JP4189553B2 - ハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置に係り、特に、静的混合装置を使用してハロゲン化銀乳剤粒子を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀感光材料に使用するハロゲン化銀乳剤粒子を形成する場合、大きく分けて2つのポイントとなる工程がある。1つはハロゲン化銀乳剤粒子の種粒子を形成する核形成工程であり、もう1つは核形成工程で形成された種粒子を感光材料に好適な大きさの粒子に成長させる粒子成長工程である。
【0003】
先ず、核形成工程において、例えば形の揃った平板粒子を調製するには、平板粒子の元になる種粒子の段階で粒子サイズ分布が揃った、二重双晶の発生確率を上げることが必要である。また、このような平板粒子を成長させる為には、成長方向を規制するために、成長用のホスト粒子が存在する系に、核形成で形成した成長用の種粒子を添加し、オストワルド熟成を進行させることが有効である。このような種粒子は微小サイズで単分散性に優れていることが要求される。
【0004】
このような種粒子を形成するためには、銀塩水溶液(以下「硝酸銀水溶液」の例で説明する)とハロゲン塩水溶液を非常に低濃度の状態で混合反応装置で混合して両液を反応させるならば、余程弱い攪拌又は混合条件でない限り所望の双晶の種粒子を形成することは可能であるが、低濃度条件では工業的に採算がとれない。従って、工業的に採算がとれる濃度レベルで種粒子を形成したり、種粒子を成長させたりするためには、高濃度条件での反応が必要である。
【0005】
また、核形成工程や粒子成長工程において微小なハロゲン化銀乳剤粒子を安定して形成するためには、核形成と粒子成長が同時に起こらない装置的工夫が必要であり、そのための混合装置としては、逆流を発生させない小容量の静的混合装置を使用することが望ましい。ここで、静的混合装置とは、混合場に攪拌機等の攪拌手段を有しない混合装置をいう。
【0006】
このような静的混合装置を使用したハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法としては、特開平4−292416号公報、特開平11−217217号公報、特開2000−187293号公報等があり、これらは、高Re(レイノルズ数)の硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液の2つのジェット噴流を、T字管やY字管のような非常に狭い配管の交点で衝突させることにより両液を瞬時に混合反応させ、混合反応液を短時間で排出するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の静的混合装置のように、高速乱流である両液を衝突させて混合効率を上げるためには、ジェット流の速度を大きくすることが必要であるが、ジェット流の速度を大きくすると、両液の液液摩擦による摩擦熱が発生する。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成のための反応は発熱反応であるために、発熱反応に摩擦熱が加わると、硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液との反応で形成された種粒子に、オストワルド熟成による成長が進行してしまい、微粒子で単分散性の良いハロゲン化銀乳剤粒子が形成されにくいという欠点がある。
【0008】
また、高速乱流なジェット流は、キャビテーションが生じ易く、キャビテーションによる気泡が集まって静的混合装置内に気液界面が形成され易く、これにより混合や反応の不均一が生じるため、微粒子で単分散性の良いハロゲン化銀乳剤粒子が形成されにくいという欠点がある。
【0009】
そこで、出願人は、従来の欠点を解消すべく、図10に示すように、第1ノズル1からハロゲン塩水溶液(又は硝酸銀水溶液)を乱流の直進流Aとして混合室2に噴出し、該直進流Aが小径な第1ノズル1からそれよりも大径な混合室2に噴出させることで混合室2に形成される渦粘性が最大になる以前の位置に、又は直進流Aの最大流速が1/3以下に減少する以前の位置に、第2ノズル3から硝酸銀水溶液(又はハロゲン塩水溶液)を直進流Aに対して略直交する乱流の直交流Bとして噴出して直進流Aに同伴させることにより、混合室2に発生する渦粘性を利用して硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液の2つの溶液を瞬時に混合して反応させ、混合反応液を排出管4から排出する構成の静的混合装置5を開発した。
【0010】
このように、直進流Aと直交流Bとを混合室2に噴射し、混合室2に形成した渦粘性を利用して混合反応させる静的混合装置5は、ハロゲン塩水溶液と硝酸銀水溶液とを狭い配管の交点で衝突させる従来の静的混合装置に比べて、硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液との混合時の摩擦熱の減少や、キャビテーションの発生を防止し、混合反応を効率的に行うことができ、静的混合における混合状態の最適化を図ることができる。
