JP4185336B2 - 無機繊維用水系バインダー及び無機繊維断熱吸音材 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、例えば、住宅、防音壁などの断熱材や吸音材に使用される無機繊維用のバインダーに関し、更に詳しくは、長期間にわたり優れた撥水性を付与する無機繊維用水系バインダー及びこれを用いた無機繊維断熱吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、無機繊維の集合体は高い空隙率を有し、更にその単繊維によって微細な空隙に区切られ、この集合体に含まれる空気を動き難くさせるので、住宅、建物、防音壁、クーリングタワーや屋外設置機器などに、断熱材又は吸音材として広く使用されている。
【0003】
しかし、雨水や結露などによる水が、無機繊維の集合体に吸収されると、断熱や吸音の性能が著しく低下するばかりでなく、カビの発生や無機繊維の集合体と接触する金属部品などの腐食を招く原因となる。したがって、水と接触する可能性のある無機繊維の集合体においては、吸水性が低く、撥水性の高いものが要求されている。
【0004】
これらの要求に対して、例えば、無機繊維の撥水性を向上させる処理剤として各種オルガノポリシロキサン類を用いることが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、金属石鹸を有効成分として含有する断熱材用ガラス繊維の疎水化処理樹脂組成物が開示されている(特許文献2参照)。
【0006】
また、グラスウール成形材に高い撥水性を付与できる、鉱油及び/又は合成油に高級脂肪酸のアミン塩を配合する飛散防止剤が開示されている(特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特許第2863585号公報
【特許文献2】
特開平5−330861号公報
【特許文献3】
特開平7−10611号公報
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、上記の従来技術のうち、特許第2863585号公報に開示されているオルガノポリシロキサン類は、室温下で液体であるため、時間の経過と共に無機繊維表面から一部分が流失して撥水性が徐々に損なわれる場合がある。また、オルガノポリシロキサン類は、無機繊維断熱吸音材の表面のべたつきの原因となり、これによって、無機繊維断熱吸音材の接触する木材の汚染や変色を引き起こしたり、施工時の作業性を損なう場合があり、またコスト的にも高価となるので好ましくない。
【0009】
また、撥水剤としてオルガノポリシロキサン類や金属石鹸を用いる場合、いずれも疎水性であるため、水系のバインダーに均一に混合するためには、あらかじめ界面活性剤などを用いて乳化して水分散系のものにする必要がある。そのため、バインダー中に、疎水性の高い撥水剤成分と親水性の界面活性剤が共存する形になっているが、フッ素化合物に比べて撥水性が劣るオルガノポリシロキサン類あるいは金属石鹸などは、界面活性剤によって撥水剤成分の撥水効果を損なう場合がある。また、逆に界面活性剤量が少なすぎると、水系のバインダー中の撥水剤の安定性が悪くなり、水系のバインダーへの混和性が劣り、所望とする撥水性能が得られない場合がある。
【0010】
また、特開平7−10611号公報に開示されているような飛散防止剤を添加したバインダーでは、飛散防止の効果は得られるが、充分な撥水性が得られない場合がある。
【0011】
一方で、上記問題点を解消する方法として、無機繊維断熱吸音材の形成後に、水系以外の無機繊維用バインダーを塗布する方法が考えられる。しかし、この方法では嵩高い無機繊維断熱吸音材に均一にバインダーを塗布することは難しく、また、無機繊維断熱吸音材の中心部までにバインダーを塗布するには必要以上の量のバインダーを必要とするため、経済性の点からも好ましくない。
【0012】
したがって、本発明の目的は、長期間にわたって優れた撥水性を付与することができ、しかも水系でありながら安定性が優れた無機繊維用バインダー及びこれを用いた無機繊維断熱吸音材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の無機繊維用水系バインダーは、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、炭素数が10〜30の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸より選択される少なくとも一種の脂肪酸(以下、特段の説明のない場合は、「脂肪酸」と略称する)を融点以上に加熱して、アンモニア水及び/又はアミンの水溶液を添加して得られる前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液とを含有することを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、撥水性を発現する前記脂肪酸が、アンモニウム塩及び/又はアミン塩の形で存在するために親水性が強くなり、水系バインダーに混合する際にも界面活性剤を使用する必要がなく、安定性のよいバインダーが得られる。なお、水系には、水を溶媒とする水溶液と、水を分散媒とする水分散液とが含まれるものとする。
