JP4177663B2 - 新規な結晶形のXa因子阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は、新規な結晶形のXa因子の阻害剤、およびその製造および使用に関する。
【0002】
【発明の背景】
Xa因子は、凝固カスケードにおける終わりから2番目の酵素である。Xa因子の阻害は、例えば、適当な阻害剤とこの酵素との間の直接的な複合体形成によって達成され、そのため血漿補助因子抗トロンビンIIIと無関係である。有効なXa因子阻害は、化合物を、それが好ましくはXa因子によって誘発されるプロトロンビンからのトロンビンの形成を防止するという所望の効果を達成するように、経口投与、連続点滴静脈内注射、ボーラス静脈内投与またはいずれかの他の適当な経路によって投与することによって達成されることができる。
【0003】
抗凝固療法は、静脈および動脈血管系の両方の種々の血栓性状態の治療および予防のためにしばしば適用される。動脈系においては、異常な血栓形成は、本来、冠状、脳および末梢血管系の動脈に関連する。これらの血管の血栓性閉塞に関連する疾患には、例えば急性心筋梗塞(AMI)、不安定狭心症、血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)に関連する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、発作、間欠性跛行および冠動脈(CABG)または末梢動脈のバイパス移植術が包含される。
【0004】
慢性抗凝固療法はまた、PTCAおよびCABG後にしばしば起こる血管管腔狭窄(すなわち再狭窄)を予防する際にも、そして長期血液透析患者における血管アクセス開存の維持においても有益である。静脈血管系に関しては、病理学的血栓形成は、しばしば、腹部、膝関節および股関節の外科手術後に下肢の静脈において起こる(深在静脈血栓症またはDVT)。DVTはさらに、患者を、比較的高い肺血栓塞栓症の危険にさらす。全身性の播種性血管内凝固(DIC)は、通常、敗血症性ショック、特定のウイルス感染症および癌の間に両血管系において起こる。この状態は、結果としていくつかの器官系の微小血管系全体にわたる生命を脅かす血餅の形成を起こし得る凝固因子およびそれらの血漿阻害剤の急速消費によって特徴づけられることができる。上で論議した適用には、抗凝固療法を正当化することができる可能な臨床状況のいくつかが包含されるが、そのすべてが包含されるわけではない。この分野において経験を積んだ人々には、急性または慢性のいずれかの予防的抗凝固療法を必要とする状況は、周知である。
【0005】
遊離Xa因子およびプロトロンビナーゼ複合体(Xa因子、Va因子、カルシウムおよびリン脂質)中に集合したXa因子の両者とも、N−[(アミノメチル)フェニル]プロピルアミド化合物によって阻害されることができる。特に将来有望なN−[(アミノメチル)フェニル]プロピルアミド化合物は、(2R,3R)−2−{3−[アミノ(イミノ)メチル]ベンジル}−3−{[4−(1−オキシド−4−ピリジニル)ベンゾイル]アミノ}ブタン酸メチル、すなわち式I:
【0006】
【化3】
Figure 0004177663
の化合物[本明細書中では以後“化合物(I)”と呼ぶ]である。化合物(I)を包含するN−[(アミノメチル)フェニル]プロピルアミド化合物は、普通に譲渡された米国特許第6,080,767号中に開示されており、この特許は、1996年12月23日出願の国際出願第PCT/US96/20770号(米国を指定)の35U.S.C. §371による優先権の利益を主張している出願を基にしており、そしてまたこの国際出願第PCT/US96/20770号(米国を指定)は、1996年1月2日出願の米国仮出願第60/009,485号の優先権の利益を主張している。
【0007】
前記の病理学的状態の治療および/または予防は、治療上有効量の化合物(I)をこのような治療および/または予防の必要な患者に投与することによって達成することができる。このような形の化合物(I)を用いた治療は、単独で、医薬組成物の成分として、または1以上の他の薬剤と組み合わせて、それを使用することによって達成することができる。化合物(I)は、固体または液体剤形で経腸的または非経口的に投与することができる。
【0008】
化合物(I)の結晶形は、以前には存在することが知られていなかった。望ましくそして有益な化学的および物理的特性を示すことができる結晶形に対する必要性が存在する。またその実行可能な商業化を可能にするための化合物(I)の製造、精製および製剤化のための信頼できて再現可能な方法に対する必要性も存在する。本発明は、これら、ならびにその他の重要な結果を目的としている。
【0009】
【発明の要約】
したがって本発明は、一部では、新規な結晶形のXa因子阻害剤を目的としている。特定的には、一実施態様においては、特に薬学的に受容できる形の、新規な結晶形の化合物(I):
【化4】
Figure 0004177663
が提供される。
【0010】
本発明のこれらおよびその他の態様は、下記の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【0011】
【発明の詳述】
本発明は、少なくとも一部では、特に薬学的に受容できる形での、新規物質としての化合物(I)(すなわち、(2R,3R)−2−{3−[アミノ(イミノ)メチル]ベンジル}−3−{[4−(1−オキシド−4−ピリジニル)ベンゾイル]アミノ}ブタン酸メチル)の結晶を提供する。用語“薬学的に受容できる”は、本明細書中で使用するとき、十分な医学的判定の範囲内で、妥当な益/損比率と釣り合った過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題合併症のないヒトおよび動物の組織との接触のために適している、化合物、物質、組成物、および/または剤形を指す。特定の好ましい態様においては、化合物(I)は、実質的に純粋な形である。用語“実質的に純粋な” は、本明細書中で使用するとき、例えば約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、および約100%を包含する、約90%より大きな純度を有する化合物を意味する。
【0012】
化合物(I)は、遊離塩基として、または塩、溶媒和物および/または水和物として新規な結晶で存在することができる。好ましい実施態様に従えば、化合物(I)は、塩、好ましくは酸付加塩として新規な結晶で存在する。酸付加塩を製造するために使用することができる酸としては好ましくは、この遊離塩基と合わせたとき、この遊離塩基に固有の有益な性質がその酸によって得られたものに帰せられることができる副作用によって損なわれないように、薬学的に受容できる塩を生成する酸が包含される。遊離塩基形の化合物(I)の薬学的に受容できる塩が好ましいけれども、すべての酸付加塩は、たとえ特定の塩それ自体が、例えば塩が精製および同定の目的のためにのみ形成されるときまたはそれがイオン交換手順によって薬学的に受容できる塩を製造する際における中間体として使用されるときのように、中間生成物としてのみ望まれるとしても、遊離塩基形源として有用である。
【0013】
本発明の範囲内の薬学的に受容できる塩としては、例えば以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸のような鉱酸;および酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸などのような有機酸、から誘導される塩がある。好ましくは、酸付加塩は、鉱酸から誘導され、塩酸および臭化水素酸が好ましい。
【0014】
相当する酸付加塩は、以下のものを含む:各々、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩およびキナ酸塩。
【0015】
酸付加塩中の化合物(I)および酸の相対量は、変動することができ、そして例えば選択された特定の酸および塩を製造する際に使用する方法に依る。好ましくは、本発明の塩は、約1当量の化合物(I)に対して約1当量の酸を含む。
【0016】
