JP4190656B2 - 波長多重光伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センタ側通信装置と複数のユーザ側通信装置とを光伝送路及びその光伝送路を各ユーザ側通信装置ごとに分岐する光分岐装置を用いて接続し、それらの間で波長多重を用いた双方向通信を行う波長多重光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の波長多重光伝送システムとしては、例えば特開昭61−69294号公報等に提案されている。図3は、従来の波長多重光伝送システムの構成を示すブロック図である。
【0003】
図3に示すように、波長多重光伝送システムは、センタ局に設置されるセンタ側通信装置Cと、複数のユーザに各々設置されるユーザ側通信装置U(Ua,Ub,・・・Un)と、センタ側通信装置Cとユーザ側通信装置Uとを接続する光ファイバ等の1本の光伝送路1と、その光伝送路1の途中に設置される合分波装置2と、その合分波装置2を介して光伝送路1を各ユーザ側通信装置Uごとに分岐する光分岐路3とから構成され、光伝送路1、光分岐路3を介して、波長多重を用いた双方向通信を行うことができる。
【0004】
センタ側通信装置Cは、各ユーザに対応して設けられた複数の光送信部4(4a、4b・・・4n)と、その光送信部4から出力される光送信信号を波長合波する光カプラ等の波長合波部5aと、その波長合波部5aから出力される信号を光伝送路1に送信するとともに、光伝送路1から伝送された信号を受信する合分波部6と、各ユーザに対応して設けられた複数の光受信部7(7a、7b・・・7n)と、合分波部6によって受信された光受信信号を波長分離して、各光受信部7に入力する波長分離部5bと、を有する。
【0005】
なお、ここでは、光送信部4aと光受信部7a、・・・光送信部4n、光受信部7nがそれぞれユーザに割り当てられるものとする。
【0006】
光送信部4は、それぞれセンタ側の外部装置(図示せず)から伝送された電気信号を光送信信号に変換する電気ー光変換機能を有し、光受信部7は、それぞれ光受信信号を外部装置に伝送すべき電気信号に変換する光ー電気変換機能を有する。
【0007】
各ユーザ側通信装置Uは、光送信部8と、光受信部9と、光送信部8から出力される光送信信号を光分岐路3に伝送するとともに、光分岐路3から伝送された信号を受信し、光受信部9に入力する合分波フィルタ部10と、を有する。
【0008】
光送信部8は、ユーザ側の外部装置(図示せず)から伝送された電気信号を光送信信号に変換する電気ー光変換機能を有し、光受信部9は、光受信信号を外部装置に伝送すべき電気信号に変換する光ー電気変換機能を有する。
【0009】
また、合分波フィルタ部10は、図4に示すように、例えば光カプラ等の合分波部11と、必要とされる波長信号に分離するための波長分離フィルタ部12とから構成されている。
【0010】
上記の波長多重光伝送システムでは、通常、各ユーザ側通信装置Uが異なる地点に配置されているので、各ユーザ側通信装置Ua、Ub・・・Unとセンタ側通信装置Cとの間の伝送線路長La、Lb・・・Lnがユーザごとに異なる。そのため、各ユーザ側通信装置Uの光送信部8から出力される光レベルを同一にすると、センタ側通信装置Cの光受信部7で受信される各ユーザごとの光レベルは、光線路損失によって異なることになる。
【0011】
ここで、波長多重光伝送システムにおいては、ある回線の主信号は他の回線では妨害信号となってしまうが、センタ側通信装置Cの波長分離部5bにおいては、各ユーザごとの光レベルの差が大きい場合であっても、他の回線への影響を与えないようにすることが必要である。そのため、波長分離部5bは、図5に示すように、各光受信部7が所要D/U比(Dは主信号λ1(必要信号)の光レベル、Uは妨害信号λ2(不要信号)の光レベル)を満足するように分離出力するフィルタ特性が要求される。
【0012】
しかし、各ユーザ同士で伝送線路長の差が非常に大きい場合、急峻なフィルタ特性を有する波長分離器を必要とする。例えば、図6に示すように、光受信部7の受光レベル範囲を、最小L(dBm)から最大H(dBm)までとする。もし、単に信号λ1、λ2をこの受光レベル範囲L〜Hで受信するだけならば、伝送線路長の差は、この受光レベル範囲により吸収することができるが、このとき信号λ2は、主信号λ1の回線では妨害信号となるので、信号λ2の光レベルが高くなる(例えば、受光レベルHとなる)ことは、主信号λ1の回線における妨害信号λ2の受光レベルも高くなってしまうことを意味する。そこで、各光受信部7は、前述した所要D/U比を確保するためには、図7(A)に示すように、光レベルが高い妨害信号λ2をフィルタリングするのに急峻なフィルタ特性を有する高価な波長分離器が必要となり、安価な光伝送システムを実現することができなくなる。