【0015】
また、このバインダーを無機繊維に付与して加熱硬化させる際に、バインダーの主成分であるアルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と前記脂肪酸の一部がエステル化反応を起こすので、前記熱硬化性樹脂と前記脂肪酸と無機繊維との固着が良好になされる。一方、加熱硬化の際に、前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩に含まれるアンモニウムイオン及び/又はアミン類は大部分が揮発するので、硬化後のバインダー中に残存する割合が低く、無機繊維の撥水性能を損なうことはない。
【0016】
本発明の無機繊維用水系バインダーにおいては、前記アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液とが、固形分換算で前記アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液が0.1〜10質量部となるように含有することが好ましい。
【0017】
アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体に対する脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の量比を上記の好ましい範囲にすることにより、無機繊維断熱吸音材に充分な撥水性を付与することができ、しかもバインダーの安定性を損うことがない。
【0018】
また、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、前記脂肪酸のアンモニウム塩の水溶液あるいは水分散液とを含有することが好ましい。これは、硬化後のバインダー中にアンモニウムイオンが残存した場合に、脂肪酸が同じであればアミン類が残存した場合よりも無機繊維断熱吸音材の撥水性を損なうことがないためである。
【0019】
更に、前記無機繊維用バインダーがシランカップリング剤を含有することが好ましい。これによれば、バインダーと無機繊維の接着性を高めるとともに、無機繊維断熱吸音材の撥水効果の経時劣化を防止することができる。
【0020】
一方、本発明の無機繊維断熱吸音材は、前記無機繊維用水系バインダーを、繊維化直後の無機繊維に付与し、前記バインダーが付着した無機繊維を集綿した後、加熱硬化させて成形して得られたものであることを特徴とする。
【0021】
上記発明によれば、無機繊維表面のべたつきがなく、長期にわたって良好な撥水性を維持することができる無機繊維断熱吸音材が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0023】
本発明の無機繊維用水系バインダーは、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、炭素数が10〜30の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸から選ばれる少なくとも一種の脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩とを含有する。
【0024】
まず、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体について説明する。
本発明において使用するアルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体としては、レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂の各々の前駆体が挙げられる。この場合、前駆体は単独で使用してもよく、2種以上を組み合せて使用してもよい。
【0025】
ここで、本発明において前駆体とは、加熱による反応でレゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂を各々生成する、もととなる化合物を意味する。この場合、各々の樹脂の前駆体中に含まれる単量体、二量体などの比率、あるいは単量体当たりのメチロール基の付加数は特に限定されない。
【0026】
アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体は、高粘度の液体あるいは固体であるため、無機繊維に付与するためには、水や有機溶剤などの媒体が必要となる。一般的な無機繊維断熱吸音材の製造プロセスでは、繊維用無機原料を熔融し遠心法などで繊維化した直後の、200℃以上の雰囲気下でバインダーを付与することが多いので、有機溶剤などの可燃性の溶媒を含むことは、火災などを招く恐れがある。そのため、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体は、水に溶解又は分散したものであることが好ましい。
【0027】
次に、炭素数が10〜30の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸から選ばれる少なくとも一種の脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩について説明する。