化合物(I)の酸付加塩は、適当な酸を含有するかまたは適当な酸が加えられる水溶液または水性−アルコール溶液またはその他の適当な溶媒に遊離塩基を溶解させ、そしてこの溶液を蒸発させることによって塩を単離することによるか、または、遊離塩基と酸とを有機溶媒中で反応させること(この場合には塩は、直接分離することができそして/または溶液の濃縮によって得ることができる)によって製造することができる。
【0017】
本発明の好ましい態様に従えば、化合物(I)は、溶媒和物として新規な結晶で存在することができる。非常に多種の溶媒を、化合物(I)の溶媒和物の製造に使用することができる。好ましい溶媒としては、例えば極性プロトン性および極性非プロトン性溶媒を含む極性溶媒がある。好ましい形においては、溶媒和物の製造に使用される溶媒は、アルコール、エーテルおよびニトリルより成る群から選択される。化合物(I)の溶媒和物の製造に使用するために適当なアルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコールおよびi−プロピルアルコールを包含するプロピルアルコール、ならびにn−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソ−ブチルアルコールおよびsec−ブチルアルコール(すなわち2−ブタノール)を包含するブチルアルコールがある。これらのアルコールの中で好ましいのは、第二級ブチルアルコールであり、2−ブタノールがより好ましい。溶媒和物中に使用される2−ブタノールは、(R)−(−)−2−ブタノール、(S)−(+)−2−ブタノールまたはその混合物類であることができる。
【0018】
化合物(I)の溶媒和物の製造における使用に適当なエーテルとしては、例えばジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサンおよび1,4−ジオキサンを包含するジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、アニソール、およびt−ブチルメチルエーテルがある。これらのエーテルの中で好ましいのは、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンである。
【0019】
化合物(I)の溶媒和物の製造における使用に適当なニトリルとしては、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、およびブチロニトリルがある。上で例示したものに加える、化合物(I)の溶媒和物の製造のために適当なその他の溶媒は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。
【0020】
溶媒和物中の化合物(I)の溶媒に対する比率は、変動することができ、そして例えば選択した特定の溶媒および溶媒和物を製造するための方法に依る。好ましくは、溶媒和物は、一溶媒和物または半溶媒和物であり、半溶媒和物が好ましい。
【0021】
このように、本発明は、一部では、結晶形の、化合物(I):
【化5】
Figure 0004177663
として表される有力なXa因子阻害剤を目的としている。好ましい形においては、本発明の新規結晶は、(2R,3R)−2−{3−[アミノ(イミノ)メチル]ベンジル}−3−{[4−(1−オキシド−4−ピリジニル)ベンゾイル]アミノ}ブタン酸メチル塩酸塩、2−ブタノール半水和物、すなわち式(I−i):
【0022】
【化6】
Figure 0004177663
(ここで2−BuOHは、2−ブタノールである)を有する化合物[本明細書中では以後“化合物(I−i)”と呼ぶ]を包含する。本発明の特定の好ましい実施態様においては、化合物(I−i)中の2−BuOHは、(S)−(+)−2−ブタノールである。特定の他の好ましい実施態様においては、化合物(I−i)中の2−BuOHは、(R)−(−)−2−ブタノールである。特定の他の好ましい実施態様においては、化合物(I−i)中の2−BuOHは、(S)−(+)−2−ブタノールおよび(R)−(−)−2−ブタノールの組み合わせ物である。
【0023】
本明細書中に記載する種々の形は、当業者には公知の種々の分析技術の使用によって相互に識別可能であることができる。このような技術としては、キラルまたはアキラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、X線粉末回折(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、および核磁気共鳴(NMR)分光法があるが、これらに限定はされない。好ましい形においては、化合物(I−i)は、9.6−9.3(bd,4H,アミジン)、8.55(d,1H)、8.38(d,2H)、7.96(2H)、7.8−7.9(m,4H)、7.75(s,1H)、7.70(d,1H)、7.46−7.52(m,2H)、4.45(m,1H)、4.38(−OH,0.5H*)、3.50(s,3H)、3.48(m,0.5H*)、3.15(m,1H)、2.9−3.1(m,2H)、1.29(d,3H)と重なっている1.25−1.35(m,1H*)、1.0(d,1.5H*)、0.8(t,1.5H*)(ここで*は、2−ブタノール共鳴を示す)のDMSO−d6中での共鳴を有する1H核磁気共鳴スペクトルによって特徴づけられることができる。化合物(I−i)はまた、173.0、165.7、165.1、140.6、139.0(2C)、138.0、135.2、134.4、134.0、128.9、128.4、128.2(2C)、127.8、126.0(2C)、125.97、123.9(2C)、67.1(*)、51.8、51.5、46.6、33.3、31.7(*)、23.0(*)、17.5、10.0(*)(ここで*は、2−ブタノール共鳴を示す)のd6−DMSO中での共鳴を有する13C核磁気共鳴スペクトルによって特徴づけられることもできる。化合物(I−i)はまた、約175℃ないし約185℃、好ましくは約181.0℃ないし約184℃、での開始ピーク、および約185℃ないし約192℃でのピークを有する示差走査熱量測定サーモグラムによって特徴づけられることもできる。化合物(I−i)はまた、5.0±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.8±0.2、16.6±0.2、17.7±0.2、17.9±0.2、19.6±0.2、24.9±0.2、25.0±0.2、および27.0±0.2から選択される2以上の2θ値を含むX線粉末回折図形によって特徴づけられることもできる。
【0024】
大ざっぱに言って、新規な結晶形の化合物(I)は、好ましくは塩の形の、化合物(I)を適当な溶媒から再結晶させることを包含するがこれに限定はされない種々の方法によって製造することができる。より好ましくは、結晶形の化合物(I)は、適当な溶媒の添加によって反応混合物から直接得られる。特定の好ましい態様においては、化合物(I)は、溶媒和物中に組み入れられるべき溶媒を使用する再結晶または溶媒添加のいずれかによって得られる。適当な溶媒としては、溶媒和物に関連して上記したものがある。
【0025】
化合物(I)は、有機合成の当業者には周知の方法、ならびに1996年12月23日出願の国際出願第PCT/US96/20770号(米国を指定)[この国際出願第PCT/US96/20770号(米国を指定)は、1996年1月2日出願の米国仮特許出願第60/009,485号の優先権の利益を主張している]の35U.S.C. §371による優先権の利益を主張している普通に譲渡された米国特許第6,080,767号中に示された方法、を使用して製造することができる。これらの各文書の開示は、これによってその全体が参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。
【0026】
特に好ましい新規な結晶形の化合物(I)は、本明細書中で化合物(I−i)と呼ぶ2−ブタノール半溶媒和物塩酸塩である。他の結晶形と同様に化合物(I−i)は、スキーム1に記載する方法によって製造することができる。一旦標的化合物を製造したら、結晶形の化合物(I)を、粗製の無定形生成物の再結晶によって、または別法としてこの合成法の最終化学工程後に適当な溶媒を添加することによって、得ることができる。
