JP4178119B2 - 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物 - Google Patents

立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP4178119B2
JP4178119B2 JP2004059905A JP2004059905A JP4178119B2 JP 4178119 B2 JP4178119 B2 JP 4178119B2 JP 2004059905 A JP2004059905 A JP 2004059905A JP 2004059905 A JP2004059905 A JP 2004059905A JP 4178119 B2 JP4178119 B2 JP 4178119B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
wood
dyeing
dyed
standing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004059905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005246761A (ja
Inventor
久雄 吉水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2004059905A priority Critical patent/JP4178119B2/ja
Publication of JP2005246761A publication Critical patent/JP2005246761A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4178119B2 publication Critical patent/JP4178119B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)

Description

本発明は、立木染色方法及びその立木染色木材並びにその構造物に関する。
従来、立木染色は、山林に植生する立木の幹の根元部にドリルなどを用いて穴を開け、そこから染料水溶液を注入し、立木が備える導管の毛細管現象や葉の蒸散作用により注入した染料水溶液を吸い上げさせて立木の内部を染色する方法が採られていた。染色後の立木は伐採され、板材や柱材あるいは小物の工芸品等各種木工製品に使用される。立木染色をすることにより木材の高機能化、高価格化が可能となるため、立木染色は木材の高付加価値化のために有効な手段として位置づけられている。
特開平8−57804号公報 特開平8−267406号公報 特開2000−254904号公報 特開2001−54903号公報
しかし、立木染色方法は、伐採前の樹木の幹に上記の通りドリルなどで穴を開けてその穴に染料水溶液を注入するものであり、生きている樹木の水分を吸い上げる力を利用して、染料水溶液にて立木の内部を染色する方法であるため、樹木の成長や代謝などの未知の染色条件によって、たとえ長期間染料溶液を注入するといった人為的な調整を施しても、立木の一部分しか染色できない場合即ち染色比率が低い場合が生じたり、あるいは立木を多色に染色することは困難であるなど、立木染色木材の生産性や品質面の問題を抱えている。
その一方で、木材業界を中心に、木材の高付加価値化や杉の間伐材等の利用度の少ない木材の有効利用手段として、立木染色木材への期待は高まりつつある。このような状況下、染色比率の高い立木染色木材特に多色染色木材が短期間で安定して得られる生産性に優れた立木染色方法の開発および立木染色木材製品の広範な分野での利用が強く求められている。
なお、上記の「染色比率」とは、使用可能木材部位に占める染色された部位の割合を表し、数字が大きいほど立木染色性が良いことを示す。また、杉やヒノキに代表される樹木の幹部で板材や柱材等の製品として使用できる部位は樹木の根元(地表)からその高さの大略1/2〜2/3の範囲の幹の部分であり、この板材や柱材等の製品として使用できる幹の部位を上記「使用可能木材部位」と称する。
本発明の目的は、装飾性に優れた立木染色木材を得るための立木染色方法の提供、更には、染色比率が高く生産性に優れた単色および多色の立木染色木材を得るための立木染色方法の提供、およびその方法で得られた染色木材および構造物の提供を可能として、上記の課題の解決を図る。
そこで、先ず、本第1の発明に係る立木染色方法は、立木の吸水能力を利用して、立木内部に染料を注入するものであって、酸性染料、反応性染料及び直接染料から選ばれる染料の1種以上と、塩基性染料とを用いて、立木を染色するものである。
また、本第2の発明に係る立木染色方法は、上記本第1の発明において、立木の吸水能力を利用して、立木内部に染料を注入するものであって、3月〜11月に、立木へ染料を注入するものである。
そして、本第3の発明に係る染色木材は、上記本第1又は第2の発明に係る立木染色方法で染色した立木を用いたものである。
更に、本第4の発明に係る構造物は、上記本第1又は第2の発明に係る立木染色方法にて得られた1本以上の染色木材に、切断等の加工を施して、木片または木粉とし、それら木片または木粉の2個以上を結合させ、得られた結合物を用いて構成されたものである。
また、本第5の発明に係る染色木材又は構造物は、上記本第3又は第4の発明に係る染色木材又は構造物の表面に、紫外線防止剤を含有する皮膜を形成したことを特徴とする。
ここでいう立木とは山林等に植生する伐採前の樹木をいう。立木染色に使用される立木の種類は特に限定はない。但し生きた樹木の吸水能力を利用するものであるため、生木である必要があり、立ち枯れた樹木は含まない。また、発色の観点から、内部の色が淡色の樹木、特に白色又は白色に近い樹木を採用するのが好ましい。
上記の各染料には、衣料やその生地など繊維製品の染色に用いられる一般の染料を採用することができる。
即ち、上記の塩基性染料は、水溶液中でイオン化し、有機残基がカチオンである。色相は非常に鮮明であるので、繊維染色において、堅牢度は悪いが、セルローズ、絹に使用されている。また酸性基を有するアクリルや改質ポリエステルにカチオン染料として改良使用されている。
上記の酸性染料は、水溶液中でイオン化し、有機残基がアニオンである。繊維染色において、塩基性窒素を有する繊維と酸性浴でイオン結合により染着する。絹、羊毛等の蛋白繊維やナイロンの染色に一般的である。また、染料分子中にクロム、コバルトなどが配位した含金染料はより繊維との結合が強いので、堅牢染に使用されている。
上記の反応染料は、繊維染色において、繊維と化学的に反応し、共有結合により染着する。セルローズ、蛋白繊維に使用される。化学結合のため非常に堅牢であり、洋装分野で多用されている。
上記の直接染料は、繊維染色において、中性塩の存在下でセルロースに染着する水溶性染料である。酸性浴では蛋白繊維にも染着するため、綿やレーヨンだけでなく絹の染色にも多用されている。
