JP4178755B2 - 自動車のバッテリー用電力回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の電圧レベルの出力を有する、自動車などに用いられるバッテリー用電力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15は、TOYOTA Technical Review Vol.50 No.1 Jun. 2000 p37等に記載された従来の自動車のバッテリー用電力回路である。図において、7はエンジン、6は第1の動力伝達体8を通して動力をエンジンに伝える電動機、5は電動機6に電力を伝える電力変換回路、200は複数の直列接続されたバッテリーからなり電力変換回路5と接続されたバッテリー群で通常は定格電圧36Vである。90はバッテリー群200に接続された負荷B、300はバッテリー群の電圧を降圧するDC/DCコンバータ、100はDC/DCコンバータ300によって充電されるバッテリーで通常は定格電圧12Vであり、8はバッテリー群100に接続された負荷Aである。通常、負荷Aは14V系負荷、負荷Bは42V系負荷と呼ばれている。9は初期始動用のキースイッチであり、10は初期始動時に回転し、第2の動力伝達体11にてエンジンに動力を伝達するセルモータである。ここで第1の動力伝達体8、第2の動力伝達体11は、電動機6とエンジン7、またはセルモータ10とエンジン7、を軸にて直結するもの、あるいはベルトで間接的に結合するもの、またギアで間接的に伝達するもの等いずれの電力伝達手段であっても構わない。
【0003】
まず図15において動作を説明する。電力変換回路5は、バッテリー群200の電圧を交流もしくは断続直流に変換し、電動機6を回転させ、エンジン7を始動させる。自動車運転中の一時停止(信号停止や渋滞など)期間中エンジン7を止め、再スタートの必要が生じたときにあらためてエンジン7を始動させることにより、一時停止中の無駄な燃料消費の抑制が可能なことは、広く一般に知られている(アイドルストップ動作)。しかし、この再スタートの際に、アクセルペダル等を踏み込むことによってスムーズにエンジン7を再始動させ、さらには自動車の動き開始へとつなげるためには、短時間のうちにエンジン7の始動に必要な動力を供給する必要がある。これを実現するために、バッテリー群200に36Vの電圧を保有させ、電力変換回路5を通して電動機6に大電流を流し、大きな瞬時パワーを電動機6に伝える構成が提案されている。燃料によるエンジン7の回転中には、エンジン7の動力が電動機6に伝わり逆に発電するため、電力変換回路5を通して、バッテリー群200は36Vまで充電される。
【0004】
しかしながら、自動車に搭載されている電装品のほとんどは14V系で構成されているから、全ての電装品が42V系に置換されない限り、定格電圧12Vのバッテリーが必要となる。ましてや、現状では42V系に対応する電装品はほとんど少なく、または高価でもあるため(数量の問題から)、基本的に電装品は14V系対応となることが予想され、従って14V系負荷としては大容量のものが予想される。
【0005】
そのため、バッテリー群200の出力からDC/DCコンバータ300を通して、大容量の定常バッテリー100を12Vの電圧で充電し、電装品を動作させている。また、運転中などに定常的に14V系の電装品を使用するときはDC/DCコンバータ300から直接電装品を動作させる必要があるため、大容量のDC/DCコンバータ300が必要となる。
【0006】
このように、アイドルストップ動作実現のために定格電圧36Vのバッテリー群を備えても、大容量のDC/DCコンバータ300や大容量の定常バッテリー100が必要となり高価となる。大容量のDC/DCコンバータ300は多くの熱を発生するから、冷却のための付属部品が必要となり、さらにコストアップの要因となる。
【0007】
また、エンジン7の初期始動(運転を開始する最初等にエンジン7の温度が低い状態での始動)時には、エンジン7を始動するにはより大きな動力を必要とすることも一般に知られている。初期始動を電動機6によって行うためには、より高い電流を供給してやる必要があり、電力変換回路5には大電流仕様が要求されてしまい、高価になってしまう。
【0008】