【0027】
【化7】
Figure 0004177663
【0028】
上記の反応スキームにおいて、「TsOH」は、p−トルエンスルホン酸を意味し、「LHDMS」は、リチウムヘキサメチルジシラジドを意味し、「THF」は、テトラヒドロフランを意味し、「TBTU」は、テトラフルオロホウ酸O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムを意味し、「NMM」は、N−メチルモルホリンを意味し、「DMF」は、N,N−ジメチルホルムアミドを意味し、「MMPP」は、モノペルオキシフタル酸マグネシウムを意味し、そして「MeOH」は、メタノールを意味する。
【0029】
化合物(II)は、有機合成の当業者には周知の方法、ならびに1999年12月17日出願の国際出願第PCT/US99/30366号[この国際出願第PCT/US99/30366号はまた、現在は放棄された1998年12月31日出願の米国特許出願第60/114,598号の一部継続出願である]の継続出願である2000年1月26日出願の普通に譲渡された米国特許出願第09/491,548号中に示された方法、を使用して製造することができる。これらの各文書の開示は、これによってその全体が参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。
【0030】
好ましい結晶形の化合物(I)の再結晶のための手順は、一旦本開示を手に入れたならば当業者によって容易に理解されるであろう。一般的な手引きとして、化合物(I)を適当な溶媒中で懸濁させおよび/または撹拌して、スラリーを得ることができ、このスラリーを加熱して、溶解を促進させることができる。用語「スラリー」は、本明細書中で使用するとき、化合物(I)の飽和溶液を意味し、この飽和溶液はまた、与えられた温度で化合物(I)と溶媒との不均一混合物を得るために付加的量の化合物(I)を含有することもできる。このことについて適当な溶媒としては、例えばハロゲン化溶媒、炭化水素溶媒、エーテル溶媒、極性プロトン性溶媒、および極性非プロトン性溶媒、およびこれらの2以上のものの混合物類がある。
【0031】
適当なハロゲン化溶媒としては、例えば四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、2−クロロプロパン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、フルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、四フッ化炭素、ジクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタンおよびヘキサフルオロエタンがある。
【0032】
適当な炭化水素溶媒としては、例えばベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、m−、o−またはp−キシレン、オクタン、インダンおよびノナンがある。
【0033】
適当なエーテル溶媒としては、例えばジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサンおよび1,4−ジオキサンを包含するジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジイソプロピルエーテル、アニソール、およびt−ブチルメチルエーテルがある。
【0034】
適当な極性プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−または3−ペンタノール、ネオ−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、およびグリセロールのようなアルコールおよびグリコールがある。
【0035】
適当な極性非プロトン性溶媒としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸t−ブチル、ジオキサン、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ニトロメタン、ニトロベンゼンおよびヘキサメチルホスホルアミドがある。上に例示したものに加える化合物(I)のスラリーの製造のために適当なその他の溶媒は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。
【0036】
もし所望の結晶形が溶媒和物または半溶媒和物であるならば、好ましい溶媒には、所望の溶媒和物に対して補足的であることができる溶媒、すなわち結晶格子それ自体中に最終的に存在することができる溶媒、が包含される。これらの溶媒の中で好ましいのは、上で論議したアルコールおよびエーテル溶媒であり、アルコールが好ましい。これらには、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコールおよびi−プロピルアルコールを包含するプロピルアルコール、ならびにn−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソ−ブチルアルコールおよびsec−ブチルアルコール(すなわち2−ブタノール)を包含するブチルアルコールのようなアルコール溶媒が包含されるが、これらに限定はされない。これらの溶媒の中でより好ましいのは、第二級ブチルアルコールであり、そのR−およびS−形を包含する2−ブタノールがより好ましい。アルコール性溶媒の場合には、もし必要または所望ならば溶解を助けるために水のような補助溶媒を使用することができる。使用するこのような補助溶媒の量は、変動することができ、そして所望の収率、純度、およびその他のものに依ることは、認められるであろう。一般的な手引きとして、再結晶において使用する溶媒の量を基準にして約1%の補助溶媒を使用することができる。
【0037】
再結晶において使用する溶媒の量は、変動することができ、そして例えば使用する特定の溶媒、ならびに化合物(I)の形、例えば遊離塩基または酸付加塩、に依る。大ざっぱに言って、再結晶において使用する溶媒の量は、化合物(I)1グラム当たり溶媒約1mLないし化合物(I)1グラム当たり溶媒約50mL、ならびにその中での溶媒の範囲と特定の量とのすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific amounts of solvent therein)の範囲であることができる。好ましい形においては、使用する溶媒の量は、化合物(I)1グラム当たり溶媒約3mLから化合物(I)1グラム当たり溶媒約10mLまでであることができる。
【0038】
上記したように、溶媒と化合物(I)との組み合わせ物は、化合物の溶媒中でのより有効な溶解、ならびに改良された好ましい結晶形への変換、のために加熱されることができる。これに関する好ましい温度は、約30℃ないし含まれる溶媒のおよその沸点(すなわち還流温度)、およびその中の範囲および特定温度のすべての組み合わせおよびそれ以下の組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific temperatures therein)の範囲であることができる。より好ましい温度は、約60℃ないし溶媒のおよその沸点の範囲であることができる。例として、約6mLの2−ブタノール中の1グラムの化合物(I)の塩、好ましくはHCl塩、を約85℃ないし約90℃に加熱するとその結果、実質的に完全な化合物(I)の溶解が起こる。水のような補助溶媒は、好ましくは結晶化が自発的に起こるまで、共沸させて除去することができる。得られる溶媒と化合物(I)との混合物を冷却して、結晶化を開始および/または継続させることができる。混合物を、好ましくは、約−20℃ないし約20℃、ならびにその中での範囲および特定の温度のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific temperatures therein)の範囲の温度まで冷却することができる。