上記の「3月〜11月に」或いは「3月〜11月の間に」とは、わが国(日本国)において「3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月又は11月に」という意味である。即ち、わが国における冬季(12月、1月、2月)を除いた時期という意味である。
従って、緯度の異なる他国で本発明に係る立木染色方法による染色木材やその構造物を生産しわが国に搬入する場合は、その緯度の相違に対応して上記の時期も補正し(採取国おける冬季以外の時期となるか否か)判断する。
例えば、本発明で言う染色期間は日本を含めた北半球における立木染色時期であり、南半球では北半球における立木染色時期を6ヶ月移動した時期が本発明の立木染色時期に該当する(以下においても同様である)。
また、上記の構造物とは、建材などの通常の建築構造物の他、家具や、これら建材や家具の表面に張られる化粧板など、広く材木を含む意である。但し、材料を木のみとするものではなく、他の素材と併用するものであっても実施可能である。例えば、他の木材以外の素材でできた板材の上に、上記加工された材木を配設したものも、ここでいう構造物に含む。
本発明者は、現行の多色立木染色が有する上記問題点を解決すべく検討した結果、上記の通り、塩基性染料と、酸性染料、反応性染料、直接染料から選ばれる染料の少なくとも1種とを用いて染色すると優れた多色立木染色木材を得ることができることを見出した。
ここで多色立木染色木材とは、2色以上の染料を用いて立木染色を行うことにより、染色後の立木の幹の内面を少なくとも2色以上に着色した立木染色木材を言う。
塩基性染料に対して、当該塩基性染料と異なる色の、酸性染料、反応性染料または直接染料から選ばれた1種の染料を混ぜた染料溶液で染色すると、単なる均一な混合色ではなく、それぞれの染料の色が分離して綺麗に発色する(純粋な原色となる)と共に、この分離して発色する各色が、樹木が備える導管の走り方や木目の存在によって、複雑な配色を呈する、独特の色柄の多色染色木材が得られ、より独創的で高付加価値化の染色木材が得られる。
現状では、そのメカニズムが十分解明されていないが、色素イオンの極性が異なる、塩基性染料(+)と、酸性染料(−)、反応性染料(−)及び直接染料(−)とでは、正負同極の染料同士を混合した場合と異なり、極性の相違により、各色が分離した状態になるものと考えられる。
特に塩基性染料と酸性染料を混ぜた染料溶液で染色するとそれぞれの染料の色が混合して均一な単一色になるのではなく、各色の独立性を保ちながら、複雑に各色がレイアウトされた独特の配色の多色染色木材が得られる。また、樹木の採取する箇所によって、その導管の走り具合から、上記の分離した各色間に綺麗なグラデーションを発色するものを得ることができる。
但し、この酸性染料に代えて、反応性染料或いは直接染料を用いることも可能である。
塩基性染料と酸性染料または反応性染料または直接染料を混ぜて染色する例は、衣料などの染色において、複数の種類の繊維によって構成される混紡品、交織品で使用される例はあるが、この場合、混合された複数種の被染色素材に応じて、対応する染料を混合して単一且つ均一に染色しようとするものであり、本発明の如く、独特の色模様を得ようとするものではない。
即ち、立木の染色において目的の如何を問わず、染料木材単独を塩基性染料と酸性染料または反応性染料または直接染料を混ぜて染色する例は見当たらず、その結果それぞれの複数の染料の色が複雑に配色された独特の色柄の多色染色木材が得られる事実は、本発明の発明者が鋭意研究の末、確認した新規な事実であり、このような事実に基づく、本願は発明は、極めて創作性の高いものである。
具体的には、塩基性染料と、当該塩基性染料と異なる色の酸性染料とを混合して立木に注入し、或いは1本の樹木の異なる位置から当該塩基性染料と酸性染料とを別々に注入した際、双方の色が完全に分離し、或いは分離した状態を維持し、夫々の色を生かした独特の模様を得ることができる。
また、塩基性染料の色から徐々に酸性染料の色に移り行く中間階調の色を発現させることができる。例えば、塩基性染料を青色とし、酸性染料を赤色とした場合、上記の通り綺麗に発色した青色と赤色の間に、青みの強い紫色、紫、赤みの強い赤色と徐々に変化する染色領域が立木内部に発現するのである。この点、従来の手法においては、例え、青色と赤色の2色の染料を用いたとしても、完全に混合して、紫色単色に染まってしまい、本発明にて染色された立木のように綺麗に分離した青色と赤色と共に、両色の間に、グラディエーション(徐々に移り行く色見)を備えた優れた装飾性を得ることはできなかったのである。
グラデエーションの発現の箇所を、直接作業者がコントロールすることはできないが、樹木種の選択や、樹木を外部から観察することにて導管の走り具合を予測することができるので、一本の樹木の採取箇所を選択することによって、得ることができる。
このように、本第1の発明では、色素イオンが、夫々陽イオン性の染料と陰イオン性の染料の、2種以上の染料の選択によって、このような多色の独立した発色や、グラディエーションを得るために、夫々の色を別々の箇所か注入するなどの調整を特段必要とすることなく、多色を混合した染料水溶液を同じ箇所から立木に注入することで、実現することができる。また、このような作用によって、従来より立木染色法の目的とする樹木の年輪や木目に沿った色の発現を阻害することなく、多色にて、より顕著に上記の装飾性の高い発色を可能とした。
更に、上記の通り、本発明者は、現行の立木染色が有する問題点を解決すべく検討した結果、酸性染料、塩基性染料、反応性染料及び直接染料から選ばれる染料の1種以上を用いて、3月〜11月の間に立木染色を行うと染色比率の高い立木染色木材が短期間で生産できること、つまり立木染色を3月から11月の間に行うことを特徴とする立木染色方法を発明した(本第2の発明)。
立木染色は、樹木の根元により近い幹に染料水溶液を注入しつつ行うが、12月から2月までの間に立木を染色しても染色比率の低い染色木材しか得られずその生産性は著しく低い。一方、3月から11月の間に立木を染色すると染色比率の良好な染色木材が生産できる。
この点について、メカニズムの詳細は、不明であるが、樹木の生理的な現象(本発明者において、樹液流動という樹木内部に見られる現象によるのではないかと推測している。樹液流動は、樹木が紅葉する際に見られる現象である。)によって、冬季(12月〜2月)は、どのように多量に染料を注入しても、染料が十分に樹木内部を回らないと考えられる(樹液流動により、樹液にて染料が薄められ、染料を大量に注入しても、通常の染色できないと考えられる)。
上記本第1の発明の立木染色方法を用いることにより、多色が混在する従来にない斬新な色模様に立木を染色することができる。
また、本第2の発明の立木染色方法を用いることにより、染色比率の高い立木染色木材を得ることができる。特に本第2の発明の立木染色方法用いることにより、単色および多色立木染色木材を短期間に得ることができ、生産性が向上する。また、本第3乃至第5発明の立木染色方法により得られた立木染色木材及びそれら立木染色木材を用いた製品は単独あるいは組み合わせて(構造物として)使用することにより優れた美観の個性的な高付加価値商品を得ることができる。
