JP4184859B2 - プロテクタ用治具と治具を用いたプロテクタの取付方法 - Google Patents

プロテクタ用治具と治具を用いたプロテクタの取付方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス製造用の布線板に布線される電線にプロテクタを取り付ける際に用いられるプロテクタ用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両としての自動車は、各種の電子機器を搭載している。このため、前記自動車は、前記電子機器に各種の信号や電力などを伝送するためにワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線と、この電線に取り付けられたコネクタと、プロテクタなどの各種の外装品を備えている。電線は、被覆電線である。
【0003】
コネクタは、導電性の板金などからなる端子金具と、前記端子金具を収容するコネクタハウジングなどを備えている。端子金具は、電線の端部に取り付けられて、該電線の芯線と電気的に接続する。コネクタハウジングは、絶縁性の合成樹脂からなり箱状に形成されている。コネクタハウジングは、端子金具を収容する端子収容室を備えている。コネクタハウジングは、相手側のコネクタなどと結合可能である。
【0004】
プロテクタは、樋状のプロテクタ本体と、このプロテクタ本体とヒンジを介して連結された蓋体とを備えている。プロテクタ本体は、略平坦な底壁と、この底壁の幅方向の両縁から立設した一対の側壁とを備えている。プロテクタ本体は、内側に前記ワイヤハーネスを構成する電線を通す。
【0005】
蓋体は、一方の側壁の前記底壁から離れた側の縁にヒンジを介して連結している。蓋体は、ヒンジを中心として回転されることで、一対の側壁の底壁から離れた側の縁に取り付けられる。蓋体は、プロテクタ本体の一対の側壁間を塞ぐ。こうして、プロテクタは、プロテクタ本体と蓋体とで筒状をなし、内側に電線を通す。また、プロテクタは、周知のハーネス用テープなどにより電線と固定される。
【0006】
前述したワイヤハーネスは、電線の端部に端子金具が取り付けられて、これらの端子金具が端子収容室内に挿入され、コネクタが相手側のコネクタなどに結合して組み立てられる。ワイヤハーネスは、前記自動車などに配索されて、各種の電子機器に所定の信号や電力を伝える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したワイヤハーネスを組み立てる際には、表面が平坦な布線板にコネクタやプロテクタなどの外装品を置いていく。その後、電線を布線板上に布線する。このとき、これらの電線、コネクタやプロテクタは、ワイヤハーネスが配索されるパターンどおりに布線板上に位置決めされる。
【0008】
このように、布線板上にプロテクタを位置決めした後に電線を布線して、ワイヤハーネスを組み立てる。このため、布線板には、プロテクタを位置決めする治具などが取り付けられている。これらの電線、コネクタやプロテクタなどを所定の順番で組み付けて、前述したワイヤハーネスが得られる。
【0009】
前述したプロテクタは、前記蓋体が前記自動車のパネルに重ねる格好で、前記自動車に取り付けられることがある。前述した治具を用いてプロテクタを布線板上に位置決めした後、電線を布線すると、布線板上では自動車に配索されるパターンどおりに電線を布線するため、ワイヤハーネスの組立後に自動車に配索する際に、前記プロテクタの近傍で電線をねじる必要が生じる。電線をねじった状態でワイヤハーネスを配索することは望ましくない。
【0010】
また、布線板上に電線を布線した後、これらの電線にプロテクタ本体を被せる格好でプロテクタを布線板に位置決めしても、前述した従来の治具が、電線を位置決めせずにプロテクタのみを位置決めするため、電線がプロテクタ本体から抜け出る虞があった。このように、前述した従来の治具では、電線にプロテクタを取り付けることができない虞があった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、プロテクタの蓋体がパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線をねじることなく配索することを可能とするとともに電線にプロテクタを確実に取り付けることができるプロテクタ用治具と治具を用いたプロテクタの取付方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のプロテクタ用治具は、ワイヤハーネス製造用の布線板に布線された電線に、該電線を保護するプロテクタを取り付ける際に用いられるプロテクタ用治具において、前記プロテクタは、表面上に電線を位置付ける底壁とこの底壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対の側壁とを備えて樋状に形成されたプロテクタ本体と、このプロテクタ本体とヒンジを介して連結しかつプロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って並べられた複数の蓋体とを備えており、前記布線板上に設置され、かつ前記布線板上にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を位置決めするとともに、位置