これを解決する方法として、初期始動はキー操作によるセルモータの回転にて行い、上記アイドルストップ動作のみを電動機にて行うシステムが提案されている。これにより、電力変換回路には、大電流仕様は不要となる。しかしながら、このような構成において初期始動時には、セルモータには大量の電荷を供給してやる必要があるため、定常バッテリーには大容量のものがまだ必須となる。そのため、仮に将来14V系の電装品が少なくなったとしても、大容量の定常バッテリーはやはり残ってしまうから、低コスト化の大きな障害となってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の電気自動車用電力回路においては、12Vを36Vから得るためのDC/DCコンバ−タは大容量のものを必要とし、とそれに関する付属部品が高価となり、また12Vの大容量定常バッテリー100も高価でかつ小型化の妨げにもなる。
【0010】
そこで、本発明は、バッテリー用電力回路において、DC/DCコンバータやバッテリーを小容量で小型なものとすることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自動車のバッテリー用電力回路は、エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中に前記エンジンの動力を受けて発電を行う電動機と、前記電動機にエネルギーを伝える電力変換回路と、前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、前記バッテリーに直列接続され、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源と、少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記バッテリーと前記エネルギー蓄積源との間でエネルギーを移行させるためのDC/DCコンバータとを備え、前記エンジンを初期始動あるいは再始動する際に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させる期間に、前記DC/DCコンバータは、前記バッテリーのエネルギーを前記エネルギー蓄積源へ充電する動作を開始するものである。
【0021】
また、前記エンジンに動力を伝えて始動させるためのセルモータを備え、前記セルモータで前記エンジンを初期始動する際に、前記セルモータの動作期間に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させたものである。
【0022】
また、前記セルモータの動作期間に、前記DC/DCコンバータを動作させたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す。バッテリー群1(第1のバッテリー群)とバッテリー群2(第2のバッテリー群)が直列に接続されている。3はバッテリー群1とバッテリー群2の間に挿入されたDC/DCコンバータ、4はバッテリー群1に接続された負荷、5はバッテリー群1とバッテリー群2の直列体の両端に接続された電力変換回路、6は電力変換回路5に接続された電動機、7はエンジン、8は電動機6とエンジン7との間で動力を伝達する動力伝達体である。ここで、バッテリー群1は例えば定格電圧12Vのバッテリー1個から構成され、バッテリー群2は定格電圧12Vのバッテリーn個すなわちバッテリー21〜2nから構成されている。DC/DCコンバータ3は、バッテリー群2の両端とバッテリー群1との間に接続されており、バッテリー群2の電圧を降圧することにより、バッテリー群1に電力を供給している。ここでは、バッテリー群1は定格電圧12Vの電装品に電力を供給するためのものであり、バッテリー群1の両端に負荷4が接続されている。
【0025】
エンジン7の定常動作中には、電動機6が回転しており、それは発電機としても働くから、発電エネルギーにより電力変換回路5を通してバッテリー群1およびバッテリー群21〜2nを直列に充電する。またバッテリー群1およびバッテリー群21〜2nの両端の電圧はDC/DCコンバータ3を通して、12Vに降圧され負荷4に供給する。また負荷4には、バッテリー群1からも電力が並列に直接供給される。また、初期始動時やアイドルストップ動作の再始動時には、バッテリー群1およびバッテリー群21〜2nの直列回路から電力変換回路5を通して、電動機6を直接回転させ、動力伝達体8を通してエンジン7を始動させる。
【0026】