以下に本発明の好ましい実施の形態を例示する。但し、このような実施の形態に限定するものではない。必要に応じて図面を参照して説明する。図1は、立木に対する染料の注入の方法を示す説明図である。
この方法は、伐採前の立木内部に、立木が備える導管と連絡する、導入孔を形成し、外部より導入孔へ染料を注入することにより、上記導管の吸水力を利用して立木内部を染色するものであり、次の工程を備える。
即ち、この方法は、3〜11月に伐採前の染色の対象とする立木の内部へ染料の導入孔を形成して当該導入孔へ染料を注入する染色工程と、染色工程後直ちに立木を伐採する伐採工程と、乾燥工程と、乾燥工程にて得られた木材を所望の製品に加工する加工工程とにて構成される。
上記の立木について、特に制限はないが、針葉樹として、スギ、マツ、ヒノキ、トウヒ、ネズコ、モミ、サワラ、イチイ、マキなどが例示できる。常緑広葉樹としては、ツバキ、ツゲ、モチ、ヤマモモなどが例示できる。また落葉広葉樹としては、キリ、タモ、クワ、ブナ、トチ、セン、シナ、カツラ、エンジュ、カバ、ケヤキ、モミジ、シデ、チドリノキ、ミズメ、リョウブなどが例示できる。
以下、上記の各工程について、順に説明する。
先ず、染色工程について説明する。
上記の染料について、色の異なる少なくとも2種の染料を用いるものであり、当該染料のうち、少なくとも1種を塩基性染料とし、少なくとも他の1種を酸性染料、反応染料又は直接染料とする。
染料には、分散染料、塩基性染料、酸性染料、反応染料、直接染料など、多種類があるが、染色比率の高い多色立木染色木材を短期間で安定して得るためには、上記の通り、塩基性染料と、当該塩基性染料に対し酸性染料、反応性染料または直接染料から選ばれる1種以上の染料を用いることが必要とされる。
酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料は染料メーカーが製造している染料であれば特に限定なく使用できる。染料メーカーとしては保土谷化学工業株式会社(川崎市幸区堀川町66−2 興和川崎西口ビル)、住友化学工業株式会社(東京都中央区新川2丁目27番1号 東京住友ツインビル東館)、日本化薬株式会社(東京都千代田区富士見1−11−2 東京富士見ビル)、田岡化学工業株式会社(大阪市淀川区西三国4丁目2番11号)、株式会社日本化学工業所(和歌山県和歌山市小雑賀1丁目1番47号)などが例示できる。立木染色に用いる染料水溶液中の染料濃度は0.01〜5%(重量%)が好ましく、0.1〜3%(重量%)がより好ましい。とりわけ、染料水溶液中の染料濃度を0.06〜〜2.5%(重量%)とするのが好ましい。例えば上記の染料水溶液の染料濃度を10%(重量%)としても、樹木内部において、(後述する)導入孔から1mは上昇する。しかし、使用可能木材部位の全域に行き渡らせることは困難であり、また、上記の1m内の範囲では色も濃くなりすぎ(暗色となり)、装飾性が低い。従って、染料濃度の上限については、上記とするのが好ましい。一方、染料濃度をあまり低くすると染色の堅牢度が落ち、商品とした際の耐候性が良くない。従って、染料濃度の下限については、上記とするのが好ましい。このような観点から、特に、染料濃度を0.3〜2.5重量%とするのが好ましく、染料濃度を2重量%前後とするのが最も好ましい。
染料の溶解に用いる溶媒は水が好ましい。この水の中に他の化合物例えば染料を溶解分散させるための界面活性剤やアルコール類やグリコール類等の水溶性の溶剤あるいは作業を容易にするための消泡剤、染色助剤等が含まれていても良い。
ここでは、立木に注入する染料として、塩基性染料と、当該塩基性染料と色の異なる酸性染料とを混合して形成したもの(水溶液)を注入用の染料として用いる。
図1に示す通り(図1において、Uは上方を、Sは下方を示している)、本発明の立木染色は、樹木(立木100)の根元により近い幹に、上記の染料水溶液を注入しつつ注入部位より上部の木材内部を染色する。立木100の幹に染料水溶液を注入する方法は特に限定は無いが、幹に穴(導入孔)を開けそこから注入する。
導入孔は、立木の上下について、1箇所に設けるものとしてもよく、立木の上下の異なる複数の箇所に設けるものとしても実施可能である。
この実施の形態において、立木上下について異なる2箇所に、上記の各導入孔1,2を形成する(導入孔1は幹の下方に形成されたものであり、導入孔2は幹の上方に形成されたものである)。
幹に穴をあける方法(導入孔を形成する方法)としては、ドリルなどの穿孔用の工具を用いて穴(導入孔1,2)を形成する方法を採用する。この導入孔1,2は、幹内部を走る導管と交差するように形成する。樹木の導管は、上下に伸びるものであるため、幹表面からその内部へ、ほぼ水平に穴を穿つことによって、当該導入孔を形成することができる。
導入孔1,2の夫々は、染料を幹内部へくまなく注入するために、幹の表面の反対側の部位に貫通するものとして形成するのが好ましい。更に、染料を行き渡らせるために、導入孔1は、幹の同じ高さに(上下の同じ位置に)複数形成し、各導入孔が内部で交差する(連絡する)ように形成しておくのが、更に好ましい。例えば、幹外周の各位置から幹内部に導入孔を穿ち幹中心部で、各導入孔が連絡するように形成するのが好ましい。上方の導入孔2についても同様である。
この方法において、導入孔1,2の開口部(幹表面に開口する部位)を染料水溶液の注入口1a,2aとするものであるが、導入孔1,2の貫通にて幹表面の反対側にできたものなど染料の注入に使用しないものは、注入した染料が漏れないように栓を差して閉じておくのが好ましい。
幹に染料水溶液を注入するに際しては、漏斗状に先細りとなった接続用のパイプ3a,4aを(導入孔1,2の)注入口1a,2aへ差し込んで幹に固定し、当該パイプ3a,4aに染料水溶液を収容したタンク(ポリタンク)5,6に連絡するホース3,4を接続する。
立木100の幹に染料水溶液を注入する方法としては、上記のようにドリルで導入孔を穿孔する方法以外に、直接、注射針状の金属製のパイプを幹に差し込み(或いは打ち込み)、そこから注入するものとしても実施可能である。
この場合、パイプの立木内部に打ち込まれた部位が上記の導入孔を構成するが、パイプの先端が開口するものであると、打ち込み時に木屑が入って目詰まりするので、先端が閉じられていてその側面(外周面)に複数の穴(貫通孔)が形成されたパイプを用いるのが好ましい。
幹に染料水溶液を注入する位置は注入口より上部の木材内部を染色するため、染色作業に支障のない程度において、極力根元(地表g)に近い位置(高さt1)に導入孔1(この実施の形態のように上下2箇所に導入孔1,2を形成する場合は、下方の導入孔1)を設けるのが、染色可能となる木材部位が多くなり好ましい。具体的には、(下方の)導入孔1の形成位置は、根元(地表g)から1m以内の高さt1とするが好ましい。