【0039】
種晶を、結晶化を促進するためにいずれの結晶化混合物にも加えることができる。当業者には明白であるように、播種は、特定の同質異像(polymorph)の成長を制御する手段として、または結晶生成物の粒度分布を制御する手段として、使用される。したがって、必要とされる種の量の計算は、例えば“Programmed cooling of batch crystallizers”, J.W.MullinおよびJ.Nyvlt, Chemical Engineering Science, 1971, 26, 369-377に記載されたように、入手できる種のサイズ、および、平均生成物粒子の所望のサイズに依存する。一般に、バッチ内の結晶の成長を有効に制御するためには小さいサイズの種が必要とされる。小さいサイズの種は、より大きい結晶のふるい分け、微粉砕または超微粉砕によって、または溶液の微小結晶化によって、生成させることができる。結晶の微粉砕または超微粉砕の結果、所望の結晶形からの結晶化度におけるいずれかの変化(すなわち無定形または別の同質異像への変化)が起こらない注意をしなくてはならない。
【0040】
冷却した混合物を真空下で濾過することができ、そして単離された固体を冷再結晶溶媒のような適当な溶媒で洗浄し、窒素パージ下で乾燥させて、所望の結晶形を得ることができる。単離された固体は、NMR、DSC、XRD、HPLCなどのような適当な分光または分析技術によって分析して、生成物の好ましい結晶形の形成を確実にすることができる。得られる結晶形は、典型的には、結晶化手順で最初に使用する化合物(I)の量を基準にして約70%単離収率よりも大きい量、好ましくは90%よりも大きい量、で生成される。この生成物は、もし必要ならば一緒に微粉砕する(comill)かまたはメッシュスクリーンを通過させて、生成物を塊でなくする(delump)ことができる。
【0041】
好ましい結晶形はまた、化合物(I)を製造するための最終工程の反応媒質から直接製造することもできる。これは、例えば化合物(I)がそれから結晶化することができる溶媒または溶媒の混合物を最終工程において使用することによって達成することができる。別法として、好ましい結晶形は、一旦本開示を手に入れたならば当業者には明らかであろう蒸留または溶媒添加技術によって得ることができる。好ましくは、このような技術は、化合物(I)を製造するための最終工程に続いて、生成物を結晶形で単離するために適当な溶媒の添加によって実施することができる。この目的のために適当な溶媒には、本明細書中に記載する溶媒のいずれかが包含される。
【0042】
一般的な手引きとして、反応混合物は、濾過していずれかの望ましくない不純物、無機塩などを除去し、続いて反応または結晶化溶媒で洗浄することができる。得られる溶液は、濃縮して過剰な溶媒またはガス状成分を除去することができる。もし蒸留を用いるならば、集められる蒸留物の最終量は、例えば容器のサイズ、撹拌能力などを含む工程因子に依って変動することができ、一般的な手引きとして、反応溶液は、溶媒の置き換えが実施される前に元の体積の約1/10まで蒸留することができる。反応は、サンプル採取し、検定して、標準操作技術に従って反応度および重量%生成物を決定することができる。所望ならば、付加的な反応溶媒を加えるかまたは除去して、反応濃度を最適化することができる。好ましくは、最終濃度は、約50重量%に調整され、この点でスラリーが典型的には生じる。
【0043】
溶媒交換は、所望の置き換え溶媒の添加によって達成することができる。もし所望の結晶形が溶媒和物または半溶媒和物であるならば、好ましい溶媒には、所望の溶媒和物に対して補足的である溶媒、すなわち結晶格子それ自体中に最終的に参加することができる溶媒、が包含される。さらにより好ましい溶媒としては、アルコール、好ましくは第二級アルコール、エーテルなどを包含する上で論議した極性溶媒がある。この溶媒は典型的には、化合物(I)が実質的に完全に溶解するように所望の濃度を与えるまで添加される。溶液は、溶媒の置き換え中に沈殿するであろう付加的な不純物または塩を除去するために濾過し、そして洗浄し、続いて濾液を合わせることができる。この溶液は、さらに蒸留して、できるだけ多くの反応溶媒を除去することができる。一旦本開示により用意を整えたならば当業者によって十分に理解されるとおり、付加的な再結晶溶媒の使用が、連続する蒸留のために必要であろう。
【0044】
反応混合物を蒸留することなく溶媒を反応容器に直接加えることが好ましいであろう。この目的のために好ましい溶媒は、溶媒交換に関連して上で論議したとおりの結晶格子中に最終的に参加することができる溶媒である。最終濃度は、所望の純度、回収率などに依って変動することができるけれども、溶液中の(I)の最終濃度は、好ましくは約4%ないし約7%である。より好ましいのは、1:6 MeOH:結晶化溶媒中、約4%ないし約6%の(I)である。反応混合物は、溶媒添加後に撹拌し、同時に温めることができる。具体的説明として、反応混合物は、約70℃に温めながら約1時間撹拌することができる。この反応物は、好ましくは熱いまま濾過され、反応溶媒、加えた溶媒またはその組み合わせ物のいずれかで洗浄される。種晶を、結晶化を開始させるためにいずれの結晶化溶液にも加えることができる。
【0045】
結晶化に続いて、混合物を好ましくは約−20℃ないし約20℃の範囲の温度、ならびにその中での範囲および特定の温度のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific temperatures therein)まで冷却することができる。得られる固体を真空下で濾過し、冷再結晶溶媒のような適当な溶媒で洗浄し、そして窒素パージ下で乾燥させて、所望の結晶形を得ることができる。固体は、上で論議したようにNMR、DSC、XRD、およびHPLCを包含する適当な分析技術を用いて分析することができる。得られる結晶形は、典型的には約70%の単離収率で生成される。この生成物は、一緒に微粉砕するかまたはメッシュスクリーンを通過させて、生成物を塊でなくすることができる。
【0046】
本明細書中に記載する新規な結晶形の化合物(I)は、医薬組成物に製剤化し、そして/または治療および/または予防法に用いることができる。これらの方法には、単独での、または本明細書中で言及する障害の治療において有用であるだろう薬剤を包含する1種以上の他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせた、新規結晶化合物(I)の投与が包含されるが、これに限定はされない。もし化合物(I)を別の薬物と組み合わせて使用するならば、本明細書中に記載する化合物の組み合わせは、結果として相乗的組み合わせを生じることができる。例えばChouおよびTalalay, Adv.Enzyme Regul.22:27-55(1984)によって記載されたように、相乗作用は、組み合わせて投与したときの化合物の効果が単一の薬剤として単独で投与したときのこれらの化合物の相加効果よりも大きいとき、起こる。一般に、相乗効果は、これらの化合物の最適以下の濃度で最もはっきり証明される。
【0047】
本発明の化合物および医薬組成物は、Xa因子を阻害するのに有用であることができる。したがって、本発明は、Xa因子の産生を阻害することによって変調されることができるであろう病理学的状態の治療および/または予防のための方法を提供する。用語“病理学的状態”は、本明細書中で使用するとき、患者における疾患、障害および/または状態、特にそこでXa因子が役割を演じるであろう疾患、障害および/または状態、を指す。用語“患者”は、本明細書中で使用するとき、哺乳類を含む動物、好ましくはヒト、を指す。本発明の化合物および組成物で治療することができるであろう病理学的状態の例としては、例えば急性心筋梗塞(AMI)、不安定狭心症、血栓塞栓症、血栓溶解療法および経皮経管冠動脈形成術(PTCA)に関連する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、発作、間欠性跛行、ならびに再狭窄がある。
【0048】
