JP4174566B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、当たり判定の際に使用する計数の値の取得タイミングを外部から制御することによって、パチンコ機を不正に当たり状態にする所謂「ぶらさげ基板」による不正を防止するパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機においては、ハード構成により一定間隔で発生するリセット信号毎に、蛍光管表示データ転送の処理、スイッチ入力の処理、当たり判定の処理等の各動作処理プログラムを順次に実行することにより、パチンコ機を動作させている。そして、当たり判定の処理においては、リセット信号毎に変化する計数の値に基づいて当たり判定を行っている。
【0003】
例えば、第1種パチンコ機の場合では、第1始動口にパチンコ球が入球したときに取得される計数の値が、予め設定された「当たり値」であるか否かを判断することにより、当たり判定の処理を行っている。
【0004】
従って、リセット信号毎に変化する計数の値が「当たり値」であるときに、第1始動口にパチンコ球が入球しなければ、パチンコ機を当たりの状態にさせることはできない。また、リセット信号は「msec」単位の一定間隔で発生しており、「msec」単位で変化する計数の値を遊技者が認識することはできないので、計数の値が「当たり値」であるときを狙って、遊技者が第1始動口にパチンコ球を入球させることは不可能である。すなわち、遊技者側からするならば、パチンコ機を当たりの状態にするには、第1始動口にパチンコ球を次々に入球させる以外に方法がなく、言い換えれば、当たり判定の処理の際に使用する計数の値として「当たり値」が取得されたか否かは、第1始動口に入球するパチンコ球の偶然性に大きく左右されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、当たり判定の処理の際に使用する計数の値は、一定間隔で発生するリセット信号毎に一定の加算値が加算されることにより一定範囲内を周期的かつ順次に変化するものであるから、計数の値が「当たり値」に変化する時点は周期的に訪れることになり、計数の値が「当たり値」になる時点を何らかのハードウエアで認識することができれば、その後に計数の値が「当たり値」になる時点を予測することも可能となる。
【0006】
そして、近年においては、所謂「ぶらさげ基板」を主基板に不正に接続して、計数の値が「当たり値」になる時点をハード構成により認識し、計数の値が「当たり値」になると予測した時点に、第1始動口にパチンコ球が入球したことを示す信号を主基板へ送信して、当たり判定の処理の際に使用する計数の値として「当たり値」を取得させることにより、パチンコ機を当たりの状態にする不正行為が多発しており、かかる不正を防止する必要性が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、当たり判定の処理の際に使用する計数の値の変化を外部から予測することを不可能にすることによって、所謂「ぶらさげ基板」による不正行為の防止を図ったパチンコ機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために成された請求項1に係るパチンコ機は、「msec」単位の一定間隔で発生する信号毎に各動作処理プログラムを順次に実行するとともに、電源投入直後に初期化され、その後に発生した前記信号毎に一定の加算値が加算されることにより所定範囲内を周期的かつ順次に変化する第1計数の値に基づいて当たり判定を行うパチンコ機であって、電源投入直後に実行される初期化処理プログラム及び前記信号が発生する毎に実行される前記当たり判定を含む最後の動作処理プログラムの実行が終了した後から新たな前記信号が発生するまでの待機時間内で、前記当たり判定には関与しない第1計数とは異なる第2計数の値を、第1計数の値に拘わらず一定の加算値を加算しつつ順次繰り返して更新する更新手段と、所定時に前記第2計数の値を前記第1計数に代入する代入手段と、を備え、前記第1計数は前記代入された値から続けて計数されることを特徴する。
【0009】
【0010】
このような構成を有する本発明のパチンコ機においては、一定間隔で発生する信号毎に各動作処理プログラムを順次に実行することによって、パチンコ機の動作を行っており、かかる動作処理プログラムの一つである当たり判定の処理においては、第1計数の値に基づいて行っている。
【0011】
このとき、第1計数の値は、原則として、信号毎に加算値が加算されることによって、第1範囲内を周期的かつ順次に変化している。また、第2計数の値は、最後の動作処理プログラムの実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において、第1範囲内又は第1範囲とは異なる第2範囲内において変化している。尚、各動作処理プログラムはパチンコ機の状況によって実行されるものと実行されないものがあり、リセット信号毎の待機時間はランダムになることから、第2計数の値の変化を外部から予測することは不可能となる。
【0012】
さらに、第2計数の値から算出された第1範囲内の算出値を第1計数に代入することによって、第1計数の値を代入時の値から算出値まで飛び越して変化させたり、第2計数の値に基づいて加算値を変更することによって、第1計数の値を不規則に変化させたりすれば、第1計数の値の変化も外部から予測することは不可能となる。
