JP4186190B2 - 酸・アルカリ全領域で使用可能なキレート吸着材 - Google Patents

酸・アルカリ全領域で使用可能なキレート吸着材 Download PDF

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本発明は、放射性廃棄物処理場等におけるウランの除汚に使用される酸・アルカリ全領域で使用可能なキレート吸着材に関するものである。
原子力発電に必要なウランは、ウラン鉱石の精錬、転換、濃縮、再転換、成型加工の各工程を経て製造されている。これらの各工程を坦う施設の運転や解体に伴って廃棄物が発生する。この廃棄物は、ウランが付着したものやウランを含む物質が付着したものなどであり、半減期が長く(例えば、ウラン238の半減期は約45億年)、時間の経過による放射性物質の低減が期待できないこと、ウラン核種が放射線を放出して別の核種(子孫核種)が生成して累積することなどの特徴を有している。したがって、一部は焼却処理されるが、液体廃棄物の処理等から生ずるスラッジ(水分を含んだ粉粒状の物質)等の廃棄物については、処理が確立していない(例えば、非特許文献1及び2)。
又、上記液体廃棄物の処理に関するものではないが、海水中に溶存するウランを回収するための吸着材として、放射線グラフト重合法により作製されたアミドオキシム吸着材が使用されており(例えば、非特許文献3,4及び5)、更に、海水中に溶存するウラン以外の金属を回収するための吸着材として、リン酸を交換基とする陽イオン交換樹脂を使用することも知られている(例えば、非特許文献6)。しかし、リン酸基を有するキレート吸着材又はアミドキシム基を有するキレート吸着材を使用して液体廃棄物に処理から生ずるウランを吸着除去することは行われていない。
「ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について(案)」、原子力委員会、原子力バックエンド対策専門部会、平成12年10月6日 「ウラン廃棄物の発生量と濃度分布」 「放射線グラフト重合法によるウラン吸着用中空糸状アミドオキシム樹脂の合成」、日本化学誌、1986,No.2,p. 215〜221. 「放射線共グラフト重合法により作成したアミドキシム吸着材の海域でのウラン吸着」、日本原子力学会誌、Vol. 40, No. 11 (1998) 「アクリロニトリルとメタクリル酸との共グラフト重合不織布のアミドキシム化による吸着材の作成および実海域吸着実験」、日本海水学会誌、第53巻、第3号(1999) 「リン酸を交換基とする陽イオン交換樹脂の金属イオン選択牲と応用」、PHOSPHORUS LETTER No. 40, (Feb. 1, 2001)
従来の吸着材は、酸又はアルカリの領域で使用可能なものもあるが、全領域を通して使用可能な吸着材は乏しく、使用時にカートリッジ等に吸着材を格納して使用する必要があり、その吸着容量も低能であった。
又、従来の吸着材は、一般的なラジカル重合等や低分子で構成されているもので作製してきたため、吸着時の吸着構造に安定感がなく、又、限られた材料のみでの使用であった。
本発明は、液体廃棄物の処理等から生ずるスラッジを酸やアルカリ溶液で溶解した後、ウランに親和性を有するキレート吸着材を用いてウランを吸着除去する方法である。
本発明のキレート吸着材は、グラフト重合技術を利用することにより、様々な形状の材料にその吸着機能を付与することが可能になるものである。本発明では、吸着材の素材にポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはポリエステル製の繊維、又はその複合体の繊維を用いてリン酸型吸着材又はアミドキシム型吸着材を作製した。その繊維の形状としては、短繊維、不織布、織布、フィラメント等があげられる。
本発明のキレート吸着材は、高分子基材に電子線等の放射線を照射した後、反応性の試薬を加えてウラン吸着機能を導入できる放射線グラフト重合法により作製した。高分子基材としてポリエチレン製の不織布を使用し、ウラン吸着に適する官能基を有する11種類の反応性試薬(モノマー)を用いてグラフト重合を行った。酸領域ではリン酸基を有する吸着材、アルカリ領域ではアミドオキシム基を有する吸着材が最適であった。
本発明の吸着材の性能を市販のキレート樹脂との間で、溶液内のウラン濃度の分配係数に関して比較した結果、アミドキシム基を有する吸着材では、市販のキレート樹脂と比較して、pH10の値が最大で5000倍以上であった。図5に示されるように、アミドキシム基を有する吸着材では、特に、アルカリ領域で平均的にその性能が高かった。又、リン酸基を有する吸着材では、いずれの領域においても、その性能が高く、特に、酸領域では10倍以上の値が得られた。
本発明の放射性グラフト重合法で作製したキレート吸着材は、市販のキレート樹脂(三菱化学のダイヤイオン:WA10)と比較して優れた吸着性能を有するため、スラッジ廃棄物の処理法として有望である。
一般に、キレート樹脂では、化学結合のように強固に金属を吸着するため、溶離剤を用いなければ、一度吸着したウランは遊離することがないため、二次汚染が生じることはない。したがって、本発明のキレート吸着材をそれぞれ単独又は組み合わせて用いることにより、酸、アルカリいずれの領域においてもウランを吸着できるようになる。
放射線照射は、予め窒素置換した高分子基材に、窒素雰囲気下、室温又はドライアイスによる冷却下で放射線照射する。用いる放射線は電子線又はγ線で、照射線量は反応活性点を生成させるのに充分な線量であることを条件に適宜決定することができるが、典型的には50〜200kGyである。
1.放射線照射によりリン酸基を導入した吸着材の作製方法
