JP4174803B2 - 流体発電装置のブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、風等の作動流体エネルギーを回転エネルギーに変換し、電気エネルギーとして利用する流体発電装置のブレーキ制御装置に関する。
作動流体エネルギーを駆動源として発電を行う流体発電装置として、風力エネルギーを利用した風力発電装置が開発されており、その制動装置として発電機出力を抵抗負荷に切り替えて熱エネルギーに変換して放出するブレーキ(特許文献1)や油圧の供給により制動が解除される油圧式ディスクブレーキ(特許文献2)の技術が開示されている。
特開2002−315395 特開2002−303255
しかし、上述のブレーキ技術では、発電機出力を抵抗負荷に切り替えて制動をかける際や油圧を排出して制動をかける際に、制動力を制御することがないため、急激な制動により発電機本体や風車のブレードを損傷する恐れがある。また万一電源が落ちて、抵抗負荷への切換ができなかったり油圧の制御ができなくなった場合には、制動をかけられなくなったり、急激な制動により発電機本体や風車のブレードを損傷する恐れがあり、安全の観点から非常に問題であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その課題は、通常の制動時は制動力を制御してすみやかに安全に停止し、万一の場合にも回転軸の回転を確実に制動して安全に停止することができる流体発電装置のブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、作動流体エネルギーを駆動源として回転する翼回転軸と、この翼回転軸へ連結した発電機と、この発電機の回転数を検出する回転数検出装置と、前記発電機を制動するために設けられ、ブレーキ作動流体圧の供給により制動が解除され、かつブレーキ作動流体圧の排出により制動するように構成されたブレーキ装置と、作動流体の流速を検出する流速検出装置と、前記回転数検出装置から出力された回転数信号および前記流速検出装置から出力された流速信号を入力し、回転数信号に応じた制御指令を出力する制御回路と、前記回転数検出装置から出力された回転数信号と事前に測定した前記流体発電装置の特性から算出したブレーキトルク特性からブレーキトルク量を算出するブレーキトルク量算出回路と、前記制御回路からの指令信号およびブレーキトルク量算出回路からのブレーキトルク量信号に対応してブレーキトルク量を増減するブレーキ制御回路と、このブレーキ制御回路からのブレーキトルク変更信号に従って前記ブレーキ装置のブレーキトルクを変更するブレーキトルク変更回路と、前記制御回路からの指令信号によって作動し、ブレーキ作動流体圧を前記ブレーキ装置に供給する流路と当該ブレーキ装置のブレーキ作動流体圧を排出するとともに排出速度可変機構を備えた流路を切り換えるブレーキ切換回路と、を備え
作動流体エネルギーによる発生トルクに一定の制動トルクを加えたブレーキトルクが発生するように、前記回転検出装置で検出した回転数信号が予定の回転数以上か否かで前記制御回路からの指令信号によって前記ブレーキ切換回路を制御してブレーキ作動流体圧を前記ブレーキ装置に供給する流路と前記排出速度可変機構側の流路とを切り換えることを特徴とする。
本発明の請求項は、請求項記載の流体発電装置のブレーキ制御装置において、制御電源を喪失した場合に作動するブレーキ切換回路を備え、制御電源喪失時においても制動時の急激な停止を防ぐことを特徴とする。
本発明によれば、通常の制動時は制動力を制御してすみやかに安全に停止し、万一の場合にも回転軸の回転を確実に制動して安全に発電することができる流体発電装置のブレーキ制御装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図を参照して説明する。
図1に示す本発明の実施例である流体発電装置は、作動流体エネルギーとして風力エネルギーを利用し、この風力エネルギーを回転エネルギーに変換し、さらに電気エネルギーとして利用する風力発電装置である。
図1に示すように、本実施例の風力発電装置は、風車1の翼回転軸2に発電機3が連結されている。また、制動用のブレーキ装置4と風車1の回転数を検出する回転数検出装置5が設けられている。作動流体の流速を測定する流速検出装置6で検出した流速信号は、制御回路部7へ入力される。回転数検出装置5で検出した回転数信号も、制御回路部7へ入力される。またこの回転数信号は、ブレーキトルク量算出回路8へ入力される。そして、制御回路7からの指令信号とブレーキトルク量算出回路8にて算出されたブレーキトルク量信号は、ブレーキ制御回路9へ入力される。ブレーキ制御回路9は、制御回路7からの指令信号に従って、ブレーキトルク変更回路10にブレーキトルク変更信号を出力する。ブレーキトルク変更回路10は、ブレーキトルク変更信号に従って、ブレーキ装置4のブレーキトルクを変更する。また、ブレーキ切換回路11は、制御回路7からの信号および制御電源のON−OFFによって作動し、ブレーキ制御回路9とは別系統でブレーキ装置4のブレーキトルクを変更する。
次に、上記の流体発電装置のブレーキ作動流体圧系の作用を図2について説明する。
図2は本発明の実施例の流体発電装置のブレーキ作動流体圧系のブレーキ作動流体圧回路図であり、ブレーキ作動流体は、油・空気などの流体であればなんでも良い。