【0013】
すなわち、本発明のパチンコ機は、その変化を外部から予測することができない第2計数の値に基づいて第1計数の値を変更しており、当たり判定の処理の際に使用する第1計数の値の変化を外部から予測することを不可能にしているので、所謂「ぶらさげ基板」による不正行為を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。第1実施の形態のパチンコ機を、図1〜図3を参照にして説明する。第1実施の形態のパチンコ機は、第1種パチンコ機である。そして、ハード構成により「msec」単位の一定間隔で発生する、リセット信号である「リセット割込み」毎に、各動作処理プログラムを順次に実行することによって、パチンコ機自身を動作させるものである。
【0015】
先ず、第1実施の形態のパチンコ機の動作について説明する前に、動作処理プログラムの一つである当たり判定の処理について説明する。第1実施の形態のパチンコ機においては、当たり判定の処理のために、変数である第1計数RNDをRAMに設けている。かかる第1計数RNDは、電源投入時に値「AX」からスタートし、以後、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に加算値Nである値「N1」が加算され、値「AY」になれば値「AX」に書き換えられて、第1範囲である値「AX」から値「AY」の間を変化するものである。尚、このような第1計数RNDの値の変化は、後述する図1のS7の第1計数更新の処理が「リセット割込み」毎に実行されることによって、行われる。
【0016】
このように、「リセット割込み」毎に値「N1」が加算されることにより値「AX」から値「AY」の間を周期的かつ順次に変化する第1計数RNDを、第1始動口にパチンコ球が入球した際に取得し、その取得値が「当たり値」として予め設定されていた値「AM」と一致するか否かによって、当たり判定の処理を行っている。尚、当たり判定の処理は、後述する図1のS6の中の動作処理プログラムの一つとして、「リセット割込み」毎に実行される。また、第1計数RNDの値を取得する動作は、第1始動口にパチンコ球が入球したか否かを「リセット割込み」毎に判断し、第1始動口にパチンコ球が入球したと判断した場合のみ、その「リセット割込み」内で行われる。
【0017】
次に、第1実施の形態のパチンコ機の動作について説明する。図1に示すように、第1実施の形態のパチンコ機においては、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に、各動作処理プログラムを順次に実行している。すなわち、「リセット割込み」が発生すると、S1において、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであるか否かを判断する。
【0018】
現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断した場合には(S1:Yes)、S3において、第1計数RNDに値「AX」を代入する等の処理を行うことにより、RAMを初期化する。そして、S5において、第2計数更新の処理を、動作処理プログラムの一部として、実行する。
【0019】
ここで、S5の第2計数更新の処理について、図2を参照にして説明する。第2計数更新の処理(図1のS5)においては、RAMに設けられた変数である第2計数SYCを、第1範囲である値「AX」から値「AY」の間で変化させている。すなわち、図2に示すように、S20において、第2計数SYCが値「AY」以上であるか否かを判断し、第2計数SYCが値「AY」以上であると判断した場合には(S20:Yes)、S21において、第2計数SYCに値「AX」を代入する一方、第2計数SYCが値「AY」以上でないと判断した場合には(S20:No)、S22において、第2計数SYCに値「N1」を加算する。このように、第2計数SYCを値「AX」から値「AY」の間で変化させる第2計数更新の処理(図1のS5)は、図1のS3の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において、繰り返し行われる。
【0020】
図1に戻り、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものでないと判断した場合には(S1:No)、S2において、蛍光管表示データ転送の処理等の動作処理プログラムの一部を順次に実行し、S6において、当たり判定の処理や停止図柄作成の処理等の動作処理プログラムの一部を順次に実行し、S7において、第1計数更新の処理を、動作処理プログラムの一部として、実行する。
【0021】
ここで、S7の第1計数更新の処理について、図3を参照にして説明する。第1計数更新の処理(図1のS7)においては、RAMに設けられた変数である第1計数RNDを、第1範囲である値「AX」から値「AY」の間で変化させている。すなわち、図3に示すように、S30において、第1計数RNDに値「N1」を加算し、その後のS31において、第1計数RNDが値「AY+N1」以上であるか否かを判断し、第1計数RNDが値「AY+N1」以上であると判断した場合のみ(S31:Yes)、S32において、第1計数RNDに値「(AY−AX)+N1」を減算する。かかる第1計数更新の処理(図1のS7)が実行されると、図1のS8に進む。
【0022】
図1のS8においては、現在の「リセット割込み」における、S6の中の当たり判定の処理において、当たりと判定されたか否かを判断し、当たり判定の処理で当たりと判定されたと判断した場合には(S8:Yes)、S9において、第1計数RNDに第2計数SYCの値を代入した後に、S10に進む。一方、当たり判定の処理で当たりと判定されたと判断しない場合には(S8:No)、何もすることなく、S10に進む。
【0023】
次のS10においては、既に述べたS5の第2計数更新の処理と同様な、第2計数更新の処理を行う(図2参照)。S5と同様にして、第2計数SYCを値「AX」から値「AY」の間で変化させる第2計数更新の処理(S10)は、S8又はS9の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において、繰り返し行われる。
【0024】
以上詳細に説明したように、第1実施の形態のパチンコ機においては、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断した場合には(S1:Yes)、S3とS5の各動作処理プログラムを順次に実行することによって、また、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断しない場合には(S1:No)、S2とS6からS10までの各動作処理プログラムを順次に実行することによって、パチンコ機の動作を行っており(図1参照)、かかる動作処理プログラムの一つである当たり判定の処理においては(S6)、第1始動口にパチンコ球が入球した際に取得された第1計数RNDの値に基づいて行っている。
【0025】
このとき、第1計数RNDは、原則として、「リセット割込み」毎に値「N1」が加算されることによって、値「AX」から値「AY」の間を周期的かつ順次に変化している(図1のS7、図3のS30〜S32)。また、第2計数SYCは、図1のS3の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において(S5)、また、S8又はS9の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において(S10)、値「AX」から値「AY」の間において変化している。尚、S2、S3、S6等の各動作処理プログラムはパチンコ機の状況によって実行されるものと実行されないものがあり、「リセット割込み」毎の待機時間はランダムになることから、第2計数SYCの値の変化を外部から予測することは不可能である。
【0026】
さらに、S6の中の当たり判定の処理において、当たりと判定されたと判断した場合に(S8:Yes)、第2計数SYCの値を第1計数RNDに代入することによって(S9)、第1計数RNDの値を代入時の値から第2計数SYCの値まで飛び越して変化させているので、第1計数RNDの値の変化も外部から予測することは不可能となる。
【0027】
すなわち、第1実施の形態のパチンコ機は、その変化を外部から予測することができない第2計数SYCに基づいて第1計数RNDの値を変更しており、当たり判定の処理の際に使用する第1計数RNDの値の変化を外部から予測することを不可能にしているので、所謂「ぶらさげ基板」による不正行為を防止することができる。
【0028】
次に、第2実施の形態のパチンコ機を、図4〜図7を参照にして説明する。第2実施の形態のパチンコ機は、第1種パチンコ機である。そして、ハード構成により「msec」単位の一定間隔で発生する、リセット信号である「リセット割込み」毎に、各動作処理プログラムを順次に実行することによって、パチンコ機自身を動作させるものである。
【0029】
先ず、第2実施の形態のパチンコ機の動作について説明する前に、動作処理プログラムの一つである当たり判定の処理について説明する。第2実施の形態のパチンコ機においては、当たり判定の処理のために、変数である第1計数RNDをRAMに設けている。かかる第1計数RNDは、電源投入時に値「AX」からスタートし、以後、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に加算値Nが加算され、値「AY」になれば値「AX」に書き換えられて、第1範囲である値「AX」から値「AY」の間を変化するものである。尚、このような第1計数RNDの値の変化は、後述する図4のS47の第1計数更新の処理が「リセット割込み」毎に実行されることによって、行われる。
【0030】
このように、「リセット割込み」毎に加算値Nが加算されることにより値「AX」から値「AY」の間を周期的かつ順次に変化する第1計数RNDを、第1始動口にパチンコ球が入球した際に取得し、その取得値が「当たり値」として予め設定されていた値「AM」と一致するか否かによって、当たり判定の処理を行っている。尚、当たり判定の処理は、後述する図4のS46の中の動作処理プログラムの一つとして、「リセット割込み」毎に実行される。また、第1計数RNDの値を取得する動作は、第1始動口にパチンコ球が入球したか否かを「リセット割込み」毎に判断し、第1始動口にパチンコ球が入球したと判断した場合のみ、その「リセット割込み」内で行われる。
【0031】
次に、第2実施の形態のパチンコ機の動作について説明する。図4に示すように、第2実施の形態のパチンコ機においては、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に、各動作処理プログラムを順次に実行している。すなわち、「リセット割込み」が発生すると、S41において、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであるか否かを判断する。
【0032】
現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断した場合には(S41:Yes)、S43において、第1計数RNDに値「AX」を代入する等の処理を行うことにより、RAMを初期化する。そして、S45において、第2計数更新の処理を、動作処理プログラムの一部として、実行する。
【0033】
ここで、S45の第2計数更新の処理について、図5を参照にして説明する。第2計数更新の処理(図4のS45)においては、RAMに設けられた変数である第2計数CTNを、値「BX」から値「BY」の間で変化させている。すなわち、図5に示すように、S50において、第2計数CTNが値「BY」以上であるか否かを判断し、第2計数CTNが値「BY」以上であると判断した場合には(S50:Yes)、S51において、第2計数CTNに値「BX」を代入する一方、第2計数CTNが「BY」以上でないと判断した場合には(S50:No)、S52において、第2計数CTNに加算値Nである値「N1」を加算する。このように、第2計数CTNを値「BX」から値「BY」の間で変化させる第2計数更新の処理(図4のS45)は、図4のS44の最後の動作処理プログラムの実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において、繰り返し行われる。
【0034】
図4に戻り、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものでないと判断した場合には(S41:No)、S42において、蛍光管表示データ転送の処理等の動作処理プログラムの一部を順次に実行し、S46において、当たり判定の処理や停止図柄作成の処理等の動作処理プログラムの一部を順次に実行し、S47において、第1計数更新の処理を、動作処理プログラムの一部として、実行する。
【0035】
ここで、S47の第1計数更新の処理について、図6を参照にして説明する。第1計数更新の処理(図4のS47)においては、RAMに設けられた変数である第1計数RNDに、第2計数CTNの値に一対一に対応する加算値Nを加算することにより、かかる第1計数RNDを値「AX」から値「AY」の間で変化させている。すなわち、図6に示すように、S60において、第2計数CTNの値に一対一に対応する加算値Nを取得する。尚、加算値Nは値「N1」又は値「N2」であり、RAMに記憶された図7のテーブルによって、第2計数CTNの値である「BX」、「BX+N1」、「BX+2N1」…「BY」に一対一に対応するように規定されている。
【0036】
そして、S61において、S60で取得した加算値Nを第1計数RNDに加算し、その後のS62において、第1計数RNDが値「AY+N」以上であるか否かを判断し、第1計数RNDが値「AY+N」以上であると判断した場合のみ(S62:Yes)、S63において、第1計数RNDに値「(AY−AX)+N」を減算する。かかる第1計数更新の処理(図4のS47)が実行されると、図4のS48に進む。
【0037】
次のS48においては、既に述べたS45の第2計数更新の処理と同様な、第2計数更新の処理を行う(図5参照)。S45と同様にして、第2計数CTNを値「BX」から値「BY」の間で変化させる第2計数更新の処理(S48)は、S47の第1計数更新の処理の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において、繰り返し行われる。
【0038】
以上詳細に説明したように、第2実施の形態のパチンコ機においては、「msec」単位の一定間隔で発生する「リセット割込み」毎に、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断した場合には(S41:Yes)、S43とS45の各動作処理プログラムを順次に実行することによって、また、現在の「リセット割込み」が電源投入直後のものであると判断しない場合には(S41:No)、S42とS46からS48までの各動作処理プログラムを順次に実行することによって、パチンコ機の動作を行っており(図4参照)、かかる動作処理プログラムの一つである当たり判定の処理においては(S46)、第1始動口にパチンコ球が入球した際に取得された第1計数RNDの値に基づいて行っている。
【0039】
このとき、第2計数CTNは、図4のS43の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において(S45)、また、S47の第1計数更新の処理の実行が終了した後から新たなリセット信号が発生するまでの待機時間内において(S48)、値「BX」から値「BY」の間において変化している。尚、S42、S43、S46等の各動作処理プログラムはパチンコ機の状況によって実行されるものと実行されないものがあり、「リセット割込み」毎の待機時間はランダムになることから、第2計数CTNの値の変化を外部から予測することは不可能である。
【0040】
さらに、一定間隔で発生するリセット信号毎に、第2計数CTNの値に基づいて加算値Nを値「N1」又は値「N2」に変更することによって(S60、図7)、第1計数RNDの値を不規則に変化させているので、第1計数RNDの値の変化も外部から予測することは不可能となる。
【0041】
すなわち、第2実施の形態のパチンコ機は、その変化を外部から予測することができない第2計数CTNに基づいて第1計数RNDの値を変更しており、当たり判定の処理の際に使用する第1計数RNDの値の変化を外部から予測することを不可能にしているので、所謂「ぶらさげ基板」による不正行為を防止することができる。
【0042】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1実施の形態のパチンコ機においては、S6の中の当たり判定の処理において、当たりと判定されたと判断したときに(S8:Yes)、第2計数SYCの値を第1計数RNDに代入しているが(S9)、パチンコ機の動作に悪影響が出なければ、第2計数SYCの値を第1計数RNDに代入するときは、いつでもよい。
【0043】
また、第1実施の形態のパチンコ機においては、第2計数SYCの値を第1計数RNDにそのまま代入しているが(S9)、第2計数SYCの値からの算出値を、第1範囲と同じ値「AX」から値「AY」の間で算出するならば、かかる算出値を第1計数RNDに代入してもよい。
【0044】
また、第1実施の形態のパチンコ機においては、第2計数更新の処理において(S5、S10)、第2計数SYCを、第1範囲と同じ値「AX」から値「AY」の間で変化させているが、第1範囲と異なる第2範囲内で変化させてもよい。ただし、S9において、第1計数RNDに第2計数SYCの値を代入する前に、第2計数SYCを第1範囲の値「AX」から値「AY」の間の値に変更する。
【0045】
また、第2実施の形態のパチンコ機においては、S47の第1計数更新の処理において、加算値Nを必ず新たに取得しているが(S60)、一定条件を満たした場合にのみ、加算値Nを新たに取得してもよい。
【0046】
また、第1実施の形態のパチンコ機の加算値Nである値「N1」と、第2実施の形態のパチンコ機の加算値Nである値「N1」又は値「N2」について、両者の加算値Nは正又は負のいずれの値をとってもかまわない。
【0047】
また、第1実施の形態のパチンコ機と第2実施の形態のパチンコ機は、第1種パチンコ機であったが、第2種パチンコ機や第3種パチンコ機などのその他の機種のパチンコ機であってもよい。
【0048】
また、第1実施の形態のパチンコ機の特徴である、第1計数RNDの値を代入時の値から第2計数SYCの値まで飛び越して変化させることと、第2実施の形態のパチンコ機の特徴である、第1計数RNDの値に加算値Nの値「N1」又は値「N2」を加算して不規則に変化させることを併用して、第1計数RNDの値の変化を外部から予測することを不可能にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機は、その変化を外部から予測することができない第2計数の値に基づいて第1計数の値を変更しており、当たり判定の処理の際に使用する第1計数の値の変化を外部から予測することを不可能にしているので、所謂「ぶらさげ基板」による不正行為を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態のパチンコ機の動作のフローチャート図である。
【図2】第1実施の形態のパチンコ機の第2計数更新の処理のフローチャート図である。
【図3】第1実施の形態のパチンコ機の第1計数更新の処理のフローチャート図である。
【図4】第2実施の形態のパチンコ機の動作のフローチャート図である。
【図5】第2実施の形態のパチンコ機の第2計数更新の処理のフローチャート図である。
【図6】第2実施の形態のパチンコ機の第1計数更新の処理のフローチャート図である。
【図7】第2実施の形態のパチンコ機において、第2計数の値と加算値の関係を示した図である。
【符号の説明】
RND 第1計数
SYC、CTN 第2計数
N 加算値
Claims (1)
- 「msec」単位の一定間隔で発生する信号毎に各動作処理プログラムを順次に実行するとともに、電源投入直後に初期化され、その後に発生した前記信号毎に一定の加算値が加算されることにより所定範囲内を周期的かつ順次に変化する第1計数の値に基づいて当たり判定を行うパチンコ機であって、
電源投入直後に実行される初期化処理プログラム及び前記信号が発生する毎に実行される前記当たり判定を含む最後の動作処理プログラムの実行が終了した後から新たな前記信号が発生するまでの待機時間内で、前記当たり判定には関与しない第1計数とは異なる第2計数の値を、第1計数の値に拘わらず一定の加算値を加算しつつ順次繰り返して更新する更新手段と、
所定時に前記第2計数の値を前記第1計数に代入する代入手段と、を備え、前記第1計数は前記代入された値から続けて計数されることを特徴するパチンコ機。
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