【0028】
本発明において、炭素数が10〜30の飽和脂肪酸としては、例えば、デカン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸などが挙げられる。また、炭素数が10〜30の不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などが挙げられる。上記の脂肪酸を単独で用いてもよく、2種類以上の脂肪酸を併用してもよい。
【0029】
脂肪酸の炭素数が10未満の場合、飽和脂肪酸では、常温で液体となるので、無機繊維断熱吸音材からの流失が生じて撥水性の経時劣化が起こり易く、また、無機繊維断熱吸音材のべたつきの原因となり、施工などの作業性を損なう場合があるので好ましくない。
【0030】
また、炭素数が10未満の不飽和脂肪酸の場合には、バインダーを加熱硬化させる際に、前記不飽和脂肪酸中の不飽和結合同士が反応して固化するので、上述の飽和脂肪酸のようなべたつきの問題を生じることはない。しかしながら、炭素数10未満になると、前記不飽和脂肪酸中の疎水性の直鎖構造部分が短くなり、相対的に単位重量当たりのカルボキシル基の数が多くなり、前記不飽和脂肪酸がアンモニウムイオン及び/又はアミン類を捕捉する力が高くなる。その結果、バインダー硬化後も、脂肪酸アンモニウム塩及び/又は脂肪酸アミン塩の形で残存して、得られる無機繊維断熱吸音材の撥水性を損なう場合があるので好ましくない。
【0031】
一方、脂肪酸の炭素数が30を超えると、脂肪酸のカルボキシル基がアンモニア及び/又はアミンで中和して、それらの塩としても水への溶解もしくは分散が難しくなり、安定した水系のバインダーが得られず、また、得られる無機繊維断熱吸音材の撥水性が充分に発現しない場合があるので好ましくない。
【0032】
本発明の無機繊維用水系バインダーで使用する、脂肪酸のアンモニウム塩は、脂肪酸とアンモニアとを中和反応させることにより得る事ができる。同様に脂肪酸のアミン塩は、脂肪酸とアミンとの中和反応により得ることができる。
【0033】
前記アンモニアとしては、アンモニア水が挙げられる。また、前記アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、プロピルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、2−エチルヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−エトキシプロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリ−n−オクチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、N,N’−ジエチルエタノールアミン、N,N’−ジメチルエタノールアミン、N,N’−ジブチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
【0034】
上記のうち、無機繊維用水系バインダーを加熱硬化させて無機繊維断熱吸音材を得る際に、硬化後のバインダー中に残存しても無機繊維断熱吸音材の撥水性を損なわない脂肪酸のアンモニウム塩を用いることがより好ましい。
【0035】
本発明の無機繊維用水系バインダーに用いる脂肪酸のアンモニウム塩の水溶液あるいは水分散液は、脂肪酸を融点以上に加熱して、撹拌しながらアンモニア水を徐々に添加して、水に溶解もしくは分散させることにより得ることができる。同様の方法により脂肪酸のアミン塩は、アミンの水溶液を用いることにより得ることができる。また、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体を含む水系バインダーに、所定量のアンモニア水及び/又はアミンを添加しておき、後から前記脂肪酸を添加してもよい。
【0036】
この場合、上記アンモニア水及び/又はアミンの添加量は、脂肪酸のカルボキシル基1当量に対して、0.7〜1.2当量の割合で添加することが好ましい。また、前記脂肪酸中のカルボキシル基の全てが、アンモニア水及び/又はアミンと反応していなくてもよい。ここで、脂肪酸を加熱する際に、反応時の温度が100℃以上になる場合には、脂肪酸を中和させるアンモニア水及び/又はアミンが揮発しやすいので、加圧した状態で水に溶解もしくは分散させることが好ましい。
【0037】
本発明の無機繊維用水系バインダーにおいては、脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩を、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部、特に好ましくは2〜4質量部を含有する。
【0038】
脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の含有量が、0.1質量部未満であると、得られる無機繊維断熱吸音材に充分な撥水性を付与することができない。また、脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の含有量が10質量部を超えても、含有量の増加に比例して撥水性が向上せず不経済であるので好ましくない。
