JP4187841B2 - 紙製緩衝材の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙製緩衝材の製造装置、特に、緩衝効果に優れ、安価に製造することができ、資源の再利用を図ることができ、しかも、廃棄処分が容易に行える紙製緩衝材の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
包装用ケース内に入れられる緩衝材は、製品を搬送中の振動や衝撃等から保護するために不可欠なものである。緩衝材として一般的に使用されているものとしては、製品形状に成型された発泡スチロール製のものが主流であるが、発泡スチロール製の緩衝材は、緩衝効果には優れているものの、製造コストが高いこと、焼却処分時に有害ガスが発生する等の点から廃棄処分が容易に行えないこと、および、定型であるので汎用性がないこと等の問題を有していた。
【0003】
そこで、本願出願人は、発泡スチロール製の緩衝材に代わる緩衝材として、実用新案登録第3033858号(実用出願平9−7107号)として開示されている緩衝材を提案した。以下、この緩衝材を従来緩衝材という。
【0004】
図10に示すように、この従来緩衝材1は、新聞紙等の古紙を丸めたものからなり、このままあるいは図11に示すように紙製袋体2内に複数個収容して使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来緩衝材は、紙を丸めたものからなっているので、安価に製造することができ、焼却処分時に有害ガスが発生しない等の点から廃棄処分が容易に行え、しかも、不定型であるので汎用性があるといった利点を有しているが、紙を単に丸めたものなので、いわゆる腰がなく(弾力性がなく)、十分な緩衝効果が得られなかった。
【0006】
従って、この発明の目的は、従来緩衝材の利点、即ち、安価に製造することができ、焼却処分時に有害ガスが発生しない等の点から廃棄処分が容易に行え、しかも、不定型であるので汎用性があるといった利点をそののまま有し、更に、優れた緩衝効果を有する紙製緩衝材の製造装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ジグザグに折り曲げられた紙片がジグザグ端面側から圧縮されて丸められたものからなる紙製緩衝材の製造装置であって、給紙手段と、紙片成型手段とからなり、前記紙片成型手段は、一方向に所定角度で間欠回転する回転ドラムと、前記回転ドラムの外周面に前記回転ドラムと平行に且つ前記回転ドラムの中心軸線回りに前記所定角度間隔で固定された、軸線方向に亘ってスリットが形成された複数個の中空ドラムと、前記給紙手段によって前記スリットから前記中空ドラム内に給紙され、前記中空ドラム内においてジグザグに折り曲げられた紙片を、前記中空ドラム内において圧縮して丸めるための圧縮手段と、前記圧縮手段により丸められることによって製造された紙製緩衝材を前記中空ドラム内から排出するための排紙手段とからなっていることに特徴を有するものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記中空ドラムは、多角形状に形成されていることに特徴を有するものである。
請求項3記載の発明は、前記中空ドラムの内面には凹凸が形成されていることに特徴を有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の紙製緩衝材の製造装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、この発明の緩衝材製造装置を示す概略正面図、図2は、この発明の緩衝材製造装置における中空ドラムを示す側面図、図3は、この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の給紙工程を示す正面図、図4は、内面に凹凸が形成された中空ドラムを使用した、この発明の緩衝材製造による緩衝材製造時の給紙工程を示す正面図、図5は、この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の中間工程を示す正面図、図6は、この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の圧縮工程を示す断面図、図7は、この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の排紙工程を示す断面図、図8は、この発明の緩衝材製造装置によって製造された緩衝材を示す斜視図、図9は、ジグザグに折り曲げられた紙片の圧縮方法を示す概略斜視図である。
【0011】