【0011】
しかし、かかる渦粘性を利用した静的混合装置は、従来の発想の枠を越えた斬新な装置であることから、装置構成の多様化を図り、硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液との色々な混合反応条件に対応できるようにすることが必要である。
【0012】
例えば、図10の静的混合装置は、高速な乱流の直進流である1本のジェット流に、該直進流に略直交する低速な乱流の直交流を同伴させて混合室に渦粘性を形成する所謂「ワンジェット方式」であり、2本のジェット流を使用して混合室に渦粘性を形成する所謂「ダブルジェット方式」も可能である。
【0013】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたもので、少なくとも2本のジェット流を使用して混合室に渦粘性を形成する所謂「ダブルジェット方式」において、硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液との混合時の摩擦熱の減少や、キャビテーションの発生を防止し、混合反応を効率的に行うことができ、静的混合における混合状態を最適化することができるので、粒子サイズが小さく単分散性に優れたハロゲン化銀乳剤粒子を形成することができるハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とをそれぞれのノズルから該ノズルの口径よりも大径な混合室に噴出して混合反応させると共に混合反応液を前記混合室の径よりも小径な排出口から排出することでハロゲン化銀乳剤粒子を形成する方法であって、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを、前記混合室の一方端側に並列配置された複数本のノズルから他方端に向けて乱流の少なくとも2本の平行な直進流として前記混合室に同等の噴出流速で噴出することにより、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液を瞬時に混合反応することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記目的を達成する為に、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを静的混合装置で混合して反応させることによりハロゲン化銀乳剤粒子を形成するハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置において、前記静的混合装置は、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを混合して反応させる筒状の混合室が形成された混合器の一方端側に並列配置され、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを前記混合室の一方端から他方端に向けて乱流の複数本の平行な直進流として前記混合室に噴出させる少なくとも2本のノズルと、前記混合室で混合されて反応した混合反応液を該混合室から排出する排出口と、前記少なくとも2本のノズルにそれぞれ設けられ、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを前記混合室に加圧供給する加圧手段と、を有し、前記混合室の筒径は、前記ノズル及び排出口の口径よりも大径に形成されていると共に、前記加圧手段によって前記銀塩水溶液と前記ハロゲン塩水溶液とを前記混合室に同等の噴出流速で噴出することを特徴とする。
【0016】
本発明は、従来の静的混合装置のように、銀塩水溶液の高速乱流とハロゲン塩水溶液の高速乱流とをT字管やY字管のような非常に狭い配管の交点で衝突させて、その衝突場において瞬時に混合反応させるというよりも、乱流場での混合性評価として知られている渦粘性に着目し、静的混合装置内でハロゲン塩水溶液と銀塩水溶液の複数本のジェット流により形成される複数の渦粘性をオーバーラップさせることで、両液を瞬時に混合反応させるように構成したものである。
【0017】
ここで、本発明において、「銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液の少なくとも2本の略平行な直進流」とは、1本の銀塩水溶液と1本のハロゲン塩水溶液の合計2本の略平行な直進流に限定されるものではなく、例えば2本の銀塩水溶液と2本のハロゲン塩水溶液の合計4本の略平行な直進流やそれ以上の本数の直進流でもよいことを意味する。例えば、銀塩水溶液の2本の直進流とハロゲン塩水溶液の2本の直進流とを略平行に噴射する場合、銀塩濃度或いは銀塩の種類(硝酸銀、沃化銀等)、ハロゲン塩水溶液のハロゲン塩濃度、ハロゲン塩の種類等の異なる複数種類の銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを使用するようにしてもよい。この場合、複数種類の銀塩水溶液やハロゲン塩水溶液の直進流の数に合わせてノズル数を設けて複数種類の銀塩水溶液やハロゲン塩水溶液を噴出するようにしてもよく、或いはノズルの数は銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液のそれぞれ1本にして、複数種類の銀塩水溶液やハロゲン塩水溶液を、反応初期、反応中期、反応終期に分けて順番に噴出するようにしてもよい。