幹に形成する導入孔1,2と各導入孔1,2が備える注入口1a,2aの数(図1において、煩雑を避けるため、注入口1a,2aは、夫々1つのみ描いてある。)や大きさ或いは深さは木材内部が略均一に染まるよう幹の太さや形状により適宜決めればよく、導入孔1,2の大きさは直径5mm〜3cm程度、注入口1a,2aの数は根元からほぼ同一の高さの幹の周辺に1〜20個程度設けて実施することができる。導入孔1,2の深さについては、幹の一方から他方へ貫通するものを前述したが、そのような深さに限定するものではなく、導入孔1,2を幹のほぼ中心部に向けて幹の太さの1/3程度の深さから幹を貫通するまでの間の任意の位置まで開ける方法が例示できる。この実施の形態では、導入孔は、幹の上下について、異なる2箇所に設けるものとしたが、上下について異なる3箇所以上に設けるものとしても実施可能である。これらの導入孔1,2の注入口1a,2aに、染料溶液を注入するための上記ホース3,4やパイプ3a,4aなどの治具を染料溶液が漏れないようにセットし、染料溶液保持用の上記タンク5,6から当該ホース3,4やパイプ3a,4aを通じて、染料溶液(水溶液)を立木100に注入することができる。染料溶液の注入に使用しない注入口は、必要に応じて上記の通り栓で塞いでおくのが好ましい。
下方の注入口1a(導入孔1)と上方の注入口2a(導入孔2)の間隔t2は、10〜50cmとするのが好ましく、特に20〜30cmとするのが好ましい。
また、各タンク5,6は、注入口1a,2aから、0.5〜2m上方(注入口1a,2aからの上下方向の間隔t3,t4を0.5〜2m)とするのが好ましい。当該間隔t3,t4については、夫々、1mとするのが特に好ましい。
この実施の形態では、タンク5,6に所定の高さの載置台7,8を用意して、そのような配置を実現している。但し、直接立木にタンク5,6を縛り付けるなどの他の手段にて上記各タンク5,6の配置を実現するものとしても実施可能である。
尚、このような配置や数値に限定するものではなく、必要に応じて、変更可能である。
この実施の形態において、染料には、予め塩基性染料と、酸性染料などの他の染料とを混合したものを用意し、各導入孔1,2(が備える各注入口)の夫々に、区別なく当該染料を注入する。
この他、目的とする色調の立木染色木材をより確実に得るためには幹に設けたそれぞれの注入口に異なった種類の染料溶液を注入しても良い(例えば、異なった色相の染料溶液を注入しても良い)。また、注入口に限らず、下方の導入孔1と上方の導入孔2とで、上記の通り、異なる種類の染料溶液を導入するものとしてもよい。
但し、染料イオンの陰陽の相違する2色以上の染料を混ぜて単一の染料とすることによって、立木に注入後、既述の通り、立木内で多色が綺麗に分離して独特の模様を、また分離した色同士の間に綺麗なグラデーションを、発色させることができるので、上記の手間をとる必要は乏しい。
この点について、更に述べると、多色染色木材を得るために、立木の幹の周辺上の異なる2つ以上の箇所に導入孔(注入口)を設け、一方の箇所の導入孔に多色のうちの1色を構成する染料を注入し、他方の箇所の導入孔に、多色の他の色を構成する染料を注入する方法を採用することができる。この方法は、1本の立木に一挙に染料を注入できる点というメリットもあるが、幹への穴あけ作業も多くかつ使用染料水溶液の種類も多くなるため、立木染色の作業性および生産性に改善の余地がある。
一方、上記の染料(色の異なる少なくとも2色の染料にて構成し、そのうちの1色の染料を塩基性染料とし、他の1色の染料を酸性染料、反応性染料及び直接染料をから選ばれた少なくとも1種の染料として両色混合した単一の染料溶液、特に色の異なる塩基性染料と酸性染料を混ぜた染料溶液)を用いれば、立木の上下について、1箇所のみに導入孔を設けてその箇所のみから染料の注入を行うものとしても、染料を構成する色を、上述の現象によって、分離させ、また、両色間にグラデーションを発現させることができるため(1本の立木の上下について異なる箇所に導入孔を設ける必要がなく)、穴あけや染料溶液の作成の面から立木染色の作業性が改善され生産性が向上して好ましい。
時期の選択(3〜11月)により、1 〜3週間の短期間の注入で使用可能木材部位が染色でき、生産性が向上して好ましい。
染料水溶液の注入は特に加圧の必要は無いが、加圧して注入しても良い。
染色工程において、立木に染料溶液を注入する染色期間は約2週間から1ヶ月程度行われる。即ち、当該期間中、継続して(連続して)染料の立木への注入が行われる。特に、染色期間は、20日とするのが好ましい(通常20日で立木内にて色が回り、それ以上継続すると、色が回りすぎて好ましくないからである)。染色工程は、染色期間の終了により、完了する。
次に、伐採工程について説明する。
伐採工程は、上記の染色工程の完了後、直ちに、伐採する工程である。
通常、装飾性に優れた染色部位は、即ち、使用可能木材部位は、樹木によって異なるが、立木100の幹の(下方の)導入孔1から上方へ、約5m以内の範囲、より好ましくは約3m以内の範囲である。従って、特に、伐採により、この部位を切り出す。
伐採工程にて、伐採した樹木は、次の乾燥工程にて、乾燥させる。具体的には、伐採した樹木を、板材や、角材、丸材にし、雨露をしのげる露天又は屋内にて放置する。染色した木材は、1ヶ月以上放置すればよく、通常1〜2ヶ月放置する。特に1.5ヶ月以上放置するのが好ましい。乾燥期間の上限については、特に制限はない(1,2年放置しても品質に問題はない)。
また当該工程において、必要に応じて、伐採後、乾燥による割れなどを避けるための芯刳りを行う。詳しくは、染色工程によって、染色されるのは、導管にて吸水を行うことが可能な樹木内部の表皮寄りの部位であり、樹木の中心部分はそのような活性がないので、染色されず、また、放置することによって、割れの原因となるので、このような芯を除去するのが好ましい。
染色木材(各種製品の原材料)を目的(商品)とする場合は、この乾燥工程にて、全工程を完了することもできる。
乾燥工程後の、加工工程において、上記乾燥工程を経て得られた染色木材から、建材、家具、身の回り品などの最終製品までの加工を行う。即ち、この加工工程にて、多色木材を用いた製品の製造工程が完了する。この加工工程での加工については、染色木材を用いるからといって、特に、他の木材に対して行う通常の加工と変わるところはない。
目的とするものが、置物やブローチなどの装飾品である場合は、木材全体に染色による発色部位を備えた木材を用いるのが一般的であり、上記の一般的な加工工程で最終製品を得るものとすることができる。一方、建材や家具などの大量の木材を要するものについては、貴重な染色木材をそのまま利用するのでは、コストが高くつき、また、需要に対して十分な供給を図ることができない。
そこで、このような場合、大量生産に対応すべく、当該加工工程において、例えば、目的とする製品が、家屋の内装に用いる化粧板などの場合、図2(左方)へ示すように、全体に染色が行き渡らずにその一部のみに染色部位mを備えた木材を所定の寸法の(例えば縦10cm・横80cm程度の)板材vに加工し、この板材vを、接着剤にて、複数結合して、図2(右方)へ示すように、一枚の化粧板(結合物w)を形成する。
このように、最小単位となる構造物(板材v)を複数組み合わせることにより、木材単独では、染色が行き渡らない部位の存在にて、使い物にならなくても、集合物(結合物w)として、装飾性の高い製品を得ることができ、大量生産の要求に答えることができる。
上記の構造物の結合手段は、接着剤に限定するものではなく、蟻継など、周知の種々の結合手段を採用することができる。
また、上記通り単位構造物を矩形の板材にするものに限定するものではなく、他の形状や寸法を取ることが可能である。例えば、板材以外に、角材や、丸材に形成することもできる。また。板材にする場合も、矩形以外の形状に形成することもできる。
