JP4181255B2 - 新交通車両の主輪用タイヤ - Google Patents

新交通車両の主輪用タイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに係り、特に、地下鉄、モノレール等の新交通車両の主輪に好適な新交通車両の主輪用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地下鉄、モノレール等の新交通車両に空気入りタイヤが使用されている。これは空気入りタイヤが、従来の車輪と比べ騒音レベルが低い、加速性及び減速性が優れている、乗り心地が優れている等の利点を備えているためである。
【0003】
この種の新交通車両は、図4,5に示すように、台車100に車両の荷重を支える主輪用タイヤ102と、車両の案内を行う案内輪用タイヤ104とを備えている。
【0004】
主輪用タイヤ102はコンクリート製の主輪用路面106を走行し、案内輪用タイヤ104は垂直に形成された同じくコンクリート製の案内輪用路面108を走行するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の主輪用タイヤ102には大きなプライステアーが発生していたため、進行方向(矢印A方向)片側、即ち、進行方向に対して右側又は左側の案内輪用タイヤ104の負荷荷重が増加し、片側の案内輪用路面108の寿命が低下する問題があった。
【0006】
また、主輪用タイヤ102は、車両がカーブを曲がる際に案内輪用タイヤ104によって強制的にスリップ角が付与される(図6参照。主輪用タイヤ102のタイヤ進行方向と台車進行方向との間に角度がある。)。
【0007】
ここで、主輪用タイヤ102のコーナリングパワーが高いと、4つの案内輪用タイヤ104の中でも、カーブの曲率半径外側の進行方向側の案内輪用タイヤ104Aの負荷荷重が最大となり、カーブの曲率半径外側の案内輪用路面108が受ける荷重も大きくなる問題があり、主輪用タイヤ102に低コーナリングパワー特性が望まれていたが、従来の技術では限界があった。
【0008】
また、この種の新交通用車両に用いる空気入りタイヤにおいて、9kg/cm2以上という空気入りタイヤとしては高内圧が充填される場合、トレッドに設けたサイプの底部に割れが生じ易いという問題がある。
【0009】
これは、内圧充填時及び負荷転動時におけるサイプ底部の歪が増加して割れに至ることが分かっている。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、案内輪用路面の寿命低下を抑え、かつ、サイプの底部からの割れの発生を抑えることのできる、新交通用車両の主輪用タイヤに好適な新交通車両の主輪用タイヤを提供する事が目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤは、一対のビード部間にトロイド状に跨がるカーカスと、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びる複数本のコードからなり、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置される傾斜ベルト層と、タイヤ周方向に沿って蛇行して延びる複数本のコードからなり、前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置される少なくとも4層のウェーブドベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドと、前記トレッドに設けられ、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも2本の主溝と、前記主溝によって区画された陸部に形成される複数のサイプと、を有し、前記ウェーブドベルト層のコードの振幅をH、同コードの波長をLとしたときに(H/L)×100を5.6〜7.6、前記ウェーブドベルト層の総幅をトレッド幅の62%〜82%とした、ことを特徴としている。
【0012】
次に、請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤの作用を説明する。
【0013】
請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤでは、トレッドに設けられた少なくとも2本の主溝によってウエット路面走行時の接地面の水を排水することができる。また、サイプによってもウエット性能を向上することができる。
【0014】
