JP4176502B2 - デジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置 - Google Patents

デジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送受信機、およびデジタル放送受信機に接続して使用するチューナーモジュール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタル放送受信機において処理ソフトウエアを変更する方法として、放送波からバージョンアップ用のデータをダウンロードする方法と、メモリカードを装着して該メモリカードに記憶されたバージョンアップ用のデータをダウンロードする方法があった。
【0003】
従来、このような処理ソフトウエア変更に関する技術として、チューナーをモジュール化したテレビ受信機(例えば、特許文献1参照)、パーソナルコンピューターなどに接続するためのカード型チューナーモジュール装置(例えば、特許文献2参照)、接続にIEEE1394を用い、様々な機能をモジュール化したAVシステム(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
【0004】
なお、上記したいずれの技術においても、チューナーモジュール装置自身に対する処理ソフトウエアをチューナーモジュール装置からダウンロードする仕組みは提案されていない。
【0005】
また、パーソナルコンピューター、ゲーム機のCD−ROMなどの記録メディアでは、記録メディアを機器にセットした際に自動的に処理ソフトウエアをダウンロードする仕組みが提供されている。しかしながら、記録メディア自身を扱うための処理ソフトウエアは、予め機器本体に記録されている。
【0006】
図10〜図14を参照して、チューナーモジュール装置とメモリカードを用いて処理ソフトウエアを変更する従来の方法を説明する。
【0007】
図10〜図12は従来のデジタル放送受信機を示すもので、図10はデジタル放送受信機の斜視図、図11はデジタル放送受信機の正面図、図12はデジタル放送受信機の右側面図である。また、図13は従来のデジタル放送受信機の内部構成を示すブロック図であり、図14は従来のデジタル放送受信機における処理ソフトウエアの更新処理の手順を示すフローチャートである。
【0008】
従来のデジタル放送受信機により処理ソフトウエアを変更するには、図10〜図12に示すように、デジタル放送受信機401に対して、チューナーモジュール装置402およびソフトウエア変更用のメモリカード403を挿入する。
【0009】
また、従来のデジタル放送受信機401は、図13に示すように、チューナーモジュール装置510とメモリカード520が、それぞれ接続部511,506、521,507により受信機本体501に接続されており、各構成部分は制御部502の制御下に置かれている。なお、図13において、505はチューナー、503は不揮発性メモリ、504はRAMを示す。
【0010】
次に、図14を参照して、従来の処理ソフトウエアの更新処理を説明する。
【0011】
従来のデジタル放送受信機では、図14に示すように、パワーオンまたはリセット(S610)の後、処理ソフトウエアをRAMにダウンロードして実行する(S611)。
【0012】
ここで、チューナーモジュール装置の有無を判定し(S612)、チューナーモジュール装置が存在する場合に、現在の処理ソフトウエアが対応しているか否かを調べ(S614)、現在の処理ソフトウエアが対応していない場合にはチューナーモジュール装置は使用不可と判断される(S615)。そして、バージョンアップが必要である旨をユーザーに伝え(S616)、後の操作をユーザーに任せる。
なお、チューナーモジュール装置が接続されていない場合、および処理ソフトウエアが対応済みの場合には、番組の視聴を行うことができる(S613)。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−133245号公報
【特許文献2】
特開平8−237154号公報
【特許文献3】
特開2002−27348号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、デジタル放送の様々な伝送方式に対して、デジタル放送受信機を柔軟に対応させるためには、チューナーモジュール装置を外付けにする方法が有効である。
従来のアナログ放送受信機では、放送方式は違っていてもその後の処理はほぼ共通であったため、上記特許文献1に示された交換可能なチューナーモジュール装置を用いる技術のように、モジュールの判別程度でソフトウエア変更の必要がないか、あるいはすべての方式を網羅した処理ソフトウエアを受信機本体に格納していれば、何ら問題は無かった。
【0015】
しかしながら、デジタル放送では、伝送方式に相違があるだけではなく、規格によっては処理方式にも相違があるため、それぞれのチューナーモジュール装置毎の処理ソフトウエアも相違する。
【0016】
このとき、従来の技術のように、全てのチューナーモジュール装置および伝送方式を網羅した処理ソフトウエアを受信機本体に格納しておく方式では、処理ソフトウエアのサイズが大きくなってしまう。このため、処理内容が複雑になるとともに、起動が遅くなるという問題があった。また、従来のパーソナルコンピューターなどのように、実行はしなくとも記憶領域に処理ソフトウエアを用意しておく方式では、多くの記憶領域が必要になる。そして、どちらの方式においても、将来、新方式の放送規格が採用された場合には、そのままの態様では対応できないという問題があった。
