JP4185970B2 - ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法 - Google Patents

ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4185970B2
JP4185970B2 JP2002046817A JP2002046817A JP4185970B2 JP 4185970 B2 JP4185970 B2 JP 4185970B2 JP 2002046817 A JP2002046817 A JP 2002046817A JP 2002046817 A JP2002046817 A JP 2002046817A JP 4185970 B2 JP4185970 B2 JP 4185970B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
item
storage area
machine
time slot
result storage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002046817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003248508A (ja
Inventor
健児 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai University Educational Systems
Original Assignee
Tokai University Educational Systems
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai University Educational Systems filed Critical Tokai University Educational Systems
Priority to JP2002046817A priority Critical patent/JP4185970B2/ja
Publication of JP2003248508A publication Critical patent/JP2003248508A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4185970B2 publication Critical patent/JP4185970B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理する多品目多工程生産システムを構成するヴァーチャルファブに係り、特に機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを図ることが可能な最適生産スケジュールを生成するのに好適なヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、メンバー(メンバー企業)がコア技術とその余剰能力とを持ち寄って高度な生産システムからなるヴァーチャルファブ(以下、VFと称する)を構成することが考えられている。このVFでは、共同して、多様な顧客からの注文に、高い品質、合理的な価格、短納期で応えられるようにして、メンバー全体から成る製造業の振興を図ることが期待されている。このようなVFでは、各メンバー企業がそれぞれ所有する機械を用い、図8に示すような多工程、多機械から成る多品目多工程生産システムが構築される。多品目多工程生産システムでは、多様な注文を複数の品目に分類して切り換え生産をすることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、VFを実現しようとすると、オペレーションの調整が単に機械間・工程間のみならず企業間にも及ぶことから、オペレーションの調整の規模が膨大になると共に、企業間の利害を調整する局面を新たに加えることが必要になる。したがってVFの実現には、これらの機械間・工程間・企業間に亙るオペレーションの調整と企業間に亙る利害の調整とを可能にする機構が必要となる。
【0004】
製造に関する問題をオペレーションのレベルで取り扱おうとすれば、それぞれの処理と仕掛品の状態の時間的推移とを数式モデルの中で陽に取り扱わなくてはならず、問題はオペレーションの数と同じ次元を持つ時間最適化問題になる。したがって、上記の課題解決には、既存モデルの分解能とは比較にならない高い分解能と全く新しい解法の原理とを必要とする。
【0005】
しかしながら従来は、VFにおいて、それぞれの処理と仕掛品の状態の時間的推移とを数式モデルの中で陽に取り扱って、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを可能とする合理的な機構は知られていなかった。
【0006】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを図った最適な生産スケジュールを生成できるヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点によれば、メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールをコンピュータにより生成するヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法が提供される。この方法は、各工程で処理される各品目について、品目間機械干渉に対応する第1のペナルティコスト及び仕掛品在庫の充足に対応する第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示す決定変数を解として取得する解法ステップと、この解法ステップで求められた品目別機械別の各タイムスロット毎の解に対する当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を判定する機械干渉判定ステップと、上記解法ステップで求められた品目別機械別の各タイムスロット毎の解に対する仕掛品在庫の充足の有無を判定する仕掛品在庫充足判定ステップと、上記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように上記第1のペナルティコストを更新し、上記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように第2のペナルティコストを更新し、その都度上記解法ステップを再実行させる更新ステップと、上記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ上記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に上記解法ステップで求められている品目別機械別の各タイムスロット毎の解に基づいて生産スケジュールを生成するステップとを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明においては、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とが要求される、VFにおける多品目多工程のスケジューリングの問題、つまり企業間に亙る制約条件を含む各種制約のもとで各企業の利益を最大にする問題の最適解を求めることは、VF全体の利益を最大化する問題(全体最適化問題)の最適値を求めることと同値であることに着目している。また、VF全体の利益を最大化する問題、つまり全品目数分の次元の最適化問題は、品目別の1次元の部分最適化問題に置き換えられることに着目し、問題把握の視点を、企業別機械別品目別把握から品目別機械別把握へ切り換え、各企業の利益を最大にする問題を解く代わりに、VFの多品目多工程生産システムにおける各工程で処理される各品目について、品目間機械干渉に対応する第1のペナルティコスト及び仕掛品在庫の充足に対応する第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を解くようにしている。この1次元の部分最適化問題には、品目別スケジュール(品目別解)の間の機械干渉を解消する問題と、仕掛品在庫を充足する問題とが含まれている。
【0009】
そこで、1次元の部分最適化問題を解く動作と、ここで求められた品目別機械別の各タイムスロット毎の解から、各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には当該機械干渉の程度を小さくするように第1のペナルティコストを更新する動作、或いは仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には当該仕掛品在庫を充足させるように第2のペナルティコストを更新する動作とを交互に繰り返すことで、機械干渉が解消されたと判定され、且つ仕掛品在庫を充足していると判定される解を得ることができる。この解は、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示す決定変数である。
【0010】
したがって、機械干渉が解消されたと判定され、且つ仕掛品在庫を充足していると判定された際の解である、品目別、機械別、タイムスロット別の決定変数から、機械干渉制約及び仕掛品在庫充足制約(仕掛品目の品切れ禁止制約)の各条件(相互関係制約条件)を全て満たした、品目別及び機械別にロットサイズとそれらのロットの時間的位置を表す生産スケジュールを生成することが可能となる。明らかなように、このスケジュールは、多品目多工程のスケジューリングの問題に含まれる多様な決定の諸局面をすべて同時に解決したものとなっている。また、このスケジュールを、各メンバー(メンバー企業)の所有する機械に着目すると、当該機械が品目の生産(オペレーション)に使われていることが、対応する決定変数で示されている場合には、そのメンバーは、その品目のオペレーションを落札したことになる。つまり生成された生産スケジュールでは、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整が図られている。上記の部分最適化問題を解くことは、各企業の利益を最大にする問題を解くことと同値であり、しかも部分最適化問題の最適解は品目別機械別に調整されていることから、上述の制約のもとで機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整を図りながら、企業間の利害の調整が図られることになる。
【0011】
ここで、相互関係制約として、上記機械干渉制約及び仕掛品在庫充足制約に加えて、各工程で処理される各品目(i)のうち、当該品目(i)の処理が完了しないと後続の品目(j)の処理に取り掛かれない品目(i)について、そのことを表す同時処理禁止制約を導入して、上記品目別の1次元の部分最適化問題を、上記第1及び第2のペナルティコストに加えて、当該同時処理禁止制約の充足に対応する第3のペナルティコストを含む総コストを最適化する部分最適化問題とするとよい。この場合、部分最適化問題を解く動作が行われる都度、求められた品目別機械別の各タイムスロット毎の解に対する同時処理禁止制約の充足の有無を判定し、同時処理禁止制約を充足していないと判定された場合には、当該同時処理禁止制約を充足させるように第3のペナルティコストを更新する動作を、同時処理禁止制約を充足するまで繰り返す。これにより、機械干渉制約及び仕掛品在庫充足制約だけでなく、同時処理禁止制約をも含む各条件を全て満たした、品目別及び機械別にロットサイズとそれらのロットの時間的位置を表す生産スケジュールを生成することが可能となる。
【0012】
ここで、上記第1及び第2のペナルティコスト(更には第3のペナルティコスト)に第1及び第2のラグランジュ乗数(更には第3のラグランジュ乗数)を適用し、上記品目別の1次元の部分最適化問題を、例えば各工程で処理される各品目について、品目間の機械干渉に関する制約が第1のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和され、且つ仕掛品在庫の充足に関する制約が第2のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和され(ると共に、同時処理禁止制約が第3のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和され)た1次元の部分最適化問題とするならば、品目別解の間の機械干渉を解消する問題及び仕掛品在庫を充足する問題(更には同時処理禁止制約を充足する問題)を、それぞれ機械の使用料に相当する固有の第1及び第2のラグランジュ乗数(更には第3のラグランジュ乗数)を個々に更新することで簡単に解決できるようになる。
【0013】
また、1次元の部分最適化問題を扱うことで、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示す決定変数、在庫状態(在庫の推移)、及び段取時間の残り時間を陽に取り扱うことができる。このため、この1次元の部分最適化問題を次に述べる最適コスト関数Vt(δit,xit,sit,μ)により解くこと、即ち任意のタイムスロットtにおける品目i及び機械kの決定変数をδit k、第1のラグランジュ乗数をμt k、第2のラグランジュ乗数をμit(更には第3のラグランジュ乗数をμijt kl)、これらのラグランジュ乗数を要素に持つベクトルをμとすると共に、当該タイムスロットtの終了時の、当該品目iの次工程へ実際に渡される累積出荷量に代えて当該品目iの当該タイムスロットtまでの各タイムスロットにおける顧客からの出荷要求量を当該タイムスロットtにおける品目iに展開した累積量を用いて算出される見かけの在庫の状態、及び品目iへのセットアップに必要な段取時間の残り時間を、それぞれ状態変数xit,sitとして、当該タイムスロットtまでの各タイムスロットにおいて採られた最適決定に伴って発生するコストの和を表す最適コスト関数Vt(δit,xit,sit,μ)により解くくことが可能となる。
【0014】
ここで、上記最適コスト関数で算出されるコストが、第1のラグランジュ乗数μt kに基づいて算出される機械の使用料に相当する第1のペナルティコストと、第2のラグランジュ乗数μitに基づいて算出される機械の使用料に相当する第2のペナルティコストと(更には第3のラグランジュ乗数μijt klに基づいて算出される機械の使用料に相当する第3のペナルティコストと)、品目iの処理によって新たに付加される価値に対するタイムスロット当たりのエシェロン在庫保管費hiと状態変数xitとで決まるコストとを含むようにするとよい。