(実施例1) 高分子基材として不織布を用いた吸着材の合成
高分子基材として不織布を使用し、これに放射線照射することにより反応活性点を生成させた。放射線照射は、電子線を用いて窒素雰囲気下でトータル線量が200kGyになる
条件で行った。次いで、リン酸基を有するモノマーとしてモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートとジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートの混合モノマー比が70対30重量%の混合モノマーをモノマー濃度が10〜30%になるように、メタノールと純水の混合溶媒(メタノール10〜30重量%)中で3〜24時間、40〜60℃で反応させ、不織布にグラフト鎖を導入した。
反応率は60℃で2時間及び12時間反応させると、それぞれ90%、20%であった。リン酸基を導入したグラフト物に金属イオン(鉛、カドミウム、クロム等)を通液させると、官能濃度の90%まで処理液を漏らさず、回収することができる。
(実施例2) 高分子基材として単繊維を用いた捕集材の合成
高分子基材として単繊維を使用し、これに放射線照射することにより反応活性点を生成させた。放射線照射は、電子線を用いて窒素雰囲気下でトータル線量が200kGyになる
条件で行った。
次いで、リン酸基を有するモノマーとしてモノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートとジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェートの混合モノマー比が70対30重量%の混合モノマーをモノマー濃度が10%になるように、メタノールと純水の混合溶媒(メタノール10〜30重量%)中で12時間、50℃で反応させ、単繊維グラフト鎖を導入した。リン酸基を導入したグラフト物に金属イオンを通液させると、鉛の場合12時間でほぼ100%除去可能になる。又、かかるリン酸型吸着材のウランに対する分配係数は図3に示されるとおりである。
2. アミドキシム基を導入した吸着材の作製方法
参考例
高分子基材として不織布を使用し、これに放射線照射することにより反応活性点を生成させた。放射線照射は、電子線を用いて窒素雰囲気下でトータル線量が200kGyになる条件で行った。
次いで、シアノ基を有するモノマーとしてアクリロニトリルを用い、濃度が50%になるように、溶媒にメタノール又はジメチルスルホキシドを用いて希釈した。このモノマー溶液中で3〜5時間、40℃で反応させ、不織布にグラフト鎖を導入した。
反応率は40℃で3時間反応させると、それぞれ120%であった。シアノ基を導入したグラフト物に3〜6%の塩酸ヒドロキシルアミン中性液(水/メタノール=1/1)中で45分、80℃で反応させた。得られた不織布吸着材のアミドキシム基密度は4〜6mmol/gであった。又、かかるアミドキシム型吸着材のウランに対する分配係数は図4に示されるとおりである。
3. キレート吸着材によるウラン吸着試験
1)キレート吸着材の作製
特願2002−262502号(高分子基材に1又は2官能性のリン酸基を有する反応性モノマーをグラフト重合することからなるリン酸基型捕集材の合成法)に示した合成条件下で、グラフト重合法によりリン酸基又はアミドキシム基を導入することによりキレート吸着材を作製する。
2)ウラン溶液を用いた吸着試験
リン酸基が導入されたキレート吸着材を塩酸と水酸化ナトリウムで交互にコンディショニングを行った後に吸着試験に使用した。ウラン溶液は1ppmに調整後、pH=0.5〜12間の様々なpH範囲で25℃、24時間浸漬攪拌させる。図1に示されるように、いずれの領域においても80%以上の吸着回収率を示した。
アミドオキシム基が導入されたキレート吸着材を塩酸と水酸化ナトリウムで交互にコンディショニングを行った後に吸着試験に使用した。ウラン溶液は1ppmに調整後、pH=0.5〜12間の様々なpH範囲で25℃、24時間浸漬攪拌させる。図2に示されるように、pH4以下の酸性領域では吸着しなかったものの、それ以外の領域においては95%以上の吸着回収率を示した。
本発明においては、ウランを含有する液体廃棄物等の処理から生ずるスラッジを酸やアルカリ溶液で溶解した後に、ウランを吸着除去する際に、本発明のハキレ-ト吸着材を使用することにより、酸又はアルカリの全領域を通して吸着処理が可能である。
吸着材にリン酸型吸着材を用いた際のウラン吸着性能を示す図である。 吸着材にアミドオキシム型吸着材を用いた際のウラン吸着性能を示す図である。 リン酸型吸着材のウランに対する分配係数の相違を示す図である。 アミドキシム型吸着材のウランに対する分配係数の相違を示す図である。 リン酸型吸着材、アミドオキシム型吸着材及び市販のキレ-ト樹脂の各pHにおける分配係数の最大値を示す図である。

Claims (2)

  1. 高分子基材に放射線を照射した後に、その基材に、ウラン吸着に適する官能基であるリン酸基を有するモノマーである、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、又はこれらの混合物をグラフト重合させることにより得られた、ウラン含有液体廃棄物からウランの回収に適し、且つその液体廃棄物の有するpH1〜12である酸・アルカリ全領域で使用可能であることを特徴とするキレート吸着材。
  2. 高分子基材が、ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはポリエステル製の繊維、又はその複合体の繊維である請求項1記載の吸着材。
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