本明細書中に記載する結晶形の化合物(I)は、こうして、なかんずく、トロンビンよりもむしろ凝固カスケードにおける終わりから2番目の酵素、Xa因子、を阻害するその一般的な能力によって血液凝固を阻害するために有用であることができる。本発明の範囲内の新規な結晶形の化合物(I)は、インビボ試験およびインビトロ試験(この後者は、ヒトおよびその他の哺乳類における薬理学的活性に相関すると考えられる)を含む文献に記載された試験に従って、顕著な薬理学的活性を示すことができる。例えば、遊離Xa因子およびプロトロンビナーゼ複合体(Xa因子、Va因子、カルシウムおよびリン脂質)中に集合したXa因子の両者とも阻害されることができる。Xa因子の阻害は、阻害剤とこの酵素との間の直接的な複合体形成によって得ることができ、そのため血漿補助因子抗トロンビンIIIと無関係である。有効なXa因子阻害は、化合物(I)を、それがXa因子によって誘発されるプロトロンビンからのトロンビンの形成を防止するという所望の効果を達成するように、経口投与、連続点滴静脈内注射、ボーラス静脈内投与またはいずれかの他の適当な経路によって投与することによって達成されることができる。
【0049】
抗凝固療法におけるそれらの使用に加えて、Xa因子阻害剤は、トロンビンの発生が病理学的役割を果たす可能性のあるその他の疾患の治療または予防において有用であることができる。例えば、トロンビンは、細胞表面トロンビン受容体の特異的開裂(cleavage)および活性化によって多くの異なる細胞型を調節するその能力のために、関節炎、癌、アテローム性動脈硬化症およびアルツハイマー病のような慢性および変性疾患の罹患率および死亡率に寄与することが提案されてきた。Xa因子の阻害は、トロンビンの発生を有効に遮断することができ、そのため種々の細胞型に関するトロンビンのいずれの病理学的効果をも中和することができる。
【0050】
本方法は、好ましくは、患者に薬学的有効量の本発明の新規結晶を、好ましくは1種以上の薬学的に受容できるキャリヤーおよび/または賦形剤と組み合わせて、投与することを含む。活性成分とキャリヤーおよび/または賦形剤との相対比率は、例えばこれらの物質の溶解性および化学的性質、選択された投与経路および標準的製剤法によって決定することができる。
【0051】
新規な結晶形の化合物(I)は、例えば経腸的または非経口的に患者に投与することができる。本発明の医薬組成物中の活性成分のパーセンテージは、変動することができて、適当な用量が得られるであろう比率を構成しなくてはならないことが必要なだけである。明らかに、いくつかの単位投与形をほとんど同時に投与することができる。用いられる用量は、医師によって決定されることができて、所望の治療効果、投与の経路および治療の期間、ならびにその患者の状態に依存し得る。予防または治療のために最適であろう新規形の化合物(I)の用量は、投与の形、選択される化合物の特定の新規形および治療下の特定の患者の生理学的特徴で変動し得る。広くは、少用量を最初に使用することができ、そしてもし必要ならば、その状況下での所望の効果に到達するまで少量づつ増加させることができる。
【0052】
一般的に言って、成人においては、適当な用量は、約0.01ないし約100mg/kg体重、ならびにその中での範囲および特定用量の組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific doses therein)の範囲であることができる。好ましい用量は、吸入によって1日に約0.01ないし約10mg/kg体重、経口投与によって1日に約0.01ないし約100、好ましくは0.1ないし70、より好ましくは0.5ないし10mg/kg体重、そして静脈内投与によって1日に約0.01ないし約50、好ましくは0.01ないし10mg/kg体重、であることができる。各々の特定の場合において、用量は、年令、体重、一般的な健康状態および医薬生成物の効力に影響を与えることができるその他の特徴のような、治療されるべき患者に特有の因子に従って決定されることができる。
【0053】
本発明に従う生成物は、所望の治療効果を得るために必要なだけ頻繁に投与することができる。何人かの患者は、より高いかまたはより低い用量に対して迅速に反応することができ、そしてはるかに弱い維持量が適切であることがわかるであろう。他の患者については、各々の特定の患者の生理学的要求に従って1日に約1ないし約4回の投与の速度での長期治療を行うことが必要であろう。一般に、本活性生成物は、1日に約1ないし約4回経口投与することができる。その他の患者については、1日に多くて1または2回の投与を処方することが必要であろうことは、言うまでもない。
【0054】
本発明の結晶および溶媒和形の化合物(I)は、錠剤、カプセル剤(これらの各々は、持続放出性または持効性製剤を包含する)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエマルジョンのような経口剤形で投与することができる。投与のために適当な固体剤形(医薬組成物)は、一般に1投与単位当たり約1mgないし約1000mgの化合物(I)を含有することができる。
【0055】
錠剤またはカプセル剤のような固体形での経口投与用には、新規な結晶の化合物(I)をラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどのような無毒の薬学的に受容できる不活性キャリヤーと合わせることができる。
【0056】
好ましくは、活性成分に加えて、固体剤形は、本明細書中で“賦形剤”と呼ばれる多くの付加的成分を含有することができる。これらの賦形剤には、特に希釈剤、結合剤、潤滑剤、滑沢剤および崩壊剤が包含される。着色剤もまた加えられることができる。本明細書中で使用するとき、「希釈剤」は、錠剤を圧縮のための実用サイズにするために製剤にかさを与えることができる薬剤を指す。希釈剤の例は、ラクトースおよびセルロースである。本明細書中で使用するとき、「 結合剤」は、粉末のさらさらした性質を改善するのと同様に、圧縮後に錠剤が形をとどめることを確実にすることを助けるために粉末物質に凝集性を与えるために使用することができる薬剤を指す。典型的な結合剤の例は、ラクトース、デンプンおよび種々の糖である。「潤滑剤」は、本明細書中で使用するとき、錠剤の圧縮装置への接着を予防すること、および圧縮またはカプセル化の前に顆粒の流動性を改善することを包含するいくつかの機能を有する。潤滑剤は、ほとんどの場合に疎水性物質である。しかしながら潤滑剤の過剰な使用は、それが結果として薬剤物質の崩壊の低下および/または溶解の遅延を伴う製剤を生じ得るので、望ましくない。「滑沢剤」は、本明細書中で使用するとき、顆粒化物質の流動性を改善することができる物質を指す。滑沢剤の例としては、滑石およびコロイド二酸化ケイ素がある。「崩壊剤」は、本明細書中で使用するとき、投与後の固体剤形の分解または崩壊を促進するために製剤に加えられる物質または物質の混合物を指す。崩壊剤として役立つことができる物質には、デンプン、粘土、セルロース、アルギン、ガムおよび架橋ポリマーがある。「超(super)−崩壊剤」と呼ばれる崩壊剤群は、一般に固体剤形中に低水準で、典型的には投与単位の総重量に関して重量で1%ないし10%、使用される。クロスカルメロース(croscarmelose)、クロスポビドン(crospovidone)およびデンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)は、各々架橋セルロース、架橋ポリマーおよび架橋デンプンの例を表す。デンプングリコール酸ナトリウムは、それを含有する顆粒を有効に崩壊しながら30秒未満で7−ないし12−倍に膨張する。
【0057】