更に、多色木材の挽き粉や、おが屑、チップなどの木片を接着剤にて結合して、最終製品や構造物を形成することも可能である。また、ベースとなる他の板材の表面に、接着剤にて、当該多色木材の挽き粉などの木粉、おが屑、チップなどの小片を接着して、構造物とすることもできる。木粉としては、おが粉の他、荒く砕いた粒状、さいころ状、柱状、針状などの木粉が例示できる。
更に、木材を、上記のような木屑とするのではなく、樹木の表皮側より内部側へかけて、連続して薄皮状に剥いてゆき、一連の帯状体として染色木材を採取するものとしても実施可能である。このような帯状体として採取した染色木材を他の板状体の表面に貼れば、効率よく、また装飾性の高い板材を、形成することができる。このように、染色木材を、薄皮状にして厚みの小さいものとすれば、一本の樹木から大量に採取できるので、材料コストの面でも有利である。
立木染色木材は染料で染色されているため、顔料による着色に比べて太陽光や蛍光灯等の光に対する耐候性が劣る。しかし、立木染色木材から作成された構造物や染色木材の表面に、有機あるいは無機微粒子の紫外線防止剤を0.01〜3%、好ましくは0.1〜1%含有する有機あるいは無機の皮膜を形成すると、構造物の表面の色相の耐候性が向上して好ましい。皮膜を形成には塗料が有効に用いられる。有機系紫外線防止剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線防止剤が、無機微粒子の紫外線防止剤としては酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等が例示できる。無機微粒子の紫外線防止剤は皮膜からのブリード性が少なく好ましい。
上述の実施の形態において、立木に対して上記の染色工程を施す時期、即ち立木染色の時期(染料の注入から伐採までの時期)としては、5月〜10月がより好ましく、6月〜9月がさらに好ましく、7月〜8月が特に好ましい。6月から9月の間に立木を染色すると染色比率の高い立木染色木材が短期間で安定して生産でき、また染色部位の染色濃度も均一に濃く染まりやすく、好ましい。樹木は導管の毛細管現象や葉の蒸散作用等により季節を問わず根から水を吸い上げ枝や葉に水分や養分を供給しているものであり、樹木の導管中ではその根から枝や葉に向けて水が流れている。一般に、幹に注入した染料水溶液は導管を流れる水とともに根元から枝や葉に向けて運ばれ幹の内部を染色すると考えられ、このことから常緑樹や針葉樹のように常時葉を有する樹木はもちろん落葉樹でもたとえ12月から2月の期間であっても染料水溶液の注入期間を延ばしさえすれば染色比率は増大できると考えられる。しかし、発明者が行った試験結果はそのような予想に反し、12月から2月の間は染料水溶液の注入期間を延ばしても殆ど染色できず、染色比率が上がらない。一方、3月から11月の間特に7月から8月においては1〜3週程度の短期間で注入口より上部の使用可能木材部位はほぼ完全に染色できる。
このように、3月から11月の間に染料を立木に注入する場合、染色に適した、酸性染料、塩基性染料、反応性染料または直接染料、或いはこれらの2種以上を混合した染料を用いて、立木染色を行えば、染色比率の高い立木を得ることができる。前述の実施の形態では、独特な色模様を発現させることを主眼とした(塩基性染料と、酸性染料或いは酸性染料に代わる既述の他の染料を必須の構成要件とした)が、染色比率のみに着目すれば、このように、酸性染料、塩基性染料、反応性染料または直接染料単独で用いて、単色の染色を行うものとしても、染色比率の高い木材を得られるメリットがある。また、当該染料単独にて立木染色するものとしても、樹木の選択や1本の立木の採取箇所の選択によって、濃色から淡色へのグラディエーションを発現させた木材を得ることができる。
また、前述の実施の形態では、染色工程において、目的とする色調の立木染色木材を得るためには幹に設けたそれぞれの注入口に同一の染料(多色混合染料)を用いるものとした。この他、一部の注入口と他の注入口とに、夫々異なった種類の染料溶液を注入しても良い。例えば、立木内部で連絡する下方の注入口1a…1a(導入孔1…1)の夫々に、異なる色を注入することができる。また、当該注入口1a…1a(導入孔1…1)の夫々に、多色を混合した染料を注入する場合も、一部の注入口には、赤色と青色とを混合した染料溶液を、他の注入口には、赤色と黄色とを混合した染料溶液を注入するというように、別種の混合染料を注入口夫々に注入して実施することができる。
注入口を立木の上下について異なる3箇所に設ける場合、染色工程において、立木の地上から約30cmの位置に第1注入口1a…1a(第1導入孔1…1)を設け、当該第1注入口1a…1aから約20cm上方に第2注入口2a…2a(第2導入孔2…2)を設け、更に、第2注入口2a…2aから20cm上方に第3注入口(第3導入口)を設けて実施することができる(図示しない)。この場合も他の構成は図1に示す実施の形態と同様である。
複数の注入口を設ける場合、背景色とする色(染色木材中最も多くを占める色)を注入する注入口の数を最も多いものとしておく。そして、アクセントとなる色を注入する注入口を上記背景色の注入口よりも少ないものとしておく。
上記の例を用いて具体的に説明すれば、第1注入口から背景色を入れる場合、第1注入口の数を、第2注入口の数を第2及び第3注入口の数よりも多いものとする。また、注入口の数を20個とすれば、そのうちの1個から上記のアクセント色を注入し、残りの19個から背景色を注入するのが好ましい。但し、これらの数は、例示であり、変更可能である。
尚、上記の各実施の形態において、染料水溶液の注入は、専ら立木の吸水能力を利用するものとしたが、当該吸水能力を利用すると共に、外部から加圧して注入しても良い。
本発明の染色方法で染色した立木染色木材は短期間で高染色比率が得られて生産性に優れかつ独創的な色合いを持ち、木材の高付加価値化用途の多様化に対応できて好ましいものである。本発明の染色方法で染色した立木染色木材の用途としては、柱や銘木、板等の建築用途、椅子や机やドアのノブあるいは装飾家具等の家具類、ペンダント等の装飾具、置物、筆記具等が例示できるがこれに限定されるものではない。特に、本発明の立木染色方法で得られた1本以上の木材を切断して木片または薄片とし、それら木片または薄片の2個以上を接着剤等を用いて結合させ、得られた結合物をそのままあるいは結合物をさらに加工して、柱や板、銘木等の建築用途、椅子や机あるいは装飾家具等の家具類、ペンダント等の装飾具、置物、筆記具等に用いると、立木染色木材の持つ独創的な色合いや高付加価値化がより強化され多様な差別化商品、個性的な商品の作成が可能になり好ましく、またこのような結合や組み合わせを利用することにより、非染色木材部の利用も可能となり、廃材の発生率が大幅に低減できて生産性の向上と高付加価値化に寄与でき好ましい。