【0039】
また、本発明の無機繊維用水系バインダーにおいては、バインダーと無機繊維の接着性を高めるため、バインダー中にシランカップリング剤を添加することが好ましい。
【0040】
ここで使用するシランカップリング剤の官能基の数や種類、構造などは特に限定されないが、バインダーの主成分であるアルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体との反応性あるいは相溶性の良さから、アミノシランカップリング剤又はエポキシシランカップリング剤を使用するのが好ましい。アミノシランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、エポキシシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0041】
シランカップリング剤の使用量は、アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、0.01〜0.5質量部の範囲にあることが好ましい。シランカップリング剤の使用量が0.01質量部未満であると、無機繊維とバインダーとの接着性を高める効果が劣り、得られる断熱吸音材が、例えば60℃以上の高温や高温高湿の環境に曝された場合に、撥水効果が経時的に低下する場合があり、好ましくない。また、シランカップリング剤の使用量が0.5質量部を超えても、使用量に比例して無機繊維とバインダー間の接着性が向上せず、また、撥水効果の経時劣化の防止効果も向上せず不経済であるので好ましくない。
【0042】
本発明の無機繊維用水系バインダーには、必要に応じて、防塵剤、硬化促進剤、難燃剤、着色剤などを添加してもよい。硬化促進剤としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。防塵剤は、鉱油や合成油などが主成分であり、無機繊維の飛散防止として主に使われている。
【0043】
上記の無機繊維用水系バインダーは、固形分量が5〜30質量%となるように、水を主成分とした溶媒で希釈することが好ましい。この際、ディゾルバーなどの撹拌機のついたタンクを用いて調合することにより、本発明の無機繊維用水系バインダーを得ることができる。
【0044】
次に、上記の無機繊維用水系バインダーを用いて得られる、本発明の無機繊維断熱吸音材について説明する。
【0045】
本発明の無機繊維断熱吸音材の製造に際しては、まず、熔融した無機質原料を繊維化装置で繊維化し、その直後に上記の無機繊維用水系バインダーを無機繊維に付与する。次いで、無機繊維用水系バインダーが付与された無機繊維をコンベアベルト上に集綿して嵩高い無機繊維断熱吸音材用中間体を形成し、所望とする厚さになるように間隔を設けた上下一対のベルトコンベアなどに送り込んで狭圧しつつ加熱し、無機繊維用水系バインダーを硬化させて無機繊維断熱吸音材を形成する。次いで、必要に応じて表皮材等を被覆させて、無機繊維断熱吸音材を所望とする幅、長さに切断して製品が得られる。以下、各工程について説明する。
【0046】
まず、本発明に用いられる無機繊維は特に限定されず、通常の断熱吸音材に使用されているグラスウール、ロックウールなどを用いることができる。無機繊維の繊維化方法は、火焔法、吹き飛ばし法、遠心法(ロータリー法とも言う)などの各種方法を用いることができる。特に無機繊維がグラスウールの場合は、遠心法を用いるのがよい。なお、目的とする無機繊維断熱吸音材の密度は、通常の断熱材や吸音材に使用されている密度でよく、好ましくは5〜300kg/m3の範囲である。
【0047】
次に、無機繊維にバインダーを付与するには、スプレー装置などを用いて塗布、噴霧することができる。無機繊維用バインダーの付与量の調節は、従来の撥水剤を含まないバインダーと同様の方法で調整することができる。バインダーの付与量は、無機繊維断熱吸音材の密度や用途によって異なるが、バインダーを付与した無機繊維断熱吸音材の質量を基準として、固形分量で0.5〜15質量%の範囲が好ましく、0.5〜9質量%の範囲がより好ましい。無機繊維断熱吸音材にバインダーを付与するタイミングは、繊維化後であればいつでも良いが、効率的に付与させるために繊維化直後に付与した方が好ましい。
【0048】
上記工程によってバインダーが付与された無機繊維は、有孔コンベア上に集綿され、嵩高い無機繊維中間体を形成する。ここでコンベア上に集綿する時に、無機繊維が集綿されるコンベアの反対側から吸引装置により吸引することが、より好ましい。その後、コンベア上を連続的に移動する前記無機繊維中間体を、所望とする厚さになるように間隔を設けた上下一対のベルトコンベアなどに送り込むと同時に、加熱した熱風によりバインダーに含有される前記熱硬化性樹脂前駆体を硬化させて、無機繊維断熱吸音材をマット状に成形した後、所望の幅、長さに切断する。
【0049】
バインダーに含有される前記熱硬化性樹脂前駆体を硬化させる温度は、特に限定しないが、従来の撥水剤を含まないバインダーと同様にすることが可能で200〜350℃でよい。また、加熱時間は、無機繊維断熱吸音材の密度、厚さにより、30秒〜10分の間で適宜行われる。