【0015】
なお、以上のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法に係る本発明は、装置(ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置)に係る発明としても成立する。
【0016】
また、本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(或いはコンピュータを当該発明に相当する各手段として機能させるための、或いはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムに係る発明としても成立する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るVF(ヴァーチャルファブ)向け生産スケジュール生成装置の機能ブロック構成を示す。
【0018】
この図1の生産スケジュール生成装置は、メンバー企業が所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理する多品目多工程生産システムを構成するVFに要求される生産スケジュール、即ち機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを図ることが可能な最適生産スケジュールを生成(決定)するものである。
【0019】
この生産スケジュール生成装置は、図2に示すブロック構成のパーソナルコンピュータ等の計算機によって実現される。図2の計算機は、当該計算機全体を制御するCPU21、当該CPU21が実行する最適化スケジューリングプログラム241を含む各種プログラム及びデータ等が記憶される主メモリ22とを備えている。
【0020】
図2の計算機はまた、外部記憶装置としての例えば磁気ディスク装置(以下、HDDと称する)23と、記録媒体としての例えばCD−ROM242に予め格納されている情報を計算機内に読み込むことが可能なCD−ROM装置24とを有している。図2の例では、CD−ROM242には、複数の工程(多工程)、多機械(多設備)で複数の品目を生産する多品目多工程生産システムにおける生産スケジュールを生成するための最適化スケジューリングプログラム241が予め格納されている。この最適化スケジューリングプログラム241は、CD−ROM装置24によりCD−ROM242から計算機内に読み込まれて、HDD23に格納(インストール)されているものとする。CPU21がHDD23から最適化スケジューリングプログラム241を主メモリ22上に読み込んで当該プログラム241を実行することにより、図1の生産スケジュール生成装置の機能ブロック構成が実現される。
【0021】
図2の計算機は更に、入力装置としてのキーボード25と、表示用の出力装置としてのディスプレイ26とを有している。CPU21、主メモリ22、HDD23、CD−ROM装置24、キーボード25及びディスプレイ26は、システムバス27により相互接続されている。
【0022】
《最適化スケジューリングの基本原理》
次に、図1の生産スケジュール生成装置の構成を説明する前に、本実施形態で適用する、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを図ることが可能な最適化スケジューリングの基本原理について説明する。
【0023】
〈オークションの原理を導入〉
本実施形態では、機械間・工程間・企業間に亙るオペレーションの調整と企業間に亙る利害の調整のすべてを市場原理に基づいてリアルタイムで行うための合理的なアルゴリズムを適用する。ここでは、一旦受注した注文に対してはVFが責任をもって納期までに処理するものとし、更にメンバーは自身の利益の最大化を図るものとする。そして、VF全体と企業或いは企業間の相反する利害を調整する機構に、市場原理に基づくオークションのメカニズムを導入する。
【0024】
但し、本実施形態で適用されるオークションは通常のオークションとは異なり、メンバー企業により競り落される対象は、それぞれの注文を構成するオペレーションである。更に、競り落されたすべてのオペレーションはVFによって実行可能性が保証されていることが前提になる。換言すれば、納期までに注文のすべてが処理を終えているように、すべてのオペレーションが競り落されなくてはならない。したがって、本オークションにおいては、処理の過程で発生する仕掛品の品切れを防いだり、機械干渉を解消させる等の制約条件を充足させるための機構を内包させることが不可欠である。そのためには企業間或いは機械間・品目間にわたって様々な調整を必要とする。これらの調整の合理性を保証するために、制約からの摂動或いは偏差に対して、その量に応じてペナルティコスト或いは報奨金をかけることにする。本実施形態では、この機構をオークションと称することにする。
【0025】
本実施形態で適用されるオークションのメカニズムは数理的には後述するようにラグランジュ乗数法によって記述できる。したがって、オペレーションと利害に関するすべてを調整する役割をラグランジュ乗数法が担う。
【0026】
更に、実際の大規模問題の計算には問題の次元を下げることが不可欠であり、これはラグランジュ分解調整法に委ねる。
【0027】
《問題の記述と提案するモデルの説明》
〈問題の記述〉
VFでは、どのメンバー企業も、各品目を処理して得られる金額から処理の原価を引いて得られる利益の全品目・全機械に亙る総額を最大にしたい。
【0028】
このとき、機械間、工程間、企業間に亙って幾つかの制約がある。第1に、注文を充足するために必要な各々の品目の所要量を、1つ或いは複数の企業が必ず引き受けなくてはならない。どの企業も儲けにつながらないオペレーションはしたくないし、その逆の傾向も起きるから、これを調整する必要がある。第2に、どの機械に関しても品目間の機械干渉を解消しなくてはならない。第3に、仕掛品在庫の品切れ禁止制約がある。第4に、同時処理禁止制約がある。これはジョブショップタイプの処理においてしばしば起こる制約で、前工程の処理が完了してからでないと次の処理にかかれないことを指す。
【0029】
これらのすべてを満たさなくてはならないという条件のもとで、上記の企業別総利益を最大にするように、すべての企業のすべての工程のすべての機械のオペレーションに亙るスケジュールを自動的に決定する。これが本実施形態で解決しようとする問題である。
【0030】
〈問題の品目別への分解〉
多品目多工程生産システムにおける最適スケジューリングの高次元最適化問題には、文献「村松健児:“拡張ラグランジュ分解調整法による同時最適スケジューリング”,オペレーションズ・リサーチ vol. 45, no. 6, pp.270-275. (2000)」に記載されている多品目単一機械ロットサイズスケジューリング問題と同様に、分離可能性が成り立ち、更に制約式が存在する。そこで、問題を品目別に分解する。この分解が可能であれば、対象とする生産システムの構造は特に多工程であるために極めて複雑であるにも拘わらず、問題の解法は品目別の部分最適化問題の解法と部分問題間の相互関係制約を充足するための調整とに帰着する。
【0031】
但し、このままでは部分最適化問題を他と独立に解くことができない。それは次の理由による。多工程のスケジューリング問題においては仕掛かり品目が関係する。実際の仕掛品については、処理が前工程において成されれば在庫が増え、後工程において成されれば減るから、1つの品目に2つの系列の処理が関係する。言い換えると、1つの系列の処理によって増減する品目が処理の前後に少なくとも2つあるということである。したがって、一方の部分問題の最適化を図ると、他方の部分問題の最適化が崩れることになる。このように、1つの品目に2つの処理の系列が関係することが、後述するラグランジュ分解調整法における分解と調整にとって最大の障害になる。
【0032】
上記した1つの品目に2つの処理の系列が関係することに起因する問題の所在を明確にするために、「処理の独立性」という概念を導入し、次のように定義する。
問題を部分最適化問題に分解したとき、同一の処理或いは処理の系列が複数の部分最適化問題に亙って現れないことを、「処理の独立性」と呼ぶことにする。
【0033】
この処理の独立性を確保するためには、問題の本質を変えないで、1つの品目からいずれか一方の処理の系列を消去する必要がある。そのための手段が次に述べる「見かけの在庫」という概念である。
【0034】
〈見かけの在庫〉
一般に仕掛品在庫とは、工程間に発生する実際の在庫であって、初期在庫と累積生産量の和から次工程への実際の累積出荷量或いは累積処理量を引いたものと定義できる。ところが本実施形態では、ある品目の次工程へ実際に渡される累積出荷量の代わりに、後述する式(1)に示されるように、VF外(顧客)からの各タイムスロット(計画対象期間を等分した時間間隔)における出荷要求(外部需要)をその品目に展開してこれの累積量を用いて上記仕掛品在庫に相当する量を計算する。したがって、これは実際の仕掛品在庫ではなく、架空の在庫或いは見かけ上の在庫である。以後、これを「見かけの在庫」と呼ぶ。
【0035】
このように、仕掛品在庫の代わりに見かけの在庫という概念を新たに導入することにより、1つの品目に1つの系列の処理を対応させることが可能になる。ところが、見かけの在庫に基づいて処理を計画した結果、実際の仕掛品在庫が品切れを起こす危険がある。そこで、この危険を回避する手段が必要となる。そのために本実施形態では、以下に定義する「処理の整合性」という概念を導入する。
【0036】
仕掛品の実際の在庫は、仕掛品及びその後続直結点の品目の処理によって増減する。処理の独立性のもとに、見かけの在庫に基づいてなされるこれらの処理が、実際の仕掛品在庫の品切れを起こさないという意味で、実行可能であるとき、「処理の整合性」が成立していると呼ぶことにする。このことは逆に、「処理の整合性」が成立している限りは処理の独立性が認められるが、「処理の整合性」が成立しなくなったなら処理の独立性が認められなくなるため、実際の仕掛品在庫が品切れとならないように(つまり充足するように)調整が必要となることを示す。なお、後続直結点の品目とは、ある品目xを処理(生産)する直後の工程(後続直結点)で当該品目xを組み込んで処理(生産)される品目yのことであり、図8の例における、品目1に対する品目i及び品目i−1などである。一方、品目xは品目yの直前の工程で処理される品目、つまり先行直結点の品目である。
【0037】
〈処理の整合性を達成するために〉
本実施形態では、上記のように定義した処理の整合性を達成するために、実際の仕掛品在庫が品切れとならない制約(仕掛品在庫の品切れ禁止制約)が適用される。この制約は、後述する式(7)で表される。
【0038】
〈エシェロン在庫保管費〉
ところが、実際の仕掛品在庫でなく見かけの在庫に注目して部分問題を解くために、通常の在庫保管費を適用すると計算に矛盾が生じる。そこで在庫保管費についても見かけの在庫に合わせて把握をする必要が生じる。そのようにすることによって実態を反映した在庫保管費の計算ができる。これには既に知られている方法が利用できる。それが「エシェロン在庫保管費」という考え方である。
【0039】
以下、エシェロン在庫保管費について述べる。
まず、どの品目に対しても、処理がなされて新たに価値が付加されたとき、処理により生まれた品目の全体の価値に対してでなく、新たに付加された部分の価値に対して在庫保管費を見積もることができる。更にその価値は、品目がシステム内に存続する限り、その品目が別の品目に組み込まれた場合にも不変であると考えることができる。その場合には同様の考え方に基づいて、新たに生産される品目の価値のうち、新たに付加された価値に対してのみ在庫保管費を見積もることにする。このようにして定義される在庫保管費を「エシェロン在庫保管費」と呼ぶ。
【0040】
このエシェロン在庫保管費の詳細を、時刻τ1で生産された品目1と時刻τ2で生産された品目2とを組み込んだ品目3を時刻τ3で生産して当該品目3を時刻τ4で出荷した場合を例に図7を参照して説明する。ここでは、品目1,2の価値に対して見積もられる在庫管理費がh1,h2であり、品目3の生産により新たに付加された価値に対して見積もられる在庫管理費がh3であるものとする。
【0041】
この場合、一般には図7(a)に示すように、品目1の在庫保管費h1は時刻τ1〜τ3の期間、品目2の在庫保管費h2は時刻τ2〜τ3の期間、それぞれ発生する。また、品目3の保管在庫費は、当該品目の生産により新たに付加された価値に対して見積もられる在庫保管費h3に、品目1及び2の保管在庫費h1,h2の和h1+h2を加えたものh1+h2+h3となり、時刻τ3〜τ4の期間発生する。
【0042】
これに対してエシェロン在庫保管費では、図7(b)に示すように、品目1及び2が品目3に組み込まれた時刻τ3以後も、その品目1及び2の在庫保管費h1,h2は不変であり、品目3の出荷時刻τ4まで継続するものとして扱われる。また、品目3の在庫保管費は、新たに付加された価値に対してのみ見積もられるh3となり、時刻τ3〜τ4の期間発生するものとして扱われる。これにより、在庫保管費を各品目1,2,3毎に独立して扱うことができ、在庫保管費を見かけの在庫に合わせることが可能となる。
【0043】
〈オークションの方法〉
(センターの役割)
VFには、センターが存在する。センターは、顧客からの注文引き合いに対して技術的な分析をする。まず、注文をオペレーション(処理)またはその結果としての品目に分解して、仕事量、価格を見積もる。オペレーションとは、顧客からの注文を、オークションに基づいて、分解して各企業が分担するために好都合な処理(或いは工程)の単位である。処理されるものが品目である。例えば、ある1つ或いは複数の品目にオペレーションが加えられることにより別の品目が生産される。各品目は完成品とは限らない。オークションに必要なデータはオペレーション(品目)別に与えられる。
【0044】
次にセンターは、負荷等の様々な情報を勘案して、注文の諾否を決定する。
【0045】
センターは、顧客に対しては、契約した品質、価格、納期を保証する。
【0046】
センターは、受諾した注文に対しては、処理に必要な仕様書を起こし、メンバーに公開する。仕様書には、オペレーション毎に、仕事量、価格、納期の他に必要な生産技術データが明示される。
【0047】
センターが、オークションを取り仕切る。
【0048】
オークションの対象は各々のオペレーションであり、通常は単一のオペレーションが単一の企業によって落札される。しかし、大口のオペレーションに対しては複数の企業が落札することもあり、その場合には予めそのことがメンバーに知らされるものとする。
【0049】
本実施形態の特徴は、上述のオークションのメカニズムを、最適化スケジューリングプログラム241により提供されるコンピュータアルゴリズムに置き換えて代行する。具体的には、後述するラグランジュ乗数の更新をすることに尽きる。