【0018】
即ち、静的混合装置は、混合室に渦粘性が発生するように、筒状の混合室が形成された混合器に、混合室の筒径よりも小さな口径の複数のノズルを形成し、小径なノズルからそれよりも大径な混合室に液を噴出することで渦粘性が形成されるようにすると共に、排出口の口径を絞って混合室に圧力が付与されるようにすることで、混合室にキャビテーションによる気液界面が形成されにくくなるように構成した。
【0019】
例えば2本の略平行な直進流の例で説明すると、2本のノズルから噴出される2本のジェット流は、その流れの幅よりも広い場所に噴出されることで乱流による渦粘性が発生し、この渦粘性同士がオーバーラップすることで混合効果を顕著に上げることが可能であるが、前述したT字管やY字管のように管径が変化しない場合には、このような効果を期待できない。また、混合室の一方端に形成した2本のノズルから銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを乱流の少なくとも2本の直進流として混合室に噴出する「ダブルジェット方式」とし、それぞれの直進流により形成される複数の渦粘性がオーバーラップすることで、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とが瞬時に混合反応するように構成した。この場合、2本の直進流が混合室に噴出された直後で衝突すると、液液摩擦による発熱が起きてオストワルド熟成が進行してしまうので、2本の直進流によって形成される2つの渦粘性が最大になる位置で渦粘性同士の重なる部分が最も多くなるように2本の直進流の向きを調整することが好ましい。従って、近接した2本の平行な直進流とするか、又は2本の直進流のそれぞれの渦粘性が最大になる位置で渦粘性同士のオーバーラップする部分が最も大きくなるように一対のノズルの向きをハの字状にするかの何れかが好ましい。2本の直進流が近接した平行流であれば、複数の渦粘性が大きくなるにつれて渦粘性同士がオーバーラップする部分が大きくなる。また、2本のノズルの向きをハの字状にする場合には、複数の渦粘性が最大になる位置を知る必要があるが、渦粘性が最大になる位置は、流動解析ソフトとして既に日本で市販されているアールフロー社製の数値解析ソフト、R−Flowを用いて予めシミュレーションすることで把握することができるので、それに基づいて一対のノズルの向きを決めればよい。
【0020】
本発明の好ましい態様としては、少なくとも2本の直進流の流速を同等にすることが好ましい。これは、直進流の流速によって渦粘性のできる位置が異なるので、直進流の流速が違い過ぎると、渦粘性同士の重なる部分が小さくなり、混合性能に悪影響が生じるためである。
【0021】
更に、本発明の好ましい態様としては、少なくとも2本の直進流は薄膜状であることが好ましい。これは、薄膜状にした方が直進流の液液界面積が大きくなり混合性能が良くなるので、直進流の噴出流速を減速することができる。噴出流速を減速しても良好な混合性能を維持できれば、ノズルを形成する材質の選択幅も大きくなる。
【0022】
このように、本発明は、少なくとも2本のジェット流を使用して混合室に渦粘性を形成する所謂「ダブルジェット方式」において、静的混合装置での混合状態を最適化することができるので、粒子サイズが小さく単分散性に優れたハロゲン化銀乳剤粒子を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。また、本実施の形態では、1本の銀塩水溶液と1本のハロゲン塩水溶液の合計2本の直進流の例で説明する。
【0024】
図1は、本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置を備えたハロゲン化銀感光材料の製造ライン10を概念的に示した図である。
【0025】
ハロゲン化銀感光材料の製造ライン10は、ハロゲン化銀乳剤粒子の微粒子核を形成する核形成工程と、核形成工程で形成された微粒子核を、成長用のハロゲン化銀乳剤粒子に接触させて微粒子核を成長させる核成長工程とから構成される。そして、核形成工程に本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置である静的混合装置12が配設され、核成長工程に加熱用ジャケット14を備えた成長用タンク16が配設される。
【0026】
静的混合装置12では、硝酸銀水溶液Xとハロゲン塩水溶液Yとが瞬時に混合反応されてハロゲン化銀乳剤粒子の微粒子核を含む混合反応液Zが形成され、直ちに成長用タンク16に送られる。成長用タンク16に送られた微粒子核は、成長用のハロゲン化銀乳剤粒子の溶液中で攪拌機18で攪拌されながらオストワルド熟成して成長する。この核成長工程での成長用のハロゲン化銀乳剤粒子の形成にも核形成工程で使用したと同じ静的混合装置を用いることが好ましい。