図2において、ブレーキ作動流体圧源12よりの作動流体は、ブレーキトルク変更回路10およびブレーキ切換回路11を介してブレーキ装置4を作動する。ブレーキ切換回路11は、ブレーキ作動流体圧をブレーキ装置4に供給する流路とブレーキ装置4の作動流体圧を排出する流路を切り換える。排出流路には排出速度可変機構13が設置されており、作動流体の排出速度を可変できる。ブレーキ装置4は流体圧の供給により制動が解除されるので、逆に流体圧を排出することで制動する。
また、図3は本発明の実施例の風車1の風速・回転数による発生トルク特性図である。風速が同じ時は、発生トルクは回転数の上昇とともに上昇し、あるピーク値を過ぎると逆に下降する山型を形成する。この山型は風速の上昇とともに大きく、高くなって行き、山型の頂点はより高回転域へと移動する。この結果、各風速における頂点より低回転側では、風速にかかわらず同一回転数でほぼ同一のトルクを発生する(線図が重なる)ことが多くなる。この部分を包絡したのが包絡線L1である。この包絡線L1は、ある回転数N1以下における発生トルク特性を示しており、これに一定の制動トルクT1を加えたのがブレーキトルク特性L2である。このようにブレーキトルクをかけると、ブレーキトルクと発生トルクの差T1が常に同じであり、一定の制動トルクT1によって安全に減速するようになる。本実施例の流体発電装置では、回転数検出装置5からの過回転異常信号や流速検出装置6からの過風速異常信号、あるいは通常停止信号などを制御回路7が受け取った場合、回転数信号に応じてブレーキ制御回路9はN1以上であればブレーキトルク量を漸増し、N1以下では図3のブレーキトルク特性に応じたブレーキトルクを発生するよう制御する。N1以上においてブレーキトルク量を漸増するのは、急激なブレーキトルク付加による急制動によって発電機本体や風車のブレードを損傷することを防ぐためであり、すみやかに回転数がN1以下になった時には図3のブレーキトルク特性に応じたブレーキトルクを発生して、一定の制動トルクT1によって安全に減速する。
また、回転数検出装置5からの過回転異常信号や流速検出装置6からの過風速異常信号を超えた場合に出る機器異常信号、あるいは緊急停止信号などを制御回路7が受け取った場合、ブレーキ制御回路9を介さずにブレーキ切換回路11がブレーキ装置4の作動流体圧を排出するよう流路を切り換える。ブレーキ装置4は流体圧を排出することで制動する。排出流路には排出速度可変機構13が設置されているので、作動流体の排出速度を適切に設定することにより、ブレーキ装置4の制動力を適正にすることができ、流体発電装置は安全に停止する。
また、制御電源が落ちて制御回路7が全く働かなかった場合においても、電源OFFによってブレーキ切換回路11はブレーキ装置4の作動流体圧を排出するよう流路を切り換える。この場合も上記実施例と同様にブレーキ装置4の制動力を適正にすることができ、流体発電装置は安全に停止する。
本発明の実施例の流体発電装置の制御構成のブロック線図。 本発明の実施例の流体発電装置のブレーキ作動流体圧系のブレーキ作動流体圧回路図。 本発明の実施例の風車の風速・回転数による発生トルク特性図。
符号の説明
1…風車、2…翼回転軸、3…発電機、4…ブレーキ装置、5…回転数検出回路、6…流速検出回路、7…制御回路、8…ブレーキトルク量算出回路、9…ブレーキ制御回路、10…ブレーキトルク変更回路、11…ブレーキ切り換え回路、12…ブレーキ作動流体圧源、13…排出速度可変機構。

Claims (2)

  1. 作動流体エネルギーを駆動源として回転する翼回転軸と、この翼回転軸へ連結した発電機と、この発電機の回転数を検出する回転数検出装置と、前記発電機を制動するために設けられ、ブレーキ作動流体圧の供給により制動が解除され、かつブレーキ作動流体圧の排出により制動するように構成されたブレーキ装置と、作動流体の流速を検出する流速検出装置と、前記回転数検出装置から出力された回転数信号および前記流速検出装置から出力された流速信号を入力し、回転数信号に応じた制御指令を出力する制御回路と、前記回転数検出装置から出力された回転数信号と事前に測定した前記流体発電装置の特性から算出したブレーキトルク特性からブレーキトルク量を算出するブレーキトルク量算出回路と、前記制御回路からの指令信号およびブレーキトルク量算出回路からのブレーキトルク量信号に対応してブレーキトルク量を増減するブレーキ制御回路と、このブレーキ制御回路からのブレーキトルク変更信号に従って前記ブレーキ装置のブレーキトルクを変更するブレーキトルク変更回路と、前記制御回路からの指令信号によって作動し、ブレーキ作動流体圧を前記ブレーキ装置に供給する流路と当該ブレーキ装置のブレーキ作動流体圧を排出するとともに排出速度可変機構を備えた流路を切り換えるブレーキ切換回路と、を備え
    作動流体エネルギーによる発生トルクに一定の制動トルクを加えたブレーキトルクが発生するように、前記回転検出装置で検出した回転数信号が予定の回転数以上か否かで前記制御回路からの指令信号によって前記ブレーキ切換回路を制御してブレーキ作動流体圧を前記ブレーキ装置に供給する流路と前記排出速度可変機構側の流路とを切り換えることを特徴とする流体発電装置のブレーキ制御装置。
  2. 請求項記載の流体発電装置のブレーキ制御装置において、制御電源を喪失した場合に作動するブレーキ切換回路を備え、制御電源喪失時においても制動時の急激な停止を防ぐことを特徴とする流体発電装置のブレーキ制御装置。
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