本発明の実施の形態1の場合、負荷4に電力を供給するのは、電力変換回路5を通してバッテリー群1に直接充電された電力分によるものと、バッテリー群2からDC/DCコンバータ3を通して降圧された電力分によるものとの2系統に分かれる。ここでDC/DCコンバータ3が扱う電力分の割合は、以下のような考え方から簡単に求められる。すなわち、バッテリー群1およびバッテリー群2の電圧が平衡状態、すなわちバッテリー群への充電とバッテリー群からの放電の電荷量が等しい状態にある場合を考えると、DC/DCコンバータ3から供給される電荷量はバッテリー群1が負荷4に直接供給する電荷量と等しくなる。従って、DC/DCコンバータ3が取り扱う電力Pxは、負荷4での消費電力Poに対して、以下の関係が成り立つ。
【0027】
Px/Po=E2/(E1+E2)
Ei:バッテリー群iの電圧
そのため、PxはPoより小さくなり、DC/DCコンバータ3の容量も従来のものより小さくて済み、また損失も小さくなるから、冷却器などの付属部品も小型となる。それにより、自動車のバッテリー用電力回路自体の低コスト化や小型化が可能となる。
【0028】
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す。図1と異なる点は、バッテリー群1から初期始動用キースイッチ9を通してセルモータ10が接続されている点である。大きな動力を要する初期始動のみをセルモータ10によって行うことにより、電力変換回路5を通じて電動機6に電力を供給してエンジン7を始動するのはエンジン7が暖機状態にあるときのみとなるため、電力変換回路5を低容量化できることは従来の技術で述べたとおりである。セルモータ10によってエンジン7を始動させるためにセルモータ動力伝達体11を用いるが、セルモータ10の限られた動力にてエンジン7を所定の回転数まで導くために、セルモータ動力伝達体11ではベルトやギアなどによるトルク変換が行われる場合がある。その場合、変換比に相当する時間比だけセルモータ10には長時間電流を流す必要が生じる。そのため、負荷4の容量が小さくても、バッテリー群1は一般に大容量のものが必要となる。暖機状態中に電力変換回路5と電動機6によってエンジン7を始動させる場合には、電力変換回路5だけでなく、バッテリー群1およびバッテリー群2が低容量化できることは当然である。従って、電力回路を小型で低コスト化しようとした場合、バッテリー群1は大容量に、バッテリー群2は小容量に設計することが望ましい。しかし、異なる容量のバッテリーを混在させた場合、通常は、各バッテリーの間に電圧アンバランスが生じてしまい、セルモータ10に十分な電流を供給できなくなったり、一部のバッテリーに過大な電圧を発生させ、破壊させてしまう。図2においては、DC/DCコンバータ3によって、バッテリー群2の電荷をバッテリー群1に供給するため、電圧のアンバランスが解消できる。これにより、各バッテリーに過大なスペックのものを使用する必要がなくなり、電力回路が小型で低コストとなる。
【0029】
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す図である。図2と異なる点は、バッテリー群2のバッテリーがコンデンサに置き換わっていることである。すなわちバッテリー群2がコンデンサ201〜コンデンサ20nの直列体で構成されたコンデンサ群20となっている。実施の形態2の説明でも述べたように、負荷4が小さな容量の場合には、バッテリー群2は小容量のものでもよい。従って、バッテリーではなくコンデンサでも十分仕様を満足できる場合がある。特にコンデンサの中でも大きな静電容量を確保できる電気2重層のスーパーキャパシターや電解コンデンサなどを使用できる。これによって、バッテリー21〜バッテリー2nがなくなり部品の大幅な長寿命化が期待できる。
【0030】
実施の形態4.
図4に本発明の実施の形態4による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す。図3と異なる点は、コンデンサ群20の両端に並列にダイオード14が接続されていることである。コンデンサ群20の充電電荷によって電動機6を回転させるとき、コンデンサ群20の静電容量が十分大きくない場合、コンデンサ群20の電圧がすぐに減衰し、十分なエンジンの始動回転数が得られないうちに、逆充電される恐れがある。ダイオード14がコンデンサ群20の両端に接続されていれば、コンデンサ群20は逆充電されないので、電力変換回路5に供給する電圧は大容量バッテリー群1の電圧でほぼ留まる。エンジン7が暖機中での始動の初期のみをコンデンサ群20からの電力でまかない、エンジン7がわずかに始動し、必要な動力が低下した場合には、大容量のバッテリー群1からの電力で継続的に電動機6を通してエンジン7の回転を促進する。これによって、コンデンサ群20の静電容量はさらに低下でき、電力回路の小型化・低コスト化が実現できる。
【0031】
実施の形態5.
図5は本発明のこれまでの実施の形態に記載されたDC/DCコンバータ3の実施の形態を示す図である。図5においてQxはMOSFET等の半導体、Lxはリアクトル、Dxはダイオード、Cxは平滑用のコンデンサである。Qxは、制御回路35によって制御されている。制御回路35では、まず、Vf1とVf2とを差動増幅器351によって差動増幅して得られたバッテリー群1の電圧E1と、その目標値Vrfとの誤差を誤差増幅器352によって得る。上記誤差を増幅器353によって増幅し、さらにPWM変調器354によりPWM変調してパルスVpを得る。QxはVpの出力に応じてオンオフし、Lxに流す電流を定める。Qxがオフ状態では、Lxに流れている電流はDxを通ってCxに蓄えられる。Cxはバッテリー群1に接続されているから、結局、バッテリー群2からバッテリー群1に電力を伝達していることになる。PWM変調器354は誤差が大きいときは、より多くの電流をバッテリー群2からバッテリー群1に供給するよう動作するから、増幅器353のゲインを大きくすることにより、E1はほぼVrfに漸近する。このような構成を採ることにより、部品点数が必要最小限にて、安定なDC/DCコンバータを構築できる。これにより、DC/DCコンバータ3の低コスト化が可能となる。
【0032】
なお、DC/DCコンバータの構成については、種々の方式が考えられるが、基本的にバッテリー群2の電力をバッテリー群1に伝達できるものならばいずれの方式でも同様の効果を奏する。
【0033】
実施の形態6.
図6に本発明の実施の形態6による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す。特に図1と異なるのは、バッテリー群1がバッテリー群2のプラス側に直列接続されている点である。DC/DCコンバータ3は、バッテリー群1とバッテリー群2との間に接続されており、半導体のスイッチQy、リアクトルLy、ダイオードDyおよび平滑コンデンサCyによって構成されている。制御回路36の構成およびDC/DCコンバータの各構成部品の動作は図5と同じであり、実施の形態5の説明において、QxをQyに、LxをLyに、DxをDyに、CxをCyに置き換えたものと同じとなる。
【0034】
実施の形態7.
図7に本発明の実施の形態7による自動車のバッテリー用電力回路の構成を示す。図2と異なる点はDC/DCコンバータ3が双方向性DC/DCコンバータ30に置き代わっている点である。先に説明したように、セルモータ10を備えた電力回路の場合や、負荷4が大容量の場合には、バッテリー群1は大容量であることが必要であり、また逆にバッテリー群2は小容量で十分である。その場合、小容量のバッテリー群2はバッテリー群1に比べて自然放電による電圧減衰が早く生ずる。バッテリー群2の電圧が低下した状態で、また電動機6からの発電電力量が不充分な場合(初期始動後に比較的短時間のうちに一時停止した場合など)には、アイドルストップ動作が正常に働かない可能性がある。本発明では、この問題を解決するために、大容量のバッテリー群1から逆に小容量のバッテリー群2をも逆充電し得る双方向性DC/DCコンバータ30を備えている。バッテリー群2の電圧が低下した状態で、また電動機6からの発電電力量が不充分な場合、双方向性DC/DCコンバータ30によって、大容量のバッテリー群1からバッテリー群2を満充電し、その後のアイドルストップ動作を可能とすることができる。
【0035】
図8は、エンジン再始動時の電力変換回路5と双方向性DC/DCコンバータ30の動作関係を示したものである。電力変換回路5が動作開始すると同時に、双方向性DC/DCコンバータ30を動作させ、バッテリー群1からバッテリー群2に電力を伝送することにより、バッテリー群2に流れる電流を低下させることができるため、バッテリー群2の容量を小さくすることができる。電力変換回路5がオフした後は、双方向性DC/DCコンバータ30によってバッテリー群2を所定の電圧まで再充電し、次の再始動に備える。
【0036】
図9は、セルモータ10にて初期始動を行う場合の動作を示している。セルモータ10のオンと同時に、電力変換回路5をオンさせて電動機6を通して動力をエンジン7に伝達することにより、セルモータ10からの伝達動力が少なくて済む。それにより、セルモータ10の容量、バッテリー群1の容量を低下でき、バッテリー用電力回路の小型化、低コスト化が実現できる。
【0037】
なお、図9においては、セルモータ10の動作時に双方向性DC/DCコンバータ30は動作していないが、図8で示したように初期始動時においても、双方向性DC/DCコンバータ30を同時に動作させることにより、電動機6への動力伝達が増し、その結果セルモータ10の容量を低減させることができる。
【0038】
なお、図7では、セルモータ10を保有した電力回路の図を示しているが、セルモータ10がなく、エンジンの初期始動も電動機6にて行う電力回路の場合においては、エンジン初期始動前に大容量バッテリー群1によって、小容量バッテリー群2を満充電する。それにより、たとえ、バッテリー群2の電圧が減衰してしまった場合でも、エンジン7の初期始動およびアイドルストップ動作が確実に実現できる。
【0039】
このように、実施の形態7によれば、電力回路のバッテリーをより低容量化できるため、回路の低コスト小型化が実現できる。また、バッテリー群2に流れる電流が小さくなるため、バッテリー群2のインピーダンスの大きなものを使用しても構わない。
【0040】
なお、図中に記載はないが、バッテリー群2は、コンデンサにて代用することも可能である。さらに、コンデンサ両端にダイオードを並列に接続することにより実施の形態4に述べたのと同様の効果を奏する。
【0041】
また、本発明における電力変換回路5の場合、セルモータ10もしくは、双方向性DC/DCコンバータ30がある場合は、バッテリー群1を充電しておきさえすれば、自動車は動き出すことができる。従って、バッテリー群1に外部からの充電端子を設けておいてもよい。
【0042】
実施の形態8.
図10は、双方向性DC/DCコンバータ30の実施の形態を示したものであり、図5のDC/DCコンバータ3の構成と異なる点は、ダイオードDxがMOSFET等の半導体素子Qx2に置き換わっている点である。バッテリー群2からバッテリー群1への電力伝送の際には、Qx2が保有する逆並列ダイオードが図5のダイオードDxの役割をする。一方、バッテリー群1からバッテリー群2に電力を伝送する場合には、Qx2のスイッチングによって、バッテリー群1からLxに電流を流し、Qx1のオフ期間中にQx1の逆並列ダイオードを通して、バッテリー群2を充電する。従って、ダイオードDxをMOSFET等の半導体素子Qx2に置き換えるだけのわずかな変更によって、バッテリー群2への逆充電機能が付加される。
【0043】
図11は制御回路37の構成を示す図である。図のように制御回路37内には、バッテリー群2の両端の電圧Vf3を制御するフィードバック回路が新たに付加されている。差動増幅器371、誤差増幅器372、増幅器373、PWM変調器374の動作は、図5の動作と同様であり説明を省略する。各PWM変調器354,374の出力に設けた短絡スイッチSWx1とSWx2は、Qx1とQx2が同時に導通してバッテリー群を短絡状態にしないように制御する制御手段として設けたものである。すなわち、SWx1とSWx2とはそれぞれ反対の開閉動作をするように設定しておくことにより、いかなる場合でもバッテリー群の短絡状態を防ぐことができる。制御回路37の外部から入力される逆充電指令が1の場合には、SWx1が短絡状態となり、Qx1は常にオフ状態となる。逆に指令が0の場合には、SWx2が短絡状態となり、Qx2は常にオフ状態となる。これにより、Qx1とQx2との同時導通はなくなり、バッテリー用電力回路の信頼性が大幅に向上する。
【0044】
実施の形態9.
図12は、この発明の実施の形態9による自動車のバッテリー用電力回路を示す図である。バッテリー群1がバッテリー群2のプラス側に直列接続された場合の双方向性DC/DCコンバータの実施例を示している。結果的に構成は、図10と同じになっており、動作も図10と同様である。
【0045】
実施の形態10.
図13は、本発明の実施の形態10による双方向性DC/DCコンバータ内に設けられたMOSFET等の半導体素子に逆並列接続されたダイオードを高速化するための構成を示す図である。ダイオードを高速化することにより、ダイオード部での損失が低減できることは一般的である。今後期待されるSICダイオードをMOSFET等の半導体素子に接続することにより、高速化が図れる。
実施の形態11.