【0027】
図2及び図3は、本発明における静的混合装置12の構造を横断面(図2)と縦断面(図3)で示した概念図である。
【0028】
図2及び図3に示すように、静的混合装置12は、硝酸銀水溶液Xとハロゲン塩水溶液Yとを混合して反応させる筒状の混合室20が形成された混合器22の一端側開口にオリフィス材23を接続し、オリフィス材23にハロゲン塩水溶液Yのための第1ノズル34と硝酸銀水溶液Xのための第2ノズル36が形成される。そして、硝酸銀水溶液Xとハロゲン塩水溶液Yとを混合室20の一方端から他方端に向けて乱流の2本の直進流A1 、A2 として混合室20に噴出させる。また、混合器22の他端側には、混合室20で混合されて反応した混合反応液Zを該混合室20から排出する排出管26が接続される。尚、本実施の形態では、第1ノズル34からハロゲン塩水溶液Yを噴出し、第2ノズル36から硝酸銀水溶液Xを噴出する例で説明するが、逆にしてもよい。更に、排出管26の接続位置は、混合器22の他端側近傍であれば、混合器22の側面部に接続してもよい。
【0029】
第1及び第2ノズル34、36は、混合器22に隣接したブロック状のオリフィス材23に、2本の直進流A1 、A2 のための第1のオリフィス30と第2のオリフィス32を一体的に穿設加工して形成される。そして、ハロゲン塩水溶液Yを第1のオリフィス30に導入する第1の導管24をオリフィス材23に接続すると共に、硝酸銀水溶液Xを第2のオリフィス32に導入する第2の導管28をオリフィス材23に接続する。ブロック状のオリフィス材23に、第1及び第2のオリフィス30、32を穿設加工する方法としては、金属、セラミックス、ガラス等の材料に100μm程度の孔を精密に開ける加工方法として公知のマイクロ切削加工、マイクロ研削加工、噴射加工、マイクロ放電加工、LIGA法、レーザー加工、SPM加工等を好適に使用できる。
【0030】
オリフィス材23の材質としては、加工性が良く、硬度がダイヤモンドに近い材質のものが好ましい。従って、ダイヤモンド以外の材質としては、種々の金属や金属合金に焼入れ、窒化処理、焼結処理等の硬化処理したものを好適に使用することができる。また、セラミックスも硬度が高く、ダイヤモンドよりも加工性が優れているので好適に使用できる。尚、本実施の形態では、第1ノズル34及び第2ノズル36の絞り構造としてオリフィスの例で説明するが、乱流の液体を噴射する機能を有するものであれば、オリフィスに限らず他の方法を用いることができる。
【0031】
また、第1の導管24と第2の導管28には、図示しない加圧手段が設けられ、ハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xとが第1及び第2ノズル34、36に加圧供給される。液体に高圧力をかける加圧手段としては、種々の手段が知られており何れの手段も使用可能であるが、比較的入手し易く安価な手段としてはプランジャーポンプや増圧ポンプのような往復ポンプを使用することが好ましい。また、往復ポンプほど高圧を発生することはできないが、ロータリポンプの中にも高圧発生型のものがあるので、このようなポンプを使用することもできる。
【0032】
そして、第1ノズル34と第2ノズル36からハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xとを混合室20の一方端から他方端に向けて乱流の2本の直進流A1 、A2 として混合室20に噴出し、この2本の直進流A1 、A2 によって形成させる2つの渦粘性C、D(図4、図5参照)をオーバーラップさせることによりハロゲン塩水溶液と硝酸銀水溶液とを瞬時に混合反応させてハロゲン化銀乳剤粒子を含む混合反応液Zを形成する。
【0033】
かかる混合反応は、図4に模式的に示すように、乱流の高速な2本の直進流A、Bによって混合室20に形成されるそれぞれの渦粘性C、Dの最大部分を、極力重なる部分が多くなるようにオーバーラップさせることで高性能な混合効率を得るものである。
【0034】
従って、静的混合装置12の上記した混合室20、第1及び第2ノズル34,36、排出管26は次の関係を有するように形成される。
【0035】
即ち、混合室20に渦粘性が形成されることが必要であり、混合室20の筒径D1 が第1ノズル34のオリフィス径D2 、第2ノズル36のオリフィス径D3 よりも大径に形成される。具体的には、第1ノズル34のオリフィス径D2 に対する混合室20の筒径D1 の寸法比は、1.1倍〜50倍の範囲が好ましく、更に好ましくは1.1倍〜20倍の範囲である。同様に、第2ノズル36のオリフィス径D3 に対する混合室20の筒径D1 の寸法比は、1.1倍〜50倍の範囲が好ましく、更に好ましくは1.1倍〜20倍の範囲である。
【0036】