【0050】
本発明の無機繊維断熱吸音材は、そのままの形態で用いてもよく、また、表皮材で被覆して用いてもよい。表皮材としては、紙、合成樹脂フィルム、金属箔フィルム、不織布、織布あるいはこれらを組み合せたものを用いることができる。この際、表皮材は吸水率が低く、撥水性を有する材料を用いることが好ましい。
【0051】
このように、本発明により得られる無機繊維用水系バインダーは、界面活性剤を使用せずに安定性よく、しかも、充分な撥水性を無機繊維断熱吸音材に付与することができる。
【0052】
また、この無機繊維用水系バインダーを用いて得られた本発明の無機繊維断熱吸音材は、雨水や結露水に曝されても、前記断熱吸音材中に水分が溜まっていないので、断熱や吸音の性能が長期間にわたって低下せず、カビの発生や接触する金属部分の腐食や木材の腐朽の問題を解決することができる。
【0053】
更に、無機繊維断熱吸音材の製造工程、加工工程又は施工現場において、無機繊維用バインダー中の脂肪酸が、無機繊維の各単繊維を被覆し、繊維を折れ難くしたり、折れた繊維が脱落しないように固着させるので、無機繊維の飛散を抑制することができる。また、無機繊維断熱吸音材とコンベアとの接触面に存在する脂肪酸の疎水性部分が、無機繊維断熱吸音材のコンベアに対する離型性を向上させるので、製造工程中のトラブルも減少する。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。なお、以下の説明において、部、%は、特にことわりの無い場合は質量基準を表す。
[脂肪酸アンモニウム塩、脂肪酸アミン塩の調合]
調合1
水100部にステアリン酸60部を添加し、撹拌しながらステアリン酸の融点である72℃まで加熱して、ステアリン酸を完全に熔融させた。この状態では、ステアリン酸は油滴として水中に存在している。次に、10%アンモニア水73.9部と水100部との混合物を、上記熔融したステアリン酸/水混合物に撹拌しながら滴下して、固形分20%のステアリン酸アンモニウムの水分散液を得た。
【0055】
調合2
45℃に加熱して、熔融させたラウリン酸60部を撹拌しながら、10%アンモニア水115.5部と水150部との混合物を滴下して、固形分22%のラウリン酸アンモニウムの水分散液を得た。
【0056】
調合3
室温下で、オレイン酸60部を撹拌しながら、10%アンモニア水74.5部と水200部との混合物を滴下して、固形分20.2%のオレイン酸アンモニウムの水溶液を得た。
【0057】
調合4
モンタン酸60部を融点以上の90℃まで加熱して熔融させた。熔融したモンタン酸を撹拌しながら、N,N’−ジメチルエタノールアミン12.2部を添加した。混合終了後、攪拌しながら水200部を滴下して、固形分26.5%のモンタン酸アミン塩の水分散液を得た。
【0058】
調合5
ステアリン酸60部を融点以上の72℃まで加熱して熔融させた後、撹拌しながら、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー3部を添加した。混合終了後、攪拌しながら水200部を滴下して、固形分24%のステアリン酸の水分散液を得た。
【0059】
調合6
ステアリン酸亜鉛60部を融点以上の130℃まで加熱して熔融した後、撹拌しながら、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン5部を添加した。混合終了後、攪拌しながら水200部を滴下して、固形分22.6%のステアリン酸亜鉛の水分散液を得た。
【0060】
実施例1
[無機繊維用バインダーの調合]
水に分散された、単量体10%以下、二量体80%以上、遊離フェノール1%以下のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部に対して、調合1で得られたステアリン酸アンモニウムの水分散液を固形分換算で3部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えて無機繊維用バインダーを得た。
【0061】
[無機繊維断熱吸音材の製造]
遠心法により繊維化したガラス繊維に、前記バインダーを用いて所定の付与量になるようにスプレーで塗布した後、吸引装置で吸引しながら有孔コンベア上に集綿して、無機繊維断熱吸音材の中間体を形成させた。前記中間体を280℃の熱風中で3分間加熱して、バインダーを硬化させ、密度35kg/m3、厚み50mm、バインダー付与量8.0%である、実施例1の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0062】
実施例2〜4
調合2〜4で得られた脂肪酸塩の水分散液又は水溶液を用いる以外は、実施例1と同様のバインダー調合方法及び製造方法により、それぞれ実施例2〜4の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0063】
実施例5
フラン樹脂前駆体を固形分換算で50部、尿素樹脂前駆体を固形分換算で50部、調合4で得られたモンタン酸アミン塩を固形分換算で0.1部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン0.1部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えて無機繊維用バインダーを得た。