図14は、上記の全ての実施の形態に対応するバッテリー群の種々の形態を示したものである。すなわち、バッテリー群を3つのバッテリーから構成した場合の図で、3つのパターンを示している。
【0046】
パターンAは、定格電圧12Vのバッテリーを3直列に構成した場合である。
【0047】
パターンBは、定格電圧12Vのバッテリーを3直列に構成した場合であり、バッテリー群1は他より大容量となっている。この場合は、負荷4が大容量であったり、初期始動用セルモータ10を保有した場合の電力回路に有効となる。
【0048】
パターンCは、バッテリー群1は他より小容量となっている。これは、42V系の電装品の搭載が進み、またセルモータ10も保有しないシステムの場合に有効であり、14V系の電装品用のバッテリー群1を小容量化することにより、電力回路を低コスト・小型にできる。
【0049】
また、本発明は、自動車用のバッテリーシステムだけではなく、2種類の電圧のバッテリーを有する機器であればどのような用途のバッテリーシステム、例えば、5Vと12Vを保有するマイコン電源システムなどにも適用できることは言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】
この発明に係る自動車のバッテリー用電力回路は、エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中に前記エンジンの動力を受けて発電を行う電動機と、前記電動機にエネルギーを伝える電力変換回路と、前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、前記バッテリーに直列接続され、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源と、少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記バッテリーと前記エネルギー蓄積源との間でエネルギーを移行させるためのDC/DCコンバータとを備え、前記エンジンを初期始動あるいは再始動する際に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させる期間に、前記DC/DCコンバータは、前記バッテリーのエネルギーを前記エネルギー蓄積源へ充電する動作を開始するようにしたので、バッテリー群を小容量化できる。
【0060】
また、前記エンジンに動力を伝えて始動させるためのセルモータを備え、前記セルモータで前記エンジンを初期始動する際に、前記セルモータの動作期間に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させたので、バッテリー群を小容量化できる。
【0061】
また、前記セルモータの動作期間に、前記DC/DCコンバータを動作させたので、セルモータの容量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すバッテリー用電力回路である。
【図2】 この発明の実施の形態2を示すバッテリー用電力回路である。
【図3】 この発明の実施の形態3を示すバッテリー用電力回路である。
【図4】 この発明の実施の形態4を示すバッテリー用電力回路である。
【図5】 この発明の実施の形態5を示すDC/DCコンバータの回路である。
【図6】 この発明の実施の形態6を示すバッテリー用電力回路である。
【図7】 この発明の実施の形態7を示すバッテリー用電力回路である。
【図8】 この発明の実施の形態7のエンジン再始動時の動作を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態7のセルモータにて初期始動を行う場合の動作示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態8を示すバッテリー用電力回路である。
【図11】 この発明の実施の形態8を示すバッテリー用電力回路中の制御回路を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態9を示すバッテリー用電力回路である。
【図13】 この発明の実施の形態10を示すバッテリー用電力回路のダイオードの構成を説明する図である。
【図14】 この発明のバッテリーの構成を説明する図である。
【図15】 従来のバッテリー用電力回路を示す図である。
【符号の説明】
1 第1のバッテリー群
2 第2のバッテリー群
3 DC/DCコンバータ
4 負荷
5 電力変換回路
6 電動機
7 エンジン
10 セルモータ
20 コンデンサ群
30 双方向性DC/DCコンバータ
Qx、Qy スイッチ
Qx1、Qy1 第1のスイッチ
Qx2、Qy2 第2のスイッチ
Lx、Ly リアクトル
Dx、Dy ダイオード
SWx1、SWx2 制御手段としての短絡スイッチ
Claims (3)
- エンジンに動力を伝えて始動させるとともに、前記エンジンの回転中に前記エンジンの動力を受けて発電を行う電動機と、
前記電動機にエネルギーを伝える電力変換回路と、
前記電力変換回路に接続されたバッテリーと、
前記バッテリーに直列接続され、エネルギーの蓄積を行うエネルギー蓄積源と、
少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記バッテリーと前記エネルギー蓄積源との間でエネルギーを移行させるためのDC/DCコンバータとを備え、
前記エンジンを初期始動あるいは再始動する際に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させる期間に、前記DC/DCコンバータは、前記バッテリーのエネルギーを前記エネルギー蓄積源へ充電する動作を開始することを特徴とする自動車のバッテリー用電力回路。 - 前記エンジンに動力を伝えて始動させるためのセルモータを備え、
前記セルモータで前記エンジンを初期始動する際に、前記セルモータの動作期間に、前記電力変換回路を介して前記電動機を動作させたことを特徴とする請求項1記載の自動車のバッテリー用電力回路。 - 前記セルモータの動作期間に、前記DC/DCコンバータを動作させたことを特徴とする請求項2記載の自動車のバッテリー用電力回路。
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