に沿って被せた絶縁性の熱収縮チューブにより構成されることを特徴とするサージアブソーバ。
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