JP4174782B2 - スキー板の先端部連結器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキーの初心者等が使用するのに適したスキー練習用の器具に関するものであり、特に、スキー板の先端部同士を連結させるためのスキー板の先端部連結器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スキー技術の習得のための器具として、スキー板の先端部連結器具が種々提案されている。
【0003】
例えば、実用新案登録第3038434号(実願平8−10800号)においては、一対のスキー板の先端部を弾性連結体(コイルスプリング)と可撓性ワイヤにて連結し、スキー操作に一定の自由度を残しながらもスキー板の先端の相互間隔が適度に保たれるようにした「スキー連結具」が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のスキー連結具においては、単にスキー板の先端部間の間隔を一定に保つことには適するものの、スキー板の先端部の位置関係の自由度が大きすぎるとか、万一の場合のスキー板の先端部の分離が困難であるなどの理由から、実際のスキー技術の習得にはあまり適さないといった問題や、安全性に疑問があるといった問題がある。
【0005】
一方、スキー板の先端部の位置関係の自由度をある程度制限するとともに、万一の場合のスキー板の先端部の分離が可能であるスキー板の先端部連結器具としては、特公平6−59338号(特願昭63−38448号)に記載の「スキー先端連結装置」が知られている。
【0006】
ところが、このスキー先端連結装置においては、連結装置が伸縮性を全く有さないため、スキー板の先端部間の位置関係が規制(固定)されすぎており、スキー板の操作が窮屈であり、この連結装置にて対応できるスキー技術の練習は、極めて限られた範囲のものとなってしまうとか、スキーそのものが面白くなくなってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、軽量かつコンパクトで、適度な柔軟性を保ちつつスキー板の先端部同士を連結することができ、簡単かつ安全に使用できるスキー板の先端部連結器具を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、スキー板の先端部間の位置関係が適度に規制され、スキー技術を正しく習得することができ、しかも対応できるスキー技術の幅が広く、楽しくスキー技術の向上を図ることができるスキー板の先端部連結器具を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、スキー板の先端部に対して簡単かつ確実に装着することができ、また、簡単に取り外すことができるスキー板の先端部連結器具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の採った手段は、「左右一対のスキー板の先端部Sにそれぞれ取り付けられる一対の固定部材20と、当該両固定部材20の内端部28に上下方向に突設された係止突部29と、当該係止突部29と着脱可能かつ前後方向に相対回動可能に嵌合する少なくとも2つの係合穴31が設けられた板状の弾性材料からなる連結部材30と、前記連結部材30の中央部に突設された回動規制部32であって、前記固定部材20と当接することにより前記連結部材30と両固定部材20との相対回動角度を制限する回動規制部32と、を有することを特徴とするスキー板の先端部連結器具10」である。
【0011】
従って、このスキー板の先端部連結器具10によれば、スキー板の先端部Sに取り付けられる固定部材20同士が板状の弾性材料からなる連結部材30を介して互いに連結され、スキー板の先端部Sが互いに略一定の間隔に保たれるとともに、前後方向の相対位置が変更される。
【0012】
また、連結部材30が弾性変形可能であることから、スキー板の先端部S同士をねじれの位置関係とし、スキーを行うことも可能となる。
【0013】
さらに、回動規制部32により、スキー板の先端部S同士の前後方向の相対位置が一定の範囲に制限されるため、スキー板の先端部Sまたは固定部材20同士が衝突してスキー板または固定部材20に傷が付いたり、安定した滑走を妨げるということがない。
【0014】
さらに、固定部材20の係止突部29と連結部材30の係合穴31は、互いに着脱可能であるため、転倒の際等においてスキー板の先端部S同士の連結を自然に解除して安全性を高めたり、任意に両者の嵌合状態を外すことで、この練習用具を使用しない場合(休憩したり、歩いたり、リフトに乗る場合等)に、簡単に通常の状態とすることができる。