決めした電線を前記プロテクタ本体内に通して前記プロテクタを位置決めする電線プロテクタ位置決め手段と、電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされたプロテクタの複数の蓋体のうち少なくとも一つの蓋体が前記ヒンジを中心として回転することを許容する許容手段と、を備え、そして、前記電線プロテクタ位置決め手段は、外形が前記底壁に沿いかつ表面上に電線が置かれる載置壁と、この載置壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対のサイド壁とを備えており、前記一対のサイド壁の外面間の距離は、前記一対の側壁間の間隔より狭いとともに、さらに、前記電線プロテクタ位置決め手段を、前記プロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って間隔をあけて複数設け、前記許容手段は、前記複数の電線プロテクタ位置決め手段間の空間であることを特徴としている。
【0017】
請求項に記載の本発明の治具を用いたプロテクタの取付方法は、ワイヤハーネス製造用の布線板に布線された電線に、該電線を保護するプロテクタを取り付ける治具を用いたプロテクタの取付方法において、前記プロテクタは、表面上に電線を位置付ける底壁とこの底壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対の側壁とを備えて樋状に形成されたプロテクタ本体と、このプロテクタ本体とヒンジを介して連結しかつプロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って並べられた複数の蓋体とを備えており、前記治具は、前記布線板上に設置されかつ前記布線板上にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を位置決めするとともに位置決めした電線を前記プロテクタ本体内に通して前記プロテクタを位置決めする電線プロテクタ位置決め手段と、電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされたプロテクタの複数の蓋体のうち少なくとも一つの蓋体が前記ヒンジを中心として回転することを許容する許容手段と、を備え、そして、前記電線プロテクタ位置決め手段は、外形が前記底壁に沿いかつ表面上に電線が置かれる載置壁と、この載置壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対のサイド壁とを備え、前記一対のサイド壁の外面間の距離は、前記一対の側壁間の間隔より狭く形成されており、さらに、前記電線プロテクタ位置決め手段を、前記プロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って間隔をあけて複数設け、前記許容手段は、前記複数の電線プロテクタ位置決め手段間の空間であるとともに、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって前記電線を前記治具に位置決めした後、前記プロテクタ本体内に前記電線プロテクタ位置決め手段を収容して前記プロテクタ本体が位置決めされた電線に被さる状態で前記治具に前記プロテクタを位置決めして、プロテクタ本体を塞ぐ状態まで許容手段により回転が許容された蓋体を回転させた後、前記プロテクタと電線とを固定することを特徴としている。
【0022】
請求項1に記載した本発明のプロテクタ用治具によれば、電線プロテクタ位置決め手段は電線を位置決めする。電線プロテクタ位置決め手段は電線をプロテクタ本体内に通してプロテクタを位置決めする。このため、プロテクタ本体内から電線が抜け出ることを防止できる。
【0023】
また、電線プロテクタ位置決め手段が布線された電線を布線板上に配索されるパターンどおりに位置決めする。このため、電線とプロテクタとの相対位置を配索するパターンどおりにすることができる。したがって、ワイヤハーネスを配索する際に、プロテクタの近傍で電線がねじれることを防止できる。
【0024】
なくとも一つの蓋体がヒンジを中心として回転することを許容手段が許容する。このため、プロテクタ本体内に電線を通してプロテクタを位置決めした後、少なくとも一つの蓋体でプロテクタ本体の開口を塞ぐことができる。したがって、電線とプロテクタとの固定後に、これらが脱落することを防止できる。
【0025】
線プロテクタ位置決め手段は、電線を載置できる載置壁と、この載置壁の両縁から立設した一対のサイド壁とを備えている。このため、載置壁に載置された電線が一対のサイド壁間から抜け出ることを防止できる。したがって、電線プロテクタ位置決め手段は、電線を配索パターンにしたがって確実に位置決めできる。
【0026】
また、一対のサイド壁の外面間の距離は、一対の側壁間の間隔より狭いので、プロテクタを位置決めすると、プロテクタ本体の一対の側壁間に一対のサイド壁が位置する。則ち、プロテクタ本体内に電線プロテクタ位置決め手段が位置付けられる(収容される)。したがって、プロテクタと電線プロテクタ位置決め手段との間から電線が抜け出ることを確実に防止でき、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を確実に位置決めできる。
【0027】
線プロテクタ位置決め手段を複数設け、これら電線プロテクタ位置決め手段間の空間が許容手段をなしている。このため、少なくとも一つの蓋体を確実に回転できる。
【0028】
電線プロテクタ位置決め手段は、一対設けられるのが望ましい。このとき、一対の電線プロテクタ位置決め手段は、プロテクタ本体の長手方向の両端部に対応する位置に配されるのが望ましい。さらに、許容手段は、プロテクタ本体の長手方向の中央部に対応する位置に配されるのが望ましい。
【0029】
請求項に記載した本発明の治具を用いたプロテクタの取付方法によれば、電線プロテクタ位置決め手段で電線を位置決めした後、電線にプロテクタ本体を被せてプロテクタを位置決めする。そして、電線とプロテクタとを固定する。このため、電線とプロテクタとの相対位置をワイヤハーネスを配索するパターンにどおりにすることができる。このため、配索する際に、プロテクタの近傍で電線がねじれることを防止できる。
【0030】
また、電線プロテクタ位置決め手段は、位置決めした電線をプロテクタ本体内に通してプロテクタを位置決めする。このため、プロテクタ本体内から電線が抜け出ることを防止できる。
【0031】
ロテクタ本体が電線に被さる状態でプロテクタを位置決めした後、少なくとも一つの蓋体でプロテクタ本体の開口を塞ぐ。したがって、プロテクタ本体を電線に被さる状態で位置決めしても、プロテクタを電線プロテクタ位置決め手段から取り外した後に、プロテクタが電線から脱落することを防止できる。
【0032】
線プロテクタ位置決め手段は、電線を載置できる載置壁と、この載置壁の両縁から立設した一対のサイド壁とを備えている。このため、載置壁に載置された電線が一対のサイド壁間から抜け出ることを防止できる。したがって、電線プロテクタ位置決め手段は、電線を配索パターンにしたがって確実に位置決めできる。
【0033】
また、一対のサイド壁の外面間の距離は、一対の側壁間の間隔より狭い。電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされた電線にプロテクタ本体を被せる際に、プロテクタ本体内に電線プロテクタ位置決め手段を収容する。このため、プロテクタ本体の一対の側壁間に一対のサイド壁が位置する。したがって、プロテクタと電線プロテクタ位置決め手段との間から電線が抜け出ることを確実に防止でき、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を確実に位置決めできる。
【0034】
線プロテクタ位置決め手段を複数設け、これら電線プロテクタ位置決め手段間の空間が許容手段をなしている。このため、少なくとも一つの蓋体を確実に回転できる。
【0035】
電線プロテクタ位置決め手段は、一対設けられるのが望ましい。このとき、一対の電線プロテクタ位置決め手段は、プロテクタ本体の長手方向の両端部に対応する位置に配されるのが望ましい。さらに、許容手段は、プロテクタ本体の長手方向の中央部に対応する位置に配されるのが望ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を、図1ないし図9を参照して説明する。図3などに示す本発明の第1の実施形態にかかるプロテクタ用治具(以下単に治具と呼ぶ)1は、図1などに示すハーネス用プロテクタ(以下単にプロテクタと呼ぶ)2を、布線板3(図3などに示す)上に位置決めするとともに、電線4を配索するパターンにしたがって位置決めする。
【0037】
布線板3は、自動車などの各種の機械などに配索されるワイヤハーネスを組み立てる際に用いられる。則ち、布線板3は、ワイヤハーネス製造用である。ワイヤハーネスは、勿論、図2などに示す電線4と、前述したプロテクタ2などの各種の外装品を備えている。電線4は、図2などに示すように、導電性の芯線5と、この芯線5を被覆する絶縁性の被覆部6とを備えている。芯線5は、複数の素線が撚り合わされて構成されている。被覆部6は、絶縁性の合成樹脂からなる。
【0038】
布線板3は、図3などに示すように、その表面3aが平坦な板状に形成されている。布線板3の表面3aには、電線4を布線するパターンなどが描かれている。前記電線4を布線するパターンは、自動車などの機械にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって描かれている。また、布線板3は、その表面3aに電線を結くことのできる結き具や、プロテクタ2などの外装品を位置決めするための治具が設置されている。これらの結き具や、各種の治具も、前述した機械などにワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって配置されている。
【0039】
前述したプロテクタ2は、合成樹脂からなり、前記自動車などの機械にワイヤハーネスが配索される際に、このワイヤハーネスを構成する電線4を保護する。プロテクタ2は、自動車などの車体などを構成する各種のパネルなどに後述の蓋体8,8aが重なる状態で取り付けられる。プロテクタ2は、図1などに示すように、樋状のプロテクタ本体7と、複数の蓋体8とを備えている。プロテクタ本体7は、略平坦でかつ帯板状の底壁9と、この底壁9の幅方向の両縁から立設した一対の側壁10とを備えている。
【0040】
底壁9の外形は、ワイヤハーネスを自動車などの機械に配索するパターンと、取り付けられるパネルなどの外形に応じて形成されている。一対の側壁10は、互いに間隔をあけて相対している。一対の側壁10は、互いに平行である。側壁10には、蓋体8の後述する係止突起13が係止する係止受け部11が複数形成されている。プロテクタ本体7は、底壁9と一対の側壁10とで囲まれる空間内に電線4を通す。本明細書に記したプロテクタ本体7内に電線4を通すとは、前述した空間内に電線4を通すことである。
【0041】
複数の蓋体8は、底壁9の長手方向に沿って並べられている。則ち、プロテクタ本体7に収容される(通される)電線4の長手方向に沿って並べられている。蓋体8は、図示例では、蓋体8は、3つ設けられている。それぞれの蓋体8は、平板状に形成されている。それぞれの蓋体8は、ヒンジ12を介してプロテクタ本体7に連結している。ヒンジ12は、蓋体8の厚みと、側壁10の厚みより薄く形成されており、これら蓋体8と側壁10との双方と一体に形成されている。ヒンジ12は、蓋体8の外縁8bと、一方の側壁10の底壁9から離れた側の縁部10aとを連結している。ヒンジ12は弾性変形自在となっている。
【0042】
蓋体8は、ヒンジ12を中心として、図1中の一点鎖線に沿って、プロテクタ本体7に対し回転自在となっている。また、蓋体8には、前記係止受け部11に係止する係止突起13が複数形成されている。係止突起13は、蓋体8の外縁8bに設けられている。
【0043】
前述した構成のプロテクタ2は、以下のように、電線3則ちワイヤハーネスに取り付けられる。ます、プロテクタ2は、前記ヒンジ12が弾性変形せずに係止突起13が係止受け部11に係止していない状態で、プロテクタ本体7内に電線4を通す。そして、ヒンジ12の弾性復元力に抗して、係止突起13が係止受け部11に近づく方向に、ヒンジ12を中心として図1中の一点鎖線に沿って蓋体8を回転させる。係止突起13を係止受け部11に係止させる。
【0044】
そして、図2に示すように、プロテクタ2は、蓋体8でプロテクタ本体7の側壁10間を塞いで、プロテクタ本体7と蓋体8の内側に電線4を通す。その後、プロテクタ2は、図2などに示すように、底壁9則ちプロテクタ本体7などと電線4の周りにハーネス用テープ(粘着テープともいい、以下単にテープと呼ぶ)14が巻かれて、電線4などと固定される。こうして、プロテクタ2は、ワイヤハーネスを構成する電線4などに取り付けられる。
【0045】
治具1は、図3ないし図5に示すように、位置決め部15を複数備えている。位置決め部15は、互いの間に電線4とプロテクタ2などを掛け渡して、これらの電線4とプロテクタ2との双方を布線板3上に位置決めする。位置決め部15は、布線板3上に電線4を布線するパターン則ち自動車などの機械にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線4を位置決めする。さらに、位置決め部15は、プロテクタ2を位置決めする。
【0046】
位置決め部15は、図示例では、一対設けられている。これら一対の位置決め部15は、互いの間に掛け渡す電線4の長手方向に沿って、互いに間隔をあけて配されている。このため、位置決め部15は、プロテクタ本体7の両端部9a,9bに対応する位置に配されている。位置決め部15は、本明細書に記した電線プロテクタ位置決め手段をなしている。
【0047】
図3中手前側に位置する一方の位置決め部15(以下符号15aで示す)は、一対の支柱16と、載置壁17と、一対のサイド壁18とを備えている。支柱16は、布線板3から鉛直方向に沿って上方に立設している。載置壁17は、略平坦な平板状に形成されている。載置壁17は、支柱16の上端(一端)に取り付けられている。載置壁17の外形は、プロテクタ2の底壁9の一部(図1中手前側の一端部9a)の外形に沿っている。一端部9aは、プロテクタ本体7の一端部をなしている。載置壁17の外形は、布線板3上に電線4を布線するパターン則ちワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって形成されている。載置壁17の幅は、底壁9の幅より若干小さい。載置壁17上には、電線4が置かれる。
【0048】
サイド壁18は、載置壁17の幅方向の両縁から上方に立設している。なお、本明細書に記した幅方向とは、電線の長手方向に直交する方向である。サイド壁18は、互いに間隔をあけて相対している。サイド壁18は、互いに平行である。一対のサイド壁18の外面18a間の距離L(図3などに示す)は、プロテクタ2の一対の側壁10間の間隔D(図1などに示す)より小さい。
【0049】
図3中奥側の位置する他方の位置決め部15(以下符号15bで示す)は、前述した一方の位置決め部15aと構成が略等しいので、同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。他方の位置決め部15bの載置壁17の外形は、プロテクタ2の底壁9の図1中奥側に位置する他端部9bの外形に沿っている。他端部9bは、プロテクタ本体7の他端部をなしている。
【0050】
前述した一対の位置決め部15a,15bは、載置壁17上に置かれる電線4則ちプロテクタ本体7内に通される電線4の長手方向に沿って間隔をあけて配されている。位置決め部15a,15bは、載置壁17が底壁9と間隔をあけて相対しかつサイド壁18の外側に側壁10が位置する状態で、プロテクタ2を位置決めする。治具1は、位置決め部15a,15bにプロテクタ本体7が被さる状態で、プロテクタ2を位置決めする。このとき、位置決め部15a,15bにより位置決めされた電線4は、プロテクタ本体7内を通る。
【0051】
また、一対の位置決め部15a,15bは、プロテクタ2のプロテクタ本体7の両端部9a,9bに対応する位置に配されている。また、一対の位置決め部15a,15b間の空間19は、本明細書に記した許容手段をなしている。前記空間19により、位置決め部15a,15bに被さる状態でプロテクタ本体7が位置決めされたプロテクタ2の蓋体8のうち図1中中央に位置する蓋体8(以下符号8aで示す)は、ヒンジ12を中心として回転することが許容される。こうして、許容手段としての空間19は、複数の蓋体8のうち少なくとも一つがヒンジ12を中心として回転することを許容する。
【0052】
前述した治具1を用いて、電線4にプロテクタ2を取り付ける際には、まず、図6に示すように、一対の位置決め部15a,15b間に電線4を掛け渡す。このとき、電線4を載置壁17上でかつ一対のサイド壁18間に位置付ける。こうして、治具1の位置決め部15a,15bは、電線4を位置決めする。その後、図7に示すように、一対の位置決め部15a,15bにプロテクタ本体7を相対させる。そして、図8に示すように、一対の位置決め部15a,15bにプロテクタ本体7を被せる。こうして、プロテクタ本体7が被さる状態で、一対の位置決め部15a,15bは、プロテクタ2を位置決めする。すると、位置決め部15a,15bにより位置決めされた電線4は、プロテクタ本体7内に通される。
【0053】
このとき、一対の側壁10間に一対のサイド壁18が位置しかつ底壁9が載置壁17に間隔をあけて相対している。また、一対の位置決め部15a,15b間にプロテクタ本体7が掛け渡された状態となっているとともに、一対の位置決め部15a,15b上にプロテクタ本体7の長手方向の両端部9a,9bが位置している。こうして、位置決め部15a,15bは、プロテクタ2のプロテクタ本体7との間に電線4を位置付ける。
【0054】
その後、許容手段としての前述した空間19により回転が許容された蓋体8aを、ヒンジ12を中心として、係止受け部11に係止突起13が近づく方向に回転させる。そして、図9に示すように、係止受け部11に係止突起13を係止させて、中央に位置する蓋体8aは、一対の側壁10間を塞ぐ。
【0055】
その後、プロテクタ本体7と電線4などにテープ14を巻いて、プロテクタ2と電線4を固定する。そして、一対の位置決め部15a,15bからプロテクタ2を電線4とともに取り外す。そして、プロテクタ本体7の両端部9a,9bに位置する蓋体8の係止突起13を係止受け部11に係止させて、前記蓋体8で一対の側壁10間を塞ぐ。こうして、プロテクタ2を電線4に取り付ける。
【0056】
本実施形態によれば、治具1は、ワイヤハーネスを配索するパターンで電線4を位置決めし、プロテクタ本体7内に電線4を通した状態でプロテクタ2を位置決めする。さらに、位置決め部15a,15bとプロテクタ2のプロテクタ本体7との間に電線4を位置付ける。このため、プロテクタ本体7内から電線4が抜け出ることを防止できる。したがって、電線4にプロテクタ2を確実に取り付けることが可能となる。
【0057】
また、位置決め部15a,15bは、布線された電線4を布線板3上に配索されるパターンどおりに位置決めする。位置決め部15a,15bは、プロテクタ本体7が布線板3上に布線された電線4に被さる状態で布線板3上にプロテクタ2を位置決めする。このため、電線4とプロテクタ2との相対位置を、配索されるパターンどおりにすることができる。このため、前述した自動車などに配索する際に、プロテクタ2の近傍で電線4がねじれることを防止できる。したがって、プロテクタ2の蓋体8,8aがパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線4をねじることなく配索することができる。
【0058】
また、許容手段としての一対の位置決め部15a,15b間に設けられた空間19により、位置決め部15a,15bにプロテクタ本体7が被さった状態で位置決めされたプロテクタ2の中央に位置する蓋体8aがヒンジ12を中心として回転できる。このため、プロテクタ本体7が電線4に被さる状態でプロテクタ2を位置決めした後、蓋体8aでプロテクタ本体7の側壁10間を塞ぐことができる。
【0059】
したがって、プロテクタ本体7を電線4に被さる状態で位置決めしして、電線4とプロテクタ2とを確実に固定できる。このため、プロテクタ2を治具1から取り外した後に、プロテクタ2が電線4などから脱落することを防止できる。したがって、電線4にプロテクタ2を確実に取り付けることができる。
【0060】
位置決め部15a,15bは、電線4を載置できる載置壁17と、この載置壁17の両縁から立設した一対のサイド壁18とを備えている。載置壁17の外形は、電線4を配索するパターンにしたがって形成されている。このため、載置壁17に載置された電線4が一対のサイド壁18間から抜け出ることを防止できる。したがって、位置決め部15a,15bは、電線4を配索するパターンにしたがって確実に位置決めできる。
【0061】
一対のサイド壁18の外面18a間の距離Lは、一対の側壁10間の間隔Dより狭い。このため、位置決め部15a,15bにより位置決めされた電線4にプロテクタ本体7を被せると、プロテクタ本体7の一対の側壁10間に一対のサイド壁18が位置する。則ち、プロテクタ本体7内に位置決め部15a,15bが位置付けられる。
【0062】
したがって、プロテクタ2と位置決め部15a,15bとの間から電線4が抜け出ることを確実に防止でき、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線4を確実に位置決めできる。したがって、電線4をねじることなく配索することが可能となり、電線4にプロテクタ2を確実に取り付けることができる。
【0063】
位置決め部15a,15bで電線4を位置決めした後、電線4にプロテクタ本体7を被せてプロテクタ2を位置決めする。そして、電線4とプロテクタ2とを固定する。このため、ワイヤハーネスを配索するパターンにどおりに、電線4とプロテクタ2との相対位置を保つことができる。このため、ワイヤハーネスを配索する際に、プロテクタ2の近傍で電線4がねじれることを防止できる。したがって、電線4をねじることなく配索することができる。
【0064】
プロテクタ本体7が電線4に被さる状態でプロテクタ2を位置決めした後、一つの蓋体8aでプロテクタ本体7の側壁10間を塞ぐ。したがって、プロテクタ2を治具1から取り外した後に、電線4からプロテクタ2が脱落することを防止できる。したがって、電線4にプロテクタ2を確実に取り付けることができる。
【0065】
次に、本発明の第2の実施形態を、図10を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態では、図10に示すように、プロテクタ2のプロテクタ本体7の底壁9に複数の孔20が形成されている。孔20は、底壁9の端部9a,9bそれぞれに二つづつ形成されている。則ち、底壁9には、合計4つの孔20が形成されている。孔20は、底壁9の幅方向に沿って、互いに間隔をあけて配されている。
【0066】
また、本実施形態では、位置決め部15a,15bは、図10に示すように、前述した載置壁17と、一対の位置決めピン21とを備えている。載置壁17の外形は、前述した第1の実施形態と同様に形成されている。載置壁17の幅は、底壁9の幅より大きくなっている。位置決めピン21は、載置壁17から上方に立設している。一対の位置決めピン21は、載置壁17の幅方向に沿って、互いに間隔をあけて配されている。位置決めピン21は、プロテクタ2の孔20内に浸入する。
【0067】
本実施形態の治具1を用いて、電線4にプロテクタ2を取り付ける際には、位置決め部15a,15bの一対の位置決めピン21間に電線4を通して、これらの電線4を位置決めする。このとき、勿論、電線4は、配索されるパターンどおりに位置決めされる。その後、プロテクタ本体7が電線4に被さる状態で、プロテクタ2を位置決め部15a,15bに近づけるとともに、孔20内に位置決めピン21を通す。プロテクタ本体7を位置決め部15a,15bに位置決めされた電線4に被せる。こうして、本実施形態では、一対の位置決めピン21間に通して電線4を位置決めし、一対の位置決めピン21を孔20内に通して、プロテクタ2を位置決めする。
【0068】
そして、中央に位置する蓋体8aを空間19内に通して回転して、この蓋体8aで側壁10間を塞ぐ。テープ14などを巻いて、プロテクタ2と電線4とを固定した後、プロテクタ2を電線4とともに治具1から取り外す。その後、全ての蓋体8で側壁10間を塞いで、プロテクタ2を電線4に取り付ける。
【0069】
本実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、治具1の位置決め部15a,15bが電線4とプロテクタ2との双方を位置決めする。また、位置決め部15a,15bに位置決めされた電線4にプロテクタ本体7が被さる状態で、プロテクタ2を位置決めする。電線4をワイヤハーネスとして配索するパターンどおりに布線した状態で、前記電線4にプロテクタ2を取り付けることができる。したがって、プロテクタ2の蓋体8,8aがパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線4をねじることなく配索することが可能となる。
【0070】
さらに、一対の位置決め部15a,15b間の空間19により、位置決め部15a,15bにプロテクタ2を位置決めしたまま、中央に位置する蓋体8aを回転させて、この蓋体8aで一対の側壁10間を塞ぐ。このため、電線4にプロテクタ2を確実に取り付けることができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明は、電線プロテクタ位置決め手段がプロテクタ本体内に電線を通してプロテクタを位置決めする。このため、プロテクタ本体内から電線が抜け出ることを防止できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0072】
また、電線プロテクタ位置決め手段が布線された電線を布線板上に配索されるパターンどおりに位置決めする。このため、電線とプロテクタとの相対位置を配索するパターンどおりにすることができる。このため、配索する際に、プロテクタの近傍で電線がねじれることを防止できる。したがって、プロテクタの蓋体がパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線をねじることなく配索することができる。
【0073】
なくとも一つの蓋体がヒンジを中心として回転することを許容手段が許容する。このため、プロテクタを位置決めした後、少なくとも一つの蓋体でプロテクタ本体を塞ぐことができる。したがって、プロテクタを電線プロテクタ位置決め手段から取り外した後に、プロテクタが電線から脱落することを防止できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0074】
線プロテクタ位置決め手段は、電線を載置できる載置壁と、この載置壁の両縁から立設した一対のサイド壁とを備えている。このため、載置壁に載置された電線が一対のサイド壁間から抜け出ることを防止できる。したがって、電線プロテクタ位置決め手段は、電線を配索パターンにしたがって確実に位置決めできる。
【0075】
また、一対のサイド壁の外面間の距離は、一対の側壁間の間隔より狭いので、プロテクタを位置決めすると、プロテクタ本体の一対の側壁間に一対のサイド壁が位置する。則ち、プロテクタ本体内に電線プロテクタ位置決め手段が位置付けられる。したがって、プロテクタと電線プロテクタ位置決め手段との間から電線が抜け出ることを確実に防止でき、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を確実に位置決めできる。したがって、プロテクタの蓋体がパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線をねじることなく配索することが可能となり、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0076】
線プロテクタ位置決め手段を複数設け、これら電線プロテクタ位置決め手段間の空間が許容手段をなしている。このため、少なくとも一つの蓋体を確実に回転できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0077】
請求項に記載の本発明は、電線プロテクタ位置決め手段で電線を位置決めした後、電線にプロテクタ本体を被せてプロテクタを位置決めする。そして、電線とプロテクタとを固定する。このため、電線とプロテクタとの相対位置を配索するパターンにどおりにすることができる。このため、配索する際に、プロテクタの近傍で電線がねじれることを防止できる。したがって、プロテクタの蓋体がパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線をねじることなく配索することができる。
【0078】
また、電線プロテクタ位置決め手段は、位置決めしたプロテクタのプロテクタ本体内に電線を通す。このため、プロテクタ本体内から電線が抜け出ることを防止できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0079】
ロテクタ本体が電線に被さる状態でプロテクタを位置決めした後、少なくとも一つの蓋体でプロテクタ本体の開口を塞ぐ。したがって、プロテクタ本体を電線に被さる状態で位置決めしても、プロテクタを電線プロテクタ位置決め手段から取り外した後に、プロテクタが電線から脱落することを防止できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0080】
線プロテクタ位置決め手段は、電線を載置できる載置壁と、この載置壁の両縁から立設した一対のサイド壁とを備えている。このため、載置壁に載置された電線が一対のサイド壁間から抜け出ることを防止できる。したがって、電線プロテクタ位置決め手段は、電線を配索パターンにしたがって確実に位置決めできる。
【0081】
また、一対のサイド壁の外面間の距離は、一対の側壁間の間隔より狭い。電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされた電線にプロテクタ本体を被せる際に、プロテクタ本体内に電線プロテクタ位置決め手段を収容する。このため、プロテクタ本体の一対の側壁間に一対のサイド壁が位置する。したがって、プロテクタと電線プロテクタ位置決め手段との間から電線が抜け出ることを確実に防止でき、ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を確実に位置決めできる。したがって、プロテクタの蓋体がパネルに重なる格好で配索されるワイヤハーネスおいて、電線をねじることなく配索することが可能となり、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【0082】
線プロテクタ位置決め手段を複数設け、これら電線プロテクタ位置決め手段間の空間が許容手段をなしている。このため、少なくとも一つの蓋体を確実に回転できる。したがって、電線にプロテクタを確実に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるプロテクタ用治具で電線に取り付けられるプロテクタの斜視図である。
【図2】図1に示されたプロテクタが電線に固定された状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかるプロテクタ用治具の斜視図である。
【図4】図3に示されたプロテクタ用治具の平面図である。
【図5】図4中のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図3に示されたプロテクタ用治具で電線を位置決めした状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示されたプロテクタ用治具とプロテクタとを相対した状態を示す斜視図である。
【図8】図7に示されたプロテクタ用治具にプロテクタを被せた状態を示す斜視図である。
【図9】図8に示されたプロテクタの中央に位置する蓋体を閉じた状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態にかかるプロテクタ用治具などを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 治具(プロテクタ用治具)
2 プロテクタ
3 布線板
4 電線
7 プロテクタ本体
8,8a 蓋体
9 底壁
10 側壁
12 ヒンジ
15,15a,15b 位置決め部(電線プロテクタ位置決め手段)
17 載置壁
18 サイド壁
18a 外面
19 空間(許容手段)
L サイド壁の外面間の距離
D 側壁間の間隔

Claims (2)

  1. ワイヤハーネス製造用の布線板に布線された電線に、該電線を保護するプロテクタを取り付ける際に用いられるプロテクタ用治具において、
    前記プロテクタは、表面上に電線を位置付ける底壁とこの底壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対の側壁とを備えて樋状に形成されたプロテクタ本体と、このプロテクタ本体とヒンジを介して連結しかつプロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って並べられた複数の蓋体とを備えており、
    前記布線板上に設置され、かつ前記布線板上にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を位置決めするとともに、位置決めした電線を前記プロテクタ本体内に通して前記プロテクタを位置決めする電線プロテクタ位置決め手段と、
    電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされたプロテクタの複数の蓋体のうち少なくとも一つの蓋体が前記ヒンジを中心として回転することを許容する許容手段と、
    を備え、そして、
    前記電線プロテクタ位置決め手段は、外形が前記底壁に沿いかつ表面上に電線が置かれる載置壁と、この載置壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対のサイド壁とを備えており、
    前記一対のサイド壁の外面間の距離は、前記一対の側壁間の間隔より狭いとともに、
    さらに、前記電線プロテクタ位置決め手段を、前記プロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って間隔をあけて複数設け、
    前記許容手段は、前記複数の電線プロテクタ位置決め手段間の空間であることを特徴とするプロテクタ用治具。
  2. ワイヤハーネス製造用の布線板に布線された電線に、該電線を保護するプロテクタを取り付ける治具を用いたプロテクタの取付方法において、
    前記プロテクタは、表面上に電線を位置付ける底壁とこの底壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対の側壁とを備えて樋状に形成されたプロテクタ本体と、このプロテクタ本体とヒンジを介して連結しかつプロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って並べられた複数の蓋体とを備えており、
    前記治具は、前記布線板上に設置されかつ前記布線板上にワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって電線を位置決めするとともに位置決めした電線を前記プロテクタ本体内に通して前記プロテクタを位置決めする電線プロテクタ位置決め手段と、
    電線プロテクタ位置決め手段により位置決めされたプロテクタの複数の蓋体のうち少なくとも一つの蓋体が前記ヒンジを中心として回転することを許容する許容手段と、を備え、そして、
    前記電線プロテクタ位置決め手段は、外形が前記底壁に沿いかつ表面上に電線が置かれる載置壁と、この載置壁の幅方向の両縁から立設しかつ互いに間隔をあけて相対する一対のサイド壁とを備え、前記一対のサイド壁の外面間の距離は、前記一対の側壁間の間隔より狭く形成されており、
    さらに、前記電線プロテクタ位置決め手段を、前記プロテクタ本体内に通される電線の長手方向に沿って間隔をあけて複数設け、
    前記許容手段は、前記複数の電線プロテクタ位置決め手段間の空間であるとともに、
    ワイヤハーネスを配索するパターンにしたがって前記電線を前記治具に位置決めした後、前記プロテクタ本体内に前記電線プロテクタ位置決め手段を収容して前記プロテクタ本体が位置決めされた電線に被さる状態で前記治具に前記プロテクタを位置決めして、プロテクタ本体を塞ぐ状態まで許容手段により回転が許容された蓋体を回転させた後、前記プロテクタと電線とを固定することを特徴とする治具を用いたプロテクタの取付方法。
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