【0050】
センターは、オークションの結果をメンバーに返す。
センターは、調整のために発生したペナルティコストを含む企業別精算をする。このペナルティコストは、数学的には、ラグランジュ乗数の値(双対コスト)を指す。ペナルティコストは、各企業にとっては、通常は追加費用であるが、符号が逆の場合には報奨金となる。
【0051】
(メンバーの権利と責任)
各メンバーは各自のビジネスを優先することが保証されている。
【0052】
各メンバーは、毎日、VFのオペレーションに割くことができる機械の余力をある期間に亙ってタイムスロット別に申告する。
【0053】
各メンバーは、公開されたオペレーション情報を得て、市場原理に従って行動する。即ち、自身の利益から見てエントリしたいオペレーションがあれば、エントリし、そうでなければエントリしない。しかし、エントリしたからといって必ずしもオペレーションが手中に納まる訳ではないし、納まったからといって必ずしも望むタイミングで処理できるわけではない。これらの調整は上記のアルゴリズムによってなされる。
【0054】
《問題のモデルへの定式化》
〈用いる記号〉
(1)添字とその集合
まず、本実施形態で適用される添字とその集合を、
t:計画対象期間を刻むタイムスロット番号,t∈T=(1,2,…,nt)
i:オペレーション(処理)或いは当該オペレーションの結果生ずる品目の番号,i∈I=(1,2,…,ni)
但しi=0は顧客(VFの外)を表す(記号iは移動を表す際に使われる添字だから、同一の添字がオペレーション或いは品目と顧客のように異種のものを表すことが許される)。
m:メンバー企業の番号,m∈F=(1,2,…,nm)
k:機械番号,k∈K=(1,2,…,nk)
E(m):メンバー企業mに属する機械の集合で、次の関係K=Σm FE(m)が成り立つ。
A:仕掛品目(後続の品目を有する品目)の集合
A~:後続直結点に属する品目との間に同時処理禁止制約を有する品目の集合
S(i):品目iの後続直結点の集合
P(i):品目iの先行直結点の集合
P~(i):P(i)とA~との積集合、即ちP(i)∩A~
K(i):品目iの処理に利用できる機械の集合
M(k):機械kが処理できる品目の集合
a(i):品目iが仕掛品集合Aに属する場合に1、その他の場合0をとるインデックス関数
a~(i):品目iが集合A~に属するとき値1をとり、その他のとき0をとるインデックス関数
のように定義する。
【0055】
(2)第1の入力データ(メンバー企業から提供されるデータ)
次に、本実施形態で適用される、メンバー企業から提供されて予め設定される入力データ(生産データ)を、
it k:機械kにおけるタイムスロットtでの品目iの処理量、即ち処理能力(処理ができないときは0とおく)
it k:品目iの機械k、タイムスロットtにおける処理費
it k:機械k、タイムスロットtにおける品目iの段取り費用
imax k:機械kの品目iに対する段取時間
i0 k:機械k,品目iのタイムスロットt=0における段取りの残り時間、即ち初期値
i0:品目iのタイムスロットt=0における実際の仕掛品在庫量、仕掛品在庫を持たない問題に対しては0とする
δi0 k:機械kにおける品目iのタイムスロットt=0における処理の状態、即ち決定変数の境界値
この他に上記の集合に関するデータ
のように定義する。
【0056】
(3)第2の入力データ(顧客から提供されるデータ)
次に、本実施形態で適用される、顧客から提供されて予め設定される入力データ(出荷要求量データ)を、
i0t:タイムスロットtにおける品目iの、顧客からの要求量
のように定義する。
【0057】
(4)第3の入力データ(メンバー企業間の協議或いはセンター主導によって確定されるデータ)
次に、本実施形態で適用される、メンバー企業間の協議或いはセンター主導によって確定されて予め設定される入力データを、
i:品目iの単位数量当たり価格
τij:品目jに組み込まれるまでの品目iのリードタイム(処理を先行させる時間)
ρij:品目jに組み込まれる品目iの品目j1単位当たりの所要量
i:品目iの処理によって新たに付加される価値に対するタイムスロット当たり在庫保管費(エシェロン在庫保管費)
前処理を施すことによって導かれるデータ(式(1),(2)を参照)
ijt:タイムスロットtにおいて品目jを生産するために使用される品目iの所要量
i・t:品目iのタイムスロットtにおける所要量
のように定義する。
【0058】
(4)決定変数
次に、本実施形態で適用される決定変数を次のように定義する。
【0059】
δit k:タイムスロットtにおける機械kの品目iの処理を表す決定変数,
δit kは品目iがタイムスロットtにおいて機械kにより処理されるとき1、それ以外のとき0
δit:δit k,k∈K(i)を要素とするベクトル,
δi=(δi1,…,δit,…δint)
δ =(δ1,…,δi,…δni)
δk:δit kを要素とする行列δk=(δit k)
δit kは、本実施形態で適用されるモデルにおける唯一の決定変数である。この変数によって品目iの処理の局面と同時に、どの機械、したがってどの企業が品目iを落札したかに関する決定の局面が取り扱われることに注意されたい。
【0060】
(5)状態変数
次に、本実施形態で適用される状態変数を次のように定義する。
【0061】
it k:品目iのタイムスロットtにおける機械kの段取りの残り時間
0≦sit k≦simax k
ここに、
itはsti k,k∈K(i)を要素とするベクトル,
i=(si1,…,sit,…sint)
s =(s1,…,si,…sni)
it:品目iのタイムスロットt末における見かけ上の仕掛品在庫量で、定義式は後述する式(3)のように表される。
【0062】
このように、実在庫でなく見かけの在庫に注目することによって、次工程への払出し量を決定変数として取り扱うことを避けることができるため、初めて問題を解くことが可能になる。但し、処理の整合性が取れなくて、仕掛品の品切れなどの不都合が生ずるが、これらは制約条件(仕掛品目の品切れ禁止制約)において陽に取り扱われる。処理の機械が複数にのぼる場合にも、在庫点即ち機械の違いを考慮しないで、システム内にある品目の在庫に注目する。この見かけの在庫の詳細については後述する。
【0063】
(6)ラグランジュ乗数
次に、本実施形態で適用されるラグランジュ乗数を
μ・・t k・:タイムスロットtにおける機械kの機械干渉を解消するためのラグランジュ乗数(機械の使用料に相当する)
μi・t ・・:仕掛品目iのタイムスロットtにおける品切れ禁止制約を充足させるためのラグランジュ乗数(品目iの処理をタイムスロットtよりも前に繰り上げ、同時に品目j,j∈S(i)の処理をt以降に遅らせる働きをする)
μijt kl:タイムスロットtにおける品目iと後続品目jとの同時処理禁止条件を充足させるためのラグランジュ乗数
μ:すべてのラグランジュ乗数を要素に持つベクトル
のように定義する。
【0064】
〈制約式と目的関数〉
上述の問題を定式化すると以下のようになる。
【0065】
(各種所要量の関係)
品目jの所要量はリードタイムτijを伴って品目に展開される。ここに品目iは仕掛品である。したがって、rijt:及びri・tは次式(1),(2)のように表すことができる。
【0066】
【数1】
Figure 0004185970
【0067】
(見かけの仕掛品在庫の定義式)
品目iのタイムスロットt末における見かけ上の仕掛品在庫量xitは次式(3)で定義される。
【0068】
【数2】
Figure 0004185970
【0069】
上記式(3)では、xitが、右辺の第1項で示される初期在庫xi0と、第2項で示されるタイムスロットt'における品目iの処理量のt'=1からt'=tまでの総和、つまりタイムスロットt末までの品目iの処理量の累積量(累積生産量)との和から、第3項で示されるタイムスロットt'における品目iの所要量のt'=1からt'=tまでの総和、つまり顧客(VF外)からのタイムスロットt末までの各タイムスロットにおける出荷要求をその品目iに展開してこれの累積量を取ったものを引いたものとして定義されている。なお、品目iが最終品目の場合には、見かけの仕掛品在庫は実在庫と一致する。
【0070】
(見かけの仕掛品在庫の推移方程式)
タイムスロットtにおける各品目iの実処理は、δit k=1で且つsit k=0の状態のときに限られる。したがって、見かけの仕掛品在庫の推移は次式(4)に従う。
【0071】
【数3】
Figure 0004185970
【0072】
上記式(4)のxitは、品目iのタイムスロットt−1末における見かけの在庫量(右辺第1項)とタイムスロットtにおける処理量(右辺第2項)との和から顧客からの要求量を展開して得られるタイムスロットtまでの所要量ri・t(右辺第3項)を引いたものとして表されている。
【0073】
(機械の段取時間の残り時間の推移方程式)
タイムスロットtにおける各品目iの段取時間の残り時間(残り段取時間)sit kは、機械kが遊休中の期間(δit k=0の期間)はsit k=0である。このsit kは、品目を切り換えたとき、即ち機械kの処理状態がδit-1 k=0からδit k=1へ変わったときに、simax kとなる。以後時間が1タイムスロット経過する毎に1ずつ0になるまで減少し、以後は再び品目の切り換えが起こるまでその状態を維持する。したがって、タイムスロットtにおける各品目iの段取時間の残り時間sit kは、次式(5)で表される。
【0074】
【数4】
Figure 0004185970
【0075】
上記式(5)の右辺第1項は、δit-1 k=0からδit k=1へ変わったときにsimax kとなる残り段取時間の状態遷移を示し、第2項中の(sit-1 k−1)は1タイムスロット経過する毎にsit kが1ずつ減少する状態を示している。
【0076】
(機械干渉制約)
どのタイムスロットtにおいても機械kは高々1品目しか処理できない。つまり、どの機械kにおいても、同時には異なる品目を処理できない。この制約を機械干渉制約と呼び、次式(6)が成立する必要がある。
【0077】
【数5】
Figure 0004185970
【0078】
(仕掛品目の品切れ禁止制約)
品目iのタイムスロットtにおけるVF(の多品目多工程生産システム)内の実在庫を、見かけの仕掛品在庫の定義式(3)及び見かけの仕掛品在庫の推移方程式(4)を用いて再定式化して、次式(7)を得る。
【0079】
【数6】
Figure 0004185970
【0080】
(同時処理禁止制約)
同時処理禁止制約とは、品目iの処理が完了してからでないと後続の処理に取り掛かれないことを表す。同時処理禁止制約は、この条件が必要となる場合に適用され、次式(8)で表される。
【0081】
【数7】
Figure 0004185970
【0082】
(目的関数)
本実施形態で取り上げる目的関数は、企業別利益、即ち各品目を処理して得られる総額から処理の原価を差し引いて得られる利益の全品目・全機械に亙る総額を算出する関数である。この目的関数は、任意の企業m∈Fに対して、次式(9)で表される。
【0083】
【数8】
Figure 0004185970
【0084】
式(9)の第1項は、品目iを機械kでタイムスロットtにおいて処理することで得られる売上である。また、第2乃至第4項は処理の原価であり、第2項は、品目iを機械kでタイムスロットtにおいて処理する際の段取り費用、第3項は、品目iを機械kでタイムスロットtにおいて処理するのに要する処理費、第3項は、タイムスロットt末における品目iの見かけの在庫量xitに対応した在庫保管費である。第1項の売上から第2乃至第4項の処理の原価を差し引いた値が、品目iを機械kでタイムスロットtにおいて処理することで得られる利益である。
【0085】
(問題P0)
以上により、取り扱うべき最適化問題は、式(8)で示される企業別利益を最大とする問題P0となり、次式の目的関数で表される。
【0086】
【数9】
Figure 0004185970
【0087】
なお、問題P0の目的関数に付されている、s.t.(4),(5),(6),(7),(8)は、取り扱うべき問題が式(4),(5),(6),(7),(8)の制約、即ち見かけの仕掛品在庫の推移方程式に従う制約、機械の段取時間の残り時間の推移方程式に従う制約、機械干渉制約、仕掛品目の品切れ禁止制約、及び同時処理禁止制約を受けることを示す。
【0088】
ここで、品目iの落札の情報は決定変数ベクトルδiが担っている。後述の解法においては、この決定変数ベクトルの値を決定するときに落札の条件を満足させることができる。したがって、落札条件の充足制約については、上述の制約式の集合には加えなくてよい。処理量を充足する条件についても同様である。
【0089】
《理論》
〈補助問題P1の導入〉
各企業の利益最大化問題P0の目的関数は企業別に分解されているが、制約式が企業間に及んでいるので、独立に扱うことはできない。更に問題の次元が高すぎる。したがって問題P0を直接解くことは期待できない。
【0090】
本実施形態では、問題P0の代わりに、VF全体の利益を最大化する補助問題P1を導入して、これを解き、その解を手がかりにする方法をとる。そこで、問題P0の制約条件はそのままにして、P0の目的関数を、すべての企業のすべての機械に亙って加え合わせて目的関数とする問題を考え、これを問題P1とする。
【0091】
(問題P1)
問題P1、つまりVF全体の利益最大化問題は次式(10)の目的関数で表される。
【0092】
【数10】
Figure 0004185970
【0093】
ここで、問題P1の目的関数は、企業別に加算分離可能であることに注目する。即ち、決定変数δ=(…,δk,…)に対して、企業mに属する機械グループ別の決定変数δk,k∈E(m)を1つの部分集合とする分割を施すと、P1の目的関数を、次式に示すように、これらの互いに他と独立な決定変数に関する関数の和の形に表すことができる。
【0094】
【数11】
Figure 0004185970
【0095】
以上の結果は次の定理にまとめることができる。
定理1
問題P0、つまり企業間に亙る制約条件を含む式(4)乃至(8)のもとで各企業の利益を最大にする問題の最適解を求めることは、VF全体の利益最大化問題(VF全体の最適化問題)P1の最適解を求めることと同値である。
【0096】
この問題P1には、制約条件として、式(4),(5),(6),(7),(8)が関係している。ここに提案する解法ではこれらの制約条件の取り扱い方が大きく2通りに分かれることに注意されたい。第1の種類は部分問題の中に取り込まれて、個々の問題を解く際に陽に取り扱われるものであり、第2の種類は相互関係制約として複数の部分問題に亙って関係するものである。