【0013】
そこで、図8に示すように、光分岐路3に所望の光減衰量の光減衰器13を適宜挿入することにより、図7(B)に示すように、光受信部7の最大受光レベルをHからMに制限することが行われている。これによって、主信号λ1の回線における妨害信号λ2の光レベルを下げることができるので、穏やかなフィルタ特性を有する安価な波長分離器を用いても、所要D/U比を満足するように、妨害信号λ2をフィルタリングすることができ、安価な光伝送システムを実現することが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、例えば、ユーザ側通信装置Uaとセンタ側通信装置Cの光送信部4a、光受信部7aが既に回線運用中であり、他のユーザ側通信装置Ubを新たに設置する場合、予め光分岐路3に適切な光減衰量の光滅衰器13を挿入していれば特に問題はない。
【0015】
しかし、誤って光減衰器13を挿入することなく運用を開始したり、伝送線路長が非常に短い回線に対して光減衰量の小さい光減衰器13を挿入して運用を開始した場合、所要D/U比を超える不要な妨害信号λ2が光受信部7に入り込むため、主信号λ1にエラーが発生したり、信号同期が損なわれる等、他の運用中の回線に悪影響を与えることになり、場合によっては、これら他の運用中の回線が停止するおそれもあった。
【0016】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザ側通信装置とセンタ側通信装置との伝送線路長がユーザごとに異なる場合であっても、他の回線に対して悪影響を与えることがなく安定して運用することができる波長多重光伝送システムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の波長多重光伝送システムは、センタ側通信装置と、複数のユーザ側通信装置とを光伝送路及びその光伝送路を前記各ユーザ側通信装置ごとに分岐する光分岐装置を用いて接続し、それらの間で波長多重を用いた双方向通信を行う波長多重光伝送システムにおいて、
前記光分岐装置と前記各ユーザ側通信装置との間にはそれぞれ光減衰器が設置されており、
前記各ユーザ側通信装置は、前記センタ側通信装置から送信された光信号を受信する光受信部と、前記センタ側通信装置に光信号を送信する光送信部と、前記光受信部によって受信された時の光信号の第1の受光レベルに基づいて、前記光送信部を制御する監視制御部とを有し、
前記監視制御部は、前記光送信部から送信される光信号の第1の光レベル、前記センタ側通信装置から送信される光信号の第2の光レベル及び前記第1の受光レベルに基づいて、前記光送信部から送信され、前記センタ側通信装置に受信される時の光信号の第2の受光レベルを予測し、前記予測された第2の受光レベルが基準の範囲内である場合には、光信号を送信するように前記光送信部を制御し、前記予測された第2の受光レベルが基準の範囲外である場合には、前記光減衰器を制御して、送信する光信号の光減衰量を調整する ことを特徴とするものである。
【0018】
前記センタ側通信装置は、回線運用中の他のユーザ側通信装置から送信された光信号が前記センタ側通信装置に受信された時の受光レベル情報を、前記ユーザ側通信装置に送信し、前記ユーザ側通信装置は、前記受光レベル情報を受信し、前記監視制御部は、前記受信された受光レベル情報を、制御するための判断要素としてもよい。
【0019】
前記各ユーザ側通信装置は、回線運用中の他のユーザ側通信装置から送信された光信号が前記センタ側通信装置に受信された時の受光レベル情報を記憶する記憶手段を有し、前記監視制御部は、前記記憶手段に記憶された受光レベル情報を、制御するための判断要素としてもよい。
【0020】
本発明の波長多重光伝送システムによれば、ユーザ側通信装置が、送信される予定の光信号がセンタ側通信装置に適切な光レベルで受信されるか否かを判断し、適切であると判断した場合に限り前記光信号を送信し、適切でないと判断した場合には、例えばディスプレイ等にその旨を表示したり、プリンタによってその旨を印刷したり、ランプを点灯・点滅したりして警告表示する。また、可変減衰器の光減衰量を変更してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る波長多重光伝送システムの全体構成を示すブロック図である。なお、従来の波長多重光伝送システムと同一の装置は同一の符号を付して説明する。
【0022】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る波長多重光伝送システムにおけるセンタ側通信装置Cは、受信した光信号の受光レベルを検出し、受光レベルの情報S1として出力する光受信部7と、その各受光レベルの情報S1を集約した受光レベル情報S2を光送信部4に送信する監視制御部14を有する。光送信部4は、監視制御部14から受光レベル情報S2を受信した場合、各ユーザ側通信装置Uに転送する。
【0023】
一方、各ユーザ側通信装置Uは、センタ側通信装置Cから送信された光信号を光受信部9が受信した際の光レベルを検出し、その検出結果に基づいて、ユーザ側通信装置Uから送信する予定の光信号がセンタ側通信装置Cに適切な光レベルとして受信されるか否かを判断し、適切であると判断した場合に限り光送信制御信号S3を光送信部8に送信する監視制御部15を有する。各ユーザ側通信装置Uの光送信部8は、監視制御部15から光送信制御信号S3を受信した場合に限り、光信号を送信し、監視制御部15から光送信制御信号S3を受信しなければ光信号を送信することはない。監視制御部15は、上記の判断を行うために、センタ側通信装置Cから受光レベル情報S2を光受信部9を介して受信する。
【0024】
次に、ユーザ側通信装置Uaとセンタ側通信装置Cの光送信部4a、光受信部7a間が回線運用中とし、ユーザ側通信装置Ubを新たに設置する場合における本発明の実施の形態の動作を説明する。
【0025】
まず、合分波装置2と新たなユーザ側通信装置Ubとの間に適当な光減衰量の光減衰器13を挿入し、その新たなユーザ側通信装置Ubに対応する新たな光送信部4bと光受信部7bとをセンタ側通信装置Cに設置する。ユーザ側通信装置Ubの光送信部8bは、監視制御部15bから光送信制御信号S3を受信しない間は、光信号を送信することはないので、接続した段階では他の運用中の回線に影響を与えることはない。
【0026】
一方、既に回線運用中のセンタ側通信装置Cの光受信部7aでは、その光受信部7aに受信された光レベルを検出して、受光レベルの情報S1を監視制御部14に送信している。監視制御部14は、この受光レベルを常に監視しており、回線運用中の全ての又は適宜選択された受光レベルの情報S1を、受光レベル情報S2として光送信部4に送信している。
【0027】
例えば、ここでは既存の運用中回線のうち、最初に運用を開始した回線におけるセンタ側通信装置Cの光受信部7aの受光レベルを基準値として、受光レベル情報S2に格納する。
【0028】
センタ側通信装置Cの新たに設置された光送信部4bは、監視制御部14からの受光レベル情報S2を受信し、光伝送線路1、合分波装置2、光分岐路3、新たなユーザ側通信装置Ubの光受信部9bを介して監視制御部15bに送信する。これによって、新設するユーザ側通信装置Ubの監視制御部15bは、現在回線運用中のセンタ側通信装置Cの光受信部7aにおける受光レベルを知ることができる。
【0029】
また、本実施の形態例では、センタ側通信装置Cの新たに設置される光送信部4bは接続と同時に無条件に光を出力するため、対向するユーザ側通信装置Ubの光受信部9bは、自身での受光レベル(光伝送路1、光分岐路3等の滅衰後の光レベル)を検出することができる。光受信部9bは、検出した受光レベル情報S4を監視制御部15bに送信する。
【0030】
ここで、ユーザ側通信装置Uの光送信部8から送信される信号の受光レベルをSUとし、その信号がセンタ側通信装置Cの光受信部7に受信された時の受光レベルをRCとし、センタ側通信装置Cの光送信部4から送信される信号の光レベルをSCとし、その信号がユーザ側通信装置Uの光受信部9に受信された時の受光レベルをRUとする。本システムは双方向伝送であるので、ユーザ側通信装置Uからセンタ側通信装置Cに向かう信号の光減衰量と、センタ側通信装置Cからユーザ側通信装置Uに向かう信号の光滅衰量とは等しい。従って、
RC=SU−(SC−RU)
という式が成立する。SUはこれからユーザ側通信装置Uが送信する予定の受光レベルであるので送信前に知ることができる。SCは一定値としてユーザ側通信装置U内に記憶されている。RUはユーザ側通信装置Uの光受信部9から送られる受光レベル情報S4で知ることができる。よってRCを求めることができる。
【0031】
なお、センタ側通信装置Cの光送信部4から出力される光レベルSCは、光受信部7における受光レベル情報S2とともに、ユーザ側通信装置Uに送信するようにしてもよい。
【0032】
このように、ユーザ側通信装置Ubの監視制御部15bは、ユーザ側通信装置Ubが送信する予定の光信号がセンタ側通信装置Cの光受信部7bに受信された時の受光レベルRCを予測値として知ることができ、かつ、センタ側通信装置Cの他の回線運用中の光受信部7aに受信された時の受光レベルRCaを受光レベル情報S2から知ることができる。従って、ユーザ側通信装置Ubの監視制御部15bは、これらの要素を総合的に判断して、ユーザ側通信装置Ubが送信する予定の光信号がセンタ側通信装置Cの光受信部7bに受信された場合に、所要D/U比を満足する受光レベルとなるか否かを予測して判断することができる。