液体形での経口投与用には、溶媒和物または結晶の化合物(I)をエタノール、グリセロール、水などのようないずれかの経口用、無毒の薬学的に受容できる不活性キャリヤーと合わせることができる。液体組成物は、この組成物をより味よくする甘味剤を含有することができる。この甘味剤は、スクロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクトースなどのような糖、またはシクラミン酸塩、サッカリン、アスパルテームなどのような糖代用品から選択することができる。もし糖代用品が甘味剤として選択されるならば、本発明の組成物中に使用される量は、糖が使用される場合よりも実質的に少ないであろう。このことを計算に入れて、甘味剤の量は、重量で約0.1ないし約50%、ならびにその中での範囲および特定の量のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific amounts therein)の範囲であることができる。
【0058】
より好ましい甘味剤は、糖、そして特にスクロースである。使用される粉末スクロースの粒度は、完成した組成物の物理的外見およびその味に対する最終的容認において有意な影響を有することがわかった。使用されるときのスクロース成分の好ましい粒度は、約200ないし約325未満メッシュUS スタンダード・スクリーン(Standard Screen)、ならびにその中での範囲および特定の粒度のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific particle sizes therein)の範囲であることができる。
【0059】
無菌の注射溶液は、必要量の新規な結晶形の化合物(I)を適当な溶媒中に、必要に応じて本明細書中で列挙した種々の他の成分とともに組み込み、続いて濾過滅菌することによって製造することができる。一般に、分散液は、滅菌した活性成分を、分散媒質およびいずれかの他の必要な成分を含有する無菌賦形剤中に組み込むことによって製造することができる。無菌の注射溶液の製造のための無菌粉末の場合には、好ましい製造方法には、その前以て無菌濾過した溶液から任意の付加的な所望の成分を加えた本活性成分の粉末を得ることができる真空乾燥および凍結乾燥技術がある。
【0060】
一旦本開示の教示を供給されたならば当業者には明らかであろうように、溶解させたとき化合物(I)は、その結晶構造を失い、そしてそのため化合物(I)の溶液になると考えられる。しかしながら、本発明のすべての形は、化合物(I)がその中に例えば溶解または懸濁していることができる液体製剤の製造のために使用することができる。さらに、結晶形の化合物(I)は、固体製剤中に組み込むことができる。
【0061】
液体組成物はまた、医薬組成物を製剤化する際に日常的に使用される他の成分を含有することもできる。そのような成分の一例は、レシチンである。乳化剤としての本発明の組成物におけるその使用は、重量で約0.05ないし約1%、ならびにその中での範囲および特定の量のすべての組み合わせおよび副次的組み合わせ(all combinations and subcombinations of ranges and specific amounts therein)の範囲であることができる。より好ましくは、乳化剤は、重量で約0.1ないし約0.5%の量で使用することができる。使用することができる成分の他の例は、安息香酸またはパラベンのような抗菌性保存料;コロイド二酸化ケイ素のような沈殿防止剤;酸化防止剤;局所経口麻酔剤;矯味矯臭剤;および着色剤;である。
【0062】
このような場合による成分および本発明の組成物におけるそれらの使用水準の選択は、当技術分野の熟練の水準内であって、本明細書中で後に示す操作実施例からよりよく認識されるであろう。
【0063】
結晶化合物(I)の溶媒和物はまた、目標を定められる薬剤キャリヤーとしての可溶性ポリマーと結合させることができる。このようなポリマーは、例えば、ポリビニルピロリジンピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチル−アスパルタミドフェノールまたはパルミトリル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリシンを包含することができる。さらに、結晶化合物(I)は、薬剤の制御放出を達成するのに有用な種類の生体分解性ポリマー、例えばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマー、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに結合させることができる。
【0064】
溶媒和物または結晶化合物(I)のゼラチンカプセル剤は、溶媒和物または結晶化合物(I)および本明細書中に記載した液体または固体組成物を含有することができる。ゼラチンカプセル剤はまた、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などのような粉末キャリヤーを含有することもできる。同様の希釈剤を、圧縮錠剤を製造するために使用することができる。錠剤およびカプセル剤は両者とも、何時間にもわたる薬剤の連続放出を供給するための持続放出性生成物として製造することができる。錠剤は、いずれかの不快な味を隠蔽するためおよび錠剤を大気から保護するために糖衣錠化するかまたはフィルムコーチングするか、または胃腸管における選択的崩壊のために腸溶コーチングすることができる。
【0065】
一般に、水、適当な油、食塩水、水性デキストロース(グルコース)、および関連する糖溶液および、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコールは、非経口溶液のための適当なキャリヤーである。非経口溶液のための溶液は、溶媒和物または結晶化合物(I)をキャリヤーに溶解させ、そしてもし必要ならば緩衝物質を加えることによって製造することができる。単独であるかまたは合わせたかのいずれかの重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸のような酸化防止剤は、適当な安定化剤であることができる。クエン酸およびその塩およびナトリウムEDTAもまた使用することができる。非経口溶液はまた、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールのような保存料を含有することもできる。
【0066】
適当な製剤用キャリヤー、賦形剤および希釈剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.中に記載されており、その開示は、これによってその全体が参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。本発明の化合物の投与のために有用な医薬剤形は、以下のように具体的に説明することができる。
【0067】
カプセル剤
多くの単位カプセル剤は、標準的な2つの部分から成るハードゼラチンカプセルに各々、100mgの粉末活性成分(すなわちXa因子阻害剤)、150mgのラクトース、50mgのセルロース、および6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって製造することができる。
【0068】
ソフトゼラチンカプセル剤
大豆油、綿実油またはオリーブ油のような可消化油中の活性成分の混合物を製造し、そしてポジティブ(positive)置換ポンプによってゼラチン内に注入して、100mgの活性成分を含有するソフトゼラチンカプセル剤を形成させることができる。次にこのカプセル剤を洗浄し、乾燥させることができる。
【0069】
錠剤
多くの錠剤は、投与単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶性セルロース、11mgのデンプンおよび98.8mgのラクトースであるように、通常の手順によって製造することができる。適当なコーチングを適用して、美味性を増すかまたは吸収を遅延させることができる。
【0070】
懸濁剤
各5mLが25mgの微粉砕した活性成分、200mgのカルボキシメチルセルロースナトリウム、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのソルビトール溶液、米国薬局方(U.S.P.)、および0.025mgのバニリンを含有するように、水性懸濁剤を経口投与用に製造することができる。
【0071】
注射剤
