JP4189704B2 - 板ガラス搬送用ラック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は板ガラス搬送用ラックに関し、特に複数の板ガラスを仕切部材を介して縦置きに並列して載置する板ガラス搬送用ラックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の板ガラス搬送用ラックを図6に示す。従来の板ガラス搬送用ラック110は、キャスタ111を備えた床枠112の背面に背枠113を設けて側面視L字状の台114を構成している。この台114には、複数の仕切フレーム115が図面に垂直方向に並列して固定され、各仕切フレーム間に縦置きの板ガラスAが挟まれて保持される。
【0003】
このようなラック110に板ガラスAを載せる場合、板ガラスAは台114に対し、矢印Bのように、隣接する仕切フレーム115間の隙間方向から挿入されて両仕切フレーム115間の台114上に搭載される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の板ガラス搬送用ラックにおいては、仕切フレーム115が台114に対し固定されているため、台114に対し一定方向から板ガラスの縁部を仕切フレーム115間の隙間に挿入しなければならず、ガラス搭載作業がやりにくかった。
【0005】
本発明は、上記の点を考慮したものであって、板ガラスを台上に載せる場合にガラスの縁部方向からだけでなくガラス面方向からも搭載可能として作業性を高めた板ガラス搬送用ラックの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、複数枚の板ガラスを縦置きに並列して載置し、各板ガラス間に仕切アームを配設し、該仕切アームは、ガラス面に係合する仕切位置と、ガラス面から外れた退避位置との間を移動可能であり、少なくともいずれか一方の位置に保持可能であり、前記各仕切アームは長さ変更可能であることを特徴とする板ガラス搬送用ラックを提供する。
【0007】
この構成によれば、ガラス間に設けられる仕切アームが固定ではなく移動可能であるため、仕切アームを退避位置に移動させた状態で板ガラスをガラス面方向から搭載し、その後仕切アームを仕切位置に移動させて搭載した板ガラスに係合させ仕切ることができる。これにより、板ガラスを載置するときの搭載方向が板ガラスの縁部から仕切アーム間の隙間に挿入する方向に限定されず、板ガラスのガラス面方向からも搭載することができ、板ガラス載置作業の作業性が高められる。
【0008】
好ましい構成例では、板ガラス載置部の背面に軸材を水平に設け、この軸材に前記各仕切アームを回転可能に装着し、前記各仕切アームをほぼ水平な仕切位置に支持するアーム受け部材と、前記各仕切アームを、仕切位置から前記軸材廻りに回転させて前記ガラス載置部の背面よりさらに後方の退避位置に支持する背枠とを具備したことを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、仕切アームは水平な軸材に装着され、簡単な回転操作により、水平な仕切位置と後方に跳ね上げた退避位置間を回転移動させることができる。
【0010】
さらに好ましい構成例では、前記各仕切アームは長さ変更可能であることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、仕切アームが長さ調整できるため、例えばガラス面から外れた退避位置において長さを短くして構成をコンパクトにするとともに、仕切アームを上下に複数段に配設した場合に上下の間隔を短くしてより確実に板ガラスを支持する構成とすることができる。
【0012】
さらに好ましい構成例では、前記板ガラス載置部の背面側に2本の支柱を設置し、両支柱間に前記軸材を複数段に設け、前記板ガラス載置部の前面側に前枠を着脱可能に設け、この前枠と前記支柱とを着脱可能な側枠で連結したことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、仕切アームを装着した軸材が、2本の支柱間に複数段に設けられるため、大きさの異なる板ガラスを仕切アームにより確実に保持することができ、また前枠と側枠を支柱に連結することにより、強固な枠体構造が得られる。
【0014】
なお、本明細書中で、ラックの前面および背面とは、各板ガラスを仕切った状態の仕切アームの開放端部側、すなわち板ガラスの挿入方向手前側を「前面側」とし、挿入方向奥側を「背面側」とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態に係る板ガラス搬送用ラックの要部斜視図である。板ガラス搬送用ラック1は、矩形の台枠2の背面側隅部に2本の支柱3を有する。台枠2上には、板ガラスが挿入される複数の溝4が並列して形成された床板5が設置される。台枠2の前側隅部には、後述の前枠を挿入して嵌め込むための2個の角パイプ6が設けられる。
【0016】
両支柱3間には、保持枠7に端部を固定された水平配置の軸材9が上下2段に取付けられる。各保持枠7は、支柱3に沿って上下に位置調整可能であり、適当な位置にネジ8により固定される。各軸材9はパイプまたは丸棒からなり、その両端部は各保持枠7に接合される。軸材9には、複数のカラー10が回転可能に装着される。各カラー10には仕切アーム11が接合される。したがって、各仕切アーム11は、軸材9廻りに回動可能である。この軸材9の背面側には、背枠12が、両支柱3間にわたってその端部を保持枠7に接合されて設けられる。軸材9の前面側には、アーム受け13が、両支柱3間にわたってその端部を保持枠7に固定されて設けられる。各支柱3の側方には後述の側枠を装着するための複数の係止片14が設けられる。
【0017】
各仕切アーム11は、アーム受け13に支持されることによりほぼ水平な仕切位置に保持される。板ガラス16は、その下縁が前記床板5の溝4内に挿入された状態で、この水平な仕切位置の各仕切アーム11間に保持される。各仕切アーム11は、板ガラス16のガラス面に係合する水平な仕切位置から、矢印Cのように回転させてガラス面から外れた軸材9の後側まで跳ね上げて背枠12に支持させることができる。この背枠12に支持された位置が退避位置である。すなわち、各仕切アーム11は、その根元部のカラー10を介して軸材9廻りに回転して、ほぼ水平な仕切位置と後方に跳ね上げた退避位置間を移動可能であり、いずれか一方の位置に係止保持可能である。
【0018】
図2は、板ガラスを収容した後にラック前面に装着する前枠17の斜視図である。この前枠17は左右の縦枠17aと上下2段の横枠17bとからなり、各縦枠17aの側方には、支柱3(図1)の係止片14に対応する位置に同様の係止片18が設けられる。この前枠17は、左右の各縦枠17aの下端を、台枠2(図1)の前側に設けた角パイプ6に挿入することにより台枠2の前面に立設される。
【0019】
図3は、前記仕切アーム11(図1)を前側にほぼ水平に突出させた仕切位置に保持するためのアーム受け13の正面図である。このアーム受け13の左右両側には取付け用の孔19が形成され、上縁に沿って各仕切アームを受ける半円形の受け溝20が並列して形成される。アーム受け13の前面側、すなわち収容する板ガラスの端部が当接する側にはゴム材21が貼り付けられ、ガラス端部を保護する。
【0020】
図4は、前述の支柱3(図1)と前枠17(図2)とを連結する側枠22の正面図である。この側枠22は、前述の台枠2の左右それぞれに立設する支柱3の係止片14と前枠17の縦枠17aに設けられた係止片18とを前後方向に連結するものである。この側枠22の両端部にスリット23が形成される。これらのスリット23は、支柱3の側方の係止片14および前枠17の側方の係止片18にそれぞれ係止して支柱3と前枠17とを連結するものである。この側枠22の内面側(ガラス載置側)にはガラス保護用のゴム材24が貼付される。
【0021】
上記構成の板ガラス搬送用ラックにおいて、板ガラスを積み込む場合、まず最端部あるいは適当な位置の仕切アーム11を水平な仕切位置に保持し、他の仕切アーム11を退避位置に保持する。この状態で仕切位置の仕切アーム11に対しラック側方側から、すなわちガラス面側から、板ガラスを立て掛けるように仕切アーム11に支持させる。その後、この仕切アームの次の仕切アームを退避位置から仕切位置に回転移動させて立て掛けた板ガラスを挟む。続いて、次の板ガラスをガラス面側から積み込んで仕切アームに立て掛けて支持し、次の仕切アームを退避位置から仕切位置に移動させ、板ガラスを挟む。これを繰り返して複数枚の板ガラスを順番にラックの台枠上に収容する。このように板ガラスを台枠2上に搭載して収容後、前枠17(図2)を装着しこれを側枠22(図4)で支柱3と連結して強固な枠組を構成する。
【0022】
板ガラスを積み降ろす場合にも同様に、前枠を取外した後、水平な仕切位置の仕切アームを持上げて退避位置に移動させ、ガラス面側がフリーになった状態でこの板ガラスを取り出すことができる。
【0023】
なお、上記実施形態において、仕切アーム11を装着した軸材9の段数は2段に限定されず3段またはそれ以上でもよい。また、保持枠7に対する軸材9の接合方法や端部の取付け位置等は図の例に限定されない。また保持枠7は支柱3に対しスライドして位置調整可能であればその形状や固定手段等は図の例に限定されない。さらに、台枠2にはキャスタを取付けてもよいし、あるいはフォークリフト用の挿入孔を設けてもよい。
【0024】
図5は、本発明の別の実施形態の要部構成図である。この実施形態は、仕切アームを折畳み可能構造としたものである。
前述の実施形態と同様に、軸材9にカラー10が回転可能に装着され、このカラー10に仕切アーム25の端部が固着される。この仕切アーム25は、ヒンジ部26を介して矢印Dのように回転して折畳み可能である。仕切アーム25を折畳んだ状態で、矢印Cのように回転して背枠12に支持される退避位置に移動し保持することができる。このような折畳み構造とすることにより、水平な仕切位置では仕切アームを伸ばして板ガラスを確実に支え、後方に跳ね上げた退避位置では仕切アームを折畳んで短くし、後方への突出長さを抑えてコンパクトな構成にするとともに、軸材配置の上下間隔を短くしてより短い間隔で仕切アームを配設することができ板ガラスをより確実に保持させる構成とすることができる。
【0025】
なお、折畳み構造に代えて、伸縮自在構造としてもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ガラス間に設けられる仕切アームが固定ではなく仕切位置と退避位置間を移動可能であるため、仕切アームを退避位置に移動させた状態で板ガラスをガラス面方向から搭載し、その後仕切アームを仕切位置に移動させて搭載した板ガラスに係合させ仕切ることができる。これにより、板ガラスを載置するときの搭載方向が板ガラスの縁部から仕切アーム間の隙間に挿入する方向に限定されず、板ガラスのガラス面方向からも搭載することができ、板ガラス載置作業の作業性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る板ガラス搬送用ラックの斜視図。
【図2】 図1のラックの前枠の斜視図。
【図3】 図1のラックのアーム受けの正面図。
【図4】 図1のラックの側枠の正面図。
【図5】 本発明の別の実施形態の仕切アームの側面図。
【図6】 従来の板ガラス搬送用ラックの側面図。
【符号の説明】
1:板ガラス搬送用ラック、2:台枠、3:支柱、4:溝、5:床板、
6:角パイプ、7:保持枠、8:ネジ、9:軸材、10:カラー、
11:仕切アーム、12:背枠、13:アーム受け、14:係止片、
16:板ガラス、17:前枠、17a:縦枠、17b:横枠、18:係止片、
19:取付け用の孔、20:受け溝、21:ゴム材、22:側枠、
23:スリット、24:ゴム材、25:仕切アーム、26:ヒンジ部。
Claims (3)
- 複数枚の板ガラスを縦置きに並列して載置し、
各板ガラス間に仕切アームを配設し、
該仕切アームは、ガラス面に係合する仕切位置と、ガラス面から外れた退避位置との間を移動可能であり、少なくともいずれか一方の位置に保持可能であり、
前記各仕切アームは長さ変更可能であることを特徴とする板ガラス搬送用ラック。 - 板ガラス載置部の背面に軸材を水平に設け、
この軸材に前記各仕切アームを回転可能に装着し、
前記各仕切アームをほぼ水平な仕切位置に支持するアーム受け部材と、
前記各仕切アームを、仕切位置から前記軸材廻りに回転させて前記ガラス載置部の背面よりさらに後方の退避位置に支持する背枠とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の板ガラス搬送用ラック。 - 前記板ガラス載置部の背面側に2本の支柱を設置し、
両支柱間に前記軸材を複数段に設け、
前記板ガラス載置部の前面側に前枠を着脱可能に設け、
この前枠と前記支柱とを着脱可能な側枠で連結したことを特徴とする請求項2に記載の板ガラス搬送用ラック。
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