【0033】
例えば、ここでは光受信部7aにおける受光レベルRCaを基準値として、その±5dBmの範囲内であれば、前記所要D/U比を満足するものとする。よって、監視制御部15bは、RCa−5(dBm)≦RCb≦RCa+5(dBm)の場合、送信する予定の光信号を送信しても光受信部7bが所要D/U比を満足すると判断し、光送信制御信号S3を光送信部8bに送信する。光送信部8bは、受信した光送信制御信号S3に応じて光信号を送信して回線運用状態に移行する。
【0034】
監視制御部15bは、RCa−5(dBm)>RCb又はRCa+5(dBm)<RCbの場合、送信する予定の光信号を送信すると光受信部7bが所要D/U比を満足しないと判断し、光送信制御信号S3を光送信部8bに送信しない。よって、光送信部8bは光信号を送信することはない。この場合、例えばディスプレイ(図示せず)等にその旨を表示したり、プリンタによってその旨を印刷したり、ランプを点灯・点滅したりして警告表示する。また、光減衰量を変更できる可変式の光減衰器13を用いている場合には、監視制御部15bから光減衰器13に光減衰量制御信号を送信し、その光減衰量制御信号に応じて光減衰器13の光減衰量を適切な値になるように制御してもよい。
【0035】
本発明の波長多重光伝送システムによれば、ユーザ側通信装置Uに設けられた監視制御部15により、センタ側通信装置Cに光信号を送信する前に、センタ側通信装置Cで受信されるときの受光レベルを予測し、送信することが適切であるか否かを判断することができ、適切であると判断した場合に限り光信号を送信するので、回線の新設時などに他の運用中の回線に悪影響を与えることを未然に防止でき、安定した回線運用が可能となる。
【0036】
また、他の回線運用中の光受信部7aの受光レベル情報S2に基づいて光送信部8bから光信号を出力するか否か判断するので、他の回線の運用状態に合わせて前記判断を行うことができ、より柔軟な回線運用を行うことができる。
【0037】
図2は、ユーザ側通信装置の他の形態を示すブロック図である。この実施の形態のユーザ側通信装置Uは、上述した受光レベル情報S2を記憶するメモリ、ハードディスク、CD−ROM、磁気ディスク等の記憶部16を有することを特徴とするものである。この記憶部16には、システム設計時に光受信部7の受光レベル値を予め設定しておく。
【0038】
この実施の形態によれば、監視制御部15は、受光レベル情報S2をセンタ側通信装置Cから受信することなく、記憶部16から読み出すことができるので、動作の迅速化を図ることができる。なお、ユーザ側通信装置Uは、所定期間ごとに、センタ側通信装置Cから最新の受光レベル情報S2を入手して記憶部16の内容を更新するのが好ましい。
【0039】
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。例えば、上記の実施の形態では、監視制御部15bにおいて、光受信部7bの受光レベルRCbがRCa±5(dBm)の範囲内の場合に所要D/U比を満足するものと判断しているが、本発明ではこれに限らず、例えば、RCa≧RCbを満たすか否かで判断したり、RCaを用いず、単なる絶対値で判断する等、様々の判断の設定が可能である。
【0040】
上記の実施の形態では、新規のユーザ側通信装置Uを設置する場合について適用される例が記載されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、既存のユーザ側通信装置Uから送信される光信号によるセンタ側通信装置Cの受光レベルが、何らかの要因(センタ側通信装置Cの波長分離部5bを異なるフィルタ特性のものに交換するなど)で、許容範囲を超えると予測される場合、ユーザ側通信装置Uの監視制御部15が光信号の送信を停止させることも可能である。
【0041】
また、受光レベル情報S2内に含まれる受光レベルの情報S1は1回線についてのみのデータでもよいが、複数回線のものとしてもよい。
【0042】
さらに、ユーザ側通信装置Uから送信された光信号がセンタ側通信装置Cに受信されたときの光レベルが予め所定の値に決定されているような場合、センタ側通信装置Cは、受光レベル情報S2を送信する必要はなくなり、ユーザ側通信装置Uは記憶部16を設ける必要もなくなる。この場合には、光伝送システムの構築がより簡単になる。
【0043】
また、本実施の形態例では、一芯双方向光伝送システムの例を示しているが、本発明は、二芯双方向光伝送システムであっても用いることができる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明の波長多重光伝送システムによれば、ユーザ側通信装置が、送信される予定の光信号がセンタ側通信装置に適切な受光レベルで受信されるか否かを判断し、適切であると判断した場合に限り光信号を送信し、適切でないと判断した場合には、例えばディスプレイ等にその旨を表示したり、プリンタによってその旨を印刷したり、ランプを点灯・点滅したりして警告表示する。また、可変減衰器の光減衰量を変更してもよい。従って、回線の新設時などに他の運用中の回線に悪影響を与えることを未然に防止でき、安定した回線運用が可能となる。
【0045】
請求項2に係る本発明の波長多重光伝送システムによれば、受光レベル情報を受信したユーザ側通信装置は、その受光レベル情報に基づいて光信号を送信するか否か判断するので、他の回線の運用状態に合わせて上記の判断を行うことができ、より柔軟な回線運用を行うことができる。
【0046】
請求項3に係る本発明の波長多重光伝送システムによれば、ユーザ側通信装置は、受光レベル情報をセンタ側通信装置から受信することなく、自身の記憶手段から読み出すことができるので、動作の迅速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長多重光伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】ユーザ側通信装置の他の形態を示すブロック図である。
【図3】従来の波長多重光伝送システムの全体構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザ側通信装置の合分波部の構成を示すブロック図である。
【図5】センタ側通信装置の光受信部における受光レベルと所要D/U比を示すグラフである。
【図6】光受信部の受光レベル範囲を示すグラフである。
【図7】波長分離部のフィルタ特性を説明するためのグラフであり、(A)は光伝送線路に光減衰器を挿入しない場合、(B)は光伝送線路に光減衰器を挿入した場合を示す。
【図8】光伝送線路に光減衰器を挿入した波長多重光伝送システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
C:センタ側通信装置
U:ユーザ側通信装置
1:光伝送路
2:合分波装置
3:光分岐路
4:光送信部
5a:波長合波部
5b:波長分離部
6:合分波部
7:光受信部
8:光送信部
9:光受信部
10:合分波フィルタ部
13:光減衰器
14:監視制御部
15:監視制御部

Claims (3)

  1. センタ側通信装置と、複数のユーザ側通信装置とを光伝送路及びその光伝送路を前記各ユーザ側通信装置ごとに分岐する光分岐装置を用いて接続し、それらの間で波長多重を用いた双方向通信を行う波長多重光伝送システムにおいて、
    前記光分岐装置と前記各ユーザ側通信装置との間にはそれぞれ光減衰器が設置されており、
    前記各ユーザ側通信装置は、前記センタ側通信装置から送信された光信号を受信する光受信部と、前記センタ側通信装置に光信号を送信する光送信部と、前記光受信部によって受信された時の光信号の第1の受光レベルに基づいて、前記光送信部を制御する監視制御部とを有し、
    前記監視制御部は、前記光送信部から送信される光信号の第1の光レベル、前記センタ側通信装置から送信される光信号の第2の光レベル及び前記第1の受光レベルに基づいて、前記光送信部から送信され、前記センタ側通信装置に受信される時の光信号の第2の受光レベルを予測し、前記予測された第2の受光レベルが基準の範囲内である場合には、光信号を送信するように前記光送信部を制御し、前記予測された第2の受光レベルが基準の範囲外である場合には、前記光減衰器を制御して、送信する光信号の光減衰量を調整する、
    ことを特徴とする波長多重光伝送システム。
  2. 前記センタ側通信装置は、回線運用中の他のユーザ側通信装置から送信された光信号が前記センタ側通信装置に受信された時の受光レベル情報を、前記ユーザ側通信装置に送信し、
    前記ユーザ側通信装置は、前記受光レベル情報を受信し、
    前記監視制御部は、前記受信された受光レベル情報を、制御するための判断要素とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の波長多重光伝送システム。
  3. 前記各ユーザ側通信装置は、回線運用中の他のユーザ側通信装置から送信された光信号が前記センタ側通信装置に受信された時の受光レベル情報を記憶する記憶手段を有し、
    前記監視制御部は、前記記憶手段に記憶された受光レベル情報を、制御するための判断要素とする、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長多重光伝送システム。
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