【0097】
式(4)及び(5)は推移方程式であり、品目に固有である。したがってこれらは第1の種類に属する。
【0098】
ところが、機械干渉制約に関する式(6)及び同時処理禁止制約に関する式(8)は複数の品目に関係しており、第2の種類である相互関係制約に属する。また、仕掛品目の品切れ禁止制約に関する式(7)についても、品目が仕掛品の場合には、処理の独立性が犯されるために、部分問題の中で取り扱うことはできない。そこで、処理の整合性を保証するために式(7)を第2の種類である相互関係制約に属するものとして取り扱う。なお、品目が最終品目の場合には、初めから処理の独立性が成立する。
【0099】
〈問題P1の解法〉
そこで、まず問題P1の目的関数に関し、相互関係制約として取り扱う必要のある式(6)の機械干渉制約、式(7)の仕掛品目の品切れ禁止制約、及び式(8)の同時処理禁止制約を緩和した、式(11)に示すラグランジュ関数L(δ,μ)を定義する。そして、問題P1のラグランジュ緩和問題を問題P2として、式(12)を解く。
【0100】
【数12】
Figure 0004185970
【0101】
式(11)において、μ・・t k・i・t ・・ijt klは、それぞれ機械干渉制約条件(6),仕掛品目の品切れ禁止制約条件(7),同時処理禁止制約条件(7)に対するペナルティコストを表すラグランジュ乗数である。つまり、μ・・t k・i・t ・・ijt klは、それぞれ機械干渉制約の充足,仕掛品在庫の充足,同時処理禁止制約の充足に用いるラグランジュ乗数である。
【0102】
問題P2の解法には、各品目の仕掛品在庫の推移方程式(4)をモデルの中で陽に取り扱うことが必要である。したがってこの問題は、数学的には、時間最適化問題(最適制御問題)となり、次元が品目数niによって決まる。問題の次元を落とさない限り、合理的な時間とメモリ要領の範囲内で解を求めることは期待できない。
【0103】
そこで、本実施形態では、次のような分解によって時間最適化問題の次元を1次元に落として解く方法を適用する。
【0104】
まず、式(11)のラグランジュ関数L(δ,μ)の右辺第1項は、和の順序を入れ替えると次式になることに注目する。
【0105】
【数13】
Figure 0004185970
【0106】
この結果と関数L(δ,μ)が品目iを処理することに関する決定変数ベクトルδiに関して加算分離可能であることに注目して、これを品目i別に分解する。即ち、式(11)を品目別に分解した後整理して、所与のμに対して、δiに依存する項を式(13)のようにおけば、関数L(δ,μ)は式(14)のように表される。
【0107】
【数14】
Figure 0004185970
【0108】
これは問題の把握の視点を、企業別機械別品目別把握から品目別機械別把握へ切り換えることに他ならない。
こうすることによってni次元の時間最適化問題であるラグランジュ緩和問題P2は、更に、部分問題Liへ分解された緩和問題(1次元の部分最適化問題)P3に変換することが可能になる。
【0109】
(問題P3)
問題P3は次式(15)のように表される。
【0110】
【数15】
Figure 0004185970
【0111】
式(15)で示される、所与のラグランジュ乗数の値に対して、関数の最大化問題は、明らかに、1次元の時間最大化問題である。したがって、問題P3はラグランジュ分解調整法によって解くことができる。
【0112】
結局、問題P0は、問題P1、問題P2、そして問題P3へと順に同値変換されたことになる。したがって、次の定理2,3が成り立つ。
【0113】
定理2
問題P0の最適解は問題P3の最適解を求めることによって得られる。
【0114】
定理3
ラグランジュ緩和問題の解法において、ラグランジュ関数L値と目的関数値とが一致すれば、それが最適値である。更に、それを可能にする主変数の値及びラグランジュ乗数(双対変数)の値が、それぞれ、問題の最適解と最適ラグランジュ乗数値である。この定理3は広く知られている。
【0115】
本実施形態において、対象となるラグランジュ緩和問題は問題P3である。
【0116】
《解法》
〈ラグランジュ乗数の更新ルール〉
後述する最適化アルゴリズムにおいて、ラグランジュ乗数μ・・t k・i・t ・・ijt klの更新に適用されるルールを次式(16),(17),(18)で表す。
【0117】
【数16】
Figure 0004185970
【0118】
式(16),(17),(18)中のα・・t k・i・t ・・ijt klは、当該式(16),(17),(18)におけるラグランジュ乗数μ・・t k・i・t ・・ijt klの更新に用いられるステップサイズを示し、すべて非負の値である。このステップサイズには、数値解法の結果から、これらのラグランジュ乗数の効果を判断して調整を繰り返して試行錯誤的に問題のデータに適した値を定めればよい。
【0119】
〈部分最適化問題の動的計画法〉
次に、式(15)で示される部分最適化問題P3を動的計画法に再定式化して解く方法について説明する。
【0120】
(決定の許容集合)
タイムスロットtにおいて機械k∈K(i)の決定(決定変数)δit kの取り得る値は、先行するタイムスロットt−1における在庫状態xit-1に依存するばかりでなく、先行するタイムスロットt−1における状態(決定変数)δit-1 k、及び残り段取時間sit-1 kにも依存する。例えば、残り段取時間sit-1 kが正であれば、決定変数δit kは値1を取らなければならないし、(δit-1 k,sit-1 k)=(1,0)または(0,0)のときでない限り値0は取れない。したがって、(δit-1 k,sit-1 k)から(δit k,sit k)への状態推移の関係を整理すれば、図5に示すようになる。図中の○印はタイムスロットt−1の状態に対して許される決定が存在することを、×印はそうでないことを表している。
【0121】
図6は、この(δit k,sit k)の状態遷移を示す。例えば、図6(a)において、(0,0)の状態61が次のタイムスロットに取り得る状態は、同じ状態61または(1,simax k)の状態62のいずれかである。状態61は、機械kの遊休中を示す。また、状態62は、品目を切り換えたとき、つまりセットアップの開始時を示す。この状態62、即ち(1,simax k)の状態62が次のタイムスロットに取り得る状態は(1,simax k−1)の状態63のみである。
【0122】
状態63は、セットアップ開始時から時間が1タイムスロットだけ経過し、残り段取時間がsimax k−1となったことを示す。以下、同様にして、時間が1タイムスロット経過する毎に、(δit k,sit k)のうちのδit kが1のままの状態で、sit kだけが1ずつ減少していき、やがて(1.1)の状態64に遷移する。状態64は残り段取時間が1(1タイムスロット分)であり、セットアップ終了直前の状態となったことを示す。状態62から状態64までの期間がセットアップ中の期間65となる。状態64、即ち(1,1)の状態64が次のタイムスロットに取り得る状態は(1,0)の状態66のみである。状態66は生産中を示す。この状態66、即ち(1,0)の状態66が次のタイムスロットに取り得る状態は、同じ状態66または(0,0)の状態61のいずれかである。
【0123】
(部分問題の最適コスト関数とその計算)
次に、最適コスト関数とその計算について説明する。
本実施形態では、所与のラグランジュ乗数ベクトルμに対して、部分問題の最適コスト関数を
tit,sit,xit,μ)
で表し、その値は、タイムスロットtにおいて品目iに関する決定変数ベクトル(機械のセッティングの状態)、残り段取時間ベクトル、及び在庫状態(タイムスロットt末の在庫量)が、それぞれδit,sit,xitであるとき、タイムスロット0からタイムスロットtまでの各タイムスロットにおいて採られた最適決定に伴って発生するコストの和であると定義する。
【0124】
ここで重要なことは、上記最適コスト関数に、状態変数のベクトルとして、ベクトルsitと変数xitの他に、決定変数のベクトルδitが入っている点である。また、δit,sitは、それぞれδit kとsit k,k∈K(i)を要素に持つベクトルであることに注意したい。通常の最適コスト関数の場合と異なって、独立変数に決定変数δit kが現れるのは、タイムスロットtにおいて発生する段取コストがタイムスロットt−1の決定にも依存することに起因している。言い換えるならば、タイムスロットtにおいて発生するコストを計算するために、タイムスロットt−1におけるδit-1の情報が必要になるからである。
【0125】
上記最適コスト関数Vtit,sit,xit,μ)は動的計画法による次の再帰関係式(19),(20)で表すことができる。
【0126】
【数17】
Figure 0004185970
【0127】
ここでxit-1が許容範囲にないときは、任意のδit-1 k,sit-1 kに対して、Vtit,sit,xit,μ)は常に−∞である。このとき、δit-1 *it,sit,xit,μ)は上記式(20)の最適決定を表すものとする。
【0128】
所与のδit k,sit k,k∈K(i)と前記式(5),(4)から、選択された決定δit-1 k,k∈K(i)に対してsit-1 k,xit-1を求めれば、タイムスロットt−1における最適コスト関数の値が決まる。勿論、タイムスロットtにおいて発生するすべてのコストも確定している。したがって上記式(20)が計算できる。
【0129】
(部分最適化問題における最適解の決定)
品目iの、タイムスロットt=1,…,ntに対して、上記式(20)の最適コスト関数値Vtit,sit,xit,μ)、及び最適決定δit-1 *it,sit,xit,μ)がすべて求まり表の形でメモリ(ここではコスト記憶エリア223)内に格納されているものとする。このとき品目の最適解即ちスケジュールと状態推移を確定するための手続きについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0130】
まず、t=ntのタイムスロットに対して取り得るすべてのδit,sit,xitの組み合わせ(δit,sit,xit)の中からVtit,sit,xit,μ)の値が最大となるδit,sit,xitを求めて、最適な解として確定し、これらの値をそれぞれδit *,sit *,xit *とする(ステップ405,406)。
【0131】
次に、δit *,sit *,xit *に対し最適な決定δit-1 *it *,sit *,xit *)を特定する(ステップ407)。このδit *,sit *,xit *を前記式(5),(4)に代入してsit-1 *,xit-1 *を求める(ステップ408)。
【0132】
次に、tを1だけデクリメントし(ステップ409)、このデクリメント後のtが1より小さくならなければ(ステップ410)、そのデクリメント後のtに対して上記ステップ406以降の処理を行う。これをt=1まで繰り返す(ステップ410)。
【0133】
以上、本実施形態で適用する最適化スケジューリングの基本原理と、当該基本原理で扱われる問題と、問題のモデルへの定式化と、ラグランジュ分解調整法に基づく解法(特に、部分最適化問題の動的計画法)とについて説明した。
【0134】
《最適化スケジューリングの実現例》
次に、上記した最適化スケジューリングの実現例について説明する。
図1の生産スケジュール生成装置は、上記した最適化スケジューリングの基本原理を適用して最適化スケジューリングを行うもので、品目別最適化部10と、在庫量抽出部11と、残り段取時間抽出部12と、品目間機械干渉判定部13と、品目間機械干渉制御部14と、仕掛品在庫充足判定部15と、仕掛品在庫制御部16と、同時処理禁止制約充足判定部17と、同時処理禁止制約制御部18と、最適生産スケジュール生成部19と、主制御部20とを備えている。これら各部10〜20は、図2の計算機内のCPU21が最適化スケジューリングプログラム241を実行することにより実現される機能要素である。
【0135】
品目別最適化部10は、各品目iについて、式(15)の部分最適化問題を、在庫推移と残り段取時間推移の制約のもとで、式(20)の最適コスト関数を用いて、他の品目とは独立に解き、その解を求める動作を実行する。在庫量抽出部11は、品目別最適化部10での動作に必要な在庫量を抽出する。残り段取時間抽出部12は、品目別最適化部10での動作に必要な残り段取時間を抽出する。
【0136】
品目間機械干渉判定部13は、品目別最適化部10により求められた品目i毎の解から、機械干渉が解消されていると見なせるか否かを判定する。品目間機械干渉制御部14は、機械干渉が解消されていない場合に、機械干渉が減少するように品目別最適化部10を制御する。具体的には、品目別最適化部10が用いる最適コスト関数中の機械干渉制約の充足に用いるラグランジュ乗数(μ・・t k・)を更新する。
【0137】
仕掛品在庫充足判定部15は、品目別最適化部10により求められた品目i毎の解から、仕掛品在庫が充足しているか否かを判定する。仕掛品在庫制御部16は、仕掛品在庫が充足していない場合、つまり仕掛品在庫の品切れを起こしている場合に、仕掛品在庫が充足するように品目別最適化部10を制御する。具体的には、品目別最適化部10が用いる最適コスト関数中の仕掛品の充足に用いるラグランジュ乗数(μi・t ・・)を更新する。
【0138】
同時処理禁止制約充足判定部17は、品目別最適化部10により求められた品目i毎の解から、同時処理禁止制約(同時処理禁止条件)が充足されているか否かを判定する。同時処理禁止制約充足判定部17は、同時処理禁止制約が充足されていない場合、同時処理禁止制約が充足されるように品目別最適化部10を制御する。具体的には、品目別最適化部10が用いる最適コスト関数中の同時処理禁止制約の充足に用いるラグランジュ乗数(μijt kl)を更新する。
【0139】
最適生産スケジュール生成部19は機械干渉、仕掛品在庫の品切れ禁止及び同時処理禁止の各制約(条件)がすべて充足されたものと判定された場合、その際に求められた解を用いて生産スケジュールを生成する。主制御部20は生産スケジュール生成装置全体を制御する。
【0140】
また、主メモリ22には、品目i及び機械k別の各タイムスロットtにおけるpit k,bit k,cit kの各データと、品目i及び機械k別のsimax k,si0 ki0 kの各データと、品目i毎のxi0,aiijij,hiの各データとから成る生産データを格納するための生産データ記憶エリア221と、品目i毎の各タイムスロットtにおけるri0tから成る出荷要求量データを格納するための出荷要求量記憶エリア222と、品目別最適化部10で算出されたタイムスロットtまでのコストの和Vtit,sit,xit,μ)及び当該和Vtit,sit,xit,μ)に対応するδit *,sit *,xit *を格納するためのコスト記憶エリア223とが確保されている。ここで、δit *,sit *,xit *を格納するエリアを別に確保することも可能である。生産データ記憶エリア221には、前記式(1),(2)に従って予め算出される、品目i毎の各タイムスロットtにおけるrijt,ri・tの各データも格納される。