【0017】
このため、チューナーモジュール装置の追加・変更・削除に伴ってデジタル放送受信機の処理ソフトウエアを変更して実行するような仕組みが必要となる。特に、チューナーモジュール装置を取り外した際には、チューナーモジュール装置用処理ソフトウエアの権利を保護するとともに、デジタル放送受信機用処理ソフトウエアのバージョンを管理するため、チューナーモジュール装置を装着する前の状態に戻す必要がある。すなわち恒久的な処理ソフトウエア変更ではなく、チューナーモジュール装置が装着されている間だけの一時的な処理ソフトウエア変更の仕組みが必要である。
【0018】
この点、ダウンロードにより処理ソフトウエアを変更する方法や、メモリカードを装着することにより受信機本体の処理ソフトウエアを変更する方法では、処理ソフトウエアを変更前の状態に戻すことや、権利保護などが想定されていない。すなわち、従来のように恒久的に処理ソフトウエアを変更するための手段では、チューナーモジュール装置の装着状態に応じて柔軟な処理ソフトウエアの変更を行うことはできない。
【0019】
また、デジタル放送受信機のコスト削減などのために、チューナーモジュール装置の接続インターフェースをメモリカードと共用化した場合には、上記特許文献2に記載された技術のように、チューナーモジュール装置をカード型とすることが必要となると考えられる。
【0020】
従来、増設したチューナーモジュール装置のための処理ソフトウエアを変更するためには、チューナーモジュール装置と処理ソフトウエア変更用のメモリカードが同時に必要となるが、図10〜図13に示すデジタル放送受信機のようにメモリカードスロットを2つ用意するのでは、デジタル放送受信機の製造コストを削減することはできない。また、1つのスロットをチューナーモジュール装置とメモリカードにより共用する場合には、図14に示すように、処理ソフトウエアの変更がユーザー任せとなり、簡易さや確実さに欠けることとなる。
【0021】
また、従来の技術では、一時的な処理ソフトウエア変更の仕組みも実現できない。
【0022】
また、チューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアのバージョンアップを行う際に、放送波から新たな処理ソフトウエアをダウンロードする方法や、メモリカードを用いて受信機本体内のソフトウエアを恒久的に変更する方法では、チューナーモジュール装置を他のデジタル放送受信機に装着した場合にまでは対応できない。
【0023】
また、チューナーモジュール装置を接続して、新たなデジタル放送に対応した場合に、例えば番組表データのような新規の放送データを扱おうとすると、受信機本体に搭載されているRAMだけでは記憶容量が不足するおそれがある。
【0024】
さらに、上記特許文献3に記載された技術のように、拡張したモジュールとのコマンド通信方式のみを規定しておき、受信機本体側のソフトウエア変更を必要としない方式があるが、このような汎用な仕組みでは、ハードウエア、ソフトウエア共に規模が大きくなり、デジタル放送受信機の高速な起動やコスト削減といった要求に応えることができないという問題があった。
【0025】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、デジタル放送の様々な伝送方式に対して柔軟に対応させることが可能なデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデジタル放送受信機は、処理ソフトウェアを記憶する不揮発性メモリと、前記処理ソフトウェアを記憶手段に読み出して実行する制御手段とを備えたデジタル放送受信機において、内部に不揮発性メモリを有するチューナーモジュール装置を接続するためのチューナーモジュール装置接続手段と、前記チューナーモジュール装置が接続されているか否か判定するための接続判定手段と、前記接続判定手段により前記チューナーモジュール装置が接続されていると判定された場合に、処理ソフトウェアを変更するか否かを判定するためのソフトウェア変更判定手段と、を有し、前記制御手段は、前記ソフトウェア変更判定手段により処理ソフトウェアの変更が必要であると判定された場合、前記チューナーモジュール装置の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを、前記記憶手段に読み出して実行し、前記接続判定手段によりチューナーモジュールの接続が解除された場合には、前記デジタル放送受信機の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを、前記記憶手段に読み出して実行することを特徴とするものである。
【0027】
また、前記デジタル放送受信機は、処理ソフトウェアを更新するための更新情報を受信する更新情報受信手段を更に備え、前記接続判定手段は、前記更新情報に対応する処理ソフトウェアが記憶されているチューナーモジュール装置が接続されているか否かを判定する対応チューナー接続判定手段を有し、前記対応チューナー接続判定手段により、前記更新情報に対応する処理ソフトウェアが記憶されているチューナーモジュール装置が接続されていると判定された場合には、前記更新情報に基づいて、前記チューナーモジュール装置の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを更新するソフトウェア更新手段を更に備えることを特徴とするものである。
【0035】
次に、上述した特徴点を有する本発明に係るデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置を具体的に説明する。
【0036】
本発明に係るデジタル放送受信機では、チューナーモジュール装置に不揮発性メモリを搭載し、この不揮発性メモリにチューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアを格納しておく。なお、複数の機種に対応する場合には、不揮発性メモリに複数の処理ソフトウエアを格納しておけばよい。
【0037】
デジタル放送受信機に対してチューナーモジュール装置が装着されている場合に、デジタル放送受信機は、チューナーモジュール装置の不揮発性メモリから当該デジタル放送受信機に適合した処理ソフトウエアをダウンロードして実行する。
【0038】
この際、チューナーモジュール装置に搭載した処理ソフトウエアが、ソフトウエア変更のためのメモリカードと同様に、デジタル放送受信機の恒久的な処理ソフトウエア変更として扱われるのか、あるいはデジタル放送受信機のRAMのみにダウンロードされて実行される一時的なソフトウエア変更として扱われるのかが区別される。このような区別を行うためには、チューナーモジュール装置の不揮発性メモリに両者を区別するための制御フラグを設定しておけばよい。デジタル放送受信機の処理プログラムは、当該制御フラグに応じて、デジタル放送受信機の不揮発性メモリに格納された処理ソフトウエアを上書きするか、一時記憶領域であるRAMにロードするかを決定する。
【0039】
また、チューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアのバージョンアップでは、放送波から処理ソフトウエアをダウンロードする際に、該当するチューナーモジュール装置が判別可能となるようなフラグを付したデータ構造としておき、デジタル放送受信機の不揮発性メモリに記憶された処理ソフトウエアを上書きするのではなく、チューナーモジュール装置の不揮発性メモリを上書きする。
【0040】
この際、恒久的なソフトウエア変更か否かの制御フラグも参照し、デジタル放送受信機の不揮発性メモリを上書きすることもある。
【0041】
チューナーモジュール装置を接続することにより、扱うべきデータが増え、デジタル放送受信機のRAMではワークメモリが不足する場合には、チューナーモジュール装置に追加のRAMを搭載し、追加のRAMも用いるようにした更新用の処理ソフトウエアを不揮発性メモリに用意しておけばよい。
【0042】
チューナーモジュール装置の接続の仕方により、通信制御が複雑になる等の場合には、チューナーモジュール装置にも制御部を搭載し、デジタル放送受信機の制御部とチューナーモジュール装置の制御部との間で通信を行い、これにより複雑な通信制御を行うことができる。この際の複雑な通信制御の追加も含めて、デジタル放送受信機の制御部を更新するための処理ソフトウエアをチューナーモジュール装置に用意すればよい。
【0043】
したがって、基本的な通信制御部分を除いて、チューナーモジュール装置を接続する際に初めて必要となる複雑な通信制御部分は、その時々に応じて開発すればよいため、デジタル放送受信機のソフトウエアを開発する際の初期開発コストを抑制することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係るデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の一実施形態を説明する。
【0045】
図1〜図5は本発明の実施形態に係るデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置を示すもので、図1はチューナーモジュール装置を装着するためのスロットを有するデジタル放送受信機の斜視図、図2はチューナーモジュール装置を接続するための接続端子を備えたデジタル放送受信機の斜視図、図3はデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図、図4は作業用メモリ内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図、図5は制御部内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図である。
本発明に係るデジタル放送受信機101は、チューナーモジュール装置を装着して使用することができるようになっている。
【0046】
<デジタル放送受信機の概略構成>
図1に示すデジタル放送受信機101は、ソフトウエア変更サービスに用いるためのメモリカードスロット104を備えている。このメモリカードスロット104をチューナーモジュール装置102の増設インターフェースとして使用することにより、デジタル放送受信機101のコストアップを抑えることができる。このため、ユーザーは、デジタル放送受信機101を丸ごと買い換える場合と比較して、安価に新規の放送方式へ対応することができる。
また、図2に示すデジタル放送受信機101は、外部とのデータ入出力用の外部信号入出力端子105を備えている。この外部信号入出力端子105をチューナーモジュール装置103の増設インターフェースとして使用することにより、デジタル放送受信機101のコストアップを抑えることができる。チューナーモジュール装置103はチューナーモジュール装置102を内部に装着できる接続端子でもよい。
【0047】
<デジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の内部構成>
次に、デジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の内部構成について説明する。
【0048】
図3に示す例は、デジタル放送受信機201に対してチューナーモジュール装置210を装着した状態を示すものであるが、このデジタル放送受信機201は、通常の状態ではチューナーモジュール装置210が装着されずに単独で動作するようになっている。
【0049】
デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203には、受信機用処理ソフトウエアが記憶されており、デジタル放送受信機201が起動された際に、RAM204に対して処理ソフトウエアをダウンロードし、制御部202において当該処理ソフトウエアを実行する。
【0050】
また、通常の状態では、チューナー205でデジタル放送を受信し、デコーダー207により映像・音声などを復号し、出力端子208に出力する。
増設されたチューナーモジュール装置210の内部には、チューナー213、および処理ソフトウエア格納用の不揮発性メモリ212が設けられている。そして、接続部211,206を介してデジタル放送受信機201に接続され、各構成部分が制御部202の制御下に置かれる。
【0051】
<作業用メモリ内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成>
追加するチューナーモジュール装置の動作用に、デジタル放送受信機側では考慮されていなかったようなRAMの増加が必要な場合には、チューナーモジュール装置内に増設用のRAMも装備し、更新用の処理ソフトウエアにより当該増設用RAMも使用可能とする。
【0052】
すなわち、図4に示すように、チューナーモジュール装置220の内部には、チューナー224、処理ソフトウエア格納用の不揮発性メモリ222、および処理ソフトウエア実行に必要な増設RAM223が設けられている。そして、接続部221および接続部206(図3参照)を介してデジタル放送受信機201に接続され、各構成部分が制御部202の制御下に置かれる。
【0053】
<制御部内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成>
チューナーモジュール装置がデジタル放送受信機に対して外部設置式の場合に、接続インターフェースにおける複雑な通信制御が必要になる場合がある。この場合には、チューナーモジュール装置に対して制御部を装備することにより、複雑な通信制御に対応することができる。
【0054】
すなわち、図5に示すように、チューナーモジュール装置230の内部には、チューナー235、処理ソフトウエア格納用の不揮発性メモリ233、処理ソフトウエア実行に必要な増設RAM234、および制御部232が設けられている。そして、接続部231および接続部206(図3参照)を介してデジタル放送受信機201に接続され、制御部202(図3参照)と制御部232との間で通信を行うことにより、チューナーモジュール装置230が制御される。
【0055】
なお、制御部232のための処理ソフトウエアも不揮発性メモリ233に格納されており、制御部232が動作するためのワークメモリはRAM234を使用する。
【0056】
<処理手順>
次に、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置における処理手順を説明する。図6〜図9は、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置における処理手順を示すフローチャートで、図6はデジタル放送受信機におけるパワーオンまたはリセット時の処理手順を示すフローチャート、図7はデジタル放送受信機に対してチューナーモジュール装置を装着した際の処理手順を示すフローチャート、図8はデジタル放送受信機からチューナーモジュール装置を取り外した際の処理手順を示すフローチャート、図9はバージョンアップソフトウエアの放送スケジュールを受信した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
<デジタル放送受信機におけるパワーオンまたはリセット時の処理>
図6に示すように、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信機201において、パワーオンまたはリセットされると(S310)、チューナーモジュール装置210が装着されているか否かを判定する(S311)。ここで、チューナーモジュール装置210が装着されていない場合には、通常の処理として、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203の処理ソフトウエアをRAM204にロードして実行し(S312)、視聴状態となる(S313)。
一方、チューナーモジュール装置210が装着されている場合には、ソフトウエア変更の必要を判定(S314)する。
【0058】