【0015】
請求項2に記載の本発明は、「前記固定部材20は、スキー板の先端部Sに対して着脱可能に取り付けられるべく、スキー板の先端部Sを挟み込んで圧着することができるカムロックレバー23が軸着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のスキー板の先端部連結器具10」である。
【0016】
従って、このスキー板の先端部連結器具10においては、カムロックレバー23を回動操作することで簡単かつ確実にスキー板の先端部Sに固定部材20が装着される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のスキー板の先端部連結器具の実施の形態(一実施例)について図面に従って説明する。
【0018】
本発明を具体化したスキー板の先端部連結器具10は、図1に示すように、合成樹脂等にて左右対称に形成された一対の固定部材20を備えている。この固定部材20は、図1〜3に示すように、板材の端部をチャンネル状に屈曲させたような形状(2つの壁部21とその間の谷部22とからなる形状)となっており、その2つの壁部21は、スキー板の先端部Sの間隔と対応するように所定間隔だけ離れて設けられている。
【0019】
そして、図4に示すように、その壁部21の内面間にはカムロックレバー23が回動可能に軸着されているが、このカムロックレバー23の下面と、固定部材20の谷部22の上面との間には、スキー板の先端部Sの厚みより若干大きな間隔を有するようになっている。
【0020】
さらに、カムロックレバー23は、それを引き起こした状態における固定部材20の谷部22の上面との距離が、カムロックレバー23を倒した状態における固定部材20の谷部22の上面との距離よりも大きくなるように、カムロックレバー23の回動中心軸24の周辺部の径が変更されている。
【0021】
従って、このカムロックレバー23を引き起こした状態でその下方にスキー板の先端部Sを挿入した後、カムロックレバー23を回動させて倒し、カムロックレバー23が固定部材20の谷部22の上面と略平行となるように操作すると、カムロックレバー23の下面と固定部材20の谷部22の上面との間にスキー板の先端部Sが挟み込まれて圧着することができるようになっている。
【0022】
尚、この固定部材20の谷部22の上面には、図3及び図4に示すようにゴムからなるスペーサー(クッション材)25がその底面に突設された突起26が谷部22の孔27に嵌合することにより、着脱可能に取り付けられている。
【0023】
従って、このスペーサー25によってカムロックレバー23と固定部材20の谷部22との間隔を調整できるようになっている。
【0024】
このスペーサー25は、その中央部を境にその厚みが異なるようになっているため、固定部材20の谷部22の上面に対する取り付け方向を180度変更することで、カムロックレバー23と固定部材20との間隔を変更し、厚さの異なるスキー板に対応できるようになっている。
【0025】
前記左右一対の固定部材20は、図1及び図3に示すように、その内端側の壁部21の上端部が側方に折り曲げられるように延長されることにより、内端部28が斜め前方へ膨出形成されており、その内端部28の下面には、略上下方向に沿って突設された係止突部29が設けられている。
【0026】
そして、前記両固定部材20同士を互いに連結すべく、両連結部材20の内端部28には、板状の弾性材料からなる連結部材30が取り付けられている(図5参照)。この連結部材30には、前記両固定部材20の内端部28の前記係止突部29に対し、着脱可能かつ略前後方向に相対回動可能に嵌合する係合穴31が設けられている。
【0027】
さらに、前記連結部材30の略中央部には、図1及び図6に示すように、回動規制部32が突設されている。この回動規制部32は、前記固定部材20の内端部28と当接することにより前記連結部材30と両固定部材20との相対回動角度を制限するようになっている。
【0028】
次に、上記のように構成されたスキー板の先端部連結器具10の使用方法について説明する。
【0029】
このスキー板の先端部連結器具10を使用するには、図2に示すようにカムロックレバー23を引き起こした状態で、固定部材20の谷部22の上面(スペーサー25の上面)にスキー板の先端部Sを載置し、その後、カムロックレバー23を回動させて倒し、カムロックレバー23が固定部材20の谷部22の上面と略平行となるように操作する。すると、図4に示すようにカムロックレバー23の下面と固定部材20の谷部22の上面(スペーサー25の上面)との間にスキー板の先端部Sが挟み込まれて圧着することができるようになっている。
【0030】
尚、スペーサー25の厚みとスキー板の先端部Sの厚みとが適合しない場合には、スペーサー25の取り付け方向を逆転させたり、別途用意した異なる厚みのスペーサー25を使用してスキー板が確実に固定部材20に取り付けられるようにする。
【0031】
そして、連結部材30に設けられた2つの係合穴31に対し、両固定部材20の各係止突部29を嵌合し、前記両固定部材20同士を互いに連結する。
【0032】
以上の操作により、スキー板の先端部S同士を簡単かつ正確に連結させることができるが、固定部材20をスキー板の先端部Sに装着する前に予め両固定部材20に連結部材30を取り付けておいてからスキー板の先端部Sに固定部材20を装着してもよい。
【0033】
そして、このスキー板の先端部連結器具10においては、スキー板の先端部Sに取り付けられる固定部材20同士が板状の弾性材料からなる連結部材30にて互いに連結されるため、スキー板の先端部Sが互いに略一定の間隔に保たれるとともに、前後方向の相対位置を変更することも容易である。
【0042】
特に、このスキー板の先端部連結器具10においては、両足(両スキー板)を平行にした状態としたり、両足の先端側を閉じ後端側を開いた状態とすることができるばかりか、連結部材30が弾性変形可能であることから、図7及び図8に示すようにスキー板の先端部S同士をねじれの位置関係とすることもできる。
【0034】
従って、このスキー板の先端部連結器具10においては、スキー板をかなり自由に操作して、種々のスキー技術を習得することができる。
【0035】
さらに、回動規制部32により、スキー板の先端部S同士の前後方向の相対位置が一定の範囲に制限されるため、図10に示すようにスキー板の先端部Sが回りすぎてスキー板の先端部Sまたは固定部材20同士が衝突してスキー板または固定部材20に傷が付くことを防ぐことができ、しかも、安定した滑走を得ることができる。
【0036】
さらに、固定部材20の係止突部29と連結部材30の係合穴31は、互いに着脱可能であるため、両者の嵌合状態を外すことで、この練習用具を使用しない場合に、簡単に通常の状態とすることができ、休憩したり、歩行したり、リフトに乗ったりする場合に便利である。
【0037】
また、カムロックレバー23を操作することで簡単かつ確実にスキー板の先端部から固定部材20を外すことができる。
【0038】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、図9及び図10に示すように、前記実施例における回動規制部32を省略して実施したり、固定部材20、連結部材30、スペーサー25、係止突部29、係合穴31等の形状、寸法、取り付け位置、数量、材質等を適宜変更して実施してもよい。
【0039】
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、固定部材20の上面に係止突部を突設し、連結部材30を固定部材20の上面側に取り付けるようにして実施したり、連結部材30に3つ以上の係合穴31を設け、その任意の係合穴31に固定部材20の係止突部29を嵌合するようにし、固定部材20間の距離(スキー板の先端部S間の間隔)を変更できるようにして実施してもよい。
【0040】
また、カムロックレバー23を使用しないでネジにて固定部材20をスキー板の先端部Sに締め付け固定するようにしたり、バネにてスキー板を弾性的に挟み込むようにして固定部材20をスキー板の先端部Sに固定するようにして実施してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のスキー板の先端部連結器具は、構造が簡単であるため、軽量かつコンパクトに製造可能であり、しかも取り扱いが容易で、簡単かつ安全にスキー板の先端部同士を適度の柔軟性を保ちながら連結することができる。
【0042】
また、連結部材は、両固定部材の内端部に対し、2点にてそれぞれ略前後方向に相対回動可能に取り付けられるため、スキー板の先端部の前後方向の相対位置の変更を容易に行うことができる。
【0043】
従って、本発明のスキー板の先端部連結器具は、固定部材と連結部材とによってスキー板の先端部間の位置関係を適度に規制し、初心者等がスキー技術を正しく習得することができ、しかも対応できるスキー技術の幅が広く、楽しくスキー技術の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0044】
本発明においては、スキー板の先端部に取り付けられる固定部材同士は、板状の弾性材料からなる連結部材を介して互いに適度な柔軟性を保ちつつ連結される。従って、スキー滑走中において、スキー板の先端部は、互いに略一定の間隔を保つとともに、前後方向の相対位置を適宜変更することも容易である。
【0045】
さらには、板状の連結部材が適度に弾性変形可能であることから、スキー板の先端部同士をねじれの位置関係とし、スキーを行うこともできる。
【0046】
本発明においては、スキー板の先端部に取り付けられる固定部材同士が弾性材料からなる連結部材を介して互いに連結され、スキー板の先端部が互いに略一定の間隔を保つとともに、前後方向に相対位置を適宜変更することも容易である。
【0047】
さらには、連結部材が弾性変形可能であることから、スキー板の先端部同士をねじれの位置関係とし、スキーを行うこともできる。
【0048】
本発明においては、スキー板の先端部同士の前後方向の相対位置が一定の範囲に制限され、スキー板の先端部または固定部材同士が衝突してスキー板または固定部材に傷が付いたり、安定した滑走を妨げることがないという優れた効果を奏する。
【0049】
特に、請求項1に記載の本発明においては、請求項1に記載の本発明と同様に、スキー板の先端部に取り付けられる固定部材同士が板状の弾性材料からなる連結部材を介して互いに連結され、スキー板の先端部が互いに略一定の間隔を保つとともに、前後方向に相対位置を適宜変更することも容易である。
【0050】
また、板状の連結部材が適度に弾性変形可能であることから、スキー板の先端部同士をねじれの位置関係とし、スキーを行うこともできる。
【0051】
さらに、連結部材の回動規制部により、スキー板の先端部同士の前後方向の相対位置が一定の範囲に制限されるため、スキー板の先端部または固定部材同士が衝突してスキー板または固定部材に傷が付いたり、安定した滑走を妨げるということがない。
【0052】
さらに、固定部材の係止突部と連結部材の係合穴は、互いに着脱可能であるため、両者の嵌合状態を外すことで、この練習用具を使用しない場合に、簡単に通常の状態とすることができるという優れた効果を奏する。
【0053】
本発明においては、ロックレバーを操作することで簡単かつ確実にスキー板の先端部に固定部材を装着することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】 本発明のスキー板の先端部連結器具の使用状態を示す斜視図。
【図2】 本発明のスキー板の先端部連結器具の固定部材とそのカムロックレバーを示す斜視図。
【図3】 本発明のスキー板の先端部連結器具の固定部材とスペーサーを示す分解斜視図。
【図4】 スキー板の先端部に装着された本発明のスキー板の先端部連結器具の固定部材の断面図。
【図5】 本発明のスキー板の先端部連結器具の連結部材を示す平面図。
【図6】 本発明のスキー板の先端部連結器具の連結部材を示す正面図。
【図7】 本発明のスキー板の先端部連結器具の使用状態を示す平面図。
【図8】 本発明のスキー板の先端部連結器具の使用状態を示す斜視図。
【図9】 本発明の他の実施例のスキー板の先端部連結器具を示す平面図。
【図10】 本発明の他の実施例のスキー板の先端部連結器具の使用状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0055】
10 スキー板の先端部連結器具
20 固定部材
21 壁部
22 谷部
23 カムロックレバー
24 中心軸
25 スペーサー
26 突起
27 孔
28 内端部
29 係止突部
30 連結部材
31 係合穴
32 回動規制部
S 先端部
Claims (2)
- 左右一対のスキー板の先端部にそれぞれ取り付けられる一対の固定部材と、
当該両固定部材の内端部に上下方向に突設された係止突部と、
当該係止突部と着脱可能かつ前後方向に相対回動可能に嵌合する少なくとも2つの係合穴が設けられた板状の弾性材料からなる連結部材と、
前記連結部材の中央部に突設された回動規制部であって、前記固定部材と当接することにより前記連結部材と両固定部材との相対回動角度を制限する回動規制部と、
を有することを特徴とするスキー板の先端部連結器具。 - 前記固定部材は、スキー板の先端部に対して着脱可能に取り付けられるべく、スキー板の先端部を挟み込んで圧着することができるカムロックレバーが軸着されていることを特徴とする請求項1に記載のスキー板の先端部連結器具。
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