【0064】
次に、前記の無機繊維用バインダーを用いて、300℃の熱風中でバインダーを硬化させる以外は実施例1と同様の製造方法にて、実施例5の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0065】
実施例6
実施例1で使用した水分散系のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部、調合1で得られたステアリン酸アンモニウムの水分散液を固形分換算で9.0部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えて無機繊維用バインダーを得た。
【0066】
次に、前記の無機繊維用バインダーを用いる以外は実施例1と同様の製造方法にて、実施例6の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0067】
実施例7
ステアリン酸アンモニウムの水分散液を固形分換算で12.0部にした以外は実施例6と同様の調合方法及び製造方法により、実施例7の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0068】
実施例8
実施例6の無機繊維用バインダーを用いて、実施例1と同様の製造方法により、密度16kg/m3、厚さ100mm、バインダー付与量4.0%の条件で実施例8の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0069】
実施例9
実施例7の無機繊維用バインダーを用いて、実施例1と同様の製造方法により、密度16kg/m3、厚さ100mm、バインダー付与量4.0%の条件で実施例9の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0070】
比較例1
実施例1で使用した水分散系のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部と、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えて撥水剤を含まないバインダーを得た。
【0071】
更に、このバインダーを用い、実施例1と同様の製造方法にて、比較例1の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0072】
比較例2
実施例1で使用した水分散系のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部と、調合5で得られたステアリン酸の水分散液を固形分換算で5部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えてバインダーを得た。
【0073】
更に、このバインダーを用い、実施例1と同様の製造方法にて、比較例2の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0074】
比較例3
フラン樹脂前駆体を固形分換算で50部、尿素樹脂前駆体を固形分換算で50部、ステアリン酸ポリオキシエチレングリコールエステル3部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン0.1部、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えてバインダーを得た。
【0075】
更に、このバインダーを用い、300℃の熱風中で硬化させる以外は実施例1と同様の製造方法にて、比較例3の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0076】
比較例4
実施例1で使用した水分散系のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部と、分子量約10000のポリアクリル酸アンモニウム水溶液を固形分換算で5部と、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分攪拌しながら固形分が15%になるように水を加えてバインダーを得た。
【0077】
更に、このバインダーを用い、実施例1と同様の製造方法にて、比較例4の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを成形した。
【0078】
比較例5
実施例1で使用した水分散系のレゾール型フェノール樹脂前駆体を固形分換算で100部と、調合6で得られたステアリン酸亜鉛の水分散液を固形分換算で5部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン0.1部と、水450部とを、ディゾルバーの付いたオープンタンクで調合し、充分撹拌しながら固形分15%になるように水を加えてバインダーを得た。
【0079】
更に、このバインダーを用い、実施例1と同様の製造方法にて、比較例5の無機繊維断熱吸音材となるグラスウールを得た。