図1から図9において、3は、給紙手段、そして、4は、紙片成型手段である。給紙手段3は、紙片5の束が乗せられる、紙片5の減少に応じて上昇可能な給紙台6と、給紙台6上の紙片5を一枚づつ吸引して、後述する噛込みローラーに送り込むための揺動可能なサクションヘッド7と、サクションヘッド7により吸引された紙片5を噛み込んで後述するペーパーガイドに送り込むための、回動可能な上ローラー8Aと駆動側固定下ローラー8Bとからなる噛込みローラー8と、噛込みローラー8からの紙片5を後述する送りベルトまでガイドするためのペーパーガイド9と、ペーパーガイド9によってガイドされた紙片5を後述するスリットから中空ドラム内に送り込むための上下一対の送りベルト10とからなっている。送りベルト10は、駆動輪21と前記スリットの近傍に設けられた従動輪22と間に掛け回されて、駆動される。なお、駆動輪21は、噛込みローラー8の駆動も兼ねている。
【0012】
紙片5は、例えば、幅25cm、長さ35cm程度の寸法にカットされた古新聞等の古紙からなっている。
紙片成型手段4は、一方向(この例では、時計方向)に90度の角度で間欠回転する水平回転ドラム11と、水平回転ドラム11の外周面に水平回転ドラム11と平行に且つ水平回転ドラム11の中心軸線回りに90度間隔で固定された、軸線方向に亘ってスリット12Aが形成された4個の中空ドラム12と、中空ドラム12内のジグザグに折り曲げられた紙片5Aを、図9に示すように、中空ドラム12の両端部側から圧縮して丸めるための圧縮手段13と、圧縮手段13により丸められることによって製造された緩衝材14を中空ドラム12内から排出するための排紙手段15とからなっている。
【0013】
回転ドラム11は、上述したように、90度の角度で間欠回転し、図5中、Aは、給紙工程、Bは、中間工程、Cは、圧縮工程、そして、Dは、排紙工程をそれぞれ示し、各中空ドラム12は、各工程位置で所定時間、停止する。中間工程Bを設けたのは、緩衝材14の製造能率を向上させるためである。中間工程Bを複数設ければ、それだけ緩衝材14の製造能率が向上する。この場合、回転ドラム11の回転角度は、その分、小さくなる。例えば、各工程に1秒かかるとすると、最初の段階では1個の緩衝材の製造に4秒かかるが、次からは、1秒で1個の緩衝材を製造することができる。
【0014】
中空ドラム12は、多角形(この例では、正八角形)に形成されている。このように中空ドラム12が多角形に形成されているのは、スリット12Aから中空ドラム12内に送り込まれた紙片5の先端が中空ドラム12の内面に引っ掛かり、紙片5が中空ドラム12内においてジグザグに折れ曲がるようにするためである。中空ドラム12を多角形に形成する以外に、図4に示すように、中空ドラム12の内面に凹凸を形成して(紙片5との間の摩擦抵抗を大きくして)、紙片5の先端を中空ドラム12の内面に引っ掛け、かくして、紙片5が中空ドラム12内においてジグザグに折れ曲がるようにしても良い。また、中空ドラム12は、多角形に形成され、且つ、内面に凹凸が形成されたものであっても良い。
【0015】
図6に示すように、圧縮手段13は、一対の半球状圧縮板16と、一対の半球状圧縮板16を、中空ドラム5のスリット12Aに挿通されたアーム17を介して中空ドラム12内において互いに接近、離反させるための駆動機18とからなっている。
【0016】
図7に示すように、排紙手段15は、中空ドラム12のスリット12A内に挿入された押出しバー19と、押出しバー19を中空ドラム12の一端から他端に向かって移動させるための駆動機20とからなっている。
【0017】
以上のように構成されている、この発明の緩衝材製造装置によれば、以下のようにして、紙製緩衝材が製造される。
給紙台6上の紙片5は、一枚づつサクションヘッド7により吸引され、サクションヘッド7の揺動によって、紙片5の先端部が噛込みローラー8の下ローラー8B上に供給される。次いで、噛込みローラー8の上ローラー8Aが下方に回動して下ローラー8Bと密着し、これにより紙片5は、噛込みローラー8によって、ペーパーガイド9に供給される。ペーパーガイド9に供給された紙片5は、送りベルト10によってスリット12Aから給紙工程Aの中空ドラム12内に供給される。
【0018】
図3に示すように、中空ドラム12内に供給された紙片5は、中空ドラム12が多角形に形成されていることから、その先端が中空ドラム12内面に引っ掛かる。この結果、紙片5は、中空ドラム12内においてジグザグに折れ曲がる。
【0019】
次いで、ジグザグに折り曲げられた一枚の紙片5Aが中空ドラム12内に給紙されたら、図5に示すように、回転ドラム11が90度回転して、ジグザグに折り曲げられた紙片5Aが給紙された中空ドラム12は、中間工程Bに移動する。