10容量%のプロピレングリコールおよび水中の1.5重量%の活性成分を撹拌することによって、注射による投与のために適当な非経口組成物を製造することができる。この溶液を通常使用される技術によって滅菌することができる。
【0072】
鼻用スプレー
各1mLが10mgの活性成分、1.8mgのメチルパラベン、0.2mgのプロピルパラベンおよび10mgのメチルセルロースを含有するように、水溶液を製造することができる。この溶液を1mLのバイアル中に小分けすることができる。
【0073】
肺吸入器
活性成分の最終濃度が1容器当たり10mgであり、そして容器中のポリソルベート80の最終濃度が1重量%になるように、ポリソルベート80中の活性成分の均一混合物を製造することができる。この混合物を各カン内に小分けすることができ、バルブをこのカン上で圧着でき、そして必要量の噴射剤、例えばジクロロテトラフルオロエタンを圧力下で加えることができる。
【0074】
好ましい結晶形の化合物(I)は、本発明の成分(a)として役立つことができて、独立して上記した剤形のようないずれかの剤形であることができ、そしてまた上記のとおりの種々の組み合わせで投与することもできる。以下の説明において成分(b)は、組み合わせ治療のために適当な本明細書中に記載したとおりの1種以上の薬剤を表すと理解されるべきである。
【0075】
このように、化合物(I)は、単独で、または他の診断薬、抗凝固薬、抗血小板物質、フィブリン溶解薬、抗血栓薬および/またはプロフィブリン溶解薬と組み合わせて、使用することができる。例えば標準ヘパリン、低分子量ヘパリン、直接的トロンビン阻害剤(すなわちヒルジン)、アスピリン、フィブリノゲン受容体アンタゴニスト、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼおよび/または組織プラスミノーゲン活性化因子を用いるXa因子阻害剤の補助投与は、結果として改善された抗血栓または血栓溶解効力または効率を生じることができる。本明細書中に記載する新規結晶は、ヒトを含む霊長類、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ラットおよびマウスのような種々の動物における血栓性合併症を治療するために投与することができる。Xa因子の阻害は、血栓性状態を有する個体の抗凝固療法においてばかりでなく、保存全血の凝固を予防するためおよび試験または貯蔵のためのその他の生物学的試料における凝固を予防するような、血液凝固の阻害が要求されるときにも、有用であろう。こうして、本明細書中に記載するとおりの新規な結晶形の化合物(I)を包含するいずれかのXa因子阻害剤は、Xa因子を含有するかまたはXa因子を含有すると疑われ、そしてそこで血液凝固を阻害することが望まれるであろう任意の媒質に、加えるかまたはこれと接触させることができる。
【0076】
本発明の新規な結晶は、任意の抗高血圧剤またはコレステロールまたは脂質調節剤と組み合わせて、または再狭窄、アテローム性動脈硬化症または高血圧の治療において同時に、使用することができる。高血圧の治療の際に本発明に従う新規形の化合物(I)との組み合わせにおいて有用であることができる薬剤のいくつかの例としては、例えば以下の種類の化合物がある:ベータ−遮断薬、ACE阻害剤、カルシウムチャンネルアンタゴニストおよびアルファ−受容体アンタゴニスト。高コレステロール値または異常(disregulated)脂質値の治療の際に本発明に従う化合物(I)との組み合わせにおいて有用であることができる薬剤のいくつかの例としては、HMGCoAレダクターゼ阻害剤であることが公知の化合物、またはフィブレート(fibrate)種の化合物がある。
【0077】
したがって、本発明の成分(a)および(b)は、組み合わせ生成物として単一投与単位中で一緒に製剤化する(すなわち、1つのカプセル剤、錠剤、散剤、または液体などの中で一緒にあわせる)ことができる。成分(a)および(b)を単一投与単位中で一緒に製剤化しないときは、成分(a)は、成分(b)と同時にまたはいずれかの順序で[例えば本発明の成分(a)を最初に投与し、続いて成分(b)を投与することができるかまたはこれらを逆の順序で投与することができる]投与することができる。もし成分(b)が1種より多い薬剤を含有するならば、これらの薬剤は、一緒にまたはいずれかの順序で投与することができる。同時に投与しないときは、好ましくは成分(a)および(b)の投与は、約1時間以上離さないで行う。好ましくは成分(a)および(b)の投与経路は、経口である。成分(a)および(b)の両者を同一の経路(すなわち例えば両者とも経口的に)または同一の剤形によって投与することが好ましいであろうけれども、所望ならば、これらを各々異なる経路(すなわち例えば組み合わせ生成物の一方の成分は、経口投与することができ、そしてもう一方の成分は、静脈内投与することができる)または異なる剤形によって投与することができる。
【0078】
種々の障害の治療のために有用であり、そして1以上の無菌容器内に、治療上有効量の、新規形の化合物(I)を含む医薬組成物を含む薬剤キットもまた、本発明の範囲内である。このキットはさらに、一旦本開示を手に入れたならば、当業者には容易に明らかになるであろう通常の薬剤キット成分を含むことができる。容器の滅菌は、当業者には周知の通常の滅菌法を使用して実施することができる。
【0079】
本発明を下記の実施例でさらに説明する。実施例はすべて実際の例である。これらの実施例は、特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0080】
【実施例】
実施例1−化合物(III)の製造
【化8】
Figure 0004177663
反応器に化合物(II)(100.0g)および無水THF(320g)を装入した。得られた懸濁液を−20±3℃まで冷却して、LiHMDS(475.6グラム、THF中の1.3M溶液)を55分かけて加え、そして−20±3℃で20分間撹拌した。次に、温度を−20±3℃に保持しながらTHF中のα−ブロモ−m−トルニトリルの溶液(181gのTHF中65.1g)を40分かけてこの反応器中に装入して、さらに30分間撹拌した。安息香酸(126.6グラム)を固体として反応器に装入した。次に水(1000g)を加え、混合物を65±3℃のジャケット温度および200〜233ミリバール真空で蒸留した。一定のポット温度57℃および一定のヘッド温度45℃まで蒸留した後、蒸留を停止した。この熱溶液にトルエン(432g)を加え、10±2℃までさましながら撹拌した。得られた懸濁液を次に濾過し、濾過ケークを水(250グラム)およびトルエン(432グラム)で洗浄した。化合物(III)を窒素流下、〜350ミリバール真空で45−50℃で24時間、恒量まで乾燥させた。単離した固体は、重量76.0グラム(62.0%収率)であった。
【0081】
実施例2−化合物(V)の製造
【化9】
Figure 0004177663
化合物(III)をジクロロメタンと炭酸ナトリウム水溶液との間に分配させた。有機相[(III)の遊離塩基を含有する]を追加の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、減圧下で蒸留し、そしてジメチルホルムアミド(DMF)で溶媒交換した。この溶液を(III)のwt/wt含量について検定した。DMF中の(IV)[(III)に対して1.0当量]の懸濁液に2当量の4−メチルモルホリンおよび1.1当量のテトラフルオロホウ酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウム(TBTU)を加えた。この混合物を周囲温度で、エステル活性化が完了するまで(約90分)撹拌した。化合物(III)のDMF溶液(1当量)を加え、得られた溶液を一晩撹拌すると、その後HPLCは、反応が完了したことを示した。水を75℃で加え、混合物を冷却して、生成物を結晶化させた。混合物を5℃まで冷却し、濾過し、そして濾過ケークを水で洗浄した。生成物を減圧下、70℃で乾燥させた。
【0082】
実施例3−化合物(VI)の製造
【化10】
Figure 0004177663