また、直進流A1 、A2 は、混合室20に噴出直後で衝突することなく、且つ直進流A1 、A2 によって混合室20に形成される2つの渦粘性C、Dがオーバーラップする部分Eを極力大きくすることが好ましい。このためには、直進流A1 、A2 を略平行にすることが必要である。この場合、第1ノズル34と第2ノズル36は、図4のように完全に平行である必要はなく、むしろ図5のように、先端に行くほど直進流A1 、A2 同士の距離が近づくハの字状に配置されていることが好ましい。このようにハの字状に配置することで、最大になった渦粘性C、D同士のオーバーラップする部分Eを確実に大きくすることができ、2つの渦粘性C、D同士を略完全にオーバーラップさせることも可能である。従って、渦粘性C、Dが最大になる位置を知る必要があるが、渦粘性C、Dが最大になる混合室20の位置は、流動解析ソフトとして既に日本で市販されて流動解析ソフトとして良く知られているアールフロー社製の数値解析ソフト、R−Flowを用いて予めシミュレーションすることで、渦粘性Cの最大位置を把握することができる。即ち、渦粘性C、Dが最大になる位置での渦粘性C、Dのオーバーラップ部分が多くなるようにハの字状に配置した第1ノズル34と第2ノズル36の向きを調整すればよい。この場合、図4及び図5から分かるように、渦粘性C、Dが最大になる位置はピンポイントではなく領域を有する。従って、渦粘性C、Dの最大位置を渦粘性C、Dの略中心部であるポイントP1 、P2 とし、ポイントP1 とポイントP2 とが接近するようにハの字状に配置した第1ノズル34と第2ノズル36の向きを決めればよい。また、ポイントP1 、P2 を把握する別の方法としては、上記の数値解析ソフトで解析すると、直進流A1 、A2 による渦粘性C,Dが最大になるポイントP1 、P2 は直進流A1 、A2 の流速と関係があり、直進流A1 、A2 の最大流速(通常は第1又は第2ノズル位置での流速)が1/3に減少する位置に略相当する。従って、直進流A1 、A2 の最大流速が1/3に減少する位置を計算して、ポイントP1 、P2 を把握してもよい。このように、渦粘性C、Dが最大になった位置で渦粘性C、D同士をオーバーラップさせることで、直進流A1 と直進流A2 の液液界面での接触効率を大きくして混合反応性能を向上させる効果の他に、直進流A1 と直進流A2 が衝突することによる液液摩擦に伴う発熱を抑制する効果もある。
【0037】
また、最大の渦粘性C,Dを混合室20に形成するために必要な混合室20の長さL(図2参照)を確保する必要があるが、あまり長すぎると混合反応液Zが混合室20で滞留や逆流が生じ易くなり、ハロゲン化銀粒子の粒子サイズの微粒子化や単分散性に悪影響を及ぼす。従って、混合室20の長さLは第1ノズル34及び第2ノズル36から渦粘性C,Dの最大位置であるポイントP1 、P2 までの距離の2倍〜5倍が好ましく、更に好ましくは2倍〜3倍がよい。
【0038】
更に、小径な第1や第2ノズル34、36からそれよりも大径な混合室20に高速流で液体が噴出されると、キャビテーションを起こし易く、このキャビテーションにより混合室20に気液界面が形成されて混合効率を低下させる。従って、渦粘性C、Dを利用して混合効率を上げるためには、混合室20に気液界面が形成されないようにすることが必要である。従って、図2のように、排出管26の口径D4 を第3のオリフィス38で絞って混合室20の筒径D1 よりも小さくし、混合室20の圧力を上げた状態で混合することが必要である。これにより、キャビテーションを解消できるので、混合効率が一層向上する。尚、排出管26内の混合に寄与しない部分での滞留時間を極力短くする為、混合室20内の出口を絞るとともに、少なくとも混合室20の筒径D1 よりも小さな内径の排出管26を極力短くして成長用タンク16に接続するとよい。
【0039】
ちなみに、渦粘性C,Dを形成する混合室20がない場合には、完全に混合するためには非常に長い混合場が必要になり、最初に混合されたものと最後に混合されたものの時間間隔が長くなり、ハロゲン化銀乳剤粒子の粒子サイズ分布が大きくなる。
【0040】
また、第1ノズル34及び第2ノズル36から混合室20へ噴出される噴出流形状は第1及び第2ノズル34、36に設けた第1及び第2のオリフィス30、32により規制され、この噴出流形状は混合性能に影響する。従って、混合反応の目的に応じて、糸線状、円錐状、スリット状、扇状等の噴出流形状を形成するオリフィスを適宜使用することが好ましい。例えば、ミリ秒オーダーの非常に反応速度の速い反応の場合には、瞬時にできるだけ狭い範囲で渦粘性C,Dが最大になるように2本の直進流A1 、A2 を噴出させることが必要であり、糸線状の噴出流形状を形成するオリフィスが好ましい。また、反応速度が比較的遅い場合には、できるだけ広い範囲で渦粘性C、Dが最大になるように直進流A1 、A2 を噴出させて、直進流A1 、A2 が作る液液界面積を増やす方がよく、この場合には薄膜な噴出流形状を形成するオリフィスが好ましい。また、ミリ秒オーダーの非常に反応速度と比較的遅い反応速度との中間的な反応速度の場合には、円錐状の噴出流形状を形成するオリフィスが好ましい。
【0041】
図6〜図9は糸線状、円錐状、スリット状、扇状の各噴出流形状を形成するためのオリフィスを図示したものであり、それぞれの図における(a)はオリフィスを先端側から見た図、(b)はオリフィスの縦断面図、(c)はオリフィスの横断面図である。