【0141】
主メモリ22には更に、品目別最適化部10で最適部分問題を解くことにより求められた解の中間結果を格納するための中間結果記憶エリア224と、同じく最終結果を格納するための最終結果記憶エリア225と、最適生産スケジュール生成部19により生成された生産スケジュールを格納するための生産スケジュール記憶エリア226とが確保されている。
【0142】
次に図1の構成の動作を、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、図1の生産スケジュール生成装置を用いて最適生産スケジュールを作成するには、品目i及び機械k別の各タイムスロットtにおけるpit k,bit k,cit kの各データと、品目i及び機械k別のsimax k,si0 ki0 kの各データと、品目i毎のxi0,aiijij,hiの各データとから成る生産データを予め入力しておく必要がある。ここでは、この生産データをキーボード25を用いて例えば表形式で入力するものとする。
【0143】
入力された生産データは、主制御部20の制御により主メモリ22内の生産データ記憶エリア221に格納される。また、この生産データ記憶エリア221に格納された生産データをHDD23に保存するならば、生産データの変更が必要ない場合には、当該データを再利用することができる。
【0144】
また、生産スケジュールの生成が必要となる毎に、品目i毎の指定タイムスロットtにおけるri0tから成る出荷要求量データが入力されて、主メモリ22内の出荷要求量記憶エリア222に格納される。また、このri0tを用いて、品目i毎の各タイムスロットtにおけるrijt,ri・tの各データを、前記式(1),(2)に従って算出する処理が主制御部20により行われる。rijt,ri・tの各データは、生産データ記憶エリア221に記憶される。
【0145】
この状態で、キーボード25からスケジューリングの開始指示が入力されると、主制御部20により初期化処理が行われ、繰り返し数(繰り返し番号)νが0に初期設定される(ステップ301)。また、中間結果記憶エリア224上の品目i(i∈I)別、及び機械k(k∈K)別の、タイムスロットt=0における決定変数δit k ν,sit k ν(即ち境界値δi0 k ν,si0 k ν)が初期値に設定される(ステップ302)。また、機械k(k∈K)別の、各タイムスロットt(t∈T)におけるラグランジュ乗数μ・・t k・ νと、仕掛品目i(i∈A)別の、各タイムスロットt(t∈T)におけるラグランジュ乗数μi・t ・・ νと、後続直結点に属する品目jとの間に同時処理禁止制約を有する品目i(i∈A~)別、品目iの処理に利用できる機械k(k∈K(i))別、且つ品目jの処理に利用できる機械l(l∈K(j))別の、各タイムスロットt(t∈T)におけるラグランジュ乗数μijt kl νとが、いずれも0に初期設定される(ステップ303)。
【0146】
すると主制御部20は品目別最適化部10を起動する。品目別最適化部10はまず、品目iを1に初期設定する(ステップ304)。次に品目別最適化部10は、品目iに関する式(15)に示す部分最適化問題を、仕掛品在庫推移方程式(4)及び残り段取時間推移方程式(5)の制約のもとで、式(20)の最適コスト関数を用いて解き、その解δit k νを求める(ステップ305)。ここでは、品目iについて、当該品目iの処理に利用可能な各機械k別に、各タイムスロットt毎の解δit k ν(∀t∈T,k∈K(i))が求められる。
【0147】
このステップ305の詳細手順を図4のフローチャートに示す。ここでは品目別最適化部10は、品目iの部分最適化問題を解くために、以下に述べる最適コスト関数値Vtit,sit,xit,μ)と最適決定δit-1 *it,sit,xit)とを求める。
【0148】
そのため品目別最適化部10は、まずタイムスロットtを1に設定する(ステップ401)。そして品目別最適化部10は、品目iについて、取り得る(実行し得る)すべての組み合わせの(δit,sit,xit)に対し、当該品目iの処理(生産)に使用可能な機械kの範囲(k∈K(i))で前記式(20)の最適コスト関数を用いて最適コスト関数値Vtit,sit,xit,μ)を算出し、その時の最適決定δit-1 *it,sit,xit)と共に、コスト記憶エリア223に格納する(ステップ402)。
【0149】
次に品目別最適化部10は、tを1だけインクリメントし(ステップ403)、そのインクリメント後のtがntより大きくなければ(ステップ404)、そのインクリメント後のtに対して上記ステップ402以降の処理を行う。これをt=ntまで繰り返す(ステップ404)。
【0150】
この状態で品目別最適化部10は、コスト記憶エリア223上の最適コストVtit,xit,sit)をt=ntから逆に辿る。即ち品目別最適化部10は、先に説明したように、まず、t=ntのタイムスロットに対して取り得るすべてのδit,sit,xitの組み合わせ(δit,sit,xit)の中からVtit,sit,xit,μ)の最大値(最適コスト)を探して、その際のδit,sit,xitを最適解δit *,sit *,xit *とする(ステップ405,406)。
【0151】
次に品目別最適化部10は、δit *,sit *,xit *に対し最適な決定δit-1 *it *,sit *,xit *)を特定し(ステップ407)、このδit *,sit *,xit *を前記式(5),(4)に代入して、最適コストVtに至った直前のタイムスロットt−1でのsit-1 *,xit-1 *を求める(ステップ408)。これをtを1ずつデクリメントしながら(ステップ409)、t=1まで繰り返す(ステップ410)。
【0152】
以上のようにして、品目iについて最適コストを与えるδit k ν(t=1,…,nt,k∈K(i))が品目別最適化部10により求められる(ステップ305)。すると品目別最適化部10は、中間結果記憶エリア224上のδit k νを、求めた最新のδitk νに更新する(ステップ306)。
【0153】
次に品目別最適化部10はiを1だけインクリメントし(ステップ307)、そのインクリメント後のiがniを超えていないならば(ステップ308)、未処理の品目が存在するものと判定し、そのインクリメント後のiで示される品目iについて、上記ステップ305以降の処理を実行する。そして、i=1,…,niのすべての品目について解δit k ν(∀i∈I,t∈T,k∈K(i))を求めると、品目間機械干渉判定部13、仕掛品在庫充足判定部15及び同時処理禁止制約充足判定部17が起動される。
【0154】
品目間機械干渉判定部13は、機械k毎に、その機械kで処理(生産)されるすべての品目i(i∈M(k))の解δit k νから、各品目i間のδit k=1のタイムスロットの重なりの回数を表す機械干渉数を算出し、その数から機械干渉が解消されていると見なせるか否かを判定する(ステップ309)。具体的には、全機械についての繰り返し数νにおける全品目、全期間(全計画対象期間)に亙る機械干渉数の総和をnt×nk(全タイムスロット数×全機械数)で除して得られる平均機械干渉数を算出し、その値が閾値以下であるか否かにより、機械干渉が解消されていると見なせるか否かを判定する。
【0155】
次に、仕掛品在庫充足判定部15は、上記ステップ309において、全仕掛品目i(i∈A)について、仕掛品在庫量がマイナスとなる(つまり仕掛品在庫の充足条件を満たさなかった)タイムスロットの総数を求め、その数から仕掛品在庫が充足しているか否かを判定する。具体的には、全仕掛品目について、仕掛品在庫量がマイナスとなるタイムスロットの総数を求め、それを全仕掛品目数×全タイムスロット数で除して得られる平均仕掛品在庫不足割合を算出し、その値が閾値以下であるか否かにより、仕掛品在庫が充足しているか否かを判定する。ここで、各仕掛品在庫量は、ステップ305で求められた対応する解δit k νと組をなすxitを用いて、前記式(7)に従って算出される。
【0156】
次に、同時処理禁止制約充足判定部17は、上記ステップ309において、後続直結点に属する品目jとの間に同時処理禁止制約を有する全品目i(i∈A~)について、各タイムスロットtにおける当該品目i,jを生産する機械k.lでの当該品目i,jについての解(決定変数)δit k νit l νから、前記式(8)の同時処理禁止制約を満たさなかったタイムスロットの総数を求め、その数から同時処理禁止制約が充足しているか否かを判定する。具体的には、全品目i(i∈A~)について、同時処理禁止制約を満たしていないタイムスロットの総数を求め、それを全品目i(i∈A~)×全タイムスロット数で除して得られる平均同時処理禁止制約違反割合を算出し、その値が閾値以下であるか否かにより、同時処理禁止制約が充足しているか否かを判定する。
【0157】
もし、機械干渉が解消されているという条件、仕掛品在庫量が充足しているという条件、及び同時処理禁止制約が充足しているという条件の少なくとも一方の条件を満たさない場合、繰り返し数(反復回数)νが1だけインクリメントされ(ステップ310)、品目間機械干渉制御部14、仕掛品在庫制御部16、及び同時処理禁止制約制御部18のうちの対応する制御部が起動される。ここでは、機械干渉が解消されていないときは品目間機械干渉制御部14が、仕掛品在庫量が充足していないときは仕掛品在庫制御部16が、そして同時処理禁止制約が充足していないときは同時処理禁止制約制御部18が、それぞれ起動される。上記3条件がいずれも成立していないときは、品目間機械干渉制御部14、仕掛品在庫制御部16及び同時処理禁止制約制御部18がすべて起動される。
【0158】
品目間機械干渉制御部14は、自身が起動された場合、機械干渉に用いるラグランジュ乗数μ・・t k・ νを前記式(15)に従って更新(調整)して、品目別最適化部10に通知する(ステップ311)。
【0159】
一方、仕掛品在庫制御部16は、自身が起動された場合、上記ステップ311において、仕掛品の在庫充足に用いるラグランジュ乗数μi・t ・・ νを前記式(16)に従って更新(調整)して、品目別最適化部10に通知する。
【0160】
また、同時処理禁止制約制御部18は、自身が起動された場合、上記ステップ311において、同時処理禁止制約の充足に用いるラグランジュ乗数μijt kl νを前記式(18)に従って更新(調整)して、品目別最適化部10に通知する。
【0161】
これにより、更新されたラグランジュ乗数、即ちラグランジュ乗数μ・・t k・ ν及びまたはμi・t ・・ ν及びまたはμijt kl νを用いてステップ305が品目数分繰り返し実行され、品目別、機械別の解δit k νがタイムスロット毎に求められる。
【0162】
やがて、上記ステップ309において、品目間機械干渉判定部13により機械干渉が解消されていると見なせると判定され、且つ仕掛品在庫充足判定部15により仕掛品在庫量が充足していると判定され、同時処理禁止制約充足判定部17により同時処理禁止制約が充足していると判定されると、そのときの品目別、機械別の解δit k νが最終結果記憶エリア225に格納され(ステップ312)、最適生産スケジュール生成部19が起動される。
【0163】
最適生産スケジュール生成部19は、最終結果記憶エリア225に格納されている品目別、機械別の解δit k νをもとに、生産スケジュールを生成して、生産スケジュール記憶エリア226に格納する(ステップ313)。前記したように品目別、機械別の解δit k νは0−1変数により表される。そして、時間軸上に刻まれたタイムスロットtに、当該スロットで機械kにより品目iを処理(セットアップまたは生産)すれば1で、そうでなければ0で表される(図6(b)参照)。したがって、解δit k νにおける1の並びとその時間的位置により品目別及び機械別にロットサイズとそれらのロットの時間的位置を生成することができる。また、全機械は、VFのメンバー企業別の機械の集合に分けられる。明らかなように、メンバー企業mが所有する機械kの品目iの解δit k νが1であるタイムスロットが存在すれば、その企業mは、機械kでの品目iに関するオペレーションを(単位数量当たり価格aiで)落札したことになる。つまり、本実施形態では、市場原理に基づくオークションが、最適化アルゴリズムに従って自動的に行われる。
【0164】
ロットの時間的位置は実行可能なスケジュールにおいてロットの順序を決定するための情報を与える。つまり本実施形態においては、品目間の解(スケジュール)の機械干渉が解消されていると見なせ、且つ仕掛品在庫量が充足していると判定され、且つ同時処理禁止制約が充足していると判定される解δit k νが求まった時点で、ロットサイズとロット順序を同時に生成することができる。
【0165】
生産スケジュール記憶エリア226に格納された生産スケジュールは、図2中のディスプレイ26に表示されると共に、キーボード25からの印刷指示入力に応じて、または自動的に、プリンタ装置(図示せず)から印刷出力される。また、この生産スケジュールをそのままの形で、または所定のデータ変換により、生産ラインでの制御情報として用いることができる。この生産スケジュールでは、例えば機械k別に、各品目iの解δit k(更には対応するsit k)を用いて、各タイムスロットt毎の当該機械kの稼動(生産または段取り)/非稼働(遊休)、仕掛品在庫量等を表すことができる。また、δit kを用いることで、各(機械kを所有する)企業の品目i(オペレーション)、機械k毎の利益、各(機械kを所有する)企業の全品目(オペレーション)、全機械に亙る利益の総額を算出することもできる。
【0166】
なお、以上に述べた実施形態では、相互関係制約の1つとして同時処理禁止制約を考慮しているが、取り扱う製品によっては、いずれの品目間においても同時処理禁止制約を有さないことがあり得る。この場合、A~を空集合とすればよいが、VFによっては、同時処理禁止制約自体を考慮の対象外とすることも可能である。