判定に必要なデータは、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203に、処理ソフトウエアを特定するための管理情報として、メーカー番号、機種番号、デジタル放送受信機201に格納されている処理ソフトウエアのバージョンなどを記載しておくとともに、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に、格納している処理ソフトウエアの管理情報として、メーカー番号、機種番号、バージョン番号などを格納しておく。そして、デジタル放送受信機201の制御部202において、両処理ソフトウエアを比較して判断する。
【0059】
ここで、デジタル放送受信機201において、既にチューナーモジュール装置210に対応済みの処理ソフトウエアが存在する場合には、ソフトウエア変更の必要は無いと判断し、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203の処理ソフトウエアをRAM204にダウンロードして実行し(S312)、視聴状態となる(S313)。
【0060】
一方、ソフトウエア変更が必要である場合には、一時的なソフトウエア変更か、あるいは恒久的なソフトウエア変更かを判定する(S315)。判定に必要なデータは、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に格納しておき、制御部202において判断する。
【0061】
ここで、恒久的なソフトウエア変更であれば、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に格納されている処理ソフトウエアと管理情報を、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203に書き込む(S316)。そして、デジタル放送受信機201をリセットして通常の起動シーケンスのステップS310へ移行するか(S317)、あるいは書き込んだ処理ソフトウエアをRAM204にロードして実行し(S312)、視聴状態となる(S313)。
【0062】
また、一時的なソフトウエア変更であれば、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203はそのままで、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に格納されている処理ソフトウエアをRAM204にロードして実行し(S318)、視聴状態となる(S313)。
【0063】
一時的なソフトウエア変更は、チューナーモジュール装置210が装着されていないとその処理ソフトウエアが実行されない。すなわち、処理ソフトウエアの実行にはチューナーモジュール装置210が物理的な鍵として作用するため、デジタル放送受信機201の処理ソフトウエアの権利保護として利用することができる。
【0064】
また、デジタル放送受信機201に格納された処理ソフトウエアのバージョン等が、チューナーモジュール装置210が装着されたか否か、あるいは装着されたチューナーモジュール装置210の種類により物理的に判別することができるので、サービスマンによる対応時に混乱を招くことなく処理ソフトウエアを管理することができる。
【0065】
<デジタル放送受信機にチューナーモジュール装置を装着した際の処理>
図7に示すように、デジタル放送受信機201が稼動中にチューナーモジュール装置210を装着した場合には、チューナーモジュール装置210を装着(スロットに挿入)した後(S320)、ソフトウエア変更の必要を判定する(S321)。判定方法等は、上述したステップS314と同様である。
【0066】
ここで、デジタル放送受信機201において、既にチューナーモジュール装置210に対応済みの処理ソフトウエアが存在する場合には、ソフトウエア変更の必要は無いと判断し、何もせずにそのまま視聴を続行する(S322)。
【0067】
一方、ソフトウエア変更が必要である場合には、デジタル放送受信機201をリセットして通常の起動シーケンスのステップS310へ移行するか(S324)、あるいは上述したステップS315へ移行する(S323)。
【0068】
<デジタル放送受信機からチューナーモジュール装置を取り外した際の処理>図8に示すように、デジタル放送受信機201が稼動中にチューナーモジュール装置210を取り外した場合には、チューナーモジュール装置210を取り外した後(S330)、ソフトウエアが変更されていたか否かを判定する(S331)。
【0069】
ここで判定に必要なデータは、現在RAM204にロードされて実行されている処理ソフトウエアが、デジタル放送受信機201の不揮発性メモリ203からロードされたのか、あるいはチューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212からロードされたのかを区別するためのフラグを、処理ソフトウエアをロードする際にRAM204に格納しておき、制御部202において判断する。
【0070】
取り外されたチューナーモジュール装置210によるソフトウエア変更が無いか、あるいは恒久的なソフトウエア変更の場合には、チューナーモジュール装置210を装着する前の処理ソフトウエアに戻す必要はないと判断し、何もせずにそのまま視聴を続行する(S332)。
【0071】