また、上記構造物として染色木材を利用することにより、本発明の立木染色方法で得られた1本以上の木材を破砕して着色した木粉とし、その着色した木粉を用いて成型した製品や板等を製品化すると立木染色木材の持つ独創的な色合いや高付加価値化が更に強化され多様な、個性的な商品の作成が可能になり好ましく、また木粉にすることにより、非染色木材部の利用も可能となり、廃材の発生率が大幅に低減できて生産性の向上と高付加価値化に寄与でき好ましい。
以下の実施例において、立木染色試験用の樹木として、下記A〜Cの何れについても、山林に生えている幹の直径が最小径部10cm、最大径部15cmの太さのものを用いた。
また、染料水溶液注入用の注入口は、いずれの試験用樹木(染色の対象とする立木)の場合も、樹木の根元から約30cm(高さt3=30cm)の幹の周面に、それぞれの注入口(導入孔の開口部)の間の間隔がほぼ等しくなるように、ドリルを用いて6個の穴を設けた(導入孔は、幹の上下について、この他の位置に設けない)。染料水溶液注入用の導入孔は直径1.5cmで、いずれの導入孔も幹にほぼ直角でしかも幹の中心部に向かう方向に幹のほぼ中心部に達する深さまで開けた。
これらの注入口のそれぞれにホースをセットし、注入口より70cm程高い位置(t3=70cm)に設置した染料液貯蔵用ポリタンクから、そのホースを介してタンク中の染料水溶液を、試験月の初から3週間の間継続して注入した(3週間経過後直ちに伐採した)。染料水溶液が樹木に注入されて染料液貯蔵用ポリタンク中の染料水溶液が空にならないよう注意し、常に補充を行った。
上記にて得られた染色木材を目視にて観察した。
試験用樹木A…使用可能部位約5mの杉(針葉樹)
試験用樹木B…使用可能部位約3mのモミジ(落葉広葉樹)
試験用樹木C…使用可能部位約3mのモチ(常緑広葉樹)
試験に用いた染料は、以下の通りである。尚、C.I.はカラーインデックスを示す。
塩基性染料
・C.I.Basic Green 4 (青色:保土谷化学工業株式会社製)
・C.I.Basic Red 18(赤色:保土谷化学工業株式会社製)
酸性染料
・C.I.Acid Red 18 (赤色:住友化学工業株式会社製)
・C.I.Acid Yellow 28(黄色:住友化学工業株式会社製)
反応性染料
・C.I.Reactive Yellow 23(黄色:住友化学工業株式会社製)
・C.I.Reactive Blue 19(青色:住友化学工業株式会社製)
直接染料
・C.I.Direct Red 28 (赤色:住友化学工業株式会社製)
・C.I.Direct Blue 15(青色:住友化学工業株式会社製)
分散染料
・C.I.Disperse Blue 3 (青色:日本化薬株式会社製)
・C.I.Disperse Yellow 42(黄色:日本化薬株式会社製)
立木に注入するための染料水溶液は、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、直接染料、分散染料の単独およびそれら混合品を溶解して0.5%濃度の水溶液とし試験に用いた。
具体的には、次の通りである。尚、以下において、各構成染料について上記のC.I.を省略して示す。
染料1 Basic Green 4 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料2 Basic Red 18(赤色) 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料3 Acid Red 18 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料4 Acid Yellow 28 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料5 Reactive Yellow 23 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料6 Reactive Blue 19 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料7 Direct Red 28 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料8 Direct Blue 15 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料9 Disperse Blue 3 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料10 Disperse Yellow 42 0.5重量%
水 99.5重量%
合計 100.0重量%
染料11 Basic Green 4 0.25重量%
Acid Red 18 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料12 Basic Green 4 0.25重量%
Acid Yellow 28 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料13 Basic Red 18 0.25重量%
Acid Yellow 28 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料14 Basic Green 4 0.25重量%
Reactive Yellow 23 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料15 Basic Red 18 0.25重量%
Reactive Yellow 23 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料16 Basic Red 18 0.25重量%
Reactive Blue 19 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料17 Basic Green 4 0.25重量%
Direct Red 28 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
染料18 Basic Red 18 0.25重量%
Direct Blue 15 0.25重量%
水 99.5 重量%
合計 100.0 重量%
先ず、染色比率の向上に関する観点から結果の説明を行う。
上記の結果、染料9及び染料10について、1〜12月の何れの月に立木染色を行っても、試験用樹木A〜Cの何れの使用可能木材部位にも、殆ど染色ができなかった。
即ち、針葉樹である杉、落葉広葉樹であるモミジ、常緑広葉樹である樫のいずれの樹木についても、分散染料単独の染料水溶液では染色時期に関係なく殆ど染色できないことが確認された。
一方、染料1〜8の夫々については、試験用樹木A〜Cの夫々に対して、染色時期3月〜11月の何れの月に染色を行っても、染色比率の良好な単色の染色木材が得られた。また、染料11〜18の夫々についても、試験用樹木A〜Cの夫々に対して、染色時期3月〜11月の何れの月に染色を行っても、染色比率の良好な多色の染色木材が得られた。
しかし、染料1〜8及び染料11〜18の夫々について、試験用樹木A〜Cの夫々に対して、染色時期2月〜12月の何れの月に染色を行っても、染色比率が10%以下の染色木材しか得られなかった。染料1〜8及び染料11〜18の夫々について、試験用樹木A〜Cの夫々に対して、3月〜5月、10月及び11月の何れの月に染色を行っても、染色比率は30〜60%と12月から2月の何れかの月に染色を行った場合に比べ著しく向上し、7月と8月の何れの月に染色を行っても、ほぼ100%の染色比率が得られた。
特に、染料1〜8及び染料11〜18の夫々について、試験用樹木A〜Cの夫々に対して、7月〜8月の試験期間では染料液注入後10日〜2週間程度で枝部まで染色され100%の染色比率の得られる樹木も有り、立木染色の生産性がきわめて良好なことが確認された。3月、4月、5月、10月、11月の何れの月に染色した立木についても、その染色面と、6月から9月特に7月又は8月に染色した立木の染色面を比較すると、6月から9月特に7月又は8月に染色した立木の染色面のほうが、色相が濃くまた各面の染色の品位がより均一であり、より高品質な単色および多色染色木材が生産できていることが確認された。
次に装飾性の観点から、説明する。
上記の試験において、2色を混合した染料11〜18の夫々について、上記の通り6個の注入口から同時に注入した。例えば染料11を6個の注入口から同時に注入した。また、染料12〜18についても夫々同じものを各注入口から立木へ注入した。
その結果、染料11を用いた結果については、青色と赤色とが綺麗に分離し、夫々の独立した色が入り組んだ独特の模様を呈した。また、染料16〜18の夫々についても、同様に、分離した青色と赤色が夫々の色の独立性を保って入り組んだ独特の模様を呈した。また、採取する部位によって、赤色と青色のグラディエーションが得られた。染料12と染料14の夫々については、青色と黄色とが綺麗に分離し、夫々の独立した色が入り組んだ独特の模様を呈した。また、染料13と染料15の夫々については、赤色と黄色とが綺麗に分離し、夫々の独立した色が入り組んだ独特の模様を呈した。グラディエーションについても上記と同様に得られた。
このように、染料12〜18について、それぞれの構成染料の色が分離して混在し、また、部位によっては、両色の中間階調が発現した独特の模様の多色染色木材が得られ、染色面の全面が均質な発色状態に染色された高品質の多色染色木材が得られた。この点について、塩基性染料の色素イオンは陽イオン性で、酸性染料の色素イオンは陰イオン性のため、混合すると相互作用し混合した染料水溶液の時点では混合色を呈するが、立木に注入されて幹内部を移動する際は塩基性染料と酸性染料(或いは反応性染料や直接染料)それぞれを独自移動するため多色に染まるものと推察される。塩基性染料と酸性染料(或いは反応性染料や直接染料)を混ぜて染色する方法によれば、1本の立木の使用可能木材部位において、芯を除くほぼ全域に渡り、多色染色面を持つ染色木材が得られ、一本の立木から効率良く染色木材を採取できることが明らかになった。
一方、上記のように2色の混合染料を作成するのではなく、異なる色の塩基性染料(青色/Basic Green 4 )と酸性染料(赤色/Acid Red 18 )の染料水溶液を異なる注入口から注入した場合、根元注入部分では赤と青の異なる色相の染色面が別々に表れ、また上部では赤と青の染料の混在した独創的な染色面が得られた。しかし、使用可能木材部位全体を赤と青の染料の混在した独創的な染色面にすることは困難であった。
本発明の立木染色方法で得られた赤(直接染料/Direct Red 28 即ち染料7)に染色した杉、及び、赤(酸性染料/Acid Red 18 即ち染料3)と青(塩基性染料/Basic Green 4 即ち染料1)に染色した杉を切断して木片または薄片とし、それら木片または薄片を、接着剤等を用いて結合させて結合材とし、それを用いて机および柱等の構造物を作成した。このような結合や組み合わせることにより、立木染色木材の持つ独創的な色合いがより強化された集成材が作成できた。またこのような結合や組み合わせることにより、非染色木材部や杉のように幹の中心部が染まらない木種の中心部も、立木染色木材と結合、組合わせて用いることができ、廃材の発生率が大幅に低減でき、生産性が向上した。
本発明の立木染色方法で得られた赤(直接染料)と青(塩基性染料)に単独着色したモミジを粉砕して縦横1mm程度の着色木粉を得た。縦80cm、横120cm、厚さ5cmの集成材表面に接着剤を均一に塗布し、その上にこの着色木粉を均一に散布し、乾燥させた。独創的で色鮮やかな高付加価値の着色木板を得ることができた。
本発明の立木染色方法で得られた赤(酸性染料/Acid Red 18 即ち染料3)と青(塩基性染料/Basic Green 4 即ち染料1)の混合液を用いて着色した樫を切断して2個の木片を作成し、一方の木片上に酸化亜鉛微粒子系紫外線防止剤(ハクスイテック株式会社製/大阪市北区豊崎3丁目9番7号)および有機系紫外線防止剤(ベンゾトリアゾール系、シーソープ702 白石カルシウム株式会社製/尼崎市元浜町4−78)を各々0.5%および添加したウレタン塗料を、他方の木片上に紫外線防止剤未添加の油性ウレタン塗料を塗布し、乾燥後雨に当たらないようにしながら天日に3月間曝した。酸化亜鉛微粒子系紫外線防止剤0.5%および有機系紫外線防止剤0.5%添加のウレタン塗料を塗布した木片の着色は殆ど変化が無かったが、紫外線防止剤未添加のウレタン塗料を塗布した木片の着色はやや退色した。有機系紫外線防止剤0.5%添加のウレタン塗料を塗布した塗膜面には紫外線防止剤がブリードしたと思われる白濁が認められた。
尚、本実施例において、染料1〜18の夫々について、染料成分を0.5重量%(水99.5重量%)とした(染料11〜18については、第1染料と第2染料とを夫々0.25重量%として合計0.5重量%とした)。この他、上記染料1〜18において、染料成分を2重量%(水98重量%)として実施しても(この場合、染料11〜18については、第1染料と第2染料とを夫々1重量%として合計2重量%とした。)、染色比率の向上の面でも装飾性の面でも、上記の実施例と同様の結果が得られた。
立木に染料を注入する方法を示す説明図である。 本発明の立木染色方法にて得られた組成物の、製造の一過程を示す説明図である。
符号の説明
1 導入孔
2 導入孔
100 立木

Claims (5)

  1. 立木の吸水能力を利用して、立木内部に染料を注入する立木染色方法において、
    酸性染料、反応性染料及び直接染料から選ばれる染料の1種以上と、塩基性染料とを用いて、立木を染色する立木染色方法。
  2. 立木の吸水能力を利用して、立木内部に染料を注入する立木染色方法において、
    3月〜11月に、立木へ染料を注入する請求項1記載の立木染色方法。
  3. 請求項1又は2記載の立木染色方法で染色した立木を用いた染色木材。
  4. 請求項1又は2記載の立木染色方法にて得られた1本以上の染色木材に、切断等の加工を施して、木片または木粉とし、それら木片または木粉の2個以上を結合させ、得られた結合物を用いて構成された構造物。
  5. 請求項3又は4記載の染色木材又は構造物の表面に、紫外線防止剤を含有する皮膜を形成したことを特徴とする染色木材又は構造物。