【0167】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0168】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とが要求される、VFにおける多品目多工程のスケジューリングの問題、つまり企業間に亙る制約条件を含む各種制約のもとで各企業の利益を最大にする問題の最適解を求めることは、VF全体の利益を最大化する問題(全体最適化問題)の最適値を求めることと同値であることに着目し、且つVF全体の利益を最大化する問題、つまり品目数分の次元の最適化問題は、品目別の1次元の部分最適化問題に置き換えられることに着目し、問題把握の視点を、企業別機械別品目別把握から品目別機械別把握へ切り換え、各企業の利益を最大にする問題を解く代わりに、VFの多品目多工程生産システムにおける各工程で処理される各品目について、品目間機械干渉に対応する第1のペナルティコスト及び仕掛品在庫の充足に対応する第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を解くようにしたので、ヴァーチャルファブにおいて、機械間・工程間・企業間のオペレーションの調整とそれに伴う企業間の利害の調整とを図った経済的且つ合理的な実行可能な最適な生産スケジュールを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置の機能ブロック構成を示す図。
【図2】図1の生産スケジュール生成装置を実現する計算機のブロック構成図。
【図3】図1の構成の動作を説明するためのフローチャート。
【図4】図3中のステップ305の詳細手順を説明するためのフローチャート。
【図5】 (δit-1 k,sit-1 k)から(δit k,sit k)への状態推移の関係を説明するための図。
【図6】 (δit k,sit k)の状態推移図。
【図7】エシェロン在庫保管費を説明するための図。
【図8】多品目多工程の生産システムを説明するための図。
【符号の説明】
10…品目別最適化部
11…在庫量抽出部
12…残り段取時間抽出部
13…品目間機械干渉判定部
14…品目間機械干渉制御部
15…仕掛品在庫充足判定部
16…仕掛品在庫制御部
17…同時処理禁止制約充足判定部
18…同時処理禁止制約制御部
19…最適生産スケジュール生成部
20…主制御部
21…CPU
22…主メモリ
221…生産データ記憶エリア
222…出荷要求量記憶エリア
223…コスト記憶エリア
224…中間結果記憶エリア
225…最終結果記憶エリア
226…生産スケジュール記憶エリア
241…最適化スケジューリングプログラム
242…CD−ROM

Claims (11)

  1. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを、中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、CPUと、出力手段とを有するコンピュータにより生成するヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法であって、
    前記CPUが、各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定する第1の初期設定ステップと、
    前記CPUが、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のペナルティコストの初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける第2のペナルティコストの初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する第2の初期設定ステップと、
    前記CPUが、前記各工程で処理される各品目について、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコスト及び前記第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得する解法ステップと、
    前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を、前記解法ステップで取得された解に前記CPUが更新する第1の更新ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を前記CPUが判定する機械干渉判定ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を前記CPUが判定する仕掛品在庫充足判定ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコストを前記CPUが更新し、前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のペナルティコストを前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる第2の更新ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を前記CPUが前記最終結果記憶エリアに格納するステップと、
    前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて前記CPUが生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納するステップと
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを前記CPUが前記出力手段により出力させるステップと
    を具備することを特徴とするヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  2. 前記第2の初期設定ステップでは、前記CPUが、前記第1及び第2のペナルティコストに加えて、前記各工程で処理される各品目のうち、処理が完了しないと後続の品目の処理に取り掛かれないない第1の品目について、そのことを表す同時処理禁止制約の充足に対応する、第1の品目別、当該第1の品目の処理に利用可能な機械別、且つ当該第1の品目の後続の品目である第2の品目の処理に利用可能な機械別の、各タイムスロットにおける第3のペナルティコストの初期値を前記中間結果記憶エリアに設定し
    前記解法ステップでは、前記CPUが、前記第1及び第2のペナルティコストに加えて、前記第3のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、
    前記ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法は、前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、同時処理禁止制約の充足の有無を前記CPUが判定する同時処理禁止制約充足判定ステップを更に具備し、
    前記第2の更新ステップでは、前記同時処理禁止制約充足判定ステップ前記同時処理禁止制約を充足していないと判定された場合には、当該同時処理禁止制約を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第3のペナルティコストを前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる
    ことを特徴とする請求項1記載のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  3. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを、中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、CPUと、出力手段とを有するコンピュータにより生成するヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法であって、
    前記CPUが、各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定する第1の初期設定ステップと、
    前記CPUが、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のラグランジュ乗数の初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける第2のラグランジュ乗数の初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する第2の初期設定ステップと、
    前記CPUが、前記各工程で処理される各品目について、品目間の機械干渉に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第1のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和されると共に仕掛品在庫の充足に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第2のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和された1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得する解法ステップと、
    前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を、前記解法ステップで取得された解に前記CPUが更新する第1の更新ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を前記CPUが判定する機械干渉判定ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を前記CPUが判定する仕掛品在庫充足判定ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のラグランジュ乗数を前記CPUが更新し、前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のラグランジュ乗数を前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる第2の更新ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の 記決定変数を前記CPUが前記最終結果記憶エリアに格納するステップと、
    前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて前記CPUが生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納するステップと
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを前記CPUが前記出力手段により出力させるステップと
    を具備することを特徴とするヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  4. 前記品目間の機械干渉に関する制約が、任意のタイムスロットにおける品目別及び機械別の決定変数のうち、同一機械について高々1品目の決定変数のみが生産のために使用されていることを示すことができるという相互関係制約であることを特徴とする請求項3記載のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  5. 前記解法ステップは、前記CPUが、前記1次元の部分最適化問題を、前記中間結果記憶エリアに格納されている、任意のタイムスロットtにおける品目i及び機械kの前記決定変数をδit k、前記第1のラグランジュ乗数をμt k、前記第2のラグランジュ乗数をμit、当該両ラグランジュ乗数を含むラグランジュ乗数を要素に持つベクトルをμとすると共に、当該タイムスロットtの終了時の、当該品目iの次工程へ実際に渡される累積出荷量に代えて、前記コンピュータが有する入力手段によって入力されて前記記憶手段に確保された生産データ記憶エリアに格納されている、品目毎の各タイムスロットにおける顧客からの出荷要求量データの示す出荷要求量のうち、当該品目iの当該タイムスロットtまでの各タイムスロットにおける顧客からの出荷要求量を当該タイムスロットtにおける品目iに展開した累積量を用いて算出される見かけの在庫の状態、及び品目iへのセットアップに必要な段取時間の残り時間を、それぞれ状態変数xit,sitとして、当該タイムスロットtまでの各タイムスロットにおいて採られた最適決定に伴って発生するコストの和を表す最適コスト関数Vt(δit,xit,sit,μ)により解くことを特徴とする請求項4記載のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  6. 前記最適コスト関数で算出されるコストは、前記第1のラグランジュ乗数μt kに基づいて算出される機械の使用料に相当する第1のペナルティコストと、前記第2のラグランジュ乗数μitに基づいて算出される機械の使用料に相当する第2のペナルティコストと、前記品目iの処理によって新たに付加される価値に対するタイムスロット当たりのエシェロン在庫保管費hiと前記状態変数xitとで決まるコストとを含むことを特徴とする請求項5記載のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  7. 前記第2の初期設定ステップでは、前記CPUが、前記第1及び第2のラグランジュ乗数に加えて、前記各工程で処理される各品目のうち、処理が完了しないと後続の品目の処理に取り掛かれないない第1の品目について、そのことを表す同時処理禁止制約の充足に対応する、第1の品目別、当該第1の品目の処理に利用可能な機械別、且つ当該第1の品目の後続の品目である第2の品目の処理に利用可能な機械別の、各タイムスロットにおける第3のラグランジュ乗数の初期値を前記中間結果記憶エリアに設定し、
    前記解法ステップでは、前記CPUが、前記第1及び第2のラグランジュ乗数による重み付けによる緩和に加えて、前記第3のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和された1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、
    前記ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法は、前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、同時処理禁止制約の充足の有無を前記CPUが判定する同時処理禁止制約充足判定ステップを更に具備し、
    前記第2の更新ステップでは、前記同時処理禁止制約充足判定ステップ前記同時処理禁止制約を充足していないと判定された場合には、当該同時処理禁止制約を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第3のラグランジュ乗数を前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる
    ことを特徴とする請求項3記載のヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法。
  8. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを、中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、CPUと、出力手段とを有するコンピュータにより生成するためのプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記CPUが、各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定する第1の初期設定ステップと、
    前記CPUが、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のペナルティコストの初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける第2のペナルティコストの初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する第2の初期設定ステップと、
    前記CPUが、前記各工程で処理される各品目について、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコスト及び前記第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得する解法ステップと、
    前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を、前記解法ステップで取得された解に前記CPUが更新する第1の更新ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を前記CPUが判定する機械干渉判定ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を前記CPUが判定する仕掛品在庫充足判定ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコストを前記CPUが更新し、前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のペナルティコストを前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる第2の更新ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を前記CPUが前記最終結果記憶エリアに格納するステップと、
    前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて前記CPUが生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納するステップと
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを前記CPUが前記出力手段により出力させるステップと
    を実行させるためのプログラム。
  9. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを、中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、CPUと、出力手段とを有するコンピュータにより生成するためのプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記CPUが、各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定する第1の初期設定ステップと、
    前記CPUが、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のラグランジュ乗数の初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける第2のラグランジュ乗数の初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する第2の初期設定ステップと、
    前記CPUが、前記各工程で処理される各品目について、品目間の機械干渉に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第1のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和されると共に仕掛品在庫の充足に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第2のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和された1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得する解法ステップと、
    前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を、前記解法ステップで取得された解に前記CPUが更新する第1の更新ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を前記CPUが判定する機械干渉判定ステップと、
    前記第1の更新ステップで更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を前記CPUが判定する仕掛品在庫充足判定ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のラグランジュ乗数を前記CPUが更新し、前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のラグランジュ乗数を前記CPUが更新し、その都度前記解法ステップを再実行させる第2の更新ステップと、
    前記機械干渉判定ステップ前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定ステップ前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を前記CPUが前記最終結果記憶エリアに格納するステップと、
    前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて前記CPUが生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納するステップと
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを前記CPUが前記出力手段により出力させるステップと
    を実行させるためのプログラム。
  10. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを生成するヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置であって、
    中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、
    各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定すると共に、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のペナルティコストの初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける 第2のペナルティコストの初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する初期設定手段と、
    前記各工程で処理される各品目について、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコスト及び前記第2のペナルティコストを含む総コストを最適化する品目別の1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得し、前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数を、当該取得された解に更新する品目別最適化手段と、
    前記品目別最適化手段により更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を判定する機械干渉判定手段と、
    前記品目別最適化手段により更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を判定する仕掛品在庫充足判定手段と、
    前記機械干渉判定手段により前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のペナルティコストを更新して前記品目別最適化手段を制御する機械干渉制御手段と、
    前記仕掛品在庫充足判定手段により前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のペナルティコストを更新して前記品目別最適化手段を制御する仕掛品在庫制御部手段と、
    前記機械干渉判定手段により前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定手段により前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の決定変数を前記最終結果記憶エリアに格納する最終結果取得手段と、
    前記最終結果取得手段によって前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて最適生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納する最適生産スケジュール生成手段と
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを出力する出力手段と
    を具備することを特徴とするヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置。
  11. メンバーが所有する複数の機械により複数の工程で当該各工程に対応した品目をそれぞれ処理するヴァーチャルファブの多品目多工程生産システムに適用される生産スケジュールを生成するヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置であって、
    中間結果記憶エリア、最終結果記憶エリア及び生産スケジュール記憶エリアが確保された記憶手段と、
    各品目及び各機械別に、且つ計画対象期間が一定の時間間隔で分割された各タイムスロット毎に、そのタイムスロットが当該品目の生産のために当該機械により使用されているか否かを示すための決定変数の初期値を、前記中間結果記憶エリアに設定すると共に、品目間機械干渉に対応する、機械別の、各タイムスロットにおける第1のラグランジュ乗数の初期値、及び仕掛品在庫の充足に対応する、品目別の、前記各タイムスロットにおける第2のラグランジュ乗数の初期値を前記中間結果記憶エリアに設定する初期設定手段と、
    前記各工程で処理される各品目について、品目間の機械干渉に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第1のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和されると共に仕掛品在庫の充足に関する制約が前記中間結果記憶エリアに格納されている第2のラグランジュ乗数による重み付けにより緩和された1次元の部分最適化問題を他の品目とは独立に解き、各品目及び各機械別に、且つ各タイムスロット毎に、前記決定変数を解として取得し、前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット 毎の前記決定変数を、当該取得された解に更新する品目別最適化手段と、
    前記品目別最適化手段により更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、当該各品目間の同一機械における機械干渉の程度の大小を判定する機械干渉判定手段と、
    前記品目別最適化手段により更新された前記中間結果記憶エリア上の品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づき、仕掛品在庫の充足の有無を判定する仕掛品在庫充足判定手段と、
    前記機械干渉判定手段により前記各品目間の機械干渉の程度が大きいと判定された場合には、当該機械干渉の程度を小さくするように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第1のラグランジュ乗数を更新して前記品目別最適化手段を制御する機械干渉制御手段と、
    前記仕掛品在庫充足判定手段により前記仕掛品在庫が充足していないと判定された場合には、当該仕掛品在庫を充足させるように、前記中間結果記憶エリアに格納されている前記第2のラグランジュ乗数を更新して前記品目別最適化手段を制御する仕掛品在庫制御部手段と、
    前記機械干渉判定手段により前記各品目間の機械干渉の程度が小さいと判定され、且つ前記仕掛品在庫充足判定手段により前記仕掛品在庫が充足していると判定された場合、その際に前記中間結果記憶エリアに格納されている品目別機械別の各タイムスロット毎の決定変数を前記最終結果記憶エリアに格納する最終結果取得手段と、
    前記最終結果取得手段によって前記最終結果記憶エリアに格納された品目別機械別の各タイムスロット毎の前記決定変数に基づいて最適生産スケジュールを生成し、当該生成された生産スケジュールを前記生産スケジュール記憶エリアに格納する最適生産スケジュール生成手段と
    前記生産スケジュール記憶エリアに格納された前記生産スケジュールを出力する出力手段と
    を具備することを特徴とするヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成装置。
JP2002046817A 2002-02-22 2002-02-22 ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法 Expired - Fee Related JP4185970B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002046817A JP4185970B2 (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002046817A JP4185970B2 (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003248508A JP2003248508A (ja) 2003-09-05
JP4185970B2 true JP4185970B2 (ja) 2008-11-26

Family

ID=28660092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002046817A Expired - Fee Related JP4185970B2 (ja) 2002-02-22 2002-02-22 ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4185970B2 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8266429B2 (en) 2004-07-20 2012-09-11 Time Warner Cable, Inc. Technique for securely communicating and storing programming material in a trusted domain
US8312267B2 (en) 2004-07-20 2012-11-13 Time Warner Cable Inc. Technique for securely communicating programming content
US8520850B2 (en) 2006-10-20 2013-08-27 Time Warner Cable Enterprises Llc Downloadable security and protection methods and apparatus
US8732854B2 (en) 2006-11-01 2014-05-20 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for premises content distribution
US8621540B2 (en) 2007-01-24 2013-12-31 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for provisioning in a download-enabled system
US9866609B2 (en) 2009-06-08 2018-01-09 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for premises content distribution
US9602864B2 (en) 2009-06-08 2017-03-21 Time Warner Cable Enterprises Llc Media bridge apparatus and methods
US9906838B2 (en) 2010-07-12 2018-02-27 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for content delivery and message exchange across multiple content delivery networks
US9565472B2 (en) 2012-12-10 2017-02-07 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for content transfer protection
US20140282786A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for providing and uploading content to personalized network storage
US10368255B2 (en) 2017-07-25 2019-07-30 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for client-based dynamic control of connections to co-existing radio access networks
US9066153B2 (en) 2013-03-15 2015-06-23 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for multicast delivery of content in a content delivery network
US9313568B2 (en) 2013-07-23 2016-04-12 Chicago Custom Acoustics, Inc. Custom earphone with dome in the canal
US9621940B2 (en) 2014-05-29 2017-04-11 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for recording, accessing, and delivering packetized content
US11540148B2 (en) 2014-06-11 2022-12-27 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for access point location
US9935833B2 (en) 2014-11-05 2018-04-03 Time Warner Cable Enterprises Llc Methods and apparatus for determining an optimized wireless interface installation configuration
JP6594433B2 (ja) * 2015-08-31 2019-10-23 株式会社日立製作所 計算機システム及びシステム制御方法
US9986578B2 (en) 2015-12-04 2018-05-29 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for selective data network access
US9918345B2 (en) 2016-01-20 2018-03-13 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and method for wireless network services in moving vehicles
US10492034B2 (en) 2016-03-07 2019-11-26 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for dynamic open-access networks
US10164858B2 (en) 2016-06-15 2018-12-25 Time Warner Cable Enterprises Llc Apparatus and methods for monitoring and diagnosing a wireless network
US10645547B2 (en) 2017-06-02 2020-05-05 Charter Communications Operating, Llc Apparatus and methods for providing wireless service in a venue
US10638361B2 (en) 2017-06-06 2020-04-28 Charter Communications Operating, Llc Methods and apparatus for dynamic control of connections to co-existing radio access networks

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003248508A (ja) 2003-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4185970B2 (ja) ヴァーチャルファブ向け生産スケジュール生成方法
Kingsman Modelling input–output workload control for dynamic capacity planning in production planning systems
Leng et al. Lead-time reduction in a two-level supply chain: Non-cooperative equilibria vs. coordination with a profit-sharing contract
JP4737735B2 (ja) 多品目多工程ロットサイズスケジューリング方法
Samaranayake et al. Aircraft maintenance planning and scheduling: an integrated framework
Sanderson et al. The challenges of supply strategy selection in a project environment: evidence from UK naval shipbuilding
Bertrand Supply chain design: flexibility considerations
WO2001040886A1 (fr) Systeme de programmation de la production
Masoud et al. Integrated cost optimization in a two-stage, automotive supply chain
EP1097426A1 (en) Computer-implemented value management tool for an asset intensive manufacturer
Li et al. Reinforcement learning for joint pricing, lead-time and scheduling decisions in make-to-order systems
JP7486507B2 (ja) インベントリの管理および最適化のための強化学習システムおよび強化学習方法
Hu et al. Lead-time hedging and coordination between manufacturing and sales departments using Nash and Stackelberg games
Muller Value-based portfolio optimization for software product lines
JP4887846B2 (ja) 出荷計画システム
Bhatnagar et al. The joint transshipment and production control policies for multi-location production/inventory systems
EP2610696A1 (en) Process design/production planning device
Taheri-Bavil-Oliaei et al. Bi-objective build-to-order supply chain network design under uncertainty and time-dependent demand: An automobile case study
Boschian et al. Contribution of simulation to the optimization of maintenance strategies for a randomly failing production system
Kaynov et al. Deep reinforcement learning for one-warehouse multi-retailer inventory management
JP2003085344A (ja) 経営改革のための対策案立案支援方法およびそのためのシステム
Chinchuluun et al. Game theory models and their applications in inventory management and supply chain
Behin et al. Optimization of supply chain planning with considering defective rates of products in each echelon
Jin et al. A new framework for MRP systems to be effective in engineered-to-order environments
JP5499113B2 (ja) 生産計画調整支援装置、生産計画調整支援方法、および生産計画調整支援プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080808

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110919

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120919

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130919

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees