JP4181747B2 - サニャック干渉計に基づく光ファイバ音響センサアレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
【発明の分野】
本発明は、光がアレイを伝搬し、アレイから戻る光に対する音響信号の影響を分析して音響信号の特性を決定する、光ファイバ音響センサアレイの分野に関する。
【0002】
【関連技術の説明】
光ファイバ系音響センサは従来の電子センサに取って代わる有望な技術である。それらの利点としては、感度が高いこと、ダイナミックレンジが広いこと、軽量であること、そして小型であることなどが挙げられる。共通のバスに多数の光ファイバセンサを容易に多元化できることも、アレイ規模の拡大という観点で光ファイバセンサを魅力的にしている。最近では、一対のファイバによって支持できるセンサ数を増やすために多数の小利得エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)が光ファイバセンサアレイに組込まれ、成功を収めているが、これによっても大規模な光ファイバセンサアレイの競争力が増している。
【0003】
音響検出には、光ファイバセンサとしてはマッハ・ツェンダー干渉センサが選ばれてきた。いかなる干渉センサにおいても、二乗余弦関数によって位相変調が強度変調にマッピングされる。この非線形伝達関数のために、シヌソイド位相変調により高調波の次数が高くなる。直角位相(干渉ビームの位相がπ/2だけずれている)でバイアスされた干渉計の応答は第1次高調波で最高であり、第2次高調波で最低である。この理由のために直角位相は好ましいバイアス点である。バイアス点が(たとえば外部の気温の変化により)直角位相から移動すると、第1次高調波での応答が低下し、第2次高調波での応答が上昇する。干渉計が、位相が0またはπずれてバイアスされている場合、第1次高調波は完全に消えてしまう。この(直角位相からバイアス点が移動することに起因する)第1次高調波での応答の低下は、信号のフェージング(fading)と呼ばれる。
【0004】
バイアス点が不安定であるため、マッハ・ツェンダー干渉センサでは特に、たった今述べた信号のフェージングの問題が起こりやすい。信号のフェージングを克服するためには、リターン信号を復調する必要がある。典型的な復調技術は位相発生キャリア(PGC)機構であり、これには経路が不整合なマッハ・ツェンダー干渉センサが要求される(たとえばAnthony Dandridge, et al., Multiplexing of Interferometric Sensors Using Phase Carrier Techniques, Journal of Lightwave Technology, Vol.LT-5, No.7, July 1987, pp.947-952を参照。)このように経路が不均衡なことによりさらに、レーザ位相ノイズが強度ノイズに変換されてしまい、マッハ・ツェンダー干渉センサアレイの性能が低周波数に制限されてしまい、光源の線幅の要件が厳しくなる。このように狭い線幅の要件により、1.55μmでの増幅マッハ・ツェンダー干渉センサアレイの開発が遅れてきた。
【0005】
サニャック干渉計は光ファイバジャイロスコープにおいて広い用途を見出している。(たとえばB. Culshaw, et al., Fibre optic gyroscopes, Journal of Physics E (Scientific Instruments), Vol.16,No.1, 1983, pp.5-15を参照。)サニャック干渉計を音響波の検出に使用することが提案されている。(たとえばE. Udd, Fiber-optic acoustic sensor based on the Sagnac interferometer, Proceedings of the SPIE-The International Society for Optical Engineering, Vol.425, 1983, pp.90-91; Kjell Krakenes, et al., Sagnac interferometer for underwater sound detection: noise properties, OPTICS LETTERS, Vol.14, No.20, October 15, 1989, pp.1152-1145; and Sverre Knudsen, et al., An Ultrasonic Fiber-Optic Hydrophone Incorporating a Push-Pull Transducer in a Sagnac Interferometer, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol.12, No.9, September 1994, pp.1696-1700を参照。)その共通経路設計のために、サニャック干渉計は双方向性を有し、このためバイアス点は安定しており、信号のフェージングの問題を排除し、光源の位相ノイズが強度ノイズに変換されることを防ぐ。したがって、サニャック干渉計には、マッハ・ツェンダー干渉センサを低周波数に制限する位相ノイズの問題がない。
サニャック干渉計は感知システムにも使用されていた。たとえば、Uddの米国特許第5,694,114号は、安全通信システムのためのコヒーレントアラームであって、サニャック干渉計を形成するよう、1つまたは2つ以上の光源、位相変調器、検出器および偏光拡散素子を、1対の単一モード光ファイバケーブルと組合せて使用するものを開示している。たとえば米国特許第5,694,114号の図13Aおよび図19に示されるように、2つのサニャック干渉計は、異なった光波長を有する2つの光源を使用することにより共通の感知素子を共有できる。
【0006】
【発明の概要】
本発明の1つの局面は、光の光源を含む音響センサシステムである。カプラは光源からの光を受け、光の第1の部分を第1のカプラポートに結合し、光の第2の部分を第2のカプラポートに結合する。干渉ループの第1の端部は光の第1の部分を受けるよう第1のカプラポートに結合され、第2の部分は光の第2の部分を受けるよう第2のカプラポートに結合される。干渉ループは第1の方向に光の第1の部分を第2のカプラポートに伝搬し、第1の方向とは反対の第2の方向に光の第2の部分を第1のカプラポートまで伝搬する。干渉ループは遅延部分を含む。遅延部分は干渉ループの第1の端部に近接した第1の端部と、第2の端部とを有する。遅延部分は、遅延部分の第1の端部から遅延部分の第2の端部まで遅延部分を通る光を時間的に遅延し、かつ遅延部分の第2の端部から遅延部分の第1の端部まで遅延部分を通る光を時間的に遅延する。アレイは遅延部分の第2の端部に結合された第1の端部と、ループの第2の端部に結合された第2の端部とを有する。アレイは、アレイの第1の端部とアレイの第2の端部との間に結合された少なくとも第1の音響センサと第2の音響センサとを含む。第2の音響センサは第1の音響センサよりも遅延部分の第2の端部およびループの第2の端部から離れたところに配置され、第2の音響センサが、第1の音響センサとは異なった時間に光を受けるようにする。第1の音響センサおよび第2の音響センサはそれぞれ、第1および第2の方向にそれを通過する光を変調するよう、あたる音響信号に応答する。少なくとも1つの検出器は干渉ループからカプラに戻る光を受ける。検出器は第1の時間に第1の音響センサによって変調された光を検出し、第1の時間後の第2の時間に第2の音響センサによって変調された光を検出する。検出器は検出器出力信号を発生する。センサ毎に、反対方向にセンサを通って伝搬する光パルスが異なった時間にこれを行なう。検出されることとなる音響信号はループによって導入される時間遅延の間に変化するため、各センサを反対方向に伝搬する2つの光信号は、音響信号によって引き起こされる異なった位相シフトを経験する。光信号がループのカプラで合成されると、異なった位相シフトにより、検出器によって検出される振幅変調が発生する。
【0007】
いくつかの実施例において、音響センサシステムは第2の遅延部分をさらに含む。第2の遅延部分は、光の一部分のみが第2の遅延部分に伝搬するように干渉ループに結合される。第2の遅延部分は、第1および第2のセンサの各々が、第1の遅延部分の一部分のみによって遅延される光を伝搬し、さらには第1の遅延部分および第2の遅延部分の両方によって遅延される光を伝搬するようにする。これにより検出器は、第1および第2のセンサの各々からの少なくとも2対の干渉し合う信号を受ける。
【0008】
特定的な実施例において、音響センサシステムは、アレイに配置され、第1のセンサと第2のセンサとの間の光を分割することにより生じる損失を補償する複数の増幅器をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施例において、第1の音響センサによって変調される光は、時間分割多元化によって第2の音響センサによって変調される光から分離される。
【0010】
代替的な実施例において、光は光源で変調されて、リターン信号に周波数分割多元化を施すようにする。このような実施例において、システムはチャーピング周波数を発生する発生器をさらに含む。強度変調器はチャーピング周波数によって光の光源からの光を変調する。電子遅延器はチャーピング周波数を受け、遅延されたチャーピング周波数を発生する。ミキサは検出器出力信号および遅延されたチャーピング周波数を混合して、第1および第2の音響センサの各々に対応するそれぞれのうなり周波数を発生する。各うなり周波数は、それぞれの第1および第2の音響センサによって検出されるそれぞれの音響信号に対応するそれぞれの側帯域を有する。
【0011】
さらなる代替的な実施例において、リターン信号はコード分割多元化によって多元化される。このような代替的な実施例において、音響センサシステムは、デジタルコードを発生するコード発生器をさらに含む。強度変調器はデジタルコードによって光源からの光を変調する。電子遅延器は選択された遅延をデジタルコードに付与して、遅延されたデジタルコードを発生する。相関器は検出器出力信号およびデジタルコードを相関づけて、第1および第2の音響センサのうちの選択されたものによって感知された音響信号に対応する非多重化信号を発生する。第1および第2のセンサのうちの選択されたものは選択された遅延器によって選択される。電子遅延器を変更することにより、センサ信号の各々が順次非多重化できるようになる。
【0012】
本発明は、センサを通って両方の偏光状態で光が伝搬することを保証するために、その中を伝搬する光を減偏光するための、ループに設けられた減偏光子を有利に含んでもよい。
【0013】
本発明の別の局面は、第1のサニャック干渉計を含むサニャック干渉感知システムである。第1のサニャック干渉計は、複数の隔てられた光のパルスとして光を発生する光源を含む。カプラは光のパルスを第1のカプラポートおよび第2のカプラポートに結合する。光路は第1のカプラポートからの光を第2のカプラポートに結合し、第2のカプラポートからの光を第1のカプラポートに結合する。光路は第1のカプラポートに近接した遅延部分を含む。遅延部分は、遅延部分を通って遅延部分の第1の端部から遅延部分の第2の端部まで伝搬する光を時間的に遅延し、さらには遅延部分を通って遅延部分の第2の端部から遅延部分の第1の端部まで伝搬する光を時間的に遅延する。第1の音響センサは遅延部分の第2の端部とカプラの第2の端部との間に結合される。第1の音響センサは、遅延部分の第2の端部からの第1の光信号を第2のカプラポートに伝搬し、かつ第2のカプラポートからの第2の光信号を遅延部分の第2の端部に伝搬する。第1の音響センサは、あたる音響信号に応答して、第1および第2の光信号を変調する。第2の光信号は遅延部分で遅延されて、第2の光信号が、第2の光信号がカプラの第2のポートに到達するのと実質的に同時にカプラの第1のポートに到達するようにする。第1の光信号および第2の光信号はカプラで干渉し合い、第1の干渉出力信号を発生する。検出器は、第1の干渉出力信号を受けるよう結合される。第2のサニャック干渉計は光源と、カプラと、光路と、遅延部分と、検出器と、第2の音響センサとを含む。第2の音響センサは遅延部分の第2の端部とカプラの第2のポートとの間に結合される。第2の音響センサは、遅延部分の第2の端部およびカプラの第2のポートからずれて配置されて、第2の音響センサが、カプラの第2のポートに第1の光信号が結合された後に、遅延部分の第2の端部からの第3の光信号をカプラの第2のポートに結合するようにし、かつ第2の光信号が遅延部分の第2の端部に結合された後に遅延部分の第2の端部にカプラの第2のポートからの第4の光信号が結合されるようにする。第4の光信号は遅延部分で遅延されて、第3の光信号がカプラの第2のポートに到達するのと実質的に同時にカプラの第1のポートに到達するようにする。第3および第4の光信号はカプラで干渉し合い、第1の干渉光信号が検出器によって検出された後に検出される第2の干渉出力信号を発生する。