【0080】
実施例1〜9、比較例1〜5で用いた全てのバインダーは、いずれも安定性が良好であった。また、実施例で用いた脂肪酸アンモニウム塩及びアミン塩については水系バインダーに均一に混合することができ、他のバインダー成分との相溶性も良好であった。
【0081】
試験例
[撥水性の評価]
実施例1〜9、及び比較例1〜5で得られたグラスウールより、50×100×100mm角の試験片を切り出し、試験片の寸法測定及び秤量した後、水面下50mmの水温25℃の水中に浸漬した。浸漬開始24時間後に試験片を取り出し、室温25℃で10分間金網の上に放置した後、試験片を秤量した。
【0082】
浸漬後の増量分を試験片の体積に対して、百分率で表し、これを体積吸水率とした。更に、体積吸水率を計算した前記試験片を金網上に放置し、6時間後の水の含有量を試験片の体積に対して、百分率で表し、体積含水率とした。すべての評価結果をまとめて表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
表1より、実施例1〜9の試験片は、比較例1〜5の試験片と比較して、体積吸水率が低く、浸漬から取り出した6時間後の体積含水率も低いことがわかる。これは、実施例で使用した各種の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸により、グラスウールの撥水性能が向上したことを示している。
【0085】
また、実施例6と実施例7の比較より、脂肪酸を前記好ましい範囲を超える量で添加しても、撥水性能の大きな向上は見られないことがわかる。
【0086】
一方、撥水剤を含まない比較例1、実施例5のモンタン酸アミン塩の代わりにステアリン酸ポリオキシエチレングリコールエステルを使用した比較例3、実施例1のステアリン酸アンモニウム水分散液の代わりに分子量約10000のポリアクリル酸アンモニウム水溶液を使用した比較例4においては、いずれも体積吸水率、6時間後の体積含水率ともに実施例に比べて大幅に劣ることがわかる。
【0087】
また、実施例1のステアリン酸アンモニウム水分散液の代わりに界面活性剤であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーを用いてステアリン酸を分散させた比較例2、及び、実施例6のステアリン酸アンモニウム水分散液の代わりにステアリン酸亜鉛の水分散液を使用した比較例5では、体積吸水率は向上するものの、6時間後の体積含水率が劣ることがわかる。実施例の脂肪酸アンモニウム塩または脂肪酸アミン塩を使用する場合と比べて、比較例2の脂肪酸単体での使用、比較例3の脂肪酸エステルを使用する場合では、撥水性が劣ることがわかる。
【0088】
【発明の効果】
以上、本発明の無機繊維用バインダーは、水系でありながら安定性に優れており、しかも、充分な撥水性を無機繊維断熱吸音材に付与することができる。また、この無機繊維用バインダーを用いた本発明の無機繊維断熱吸音材は、雨水や結露水に曝されても、断熱、吸音性能が長期間にわたって低下せず、カビの発生や接触する金属部分の腐食や木材の腐朽の問題を解決することができ、住宅、建物、防音壁、クーリングタワーや屋外設置機器などの断熱材又は吸音材として好適に使用できる。
Claims (5)
- アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、
炭素数が10〜30の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸より選択される少なくとも一種の脂肪酸を融点以上に加熱して、アンモニア水及び/又はアミンの水溶液を添加して得られる前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液とを、
含有することを特徴とする無機繊維用水系バインダー。 - 前記アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液とが、固形分換算で前記アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体100質量部に対して、前記脂肪酸のアンモニウム塩及び/又はアミン塩の水溶液あるいは水分散液が0.1〜10質量部となるように含有する、請求項1に記載の無機繊維用水系バインダー。
- 前記アルデヒド縮合性熱硬化性樹脂前駆体と、前記脂肪酸のアンモニウム塩の水溶液あるいは水分散液とを含有する、請求項1又は2に記載の無機繊維用水系バインダー。
- 前記無機繊維用水系バインダーが更にシランカップリング剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の無機繊維用水系バインダー。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の無機繊維用水系バインダーを繊維化直後の無機繊維に付与し、前記バインダーが付着した無機繊維を集綿した後、加熱硬化させて成形して得られたものであることを特徴とする無機繊維断熱吸音材。
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