JP4183877B2 - 放電器、帯電装置、像担持体ユニット、画像形成装置、及び放電器の製造方法 - Google Patents

放電器、帯電装置、像担持体ユニット、画像形成装置、及び放電器の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放電を行なう放電器、その放電器を備えた帯電装置、その帯電装置を有する像担持体ユニット及び画像形成装置、さらにその放電器を製造する放電器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式の画像形成装置である複写機,プリンタ,ファクシミリ等では、被帯電体であり像担持体である感光体の表面に静電潜像を形成するのに先立って、その感光体を帯電装置により帯電させている。
その帯電装置としては、例えば直径が60〜80μmの金属ワイヤを用いたワイヤ電極放電器が、従来より一般的なものとして知られているが、この種のものは放電の際にオゾンの発生が多いという欠点があった。
【0003】
そこで、この欠点を補うため、帯電装置には放電電極を針状にしたコロナ放電装置がある。
その針状の放電電極を有するコロナ放電装置としては、例えば特開平8−160712号公報に記載されているものがある。
このコロナ放電装置は、長さ12.5mmで直径が0.66mmの複数のタングステン針を放電電極とし、その各先端アールを5μmにしている。そして、その各針をポリカーボネートからなる絶縁性支持体に形成している孔にそれぞれ挿入し、その絶縁性支持体表面から各針の先端までの高さを3mmにして、その各針を絶縁性接着剤で固定している。
【0004】
また、帯電装置には、特開平9−127762号公報に記載されているように、例えば板厚2mmのアルミ板や銅板等で長方形に形成した導電性基板上に、例えばアルミ、銅等からなる点状の放電電極を間隔を空けて複数個設けた電極板を、支持部材内に収納して固定したものもある。
さらに、この公報には、導電性基板上に抵抗体層を設け、その抵抗体層の上面に点状の放電電極を間隔を空けて複数個設けるようにしたものも記載されている。
【0005】
さらにまた、帯電装置には、弾性ローラ等で形成した帯電部材を像担持体である感光体に接触あるいは近接させ、その帯電部材と感光体の表面との間の微少空間で放電を起こさせることにより感光体を帯電するようにした接触帯電装置や近接帯電装置もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような針状の放電電極を有するコロナ放電装置の場合には、金属ワイヤを用いたワイヤ電極放電器に比べて放電点が少ない分だけ電離部分が少ないのでオゾンの発生は少なくなるが、針状の各放電電極の先端アールが5μmと非常に小さいので、そこに放電点が集中することにより放電による針状電極の消耗が激しくなり、電極が早い時点で消滅しやすいうという問題点があった。
【0007】
また、その放電電極の先端は、放電により腐食したり、そこに電離作用により生成される電離生成物が付着したりするため、時間の経過と共に次第に帯電性が低下していく。そのため、その放電電極の先端をクリーニングする必要が生じるが、針の先端の細くて鋭くとがった部分をクリーニングするのは非常に困難であった。
【0008】
また、特開平9−127762号公報に記載されている帯電装置の場合には、放電電極が球形や半球形に形成された点状のものであるため、その点状の放電電極の導電性基板の被帯電体(感光体等)に対する対向面からの突出高さが針状の放電電極の場合に比べて非常に低くなるので、導電性基板の対向面が被帯電体に非常に近くなる。
そのため、放電が、放電電極からだけでなく導電性基板の対向面からも無秩序に行なわれて、均一な帯電状態を確保することができなくなる恐れがあるという問題点があった。
【0009】
また、この特開平9−127762号公報には、導電性基板上に抵抗体層を設け、その抵抗体層の上面に点状の放電電極を設けたものも記載されているが、このものも被帯電体に抵抗体層が点状の放電電極とそれほど距離差がなく対向するので、抵抗体層を例えば中抵抗の層としたとしても、電圧の印加条件等によってはその抵抗体層からも放電が行なわれてしまう恐れがあった。
【0010】
さらに、接触帯電装置や近接帯電装置のように、帯電部材を被帯電体である感光体に接触させたり近接させたりする帯電装置の場合には、放電時に生成されて空間に拡散される電離生成物の量は少ないが、感光体の近傍で電離作用が発生するため帯電部材から放出される荷電粒子が感光体表面に激しく当って感光体の表面にダメージを与えるスパッタが生じるという欠点があった。
【0011】
感光体は、このスパッタにより劣化が促進されると、画像流れ等が起こるようになるため画像が劣化する。この画像劣化を防止するためには、感光体表面を定期的に研磨するようにすればよいが、そのようにすれば感光体は感光体層が次第に磨耗していくので、感光体の寿命が短くなってしまう。
【0012】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、放電の際に生成される電離生成物の量が少なく、放電時のスパッタ効果による被帯電体へのダメージを低減させ、放電電極の寿命を十分保つことができながら均一な帯電状態が得られる放電器を提供することを目的とする。
また、その放電器を備えた帯電装置、像担持体ユニットや画像形成装置を提供することも目的とする。さらに、その放電器を安価に製造することができる放電器の製造方法も提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明による放電器は上記の目的を達成するため、絶縁部材からなる支持部材に、その長手方向に間隔を置いて複数個の放電電極をそれぞれ一部が電極取付面から突出するように設け、その各放電電極は導電体又は体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の材料で形成され、上記電極取付面から突出した部分が半球状に形成されておりその各放電電極の上記支持部材内にある部分が該支持部材内に長手方向に延びて設 けられた給電電極にそれぞれ接触している
そして、上記放電電極の電極取付面から突出して半球状に形成されている部分の最大外径は、20μm以上100μm以下であるとよい。
【0014】
【0015】
また、上記放電電極は全体が球形状に形成され、その一部が上記電極取付面から突出するように上記支持部材に設けれるようにしてもよい。その場合、放電電極はステンレス材の金属球にするとよい。
【0016】
あるいは、上記給電電極と放電電極を、上記支持部材に形成した孔部を通して上記各放電電極のその孔部に設けられた部分により導通させるようにしてもよい。
そして、その孔部に設けられる部分は体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの材料で形成するとよい。
【0017】
上記放電電極を球形状に形成した場合、上記給電電極にその長手方向に間隔を置いてテーパ状の断面を有する凹溝を形成し、その各凹溝に前記各放電電極を嵌入させるとよい。
その給電電極と各放電電極との間に体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の弾性体からなる電極抵抗体を介在させてもよい。
【0018】
さらに、球形状の放電電極を有する放電器において、給電電極として、球形状の放電電極を回転可能に保持する導電体からなる電極保持部材を設けるとよい。
その場合、上記電極保持部材は長手方向に沿ってV溝を形成し、そのV溝に体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の材料からなる電極抵抗体を介して上記各放電電極を回転可能に保持してもよい。
そして、その電極保持部材は、球形状の放電電極に接触した状態のまま移動可能に保持され、その電極保持部材を移動させたときに放電電極が摩擦力により回転するようにするとよい。
また、支持部材内に放電電極の球面に接してその球面を研磨する研磨材を充填するための研磨材充填部を設け、その研磨材充填部に研磨材を充填するようにするとよい。
【0019】
【0020】
上記いずれかの放電器を備えた帯電装置を構成するとよい。その際、放電器を複数設けると効果的である。また、それらの帯電装置と、その帯電装置により表面が帯電される像担持体とを少なくとも備えた像担持体ユニットを構成するとよい。さらに、それらの帯電装置を備えた画像形成装置を構成するとよい。
【0021】
その画像形成装置には、放電器の放電電極に清掃部材が摺接してその放電電極を清掃する放電電極清掃装置を設けるとよい。
そして、その放電電極清掃装置の清掃部材は、回転することにより放電電極に対して摺接するものにするとよい。
【0022】
さらに、この発明による放電器の製造方法は、全体電極支持部材上に給電電極を置き、その給電電極を挾むように上記全体電極支持部材上に放電電極取付支持部材を置いてそれらを一体に固定し、その放電電極取付支持部材の上面を電極となる材料が分散混合されたインク状態材料を使用して印刷し、そのインク状態材料が放電電極取付支持部材に放電電極に対応して形成されている孔部から入り込んで上記給電電極まで至ると共に、上記孔部の入り口部分に溜ったインク状態材料が表面張力により曲面形状になって上記放電電極取付支持部材の上面から突出して放電電極を形成する
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1はこの発明による放電器の一実施形態例を示す外観斜視図、図2は同じくその放電器の縦断面図である。
この放電器20は、図1に示すように支持部材21の電極取付面21aに複数の放電電極22を、図2に明示するように電極取付面21aから突出するように設け、その各放電電極22の電極取付面21aから突出した部分の全てを半球状に形成している。
【0024】
そして、その各放電電極22の被帯電体23に対する最近接部及びその近傍となる半球部22a以外の部分を、絶縁部材からなる支持部材21で覆うことにより、その各放電電極22の半球部22a以外の部分を放電しない領域にしている。
【0025】
すなわち、支持部材21に高抵抗体を使用し、各放電電極22に電離状態を引き起こす電圧が印加された際に、その放電電極22の半球部22a以外の電極取付面21aの部分で放電が発生しないようにしている。
支持部材21に使用する高抵抗体の材料としては、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、4フッ化エチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の高分子材料が挙げられる。また、体積固有抵抗値が1×1014Ωcmよりも大きなセラミック絶縁材料を選択してもよい。
なお、図1及び図2では放電電極22を4個のみ図示しているが、その数及び支持部材21の長さは、形成する放電器に応じて適宜増減が可能である。
【0026】
各放電電極22は、電離状態を引き起こす電極として機能するものであり、例えば導電体で形成して、それを図1に示したように直方体の支持部材21に、半球部22aが電極取付面21aから露出するように設け、それを支持部材21の長手方向に間隔を置いて配設している。
支持部材21の中には、図2に示したように支持部材21の長手方向に長く延びる板状の給電電極25を、その一端部の電極接点25aを外部に露出するように一体に設けている。そして、その電極接点25aを電源26に接続している。
【0027】
その給電電極25は、各放電電極22に電圧を印加するための電極であり、そこには各放電電極22の支持部材21内にある部分である首部22bが接触している。そして、その首部22bは、各放電電極22の半球部22aの下部にあり、半球部22aの最大外径Dmxよりも小さな直径の円柱状にそれぞれ形成されていて、それらは支持部材21に各放電電極22それぞれ対応して形成されている孔部21b内に形成されている。
【0028】
したがって、各放電電極22は、図3に縦断面形状を示すように、リベットの様な電極形状をしている。
なお、このリベット型をした電極形状は、電極高さHをあまり高くしない場合に適している。
【0029】
この放電器20は、図2に示したように、対向極となる被帯電体23に各放電電極22が対向するように配置し、電源26から給電電極25に各放電電極22から被帯電体23に向けて電離状態になる電圧を印加する。
なお、複数の各放電電極22には、各々独立して給電電極25から電圧が印加され、その略先端(球面頂上部)から放電がそれぞれ行なわれる。
【0030】
複数の放電電極22は、前述したように支持部材21の長手方向に半球部22aがそれぞれ間隔を置いて配設されているが、その各々独立した放電電極22は電離状態になる電圧が給電電極25を介して印加された際に、互いに隣合う放電電極22間で電離状態が阻害されないように、その間隔Lを設定している。
具体的には、その間隔Lは、印加電圧によって左右されるが、1mm以上5mm以下が適当である。
【0031】
また、各放電電極22の電極取付面21aから突出している半球部22aの下端の最大外径Dmxは、20μm以上100μm以下に形成する。また、電極高さHも、100μm以下にすることが好ましい。
なお、この放電電極22は、電極取付面21aから突出した部分を略半球状に形成しているので、その半球部22aの最大外径Dmxを20μm以上としたときには、放電電極22の先端部の曲率半径は10μm以上となる。
【0032】
このように、この放電器20は構成されているので、給電電極25と被帯電体23との間に電離状態を引き起こす電圧を印加すると、放電電極22は電極取付面21aから突出した部分の全てが略半球状の半球部22aであり、その半球部22aは最大外径Dmxを20μm以上にしているので、放電点が針状電極の場合のように先端の一点のみに集中することなしに、図4に示すように被帯電体23に対する最近接部aの近傍に所定の幅Wで振れる。
【0033】
それにより、放電点が1個所に集中したときのように、放電電極22の特定の部分だけが消耗してしまうようなことがないので、放電電極22の短寿命化を防止することができる。
すなわち、表1に半球部22aの最大外径Dmxの異なる放電電極と電極の耐久時間の関係を示すように、実験結果によれば最大外径Dmxを20μm以上(このとき半球部22aの先端部の曲率半径は10μm以上)にした放電電極は耐久寿命が非常に延びる。
【0034】
【表1】
Figure 0004183877
【0035】
また、上記の最大外径Dmxは、最大側を100μm以下に抑えることにより放電電極面が平面に近づくのを規制しているので、それにより安定した放電ができる。
さらに、放電電極22は支持部材21上に間隔を置いて複数設ける構成であるため、金属ワイヤを用いたワイヤ電極放電器に比べて放電点が少ない分だけ電離部分が少なくなるので、オゾンの発生も少ない。
【0036】
また、針状の放電電極の場合には、とがった針先に付着した電離生成物をクリーニングするのが非常に難しいが、この放電器20の放電電極22は電極取付面21aから突出した部分の全てが略半球形状の半球部22aであるため、その半球部22aにスポンジやブラシ等の清掃部材を摺接させれば、その半球部22aを容易にクリーニングすることができる。
【0037】
ところで、この放電器20は、上述したように放電電極22は半球部22aの部分だけが電極取付面21aから突出する構成であるため、図2に示したように支持部材21の電極取付面21aも被帯電体23に対して比較的近接した位置になる。そのため、電極取付面21aから被帯電体23に対して放電が行なわれてしまうと、無秩序な放電が生じて均一な帯電状態を確保することができなくなる。
【0038】
しかしながら、支持部材21は、前述したように全体を絶縁部材で形成しているので、その支持部材21の電極取付面21aから被帯電体23に対して放電が起きることはない。したがって、各放電電極22からの放電のみにより、均一で安定した帯電状態を得ることができる。
【0039】
また、この放電器20は、放電電極22を被帯電体23に対して接触させたり、数十μ単位の非常に小さなギャップを設けて被帯電体23に近接させたりする帯電方式ではないので、放電時に放電電極22から放出される荷電粒子が被帯電体23の表面に激しく当って、その表面にダメージを与えてしまうスパッタ効果も生じない。
【0040】
次に、この放電器20を製造する方法の一例を説明する。
図1に示した放電器20を製造するには、図5に示すように、まず全体電極支持部材であり、体積固有抵抗値が1×1014Ω・cmよりも大きな値の絶縁体で形成され、厚さが0.5mm〜5mm程度に形成された下部支持部材21Aの上に給電電極25を置き、図6に示すようにその給電電極25を挾むように下部支持部材21A上に放電電極取付支持部材であり、体積固有抵抗値が1×1014Ω・cmよりも大きな値の絶縁体で形成され、厚さが50μm〜1mm程度に形成された上部支持部材21Bを置き、それらを図7に示すように接着して一体に固定し、下部支持部材21Aと上部支持部材21Bとで支持部材21を構成する。
なお、上部支持部材21Bには図示のように、形成する複数の放電電極22に対応させて貫通の孔部21bをそれぞれ間隔を空けて形成しておく。
【0041】
次に、図8に示すように上部支持部材21Bの上面を、後述する放電電極となる材料が分散混合された材料でインク状態にしたもの(インク状態材料)を使用して白抜き矢印の方向に、例えばスクリーン印刷し、そのインク状態材料が孔部21bから上部支持部材21B内に入り込んで給電電極25まで達するようにする。
すると、上部支持部材21Bの上面で各孔部21bの入り口部分に溜ったインク状態材料は、それぞれ自己の表面張力により曲面形状になって上部支持部材21Bの上面となる電極取付面21aから突出して、図1に示したような半球部22aとなり、放電電極22が形成される。
【0042】
なお、上記の印刷回数は、上部支持部材21Bの孔部(スルーホール)21b内に位置する電極材料と半球部22aに位置する電極材料とが同じである場合には1回の印刷(図3に示した放電電極22の形状の場合)でよい。
上述した製造方法で放電電極22を印刷により製造する際の電極材料としては、例えばアクリル、アルキット゛、エポキシ、フェノール、シリコーン、ポリアミト゛の各系のバインダーに、ニッケル、パラジウム等の金属酸化物、またはカーボンを混合した抵抗体ぺーストを使用する。
【0043】
また、その電極材料として、焼成タイプの電極材料を使用することもできる。その場合、図8で説明した印刷工程の後に、焼成のため高温炉に投入する。
その焼成タイプの電極材料としては、例えばエレクトロセラミックである機能性材料を使用することができ、具体的にはチタニア系セラミックスやTiC、TiNを主成分としCo、Ni、Moの複合材料であるサーメットが使用できる。
【0044】
また、低融点ガラス微粉末を使用することもできる。
なお、下部支持部材21A及び上部支持部材21Bとしては、例えばセラミックの一般的なアルミナセラミックを使用する。
このように、上述した放電器の製造方法では、放電電極22の半球部22aをインク自体の表面張力を利用して形成するので、それを簡単に造ることができる。
【0045】
図9は異なる形状の放電電極を備えた放電器の実施形態を示す図3と同様な断面図である。
この放電器30の放電電極32は、半球部32aの下端の最大外径Dmxを、図1で説明した支持部材21と同様な材料で形成した支持部材21′の孔部21b′の孔径と同じ大きさにしている。したがって、放電電極32は、その首部32bが、図2で説明した放電電極22の首部22bよりも太い。
なお、この放電電極32も、半球部32aの下端の最大外径Dmxは、20μm以上100μm以下に形成している。
【0046】
この放電電極32は、電極高さHを高く造る場合に都合がよい。そして、その電極高さHを高くすれば、半球部32aの下端の隅部Gにごみやトナー等が堆積して、そのごみ等が堆積した部分から放電が生じて異常放電になりやすいようなときでも、半球部32aの頂点(図9で最頂部)となる被帯電体に対する最接近位置が、ごみ等が堆積した部分から遠ざかるようになるので、そのごみ等が堆積した部分からの放電を防止することができる。
【0047】
なお、半球部32aと、その下側の首部32bとは同じ電極材料で形成するようにしてもよいが、この放電電極32では、その半球部32aと首部32bとを異なる電極材料で形成している。
このように、放電電極32を異なる2種類の電極材料で構成するメリットとしては、放電電極32を半球部32aと首部32bを、それぞれ目的に適した材料にすることができる点にある。
放電電極32の高さを高くするには、その放電電極32を形成する際のインク状態材料の粘度を変えることによりできる。すなわち、粘度の高い材料であれば、電極形成時に電極高さの高い形状ができる。このときには孔部21′b(スルーホール)の孔径も大きくしないとインク状態材料が孔部21′bに入り込まなくなる。
逆に、インク状態材料の粘度が低いと、粘性でのダレが生じて電極高さは低く形成され、スルーホールの孔径は小さくてすむ。
【0048】
すなわち、このように電極材料を2種類に分けることにより、半球部32aは放電時における電離作用で発生する電離生成物に対し耐性のある材料を使用するようにし、支持部材21′の孔部21b′内に位置する首部32bは、各半球部32aからの放電にバラツキが生じることなく安定した放電が得られるように、例えば体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗の材料を使用することができる。それにより、適材適所の材料選択が可能となる。
【0049】
この放電器30を製造するには、図5から図7を使用して説明した各工程を実施した後に、図8で説明した印刷工程を行なう。その際には、印刷に使用するインク状態材料は、放電電極32の首部32bを形成する上述した中抵抗の電極材料を使用する。
そして、そのインク状態材料を孔部21b′内に入り込むようにスクリーン印刷する。
その後、2回目の印刷工程で、半球部32aを形成するインク状態材料(導電体)を使用して印刷を行ない、印刷後にその電極材料を乾燥させる工程を実施する。
【0050】
図10は参考例として、放電電極を蒲鉾形状にすることにより電極取付面から突出した部分が曲面をなすようにした放電器を示す図1と同様な斜視図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器40は、図1等で説明した放電器20に対して、放電電極42の形状を図示のような蒲鉾形状にした点のみが異なる。その放電電極42を短手側の矢示A−A線に沿って断面にすれば、絶縁部材で形成している支持部材41の電極取付面41aから突出した外面は曲面形状(略半円の円弧形状)をなす。
そして、その放電電極42は、図1の放電器20と同様に給電電極25に、導電体あるいは体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗体を介して導通している。
【0051】
この放電器40では、支持部材41に図11に示すような1つの長方形の長孔41bを形成している。
そして、図5乃至図8で説明した場合と同様に、支持部材41内に給電電極25を長孔41bに対応させた位置で一体に固定し、支持部材41の電極取付面41a上を、放電器20(図1参照)の際に説明したものと同様な電極材料が分散混合されたインク状態材料を使用して、図11で白抜き矢印の方向に、例えばスクリーン印刷する。
【0052】
すると、そのインク状態材料が長孔41b内に入り込んで給電電極25にまで達し、その支持部材41の上面で長孔41bの入り口部分に溜ったインク状態材料は、自己の表面張力により、図10に示したような蒲鉾形状になって電極取付面41aから所定量突出して放電電極42となる。
したがって、この放電器40においても、放電電極42をインク状態材料自体の表面張力を利用して蒲鉾形状にするので、それを簡単に製造することができる。
【0053】
このように、この放電器40も放電電極42を蒲鉾形状にすることにより、被帯電体に対向する面を曲面にしているので、給電電極25と被帯電体23(図12参照)との間に電離状態を引き起こす電圧を印加すると、図4で説明した場合と同様に、図12に示すように放電点が放電電極42の被帯電体23に対する最近接部aの近傍に所定の幅Wで振れる。
したがって、針状の放電電極の場合のように放電点が1個所に集中するようなことがないので、放電電極42の寿命を延ばすことができる。
【0054】
また、この放電器40においても、放電電極42の大きさは、電極取付面41aから突出した曲面部分の最大幅部となる下端の短手側の幅Waを20μm以上100μm以下にするとよい。
そうすれば、放電点が1個所に集中しないようにすることができると共に、放電電極42の幅Waを100μm以下に抑えることで、放電電極面が平面に近づくことを規制できるので、不安定な放電にならないようにすることができる。
なお、図10に示した放電電極42の電極取付面41aから突出した蒲鉾形状部分42aと給電電極25とを接続する首部(図2の22bに対応するもの)は、1個であっても、複数であってもよい。
【0055】
図13も参考例として、複数の放電電極を線状の給電電極で互いに接続するようにした放電器を示す図2と同様な断面図であり、図2と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器50は、図1乃至図4で説明した放電器20に対して、各放電電極22に電圧を印加するための線状の給電電極55a〜55d(放電電極22の数に対応して増減できる)を各放電電極22に対応させてそれぞれ設け、その各給電電極55a〜55dの一端部を各放電電極22にそれぞれ導通させると共に、給電電極55a〜55dを電源26に接続するようにした点のみが異なる。
このようにしても、図1乃至図4で説明した放電器20と同様の作用効果を奏する。
【0056】
なお、図14に示すように、各放電電極22をそれぞれ導電体で形成し、その各放電電極22に対応させて体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗体56a〜56dをそれぞれ設け、各放電電極22をその中抵抗体56a〜56dを介して各給電電極55a〜55dに接続するようにしてもよい。
このようにすれば、一般的に強い放電が起きると放電する個所が集中することにより帯電ムラが起きやすいが、途中に中抵抗体56a〜56dを設けることにより電流を規制できるため、特定の放電電極に放電が集中するのを防止して、バランスのよい放電にすることができる。
【0057】
図15は電極取付面から突出した部分に直線部を有する放電電極を備えた放電器の実施形態を示す図2と同様な断面図であり、図2と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器60は、支持部材21の電極取付面21aに放電電極62を、電極取付面21aから突出するように設け、その放電電極62の先端部に、半球部分の下端の最大外径Dmxを20μm以上とする半球部62aを形成することにより、その先端部分を半球状にしている。
そして、その各放電電極62は、それぞれ支持部材21内に形成される首部62bにより、給電電極25にそれぞれ接続されている。
【0058】
その放電電極62は、半球部62aの下側の部分に直線あるいは直線に近い緩やかな湾曲をした電極側面を有している。したがって、電極高さHは、図2で説明した放電電極22よりも高い。
この放電器60は、各放電電極62の被帯電体23に対する最近接部を含む半球部62a以外の部分を、絶縁部材63で覆うことによりそれぞれ絶縁し、その絶縁部材63により覆われた部分と、絶縁部材で形成されている支持部材21の部分を放電しない領域としている。
【0059】
このようにすることにより、放電電極62の半球部62aの下側に位置する直線あるいは直線に近い緩やかな湾曲をした電極側面からは、被帯電体23に対して無秩序な放電が行なわれないので、均一で安定した放電ができる。
また、放電電極62の先端には直径20μm以上の半球部62aを設けているので、図4及び図12で説明した放電器20,40と同様に、放電点が一点に集中することなしに所定の幅で振れるので、放電電極62が短寿命になるのを防止することができる。
なお、放電電極62の半球部62aの最大外径Dmxは、最大側を100μm以下に抑えるようにすれば、放電電極面が平面に近づくのを規制できるので、放電が不安定になるのを防止することができる。
【0060】
図16は球状の放電電極を使用した放電器の実施形態を示す図2と同様な断面図であり、図2と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器70は、全体が球形状をなす放電電極72を複数設けることにより、その各放電電極72の外部に突出した部分を半球状の曲面にしている。
【0061】
すなわち、絶縁体で直方体に形成した支持部材71の一面に、電離状態を引き起こす電極として球形状の放電電極72を、支持部材71内に外径Dの半分以上を埋没させるようにして、一部が電極取付面71aから外部に露出するように設ける。
各放電電極72は、導電体または中抵抗の材料で形成し、それらを互いの電極間隔Lをもってそれぞれ配置し、その各放電電極72の下部をそれぞれ導電体からなる給電電極75に、次に説明するように接触させた状態で固定保持する。
【0062】
すなわち、図17に示すように給電電極75に、テーパ状の断面を有する凹溝72aを例えばプレス加工により間隔を置いてそれぞれ形成し、その各凹溝72aに放電電極72を図16に示したようにそれぞれ嵌入させる。
その各放電電極72は、凹溝72aに接着剤等により接着してもよいが、それらを接着せずに単に接触状態にし、その状態で例えば支持部材71の部分を樹脂材によるモールドで一体成型で形成し、放電電極72と給電電極75を固定保持するようにしてもよい。
【0063】
なお、支持部材71は、反りや曲がりにより均一な放電ができなくならないようにするため、十分な剛性及び強度を確保できる材料を使用する。
給電電極75は、図16で左端側が支持部材71から外に突出していて、その部分が電極接点75aとなり、それが電源26に接続されている。また、給電電極75の図16で右端側は、支持部材71内に埋没されている。
【0064】
複数の放電電極72は、互いに電極間隔Lが保たれるように配設されており、その電極間隔Lは印加電圧に左右されるが、0.1mm以上5mm以下が適当である。それにより放電電極72の外径Dは0.1mm(100μm)以下のものを使用する。
この放電器70は、放電をさせるときには、給電電極75と被帯電体23との間に、個々の放電電極72に電離状態を引き起こすための電圧を印加する。その際、各放電電極72間には上述した電極間隔Lが保たれているので、各々の放電電極72間で電離状態が阻害されるようなことがない。
【0065】
なお、放電電極72の外径Dは、好ましくは20μm以上100μm以下にするとよい。そうすれば、図4及び図12で説明した場合のように、放電電極72の特定の個所のみに放電点が集中するのを防止して電極の寿命を延ばすことができると共に、放電電極が平面に近づくことにより無秩序な放電が行なわれるのを防止して、安定した放電を行なうことができる。
また、球状の放電電極72は、ステンレス材の金属球にすれば、ステンレス材は放電の際に生じる電離生成物に対する耐久性が高いため、使用する材料として最適である。
【0066】
また、この放電器70においても、支持部材71を絶縁体で形成しているので、放電電極72に電離状態を引き起こす電圧が電源26により印加されても、放電が行なわれるのは放電電極72の部分だけであり、それ以外の支持部材71の電極取付面71aで放電が発生するようなことはない。したがって、均一で安定した放電を行なうことができる。
【0067】
図18は球状の放電電極を保持する構造が異なる放電器の実施形態を示す図16と同様な断面図であり、図16と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器80は、球形状の放電電極72を、電源26に接続される給電電極を兼ねた導電体からなる電極保持部材84で回転可能に保持している。
【0068】
その電極保持部材84は、先端に爪部87aを形成した電極凹部87を間隔を置いて複数形成し、その各爪部87aで放電電極72を回転可能に保持している。
なお、爪部87aは、平面から見た形状を環状にして一周全てを連ねた爪形状にしてもよいし、周方向に複数個所分割して爪状部を形成したものであってもよい。
【0069】
その電極凹部87上にセットされた放電電極72には支持部材71′が被せられ、その支持部材71′には各放電電極72に対応させて電極押え孔71bがそれぞれ形成されている。そして、その各電極押え孔71bの最小径部の孔径は、例えば放電電極72の球径の1/2以下に形成する。
【0070】
したがって、図18に示すように、各放電電極72上に各電極押え孔71bが一致するように支持部材71′を被せれば、各放電電極72の上側の一部が支持部材71′の上面から一定量突出すると共に、支持部材71′の電極押え孔71bが各放電電極72の支持部材71′からの飛び出しを防止する。
なお、電極押え孔71bは、図示のように内側をテーパ面にしてもよいが、テーパ面にしなくても、放電電極72の一部を支持部材71′の上面から一定量突出させることができる形状のものであれば、その形状はいずれのものであってもよい。
【0071】
電極保持部材84の下側には、その電極保持部材84を放電電極72側に押し付けるための電極加圧支持体88を設けている。このような構成により、各電極凹部87の爪部87aが各放電電極72にそれぞれ接触して、その放電電極72を所定の位置に保持すると共に、それを支持部材71′の電極押え孔71bの所定の位置に押し付けて、各放電電極72を支持部材71′の上面から一定量突出させている。
なお、電極凹部87は、例えば電極保持部材84をプレス加工して形成する。
【0072】
この放電器80によれば、球形状をした各放電電極72は、電極保持部材84上でそれぞれ回転可能であり、それらが回転した際には球状の表面が爪部87aや電極押え孔71bの内面により摺接されるので、放電面が清掃される。また、回転により新たな放電面が被帯電体に対向するようになるので、放電電極72の耐久性を更に延ばすことができる。
【0073】
図19は球状の放電電極を保持する構造のさらに異なる放電器の実施形態を示す図18と同様な断面図であり、図18と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器90は、電源26に接続される給電電極である平坦な電極導体91と球状の放電電極72との間に、例えば体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗の材料からなる電極抵抗体92を介在させた構成にしている。
【0074】
一般的に、複数の金属製の放電電極が設けられている放電器では、その各放電電極に抵抗値の低い電極導体が接触した状態で各放電電極から放電を生じさせると、激しく放電する放電電極とそうでない放電電極とができる。
そこで、この放電器90では、電極導体91と球状の放電電極72との間に上述した中抵抗値の電極抵抗体92を介在させることにより、各放電電極72からの放電がバラつくことなく安定した放電になるようにしている。
【0075】
その電極抵抗体92としては、放電電極72を電極押え孔71bに押し付ける押圧力を与えることができる中抵抗の弾性体が適しており、それには発泡体やフェルト状のものや繊維状のものなど、空気を多く含んだ材料が適す。
なお、この電極抵抗体92による放電電極72の電極押え孔71b内面への押圧力は、放電電極72の支持部材71′の上面から突出した部分に、ある程度摩擦力のある材料(例えば後述する放電電極を清掃する部材)が接触した際に、その摩擦力により放電電極72が回転される程度のものにする。
【0076】
図20は支持部材に形成したスリット溝内に球状の放電電極を複数設けた放電器の実施形態を示す図1と同様な斜視図である。
この放電器100は、支持部材101に球状の放電電極72を収納可能な幅のスリット溝101bを形成し、そこに複数の放電電極72を、上側の一部がそれぞれ支持部材101の上面から一定量突出するように、連続状態で収納している。
【0077】
その支持部材101は、図21に示すように絶縁部材で縦断面形状がコの字状に形成されており、その上面となる電極取付面には長手方向に長く延びる長方形の上述したスリット溝101bが形成されている。そのスリット溝101bの短手側の溝幅Wbは、各放電電極72が支持部材101の上面から一定量突出し、しかもその放電電極72が支持部材101の外に飛び出さない寸法に形成している。
【0078】
その支持部材101の底部には、下部支持部材102が固定され、その下部支持部材102の上に電極保持部材103を設けている。その電極保持部材103には長手方向に沿ってV溝103aを形成して、そこに図19で説明したものと同様な電極抵抗体92を設けている。なお、この電極抵抗体92は、電極保持部材の一部として機能する。
そして、その電極抵抗体92の上に、球状の放電電極72を複数個並べて載置し、その各放電電極72が支持部材101のスリット溝101bから一定量突出すると共に、それらが支持部材101の外に飛び出さないように保持している。
電極保持部材103は、図20に示す給電電極105と一体に同一材料で形成してある。
【0079】
このように、この放電器100は、電極保持部材103と球状の放電電極72との間に中抵抗値の電極抵抗体92を介在させているので、図19で説明した放電器90と同様に、各放電電極72からの放電がバラつくことなく安定した放電になる。
また、この放電器100では、球状の放電電極72同士が接触するため、その放電電極72が金属であると、隣合う放電電極72の間に電流回路が形成されるので、上述したように電極抵抗体92を設けても各々の放電電極72間で放電にバラツキが生じる恐れがある。
【0080】
したがって、この放電器100では、放電電極72を金属材料でなく、体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗の材料で形成するとよい。そうすれば、電流が規制されることにより複数の放電電極72で、激しく放電する電極とそうでない電極とができるのを防止することができる。それにより、各放電電極72の放電にバラツキをなくして安定した放電にすることができる。
【0081】
また、放電電極72に金属材料を使用する場合には、その金属製の放電電極72の表層に、中抵抗又は高抵抗の材料による被膜を形成するとよい。
なお、支持部材101のスリット溝101bの内面は、図21に示したようにテーパ面として、球状の放電電極72が回転しやすい構造にするとよい。
【0082】
図22は電極保持部材の移動により球状の放電電極が回転するようにした放電器の実施形態を示す縦断面図であり、図20及び図21と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器110は、電極保持部材112に、図21で説明した電極保持部材103のV溝103aと同様なV溝112aを形成し、そこに複数(図22では5個を図示しているが適宜増減できる)の球状の放電電極72を回転可能に載置している。
【0083】
その電極保持部材112は、給電電極105と一体に形成されていて、下部支持部材102上を図22で左右方向に空きスペースSp分だけ移動できるようになっている。
したがって、電極保持部材112は、各放電電極72に接触した状態のまま移動可能に保持され、その電極保持部材112を図22で左右方向に移動させたときに、放電電極72が電極保持部材112との摩擦力により回転するようになっている。
【0084】
そこで、給電電極105の部分を図22で右方へ押し込むと、同図で最も右方に位置する放電電極72は、その右端が支持部材101のスリット溝101bのスリット端101cに当接して、それ以上右方への移動が規制されるため、各放電電極72は電極保持部材112との摩擦力により、それぞれが回転する。そして、電極保持部材112を図23に示す位置まで移動させると、それ以上の移動はできないので、放電電極72の回転が停止する。
【0085】
このように、この放電器110は、給電電極105と電極保持部材112を一体で移動させるだけで、各放電電極72をそれぞれ回転させて新たな放電面を被帯電部材23に対向させることができるので、放電電極72の耐久性を、より延ばすことができる。
【0086】
なお、図22及び図23では共に図示を省略しているが、電極保持部材112を図21で説明した弾性を有する電極抵抗体92を介して放電電極72に接触させるようにすれば、その電極抵抗体92の弾性力により各放電電極72をスリット溝101bの内面に確実に押し付けて、各放電電極72の支持部材101の上面からの突出量を一定にすることができる。
また、電極抵抗体92と各放電電極72との摩擦が確実になるため、電極保持部材112の移動時における放電電極72の回転もスムーズ行なわれるようになる。
【0087】
図24は支持部材内に放電電極を研磨する研磨材を充填するようにした放電器の実施形態を示す図21と同様な縦断面図であり、図21と対応する部分には同一の符号を付してある。
この放電器120は、支持部材101内の研磨材充填部122に、放電電極72の球面に接してその球面を研磨する研磨材121を充填している。
【0088】
このようにすれば、電極保持部材103を支持部材101の長手方向に移動させると、その際に各放電電極72の研磨材121に接している部分が研磨されるので、放電電極72の表面に放電により付着した電離生成物を取り除いたり、劣化した部分を修復したりすることができる。したがって、放電器として、より耐久性を延ばすことができる。
【0089】
なお、図20及び図21で説明した放電器100の場合も含めて、電極保持部材112の移動は、上述した例のように直線移動のみに限るものではなく、それを楕円あるいは8の字状等の直線以外の軌跡で移動させる構成にしてもよい。そのようにすれば、球状の放電電極72の表面のより多くの部分を研磨することができる。
【0090】
図25は参考例として、放電電極がベルトと共に回動する放電器を示す概略構成図である。
この放電器130は、絶縁体で形成した電極支持ベルト131をローラ134,135の間に回動可能に張装し、その電極支持ベルト131の外面に半球部132aを有する放電電極132を、間隔を置いて複数取り付けている。
また、その電極支持ベルト131の内面には、各放電電極132に導通する給電電極133を設け、その給電電極133を導電体あるいは体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗体の材料で形成している。
【0091】
そして、その給電電極133に、電源26に接続された導電体からなる給電ブラシ136を摺接させ、電源26から給電ブラシ136及び給電電極133を介して各放電電極132に、電離状態を引き起こさせるための電圧を印加できるようにしている。
【0092】
この放電器130は、例えばある一定の放電時間が経過するごとに電極支持ベルト131を矢示B方向に回動させて、新しい放電電極132が被帯電体23に対向するようにすれば、放電により電離生成物が付着したり劣化した放電電極132を新しい放電電極132に取り換えることができるので、常に良好な放電状態を継続することができる。
【0093】
なお、図25には給電ブラシ136を使用して各放電電極132に電源26から電圧を印加する場合の例を示したが、その給電ブラシ136を使用せずに、ローラ134,135の何れか一方を導体で形成し、その導体のローラを電源26に接続し、そのローラから給電電極133を介して各放電電極132に電圧を印加するようにしてもよい。
【0094】
図26はこの発明による帯電装置の一実施形態例を示す概略構成図であり、図1と対応する部分には同一の符号を付してある。
この帯電装置2は、図1乃至図4で説明した放電器20を備えており、その放電器20をケース141に絶縁状態で固定している。
その放電器20は、反りを生じたり、曲がりを生じたりすることにより、被帯電体23を均一に帯電できなくなったりしないように、支持部材21の断面形状を所要の剛性が得られる形状にするか、外部からの補強により剛性を高める必要がある。
【0095】
そこで、この帯電装置2では、その放電器20を囲むケース141が、上述した補強材の役割を果たすようにしている。
そのケース141の図26で下端にはグリット142を設け、そのグリット142が放電器20と、例えば感光体である被帯電体23との間に位置することにより、被帯電体23への帯電量を規制できるようにしている。なお、このグリット142には、規制すべき電圧がグリット電源143から印加される。
【0096】
ところで、この帯電装置2では、それぞれ半球部22aを有する各放電電極22が電離状態になるには、主にその放電電極22とケース141との間の電界強度が大きく影響する。したがって、その電界強度により、放電が開始される条件が決まる。
【0097】
そのため、この帯電装置2では、放電器20の放電電極22の大きさは、前述したように半球部22aの最大外径部を100μm以下にしているから、支持部材21の短手側の断面幅Wcを例えば1mmに形成し、ケース141の断面幅Wdを断面幅Wcに5〜10mmを加算した幅に形成している。
それにより、放電電極22の帯電性能は、その放電電極22に印加される電圧に依存はするが、所定の帯電性能が得られる。なお、ケース141は、例えばアルミ材で形成する。
【0098】
図27はこの発明による帯電装置の他の実施形態を示す図26と同様な概略構成図であり、図26と対応する部分には同一の符号を付してある。
この帯電装置2′は、図16及び図17で説明した放電器70を備えており、その放電器70は前述したように球状の放電電極72を複数有している。
【0099】
この帯電装置2′においても、放電器70の放電電極72の大きさは前述したように球径を100μm以下にしているので、支持部材71の短手側の断面幅Wc′を例えば1mmに形成したときには、ケース141の断面幅Wdは、その断面幅Wc′に5〜10mmを加算した幅にすれば、帯電装置としての機能が達成できる。
このようにしても、図26の帯電装置2と同様に、球面を被帯電体23に対向させた各放電電極72により、被帯電体23を均一に帯電することができる。また、放電電極72の長寿命化も図れる。
【0100】
以上、図1乃至図4で説明した放電器20と、図16及び図17で説明した放電器70をそれぞれ有する帯電装置2と2′の実施形態を示したが、同様に図26に示した帯電装置2の放電器20に替えて、図9,図15,図18,図19,図20及び図21,図22及び図23,図24で説明した各放電器30,60,80,90,100,110,120を使用して帯電装置を構成しても、同様に被帯電体23を均一に帯電することができると共に、各放電電極の長寿命化が図れる。
【0101】
図28は複数の放電器を備えた帯電装置の実施形態を示す概略構成図であり、図26と対応する部分には同一の符号を付してある。
この帯電装置2″は、被帯電体である感光体ドラム113(図28では便宜上直線状態に図示している)の矢示Eの回転方向に沿って2個(3個以上であってもよい)の同様な放電器20A,20Bを、各放電電極22が感光体ドラム113の表面に対向するように並べて配設し、それをケース141′にそれぞれ固定している。
【0102】
このように、放電器20A,20Bを、感光体ドラム113の回転方向に並べて配置すれば、放電器の数だけ電荷量を増加させることができる。したがって、感光体ドラム113の線速が高速である場合であっても、良好な帯電性を得ることができる。
【0103】
また、放電器を複数設ける場合、図29に下面図を示すように支持部材22″を1つにして、そこに2個の放電器20A,20Bの放電電極22の総数に等しい数の放電電極22を、例えば図示のように千鳥状に配置してもよい。あるいは、2つの放電器間にスペーサを設けることにより、その2つの放電器間で互いの放電電極間の距離を確保するようにしてもよい。
なお、放電器を複数設ける場合、上述した放電器20(図1参照)に限ることなしに、図9,図15,図16,図18,図19,図20,図22,図24でそれぞれ説明した各放電器30,60,70,80,90,100,110,120を使用しても、同様な効果を奏する。
【0104】
図30はこの発明による像担持体ユニットを備えた画像形成装置を示す全体構成図、図31は同じくその像担持体ユニットを示す概略構成図である。
図30に示す画像形成装置は、装置本体1内の略中央に像担持体ユニットである感光体ユニット5を、装置本体1に対して着脱自在に設けており、その感光体ユニット5には、図26で説明した帯電装置2と、感光体ドラム6とが設けられている。
【0105】
この画像形成装置は、帯電装置2により感光体ドラム6の表面を帯電し、その帯電面に光学読取系3により読み取った画像データを基にして光書込系4が潜像を形成し、その潜像を現像装置7がトナーにより可視像とする。
なお、後述する両面画像形成時(用紙の表裏の両面に画像を形成するモード)には、光学読取系3が読み取った画像データを予め記憶部に記憶しておき、その画像データを基にして、光書込系4が感光体ドラム6上に潜像を順次形成していく。
【0106】
一方、装置本体1の下部に設けている給紙系8から用紙Pを給紙し、それを感光体ドラム6が設けられている作像部に搬送路19を通して搬送し、感光体ドラム6上の可視像を用紙P上の正確な位置に転写する。
その用紙Pは、定着装置9に搬送され、そこで可視像(トナー像)が定着され、その後で図示しない排紙分岐爪に案内されて直線搬送され、排紙ローラ対16により装置本体1の外部の排紙トレイ11上に排出される。
【0107】
あるいは、その用紙Pを表裏反転させてから排出する反転排紙、又は裏面にも画像を形成する両面画像形成を行なう場合には、用紙Pが排紙分岐爪に案内されて反転搬送路12から両面装置10へ向けて搬送される。
すなわち、用紙Pを反転排紙する場合には、その用紙Pが反転搬送路12に送り込まれ、それが両面装置10の両面トレイ13に一旦搬送された後に進行方向が逆転されて反転排紙通路14に案内され、表裏が反転された状態で排紙トレイ11上に排出される。
【0108】
また、両面画像形成の場合には、反転搬送路12に送り込まれた用紙Pは、同様に両面トレイ13に一旦搬送された後に進行方向が逆転されて、今度は両面搬送路15に搬送される。そして、その用紙Pは、再び感光体ドラム6のある作像部に送り込まれ、そこで裏面に画像が形成された後に、定着装置9からストレートに搬送されて排紙トレイ11上に排出される。
【0109】
感光体ユニット5は、図31に示すように帯電装置2と、その帯電装置2により表面が帯電され、露光により静電潜像が形成されるOPCドラム方式の被帯電体である感光体ドラム6と、その感光体ドラム6の表面をクリーニングするクリーニング装置を構成するブラシローラ28とを一体のユニットに構成し、それを図30に示した装置本体1に対して着脱可能にしたものである。
【0110】
なお、この感光体ユニット5は、ブラシローラ28を構成から外して、帯電装置2と感光体ドラム6とで一体のユニットに構成するようにしてもよい。
また、この感光体ユニット5は、感光体ドラム6の表面に先端を摺接させて転写残トナーを掻き落とすクリーニングブレード17を備えており、そのクリーニングブレード17により掻き落としたトナーを、ブラシローラ28でトナー搬送オーガ18側に移動させ、そのトナー搬送オーガ18を回転させることにより回収した廃トナーを、所定の廃トナー収納部に搬送するようにしている。
【0111】
この帯電装置2を備えた画像形成装置によれば、その帯電装置2が備えている放電器20には半球部22aを有する放電電極22を複数設けているので、針状の放電電極を使用した場合のように放電点が1個所に集中することがないので、放電電極22の長寿命化を図ることができる。
【0112】
そして、その放電器20は、図2で説明したように放電電極22の最大外径Dmxを100μm以下に抑えることにより放電電極面が平面に近づくのを規制しているので、放電が不安定になるのを防止できる。したがって、長期に亘って感光体ドラム6を安定した状態で均一に帯電することができ、それにより高い画像品質が得られる。
また、帯電装置2の放電器20は、金属ワイヤを用いたワイヤ電極放電器に比べて放電点が少ない分だけ電離部分が少なくなるので、オゾンの発生も少ない。
【0113】
さらに、感光体ユニット5は、帯電装置2と感光体ドラム6等が一体のユニットに構成され、それが装置本体1に対して着脱可能であるため、帯電装置2や感光体ドラム6のメンテナンスや交換をする際に、その作業を容易に行なうことができる。
【0114】
なお、図31には図26で説明した帯電装置2を装着した場合の感光体ユニット5を一例として示したが、感光体ユニットは同様に図27で説明した帯電装置2′や、図28で説明した帯電装置2″を同様に装着したもの、さらにはそれ以外に説明した各放電器30,60,80,90,100,110及び120を用いた帯電装置を使用して構成しても、同様の作用効果を奏する。
【0115】
図32は放電器の放電電極を清掃する放電電極清掃装置を設けた画像形成装置の放電電極清掃装置を放電器と共に示す概略構成図、図33は同じくその放電電極清掃装置と放電器を示す斜視図である。
この実施形態における画像形成装置は、図30で説明した画像形成装置に図32及び図33に示す放電電極清掃装置150を装着した点のみが相違するだけであるため、その装置全体の図示を省略し、必要に応じて図30を参照して説明する。
【0116】
この画像形成装置が有する放電電極清掃装置150は、放電器20の放電電極22に清掃部材151を摺接させて、その放電電極22の半球部22aを清掃するものであり、清掃部材151は図33の矢示J方向に回転することにより放電電極22に対して摺接する。
この画像形成装置の帯電装置2は、そこに放電電極清掃装置150を取り付けるために、図32に示すようにケース141にスリット145を、そのケース141の長手方向(図32で手前と奥方向)に沿って形成し、そのスリット145内に清掃部材支持部152を移動可能に挿入させている。
【0117】
その清掃部材支持部152の上部には、雌ネジ孔153aを有するスクリューロッド受け153を一体に設け、そのスクリューロッド受け153の雌ネジ孔153aに、図33に示すように図示しない支持部材により回転可能に支持されたスクリューロッド154を螺合させている。
したがって、スクリューロッド154を矢示K方向に回転させると、それに雌ネジ孔153aが螺合するスクリューロッド受け153が清掃部材支持部152と共に、スクリューロッド154の回転方向に応じて矢示M方向に移動する。
【0118】
スクリューロッド受け153には、モータ155の本体部が固定されていて、そのモータ155によって回転される回転軸156の下端部には、例えばゴム製の回転コロ157が固定されている。なお、回転軸156の下端部は、清掃部材支持部152の下部水平部152aにより回転自在に支持されている。
【0119】
その下部水平部152aには、清掃部材保持コロ158が回転自在に支持されていて、その清掃部材保持コロ158の外周面が回転コロ157の外周面に接している。したがって、回転コロ157がモータ155により回転されると、その回転コロ157と清掃部材保持コロ158との摩擦力により、清掃部材保持コロ158が矢示J方向に回転する。
【0120】
その清掃部材保持コロ158の上面には、ブラシ状またはヤスリ状の清掃部材151が取り付け交換可能に固定されており、その上面が放電器20の放電電極22の半球部22aに接するようになっていて、その清掃部材151が矢示J向に回転したときに放電電極22の半球部22aを摺接するようになっている。
なお、清掃部材151は、放電電極22との接触深さを適切な深さにすれば、放電器20の支持部材21の電極取付面21a(図1も参照)も同時に清掃することができる。
【0121】
この画像形成装置は、上述したような構成の放電電極清掃装置150により、放電電極22に接触させた清掃部材151を回転させることにより放電電極22の半球部22aを摺接して清掃するものであり、その放電電極22は半球状に形成されていることにより角部がないので、そこに回転する清掃部材151が接触しても電極が欠けてしまうようなことがない。また、清掃部材151がダメージを受けることもほとんどない。
そして、スクリューロッド154を図示しないモータにより回転させると、前述したようにスクリューロッド受け153が矢示M方向に移動し、清掃部材151が放電器20の全ての放電電極22を清掃可能な位置まで移動する。
【0122】
その清掃部材151は、清掃動作を行なわないときには放電器20の長手方向(図33の矢示M方向)の端部で、感光体ドラム6(図30参照)の帯電に影響のない場所に待機させておき、画像形成装置の電源がONあるいはOFFされたとき、さらにプリント待機時等のタイミングのときに、矢示M方向に移動させる。
このように、この画像形成装置は、放電電極22の半球部22aを清掃する放電電極清掃装置150と、グリット142を備えた帯電装置2を有しているので、その組み合わせで被帯電体23を長期間に亘って均一且つ安定して帯電することができる。
【0123】
図34は図27に示した帯電装置とそこに設けられている放電電極を清掃する放電電極清掃装置とを備えた画像形成装置の放電電極清掃装置を放電器と共に示す図33と同様な概略構成図であり、図33と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0124】
この画像形成装置は、図30で説明した画像形成装置に、帯電装置2に代えて図27に示す帯電装置2′を装着した点のみが相違するだけであるため、その装置全体の図示を省略する。
この画像形成装置においても、球形状であることにより外面が半球状をしている放電電極72の外面に、清掃部材151を接触させた状態で回転させることによりその外面を摺接して清掃するので、図33で説明した場合と同様に、清掃部材151の摺接により放電電極72が欠けてしまうようなことがない。また、清掃部材151がダメージを受けることもほとんどない。
【0125】
なお、使用する放電器を、図18乃至図24で説明した放電器80,90,100,110及び120のいずれかと、図34に示した放電電極清掃装置150とを組み合わせた構成にすれば、球形状をした放電電極72に接した状態にある清掃部材151が回転して放電電極72の球面を摺接すると、その摩擦力により放電電極72自体も回転する。したがって、その回転により放電電極72は新たな放電面が被帯電体に対向するようになるので、放電電極72の耐久性を更に延ばすことができる。
【0126】
特に、図22及び図23に示した放電器110、あるいは図24に示した放電器120と放電電極清掃装置150とを組み合わせた構成にしたときには、電極保持部材112あるいは103を外部から強制的に移動させて放電電極72を回転させることができるので、放電電極72の被帯電体に対向する放電面の位置変更を確実に行なうことができながら、清掃部材151による放電電極72の清掃とを併用できるので、より放電の安定性と耐久性の向上が図れる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による放電器、帯電装置、像担持体ユニット及び画像形成装置によれば、放電電極の絶縁部材からなる支持部材の電極取付面から突出した部分を半球状に形成したので、放電点が針状電極の場合のように先端の一点のみに集中することなしに、被帯電体に対する最近接部とその近傍に所定の幅Wで振れる。
それにより、放電点が1個所に集中したときのように、放電電極の特定の部分だけが消耗してしまうようなことがないので、放電電極の寿命を延ばすことができながら均一な帯電ができる。
【0128】
また、金属ワイヤを用いたワイヤ電極放電器に比べて放電点が少ない分だけ電離部分が少なくなるので、放電の際に生成される電離生成物の量が少ないと共にオゾンの発生も少ない。
【0129】
さらに、放電電極被帯電体に対して接触させたり、被帯電体に対して数十μ単位の非常に小さなギャップを設けて近接させたりせずにある程度の距離を置いて使用すれば、電離作用により放電電極から放出される荷電粒子が被帯電体の表面に激しく当ってダメージを与えてしまうスパッタ効果も防止できる。
しかも、各放電電極は、支持部材の電極取付面から突出して被帯電体との間に放電が発生する半球状の部分以外の部分は、絶縁部材からなる支持部材に完全に覆われているため放電しない。また支持部材の電極取付面から被帯電体に対して放電が起きることもない。したがって、放電すべきでない領域から無秩序な放電が生じてしまうのを防止できるため、均一な帯電状態を確保することができる。
【0130】
【0131】
さらに、針状の放電電極の場合には、とがった針先に付着した電離生成物をクリーニングするのは非常に難しいが、放電電極が略半球形状あるいは球形状であれば、その表面にスポンジやブラシ等を摺接させれば、その表面を容易に清掃することができる。
【0132】
放電電極をステンレス材の金属球にすれば、放電の際に生じる生成物に対して高い耐久性が得られる。また、製造コストも安くすることができる。
給電電極と放電電極支持部材に形成した孔部を通して、放電電極のその孔部に設けられた部分により導通させる構成にすれば、放電電極の半球状部に使用する材料と、孔部に設けられる部分とに適材適所の材料選択ができる。したがって、各放電電極からの放電がバラつきなく安定した放電になり、且つ高耐久性の放電器を提供できる。
【0133】
上記孔部内に設けられる部分を体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗の材料で形成すれば、放電電極に流れる電流を規制して、特定の放電電極に放電が集中するのを防止することができるため、バランスのよい放電になる。
また、放電電極自体の体積固有抵抗値を1×10〜1×1014Ω・cmにしても、放電電極に流れる電流を規制して、バランスのよい放電ができる。
【0134】
【0135】
球形状の放電電極回転可能に保持して設ければ、その放電電極に清掃部材等を接触させて摺接させたとき、その摩擦力により放電電極自体も回転する。したがって、その回転により放電電極は新たな放電面が被帯電体に対向するようになるので、放電電極の耐久性を延ばすことができる。
【0136】
球形状の放電電極を保持する電極保持部材を移動可能にすれば、その電極保持部材の移動により球形状の放電電極を強制的に回転させることができるので、放電電極を摺接する清掃部材等を持たない放電器であっても、放電電極を一定の期間ごとに回転させて新たな放電面を被帯電体に対向させることができるので、放電電極の耐久性を延ばすことができる。
【0137】
球形状をなす放電電極を定期的に回転させれば、その放電電極の球面支持部材内の研磨材充填部に充填されている研磨材により研磨されるようにして、その放電電極の表面に付着した放電による電離生成物を取り除いたり、表面のダメージ゛を修復したりすることも可能である。
【0138】
【0139】
この発明による帯電装置によっても上記の効果が得られさらに放電器を複数設ければ、その放電器の数だけ電荷量を増加させることができるので、その放電器により帯電される感光体等の非帯電体の線速が高速である場合であっても、良好な帯電性を得ることができる。
【0140】
この発明による画像形成装置によっても上記の効果が得られさらに放電器の放電電極を清掃する放電電極清掃装置を設ければ、清掃部材を放電電極に所定タイミングで摺接させることにより、放電によって発生して放電電極の表面に付着した電離生成物を高い確率で除去して安定性のある放電状態を維持することができる。
さらに、清掃部材を回転させることによって清掃部材を放電電極に摺接させるようにすれば、簡単な構成にすることができる。
【0141】
この発明による放電器の製造方法によれば、支持部材の電極取付面から突出する部分が半球状の放電電極を、電極となる材料が分散混合されたインク状態材料を使用して印刷し、そのインク状態材料の表面張力を利用して製造するので、放電器を簡単且つ安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による放電器の一実施形態例を示す外観斜視図である。
【図2】 同じくその放電器の縦断面図である。
【図3】 図1の放電器の放電電極と支持部材を共に縦に切断した縦断面図である。
【図4】 同じくその放電器は放電幅が所定の幅Wで振れる様子を説明するための説明図である。
【図5】 放電器を製造する際に下部支持部材の上に給電電極を置いた工程を示す斜視図である。
【図6】 図5の工程の後に給電電極を挾むように上部支持部材を置いた工程を示す斜視図である。
【図7】 図6の工程の後に下部支持部材と上部支持部材とを接着して一体にする工程を示す斜視図である。
【図8】 図7の工程の後に放電電極となる材料が分散混合されたインクを使用してスクリーン印刷をする工程を説明するための斜視図である。
【図9】 異なる形状の放電電極を備えた放電器の実施形態を示す図3と同様な縦断面図である。
【図10】 参考例として放電電極を蒲鉾形状にすることにより電極取付面から突出した部分が曲面をなすようにした放電器を示す図1と同様な斜視図である。
【図11】 図10の放電電極が有する支持部材を給電電極と共に示す斜視図である。
【図12】 図10の放電器は放電幅が所定の幅Wで振れる様子を説明するための説明図である。
【図13】 参考例として複数の放電電極を線状の給電電極で互いに接続するようにした放電器を示す図2と同様な断面図である。
【図14】 参考例として各放電電極を中抵抗体を介して各給電電極に接続するようにした放電器を示す図13と同様な断面図である。
【図15】 電極取付面から突出した部分に直線部を有する放電電極を備えた放電器の実施形態を示す図2と同様な断面図である。
【図16】 球状の放電電極を使用した放電器の実施形態を示す図2と同様な断面図である。
【図17】 球状の放電電極と給電電極との接触部の一構成例を示す斜視図である。
【図18】 球状の放電電極を保持する構造が異なる放電器の実施形態を示す図16と同様な断面図である。
【図19】 球状の放電電極を保持する構造のさらに異なる放電器の実施形態を示す図18と同様な断面図である。
【図20】 支持部材に形成したスリット溝内に球状の放電電極を複数設けた放電器の実施形態を示す図1と同様な斜視図である。
【図21】 同じくその放電器の縦断面図である。
【図22】 電極保持部材の移動により球状の放電電極が回転するようにした放電器の実施形態を示す縦断面図である。
【図23】 同じくその電極保持部材を右方へそれ以上移動できない位置まで移動させた状態を示す図22と同様な縦断面図である。
【図24】 支持部材内に放電電極を研磨する研磨材を充填するようにした放電器の実施形態を示す図21と同様な縦断面図である。
【図25】 参考例として放電電極がベルトと共に回動する放電器の実施形態を示す概略構成図である。
【図26】 この発明による帯電装置の一実施形態例を示す概略構成図である。
【図27】 この発明による帯電装置の他の実施形態を示す図26と同様な概略構成図である。
【図28】 複数の放電器を備えた帯電装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図29】 1つの支持部材に複数の放電電極を千鳥状に配置した放電器の例を示す下面図である。
【図30】 この発明による像担持体ユニットを備えた画像形成装置を示す全体構成図である。
【図31】 同じくその像担持体ユニットを示す概略構成図である。
【図32】 放電器の放電電極を清掃する放電電極清掃装置を設けた画像形成装置の放電電極清掃装置を放電器と共に示す概略構成図である。
【図33】 同じくその放電電極清掃装置と放電器を示す斜視図である。
【図34】 図27に示した帯電装置とそこに設けられている放電電極を清掃する放電電極清掃装置とを備えた画像形成装置の放電電極清掃装置を放電器と共に示す図33と同様な斜視図である。
【符号の説明】
2,2′,2″:帯電装置
5:感光体ユニット(像担持体ユニット)
20,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120,130:放電器
21,21′,41,71:支持部材
21A:下部支持部材
21B:上部支持部材
21a,41a,71a:電極取付面
21b,21b′:孔部
22,32,42,62,72:放電電極
22a,32a,62a:半球部
22b,32b,62b:首部 23:被帯電体
25,55a〜55d,7,105,133:給電電極
42a:蒲鉾形状部分 63:絶縁部材
84,103,112:電極保持部材
113:感光体ドラム(被帯電体)
121:研磨材 122:研磨材充填部
131:電極支持ベルト
150:放電電極清掃装置 151:清掃部材

Claims (20)

  1. 絶縁部材からなる支持部材に、その長手方向に間隔を置いて複数個の放電電極をそれぞれ一部が電極取付面から突出するように設け、その各放電電極は導電体又は体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の材料で形成され、前記電極取付面から突出した部分を半球状に形成し、該各放電電極の前記支持部材内にある部分が該支持部材内に前記長手方向に延びて設けられた給電電極にそれぞれ接触していることを特徴とする放電器。
  2. 前記放電電極の前記電極取付面から突出して半球状に形成されている部分の最大外径が、20μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1記載の放電器。
  3. 前記放電電極は全体が球形状に形成され、その一部が前記電極取付面から突出するように前記支持部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放電器。
  4. 前記放電電極はステンレス材の金属球であることを特徴とする請求項3に記載の放電器。
  5. 前記給電電極と前記放電電極は前記支持部材に形成した孔部を通して前記各放電電極の該孔部に設けられた部分により導通ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放電器。
  6. 前記各放電電極の前記孔部に設けられた部分は体積固有抵抗値が1×10〜1×1014Ω・cmの中抵抗の材料で形成されていることを特徴とする請求項5に記載の放電器。
  7. 前記放電電極は電極となる材料を分散混入させた材料による印刷で形成されていることを特徴とする請求項1、2、5のいずれか一項に記載の放電器。
  8. 前記給電電極にその長手方向に間隔を置いてテーパ状の断面を有する凹溝を形成し、その各凹溝に前記各放電電極を嵌入させたことを特徴とする請求項3に記載の放電器。
  9. 前記給電電極と前記各放電電極との間に体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の弾性体からなる電極抵抗体を介在させたことを特徴とする請求項3に記載の放電器。
  10. 請求項3に記載の放電器において、前記給電電極として前記球形状の放電電極を回転可能に保持する導電体からなる電極保持部材を設けたことを特徴とする放電器。
  11. 前記電極保持部材は長手方向に沿ってV溝を形成し、該V溝に体積固有抵抗値が1×10 〜1×10 14 Ω・cmの中抵抗の材料からなる電極抵抗体を介して前記各放電電極を回転可能に保持していることを特徴とする請求項10に記載の放電器。
  12. 前記電極保持部材は、前記球形状の放電電極に接触した状態のまま移動可能に前記支持部材に保持され、該電極保持部材を移動させたときに前記放電電極が摩擦力により回転するようにしたことを特徴とする請求項10又は11に記載の放電器。
  13. 請求項12に記載の放電器において、前記支持部材内に前記放電電極の球面に接して該球面を研磨する研磨材を充填するための研磨材充填部を設け、該研磨材充填部に前記研磨材を充填したことを特徴とする放電器。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の放電器を備えた帯電装置。
  15. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の放電器が複数設けられていることを特徴とする帯電装置。
  16. 請求項14又は15に記載の帯電装置と、該帯電装置により表面が帯電される像担持体とを少なくとも備えたことを特徴とする像担持体ユニット。
  17. 請求項14又は15に記載の帯電装置を備えた画像形成装置。
  18. 請求項17に記載の画像形成装置において、前記放電器の放電電極に清掃部材が摺接して該放電電極を清掃する放電電極清掃装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  19. 前記放電電極清掃装置の清掃部材は回転することにより放電電極に対して摺接することを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 全体電極支持部材上に給電電極を置き、その給電電極を挾むように前記全体電極支持部材上に放電電極取付支持部材を置いてそれらを一体に固定し、その放電電極取付支持部材の上面を電極となる材料が分散混合されたインク状態材料を使用して印刷し、そのインク状態材料が前記放電電極取付支持部材に放電電極に対応して形成されている孔部から入り込んで前記給電電極まで至ると共に、前記孔部の入り口部分に溜ったインク状態材料が表面張力により曲面形状になって前記放電電極取付支持部材の上面から突出して前記放電電極を形成することを特徴とする放電器の製造方法。
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