【0014】
本発明の別の局面は感知装置であり、これは光パルスの光源と、光カプラとを含み、この光カプラは光パルスを受け、光パルスを第1のカプラポートおよび第2のカプラポートに結合する。光ファイバループは第1のカプラポートからの光を受けるよう結合された第1の端部と、第2のカプラポートからの光を受けるよう結合された第2の端部とを有する。第1のカプラポートからの光はループ中を第1の方向に第2のカプラポートまで伝搬する。第2のカプラポートからの光はループ中を第2の方向に第1のカプラポートまで伝搬する。センサアレイは複数のセンサを含む。各センサはループ中を第1の方向に伝搬する光のそれぞれの部分と、ループ中を第2の方向に伝搬する光のそれぞれの部分を受ける。センサの各々は、光のそれぞれの部分がセンサのうち第2のものを通って伝搬する前に、センサの第1のものを通って光のそれぞれの部分が伝搬するように、異なる光路長を有する。センサアレイは、ループの第2の端部よりもループの第1の端部に光学的に近接して配置され、第1の方向に伝搬する光がループ中で遅延され、その後センサアレイを通って伝搬し、かつ第2の方向に伝搬する光がセンサアレイを通って伝搬し、その後ループ中で遅延されるようにする。このように、反対方向に所与のセンサを通って伝搬する光パルスは異なった時間にこれを行なう。検出されることとなる音響信号はループによって導入される時間遅延の間に変化するため、2つの光信号は、音響信号によって引き起こされる異なった位相シフトを経験する。光信号がループカプラで合成されると、異なった位相シフトにより、検出器によって検出される振幅変調が引き起こされる。
【0015】
本発明の別の局面はパラメータを感知するための方法である。この方法によると、光は、光のそれぞれの部分がループ中を第1および第2の方向に反対方向に伝搬するように、光源からループを通って伝搬する。ループ中を伝搬する光は、その中を通る光を変調するために感知されるパラメータに応答する、少なくとも第1および第2のセンサを通る。第1および第2のセンサは、第2のセンサを通る光が第1のセンサを通る光に対して遅延されるように、異なる光路長を有する。第1の方向にループ中を伝搬する光は、第1および第2のセンサを通る前に遅延される。第2の方向にループ中を伝搬する光は、第1および第2のセンサを通った後に遅延される。第1および第2の方向に伝搬する光はカプラで干渉し合い、第1および第2の方向に第1のセンサを通る光に応答する第1の出力信号を発生し、かつ第1および第2の方向に第2のセンサを通る光に応答する第2の出力信号を発生する。第2の出力信号は第1の出力信号に対して遅延される。
【0016】
本発明の別の局面は感知装置であり、これはカプラを含み、このカプラは光源からの光を受け、かつ光の第1および第2の部分を第1および第2のカプラポートに結合する。光ループは第1のカプラポートと第2のカプラポートとの間に接続され、第1のカプラポートからの光を第1の方向にループを通して第2のカプラポートに伝搬し、第2のカプラポートからの光を第2の方向に第1のカプラポートまで伝搬する。第1および第2の方向に伝搬する光はカプラで合成される。センサアレイは、パラメータを感知する少なくとも第1および第2のセンサを含む。第1および第2のセンサはそれぞれの第1および第2の光路を有する。第1のセンサを通る第1の光路は、第2のセンサを通る第2の光路よりも光学的に短い。光遅延部分はセンサアレイと第1のカプラポートとの間のループに位置づけられ、第1の方向に第1のカプラポートから伝搬する光が、センサアレイに到達する前に光遅延部分によって遅延されるようにし、かつ第2の方向に第2のカプラポートから伝搬する光が、センサアレイを通過した後に光遅延部分によって遅延されるようにする。
【0017】
本発明の別の局面は、公知の音響センサアレイのようにマッハ・ツェンダ干渉計に基礎を置くのではなく、サニャック干渉計に基礎を置く光ファイバ音響センサアレイである。光ファイバ音響センサアレイは水中の音響波を検出するために使用される。センサアレイをマッハ・ツェンダ干渉計ではなくサニャック干渉計に基づかせることにより、センサアレイのバイアス点が安定し、位相ノイズが低減し、高価な狭線レーザを要求するのではなく広帯域信号源の使用が可能になる。多数の音響センサをサニャック干渉計のアーキテクチャに多元化することができる。
【0018】
添付の図面に関連して以下に本発明を説明する。
【0019】
【好ましい実施例の詳細な説明】
以下に、サニャックループの(ハイドロホンなどの)音響センサのアレイに関連して本発明を説明する。好ましい実施例を説明する前に、単一ループサニャック音響センサの動作を簡単に説明する。
【0020】
単一ループサニャック音響センサ
簡単なサニャック系音響センサ100が図1に示される。サニャックループは2つの部分、すなわち遅延ループ102とハイドロホン104とに分割される。遅延ループ102は単に非常に長いファイバであり、典型的には1kmよりも長い。ハイドロホン104はファイバの部分であり、ここで音響波が、ファイバに伝搬する光信号の位相変調に変換される。音響波に対する応答性は典型的には、ハイドロホン104におけるファイバの部分に最適なコーティングを選択し、ファイバを適切な組成物のマンドレルのまわりに巻くことにより高められる。(たとえばJ. A. Bucaro, et al., Optical fibre sensor coatings, Optical Fiber
Sensors, Proceedings of the NATO Advanced Study Institute, 1986, pp.321-338を参照。)ハイドロホン104のまわりに巻かれるファイバの長さは典型的に10メートルから100メートルである。たとえば超蛍光ファイバ源(SFS)などの光源110からの光は、3×3カプラ112によって時計回り(CW)および反時計回り(CCW)のビームに分割される。3×3カプラ112の動作は周知であり、たとえばSang K. Sheem, Fiber-optic gyroscope with [3×3] directional coupler, Applied Physics Letters, Vol.37, No.10, 15 November 1980, pp.869-871に記載されている。
【0021】
ここでは3×3カプラ112を使用するものとして説明するが、他のカプラ(たとえば2×2カプラおよび4×4カプラなど)を本発明の代替的な実施例に使用してもよい。たとえば、2×2カプラを使用すると、一方の側のポートの両方がサニャック干渉計を構成するよう使用される。他方の側の一方のポートは検出ポートである。もう1つのポートはアレイに光を出射するために使用され、カプラまたはサーキュレータが採用される場合には検出ポートとして使用され得る(光ファイバジャイロスコープの場合と同様である)。一般に、サニャック干渉計を構成するためにカプラのうち一方の側の2つのポートを使用し、検出ポート、出射ポートまたはこれらの両方としてカプラの他方の側のポートを使用すれば、いかなるn×mカプラを採用してもよい。
【0022】
分割後、CWビームはまず遅延ループ102中を進行し、その後ハイドロホン104へと進み、CCWビームはまずハイドロホン104中を進行し、その後遅延ループ12中を進む。CWビームがハイドロホン104中を進行する時間とCCWビームがハイドロホン104中を進行する時間との時間遅延Tdelay(以下、delayは「遅延」を表す)間、音響信号と同様にハイドロホン104で音響的に誘導された位相変調が変化する。この位相変調の変化は反対方向に伝搬するビーム間の位相の差にマッピングされ、これは、3×3カプラ112でビームが再度合成される際に強度変調に変換される。この強度変調は後に第1の検出器120および第2の検出器122またはこれらの2つの検出器のうちの一方のみによって検出される。
【0023】
より明確には、音響信号がハイドロホン104のファイバに位相変調φηcos(Ωt)を誘導する場合、ハイドロホン104における干渉ビーム間の、結果として生じる位相変調φint(t)は下記の式によって与えられる。
【0024】
【数1】
Figure 0004181747
【0025】
ただし、Tdelayは遅延ループを通る進行時間である。したがって、φint(t)はハイドロホン変調φη、および音響変調周波数Ωとループ遅延Tdelayとの積の関数である。これは、φint(t)がハイドロホン変調φηのみの関数であるマッハ・ツェンダー干渉センサの場合とは異なる。音響周波数Ωと時間遅延Tdelayとの積がπ(式1の1つ目の正弦項の最大値)の奇数倍であるときにサニャックループ音響センサの感度が最高になる。この積πをもたらす音響周波数は適切なループ周波数と呼ばれ、感度が最高になる最低周波数である。水中での感知用途の多くは10kHz未満の音響周波数の検出に関わる。適切なループ周波数が10kHz未満になるようにするためには、50マイクロセカンド以上の遅延時間と、したがって10km以上の遅延ループ長さとが要求される。このため、サニャック音響センサ100では、低音響周波数(<10kHz)の検出に大量のファイバが要求される。
【0026】
サニャック干渉計に特有な共通経路設計には、既に述べたようにバイアス点が安定しており位相ノイズの問題がなくなる他にも、マッハ・ツェンダー干渉計に勝る多くの利点がある。サニャック干渉計では、増幅自発放出(ASE)源の一例として、超蛍光ファイバ源(SFS)などのコヒーレンス長の短い広帯域源の使用が可能になる。このような光源は価格が低く、高いレベルのパワーを容易に供給し得る。3×3カプラを使用するとサニャック音響センサが受動的に直角位相付近にバイアスされることが示されている。(Sang K. Sheem, Fiber-optic gyroscope with [3×3] directional coupler, Applied Physics Letters, Vol.37, No.10, 15 November 1980, pp.868-871; and H. Poisel, et al., Low-cost fibre-optic gyroscope, Electronics Letters, Vol.26, No.1, 4th January 1990, pp.69-70を参照。)3×3カプラの2つの検出ポートから信号を減じると、SFS源の制限ノイズ源である光源過剰ノイズが低減し、ハイドロホンによる位相変調によって誘導される強度変化が起こる。これにより、サニャック干渉計はショットノイズ制限性能に近づく。(Kjell Krakenes, et al., Sagnac interferometer for underwater sound detection: noise properties, OPTICS LETTERS, Vol.14, No.20, October 15, 1989, pp.1152-1145を参照。)
【0027】
サニャック系音響センサに対するこれまでの研究は単一センサの構成に限られていた。サニャック干渉計の持つ特有な利点のために、出願人は、大規模なアレイに配置されたマッハ・ツェンダー干渉センサをサニャック系センサに置き換えることが望ましいと判断した。上述の各サニャックセンサ100には何キロメートルものファイバが要求されるため、このような多数のセンサを大規模なアレイに挿入することは非実用的である。循環する遅延ループを使用してファイバ長さに関する要件を緩和する研究により、ファイバの量は大幅に低減したものの、循環ループ内にEDFAが組込まれることにより高ノイズの問題のあるセンサが生まれた。(たとえばJ.T. Kringlebotn, et al., Sagnac Interferometer Including A Recirculating Ring With An Erbium-doped Fibre Amplifier, OFS '92 Conference Proceedings, pp. 6-9.を参照。)以下に、要求されるファイバ量を低減するための新規な方策を記載する。
【0028】
サニャック干渉計に基づく新規なセンサアレイ
以下に記載するように、出願人は、多数のセンサを同一の遅延ループに多元化することにより、サニャック系の大規模アレイに要求されるファイバ量を低減する新規なシステムを見出し、実用的なサニャックセンサアレイ(SSA)を生み出した。図2に示されるように、本発明によるサニャックセンサアレイ200は単一遅延ループ214に装着された梯子状の形態のハイドロホン212(i)のアレイ210を含む。たとえば、図2は、それぞれの段216(1)、216(2)…216(N)に置かれたN個のハイドロホン212(1)、212(2)…212(N)を有するサニャックセンサアレイ210を示す。サニャックセンサアレイ210の各段216(i)は、それぞれのハイドロホン212(i)の周りに巻かれた単一ファイバを含む。遅延ループ214およびアレイ210を通りカプラ220に戻る3×3カプラ220からのすべての経路には別個のサニャック干渉計が設けられる。したがって、N個のセンサ212のアレイの場合、N個の別個のサニャック干渉計が設けられ、これらの各々が、図1に示される単一ループサニャックセンサ100と同様に動作する。各サニャック干渉計は空間における別個の点、すなわちハイドロホン212(i)の場所で、音響信号を測定する。たとえば、遅延ループ214と段216(1)とを含むサニャック干渉計はハイドロホン212(1)で音響信号を測定する。さらに、各サニャック干渉計はループ中の他の場所における音響信号(たとえばノイズ)も受け、後に説明するようにこのノイズは有利に低減される。
【0029】
サニャックセンサアレイ200は時間分割多元化(TDM)構成(TDMではない機構を後に説明する)において最も容易に理解できる。光源222(これは有利には従来のパルス源を含むか、または外部変調器を有するCW源を含み得る)は光パルスを発生し、この光パルスはカプラ220の第3のポートを介してサニャックループに入り、図2に示されるようにCWおよびCCW方向の両方に伝搬する。アレイ210に到達すると、CCWパルスは一連のN個の別個のパルスに分割される。この時点で、CW入力パルスはまだアレイ210には到達しておらず、依然として単一パルスである。CWパルスは、アレイ210に到達すると一連のN個のパルスに分割される。一連のCWパルスの各々はそれぞれの段216(i)中を進行した後に3×3カプラ220に戻り、反対方向に同じ段216(i)を通って進行したCCW連のパルスを干渉する。このため、N個のパルスが第1の検出器230と第2の検出器232とによって検出され、各パルスはN個のサニャックループのうちの1つのCWおよびCCWパルス(すなわちそれぞれの同じ段216(i)を通って反対方向に進行した2つのパルス)を含む。異なった組合せの段中を進行したパルスは同じ光学経路を辿らないため、このようなパルスがカプラ220で時間的に一致することはなく、したがってカプラ220で互いに干渉し合わない。隣接するセンサからのパルスの重複を避けるため、パルス幅は隣接するセンサ間の遅延の差よりも小さくする必要がある。
【0030】
図3に示されるように、有利には、マッハ・ツェンダー干渉センサアレイにEDFAが付与された場合と全く同様に、アレイ部分210に小利得エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)240が付与される。(たとえば Craig W. Hodgson, et al., Optimization of Large-Scale Fiber Sensor Arrays Incorporating Multiple Optical Amplifiers-Part I:Signal-to-Noise Ratio, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol.16, No.2, February 1998, pp. 219-223; Craig W. Hodgson, et al., Optimization of Large-Scale Fiber Sensor Arrays Incorporating Multiple Optical Amplifiers-Part II:Pump Power, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol.16, No.2, February 1998, pp.224-231;Jefferson L. Wagener; et al., Novel Fiber Sensor Arrays Using Erbium-Doped Fiber Amplifiers, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol.15, No.9, September 1997, pp.1681-1688;and C.W. Hodgson, et al,. Large-scale interferometric fiber sensor arrays with multiple optical amplifiers, OPTICS LETTERS, Vol.22, No.21, November 21, 1997, pp.1651-1653を参照。)EDFA240により、結合および消散損失として損失した信号のパワーを再現すると、単一アレイ210によって支持できるセンサの数が増加する。EDFAは有利には、分割カプラ244および第1の波長分割多元化(WDM)カプラ246および第2のWDMカプラ248によって、1つまたは2つ以上のポンプレーザ源242を用いてポンプ処理される。
【0031】
サニャックアーキテクチャを使用しているため、サニャックセンサアレイ200は、上述の単一ループサニャック系センサ100の利点のすべてを有する。共通経路設計により、干渉カプラ220における光源位相ノイズから強度ノイズにノイズが変換されるという問題がなくなる。光源222はファイバASE(増幅自発放出)源(すなわち上記SFS)であってもよく、これは高価でなく1.55μmで高いパワーを提供する。3×3カプラ220を用いると、すべてのセンサを直角位相付近に受動的にバイアスできるようになる。さらに、3×3カプラ220は、検出器230および232で2つの干渉出力を検出し、かつ光源過剰ノイズを低減するために2つの検出器の出力を使用するための好都合な手段を提供する。(たとえば K. Krakenes, et. al., Sagnac interferometer for underwater sound detection: noise properties, OPTICS LETTERS, Vol.14, 1989, pp.1152-1154を参照。これは、2つの検出器および単一サニャック干渉計の併用を記載している。)
以下に、新規なサニャックセンサアレイ200の特性を具体的に説明し、その後に、サニャック干渉計の使用により得られる周波数応答およびダイナミックレンジをより詳細に説明する。その後、非ハイドロホンファイバループセグメントからの分散ピックアップの大きさの算出について述べ、この際ピックアップの大きさを低減するための技術についても述べる。偏光についても説明する。その後、サニャック設計によってもたらされる新規なノイズ源について説明する。最後に、サニャックセンサアレイのTDM以外の多元化機構を説明する。
【0032】
上ではアレイ210の各段216(i)の単一センサに関して説明したが、各段216(i)が、本発明では、たとえば1999年2月2日に発行されたHodgson et al.の米国特許第5,866,898号に記載されているような多数のセンサを有するサブアレイを有利に含んでもよいことを理解されたい。(さらに C.W. Hodgson, et al., Large-scale interferometric fiber sensor arrays with multiple optical amplifiers, Optics Letters, Vol.22, 1997, pp.1651-1653; J. L. Wagener, et al., Novel fiber sensor arrays using erbium-doped fiber amplifiers, Journal of Lightwave Technology, Vol.15, 1997, pp.1681-1688; C.W. Hodgson, et al., Optimization of large-scale fiber sensor arrays incorporating multiple optical amplifiers, Part I: signal-to-noise ratio, Journal of Lightwave Technology, Vol.16, 1998, pp.218-223; and C.W. Hodgson, et al., Optimization of large-scale fiber sensor arrays incorporating multiple optical amplifiers, Part II: pump power, Journal of Lightwave Technology, Vol.16, 1998, pp.224-231を参照。)
【0033】
周波数応答
先ほど述べたとおり、サニャックセンサは式1によって表される周波数依存応答を有する。1/(2・Tdelay)として定義される適切なループ周波数をはるかに下回る周波数では、検出可能な最小の音響信号は音響周波数の逆数となる。このように周波数の低下に伴う音響感度の低下は、サニャック音響センサの深刻な問題であった。しかしながら、このような周波数の低下に伴う感度の低下は好都合にも、海中のノイズの下限に関係すると指摘されている。(たとえば Sverre Knudsen, Ambient and Optical Noise in Fiber-Optic Interferometric Acoustic Sensors, Fiber-Optic Sensors Based on the Michelson and Sagnac Interferometers: Responsivity and Noise Properties, Thesis, Chapter 3, Norwegian University of Science and Technology, 1996, pp.37-40を参照。)理想的には、所与の周波数での、アレイの検出可能な最小音響信号が、その周波数における海中ノイズの下限未満の一定の量であることが望ましい。したがって、検出可能な最小音響信号は海中ノイズの下限の上昇に合う低周波数で上昇し得る。実際、本発明のサニャックセンサアレイ200の周波数応答では、海中ノイズの下限と音響感度とがよく合っている。このことは図4に示され、サニャックセンサアレイの検出可能な最小音響信号は曲線250として描かれ、ここでは光学ノイズの最低値が
【0034】
【数2】
Figure 0004181747
【0035】
図4にはさらに、これらの周波数における3つの主要な海中ノイズ源の海中ノイズの下限と、3つの源からのノイズの、結果として得られる合計値とが示される。曲線252は、海荒れ、地震、および火山の噴火によるノイズを表わす。曲線253は船舶に起因する光ノイズを表わす。曲線254はDSS0(遠方の船舶および嵐)のノイズを表わす。曲線256は3つの主要な源からのノイズの下限の和(すなわち曲線252、253および254の和)を表わす。(たとえば、Robert J.Urick, The noise background of the sea: ambient noise level, Principles of Underwater Sound, 3rd Ed., Chapter 7, McGraw-Hill, 1983, pp.202-236を参照。)サニャックセンサアレイ200の、検出可能な最小音響信号は、10kHz未満のすべての周波数において、海中ノイズの下限未満の、ほぼ一定量の検出可能な信号をもたらすように増加する。このため、サニャックセンサアレイ200の周波数依存応答により低周波数音響検出は制限されない。マッハ・ツェンダーアレイはサニャックセンサアレイと同じ傾向、すなわち低い周波数に向かうほど感度が低下するという傾向を示すが、マッハ・ツェンダーアレイの場合、感度の低下はサニャックベースのセンサの場合よりも小さい。
【0036】
マッハ・ツェンダー干渉計およびサニャックセンサアレイ200は類似した周波数依存応答を示すが、それらの周波数応答の源は基本的に異なる。マッハ・ツェンダー干渉センサアレイにおける検出可能な最小信号の増加は、光学ノイズの下限の上昇による。この光学ノイズの下限の上昇の原因は、経路が不均衡なマッハ・ツェンダー干渉計によって生じる位相ノイズである。
【0037】
【数3】
Figure 0004181747
【0038】
この差異の重要性は、図5に示される、マッハ・ツェンダー干渉センサアレイおよびサニャックセンサアレイ200のダイナミックレンジを検証するとわかるだろう。センサのダイナミックレンジは、検出可能な最小および最大位相シフトによって制限される。干渉センサの場合、検出可能な最大位相シフトは干渉計の非線形応答によって制限され、検出可能な最小位相シフトは光学ノイズの下限によって制限される。マッハ・ツェンダー干渉センサアレイもサニャックセンサアレイも、音響周波数範囲にわたって一定である、検出可能な最大位相シフトを有する。しかしながら、サニャックセンサアレイ200は、光学ノイズ最低値が一定であるため、検出可能な最小位相シフトは一定であるが、この一方でマッハ・ツェンダー干渉センサアレイでは、経路不均衡干渉計によって導入される位相ノイズによって引起される光学ノイズの最低値の上昇により、検出可能な最小位相シフトが増加してしまうという問題がある。したがってサニャックセンサアレイ200はすべての音響周波数において一定のダイナミックレンジを有するが、この一方でマッハ・ツェンダー干渉センサアレイのダイナミックレンジは音響周波数の低下と共に縮小する。これは図5に示され、ここでは、サニャックセンサアレイ200とマッハ・ツェンダー干渉センサアレイとについて、検出可能な最小および最大音響信号(dBの任意の単位)が示される。図5に示されるように、いずれのアレイも1kHzを超えるところではおよそ100dBのダイナミックレンジを有し、位相ノイズによってマッハ・ツェンダー干渉センサアレイは制限されない。10Hzにおいて、位相ノイズはマッハ・ツェンダー干渉センサアレイを左右するが、そのダイナミックレンジはおよそ74dBまで縮小する。この一方で、サニャックセンサアレイ200のダイナミックレンジはおよそ100dBのままである。
【0039】
適切なループ周波数よりも十分に低い周波数でのサニャックセンサアレイ200の周波数応答を、遅延ループ長さおよびハイドロホン応答性の関数として検証すると興味深い。これらの周波数においては、等式1のsin(ΩTdelay/2)の係数はΩTdelay/2に近似し得、これはサニャックセンサアレイ200の応答性がφhとTdelayとの積に比例することを示す。φh自体は各ハイドロホン212(i)のファイバの量に比例し、Tdelayは遅延ループ214のファイバの量に比例する。したがって、適切なループ周波数によりも十分に低い周波数における応答性は、ハイドロホンのファイバ長さと遅延ファイバ長さとの積に比例する。図6は、いくつかのサニャックセンサアレイ構成に関する検出可能な最小音響信号を示し、ここでは各ハイドロホン212(i)のファイバの長さと遅延ループ214のファイバの長さとの積は一定であるが、遅延ループ214と各ハイドロホン212(i)との間のファイバの相対的分布は変化する。たとえば、曲線260は、その遅延ループ214に45kmのファイバを有しかつ各ハイドロホン212(i)に100mのファイバを有するサニャックセンサアレイ200の周波数応答を表わし、曲線262は、その遅延ループ214に30kmのファイバを有しかつ各ハイドロホン212(i)に150mのファイバを有するサニャックセンサアレイ200の周波数応答を表わし、曲線264は、その遅延ループ214に15kmのファイバを有しかつ各ハイドロホン212(i)に300mのファイバを有するサニャックセンサアレイ200の周波数応答を表わす。図示されるように、各サニャックセンサアレイ200の感度は低周波数では等しいが、それらのそれぞれの適切なループ周波数によって与えられる種々の周波数において、最高の感度になる。したがって、低周波数における所与の検出可能な最小音響信号については、遅延ループ214およびハイドロホン212(i)のファイバ長さを選択するにあたっては依然としてある程度の自由度がある。この自由度は、要求されるファイバの総量を最小限にしたり、または遅延ループ長さを最短にするといった、他の基準をサニャックセンサアレイ200が満たせるようにする。
【0040】
サニャックセンサアレイのダイナミックレンジの拡大
上述のとおり、サニャックセンサアレイ200は位相ノイズの影響を受けないため、低音響周波数におけるそのダイナミックレンジはマッハ・ツェンダー干渉センサアレイの場合よりも大きい。理想的には、アレイ200は、よく見られる最も強い音響信号および最も弱い音響信号を検出するために十分なダイナミックレンジを提供する。この要件は、およそ150dBの要求ダイナミックレンジであると解されることが多い。マッハ・ツェンダー干渉センサアレイにおいてこのように大きなダイナミックレンジを達成するためには、異なる位相応答性を有する2つの別個のセンサが要求され、これらの各々は150dBの全ダイナミックレンジの部分を検出する。この機構の明らかな欠点は、2つのセンサアレイ(すなわち2倍の数のハイドロホン、段、光源および検出器)が要求されることである。実際には、N個のハイドロホンを支持し得るアレイによりN/2個の点でしか音響信号を検出できない。
【0041】
サニャックセンサアレイ200では、付加的なハイドロホン212を使用することなく広いダイナミックレンジを達成できる。サニャックセンサアレイの位相応答性は、等式1に示されるようにハイドロホンの応答性と遅延ループの長さとの関数であるため、ハイドロホンのアレイ全体の位相応答性は遅延ループの長さを加減すると変更できる。図7の変形センサアレイ200に示されるように、それぞれ長さL1およびL2を有する2つの別個の遅延ループ214(1)および214(2)を同時に使用することにより、アレイ266の検出範囲を飛躍的に拡大できる。アレイ266はこのとき2N個の別個のサニャックループを有する。各ハイドロホン212(i)は2つの遅延ループ経路の各々について別個の信号を戻し、各遅延ループ214(1)および214(2)の長さによりその信号の音響検出範囲が決定する。各ハイドロホン212(i)の全音響検出範囲はハイドロホン212(i)を包囲する2つのサニャックループセンサの各々の検出範囲を合わせたものである。長さL1およびL2により音響検出範囲が設定される。長さL1+L2は、アレイ266により対象の最も小さな音響信号が検出できるように選択される。遅延ループ214(1)の長さL1はこの場合、短い方の遅延ループの中のみを進行する信号の検出範囲が遅延ループ214(1)および214(2)の両方の中を進行する信号の検出範囲の上方にくるよう選択される。TDMシステムでは、第2のループの挿入により、光源パルスの繰返し周波数が半分になり、2N個のパルスが戻るための時間を確保するようにし、遅延ループ214(1)および214(2)の長さはパルスの重複が起こらないように選択される。繰返し周波数が半分になるため、個別の各信号のダイナミックレンジが3dBだけ縮小する。この縮小は、2つの別個の信号のダイナミックレンジを負担することによって達成される全ダイナミックレンジの拡大によって相殺される以上のものである。図7では、第2の遅延ループ214(2)は、第2の遅延ループ214(2)を通過する光すべてが第1の遅延ループ214(1)を通過するように位置づけられる。これに代えて、2つの遅延ループ214(1)、214(2)は、第2の遅延ループ214(2)を通過する光が第1の遅延ループ214(1)を通過しないように光学的に平行であってもよいことが理解されるべきである。このような場合、第2の遅延ループ214(2)のファイバ長さは第1の長さと第2の長さとの和(すなわちL1+L2)となるであろう。しかしL1はL2よりもかなり短いため、このような調節は不可欠ではない。図7の実施例では、第1の遅延ループの長さを第2の遅延ループの長さに加えることによりファイバ要求量の総量を減少させている。
【0042】
図8は、各信号のダイナミックレンジが100dBであり比L1/L2が5000に設定されたアレイ266に2つの遅延ループ214(1)、214(2)を使用することによって得られる、拡大ダイナミックレンジをを示す。図示されるように、アレイ266ではこの場合、ハイドロホンの数を増加させることなく(およそ160dBの範囲である)対象の全ダイナミックレンジにわたる検出が可能である。
【0043】
分散感知
サニャックセンサアレイ266において、干渉計の位相変調は、干渉する3×3カプラ220で強度変調に変換され得る。この全サニャックループにわたる分散感知は音響センサアレイには不利である。実用的にするために、音響センサアレイは空間における(すなわちハイドロホンにおける)別個の多数の点において音響信号をサンプリングし、これらの信号を独立して戻す必要がある。マッハ・ツェンダー干渉センサアレイは、干渉計が小さな空間に制限されその点でしか感知しないため、これを達成する。サニャックセンサアレイ266を実用的なものにするために、サニャックループの分散感度を減少する必要がある。
【0044】
干渉計におけるファイバ容積により遅延ループ214が構成され、これは2つの位置に置かれる。第1の位置では、図9Aに示されるように乾いた端部(すなわち水中ではない所にある)に光源222および検出電子装置(すなわち検出器230および検出器232)が設けられる。ここで、遅延ループ214は外部変調があれば最小限にするために環境的に遮蔽され得る。しかしながら、濡れた端部をアレイ部分210に接続するダウンリードファイバ270、272は干渉計の部分である。第2の可能性としては、図9Bに示されるようにアレイ210を有する濡れた端部(すなわち水中にある)に遅延ループ214に置くことである。このようなものとして、遅延ループ214は乾いた端部に置かれた場合と同様には分離できないが、ダウンリードファイバ270、272、274は干渉計の外側にあるため感知しない。ダウンリードおよび遅延ループ分散ピックアップの相対的な大きさは、この構成が特定の用途に最適となるようにする。遅延ループ214が乾いた端部(図9A)に置かれる場合には、ダウンリードファイバ270、272は、極度に大きな位相変調を誘導し得る、これらのファイバの湾曲および振動といった物理的移動を防止するよう静止状態に維持される必要がある。これらは、音響的に誘導される位相変調とは反対の、ファイバの運動によって誘導される位相変調である。(このような物理的移動は牽引アレイの場合には問題であるが静止アレイの場合には深刻な問題ではないだろう。)このため、遅延ループ214が乾いた端部(図9A)に置かれる場合、サニャックセンサアレイ210の濡れた端部全体が静止状態にされるべきである。しかしながら、濡れた端部(図9B)に遅延ループ214が置かれる場合、図9Bの3×3カプラ220の右側の部分だけしか静止状態に置く必要はない。なぜなら、ダウンリードファイバ270、272、274はこの場合干渉計の部分ではないからである。遅延ループ214が濡れた端部(図9B)に置かれる場合、遅延ループファイバを感度抑制せねばならない。遅延ループ214は、遅延ループファイバを感度抑制された円柱(図示せず)の周りに巻付けることによって静止状態にすることができ、これによりファイバの動きをなくし、分散ピックアップ信号の主源を音響的にピックアップできるようにする。音響的に誘導された位相変調までファイバを感度抑制するほうが、運動によって誘導された位相変調までファイバを感度抑制することよりも容易であるため、牽引アレイの用途では、濡れた端部(図9B)に遅延ループ214を置く方が好ましく、これを以下により詳細に説明する。
【0045】
遅延ループにおいて誘導される音響ピックアップノイズの算出
本章では、図9(B)のサニャックセンサアレイ210の音響的に誘導されたハイドロホン位相変調と比較した、音響的に誘導された分散ピックアップノイズの大きさの推定値を導出する。遅延ループおよびバスファイバ(各ハイドロホンを遅延ループおよび3×3カプラに接続するファイバ)における音響信号のピックアップにより結果として生じる分散位相変調に起因する強度変調は、ノイズ源であると考えられ得る。以下の説明では、サニャックセンサアレイの1つのループが、図10に示されるように長さLdの遅延ファイバ、長さLbのバスファイバ、および長さLhのハイドロホンファイバだけをを含み、合計の長さLを含むものとして説明する。また、LdはLbおよびLhよりもはるかに大きいとする。音響信号に対するファイバの位相応答性は、圧力に依存する伝搬定数βから結果として得られる。一般に、位置lおよび時間tでの伝搬定数の圧力依存成分は下記のように表される。
【0046】
【数4】
Figure 0004181747
【0047】
ただし、β0は0圧力伝搬定数であり、R(l)はファイバの正規化位相応答性であり、P(l,t)は空間および時間の関数としての圧力である。周波数Ωのシヌソイド音響信号を想定すると、等式2は下記のように書換えられ得る。
【0048】
【数5】
Figure 0004181747
【0049】
ただし、P0は定常状態圧力であり、Pmは圧力変調の振幅であり(lからは独立していると仮定する)、さらにq(l)は音響波の空間位相変化を含む。一般に、l=l1からl=l2までの音響的に誘導された位相変調によるサニャックループの干渉ビーム間の誘導位相差は下記の積分によって与えられる。
【0050】
【数6】
Figure 0004181747
【0051】
等式5は、ハイドロホン、バスおよび遅延ファイバの音響変調による干渉ビーム間の位相差を決定するために使用できる。
【0052】
ハイドロホンファイバの場合、等式5はl1=ld+lb/2からl2=ld+lb/2+lhまでから積分される。q(l)はこの範囲にわたって一定である(すなわち音響波長はハイドロホンの大きさよりもはるかに大きい)ものとする。また、ファイバの正規化位相応答性R(l)は一定でありかつこの範囲ではRhに等しいものとする。この場合、等式5はハイドロホンファイバ変調による干渉ビーム間の位相差振幅を表わす。
【0053】
【数7】
Figure 0004181747
【0054】
ただし、ΩLh/2υ<<1とする。等式2が等式1に与えられる式に適合することに注目されたい。
【0055】
バスファイバについては、等式5はl1=ldからl2=ld+lb/2までまず積分され、その後上下バスラインの両方を含むようl1=L−lb/2からl2=Lまで積分される。ここでもまた、R(l)は一定であり、すべてのバスファイバについてRdに等しいため、q(l)は等式5の積分式において一定である。ファイバ変調による干渉ビーム間の位相差振幅は下記のとおりになる。
【0056】
【数8】
Figure 0004181747
【0057】
ただしΩLh/2υ<<1であるとする。q(l)は一定であり、ΩLh/2υの振幅はφb intを増加するように作用すると仮定するため、バスファイバにとっては最悪のケースとなる。
【0058】
遅延ファイバについては、等式5はl1=0からl2=ldまで積分され、先ほどと同様に、q(l)はこの範囲にわたって一定であるとし(すなわち遅延ループコイルは音響波長よりもはるかに小さい)、R(l)は一定であり積分式にわたってRdに等しいとする。この場合、等式5により、遅延ファイバ変調による干渉ビーム間の位相差振幅が下記の式で表わされる。
【0059】
【数9】
Figure 0004181747
【0060】
ただしΩ(Lb+Lh)/2υ<<1であるとする。
等式6から8により、これらの位相変調振幅の相対的な大きさを算出できる。まず、標準的なプラスチックコーティングファイバの正規化位相応答性Rは、たとえば J.A. Bucaro, et al., Optical fibre sensor coatings, Optical Fiber
Sensors, Proceedings of the NATO Advanced Study Institute, 1986, pp.321-338に記載されているように-328 dB re 1/μPa である。一方、たとえば C.C. Wang, et al., Very high responsivity fiber optic hydrophones for commercial applications, Proceedings of the SPIE-The International Society for Optical Engineering, Vol.2360, 1994, pp.360-363に記載されているように、中空の心棒で作られた、ファイバが巻きつけられた電流ハイドロホンの正規化位相感度は-298 dB re 1/μPa であり、標準的なファイバよりも30dBだけ高いことに留意されたい。遅延ループおよびバスファイバが標準的プラスチックコーティングファイバの正規化位相応答性を有し、ハイドロホンファイバが中空の心棒に巻きつけられると仮定すると、RdのRbまたはRdに対する比はおよそ30dBである。したがって、等式6から8を得るための簡略化する仮定に基づくと、下記の式が得られる。
【0061】
【数10】
Figure 0004181747
【0062】
したがって、ハイドロホンファイバがサニャックループ全体のうち比較的少量の部分をなすにも関わらず、ハイドロホンファイバにおける音響的に誘導された位相変調の大きさは、最も離れた場所にあるハイドロホンの場合でも、遅延ループファイバおよびバスファイバにおける音響的に誘導された位相変調よりも大きい。以下に、空の段を使用する、このレベルの分散ピックアップノイズに対処するための手段を記載する。
【0063】
遅延ループファイバに関する等式5の積分式を評価するために、/Ld未満のものすべてについてR(l)=Rdであると仮定する。このR(l)が一定であるため、l=(L−Ld)からLdまでの、等式5の積分に対する影響が排除される(被積分関数が約L/2の奇関数になるからである)。しかしながら、長いファイバを巻くと、R(l)がlに幾分依存するようになる(これはおそらくファイバの内層のRが外層とは異なるためである)。これらのR(l)の変化により遅延ループのピックアップがl=L−LdからLdまで増加する。このピックアップを低減するためには、まずR(l)を約L/2の偶関数にして等式5の被積分関数を約L/2の奇関数にするだけでよいことに注目されたい。R(l)は、図11に示されるようにファイバループの対称点を互いに隣り合わせに位置付けるよう遅延ループを巻付けることによって約L/2を中心として余儀なくより対称的にできる。このような巻付けにより、遅延ループの対称点が確実に互いに近接して位置付けられるようになり、コイル上のファイバの位置によるR(l)の変化がL/2を中心としてできる限り対称的となり、それにより遅延ループピックアップができる限り等式8の定義に近づくようになる。サニャックセンサアレイの各サニャックループのL/2点は異なるため、図11に示されるように1つのループだけを正確に巻付けるだけでよく、ごくわずかな奇数性がサニャックループの1つを除くすべてに対してR(l)に付与される。
【0064】
ハイロドフォンによってファイバの音響感度を向上させる他、特定の直径を有する金属コーティングを付与することによりファイバを感度抑制できることにも触れておく。(たとえば上記J.A. Bucaro, Optical fibre sensor coatingsを参照。)-366 dB re 1/μPaもの低さの測定正規化位相応答性が報告されている。このようなファイバが遅延またはバスラインに使用される場合、RhのRbに対する比またはRhのRdに対する比は68dBに近似し(プラスチックコーティング遅延をおよびバスファイバの場合は30dBである)、遅延およびバスに誘導信号に対してハイドロホン誘導信号を32dBだけ増加させる。
【0065】
空の段の使用による分散ピックアップノイズの低減
分散ピックアップ信号をさらに除去するために、図12に示されるようにアレイ210にハイドロホンを含まない空の段300を配置することによって、ハイドロホン誘導音響変調を分散ピックアップ変調から分離できる。ハイドロホン212(i)を含む感知段と呼ばれる各段216(i)が、空の段300(i)のうちの1つの前にある。空の段300(i)を包囲する各ループの非感知ファイバが対応の感知段212(i)を包囲するループの非感知ファイバとほぼ同じであることは、空の段300(i)および対応の感知段212(i)がほぼ同じ分散ピックアップ信号を有することを意味する。この空の段300(i)をアレイ210の別のセンサとして扱い、(TDM機構における)パルスを空の段300(i)および感知段212(i)から適切なタイミングを取って処理することによりそれらの重複を避けると、各感知段212(i)に存在する分散ピックアップ信号が測定できる。検出後、この信号を感知段信号から減じ、ハイドロホンファイバにおける位相変調によって引起された強度変化のみが得られるようにする。このような機構の実現にはN個のセンスアレイ210に対して2N個の段が必要であり、これにより個々の信号のデューティサイクルが半分に減る。
【0066】
アレイ210のバス部分の感度抑制が要求されない場合、単一の空の段300をアレイ210に配置して遅延ループ214に関連した分散ピックアップ信号を測定してもよく、この場合N個のセンサについてN+1個の段(N個の感知段212(i)および1つの空の段300)しか要求されない。1つの空の段300によって各感知段212(i)の分散ピックアップ信号が適切に測定されない場合、各感知段212(i)にある分散ピックアップ信号がこれらの空の段300のうち最も近くにあるものによって適切に測定できるまで、アレイに沿って定期的な間隔で空の段300をさらに追加してもよい。空の段の数が少ないと、個々の信号のデューティサイクルが結果として長くなる。図12は、空の段が感知段すべてに付与された場合の極端な例を示す。
【0067】
偏光
任意の干渉センサにおけるコントラストを最高にするために、干渉ビームの偏光状態(SOP)を、再度合成する際に同一にする必要がある。それらが直交する場合、干渉はないため、振幅変調信号もない。これは偏光によって誘導された信号フェージングと呼ばれる。サニャックセンサアレイの各センサはサニャックループであるため、サニャックファイバジャイロスコープにおける偏光によって誘導された信号フェージングのこれまでの研究はサニャックセンサアレイにも適用できる。1つの有望な解決策はサニャックループ内に減偏光子を配置することである。(たとえばK. Bohm, et al., LOW-DRIFT FIBRE GYRO USING A SUPERLUMINESCENT DIODE, ELCTRONICS LETTERS, Vol. 17, No. 10, 14th May 1981, pp. 352-353を参照。)減偏光子は、光パワーの少なくとも半分が常に、正しいSOPの3×3カプラに確実に戻るようにする。この一般的な方策により、ループの複屈折に関係なく可視度が一定になる。(たとえばWilliam K. Burns, et al., Fiber-Optic Gyroscopes with Depolarized Light, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol. 10, No. 7, July 1992, pp. 992-999を参照。)この最も簡単な構成では、ファイバ超蛍光源および減偏光子などの非偏光源をループに使用する。図13に示されるように、サニャックセンサアレイ200では、すべてのサニャックループに共通の点に1つの減偏光子310が配置される。減偏光子310は、ループの複屈折が一定である限り、各センサ212(i)が複屈折からは独立したこの一定の可視度を維持することを確実にする。これは、マッハ・ツェンダー干渉センサアレイに使用される方法と比較して、偏光によって誘導された信号フェージングの扱いが著しく容易になることを表わす。
【0068】
複屈折の緩やかな変化はサニャック干渉計の双方向性によって十分にキャンセルできるが、対象の音響範囲おける周波数での複屈折変調により偏光ノイズが生じ得る。これらの
周波数での複屈折変調の多くは物理的なファイバの移動の結果として生じる。したがって、偏光ノイズ(および分散ピックアップ信号)を低減するためにはサニャックループを静止状態に保つ必要がある。
【0069】
サニャック干渉計の使用によって導入されるノイズ源
熱的位相ノイズ
ファイバの屈折率は温度とともに変化するため、ファイバの熱的変化により、その中を進行する光の位相が変動し得る。これらの率の変化はファイバの長さとは無相関なため、結果として生じる位相変化は長さの平方根として測定される。マッハ・ツェンダー干渉計は典型的には各アームに100メートル未満のファイバを使用するため、この熱的位相ノイズの大きさは無視し得るものである。サニャック干渉計は干渉計に大量のファイバを含むため、熱的位相ノイズは制限ノイズ源となり得る。このサニャック干渉計における熱的位相ノイズの大きさは実験によって理論的に説明され確認されている。(たとえばSverre Knudsen, et al., Measurements of Fundamental Thermal Induced Phase Fluctuations in the Fiber of a Sagnac Interferometer, IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 7, No. 1, 1995, pp. 90-93; and Kjell Krakenes, et al., Comparison of Fiber-Optic Sagnac and Mach-Zehnder Interferometers with Respect to Thermal Processes in Fiber, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, Vol. 13, No. 4, April 1995, pp. 682-686を参照。)2kmを超えるループの場合、熱的位相ノイズは対象の周波数範囲において
【0070】
【数11】
Figure 0004181747
【0071】
を超えることもあり、これはほぼ要求されるアレイの感度である。
熱的位相ノイズは、遅延ループに対する外部変調に類似した分散ピックアップノイズ源であると考えられ、そのようなものとして、上述のとおり空の段を使用して低減できる。熱的位相ノイズはループ長さの短縮化によっても低減され得る。上述のとおり、ループ長さは、遅延ループが短縮化されるのと同じファクタだけハイドロホンのファイバ長さを増加することにより、低周波数感度を変化させることなく短縮化できる。たとえば、50メートルのハイドロホンファイバを有する40kmの遅延ループは100メートルのファイバを有する20km遅延ループと同じ低周波数応答を有する。しかしながら後者の組合せでは、遅延ループの合計長さがほぼ2のファクタも短いため、熱的位相ノイズが少ないであろう。
【0072】
カー効果誘導位相ノイズ
サニャック干渉計において発生し得るカー誘導位相シフトは光ファイバジャイロスコープについて非常に大きな注目を集めている。(たとえばR.A. Bergh, et
al., Source statistics and the Kerr effect in fiber-optic gyroscopes, OPTICSLETTERS, Vol. 7, No. 11, November 1982, pp. 563-565; R.A. Bergh, et al., Compensation of the optical Kerr effect in fiber-optic gyroscopes, OPTICSLETTERS, Vol. 7, No. 6, June 1982, pp. 282-284; and N.J. Frigo,
et al., Optical Kerr effect in fiber gyroscopes: effects of nonmonochromatic sources, OPTICS LETTERS Vol. 8, No. 2, February 1983, pp. 119-121を参照。)しかしながら、ジャイロスコープはDCレベルを測定するため、ジャイロスコープおよび音響センサに対する要求は異なる。ファイバジャイロスコープを制限し得るカー誘導位相シフトによってもたらされるわずかなDCオフセットは音響センサの場合には問題ない。カー誘導DC位相シフトは、直角位相から離れすぎるほどバイアス点を移動しない限り問題ない。
光源の強度ノイズにより出力にカー誘導位相ノイズが発生する。しかしながら、このカー誘導DC位相シフトが小さい限り、このカー誘導AC位相ノイズは小さい。サニャックセンサアレイにおけるカー誘導位相シフトの要因はファイバジャイロスコープのものとは異なる。サニャックセンサアレイの非対称性により、名目上対称であるジャイロスコープよりもはるかに容易にこのようなカー位相シフトが引出される。その非対称性はアレイ部分および非対称であるEDFAの配置によって結果として生じる。これは、遅延ループを伝搬する前に1つのビームに利得が生じ、その後損失が生じ、反対方向に伝搬するビームには損失が生じてから利得が生じるからである。これらの非対称性を均衡にして、遅延ループのEDFAに適切な場所を選択することによりカー誘導位相シフトをゼロにすることができる。この詳細は正確なアレイ構成に依存し、この多元化機構が使用される。
【0073】
EDFAから結果として生じる非線形位相変調
EDFAで生じる反転分布により、それを通過する信号の光に位相シフトが生じる。(たとえばM.J.F. Digonnet, et al., Resonantly Enhanced Nonlinearity in Doped Fibers for Low-Power All-Optical Switching: A Review, OPTICAL
FIBER TECHNOLOGY, Vol. 3, No. 1, January 1997, pp. 44-64を参照。)のこの現象は全光学干渉スイッチの製造において利用されてきた。サニャックセンサアレイにおいて、干渉計内のEDFAは同じ機構によって非線形位相シフトをもたらす。ポンプまたは信号パワーの変動による反転分布の変化により位相変調が引き起こされ、これは強度ノイズに変換されることとなる。
【0074】
ノイズ源の大きさを推定するためには、まず、反転分布がポンプおよび信号パワー変動にいかに応答するかを決定する必要がある。これは、エルビウムシステムに関するレート式をによって比較的直接行なわれる。
【0075】
【数12】
Figure 0004181747
【0076】
ただしN1およびN2はそれぞれ低状態および励起状態での集団密度であり、N0は全集団密度であり、Lは強度であり、σは断面積であり、Aeffはファイバにおける有効モード領域であり、τ2はレベル2の期間である。下付き文字pおよびsはそれぞれポンプおよび信号を示し、下付き文字aおよびeはそれぞれ吸収および放射を示す。
【0077】
1、N2、IpおよびIsをそれらの定常状態および経時変化成分に分割してこれを等式12に代入し、等式12と等式11とを組合せると、下記の式が得られる。
【0078】
【数13】
Figure 0004181747
【0079】
ただし、下付き文字ssは定常状態値を示し、このとき経時変化成分は時間の陽関数(N2=N2 ss+N2(t))として示される。ここでN2(t)がN2 ssよりもはるかに小さいとすると、等式13の最後の2つの項を無視できる。lp(t)=lp msin(fpt)およびls(t)=ls msin(fst)とし(ただしlp mおよびls mはそれぞれlp(t)およびls(t)の変調振幅を示し、ここでfpおよびfsはそれぞれポンプおよび信号変調周波数を示す)、結果として得られる微分方程式を解くと、下記の関係式が得られる。
【0080】
【数14】
Figure 0004181747
【0081】
λp=1480nm、λs=1550nm、かつlp ss=1Wであるとし、さらには、典型的なエルビウム−シリカ断面を想定すると、等式14および15を下記の式に簡略化することができる。
【0082】
【数15】
Figure 0004181747
【0083】
この計算を位相変調に変換するためには、エルビウムドープファイバに吸収された10mWのポンプパワーにより1550nmにおいてのおよそ7ラジアンの位相シフトが誘導されるという事実を利用できる。(たとえばM.J.F. Digonnet, et al., Resonantly Enhanced Nonlinearity in Doped Fibers for Low-Power All-Optical Switching: A Review, OPTICAL FIBER TECHNOLOGY, Vol. 3, No. 1, January 1997, pp. 44-64を参照。)シミュレーションにより、典型的なエルビウムドープファイバにおける、10mWの吸収されたポンプパワーにより、1550nmにおいておよそ6dBという小さな信号利得がもたらされ、これは分散EDFAを有するアレイの各増幅器によって要求されるゲインに近い。(たとえば上記Craig W. Hodgson, et al., Optimization of Large-Scale Fiber Sensor Arrays Incorporating Multiple Optical Amplifiers-Part I: Signal-to-Noise Ratio; Craig W. Hodgson, et al., Optimization of Large-Scale Fiber Sensor Array Incorporating Multiple Optical Amplifiers-Part II: Pump Power, Jefferson L. Wagener, et al., Novel Fiber Sensor Arrays Using Erbium-Doped Fiber Amplifiers; および C.W. Hodgson, et al., Large-scale interferometric fiber sensor arrays with multiple optical amplifiersを参照。)したがって、各増幅器によりおよそ7ラジアンのDC位相シフトがもたらされる。非線形位相シフトは上位状態分布N2に比例するため、ΔN2/N2 SS=Δφ/φSSと表すことができる。
【0084】
【数16】
Figure 0004181747
【0085】
位相パワー変動による誘導された位相シフトの計算はより複雑である。なぜなら、信号パワーには強度ノイズが付与されるばかりでなく、多元化機構によって変調されるからである。ここでもまたTDMの場合を考えると、一般には、所与のパルスが特定のEDFA中を進行する際、そのEDFA中に同時に進行する反対方向に伝搬するパルスがあってもよいし、またはなくてもよい。反対方向に伝搬するパルスが常に存在する最悪の場合、ls mは、個々の各パルスの強度ノイズの2倍である。増幅器については、ls mは典型的には個々の各パルスの強度ノイズの1.5倍から2倍である。
【0086】
【数17】
Figure 0004181747
【0087】
しかしながら、計算の精度を高めるためには、多元化機構およびアレイの正確なタイミングを考慮に入れる、より詳細な研究が必要である。
【0088】
サニャックアレイにおける多元化機構
時間分割多元化
これまでは、サニャックセンサアレイがTDM構成で動作すると仮定した。サニャックセンサアレイでは、このようなTDMシステムの光源の要件は、TDM構成のマッハ・ツェンダー干渉センサアレイのものほど厳しくない。この理由としては、サニャックセンサアレイに広帯域源を使用することが挙げられる。マッハ・ツェンダー干渉センサアレイでは、隣接する段からの光は狭い線幅の光源のためにコヒーレントであるため、多経路コヒーレント干渉を防止するために、入力パルスに対する極度に高い消光比が要求される。これらの高消光比の要件は、多数の変調器を直列に配置することにより達成されるが、これにより複雑で損失が高く高価な光源となってしまう。サニャックセンサアレイでは、広帯域源により多経路コヒーレント干渉の可能性が排除されるため、要求される消光比はさほど高くなくてもよい。また、マッハ・ツェンダー干渉センサアレイは狭い線幅を要求するため、リチウムニオブ酸塩強度変調器によって外部的に変調される持続波(cw)レーザ源の代わりにパルスレーザ源を使用できなくする。サニャックセンサアレイでは、光源を構成するために、外部的に変調される持続波ASE光源、パルスASE源、またはそれらの何らかの組合せが使用できる。ここでもまた、この理由としては、サニャックセンサアレイに狭い線幅の光源が要求されないことが挙げられる。本発明は狭い線幅の光源を要求しないが、本発明のサニャックセンサアレイはたとえばレーザなどの狭い線幅の光源を使用してもよいことを理解されたい。
【0089】
周波数分割多元化
広帯域源の使用はまた、設計を変化させたり付加的な光源を要求することなくサニャックセンサアレイが非TDM構成で動作できるようにする。周波数分割多元化(FDM)は、位相発生キャリア(PGC)機構を採用するマッハ・ツェンダー干渉センサアレイに通常使用されるが、サニャックセンサアレイに用いても問題ない。図14はFDM機構を用いる基本的なサニャックセンサアレイ400を示す。ファイバ超蛍源(SFS)402(またはたとえばLEDなどの他の広帯域源)は入力光を発生する。チャーピングされた強度変調が強度変調器404を介して入力光に付与される。この変調器404はチャーピング周波数発生器406によって制御される。変調された光は3×3カプラ412を介してセンサアレイ410に入る。光は遅延ループ410と、それぞれセンサ418(i)を有する複数の感知段416(i)とを通過する。所望に応じて空の段(図示せず)を設けてもよい。遅延ループ414および段416(i)を通過した後、光はカプラ412を通ってセンサアレイ410を出て、検出器420によって検出され、この検出器420は検出された光に応答して電気出力信号を発生する。検出器420からの電気出力信号は、ミキサ422において、遅延424によって時間的に遅延された、等しいチャーピング周波数と混合され、この遅延424は、時間Δtだけチャーピング周波数を遅延する。図14に示される設定では、ミキサ422の出力はスペクトラム分析器426に与えられる。動作の実施例において、ミキサ422の出力は信号処理サブシステム(図示せず)に与えられ、これはミキサ422の出力を分析して、アレイ410にあたる音響信号を再生する。
【0090】
さまざまな段416(i)におけるセンサ418(i)から戻る信号は、遅延されたチャーピング周波数に対してさらに遅延される。これは図15のグラフに示され、このグラフは、元のチャーピング周波数450、遅延424からの遅延チャーピング周波数452、第1の段からのチャーピングリターン信号460、第2の段からのチャーピングリターン信号462および第3の段からのチャーピングリターン信号464に関する。ミキサ422では別個のうなり周波数fb1470、fb2472、fb3474、(図14に示される)がそれぞれ混合チャーピング周波数452と、サニャックセンサアレイ410におけるさまざまな段から戻る信号の各々との間に形成される。(たとえばS.F. Collins, et al., A Multiplexing Scheme For Optical Fibre Inerferometric Sensors Using An FMCW Generated Carrier, OFS '92 Conference Proceedings, pp. 209-211を参照。)図15には3つのチャーピングリターン信号460、462、464しか示さないが、N個までのリターン信号があり得、Nはアレイ410の段数であると考えられる。N番目の段からのチャーピングリターン信号によりミキサ422にうなり周波数fbNが生じる。
【0091】
図14においてスペクトル出力を図示して示すように、信号の音響変調はうなり周波数に対する上方測波帯480、481、482および下方測波帯484、485、486として現われる。このFDM機構の利点は、アレイタイミングに関する要件が、TDMシステムと比較して著しく緩和することである。TDMシステムは、パルスの重複を避けるために、隣接する段の間に特定の遅延を要求し、深刻な工学上の問題が生じる。FDMでは、ファイバ長さの変化によりうなり周波数がシフトするが、これらのうなり周波数が2倍の音響検出範囲で隔てられる限り信号間の重複は引起されない。後者は適切なチャーピングレートを選択することによって達成される。TDMシステムの場合とは異なり、すべての経路は常に光を戻し、これにより異なる非コヒーレント信号間に位相ノイズが生じる。広帯域ASE源によりこの位相ノイズの大きさが最小限になる。(たとえばMoslehi, Analysis of Optical Phase Noise in Fiber-Optic Systems Employing a Laser Source with Arbitrary Coherence Time, Journal of Lightwave Technology, Vol. LT-4 No. 9, September 1986, pp. 1334-1351を参照。)
【0092】
コード分割多元化
コード分割多元化(CDM)はセンサアレイにおける用途に関して最近注目を集めている。(たとえばA.D. Kersey, et al., Code-division Multiplexed Interferometric Array With Phase Noise Reduction And Low Crosstalk, OFS '92
Conference Proceedings, pp. 266-269; and H.S. Al-Raweshidy, et al., Spread spectrum technique for passive multiplexing of interferometric optical fibre sensors, SPIE, Vol. 1314 Fibre Optics '90, pp. 342-347を参照。)図16のサニャックセンサアレイ600に関して図示されるように、CDMでは、ファイバ超蛍光源602からの入力光(またはたとえばLEDなどの他の広帯域源)が、コード発生器606によって発生する擬似ランダムコードに従って強度変調器604で変調される。変調された光は3×3カプラ610を介して干渉ループ608に与えられ、遅延ループ614およびアレイ612の複数の段616(i)の中を伝搬する。図示される実施例において、各段616(i)はそれぞれのセンサ618(i)を含む。空の段(図示せず)を所望に応じて設けてもよい。光は3×3カプラ610を介してループから戻り、検出器620によって検出される。検出器620の電気出力はコード発生器606の出力とともに相関器622に与えられ、このコード発生器606の出力は遅延624によって期間τcorだけ遅延されている。擬似ランダムコードのビット期間はアレイ612の隣接段の間の伝搬遅延よりも短い。τcorが、それぞれの段616(i)を通るループ進行時間τiのうちの1つに等しい場合、段616(i)のこのセンサから戻る信号は遅延された擬似ランダムコードと相関付けられる。|τ|>τbitである場合にτjの遅延を有する他の信号はゼロに相関付けられる。相関付けプロセスはたとえば、相関コードがオンであるかまたはオフであるかに応じて、1または−1で検出信号を乗算すること(または電子ゲート630の信号を差動増幅器632の非反転および反転入力にゲートを介して向けること)にかかわる。ライン634上の差動増幅器の出力は相関付けられた出力である。信号はその後、コードの期間に等しい時間tavgにわたって時間平均される。相関付けられない信号の時間平均はゼロであるため、センサ618(i)から信号が分離される。τcorはすべてのセンサからの信号を順次取出すよう走査される。
【0093】
TDMに対するCDMの利点は、センサ間の遅延を正確に制御する必要がないことである。|τj±1|>τbitである場合のループ遅延τjはすべて許容できる(ただしτbitはコードのパルス期間である)。相関付けにはτjがわかっていなければならないが、これは容易に測定できる。FDMの場合と同様に、広帯域源の使用には、すべての信号の加算の結果として生じる位相ノイズの低減という利点がある。
【0094】
以上に、サニャック干渉計に基づく音響センサアレイの新規な設計を説明した。この設計の主な利点は、共通経路の干渉計の使用である。これにより、マッハ・ツェンダー干渉センサでよく起こる、光源の位相ノイズが強度ノイズに変換されてしまうことがなくなり、安価で高パワーのASE源または他の広帯域源の使用が可能になる。音響周波数の関数としてのサニャックセンサアレイの応答は、海中ノイズの下限と整合することが示された。この設計はさらに、1つの付加的な非常に短い遅延ループの使用によって、ハイドロホンを付与することなくダイナミックレンジを飛躍的に拡大できるようにする。以上には偏光によって誘導された信号フェージングを排除する技術を記載した。サニャックセンサアレイはさらに、標準的なマッハ・ツェンダーアレイによって達成可能なものよりも簡単な形式でいくつかの多元化機構が使用できるようにする。これらの特徴のために、サニャックセンサアレイの設計は、マッハ・ツェンダー干渉系センサアレイに取って代わる非常に有望なものを提供する。
【0095】
以上の説明は本発明の特定的な実施例に関するが、実施例の説明は発明を例示的に示すものであり、限定を意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単一感知ループを有する一例としてのサニャック干渉計を示す図である。
【図2】 センサアレイの各段が付加的なサニャック干渉計を形成する、本発明に従うサニャックセンサアレイを示す図である。
【図3】 結合のために損失した信号パワーと消散損失とを再生するためのエルビウムドープファイバ増幅器を含むサニャックセンサアレイを示す図である。
【図4】 3つの主な海中の下限ノイズと比較した、本発明に従うサニャック干渉計の周波数応答を示すグラフ図である。
【図5】 マッハ・ツェンダ干渉計によって検出可能でありかつ本発明に従うサニャック干渉計によって検出可能である最大および最小音響信号を示し、広範囲の周波数にわたってサニャック干渉計のダイナミックレンジが比較的一定であることを示すグラフ図である。
【図6】 ハイドロホンおよび遅延ループにおける種々の長さのファイバを有する3つのサニャック干渉計の構成に関する、検出可能な最小音響信号と周波数との関係を示すグラフ図である。
【図7】 干渉計のダイナミックレンジを拡大するために付加的な遅延ループを含む、本発明に従うサニャック干渉計を示す図である。
【図8】 図7の干渉計によって提供されるダイナミックレンジを示すグラフ図である。
【図9A】 センサアレイシステムの乾いた端部における干渉計の遅延ループの位置づけを示す図である。
【図9B】 センサアレイシステムの濡れた端部における干渉計の遅延ループの位置づけを示す図である。
【図10】 位相変調の影響の算出に用いられる長さを示す式が示される、図9Bのサニャック干渉計を示す図である。
【図11】 遅延ループに対する音響波の影響を軽減するために遅延ループを巻き付けるための技術を示す図である。
【図12】 センサが発生する信号から低減できる分散ピックアップノイズを検出する空の段を含む、本発明に従うサニャック干渉計を示す図である。
【図13】 偏光誘導フェージングの影響を軽減するための減偏光子を含む、本発明に従うサニャック干渉計を示す図である。
【図14】 周波数分割多元化を利用するサニャック干渉計を示す図である。
【図15】 図14の干渉計における、遅延された変調信号と、戻るセンサ信号との間のビート信号の生成を示すグラフ図である。
【図16】 コード分割多元化を利用するサニャック干渉計を示す図である。

Claims (25)

  1. パラメータを感知するためにサニャック干渉計を使用する感知装置であって、前記感知装置は、
    光源(222)からの光を受け、前記光の第1および第2の部分を第1および第2のカプラポートに結合するカプラ(220)と、
    前記第1のカプラポートと前記第2のカプラポートとの間に接続され、前記第1のカプラポートからの光を第1の方向に前記ループ(214)を通して前記第2のカプラポートまで伝搬し、かつ前記第2のカプラポートからの光を第2の方向に前記第1のカプラポートまで伝搬する光ループとを特徴とし、前記第1および第2の方向に伝搬する前記光は前記カプラ(220)で合成され、さらに
    前記光ループに位置づけられたセンサアレイ(210)を特徴とし、前記センサアレイは、前記パラメータを感知する少なくとも第1および第2のセンサ(212(1),212(2))を含み、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))はそれぞれの第1および第2の光路を有し、前記第1のセンサ(212(1))を通る前記第1の光路は、前記第2のセンサ(212(2))を通る前記第2の光路よりも光学的に短く、さらに
    前記ループに位置づけられた光遅延部分(214)を特徴とし、前記遅延部分(214)は、前記センサアレイ(210)と前記第1のカプラポートとの間の前記ループに位置づけられ、前記第1の方向に前記第1のカプラポートから伝搬する光が、前記センサアレイ(210)に到達する前に前記光遅延部分(214)によって遅延されるようにし、かつ前記第2の方向に前記第2のカプラポートから伝搬する光が、前記センサアレイ(210)を通過した後に前記光遅延部分(214)によって遅延されるようにする、感知装置。
  2. 前記光遅延部分(214)が第1の遅延部分(214(1))であり、前記感知装置は第2の光遅延部分(214(2))をさらに含み、前記第2の光遅延部分(214(2))は、前記光の一部分のみが前記光遅延部分(214(2))を通って通過するように前記第1の光遅延部分(214(1))に結合され、前記第2の光遅延部分(214(2))は、前記第1および第2のセンサの各々が、前記第1の光遅延部分(214(1))によってのみ遅延された光を伝搬し、かつ前記第1の光遅延部分(214(1))および前記第2の光遅延部分(214(2))の両方によって遅延された光を伝搬するようにする、請求項1に記載の感知装置。
  3. 前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))に近接して配置され、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))間の前記光を分割することによって生じる損失を補償する複数の増幅器をさらに含む、請求項1に記載の感知装置。
  4. 前記光源(222)からの光がパルス化され、前記第1のセンサ(212(1))によって変調された前記光は、時間分割多元化によって前記第2のセンサ(212(2))によって変調された前記光から分離される、請求項1に記載の感知装置。
  5. 前記カプラ(220)を介して前記光ループから出力された信号を受け、検出器出力信号を発生する検出器(420)と、
    チャーピング周波数を発生する発生器(406)と、
    前記チャーピング周波数によって前記光源(222,402)からの前記光を変調する強度変調器(404)と、
    前記チャーピング周波数を受け、遅延されたチャーピング周波数を発生する電子遅延器(424)と、
    ミキサ(422)とをさらに含み、前記ミキサは、前記検出器出力信号および前記遅延されたチャーピング周波数を混合して、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2);418(1),418(2))の各々に対応するそれぞれのうなり周波数を発生し、前記各うなり周波数は、前記それぞれの第1および第2のセンサ(212(1),212(2);418(1),418(2))によって検出されたそれぞれのパラメータに対応するそれぞれの側帯域を有する、請求項1に記載の感知装置。
  6. 前記カプラ(220,610)を介して前記光ループから出力された信号を受け、検出器出力信号を発生する検出器(620)と、
    デジタルコードを発生するコード発生器(606)と、
    前記デジタルコードによって前記光源(222,602)からの前記光を変調する強度変調器(604)と、
    選択された遅延を前記デジタルコードに付与して、遅延されたデジタルコードを発生する電子遅延器(624)と、
    相関器(622)とをさらに含み、前記相関器は、前記検出器出力信号および前記デジタルコードを相関づけて、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2);618(1),618(2))のうちの選択されたものによって感知されたパラメータに対応する非多重化信号を発生し、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2);618(1),618(2))のうちの前記選択されたものは、前記選択された遅延によって選択される、請求項1に記載の感知装置。
  7. 前記光ループに減偏光子(310)をさらに含む、請求項1に記載の感知装置。
  8. 前記アレイに配置された第3の光路(300(1))をさらに含み、前記第3の光路(300(1))はその中に光を伝搬し、前記第3の光路(300(1))は、前記第1の光路および前記第2の光路とは異なる光路長を有し、前記第3の光路(300(1))は、少なくとも前記第1の光路と共通の分散ピックアップノイズに対する感度が高く、前記第3の光路(300(1))は、前記第1の光路によって発生する信号から低減される前記分散ピックアップノイズに応答して信号を発生して、前記第1の光路によって発生した前記信号から前記分散ピックアップノイズによる影響を排除するようにする、請求項1に記載の感知装置。
  9. 前記アレイに配置された第3および第4の光路(300(1),300(2))をさらに含み、前記第3および第4の光路(300(1),300(2))はその中に光を伝搬し、前記第3の光路(300(1))は、前記第1の光路および前記第2の光路とは異なる光路長を有し、前記第4の光路(300(2))は、前記第1、第2および第3の光路とは異なる光路長を有し、前記第3の光路(300(1))は、前記第1の光路と共通の分散ピックアップノイズに対する感度が高く、前記第3の光路(300(1))は、前記第1の光路によって発生する信号から低減される前記分散ピックアップノイズに応答して信号を発生して、前記第1の光路によって発生する前記信号から前記分散ピックアップノイズによる影響を排除するようにし、前記第4の光路(300(2))は、前記第2の光路に共通の分散ピックアップノイズに対する感度が高く、前記第4の光路(300(2))は、前記第2の光路によって発生する信号から低減される前記分散ピックアップノイズに応答して信号を発生して、前記第2の光路によって発生する前記信号からの前記分散ピックアップノイズによる影響を排除するようにする、請求項1に記載の感知装置。
  10. 前記ループを前記光が伝搬した後に前記カプラ(220)からの光を受けるよう結合された第1および第2の検出器(230,232)をさらに含み、前記検出器(230,232)は、光源の過剰なノイズを低減するように処理されたそれぞれの第1および第2の検出器出力信号を発生する、請求項1に記載の感知装置。
  11. 前記カプラ(220)が3×3カプラである、請求項1に記載の感知装置。
  12. 前記光源(222)が広帯域源である、請求項1に記載の感知装置。
  13. 前記広帯域源は超蛍光ファイバ源である、請求項12に記載の感知装置。
  14. 前記第1のセンサ(212(1))によって変調される前記光が、時間分割多元化によって前記第2のセンサ(212(2))によって変調される前記光から分離される、請求項1に記載の感知装置。
  15. 前記光源(222)、前記カプラ(220)、前記第1の光路、前記第1のセンサ(212(1))、前記光遅延部分(214)および前記検出器(230,232)が第1のサニャック干渉計を形成し、
    前記光源(222)、前記カプラ(220)、前記第2の光路、前記第2のセンサ(212(2))、前記光遅延部分および前記検出器(230,232)が第2のサニャック干渉計を形成する、請求項1に記載の感知装置。
  16. 前記光遅延部分(214)が第1の光遅延部分(214(1))であり、前記感知装置が第2の光遅延部分(214(2))をさらに含み、前記第2の光遅延部分(214(2))は、前記光の一部分のみが前記第2の光遅延部分(214(2))を通って伝搬するように前記第1の光遅延部分(214(2))に結合され、前記第2の光遅延部分(214(2))は、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))の各々が、前記第1の光遅延部分(214(1))によってのみ遅延された光を伝搬し、かつ前記第1の光遅延部分(214(1))および前記第2の光遅延部分(214(2))の両方によって遅延された光を伝搬するようにし、それにより前記検出器(230,232)は、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))の各々からの少なくとも2対の干渉し合う信号を受ける、請求項15に記載の感知装置。
  17. 前記パラメータが音響信号である、請求項1に記載の感知装置。
  18. パラメータを感知するためにサニャック干渉計を使用する方法であって、
    光の光源(222)からの光を、前記光のそれぞれの部分が第1および第2の方向にループ中を反対方向に伝搬するように、前記ループを通して伝搬するステップと、
    それを通る光を変調するように感知される前記パラメータに応答する少なくとも第1および第2のセンサ(212(1),212(2))を介して、前記ループ中を伝搬する前記光を通すステップとを特徴とし、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))は、前記第2のセンサ(212(2))を通る光が前記第1のセンサ(212(1))を通る光に対して遅延されるように異なった光路長を有し、さらに
    前記第1の方向に伝搬する前記光が前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))を通る前に、前記第1の方向に前記ループ中を伝搬する前記光を遅延するステップと、
    前記第2の方向に伝搬する前記光が前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))を通った後に、前記第2の方向に前記ループ中を伝搬する前記光を遅延するステップと、
    前記第1および第2の方向に伝搬する前記光を干渉して、前記第1および第2の方向に前記第1のセンサ(212(1))を通る光に応答して第1の出力信号を発生し、かつ前記第1および第2の方向に前記第2のセンサ(212(2))を通る光に応答して第2の出力信号を発生するステップとを特徴とし、前記第2の出力信号は前記第1の出力信号に対して遅延される、方法。
  19. 前記遅延ステップが、前記光の第1の部分に第1の時間遅延を付与し、前記方法はさらに、第2の時間遅延だけ前記光の第2の部分を遅延するステップを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))中を伝搬する光を増幅して、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))間の前記光を分割することによって生じる損失を補償するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 光の前記光源(222)からの前記光がパルス化され、前記第1のセンサ(212(1))によって変調された前記光が、時間分割多元化によって前記第2のセンサ(212(2))によって変調された前記光から分離される、請求項18に記載の方法。
  22. 前記第1および第2の出力信号を検出するステップと、
    チャーピング周波数を発生するステップと、
    前記チャーピング周波数によって光の前記光源(222)からの前記光を変調するステップと、
    前記チャーピング周波数を遅延して、遅延されたチャーピング周波数を発生するステップと、
    前記検出器出力信号および前記遅延されたチャーピング周波数を混合して、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))の各々に対応するそれぞれのうなり周波数を発生するステップとをさらに含み、前記各うなり周波数は、前記それぞれの第1および第2のセンサ(212(1),212(2))によって遅延されたそれぞれのパラメータに対応するそれぞれの側帯域を有する、請求項18に記載の方法。
  23. 前記第1および第2の出力信号を検出するステップと、
    デジタルコードを発生するステップと、
    前記デジタルコードによって前記光源からの前記光を強度変調するステップと、
    選択された遅延を前記デジタルコードに付与して、遅延されたデジタルコードを発生するステップと、
    前記検出器出力信号および前記デジタルコードを相関づけて、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))のうちの選択されたものによって感知されたパラメータに対応する非多重化信号を発生するステップとをさらに含み、前記第1および第2のセンサ(212(1),212(2))のうちの前記選択されたものは、前記選択された遅延によって選択される、請求項18に記載の方法。
  24. 前記ループ中を伝搬する光を減偏光するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  25. 前記パラメータが音響信号である、請求項18に記載の方法。
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