一方、取り外されたチューナーモジュール装置210によって一時的なソフトウエア変更がなされていた場合には、チューナーモジュール装置210を装着する前の処理ソフトウエアに戻すために、デジタル放送受信機201をリセットして通常の起動シーケンスのステップS310へ移行するか(S334)、あるいは上述したステップS312へ移行する(S333)。
【0072】
<バージョンアップソフトウエアの放送スケジュールを受信した場合の処理>チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に存在する処理ソフトウエアをバージョンアップする場合には、チューナーモジュール装置210を専用の治具に装着して不揮発性メモリ212を直接書き換える他に、デジタル放送受信機201にチューナーモジュール装置210を装着したまま、放送波のダウンロードによるバージョンアップを利用することもできる。
【0073】
この場合、放送されるダウンロードデータの放送スケジュールに対して、対象となる機器を判別するための管理情報として、メーカー番号、機種番号、グループ番号、処理ソフトウエアのバージョンなどを記録しておき、放送スケジュールの受信時に、装着されたチューナーモジュール装置210に対応しているか否かを判別する。
【0074】
すなわち、図9に示すように、チューナーモジュール装置210のバージョンアップソフトウエアの放送スケジュールを受信した後(S340)、バージョンアップの対象となるチューナーモジュール装置210が装着されているか否かを判定し(S341)、該当するチューナーモジュール装置210が装着されていない場合には何もしない(S342)。
【0075】
一方、バージョンアップの対象となるチューナーモジュール装置210が装着されている場合には、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に格納された処理ソフトウエアの変更の必要を判定する(S343)。
【0076】
ここで判定に必要なデータは、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に、チューナーモジュール装置の管理情報として、メーカー番号、機種番号、処理ソフトウエアのバージョンを記録しておき、制御部202において、受信したバージョンアップソフトウエアの管理情報と比較して判断する。そして、管理情報の比較によりバージョンアップの必要がないと判断された場合には、何もしない(S342)。
【0077】
一方、バージョンアップの必要がある場合には、バージョンアップソフトウエアを受信し(S344)、受信したバージョンアップソフトウエアを管理情報とともに、チューナーモジュール装置210の不揮発性メモリ212に書き込み(S345)、デジタル放送受信機201をリセットして通常の起動シーケンスのステップS310へ移行するか(S347)、あるいは上述したステップS312へ移行する(S346)。
【0078】
このように、チューナーモジュール装置210に対応する処理ソフトウエアを、チューナーモジュール装置210に保存することにより、同一ユーザーが別の機器にチューナーモジュール装置210を接続した場合であっても、最新の処理ソフトウエアを実行することができる。また、処理ソフトウエアの権利保護にも役立つ。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係るデジタル放送受信機によれば、ユーザーがデジタル放送受信機を使用していて、放送方式が変更され、あるいは追加されて、処理ソフトウエアの変更を必要とする場合に、デジタル放送受信機を全て交換するのではなく、チューナーモジュール装置を増設するだけで安価に対応することができる。また、増設に伴う処理ソフトウエアの変更も自動的に行われるため、ユーザーに余計な負担がかからない。
【0080】
また、本発明に係るデジタル放送受信機によれば、チューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアをチューナーモジュール装置に保存することにより、同一ユーザーが別の機器にチューナーモジュール装置を接続した場合であっても、最新の処理ソフトウエアを実行することができる。また、処理ソフトウエアの権利保護にも役立つ。
【0081】
また、本発明に係るデジタル放送受信機によれば、装着したチューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアに対して、ソフトウエア変更動作を自動的に行うことにより、チューナーモジュール装置を増設した際におけるユーザーの操作を簡易化するとともに、確実にソフトウエアの変更を行うことができる。
【0082】
また、本発明に係るデジタル放送受信機によれば、装着したチューナーモジュール装置用の処理ソフトウエアへの変更に際して、チューナーモジュール装置が装着されている間の一時的なものとするか、あるいはチューナーモジュール装置が取り外された後も残る恒久的なものとするかを、チューナーモジュール装置側から指定することにより、処理ソフトウエアの権利保護、およびデジタル放送受信機のソフトウエア管理に役立てることができる。
【0083】
また、本発明に係るデジタル放送受信機によれば、チューナーモジュール装置を取り外した際にソフトウエア変更が必要であれば、自動的にソフトウエア変更を行うことにより、チューナーモジュール装置を取り外す際におけるユーザーの操作を簡易化するとともに、確実にソフトウエア変更を行うことができる。