また、4層以上のウェーブドベルト層が、内圧充填時の径成長量を抑制するので、陸部に形成されたサイプの底から発生する割れを防止することができる。なお、ウェーブドベルト層の数が4層未満では、サイプの底から発生する割れを防止することができなくなる。
【0015】
また、タイヤ周方向に対して傾斜しているコードからなる傾斜ベルト層は、タイヤのプライステアーの原因となるが、傾斜ベルト層とトレッドとの間に、4層以上のウェーブドベルト層を設けたので、傾斜ベルト層の影響が低減され、プライステアーを大幅に低減することができる。なお、ウェーブドベルト層の数が4層未満でも、プライステアーを低減することは可能であるが、新交通車両の主輪として用いた場合、このプライステアーに起因する同車両の案内輪に作用する負荷を十分に低減することが出来ず、同車両用の案内輪用路面の寿命低下を抑えることができなくなる。
【0016】
また、4層以上のウェーブドベルト層によってコーナリングパワーも低減され、新交通車両の主輪として用いられてコーナリングによってスリップ角が強制的に付けられた場合のトレッド踏面への主輪用路面からの入力も低減され、これにより摩耗寿命が向上する。
【0017】
さらに、コーナリングパワーが低減されることにより、車両がコーナリングし易くなり、コーナリング時の案内輪(進行方向のカーブの外側の案内輪)に作用する負荷を低減することができ、同案内輪の接する案内輪用路面の寿命低下を抑えることができる。
【0018】
なお、トレッドには、タイヤ周方向に沿って延びる主溝が少なくとも2本以上ないと、ウエット路面走行時に接地面の水を十分に排水することができなくなる。
ここで、ウェーブドベルト層のコードの(H/L)×100が5.6未満になると、負荷転動時に同ベルトが破断し易くなる。
一方、ウェーブドベルト層のコードの(H/L)×100が7.6を越えると、即ち、コードの振幅が大きくなってウエーブベルト層がタイヤ周方向に延び易くなる。このため、内圧充填時の径成長が増加して、陸部がタイヤ周方向伸ばされ、サイプが開く方向となって負荷転動時にサイプの底部に割れが生じ易くなる。
また、ウェーブドベルト層の総幅がトレッド幅の62%未満になると、ウェーブドベルト層外側領域のトレッド剛性が低下するため、トレッドの摩耗速度が早くなる。
一方、ウェーブドベルト層の総幅がトレッド幅の82%を越えると、ウェーブドベルト層端部領域の歪が限界を越えるため、ウェーブドベルト層の端部のコードが破断し易くなる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤにおいて、前記傾斜ベルト層のうちの1層は、コードの方向がタイヤ軸方向に対して5°〜50°であり、その幅がトレッド幅の62%〜98%であることを特徴としている。
【0020】
次に、請求項2に記載の新交通車両の主輪用タイヤの作用を説明する。
【0021】
傾斜ベルト層のコードの方向がタイヤ軸方向に対して5°未満になると、トレッドの踏面に局所的な大変形入力を受けたときにベルト層全体(傾斜ベルト層+ウェーブドベルト層)が瞬時に破断する虞れがある。
【0022】
一方、傾斜ベルト層のコードの方向がタイヤ軸方向に対して50°を越えると、長距離走行時のベルト(傾斜ベルト層+ウェーブドベルト層)耐久力が低下する。
【0023】
傾斜ベルト層の幅がトレッド幅の62%よりも狭くすると、ウェーブドベルト層の耐久力が低下する。
【0024】
傾斜ベルト層の幅がトレッド幅の98%を越えると、負荷転動によってトレッドの傾斜ベルト層の端部から割れが生じる虞れがある。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の新交通車両の主輪用タイヤにおいて、前記サイプの深さは、前記主溝の深さの65%〜95%であることを特徴としている。
【0032】
次に、請求項3に記載の新交通車両の主輪用タイヤの作用を説明する。
【0033】
サイプの深さが主溝の深さの65%未満になると、トレッド摩耗時のサイプ消滅が早すぎる。
【0034】
一方、サイプの深さが主溝の深さの95%を越えると、陸部の剛性が低下してサイプ底部付近の歪が増大するため、負荷転動時にサイプの底部から割れが生じ易くなる。
【0035】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の新交通車両の主輪用タイヤにおいて、前記サイプは、タイヤ軸方向に対して5°〜25°の方向に延びていることを特徴としている。
【0036】
次に、請求項4に記載の新交通車両の主輪用タイヤの作用を説明する。
【0037】
サイプが、タイヤ軸方向に対して5°〜25°の方向に延びていることにより、ウエット路面での摩擦係数(μ)を高めることができる。
【0038】
なお、サイプのタイヤ軸方向に対する角度が5°未満になると、踏面の動きが大きくなり、耐摩耗・偏摩耗性能が低下する。
【0039】
一方、サイプのタイヤ軸方向に対する角度が25°を越えると、サイプエッジの周方向のグリップ力が低下し、ウエット性能が低下する。
【0040】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の新交通車両の主輪用タイヤにおいて、前記サイプのタイヤ周方向の間隔は、前記主溝深さの1.2〜2.5倍であることを特徴としている。
【0041】
次に、請求項5に記載の新交通車両の主輪用タイヤの作用を説明する。
【0042】
サイプのタイヤ周方向間隔が主溝深さの1.2倍未満になると、主溝によって区画される陸部の剛性が低下し過ぎて、陸部にスポット摩耗が発生し易くなる。
【0043】
一方、サイプのタイヤ周方向間隔が主溝深さの2.5倍を越えると、サイプのエッジ成分が減少し、ウエット路面走行時に必要とされる摩擦係数(μ)が得られなくなる。
【0044】
したがって、サイプのタイヤ周方向の間隔を、主溝深さの1.2〜2.5倍とすることが好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下本発明の新交通車両の主輪用タイヤの一実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0046】
図2に示すように、この新交通車両の主輪用タイヤ10は、コード方向がラジアル方向とされた所謂ラジアルカーカス12を備えている。
【0047】
ラジアルカーカス12の幅方向両端部は、ビード部14に埋設されたビードコア16の回りにそれぞれタイヤ軸方向内側からタイヤ軸方向外側へ向けて折り返されている。
【0048】
ラジアルカーカス12のタイヤ径方向外側には、図1及び図2に示すように、タイヤ周方向(矢印S方向)に対して傾斜する方向に延びる複数本のコード18からなる傾斜ベルト層20が1層配置されている。なお、傾斜ベルト層20を2層以上配置しても良い。
【0049】
傾斜ベルト層20のタイヤ径方向外側(矢印R方向側)には、タイヤ周方向に沿って蛇行して延びる複数本のコード22からなる4層構造のウェーブドベルト層24が配置されている。
【0050】
本実施形態では、幅方向両側部分で互いに反対方向に折り返し、両方の幅方向端部をタイヤ赤道面CL近傍に配置した2枚のプライ26によって4層構造のウェーブドベルト層24が形成されている。なお、ウェーブドベルト層24は5層以上であっても良く、図示はしないが折り返しの無い4枚以上のプライを重ね合わせても勿論良い。
【0051】
図2に示すように、ウェーブドベルト層24のタイヤ径方向外側にはトレッド28が配置されている。
【0052】
ここで、図1に示すように、傾斜ベルト層20のコード18の傾斜角度θ1 は、タイヤ軸方向(矢印W方向)に対して5°〜50°の範囲内であることが好ましく、傾斜ベルト層20の幅B1 Wがトレッド幅TWの62%〜98%の範囲内であることが好ましい。
【0053】
一方、ウェーブドベルト層24のコード22は、図3に示すように、振幅をH、波長をLとしたときに、(H/L)×100が5.6〜7.6の範囲内であることが好ましい。
【0054】
さらに、図1に示すように、ウェーブドベルト層24は、その総幅B2 Wが傾斜ベルト層20の幅B1 Wよりも狭く、かつトレッド幅TWの62%〜82%の範囲内であることが好ましい。
【0055】
図1及び図2に示すように、トレッド28には、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも2本(本実施形態では4本)の主溝30がタイヤ軸方向(矢印W方向)に略等間隔で形成されており、これによって、タイヤ周方向に延びる5本のリブ状の陸部32がトレッド28に区画されている。なお、主溝30は、少なくとも2本以上形成されていれば良い。
【0056】
図1に示すように、各陸部32には、タイヤ軸方向に対して同一方向に角度θ2 で傾斜するサイプ34がタイヤ周方向に沿って間隔Pで形成されている。本実施形態のサイプ34は、陸部32を完全に横断する所謂オープンサイプである。
【0057】
ここで、タイヤ軸方向に対するサイプ34の角度θ2 は5°〜25°の範囲内が好ましく、サイプ34のタイヤ周方向の間隔Pは主溝30の深さH(図2参照。)の1.2〜2.5倍の範囲内であることが好ましい。
【0058】
また、サイプ34の深さh(図示せず)は、主溝30の深さHの65%〜95%の範囲内が好ましい。
【0059】
次に、本実施形態の新交通車両の主輪用タイヤ10の作用を説明する。
【0060】
新交通車両の主輪用タイヤ10は、例えば、図4に示すように、新交通車両の主輪102に用いることによって最大の効果を発揮する。
【0061】
先ず、この新交通車両の主輪用タイヤ10では、傾斜ベルト層20とトレッド28との間に4層構造のウェーブドベルト層24が設けられているので、傾斜ベルト層20の傾斜したコード18の影響を低減でき、プライステアーを大幅に低減することができ、案内輪104に作用する負荷を低減することができ、これにより案内輪用路面108の寿命低下を抑えることができる。
【0062】
また、4層のウェーブドベルト層24によってコーナリングパワーを低減することができるので、新交通車両の主輪用タイヤ10にスリップ角が強制的に付けられた場合(即ち、カーブを曲がる場合。図6参照。)のトレッド28の踏面への主輪用路面106からの入力を低減でき、これにより新交通車両の主輪用タイヤ10の摩耗寿命を向上することができる。
【0063】
さらに、主輪用タイヤ102のコーナリングパワーが低減されことにより、カーブ走行時のカーブ曲率半径外側の進行方向側の案内輪用タイヤ104Aの負荷荷重が増大することを抑えることができる。これにより、カーブの曲率半径外側の案内輪用路面108が受ける荷重の増加を抑えることができ、カーブの曲率半径外側の案内輪用路面108の寿命低下を抑えることができる。
【0064】
さらに、本実施形態の新交通車両の主輪用タイヤ10では、4層のウェーブドベルト層24によって内圧充填時の径成長量を抑制することができるので、陸部32に形成されたサイプ34の底から発生する割れを防止することができる。なお、ウェーブドベルト層24が4層未満では、サイプ34の底から発生する割れを防止することができなくなり、案内輪用路面の寿命低下を十分に抑えることができなくなり、また、摩耗寿命を向上することが出来なくなる。
【0065】
また、傾斜ベルト層20のコード18の傾斜角度θ1 を5°〜50°の範囲内としたので、トレッド28の踏面に局所的な大変形入力を受けたときのベルト層全体(傾斜ベルト層20+ウェーブドベルト層24)が瞬時に破断することを防止することができると共に、長距離走行時のベルト耐久力を確保することができる。なお、傾斜ベルト層20のコード18の傾斜角度θ1 が5°未満になると、トレッド28の踏面に局所的な大変形入力を受けたときにベルト層全体(傾斜ベルト層+ウェーブドベルト層)が瞬時に破断する虞れがある。一方、コード18の傾斜角度θ1 が50°を越えると、長距離走行時のベルト(傾斜ベルト層20+ウェーブドベルト層24)耐久力が低下する。
【0066】
また、傾斜ベルト層20の幅B1 Wをウェーブドベルト層24の総幅B2 Wよりも狭くすると、ウェーブドベルト層24の巻き付け成形時に、ウェーブドベルト層24を均一な径で巻き付けることが出来なくなり、しいてはウェーブドベルト層24の耐久力が低下する。
【0067】
ウェーブドベルト層24の総幅B2 Wがトレッド幅TWの98%を越えると、負荷転動によってトレッド28の傾斜ベルト層20の端部から割れが生じる虞れがある。
【0068】
ウェーブドベルト層24のコード22の(振幅H/波長L)×100が5.6未満になると、負荷転動時にウェーブドベルト層24が破断し易くなる。一方、ウェーブドベルト層24のコード22の(振幅H/波長L)×100が7.6を越えると、ウェーブドベルト層24がタイヤ周方向に延び易くなるため、内圧充填時の径成長が増加して、陸部32がタイヤ周方向伸ばされ、サイプ34が開く方向となって負荷転動時にサイプ34の底部に割れが生じ易くなる。
【0069】
また、ウェーブドベルト層24の総幅B2 Wがトレッド幅TWの62%未満になると、ウェーブドベルト層24の外側領域のトレッド剛性が低下するため、トレッド28の摩耗速度が早くなる。
【0070】
一方、ウェーブドベルト層24の総幅B2 Wがトレッド幅TWの82%を越えると、ウェーブドベルト層24の端部領域の歪が限界を越えるため、ウェーブドベルト層24の端部のコードが破断し易くなる。
【0071】
サイプ34が、タイヤ軸方向に対して5°〜25°の方向に延びていることにより、ウエット路面での摩擦係数(μ)を高めることができる。
【0072】
なお、サイプ34のタイヤ軸方向に対する角度θが5°未満になると、踏面の動きが大きくなり、耐摩耗・偏摩耗性能が低下する。
【0073】
一方、サイプ34のタイヤ軸方向に対する角度θが25°を越えると、サイプエッジの周方向グリップ力が低下し、ウエット性能が低下する。
【0074】
サイプ34の深さhが主溝30の深さHの65%未満になると、トレッド摩耗時のサイプ消滅が早すぎることになり、摩耗後期にウエット性能が大幅に低下する。
【0075】
一方、サイプ34の深さhが主溝30の深さHの95%を越えると、陸部32の剛性が低下してサイプ34の底部付近の歪が増大するため、負荷転動時にサイプ34の底部から割れが生じ易くなる。
【0076】
サイプ34の間隔Pが主溝30の深さHの1.2倍未満になると、陸部32の剛性が低下し過ぎて、陸部32にスポット摩耗が発生し易くなる。一方、サイプ34の間隔Pが主溝30の深さHの2.5倍を越えると、サイプ34のエッジ成分が減少し、ウエット路面走行時に必要とされる摩擦係数(μ)が得られなくなる。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例の空気入りタイヤ及び本発明の適用された実施例の空気入りタイヤを用意し、室内操縦性試験及びロングドラム試験を行った。
【0077】
実施例のタイヤ:前述した実施形態の構造タイヤであり、傾斜ベルト層のコードの傾斜角度が38°、傾斜ベルト層の幅が240mm(トレッド幅の96%)、ウェーブドベルト層のコードの(H/L)×100が6.6、ウェーブドベルト層の総幅が180mm(トレッド幅の72%)、主溝が4本、サイプの深さが6.5mm(主溝の深さの81%)、サイプのタイヤ周方向の間隔が13mm(主溝の深さの1.6倍)である。
【0078】
従来例のタイヤ:図7に示すように、ラジアルカーカス12のタイヤ径方向外側に、第1ベルト層120、第2ベルト層122及び第3ベルト層124が順に配置されたタイヤである。ここで、第1ベルト層120は、タイヤ赤道面CL付近には設けられておらず(所謂中抜き)、コードがタイヤ周方向に対して右上がりに傾斜しており、タイヤ周方向に対するコードの角度が50°である。第2ベルト層122は、コードがタイヤ周方向に対して右上がりに傾斜しており、タイヤ周方向に対するコードの角度が18°である。また、第3ベルト層124は、コードがタイヤ周方向に対して左上がりに傾斜しており、タイヤ周方向に対するコードの角度が18°である。
【0079】
なお、何れのタイヤもタイヤサイズはE315/70R20、装着するリムの幅は8.5インチであり、内圧10.5kg/cm2を充填し、荷重4500kgを負荷させて試験を行った。
【0080】
試験方法
室内操縦性試験:速度30km/h、スリップ角0〜3°。
【0081】
ロングドラム試験:速度60km/h、走行距離10万km。
【0082】
試験結果は、実施例のタイヤは、従来例のタイヤに比較してプライステアーが90%低減、コーナリングパワーが30%低減された。また、実施例のタイヤは、走行距離10万kmを完走し、サイプ底割れの発生、コード切れの発生も無かった。
【0083】
一方、従来例のタイヤは、10万kmを完走することができず、また、サイプ底割れの発生、コード切れの発生が有った。
【0084】
また、実施例のタイヤはプライステアー及びコーナリングパワーが従来対比で低減されているので、新交通車両の主輪に用いた場合に、案内輪用路面の寿命を延長する効果があることは明らかである。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤは上記の構成としたので、以下のような優れた効果を有する。
(1) 内圧充填時の径成長量を抑制することができ、陸部に形成されたサイプの底から発生する割れを防止することができる。
(2) プライステアーを大幅に低減することができる。したがって、新交通車両の主輪として用いた場合、同車両の案内車輪に作用する負荷が低減され、案内輪用路面の寿命低下を十分に抑えることが可能となる。
(3) コーナリングパワーを低減することができる。したがって、新交通車両の主輪として用いられてコーナリングによってスリップ角が強制的に付けられた場合のトレッド踏面への主輪用路面からの入力が低減され、摩耗寿命が向上する。また、カーブ走行時のカーブ曲率半径外側の進行方向側の案内輪用タイヤの負荷荷重が増大することを抑え、カーブの曲率半径外側の案内輪用路面の寿命低下を抑えることができる。
(4) 負荷転動時のウェーブドベルト層の破断を防止することができ、内圧充填時の径成長を抑え、サイプの底部に生じる割れを防止することができる。
(5) また、トレッドの摩耗速度が早くなることを防止でき、ウェーブドベルト層の端部のコードが破断し易くなることを防止できる。
【0086】
請求項2に記載の新交通車両の主輪用タイヤは上記の構成としたので、ベルト層全体(傾斜ベルト層+ウェーブドベルト層)が瞬時に破断することを防止できる。
【0087】
長距離走行時のベルト(傾斜ベルト層+ウェーブドベルト層)耐久力の低下を防止することができる。
【0088】
負荷転動によってトレッドの傾斜ベルト層の端部から生じる割れを防止することができる。
【0089】
【0090】
【0091】
請求項3に記載の新交通車両の主輪用タイヤは上記の構成としたので、トレッド摩耗時のサイプ消滅を防止でき、摩耗末期までサイプによるウエット性能を維持できる。
【0092】
また、陸部の剛性が低下し過ぎることがなく、負荷転動時にサイプの底部から生じる割れを防止することができる。
【0093】
請求項4に記載の新交通車両の主輪用タイヤは上記の構成としたので、ウエット路面での摩擦係数(μ)を高めることができる。
【0094】
請求項5に記載の新交通車両の主輪用タイヤは上記の構成としたので、陸部の剛性が低下し過ぎることがなく、陸部に発生するスポット摩耗を防止することができる。また、ウエット路面走行時に必要とされる摩擦係数(μ)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る新交通車両の主輪用タイヤのトレッド及びベルトの平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る新交通車両の主輪用タイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。
【図3】 ウェーブドベルト層のコードの平面図である。
【図4】 新交通車両の台車を示す下面図である。
【図5】 台車正面側から見た新交通車両のタイヤ及び路面を示す説明図である。
【図6】 カーブを走行している際の新交通車両の台車の平面図である。
【図7】 従来の空気入りタイヤのタイヤ回転軸に沿った断面図である。
【符号の説明】
10 新交通車両の主輪用タイヤ
14 ビード部
12 ラジアルカーカス(カーカス)
18 コード
20 傾斜ベルト層
22 コード
24 ウェーブドベルト層
28 トレッド
30 主溝
32 陸部
34 サイプ

Claims (5)

  1. 一対のビード部間にトロイド状に跨がるカーカスと、
    タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びる複数本のコードからなり、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置される傾斜ベルト層と、
    タイヤ周方向に沿って蛇行して延びる複数本のコードからなり、前記傾斜ベルト層のタイヤ径方向外側に配置される少なくとも4層のウェーブドベルト層と、 前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されるトレッドと、
    前記トレッドに設けられ、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも2本の主溝と、
    前記主溝によって区画された陸部に形成される複数のサイプと、
    有し、
    前記ウェーブドベルト層のコードの振幅をH、同コードの波長をLとしたときに(H/L)×100を5.6〜7.6、
    前記ウェーブドベルト層の総幅をトレッド幅の62%〜82%とした、ことを特徴とする新交通車両の主輪用タイヤ
  2. 前記傾斜ベルト層のうちの1層は、コードの方向がタイヤ軸方向に対して5°〜50°であり、その幅がトレッド幅の62%〜98%であることを特徴とする請求項1に記載の新交通車両の主輪用タイヤ
  3. 前記サイプの深さは、前記主溝の深さの65%〜95%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の新交通車両の主輪用タイヤ
  4. 前記サイプは、タイヤ軸方向に対して5°〜25°の方向に延びていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の新交通車両の主輪用タイヤ
  5. 前記サイプのタイヤ周方向の間隔は、前記主溝深さの1.2〜2.5倍であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の新交通車両の主輪用タイヤ
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