【0020】
次いで、図6に示すように、回転ドラム11が更に90度回転して、ジグザグに折り曲げられた紙片5Aが給紙された中空ドラム12は、圧縮工程Cに移動し、ここで、圧縮手段13の一対の圧縮板16によって中空ドラム12内のジグザグに折り曲げられた紙片5Aが圧縮されて、丸められ、これによって紙製緩衝材14が製造される。
【0021】
そして、図7に示すように、回転ドラム11が更に90度回転して、緩衝材14が入った中空ドラム12は、排紙工程Dに移動し、ここで、排紙手段15の押出しレバー19によって、回転ドラム12内の緩衝材14は、中空ドラム12外に排出される。
【0022】
このようにして、図8に示すように、ジグザグに折り曲げられた紙片をジグザグ端面側から圧縮して丸めたものからなる紙製緩衝材14が製造される。緩衝材14は、単体でも使用可能であるが、図11に示すように、袋体2内に複数個入れて使用しても良い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、従来緩衝材の利点、即ち、安価に製造することができ、焼却処分時に有害ガスが発生しない等の点から廃棄処分が容易に行え、しかも、不定型であるので汎用性があるといった利点をそののまま有し、更に、腰が強いことから優れた緩衝効果を有する緩衝材を短時間に容易に製造することができるといった有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の緩衝材製造装置を示す概略正面図である。
【図2】この発明の緩衝材製造装置における中空ドラムを示す側面図である。
【図3】この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の給紙工程を示す正面図である。
【図4】内面に凹凸が形成された中空ドラムを使用した、この発明の緩衝材製造による緩衝材製造時の給紙工程を示す正面図である。
【図5】この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の中間工程を示す正面図である。
【図6】この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の圧縮工程を示す断面図である。
【図7】この発明の緩衝材製造装置による緩衝材製造時の排紙工程を示す断面図である。
【図8】この発明の緩衝材製造装置によって製造された緩衝材を示す斜視図である。
【図9】ジグザグに折り曲げられた紙片の圧縮方法を示す概略斜視図である。
【図10】従来緩衝材を示す斜視図である。
【図11】袋詰めされた緩衝材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:従来緩衝材
2:袋体
3:給紙手段
4:紙片成型手段
5:紙片
5A:ジグザグに折り曲げられた紙片
6:給紙台
7:サクションヘッド
8:噛込みローラー
8A:上ローラー
8B:下ローラー
9:ペーパーガイド
10:送りベルト
11:回転ドラム
12:中空ドラム
12A:スリット
13:圧縮手段
14:この発明の緩衝材
15:排紙手段
16:圧縮板
17:アーム
18:駆動機
19:押出しレバー
20:駆動機
21:駆動輪
22:従動輪
Claims (3)
- ジグザグに折り曲げられた紙片がジグザグ端面側から圧縮されて丸められたものからなる紙製緩衝材の製造装置であって、給紙手段と、紙片成型手段とからなり、前記紙片成型手段は、一方向に所定角度で間欠回転する回転ドラムと、前記回転ドラムの外周面に前記回転ドラムと平行に且つ前記回転ドラムの中心軸線回りに前記所定角度間隔で固定された、軸線方向に亘ってスリットが形成された複数個の中空ドラムと、前記給紙手段によって前記スリットから前記中空ドラム内に給紙され、前記中空ドラム内においてジグザグに折り曲げられた紙片を、前記中空ドラム内において圧縮して丸めるための圧縮手段と、前記圧縮手段により丸められることによって製造された紙製緩衝材を前記中空ドラム内から排出するための排紙手段とからなっていることを特徴とする、紙製緩衝材の製造装置。
- 前記中空ドラムは、多角形状に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の、紙製緩衝材の製造装置。
- 前記中空ドラムの内面には凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の、紙製緩衝材の製造装置。
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