JP2004059905A 2004-03-04 2004-03-04 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物 Expired - Fee Related JP4178119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004059905A JP4178119B2 (ja) 2004-03-04 2004-03-04 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004059905A JP4178119B2 (ja) 2004-03-04 2004-03-04 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005246761A JP2005246761A (ja) 2005-09-15
JP4178119B2 true JP4178119B2 (ja) 2008-11-12

Family

ID=35027716

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004059905A Expired - Fee Related JP4178119B2 (ja) 2004-03-04 2004-03-04 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4178119B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2568505C1 (ru) * 2014-06-30 2015-11-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Комплексный научно-исследовательский институт им. Х.И. Ибрагимова Российской академии наук Способ окрашивания древесины
CN105291211A (zh) * 2015-09-11 2016-02-03 浙江升华云峰新材股份有限公司 一种重组装饰材的制造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009514699A (ja) * 2005-11-04 2009-04-09 チバ ホールディング インコーポレーテッド 無機および有機紫外線吸収剤の組み合わせ使用によるコルクおよび有色木材の色安定化
CN101870131B (zh) * 2009-04-27 2012-05-23 四川省青神县云华竹旅有限公司 一种竹编品的制作工艺
ES2365565B1 (es) * 2010-03-26 2012-08-10 Fertinyect S.L. Dispositivo para la inyección de al menos una sustancia y/o preparado químico a árboles y/o palmáceas y método de aplicación.

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2568505C1 (ru) * 2014-06-30 2015-11-20 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Комплексный научно-исследовательский институт им. Х.И. Ибрагимова Российской академии наук Способ окрашивания древесины
CN105291211A (zh) * 2015-09-11 2016-02-03 浙江升华云峰新材股份有限公司 一种重组装饰材的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005246761A (ja) 2005-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010012891A (ko) 목재 및 그 밖의 기질용 무기물 착색제
CN106584624A (zh) 一种嫁接金属离子诱发木材变色的方法
CN104493943B (zh) 一种科技木皮的生产工艺
CN102756408A (zh) 一种木材高端化的改性方法
CN103350604A (zh) 根雕产品制式制作工艺
CN108174844A (zh) 一种永生月季花的制作工艺
JP4178119B2 (ja) 立木染色方法及びその染色木材並びにその構造物
CN101500799A (zh) 由mdf或hdf制成的地板镶板
CN100471669C (zh) 自然质地集成板材的制造方法及自然质地的集成板材
CN105965652A (zh) 一种装饰用浮雕模压板材的制造方法
CN105291211B (zh) 一种重组装饰材的制造方法
CN104626308A (zh) 一种用凤仙花对木材单板进行快速染色方法
CN107364271A (zh) 一种雕刻工艺品及其制作方法
CN101890748A (zh) 一种全竹轧花花纹板材的制造工艺
CN108381709A (zh) 一种实木的染色方法
CN102092073B (zh) 一种加密显纹抗变形实木地板的制造方法
CN101774323B (zh) 一种木材透空雕刻工艺
KR100720267B1 (ko) 천연 착색 무늬목 마루바닥재 및 이의 제조방법
KR101268908B1 (ko) 천연염료의 전처리 공정을 이용한 천연염색 방법
CN104191481A (zh) 一种作为城市景观地面覆盖物的木屑染色新方法
CN102689562A (zh) 祥吉糯米画制作方法
JP2000254904A (ja) 木材の染色方法及びその染色方法を利用した木製工芸材料の製造方法
CN105291223B (zh) 一种碎木片染色方法及其应用
KR0152730B1 (ko) 염료용액을 수목의 말구에 침투시키는 방법에 의한 칼라 무늬목 제조방법
Saefudin et al. Natural color performance from nine species origins of lowland wood wastes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080725

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080819

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080825

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4178119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140829

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees