JP4190358B2 - 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4190358B2
JP4190358B2 JP2003170475A JP2003170475A JP4190358B2 JP 4190358 B2 JP4190358 B2 JP 4190358B2 JP 2003170475 A JP2003170475 A JP 2003170475A JP 2003170475 A JP2003170475 A JP 2003170475A JP 4190358 B2 JP4190358 B2 JP 4190358B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
interlayer insulating
circuit board
insulating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003170475A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005005645A (ja
Inventor
佳彦 今中
純 明渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Fujitsu Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2003170475A priority Critical patent/JP4190358B2/ja
Priority to US10/820,114 priority patent/US7579251B2/en
Publication of JP2005005645A publication Critical patent/JP2005005645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4190358B2 publication Critical patent/JP4190358B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01046Palladium [Pd]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01078Platinum [Pt]

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波回路に適した回路基板、受動部品、電子装置及び回路基板の製造方法に係り、特に高周波における低誘電損失の層間絶縁層と低抵抗の導電体層を共に有する回路基板に関する。
【0002】
携帯電話機、Bluetooth(登録商標)、その他モバイル機器等での無線情報通においては、音声、画像、データなど大容量の信号をより高速に伝送することが望まれ、モバイル機器等の小型化・多機能化と共に、モバイル機器等に用いられる電子部品の高周波対応が急速に進められている。この中で、小型化と高周波対応を両立するために高周波回路を一体モジュール化した受動素子内蔵基板の実現が切望されている。
【0003】
【従来の技術】
従来から現在まで開発されている受動素子内蔵基板は3つに大別することができる。(1)薄膜プロセスにより受動素子を形成する場合、(2)樹脂プリント板を用いる場合、(3)セラミック基板を用いる場合である。
【0004】
(1)の薄膜プロセスにより受動素子を形成する場合は、シリコン基板や合金基板の平坦な基板上にスパッタ・メッキ法等により形成される配線層や、ポリイミド等の樹脂を塗布して形成される層間絶縁層を繰り返し積層することにより多層化するものである。
【0005】
(2)の樹脂プリント板を用いる場合は、ベース基板としてFR4(ガラスエポキシ材料)を用い、導電体層としてはめっき法を用いたCu膜、層間絶縁層としては、エポキシ樹脂系シート材もしくはエポキシ系ワニス樹脂材(耐熱温度:250℃程度)などが用いられる。
【0006】
(3)のセラミック基板を用いる場合は、絶縁膜、導電体膜、誘電体層、及び抵抗体膜の各ペーストを印刷、乾燥、焼成を繰り返し行って多層化するものである。焼成は1000℃以上の温度において行われるため、絶縁膜はセラミック材料の緻密な膜が得られる。
【0007】
ところで、高周波回路での損失は導体損失と誘電損失(誘電正接)との和で表され、周波数が高くなるにつれて誘電損失の影響が大きくなる。このために、誘電体材料には低い誘電損失が求められる。しかし、上記の(1)と(2)の層間絶縁層は、例えば2GHzにおいて、ポリイミド樹脂0.004、エポキシ樹脂0.0125のように誘電損失が大きい樹脂材料から構成されているため、高周波において急速に損失が大となる。一方(3)の層間絶縁層は、セラミック材料によりなるため、低誘電損失のセラミック材料を用いることができるため、高周波用途として期待されている。
【0008】
現在、高周波向けセラミック系基板として適用されている手法は、LTCC法(低温焼成セラミックス法)を用いた手法である。LTCC法は、層間絶縁層としてガラスを焼結助剤とした低温焼成セラミックスと、導電体層として電気抵抗の低い金属粉末を含む導体ペーストを印刷し同時焼成したものである。導体ペーストの金属粉には、電気抵抗の低いAg、Cu、Au等が用いられている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−328223号公報
【特許文献2】
特開2001−156351号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LTCC法において用いられる層間絶縁層は、上述した樹脂材料と比較して誘電損失は低いものの、2GHzにおいて0.002程度あり、高周波マイクロ波セラミックスの誘電損失より高く、低誘電損失化が困難であるという問題がある。
【0011】
また、LTCC法において用いられる導電体層は、上述した導体ペーストを焼成したものであるが、導体ペーストに含まれるバインダは焼成により分解・炭化等してしまい金属粉末が完全な連続体とならないため、金属粉末を構成する材料の低い比抵抗を実現できないという問題がある。さらに、焼成条件、金属粉末の粒径分布により回路基板ごと、あるいは回路基板内において比抵抗にバラツキが生じ、所望の特性が容易に得られないという問題がある。
【0012】
さらに、LTCC法において用いられるキャパシタの誘電体層は、誘電体層のセラミックスにガラス成分を大部分含むために、高温焼成のセラミックスに比べて誘電率が低く誘電率の向上に限度があると共に、低誘電損失の大容量のキャパシタを形成することが困難であるという問題がある。
【0013】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、高周波領域において低比抵抗及び低誘電体損失を共に有し、高周波回路に適した回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、層間絶縁層と導電体層とが積層されてなる回路基板であって、前記層間絶縁層は、焼成され且つエアロゾル化された微粒子材料を吹き付けて堆積されてなり、前記導電体層が金属あるいは合金材料よりなる連続膜であることを特徴とする回路基板が提供される。
【0015】
本発明によれば、回路基板、例えば多層積層基板の層間絶縁層が微粒子材料を用いたエアロゾルデポジション法により常温において形成されることにより、微粒子材料が有する誘電特性などの特性が保持される。一方、エアロゾルデポジション法では、LTCC法のような高温での焼成を必要としないので、導電体層を無電解めっき法、電解めっき法、スパッタ法などの連続膜を形成することができる。したがって、導電体層の比抵抗を低減することができる。その結果回路基板の配線層等の損失を低減することができる。
【0016】
前記微粒子材料がセラミックスよりなり、Al23、MgO、SiO2、CaO、TiO2、3Al23・2SiO2(ムライト)、MgO・Al23(スピネル)、2MgO・SiO2(フォルステライト)、2Al23・2MgO・5SiO2(コージエライト)、CaO・Al23・2SiO2(アノーサイト)、及びAlNの群のうち、少なくとも1種を含んでもよい。これらの微粒子材料をエアロゾル化して吹き付けるとにより、微粒子材料の特性を損なわずに層間絶縁膜を形成することができるので、層間絶縁膜の高周波での誘電損失を低減することができる。したがって、高周波において一層の損失を低減することができ、高周波回路に適した回路基板を実現することができる。
【0017】
本発明の他の観点によれば、誘電体層と導電体層とが積層されてなる受動部品であって、前記誘電体層が、焼成され且つエアロゾル化された微粒子材料を吹き付けてなり、前記導電体層が金属あるいは合金材料よりなる連続膜よりなり、前記微粒子材料がAl23、MgO、SiO2、CaO、TiO2、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、CaO・Al23・2SiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、及びAlNの群のうち、少なくとも1種を含む受動部品が提供される。
【0018】
本発明によれば、導電体層を金属あるいは合金材料よりなる連続膜とすることにより導電体層の比抵抗を低減することができ、誘電体層をエアロゾル化した上記のセラミックスの微粒子材料を吹き付けて形成することにより、これらの微粒子材料の特性を損なうことなく誘電体層を形成することができる。その結果受動部品の高周波における損失を低減することができる。ここで、受動部品は、例えば、積層セラミックコンデンサ、薄膜コイル、積層コイル、あるいはこれらを用いたフィルタ、ストリップラインを用いたフィルタなどである。
【0019】
本発明のその他の観点によれば、上記いずれかの回路基板及び/又は上記受動部品と、電子部品とを備えた電子装置が提供される。本発明によれば、上記の回路基板及び受動部品は高周波領域において低損失特性を有しているので、低消費電力及び高速動作が可能な電子装置を実現することができる。
【0020】
本発明のその他の観点によれば、層間絶縁層と導電体層とが積層されてなる回路基板の製造方法であって、焼成され且つエアロゾル化された微粒子材料をキャリアガスと共に所定の速度で噴射して層間絶縁層を形成する工程と、金属あるいは合金材料を堆積あるいは成長させて前記導電体層を形成する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法が提供される。
【0021】
本発明によれば、焼成され且つエアロゾル化された微粒子材料を、層間絶縁膜を形成する下地に吹き付けることにより、微粒子材料の特性、例えば誘電特性を損なうことなく形成することができる。室温下において成膜することができるので、従来のLTCC法等の高温プロセスが必要なセラミック基板形成工程では困難であった、導電体層を無電解めっき法、電解めっき法、スパッタ法、真空蒸着法、化学的気相成長法により金属あるいは合金材料を堆積させあるいは成長させて形成することができる。したがって、焼成工程を省略することができるので導電体層を形成する工程が容易化され歩留まりが向上すると共に、導電体層は連続膜となって比抵抗を低減することができ、低損失の回路基板を実現することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態を説明すると共に、本発明に用いられるエアロゾルデポジション法(以下「AD法」と称する。)を用いた成膜装置の説明をする。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る回路基板の要部断面図である。図1を参照するに、本実施の形態に係る回路基板10は、ベース基板11と、ベース基板11上に下部配線層12、キャパシタ層13、上部配線層14が順次積層されて構成されている。
【0024】
具体的には、下部配線層12は、ベース基板11表面に選択的に形成された第1導電体層15と、ベース基板11及び第1導電体層15を覆う第1層間絶縁層16と、第1層間絶縁層16上に選択的に形成された第2導電体層18と、第1層間絶縁層13及び第2導電体層14を覆う第2層間絶縁層19と、第1導電体層15と第2導電体層18などを電気的に接続するビア17などから構成されている。
【0025】
キャパシタ層13は、第2層間絶縁層19上に形成された第1電極層21と、第2層間絶縁層19及び第1電極層21を覆う誘電体層22と、第1電極層21に対向して誘電体層22上に形成された第2電極層23などから構成されている。
【0026】
上部配線層14は、キャパシタ層13の第2電極層23と、誘電体層22及び第2電極層23を覆う第3層間絶縁層24と、第3層間絶縁層24上に形成された第3導電体層25と、第2電極層23と第3導電体層25とを接続するビア26などから構成されている。
【0027】
本実施の形態に係る回路基板は、前記第1〜第3層間絶縁層16,19,24及び誘電体層22がAD法により形成されていることに1つの特徴がある。また、AD法では室温下において成膜できるので、LTCC法のような900℃〜1000℃程度の高温での加熱処理(焼成)を必要としない。したがって、前記第1及び第2導電体層15,18を、電解あるいは無電解めっき法、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等により金属または合金よりなる連続膜により形成することができるので、LTCC法と比較して第1及び第2導電体層15,18のような導電体層の比抵抗を低減することができるという他の特徴がある。
【0028】
前記第1〜第3層間絶縁層16,19,24は、例えば厚さ50μmの、AD法によりセラミックスからなる微粒子材料をエアロゾル化して、各々の下地に吹き付けて堆積させて形成されたものである。
【0029】
前記第1〜第3層間絶縁層16,19,24に用いられるセラミックスとしては、Al23、MgO、SiO2、CaO、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、及びCaO・Al23・2SiO2から選択される1種あるいは2種以上の混合物が挙げられる。これらのセラミックスから形成される第1〜第3層間絶縁層16,19,24は、高周波、特に2GHz以上において誘電損失が低い。したがって、損失が低減された高周波回路に適した回路基板を実現することができる。さらに、AD法では多層化された場合にも焼成工程を必要としないため、LTCC基板のような熱収縮による寸法変動という歩留まり低下要因がないので、歩留まり低下が生じにくいという点で有利である。
【0030】
また、第1〜第3導電体層15,18,25、第1及び第2電極層21,23は、導電材料より、金属あるいは合金材料よりなり、例えばめっき法、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法などより形成することができる。金属材料としては特に限定されないが、低抵抗の金属材料、例えば、Cu、Ag、Au、Alあるいはこれらの合金などが好ましい。LTCC法ではAg粉末を含む導体ペーストを焼成して導電体層を形成するため(厚膜法)、導電体層の比抵抗がAg自体の比抵抗まで低下させることはできないが、本実施の形態に係る導電体層は連続膜を形成することができるので材料自体の比抵抗まで低減すことができ、高周波領域における損失を低減することができる。
【0031】
前記誘電体層22は、例えば厚さ50μmの、AD法により微粒子材料をエアロゾル化して、各々の下地に吹き付けて堆積させて形成されたものである。
【0032】
誘電体層22に用いられるセラミックスとしては、例えばTiO2、MgO、SiO2、AlN、Al23などのセラミックスが挙げられ、さらに、ペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックス、例えば、Pb系のPbTiO3、PbZrO3、Pb(Zr1-xTix)O3(0≦x≦1)の一般式で示されるPZT、(Pb1-yLay)(Zr1-xTix)O3(0≦x、y≦1)の一般式で示されるPLZT、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、Ba系のBaTiO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Nb2/3)O3、Ba(Ni1/3Ta2/3)O3、(Ba1-xSrx)TiO3、Ba(Ti1-xZrx)O3、その他、ZrSnTiO4、CaTiO3、MgTiO3、SrTiO3が挙げられる。
【0033】
特にキャパシタ用の誘電体層22に好適なセラミックスとしては、高誘電率かつ高周波における低損失の観点から、TiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba((Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、及びPb(Ni1/3Nb2/3)O3から選択される1種あるいは2種以上の混合物が好ましい。
【0034】
上記層間絶縁層及び誘電体層に用いられるセラミックスの微粒子材料の表面をアルミニウム系化合物または鉛系化合物により処理あるいは被覆したものを用いてもよい。本願発明者の検討により、上述した微粒子材料のみによってAD法により成膜するよりも厚膜、特に5μm〜1mmの範囲で緻密な膜を形成することができることが確認されている。アルミニウム系化合物または鉛系化合物の被覆量は、主剤となる誘電体材料に被覆量を加えた重量を基準(100質量部)として、0.1質量%〜50質量%(さらに好ましくは0.1質量%〜20質量%)に設定されることが好ましい。
【0035】
アルミニウム系化合物としては、Al23、LiAlO2、MgAl24、CaAl24、SrAl24、BaAl24、Y3Al512、AlN、Al23・nH2O、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、アルミニウムアルコキシド(Al(OR)3(R:アルキル基))、ムライト(3Al23・2SiO2)、スピネル(MgO・Al23)、コージエライト(2Al23・2MgO・5SiO2)、アノーサイト(CaO・Al23・2SiO2)、ゲーレナイト(2CaO・Al23・SiO2)等が挙げられる。これらのアルミニウム化合物のうち、Al23、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、アルミニウムアルコキシド(Al(OR)3(R:アルキル基))が好適である。
【0036】
鉛系化合物としては、Pb2FeNbO、Pb2FeTaO、Pb2YbNbO、Pb2YbTO、Pb2LuNbO、Pb2LuTaO、Pb3NiNb2、Pb3NiTa2、Pb3ZnNb2、Pb3Fe2WO、Pb2CdWO、PbTiO3、PbZrO3、PbSnO3、PbHfO3等が挙げられる。
【0037】
なお、本実施の形態に係る回路基板には抵抗体膜を設けてもよい。AD法を用いて抵抗体膜43を形成することができる微粒子材料としては、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化レニウム(ReO2)、酸化イリジウム(IrO2)などの酸化物セラミックスの他、ペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックス、例えばSrVO3、CaVO3、LaTiO3、SrMoO3、CaMoO3、SrCrO3、CaCrO3、LaVO3、GdVO3、SrMnO3、CaMnO3、NiCrO3、BiCrO3、LaCrO3、LnCrO3、SrRuO3、CaRuO3、SrFeO3、BaRuO3、LaMnO3、LnMnO3、LaFeO3、LnFeO3、LaCoO3、LaRhO3、LaNiO3、PbRuO3、Bi2Ru27、LaTaO3、BiRuO3等、さらに、LaB6が挙げられる。なお、第1の実施の形態において説明した、微粒子材料をアルミニウム化合物又は鉛系化合物により処理したものを用いてもよい。膜厚が5μm〜1mmの厚膜を形成する場合に緻密な抵抗体膜を得ることができる。
【0038】
図2は、本発明に使用するAD法を用いた成膜装置の概略構成図である。図2を参照するに、AD膜形成装置50は、大略、微粒子材料をエアロゾル化するエアロゾル発生器51と、エアロゾル化された微粒子のAD膜材料を噴射して基板上にAD膜を形成する成膜室52などから構成されている。
【0039】
エアロゾル発生器51には、ガスボンベ53及びマスフローコントローラ54が配管を介して接続されている。ガスボンベ53に充填された高圧のアルゴン等のキャリアガスをマスフローコントローラ54において制御する。エアロゾル発生器51の容器56内での微粒子の発塵量や成膜室52におけるエアロゾル化された微粒子の噴出量を制御することができる。キャリアガスは、アルゴンガスの他、ヘリウム、ネオン、窒素の不活性ガスを用いることができる。なお、微粒子材料としてペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスを用いる場合は、キャリアガスは酸化性のガス、例えば酸素や空気を用いてもよい。成膜の際に酸化物セラミックス微粒子材料の酸素欠損を補うことができる。
【0040】
また、エアロゾル発生器51には、超音波振動や電磁振動、機械的振動により微粒子を一次粒子化する振動機58が設けられている。一次粒子化により緻密かつ均一なAD膜を形成することができる。
【0041】
成膜室52には、エアロゾル発生器51から配管59を介して接続されたノズル60と、ノズル60と対向して基板11を保持する基板保持台61が設けられ、さらに、基板の位置を制御するXYZステージ62が基板保持台61に連結されている。また、成膜室52内の圧力を低圧とするためのメカニカルブースタ64とロータリポンプ65が接続されている。
【0042】
膜形成材料となる平均粒径が10nm〜1μmの微粒子をエアロゾル発生器51に充填して、ガスボンベ53から、例えば19.6Pa〜49Pa(2〜5kg/cm2)の圧力のアルゴンガスをキャリアガスとして成膜室52に供給し振動機58により加振して、微粒子をエアロゾル化する。エアロゾル化された微粒子はキャリアガス共に、エアロゾル発生器51の容器56内の圧力より低圧に設定されている成膜室52に配管59を通じて搬送される。成膜室52においてノズル60からキャリアガスと共に微粒子が噴射され、ジェット流となって微粒子が図1に示す基板11等の上に堆積し第1層間絶縁16が形成される。噴射速度は、ノズル60の形状、導入されるキャリアガスの圧力及びエアロゾル発生器51内と成膜室52内との圧力差により制御することができ、3m/秒〜400m/秒(好ましくは200m/秒〜400m/秒)の範囲に設定される。この範囲に噴射速度を設定することにより、基板11等の下地との密着強度が高い第1層間絶縁層16等を形成することができる。微粒子が基板11との衝突の際に基板11の表面の汚染層や水分を除去し、また、導電材料よりなる第1導電体層15等の汚染層や酸化物層を除去して表面を活性化する。また、微粒子自体の表面も微粒子相互の衝突により同様に活性化される。その結果、微粒子が基板11及び第1導電体層15等の表面に結合し、さらに微粒子同士が結合するので付着強度が高く緻密な第1層間絶縁層163が形成される。なお、噴射速度が400m/秒より大となると基板11に損傷を与えるおそれがあり、3m/秒より小さいと十分な付着強度を確保することができない。
【0043】
また、AD法による成膜の際、又は成膜後に第1層間絶縁層16を加熱する必要がない。微粒子材料は、基板に堆積する際に微粒子最表面のみが衝突により衝撃を受けて活性化され、微粒子内部には影響が及ばないため、微粒子の有する結晶性が堆積された第1層間絶縁層16においても保持されるためであると推察される。
【0044】
本発明に用いられる微粒子材料の平均粒径は、10nm〜1μmの範囲に設定される。10nmより小さいと基板への密着強度が不足し、1μmより大きいと連続膜が形成しにくくなり脆弱な膜になってしまう。
【0045】
なお、成膜装置50は、ノズル60及びエアロゾル発生器51を2つ以上設けて独立に微粒子材料を噴射させるようにしてもよい。異なる種類の微粒子材料を、形成される膜中において混合したり層状に形成したりすることができる。
【0046】
次に本発明の実施の形態に係る回路基板の製造方法について説明する。図3(A)〜図4(D)は、本実施の形態に係る回路基板の製造工程を示す図である。
【0047】
図3(A)の工程では、ガラス基板よりなる基板11の表面を覆うように、例えば無電解めっき法、真空蒸着法、スパッタ法、又はCVD法によりCu膜のめっきシード層15Aを形成し、さらにめっきシード層15A表面に、例えば膜厚40μmのドライフィルムレジストをレジスト膜28として使用し,密着ロール温度105℃、線圧4kg/cmにてラミネートした。次いで配線パターンを全波長使用の平行光紫外線を用いて露光し、炭酸ナトリウム1wt%水溶液を用いてスプレー法により現像し、配線パターンが形成されたレジスト膜28を得る。
【0048】
次いで図3(B)の工程では、めっきシード層15Aを電極として電解めっき法にて厚さ5μmのCu膜のめっき層15Bをめっきシード層15A上に積層し、第1導電体層15を形成する(めっきシード層15Aとめっき層15Bの積層体を第1導電体層15と称する。)。次いでレジスト膜28を剥離し、めっきシード層15Aの第1導電体層15以外の部分をパネルエッチングにより除去した。エッチング液としては過酸化水素水と硫酸の混合液を用いた。なお、第1導電体層15は、めっきシード層15Aを形成せずにレジスト膜28に配線パターンを形成後、無電解めっき法、真空蒸着法、スパッタ法、又はCVD法により形成してもよい。
【0049】
図3(B)の工程ではさらに、図2に示すAD成膜装置を用いて微粒子材料を吹き付けて第1層間絶縁層16を形成する。微粒子材料は、アルミニウムアルコキシドの一種であるアルミニウムイソプロポキシドにより表面処理を行い、さらに大気中において1000℃で焼成し得られたAl23膜を被覆した、例えば平均粒径0.3μmのMgO微粒子材料を用いる。成膜時間を30分間に設定し、厚さ50μmのAl23含有MgO膜よりなる第1層間絶縁層16を形成する。なお、MgO微粒子材料とAl23膜の質量比を2:8〜8:2とする。なお、第1層間絶縁層16等の層間絶縁層を形成する際に用いられる微粒子材料としては、MgOの他、Al23、SiO2、CaO、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、及びCaO・Al23・2SiO2から選択される1種あるいは2種以上の混合物が挙げられ、さらにアルミニウム系化合物または鉛系化合物により処理あるいは被覆したものを用いてもよい。さらに、必要に応じて、第1層間絶縁層16の表面を機械的研磨法、化学的機械研磨(CMP)法等を用いて平坦化してもよい。
【0050】
次いで図3(C)の工程では、図3(B)の工程の構造体上にレジスト膜29を形成し、レジスト膜29をパターニングして、フッ化水素酸等により第1層間絶縁層16をエッチングして、第1導電体層15を露出させるビアホール16−1を形成する。ビアホールの深さはフッ化水素酸等に浸漬する時間により制御する。次いでレジスト膜29を剥離する。
【0051】
次いで図3(D)の工程では、図3(C)の工程の構造体表面に、スパッタ法によりCr膜とCu膜を順次積層した積層導電体のめっきシード層18Aを形成し、めっきシード層18A表面に、レジスト膜30として例えば膜厚40μmのドライフィルムレジストを用いてラミネートする。次いで配線パターンを全波長使用の平行光紫外線を用いて露光し、炭酸ナトリウム1wt%水溶液を用いてスプレー法により現像し、配線パターンが形成されたレジスト膜30を得る。
【0052】
次いで図4(A)の工程では、めっきシード層18Aを電極として電解めっき法にて厚さ5μmのCu膜のめっき層18Bをめっきシード層18A上に積層し、第2導電体層18及びビア17を形成する(めっきシード層18Aとめっき層18Bの積層体を第2導電体層18と称する。)。次いでレジスト膜30を剥離し、めっきシード層18Aの第2導電体層18以外の部分をパネルエッチングにより除去する。
【0053】
次いで図4(B)の工程では、図4(A)の構造体上に、図3(B)の工程と同様にして、第2層間絶縁層19を形成する。
【0054】
図4(B)の工程ではさらに、第2層間絶縁層19上に、図3(C)〜図4(A)の工程と同様にして第1電極層21、及び第2導電体層18と第1電極層21を接続するビア20を形成する。
【0055】
図4(B)の工程ではさらに、第2層間絶縁層19及び第1電極層21を覆うように、図2に示すAD成膜装置を用いて微粒子材料を吹き付けて誘電体層22を形成する。誘電体層22微粒子材料はアルミニウムアルコキシドの一種であるアルミニウムイソプロポキシドにより表面処理を行い、さらに大気中において1000℃で焼成し得られたAl23膜を被覆した、例えば平均粒径0.3μmのBaTiO3微粒子材料を用いる。成膜時間を3分間に設定し、厚さ5μmのAl23含有BaTiO3膜よりなる誘電体層22を形成する。BaTiO3微粒子材料とAl23膜の質量比を95:5とした。なお、上述したキャパシタ用の誘電体層を形成する際に用いられる微粒子材料として用いることができる。
【0056】
なお、誘電体層22は下地の第2層間絶縁層19と異なる材料により形成されているが、AD法により形成されているので、誘電体層22の微粒子材料が第2層間絶縁層19を構成する材料の最表面の付着物質を除去すると共に活性化することにより高い密着強度の境界面を実現することができる。
【0057】
図4(B)の工程ではさらに、誘電体層22上にめっきシード層23Aおよびめっき膜23Bよりなる第2電極層23を形成する。以上により、第1電極層21と第2電極層23との間に誘電体層22を有するキャパシタ27が形成される。
【0058】
次いで図4(C)の工程では、図4(B)の構造体上に第3層間絶縁層24を形成し、さらに、第3層間絶縁層24上に第3導電体層25を選択的に形成する。以上により、図4(C)に示す回路基板が形成される。
【0059】
なお、回路基板10には、上記層間絶縁層16,19,24又は誘電体層22間に上記導電体層15,18、25と同様にパターニングしてマイクロストリップラインを形成することによりフィルタを形成することができ、また、スパイラルインダクタあるいはミアンダラインインダクタなどのインダクタを形成することができる。
【0060】
また、本実施の形態において述べた方法と同様の方法により、例えば、積層セラミックコンデンサ、薄膜コイル、積層コイル、あるいはこれらを用いたフィルタ、ストリップラインを用いたフィルタなどの受動部品を形成することができる。具体的には、上述した方法により誘電体層とパターニングした導電体層を積層して形成した積層体を、所望の形状・寸法に切断し、スパッタ法やめっき法等により電極を設けることにより形成することができる。
【0061】
以下、図面に基づいて実施例および比較例を説明する。
【0062】
[実施例1]
図5は、本発明の実施例に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。図5を参照するに、本実施例に係る回路基板70は、ガラス基板71と、ガラス基板71上に形成された層間絶縁層72と導電体層73が交互に積層されてなる配線層と、層間絶縁層72中に選択的に形成されたキャパシタ75及びフィルタ76と、各導電体層を接続するビア78と、回路基板70表面に形成された抵抗素子79などから構成されている。
【0063】
先ず、ガラス基板全面に、スパッタ法によりCr膜、Cu膜のめっきシード層を形成し(それぞれ厚さ0.1μm、厚さ0.5μm)、次いでめっきシード層を電極として電解めっき法により厚さ5μmのCu膜のめっき膜を形成して、めっきシード層とめっき膜の積層体よりなる第1導電体層73−1を形成した。
【0064】
次いで、図2に示すAD法による成膜装置を使用し、導電体層73−1上にAl23被覆MgO微粒子材料を用いて厚さ100μmの層間絶縁層72−1を形成した。圧力19.6Pa(2kg/cm2)の高純度窒素ガス(純度99.9%)をキャリアガスとして、キャリアガスの流量を4L/分に設定してエアロゾル化した。成膜室を5Pa〜10Paに、エアロゾル化したAl23被覆MgO微粒子材料の流量を30g/時間に設定して30分間噴射した。
【0065】
なお、Al23被覆MgO微粒子材料は以下のようにして調製した。平均粒径0.25μmのMgO微粒子材料(高純度科学研究所社製)をイソプロピルアルコールに加え撹拌して懸濁液を準備し、この懸濁液にアルミニウムイソプロポキシドを混合して60℃に加熱して1時間撹拌した。次いで、遠心分離機により溶媒を除去した後、加熱乾燥して粉体として取り出し、1000℃において2時間焼成処理を行い、Al23被覆MgO微粒子材料を得た。ここでMgO微粒子材料とAl23膜の質量比を95:5とした。
【0066】
次いで、層間絶縁層72−1上にスパッタ法によりCr膜、Cu膜のめっきシード層を形成し(それぞれ厚さ0.1μm、厚さ0.5μm)、次いでめっきシード層表面に膜厚40μmのドライフィルムレジスト(ニチゴー・モートン社製NIT215)をレジスト膜として使用し,密着ロール温度105℃、線圧4kg/cmにてラミネートした。次いで配線パターンを全波長使用の平行光紫外線を用いて露光し、炭酸ナトリウム1wt%水溶液を用いてスプレー法により現像し、配線パターンが形成されたレジスト膜(図示せず)を得た。
【0067】
次いで、電解めっき法によりめっきシード層上にCu膜よりなるめっき膜を形成し、めっきシード層とめっき膜よりなる導電体層73−2を形成した。次いで、レジスト膜を剥離後、導電体層73−2以外のめっきシード層の部分をパネルエッチングにより除去した。エッチング液としては過酸化水素水と硫酸の混合液を用いた。さらに、層間絶縁層72−2〜72−8と導電体層73−3〜73−8を上述した方法で繰り返し形成した。
【0068】
次いで、フィルタ76を、層間絶縁層72−4〜72−6をレジスト膜(図示せず)によりマスクしてスパッタ法により形成したCu膜よりなるストリップライン80−1〜80−3と、誘電体層81−1〜81−3とを交互に積層して形成した。誘電体層はAD法によりAl23被覆Ba(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料を用いて形成した。なお、Al23被覆Ba(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料は以下のようにして調製した。平均粒径0.8μmのBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料(高純度科学研究所社製)をイソプロピルアルコールに加え撹拌して懸濁液を準備し、この懸濁液にアルミニウムイソプロポキシドを混合して60℃に加熱して1時間撹拌した。次いで、遠心分離機により溶媒を除去した後、加熱乾燥して粉体として取り出し、1000℃において2時間焼成処理を行い、Al23被覆アルミニウムイソプロポキシドにより表面処理した。Ba(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料を得た。ここでBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料とAl23膜との質量比を95:5とした。
【0069】
また、導電体層73−2をパターニングした方法と同様にしてキャパシタの下部電極層82−1を形成し、次いで下部電極層82−1を覆うように、AD法によりAl23被覆BaTiO3微粒子材料を用いて厚さ10μmの誘電体層83を形成した。なお、Al23被覆BaTiO3微粒子材料は平均粒径0.5μmのBaTiO3微粒子材料(堺化学社製)を、上記MgO微粒子材料と同様にしてAl23被覆BaTiO3微粒子材料を得た。ここでBaTiO3微粒子材料とAl23膜の質量比を95:5とした。
【0070】
さらに、さらに回路基板70の表面に電極層84を形成し、ドライフィルムレジストをレジスト膜(図示せず)としてラミネートした後、抵抗パターンを露光・現像してパターニングして、AD法により平均粒径0.01μmのTa粉末(高純度化学研究所社製)を用いて30分間成膜し、電極層84間に厚さ50μmのTa膜よりなる抵抗体85膜を形成した。次いでレジスト膜を剥離し抵抗素子79を形成した。以上により、本実施例に係る回路基板70を形成した。
【0071】
[実施例2]
本実施例は、基板71としてシリコンウェハを用い、実施例1の層間絶縁層72−1〜72−8をアルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したムライト(3Al23・2SiO2)微粒子材料により形成し、フィルタの誘電体層81−1〜81−3をAl23被覆BaTi49微粒子材料により形成し、キャパシタの誘電体層83をAl23被覆BaSrTiO3微粒子材料により形成した以外は実施例1と同様である。
【0072】
なお、アルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したムライト微粒子材料は以下のようにして調製した。平均粒径0.8μmのムライト微粒子材料(高純度化学研究所社製)をイソプロピルアルコールに加え撹拌して懸濁液を準備し、この懸濁液にアルミニウムイソプロポキシドを混合して60℃に加熱して1時間撹拌した。次いで、遠心分離機により溶媒を除去した後、加熱乾燥して粉体として取り出し、アルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したムライト微粒子材料を得た。ここでムライト微粒子材料とアルミニウムイソプロポキシド中のAl23換算質量との質量比を95:5とした。
【0073】
また、Al23被覆BaTi49微粒子材料及びAl23被覆BaSrTiO3微粒子材料は、実施例1のAl23被覆MgO微粒子材料と同様にしてAl23膜を形成し、BaTi49微粒子材料とAl23膜の質量比を98:2、BaSrTiO3微粒子材料とAl23膜の質量比を98:2とした。
【0074】
[実施例3]
本実施例は、基板71としてシリコンウェハを用い、実施例1の層間絶縁層72−1〜72−8をアルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料により形成し、抵抗素子79の抵抗体膜85を、RuO2微粒子材料を用いてAD法により形成し、キャパシタを形成しなかった以外は実施例1と同様である。
【0075】
なお、アルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料は以下のようにして調製した。平均粒径0.8μmのBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料(高純度化学研究所社製社製)をイソプロピルアルコールに加え撹拌して懸濁液を準備し、この懸濁液にアルミニウムイソプロポキシドを混合して60℃に加熱して1時間撹拌した。次いで、遠心分離機により溶媒を除去した後、加熱乾燥して粉体として取り出し、アルミニウムイソプロポキシドにより表面処理したBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料を得た。ここでBa(Mg1/3Ta2/3)O3微粒子材料とアルミニウムイソプロポキシド中のAl23換算質量との質量比を95:5とした。また、抵抗体膜85は平均粒径0.05μmのRuO2微粒子材料(高純度化学研究所社製)を用いた。
【0076】
[実施例4]
本実施例は、第3実施例の層間絶縁層をアルミニウムイソプロポキシドにより表面処理した窒化アルミニウム(AlN)微粒子材料により形成した以外は第3実施例と同様である。
【0077】
[比較例1]
図6は、本発明によらない比較例に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。
【0078】
図6を参照するに、本比較例に係る回路基板90は、層間絶縁層93として絶縁性感光性ポリイミド樹脂を用い、導電体層94としてスパッタ法により形成されたCu膜を用い、キャパシタ用の誘電体層95としてスパッタ法により形成されたBaSrTiO3膜を用いて構成されたものである。
【0079】
基板91として表面に熱酸化層92を形成したシリコンウェハを用い、熱酸化層92上にスパッタ法により導電体層94−1を形成した。次いで導体層94−1の表面に厚さ約10μmのレジスト膜(図示せず)を塗布し、ガラスマスクを重ねて水銀ランプにて400MmJ/cm2の露光を行い、アルカリ系現像液にて露光部分を溶解除去した。次いで導電体層94−1のエッチングを行ない、配線パターンを形成した。
【0080】
次いで、熱酸化層92及び導電体層94−1を覆うように、スパッタ法により厚さ50μmのBaSrTiO3膜よりなる誘電体層95を形成した。次いで誘電体層94上にスパッタ法によりスパッタ法により選択的に導電体層94−2を形成した。以上により導電体層94−1及び94−2との間に誘電体層95を有するキャパシタ96が形成された。
【0081】
次いで、誘電体層95及び導電体層94−2を覆うように、スピンコート法により厚さ約30μmの絶縁性感光性ポリイミド樹脂を塗布し、80℃、30分間の乾燥を行い、層間絶縁層93−1を形成した。次いで、層間絶縁層93−1の露光・現像を行って、導電体層94−2を露出させるビアホール93−1Aを形成した。次いで、350℃30分の加熱を行い、層間絶縁層93−1の絶縁性感光性ポリイミド樹脂を硬化させた。
【0082】
次いで、層間絶縁層93−1の表面にスパッタ法により、ビアホール93−1Aを充填する厚さ約5μmの導電体層94−3を形成した。次いで、層間絶縁層93−1及び導電体層94−3を覆う層間絶縁層93−2を、上述した方法により絶縁性感光性ポリイミド樹脂を用いて形成し、さらに導電体層94−4を形成した。
【0083】
[比較例2]
図7は、本発明によらない比較例に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。図7を参照するに、本比較例に係る回路基板100は、基板101と、基板101上に形成されたエポキシ樹脂シートよりなる層間絶縁層102と、めっき法により形成されたCu膜の導電体層103と、層間絶縁層102間に設けられたキャパシタ104の酸化物セラミックスとエポキシ樹脂の混合物よりなる誘電体層105などから構成されている。
【0084】
先ず、基板101として両面銅張り板FR−4基板を用い、基板101上のCu膜101A上に層間絶縁層102−1としてエポキシ樹脂シート(味の素社製、商品名ABF−SH−9K、厚さ50μm)を成膜した。
【0085】
次いで、膜厚40μmのデスミア保護膜(ニチゴー・モートン社製NIT215)を使用して、密着ロール温度105℃、線圧4kg/cmにて層間絶縁層102−1表面にラミネートし、全面を覆うデスミア保護膜(図示せず)を得た。
【0086】
次いで、デスミア保護膜を介して層間絶縁層102−1表面にUV−YAGレーザを使用して3mWのエネルギーで照射し穿孔し、直径約50μmのビアホール102−1Aを得た。次いで基板101表面を酸素プラズマ装置にかけ、さらにデスミア保護膜を剥離し、水洗乾燥した。
【0087】
次いで、ビアホール102−1Aが形成された層間絶縁層102−1の表面を覆うように無電解めっき法よりなるCu膜のめっきシード層103−1Aを形成し、さらにめっきシード層103−1Aを電極として電解めっき法によりCu膜のめっき層103−1Bを形成し、めっきシード層103−1Aとめっき層103−1Bよりなる導電体層103−1を形成した。
【0088】
次いで、導電体層103−1上に、平均粒径0.5μmのBaTiO3とエポキシ樹脂からなる複合体の塗料を用いて、印刷法により厚さ50μmの誘電体層を形成し、その表面をCMP法により厚さ10μmとなるまで研磨・平坦化した。
【0089】
次いで、誘電体層表面を覆うように無電解めっき法よりなるCu膜のめっきシード層103−2Aを形成し、その表面に膜厚40μmのドライフィルムレジスト(ニチゴー・モートン社製NIT215)を密着ロール温度105℃、線圧4kg/cmにてラミネートした。次いで配線パターンを全波長使用の平行光紫外線を用いて露光し、炭酸ナトリウム1wt%水溶液を用いてスプレー法により現像し、配線パターンが形成されたレジスト膜(図示せず)を得た。
【0090】
次いで、めっきシード層103−2Aを電極として電解めっき法によりCu膜のめっき層103−2Bを形成し、めっきシード層103−2Aとめっき層103−2Bよりなる導電体層103−2を形成し、レジスト膜を剥離した。次いで、層間絶縁層と導電体層を含む配線、及び誘電体層を繰り返し形成した。以上により導電体層103−1〜103−6と誘電体層105−1〜105−3よりなるキャパシタ104、例えば導電体層103−1及び103−2との間に誘電体層105−1を有するキャパシタ104が形成された。
【0091】
さらに、回路基板100の表面にドライフィルムレジスト膜(図示せず)をラミネートした後、露光・現像してパターニングし、Ta膜をスパッタ法により15分間成膜して、厚さ50μmの抵抗体膜106を形成した。次いでドライフィルムレジスト膜を剥離した。
【0092】
さらに、最後に、真空積層プレス(圧力60Torr以下、加熱温度180℃、70分間、線圧30kg/cm)にて全体を一体化・貼り合わせた。表面のオーバーコート層をスクリーン印刷とフォトリソ法を併用して形成した。
【0093】
[比較例3]
図8は、本発明によらない比較例に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。図8を参照するに、本比較例に係る回路基板110は、低温焼成セラミックスより形成された層間絶縁層111、キャパシタ用の誘電体層112、及びフィルタ用の誘電体層113と、導体ペーストを焼成して形成(厚膜法)された導電体層114などから構成されている。
【0094】
先ず、層間絶縁層111−1〜111−6となるガラス・アルミナ系のグリーンシートを調製した。具体的には、平均粒径5μmのAl23粉末を20vol%、平均粒径3μmの硼珪酸系ガラス粉末を80vol%に調合し、さらにこれらの粉末の総量を基準(100質量%)として、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂を8質量%、可塑剤としてジブチルフタレートを3質量%添加し、さらにアセトンを溶媒として添加してボールミルを用いて20時間混練した。次に、混練されたスラリーをドクターブレードを用いて成形し、厚さ200μmのグリーンシートを作製した。次いで、グリーンシートを所定の形状に切断・打ち抜きした。
【0095】
次いで、このグリーンシートにパンチングにより直径80μmのビアホール114−1A等を形成し、Ag導体ペーストを埋め込んで、恒温槽を用いて80℃、30分の乾燥を行った。次いで、乾燥したグリーンシートの表面に、Ag導体ペーストを用いてスクリーン印刷法により導電体層となる回路パターンを形成した。
【0096】
次いで、フィルタ用の誘電体層112−1〜112−2となるBMT(Ba(Mg1/3Ta2/3)O3)・ガラス系のグリーンシートを調製した。すなわち、平均粒径3μmのBa(Mg1/3Ta2/3)O3粉末50vol%と平均粒径5μmの硼珪酸ガラス粉末50vol%を調合し、さらにこれらの粉末の総量を基準(100質量%)として、PVB樹脂を8質量%、可塑剤としてジブチルフタレートを3質量%添加し、上記層間絶縁層と同様のプロセスにより厚さ200μmのグリーンシートを作製しパターニング・ビア形成を行った。
【0097】
次いで、キャパシタ用の誘電体層113となるグリーンシートを調製した。すなわち、平均粒径3μmのCaZrO3粉末30vol%と平均粒径5μmの硼珪酸ガラス粉末70vol%を調合し、さらにこれらの粉末の総量を基準(100質量%)として、PVB樹脂を8質量%、可塑剤としてジブチルフタレートを3質量%添加し、上記層間絶縁層と同様のプロセスにより厚さ200μmのグリーンシートを作製しパターニング・ビア形成を行った。
【0098】
これらのグリーンシートの位置合わせを行うと共に重ね合わせて、プレスを用いて80℃、30分の加熱及び加圧処理を行い、積層体を得た。次いで積層体を大気下、900℃、2時間の条件により焼成し、本比較例に係る基板を得た。
【0099】
(層間絶縁層及び導電体膜の評価)
図9は、実施例及び比較例に係る回路基板に形成された層間絶縁層及び導電体膜の特性を示す図である。
【0100】
図9を参照するに、比較例1〜3の層間絶縁層は、2GHzにおける誘電損失が0.001以上であるのに対し、実施例1〜4の層間絶縁層は、2GHzにおける誘電損失が0.00025〜0.0005とかなり小さくなっている。
【0101】
また、比較例1及び3の導電体層は比抵抗が5〜8μΩ・cmに比較して、実施例1〜4の導電体層は比抵抗が2μΩ・cmとかなり小さいことが分かる。
【0102】
一方、比較例2の導電体層は比抵抗が2μΩ・cmであるが、層間絶縁層の誘電損失が0.0125と実施例1〜4に対して大きい。
【0103】
したがって、このことから、図9に示すように、高周波損失は、比較例2の場合を1とした場合に、比較例1〜3が0.8〜1であるのに対し、実施例1〜4では高周波における損失が0.6〜0.7とかなり小さいことが認められた。
【0104】
なお、層間絶縁層の誘電損失は摂動法を用いて、ネットワークアナライザを使用して測定した。また導電体層の比抵抗は四端子法を用いて測定した。
【0105】
(フィルタ用の誘電体層の評価)
図10は、実施例及び比較例に係る回路基板に形成されたフィルタ用の誘電体層の特性を示す図である。
【0106】
図10を参照するに、比較例3のフィルタ用の誘電体層は、2GHzにおける比誘電率が15であるのに対し、実施例1及び2のフィルタ用の誘電体層は、2GHzにおける比誘電率が20と大きくなっている。
【0107】
また、比較例3のフィルタ用の誘電体層は、2GHzにおける誘電損失が0.00125であるのに対し、実施例1及び2のフィルタ用の誘電体層は、2GHzにおける誘電損失が0.00025〜0.0003とかなり小さくなっている。
【0108】
したがって、図9の導電体層の比抵抗の結果と合わせることにより、実施例1〜2のフィルタ用の誘電体層は、高周波における損失が比較例3に比べてかなり小さく、かつ比誘電率が大きいことが認められた。
【0109】
なお、フィルタ用の誘電体層の比誘電率と誘電損失は摂動法を用いて、ネットワークアナライザを使用して測定した。
【0110】
(キャパシタ用の誘電体層の評価)
図11は、実施例及び比較例に係る回路基板に形成されたキャパシタ用の誘電体層の特性を示す図である。
【0111】
図11を参照するに、比較例1〜3のキャパシタ用の誘電体層は、2GHzにおける比誘電率が50〜300であるのに対し、実施例1及び2のキャパシタ用の誘電体層は、2GHzにおける比誘電率が800〜2000と大きくなっている。
【0112】
したがって、このことから、実施例1及び2のキャパシタ用の誘電体層は、比誘電率が比較例1〜3に比べてかなり大きいことが認められた。
【0113】
その結果、図11に示すように比較例2の静電容量密度を1とした場合、比較例1及び3の静電容量密度が5〜10なのに対し、実施例1及び2の静電容量密度が10〜20と大きくなっていることが分かる。
【0114】
静電容量密度は、各実施例及び比較例において、層状に形成されているキャパシタの静電容量の総和を求め、回路基板の面積で除したものであり、単位面積あたりの静電容量を表すものである。
【0115】
したがって、実施例1及び2の回路基板は回路基板中に静電容量の大なるキャパシタを設けることができるので、図11に示すように比較例2の基板大きさを1とした場合に、比較例1〜3の0.6〜0.8に対して、実施例1及び2の基板の大きさは0.3となり、回路基板表面にキャパシタを実装する数を低減することにより回路基板を小型化することができる。
【0116】
なお、キャパシタ用の誘電体層の比誘電率と誘電損失は、上記のフィルタ用の誘電体層の比誘電率と誘電損失の測定方法と同様の方法を用いた。
【0117】
(第2の実施の形態)
図12は、本発明の実施の形態に係る電子装置の概略断面図である。図12を参照するに、本実施の形態の電子装置120は、回路基板121と、回路基板121表面に配置されたLSI122などから構成されている。
【0118】
回路基板121は、ベース基板122と、ベース基板122上に形成された層間絶縁層123及び導電体層124よりなる配線層125と、導電体層124が誘電体層126を挟んでなるキャパシタ128と、回路基板121表面の電極層129間に形成された抵抗体膜130よりなる抵抗素子131などから構成されている。
【0119】
回路基板121は、例えば上述した第1の実施の形態、実施例1〜4に係る回路基板であり、したがって、高周波における損失が低減され、キャパシタの静電容量が大なるものである。したがって、回路基板121の表面に実装する受動部品数を低減することができ、回路基板121の小型化を図ることができる。その結果LSI122等の能動部品を近接して配置できるので、伝送にかかる時間を短縮することができ、高周波における信号伝送の遅延を抑制することができる。ひいては、電子装置120の一層の高速動作が可能となる。
【0120】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0121】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 層間絶縁層と導電体層とが積層されてなる回路基板であって、
前記層間絶縁層はエアロゾル化した微粒子材料を吹き付けて堆積されてなり、
前記導電体層が金属あるいは合金材料よりなる連続膜であることを特徴とする回路基板。
(付記2) 前記微粒子材料がセラミックスよりなり、
Al23、MgO、SiO2、CaO、TiO2、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、CaO・Al23・2SiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、及びAlNの群のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする付記1記載の回路基板。
(付記3) 前記層間絶縁膜と、該層間絶縁膜上にパターニングされて形成された導電体層よりなるフィルタを更に有することを特徴とする付記1または2記載の回路基板。
(付記4) 当該回路基板中または回路基板上に、複数の電極層と、該電極層との間に形成された誘電体層とよりなるキャパシタを更に有し、
前記誘電体層がエアロゾル化した他の微粒子材料を吹き付けて堆積されてなることを特徴とする付記1〜3のうち、いずれか一項記載の回路基板。
(付記5) 前記他の微粒子材料がセラミックスよりなり、
TiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba((Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、及びPb(Ni1/3Nb2/3)O3の群のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする付記4記載の回路基板。
(付記6) 前記導電体層または電極層がCu、Ag、Au、及びAlの群のうちいずれか1種を含むことを特徴とする付記1〜5のうちいずれか一項記載の回路基板。
(付記7) 誘電体層と導電体層とが積層されてなる受動部品であって、
前記誘電体層がエアロゾル化した微粒子材料を吹き付けてなり、前記導電体層が金属あるいは合金材料よりなる連続膜よりなり、
前記微粒子材料がAl23、MgO、SiO2、CaO、TiO2、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、CaO・Al23・2SiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、及びAlNの群のうち、少なくとも1種を含むことを特徴とする受動部品。
(付記8) 付記1〜6のうちいずれか一項記載の回路基板及び/又は付記7記載の受動部品と、電子部品とを備えた電子装置。
(付記9) 層間絶縁層と導電体層とが積層されてなる回路基板の製造方法であって、
エアロゾル化した微粒子材料をキャリアガスと共に所定の速度で噴射して層間絶縁層を形成する工程と、
金属あるいは合金材料を堆積あるいは成長させて前記導電体層を形成する工程とを備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記10) 前記導電体層を形成する工程は、無電解めっき法、電解めっき法、スパッタ法、真空蒸着法、及び化学的気相成長法の群のうち、いずれか1つを用いることを特徴とする付記9記載の回路基板の製造方法。
(付記11) 前記層間絶縁膜をマスクしてフッ化水素酸により接続孔を設ける工程をさらに有することを特徴とする付記9または10記載の回路基板の製造方法。
【0122】
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明によれば、層間絶縁膜をAD法により常温において特性の優れた層間絶縁膜を形成することにより、導電体層をめっき法、スパッタ法などを用いて形成することで比抵抗の低減を図ることができる。したがって、高周波領域において低比抵抗及び低誘電体損失を共に有する回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る回路基板の要部断面図である。
【図2】本発明に使用するAD成膜装置の概略構成図である。
【図3】(A)〜(D)は、本実施の形態に係る回路基板の製造工程(その1)を示す図である。
【図4】(A)〜(D)は、本実施の形態に係る回路基板の製造工程(その2)を示す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明によらない比較例1に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明によらない比較例2に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。
【図8】本発明によらない比較例3に係る回路基板の概略構成を示す断面図である。
【図9】実施例及び比較例に係る回路基板に形成された層間絶縁層及び導電体膜の特性を示す図である。
【図10】実施例及び比較例に係る回路基板に形成されたフィルタ用の誘電体層の特性を示す図である。
【図11】実施例及び比較例に係る回路基板に形成されたキャパシタ用の誘電体層の特性を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電子装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10、70 回路基板
11 ベース基板
12 下部配線層
13 キャパシタ層
14 上部配線層
15 第1導電体層
16 第1層間絶縁層
17、20、26 ビア
18 第2導電体層
19 第2層間絶縁層
22 誘電体層
50 AD膜形成装置
51 エアロゾル発生器
52 成膜室
53 ガスボンベ
54 マスフローコントローラ
56 容器
58 振動機
60 ノズル
120 電子装置

Claims (6)

  1. 層間絶縁層と導電体層とが積層されてなる回路基板の製造方法であって、
    微粒子材料の表面をアルミニウム系化合物又は鉛系化合物により被覆する工程、
    次いで、前記微粒子材料を焼成し且つエアロゾル化する工程、
    エアロゾル化された微粒子材料をキャリアガスと共に所定の速度で噴射して前記層間絶縁層を形成する工程、及び
    金属あるいは合金材料を堆積あるいは成長させて前記導電体層を形成する工程、
    を有することを特徴とする製造方法。
  2. 前記微粒子材料の焼成は大気中で1000℃で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記微粒子材料はセラミックスよりなり、Al23、MgO、SiO2、CaO、TiO2、3Al23・2SiO2、MgO・Al23、2MgO・SiO2、2Al23・2MgO・5SiO2、CaO・Al23・2SiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、及びAlNの群のうち、少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記層間絶縁層の表面を機械的研磨法又は化学的機械研磨法を用いて平坦化する工程、
    を更に有する請求項1乃至のうち何れか一項に記載の製造方法。
  5. 前記層間絶縁層に接続孔を設けるために、前記層間絶縁層をマスクし、フッ化水素酸を用いてエッチングする工程、
    を更に有する請求項1乃至のうち何れか一項に記載の製造方法。
  6. 前記微粒子材料とは異なるエアロゾル化された他の微粒子材料をキャリアガスと共に所定の速度で噴射して、前記層間絶縁層上に誘電体層を形成する工程を更に有し、
    前記他の微粒子材料はセラミックスよりなり、TiO2、BaTiO3、BaSrTiO3、BaTiZrO3、BaTi49、Ba2Ti920、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、ZrSnTiO4、PbZrTiO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、及びPb(Ni1/3Nb2/3)O3の群のうち、少なくとも1種を含む、
    請求項に記載の製造方法。
JP2003170475A 2003-05-15 2003-06-16 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法 Expired - Lifetime JP4190358B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003170475A JP4190358B2 (ja) 2003-06-16 2003-06-16 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法
US10/820,114 US7579251B2 (en) 2003-05-15 2004-04-08 Aerosol deposition process

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003170475A JP4190358B2 (ja) 2003-06-16 2003-06-16 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005005645A JP2005005645A (ja) 2005-01-06
JP4190358B2 true JP4190358B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=34095263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003170475A Expired - Lifetime JP4190358B2 (ja) 2003-05-15 2003-06-16 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4190358B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2861088B1 (fr) * 2003-10-13 2006-01-20 Centre Nat Rech Scient Procede d'obtention d'un materiau composite ferroelectrique
JP2006229154A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Brother Ind Ltd 圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、およびそれらの製造方法
US7416938B2 (en) * 2006-03-31 2008-08-26 Intel Corporation Inkjet patterning for thin-film capacitor fabrication, thin-film capacitors fabricated thereby, and systems containing same
JP2008205111A (ja) 2007-02-19 2008-09-04 Fujitsu Ltd 配線基板および半導体装置、配線基板の製造方法
DE102007015399A1 (de) 2007-03-30 2008-10-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Herstellung einer keramischen Mehrlagen-Schaltungsanordnung und entsprechende Mehrlagen-Schaltungsanordnung
TW201000910A (en) * 2008-04-21 2010-01-01 Top Eng Co Ltd Card for MEMS probe and method for manufacturing thereof
JP5429019B2 (ja) * 2010-04-16 2014-02-26 富士通株式会社 キャパシタ及びその製造方法
WO2024106198A1 (ja) * 2022-11-15 2024-05-23 味の素株式会社 プリント配線板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005005645A (ja) 2005-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7579251B2 (en) Aerosol deposition process
KR100867038B1 (ko) 커패시터 내장형 인쇄회로기판 및 그 제조방법
JP4431747B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP4478401B2 (ja) 回路基板、電子装置、及び回路基板の製造方法
US7056800B2 (en) Printed circuit embedded capacitors
TWI334756B (ja)
WO2007043683A1 (ja) プリント配線板
JP5263915B2 (ja) キャパシタ素子の製造方法
JP4491214B2 (ja) キャパシタ素子
JP4190358B2 (ja) 回路基板、受動部品、電子装置、及び回路基板の製造方法
WO2006101638A2 (en) Printed circuit patterned embedded capacitance layer
JP2007335871A (ja) 無収縮セラミック基板の製造方法
JP2007207948A (ja) キャパシタ構造体並びにこれを用いた配線基板及びその製造方法
JP4530605B2 (ja) コンデンサ素子内蔵多層配線基板
JP4051194B2 (ja) コンデンサ素子内蔵多層配線基板
JP2010103556A (ja) 回路基板、電子装置、及び回路基板の製造方法
JP4239526B2 (ja) コンデンサ、複合回路基板及びコンデンサの製造方法
JP4372471B2 (ja) 電子部品内蔵基板の製造方法
JP4466992B2 (ja) 回路基板、受動部品及び回路基板の製造方法
KR101025973B1 (ko) 캐패시터 내장형 저온동시소성 세라믹 기판 및 그 제조 방법
JP4487515B2 (ja) キャパシタ
JP4022105B2 (ja) 多層配線基板の製造方法
JP2004288663A (ja) セラミック配線基板およびその製造方法
JP2009088567A (ja) コンデンサ素子
JP2004152834A (ja) ガラスセラミック多層配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080416

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080702

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4190358

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term