【0084】
本発明に係るチューナーモジュール装置によれば、デジタル放送における放送方式の追加などに安価に対応することができるとともに、ソフトウエア更新も簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るチューナーモジュール装置を装着するためのスロットを備えたデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るチューナーモジュール装置を接続するための接続端子を備えたデジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の斜視図である。
【図3】デジタル放送受信機およびチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】作業用メモリ内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】制御部内蔵型のチューナーモジュール装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】デジタル放送受信機におけるパワーオンまたはリセット時の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】デジタル放送受信機に対してチューナーモジュール装置を装着した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】デジタル放送受信機からチューナーモジュール装置を取り外した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】バージョンアップソフトウエアの放送スケジュールを受信した場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】従来のデジタル放送受信機の斜視図である。
【図11】従来のデジタル放送受信機の正面図である。
【図12】従来のデジタル放送受信機の右側面図である。
【図13】従来のデジタル放送受信機の内部構成を示すブロック図である。
【図14】従来のデジタル放送受信機における処理ソフトウエアの更新処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
101,201 デジタル放送受信機
102,210,220,230 チューナーモジュール装置
103 チューナーモジュール装置または増設端子
104 メモリカードスロット
105 外部信号入出力端子
202 制御部
203 不揮発性メモリ
204 RAM
205 チューナー
206 接続部
207 デコーダー
208 出力端子
211,221,231 接続部
212,222,233 不揮発性メモリ
213,224,235 チューナー
223,234 RAM
232 制御部
401 従来のデジタル放送受信機
402,510 従来のチューナーモジュール装置
403,520 メモリカード
501 受信機本体
502 RAM
503 不揮発メモリ
504 RAM
505,512 チューナー
506,507,511,521 接続部

Claims (2)

  1. 処理ソフトウェアを記憶する不揮発性メモリと、前記処理ソフトウェアを記憶手段に読み出して実行する制御手段とを備えたデジタル放送受信機において、
    内部に不揮発性メモリを有するチューナーモジュール装置を接続するためのチューナーモジュール装置接続手段と、
    前記チューナーモジュール装置が接続されているか否か判定するための接続判定手段と、
    前記接続判定手段により前記チューナーモジュール装置が接続されていると判定された場合に、処理ソフトウェアを変更するか否かを判定するためのソフトウェア変更判定手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記ソフトウェア変更判定手段により処理ソフトウェアの変更が必要であると判定された場合、前記チューナーモジュール装置の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを、前記記憶手段に読み出して実行し、前記接続判定手段によりチューナーモジュールの接続が解除された場合には、前記デジタル放送受信機の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを、前記記憶手段に読み出して実行することを特徴とするデジタル放送受信機。
  2. 処理ソフトウェアを更新するための更新情報を受信する更新情報受信手段を更に備え、
    前記接続判定手段は、前記更新情報に対応する処理ソフトウェアが記憶されているチューナーモジュール装置が接続されているか否かを判定する対応チューナー接続判定手段を有し、
    前記対応チューナー接続判定手段により、前記更新情報に対応する処理ソフトウェアが記憶されているチューナーモジュール装置が接続されていると判定された場合には、前記更新情報に基づいて、前記チューナーモジュール装置の不揮発性メモリに記憶されている処理ソフトウェアを更新するソフトウェア更新手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信機。
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