【0042】
図6は、真っ直ぐな糸線状の2本の略平行な直進流A1 、A2 を混合室20に噴出するためのものであり、オリフィス材23に糸線状の細い2本の第1及び第2のオリフィス30、32が形成される。図7は、円錐状の2本の略平行な直進流A1 、A2 を混合室20に噴出するためのものであり、オリフィス材23に先端部が開いたラッパ管状の2本の第1及び第2のオリフィス30、32が形成される。図8は、薄膜の2本の略平行な直進流A1 、A2 を混合室20に噴出するためのものであり、オリフィス材23に矩形なスリット状の2本の第1及び第2のオリフィス30、32が形成される。この場合、図8に示すように、直進流A1 、A2 の薄膜面同士が対向するように第1及び第2のオリフィス30、32を形成すると直進流A1 、A2 同士の液液界面積が大きくなるので一層好ましい。図9は、扇状な薄膜の2本の略平行な直進流A1 、A2 を混合室20に噴出するためのものであり、オリフィス材23に先端部が扇状に拡径した2本の噴出孔の第1及び第2のオリフィス30、32が形成される。
【0043】
尚、図8に示したスリット状の第1のオリフィス30のように、管路の断面が円形でない場合のレイノルズ数に関しては『化学工学通論』(疋田晴夫著、朝倉書店)に、次のように取り扱えることが示されている。すなわち、Sを「断面積」、lpを「流体が接触している固体壁周辺の長さ」とした時、相当直径Deは、De=4S/lpで定義される。スリット状のオリフィスは閉溝構造であることから、短辺をa、長辺をbとすれば、lp=2(a+b)で示される。従って、相当直径Deは、以下の式(1)で示される。
【0044】
【数1】
De=4(ab)/2(a+b)=2ab/(a+b)…式(1)
本発明で表現する乱流を計算する場合、円相当直径として式(1)で計算されたDeが使用される。
【0045】
次に、上記の如く構成した静的混合装置12を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を形成する方法を説明する。
【0046】
混合室20の一方端に形成した第1ノズル34と第2ノズル36から、ハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xとを乱流な略平行な直進流A1 、A2 として、オリフィス径D2 、D3 よりも大径な筒径D1 の混合室20に噴出する。これにより、混合室20には、直進流A1 による渦粘性Cと直進流A2 による渦粘性Dとが最大になる位置で渦粘性C、Dの重なる部分Eが最も大きくなるようにオーバーラップさせることで、2つの溶液を瞬時に混合反応し、混合反応液Zを排出管26から排出する。
【0047】
かかる渦粘性C,Dを利用した混合反応において、混合室20での混合反応性を向上させるためには2つの方法がある。
【0048】
1つ目の方法は、直進流A1 、A2 を糸線状の高速流で噴射して、瞬時にできるだけ狭い範囲で渦粘性C、Dが最大になるようにする方法である。この為には、直進流A1 、A2 を噴出する第1及び第2ノズル34、36の第1及び第2のオリフィス30、32として、図6の糸線状の噴出流を形成する第1及び第2のオリフィス30、32を用いるとよい。
【0049】
混合という観点では、直進流A1 、A2 は高速流の方が良いが、この反応生成物を所望の粒子サイズ、サイズ分布に制御する為には高速流により発生する液液摩擦による摩擦熱の反応への影響を考慮しなくてはならない。このような対策として、予め反応液の温度を低くして使用する、又は、添加配管、オリフィス部、混合室部、排出部を二重構造にし冷却して使用する、或いは、その両方を行うなどが効果的である。また、高速流は噴出する流量に応じて加えられる噴出圧力と第1及び第2のオリフィス30、32の内径とで決定されるので、より高速流を作るためには、第1及び第2のオリフィス30、32の内径をできる限り小さくし、液体に加える圧力を上げなくてはならない。従って、高速流になればなるほど第1及び第2のオリフィス30、32の磨耗が問題になるが、耐久性の良いダイヤモンド等を使用することで対応可能である。
【0050】
2つ目の方法は、直進流A1 、A2 を薄膜状の噴出流形状とし、直進流A1 、A2 が作る液液界面積を増やす方法である。この為には、直進流A1 、A2 を噴出する第1及び第2ノズル34、36の第1及び第2のオリフィス30、32として、図8及び図9に示したスリット状薄膜や扇状薄膜の噴出流形状を形成する第1及び第2のオリフィス30、32を用いるとよい。この2つ目の方法は、より大きな渦粘性領域を確保することができるので、直進流A1 、A2 の噴出流速を糸線状の噴出流形状の場合より小さくしても良好な混合性能を得ることができる。従って、第1及び第2のオリフィス30,32の磨耗性が改善され、加工性の良い金属、金属処理品、セラミックスなどでオリフィスを製作することが可能になると共に、直進流A1 、A2 の流速を小さくすることで、摩擦熱の発生を抑制することができるので、より微粒子のハロゲン化銀乳剤粒子を形成することが可能となる。
【0051】