十分に撹拌した反応器中で、450mLのジクロロメタン中の45gの化合物(V)を、反応が完了するまで少なくとも5時間、450gの水中の61gのモノペルオキシフタル酸マグネシウム(有効酸素を基準にして66.4%、1.5当量)と反応させた。この相を分離して、有機相を等体積の水、5%重炭酸ナトリウム水溶液、および水で連続して洗浄した。得られた溶液をほぼ40重量%溶液まで濃縮し、そして180gのメチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈した。さらに蒸留して残留するジクロロメタンを除去し、適当な結晶で播種し、冷却して、生成物を結晶性個体として得た。この結晶を濾過して、30gのMIBKですすぎ、減圧下、50℃で乾燥させて、41.8gの化合物(VI)(89.3%収率)を得た。
【0083】
実施例4−化合物(I)の製造
【化11】
Figure 0004177663
200-mLのジャケット付き反応フラスコに化合物(VI)(50.0g、116ミリモル)およびメタノール(50mL)を装入した。この混合物を−5℃まで冷却して、部分真空(約100トル)を確立した後、密閉した。反応温度を0℃未満に保持しながら、無水HCl(52.2グラム、1.43モル)を加えた。反応物を密閉条件下で0±1℃で撹拌した。16時間後に反応が完了した[HPLCにより2A%未満の(VI)]。中間生成物溶液に、温度を5℃未満に保持しながら無水メタノール(100mL)を加えた。温度を0℃未満に保持しながら、この溶液をNH3(27.7g、1.62モル)で処理した。混合物を室温まで温める前に、DI水に溶解させたアリコートについてpHチェックを行った(pH8−10は、アンモニアの十分な装入を示す)。反応物を20℃で一晩撹拌すると、その時点で反応が完了した。
【0084】
実施例5−溶媒添加による化合物(I−i)の製造
【化12】
Figure 0004177663
実施例4からの塩化アンモニウムスラリーに2−ブタノール(840mL)を加えて、得られた混合物を、70℃に温めながら1時間撹拌した。塩化アンモニウムを熱濾過によって除去し、ケークを160mLの2−ブタノール中の20mLのメタノールの溶液で洗浄した。濾液を合わせ、0.5gの種晶を加えた。混合物を一晩周囲温度で撹拌した。スラリーを−15℃まで冷却して、完全な結晶化を確実にするために2時間保持した。固体を濾過して、反応器およびケークを165mLの2−ブタノールで洗浄した。固体を窒素ブリード(bleed)しながら真空下、45〜50℃で乾燥させて、44.3g(73.2%)の化合物(I−i)をオフホワイト結晶性固体として得た。
【0085】
実施例6−溶媒置換による化合物(I−i)の製造
実施例4において上記したように化合物(I)の合成を実施した後、塩化アンモニウムを濾過によって反応混合物から除去し、得られた濾過ケークを無水メタノールで洗浄した。得られた溶液を濃縮してメタノールおよび残留するアンモニアを除去して、元の反応体積のほぼ1/10とした。反応混合物を試料採取して、化合物(I)の重量%について検定した。メタノールを加えて最終濃度を50重量%化合物(I)に調整した。得られたスラリーに2−ブタノールを加えて、混合物を1時間撹拌した。沈殿した塩化アンモニウムをメタノールおよび2−ブタノールの溶液で洗浄した。濾液を合わせ、さらに濃縮し、そしてメタノールが低水準に減少するまで追加の2−ブタノールを加えた。蒸留中のオーバーヘッド温度は、約98℃であった。種晶を加えて結晶化を開始させた。混合物を2時間かけて20℃まで冷却し、そして完全な結晶化を確実にするために2時間この温度に保持した。固体を濾過によって単離し、反応器および濾過ケークを2−ブタノールで2回洗浄した。固体を真空オーブン内で50ないし60℃で乾燥させて、化合物(I−i)をオフホワイト固体として70%収率で得た。
【0086】
実施例7−再結晶による化合物(I−i)の製造
無定形塩酸塩(水含量1.2重量%)としての化合物(I)(50g)を、水(3g)を含有する2−ブタノール(300g)中に懸濁させた。混合物を加熱して沸騰させると、溶解が約85℃ないし90℃で起こった。試料を少し濃縮して水を共沸除去すると、結晶化が自然に起こり始めた。得られた混合物を冷却して、結晶化を継続させた。結晶を濾過し、2−ブタノールで洗浄し、そして60℃で窒素パージしながら20p.s.i.真空で一晩乾燥させた。乾燥した化合物(I−i)の結晶は、重量48.3グラム(91%収率)であった。
【0087】
化合物(I−i)の物理データ
1H NMR(DMSO−d6)9.6−9.3(bd,4H,アミジン)、8.55(d,1H)、8.38(d,2H)、7.96(2H)、7.8−7.9(m,4H)、7.75(s,1H)、7.70(d,1H)、7.46−7.52(m,2H)、4.45(m,1H)、4.38(−OH,0.5H*)、3.50(s,3H)、3.48(m,0.5H*)、3.15(m,1H)、2.9−3.1(m,2H)、1.29(d,3H)と重なっている1.25−1.35(m,1H*)、1.0(d,1.5H*)、0.8(t,1.5H*)(ここで*は、2−ブタノール共鳴を示す)。
13C NMR(d6−DMSO):173.0、165.7、165.1、140.6、139.0(2C)、138.0、135.2、134.4、134.0、128.9、128.4、128.2(2C)、127.8、126.0(2C)、125.97、123.9(2C)、67.1(*)、51.8、51.5、46.6、33.3、31.7(*)、23.0(*)、17.5、10.0(*)(ここで*は、2−ブタノール共鳴を示す)。
【0088】
示差走査熱量測定(DSC)(10.0℃/分で25.0℃から220.0℃まで加熱):バッチ1:176.4℃での開始ピーク、185.3℃でのピークおよび吸熱量 約76J/g;バッチ2:183.2℃での開始ピーク、191.3℃でのピークおよび吸熱量 101.9J/g。
X−線粉末回折(XRD):5.0、14.8、15.1、15.8、16.6、17.7、17.9、19.6、24.9、25.0および27.0での2θ値。
元素分析:
計算値:C 62.36%、H 6.20%、N 10.77%、Cl 6.82%。
実測値:C 62.33%、H 6.19%、N 10.64%、Cl 6.70%。
質量スペクトル:イオンスプレーは、477でM+を見出した。
【0089】
本書類中で引用または記載した各特許、特許出願および刊行物の開示は、これによってその全体が参照によって本明細書中に組み込まれるものとする。前記の記載から当業者には明らかであるように、本明細書中に記載したものに加えて、本発明の種々の変更もまた、特許請求の範囲の範囲内に入れることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (2R,3R)−2−{3−[アミノ(イミノ)メチル]ベンジル}−3−{[4−(1−オキシド−4−ピリジニル)ベンゾイル]アミノ}ブタン酸メチル塩酸塩の2−ブタノール半溶媒和物の示差走査熱量測定サーモグラムのグラフ表示である。
【図2】 (2R,3R)−2−{3−[アミノ(イミノ)メチル]ベンジル}−3−{[4−(1−オキシド−4−ピリジニル)ベンゾイル]アミノ}ブタン酸メチル塩酸塩の2−ブタノール半溶媒和物のX線粉末回折図形のグラフ表示である。

Claims (4)

  1. 5.0±0.2、14.8±0.2、15.1±0.2、15.8±0.2、16.6±0.2、17.7±0.2、17.9±0.2、19.6±0.2、24.9±0.2、25.0±0.2、および27.0±0.2から選択される2以上の2θ値を含むX線粉末回折図形を有する、結晶形である式(I−i)
    Figure 0004177663
    で表される化合物の塩酸付加塩の2−ブタノール溶媒和物。
  2. 図2に示されるものに従うX線粉末回折図形によって特徴づけられる、結晶形である請求項1に記載の溶媒和物。
  3. 2−BuOHが(S)−(+)−2−ブタノールである、結晶形である請求項1に記載の溶媒和物。
  4. 2−BuOHが(R)−(−)−2−ブタノールである、結晶形である請求項1に記載の溶媒和物。
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