このように、本発明における静的混合装置12は、従来にない発想のもとに構成されたもので、この静的混合装置12を使用することにより次の効果を得ることができる。
【0052】
▲1▼静的混合装置12で渦粘性を発生させる構造にすることにより、静的混合における最適な混合反応状態を得ることができるので、微粒子で単分散性の良いハロゲン化銀粒子を形成することができる。
【0053】
▲2▼渦粘性を利用して混合反応させることで、ハロゲン塩水溶液Yや硝酸銀水溶液Xの噴出流速を遅くしても良好な混合性能を得ることができるので、噴出圧力を下げることができる。これにより、装置の製作のし易さ、安定性及び保全性を向上できる。特に、第1及び第2のオリフィス30,32の材質としてダイヤモンドよりも低価で加工性の良いものに変えることが可能になる。
【0054】
▲3▼直進流A1 、A2 を薄膜状にして噴出することにより、ハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xの高濃度での混合反応が可能になる。これにより、工業的に採算がとれる高濃度レベルでハロゲン化銀乳剤粒子の種粒子を形成したり、種粒子を成長させたりすることが可能となる。特に、ハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xを高濃度で混合反応させる粒子成長工程でのハロゲン化銀乳剤粒子の形成に好適である。
【0055】
▲4▼また、直進流A1 、A2 を薄膜状にして噴出することにより、ハロゲン塩水溶液Yと硝酸銀水溶液Xの噴出速度を遅くできるので、液液摩擦による摩擦熱の発生を抑制することができる。特に、核形成工程で微細粒子の種粒子を形成する際に、オストワルド熟成が発生しにくくなり、より粒子サイズの小さなハロゲン化銀乳剤粒子を形成することができる。
【0056】
【実施例】
(実施例)
実施例は、図2及び図3に示した静的混合装置12を用いて行った試験である。
【0057】
即ち、静的混合装置12は、筒径が3mm、長さが20mmの混合室20が形成された混合器22の一端側にオリフィス材23を設け、このオリフィス材23に乱流な2本の直進流A1 、A2 を噴出させるための第1のオリフィス30と第2のオリフィス32とを穿設加工し、第1ノズル34と第2ノズル36を形成した。第1ノズル34及び第2ノズル36ともに、オリフィス径は0.4mmφとし、第1ノズル34から1.5mol/Lの硝酸銀水溶液Xを約58m/秒の噴出流速で噴出し、第2ノズル36から1.5mol/Lの臭化カリウム水溶液(保護コロイドとして2%のゼラチンを含有)を約58m/秒の噴出流速で噴出した。また。混合器22のノズル部反対側に1.2mmφの排出口を有する排出管26を接続した。
【0058】
一方、比較例は、図10に示した直進流Aと直交流Bをそれぞれ混合室20に噴出する静的混合装置5を用いて行った試験である。
【0059】
比較例は、筒径が3mm、長さが20mmの混合室20が形成された混合器22の一端側に0.2mmφのオリフィスを有する第1ノズル1を設け、第1ノズル1から1.0mol/Lの硝酸銀水溶液Xを乱流な直進流Aとして混合室20に約200m/秒の流速で噴出した。この第1ノズル34の出口から10mm離れた混合室20の位置に、直交流Bであるハロゲン塩水溶液Yを噴出するための第2ノズル3を設け、第2ノズル3から1.0mol/Lの臭化カリウム水溶液(保護コロイドとして2%のゼラチンを含有)を約25m/秒の流速で噴出した。また。混合器22のノズル部反対側に1.2mmφの排出口を有する排出管4を接続した。
【0060】
実施例と比較例の静的混合装置で形成したハロゲン化銀乳剤粒子を液体窒素で急速に凍結させ、電子顕微鏡により粒子サイズを測定した。
【0061】
その結果、実施例の静的混合装置で形成したハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズは、8.6nmで非常に単分散であった。一方、比較例の静的混合装置で形成したハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズは、9.2nmで、単分散性も実施例よりもやや悪かった。
【0062】
また、実施例は、第1ノズル34及び第2ノズル36に導入した硝酸銀水溶液Xとハロゲン塩水溶液Yの液温は20℃で、排出管26での液温は21.5℃であり1.5℃上昇した。これに対し、比較例は第1ノズル1及び第2ノズル3に供給した硝酸銀水溶液Xとハロゲン塩水溶液Yの液温は20℃で、排出管4での液温は26℃であり6℃上昇した。これにより、実施例の方が、液液摩擦による発熱を抑制できることが分かった。
【0063】
更に、実施例及び比較例について、上記した数値解析ソフト、R−Flowを用いて原因解析を行った。解析項目としては、噴出流速、噴出圧力、渦粘性、混合状態の解析を行った。本解析に用いた方法は、メッシュ作成には動的領域分割法、解析アルゴリズムとしてSIMPLE、乱流モデルとしてk−ε法を用いた。
【0064】
その結果、実施例の場合には、第1ノズル34及び第2ノズル36からの噴出流速を、比較例の約1/3弱まで減速しても、混合室20における混合状態は比較例よりも良好であった。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法及び装置によれば、少なくとも2本のジェット流を使用して混合室に渦粘性を形成する所謂「ダブルジェット方式」でも、銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液との混合時の摩擦熱の減少や、キャビテーションの発生を防止し、混合反応を効率的に行うことができ、静的混合における混合状態を最適化することができるので、粒子サイズが小さく単分散性に優れたハロゲン化銀乳剤粒子を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置を備えたハロゲン化銀感光材料の製造ラインの概念図
【図2】本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置における静的混合装置の横断面で示した概念図
【図3】本発明のハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置における静的混合装置の縦断面で示した概念図
【図4】静的混合装置の第1及び第2ノズルを平行にしたときに混合室に形成された渦粘性を説明する模式図
【図5】静的混合装置の第1及び第2ノズルをハの字状にしたときに混合室に形成された渦粘性を説明する模式図
【図6】糸線状の噴出流形状を形成するオリフィスの形状を説明する説明図
【図7】円錐状の噴出流形状を形成するオリフィスの形状を説明する説明図
【図8】薄膜状でスリット状の噴出流形状を形成するオリフィスの形状を説明する説明図
【図9】薄膜状で扇状の噴出流形状を形成するオリフィスの形状を説明する説明図
【図10】実施例において比較例の静的混合装置を説明する説明図
【符号の説明】
10…ハロゲン化銀感光材料の製造ライン、12…静的混合装置、16…成長用タンク、20…混合室、22…混合器、24…第1の導管、26…排出管、28…第2の導管、30…第1のオリフィス、32…第2のオリフィス、34…第1ノズル、36…第2ノズル、38…第3のオリフィス、A1 、A2 …直進流、C、D…渦粘性、Y…ハロゲン塩水溶液、X…硝酸銀水溶液

Claims (4)

  1. 銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とをそれぞれのノズルから該ノズルの口径よりも大径な混合室に噴出して混合反応させると共に混合反応液を前記混合室の径よりも小径な排出口から排出することでハロゲン化銀乳剤粒子を形成する方法であって、
    前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを、前記混合室の一方端側に並列配置された複数本のノズルから他方端に向けて乱流の少なくとも2本の平行な直進流として前記混合室に同等の噴出流速で噴出することにより、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液を瞬時に混合反応することを特徴とするハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法。
  2. 前記混合室内において、前記噴出した銀塩水溶液の渦粘性とハロゲン塩水溶液の渦粘性とをオーバーラップさせることを特徴とする請求項1のハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法。
  3. 前記少なくとも2本の直進流は薄膜状であることを特徴とする請求項1又は2のハロゲン化銀乳剤粒子の形成方法。
  4. 銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを静的混合装置で混合して反応させることによりハロゲン化銀乳剤粒子を形成するハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置において、
    前記静的混合装置は、
    前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを混合して反応させる筒状の混合室が形成された混合器の一方端側に並列配置され、前記銀塩水溶液とハロゲン塩水溶液とを前記混合室の一方端から他方端に向けて乱流の複数本の平行な直進流として前記混合室に噴出させる少なくとも2本のノズルと、
    前記混合室で混合されて反応した混合反応液を該混合室から排出する排出口と、
    前記少なくとも2本のノズルにそれぞれ設けられ、前記銀塩水溶液と前記ハロゲン塩水溶液とを前記混合室に加圧供給する加圧手段と、を有し、
    前記混合室の筒径は、前記ノズル及び排出口の口径よりも大径に形成されていると共に、前記加圧手段によって前記銀塩水溶液と前記ハロゲン塩水溶液とを前記混合室に同等の噴出流速で噴出することを特徴とするハロゲン化銀乳剤粒子の形成装置。
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