JP4173291B2 - 歌唱指導番組を再生できるカラオケ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、いわゆるカラオケボックスなどの店舗で使用される業務用のカラオケ装置に関し、とくに、カラオケで歌の練習をしている人向けに歌唱指導番組を再生できるようにしたカラオケ装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
歌うことが大好きな人はよくカラオケボックスを利用する。そこでは、高級なオーディオ装置で自宅ではだせないような大きな音で伴奏音楽を鳴らし、自身の歌声も大きく拡声して、きがねなく歌うことを楽しむことができる。カラオケボックスに通って好きな歌を繰り返し練習する人も多い。
カラオケボックスの中には録音装置を備えたところもある。カラオケ装置で希望の曲を演奏して自分で歌う。そのときの伴奏付きの歌声を録音し、コンパクトディスクやミニディスクなどの媒体に記録して持ち帰ることができる。これを自宅のプレーヤでいつでも再生することができる。これを聴いて自分や家族・友人に評価してもらい、さらにうまく歌えるように練習する。
【0003】
一般的なカラオケ装置には採点装置が付属しているものが多い。カラオケ付属の採点装置は、電子楽譜化されたカラオケ伴奏音楽に付帯の主旋律データとマイクロホン入力される歌声信号のサンプリングデータとを対比して、音の高さの正確さとか発生タイミングの正確さを大雑把に計測して、総合点として出力するものが一般的である。これは、カラオケパーティの場などで格好の話題にはなるが、真剣に歌を練習している人の役に立つものとは言えない。
【0004】
このことは、たとえば特開平2001−67084号公報に詳しく解説されている。この公開公報の発明では、通信カラオケのホスト装置に高度な採点分析処理を行う採点装置を備えておき、通信カラオケ端末を利用して顧客が歌った歌声を録音してホスト装置に転送する。ホスト側の採点装置では、十分に時間をかけて顧客の歌声録音データを分析して評価し、その結果を顧客の自宅のパソコンなどに電子メールで報告するようになっている。
【0005】
この公知技術によれば、通信カラオケホスト装置に採点機能を集約して設けてることで、個々のカラオケ端末にそれぞれ付属的に設ける採点機能より高度な複雑な歌唱分析アルゴリズムを採用できるし、あとから時間をかけて分析する方法を採用することで、顧客が歌うのに合わせてリアルタイムで採点する方法より有用な歌唱分析を行えるであろう。
【0006】
しかしながら、歌を歌うというきわめて人間的な行為の成果をコンピュータで機械的に分析しても、歌の説得力や訴求力さらには芸術性といった評価を的確に行うことなどできないであろう。真剣に歌を勉強しようと思っている人にとっては、専門家の個人レッスンによる歌唱指導を受けることが理想であろう。
【0007】
【発明の開示】
この発明の目的は、カラオケボックスなどを利用して真剣に歌の練習をしている人たちを対象にし、個々の楽曲ごとに映像と音声とで制作編集された歌唱指導番組を利用者の希望に応じて再生できるようにすることで、カラオケ伴奏音楽に合わせて歌うだけでなく、専門家による歌唱指導を簡便に受講するような機能をカラオケ装置に付加することにある。
【0008】
この発明に係るカラオケ装置は、便宜的に分説すると、つぎの事項(1)〜(11)により特定されるものである。
(1)カラオケデータベースと、歌唱指導番組データベースと、利用者インタフェース手段と、カラオケ演奏手段と、歌唱指導番組再生手段と、制御手段と、オーディオ装置と、ディスプレイ装置を備えたカラオケ装置であること
(2)カラオケデータベースは、楽曲番号に対応付けしたカラオケデータを複数格納すること
(3)歌唱指導番組データベースは、番組識別子に対応付けした歌唱指導番組を複数格納すること
(4)番組識別子は、カラオケデータベースにおける楽曲を特定する楽曲番号に特定符号を付加したものであること
(5)歌唱指導番組は、番組識別子中の楽曲番号に対応する楽曲の歌唱指導用の映像と音声のデータで構成されること
(6)利用者インタフェース手段は、楽曲番号と、番組識別子の入力が受け付け可能であること
(7)カラオケ演奏手段は、制御手段の制御により、カラオケデータに基づいてカラオケ伴奏音楽をオーディオ装置にて出力するとともに歌詞字幕をディスプレイ装置に表示すること
(8)歌唱指導番組再生手段は、制御手段の制御により、歌唱指導番組に基づいて前記映像と音声のデータをディスプレイ装置とオーディオ装置により映像音声出力すること
(9)制御手段は、利用者インタフェース手段により受け付けた楽曲番号および番組識別子を待ち行列に登録すること
(10)制御手段は、待ち行列の順番に従い、楽曲番号に該当するカラオケデータをカラオケ演奏手段により出力させる際、当該楽曲番号を含んだ番組識別子の歌唱指導番組が歌唱指導番組データベースに存在するか否かを調べ、存在する場合には当該楽曲の歌唱指導番組が再生可能であることを利用者に知らせるメッセージをディスプレイ装置に表示すること
(11)制御手段は、待ち行列の順番に従い、番組識別子に該当する歌唱指導番組を歌唱指導番組再生手段に再生させること
【0011】
また前記カラオケ装置において、前記歌唱指導番組データベースに蓄積されている歌唱指導番組について、それらの曲名を列挙して歌唱指導対象楽曲リストとして前記ディスプレイ装置に表示して利用者に紹介する番組紹介手段を設けてもよい。
【0012】
また前記カラオケ装置において、前記歌唱指導番組データベースに蓄積されている歌唱指導番組について、前記利用者インタフェース手段を介して曲名検索やアーチスト名検索により該当する楽曲の歌唱指導番組を選出して利用者に提示する番組検索手段を設けてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
===カラオケ装置の基本構成===
この発明の一実施例によるカラオケ装置のハードウェア主体の概略構成を図1に示している。このカラオケ装置は、一般的なパソコン相当のコンピュータ応用機器であって、中央処理装置1がCPU・RAM・ROMを含んだパソコン本体であり、大容量の外部記憶としてハードディスク装置2とCD−ROM再生装置3とDVD−ROM再生装置4を備える他、加入電話回線またはISDNを介してカラオケホスト装置と通信する通信制御装置5と、利用者の操作入力を受け付けるとともに利用者に向けて案内情報や応答情報を提示する利用者インタフェース装置6を備えている。
【0014】
また、このカラオケ装置は、カラオケ伴奏音楽やマイクロホンからの歌声信号などを混合増幅したりしてスピーカーシステムから音響出力するためのオーディオ装置7と、歌詞文字列を背景映像とともに表示したりその他の各種の映像を表示するためのCRTやLCDやPDPなどを用いたディスプレイ装置8と、MIDI形式などで記述された音楽演奏データに基づいて音声信号を生成するシンセサイザー9と、ADPCMやMPEG形式などのデジタル音声データをアナログ音声信号に変換する音声デコーダ10と、MPEG形式などのデジタル映像データを適宜な映像信号に復号化する映像デコーダ11と、ディスプレイ装置に表示すべき映像データを処理する映像処理装置12とを備えている。
【0015】
===カラオケデータベースと映像データベース===
この実施例のカラオケ装置は、カラオケデータベースと映像データベースと歌唱指導番組データベースとを保有しており、中央処理装置1はこれら3種類のデータベースについての台帳をハードディスク装置2に作成して管理している。
【0016】
カラオケ楽曲データベースは、ハードディスク装置2とCD−ROM再生装置3とDVD−ROM再生装置4を記憶資源として用いて構築されており、多数のカラオケデータを楽曲番号をキーとして集約して管理するものである。1つの楽曲番号に対応する1曲分のカラオケデータは、MIDIデータやADPCMデータなどで表現された伴奏音楽の起源となるカラオケ伴奏音楽データと、伴奏音楽に同期した歌詞字幕を表示するための歌詞字幕データと、伴奏音楽の出力期間に前記歌詞字幕の背景として表示すべき前記背景画像データを直接または間接に指定する背景選択データと、当該楽曲のタイトルやアーチストや著作者を字幕表示するのに利用される楽曲見出しデータなどのデータ群である。
【0017】
映像データベースは、CD−ROM再生装置3を主な記憶資源として構築されており、実写の動画やCG画像などにより制作編集されたMPEG形式などの長時間分の映像データが登録されている。このデータベースの映像データは、たとえばディスク番号とトラック番号やセクタ番号といった区分IDにより短く区切って特定できるようになっている。つまり、多数に区分された映像データが区分IDをキーとして集約されて管理される。
【0018】
===歌唱指導番組データベース===
歌唱指導番組データベースは、DVD−ROM再生装置4を記憶資源として用いて構築されており、多数の歌唱指導番組を楽曲番号をキーとして集約して管理するものである。1つの楽曲番号に対応する1つの歌唱指導番組は、指導者により企画されて制作編集された各楽曲の歌唱指導のための映像と音声のデータで構成されており、たとえばMPEG形式のデータでDVD−ROMに収録されている。具体的には、歌唱指導者がたとえばピアノで伴奏しながら楽曲の適当なフレーズを歌い、またそのフレーズを歌うときに注意すべきことなどを視聴者に語りかける音声付きの実写映像を主体にし、これに歌詞の文字列を組み合わせたり楽譜の画像を組み合わせて編集したマルチメディア情報により歌唱指導番組が構成されている。指導者が視聴者(生徒)に一方通行的に歌唱指導の情報を送りつけるだけでなく、適当なフレーズでのリズムの取り方などを説明した後でメトロノームの音や楽譜を提示して視聴者(生徒)に歌わせるような構成部分も歌唱指導番組に含めることが望ましい。
【0019】
一般的な業務用カラオケ装置においては、カラオケデータベースに現状では約2万曲の楽曲が登録されている。これらの楽曲のすべてについて歌唱指導番組を制作する必要はなく、カラオケ愛好者が好んで練習したがる限られた数のスタンダード楽曲や、話題の新曲で歌いこなすのに高度なテクニックを要する難曲について、それら楽曲が得意な音楽家によって制作した歌唱指導番組をデータベースに登録すれば、十分に需要に応えることができる。歌唱指導番組を特定する楽曲番号は、カラオケデータの各楽曲を特定するための楽曲番号の体系と共通化し、同一楽曲のカラオケデータを指定するのか歌唱指導番組を指定するのかが区別できるように所定の符号で区別できるようにしておく。
【0020】
===カラオケ演奏と歌唱指導番組の再生===
中央処理装置1は、利用者からリクエストされた楽曲の番号(楽曲番号)を待ち行列で管理しており、演奏すべき楽曲の番号が決まると、カラオケデータベースから該当楽曲のカラオケデータにアクセスし、カラオケ伴奏音楽とマイクロホンからの歌声とを混合してオーディオ装置7から出力するとともに、伴奏音楽に同期して色変わりする歌詞文字列を背景映像と合成してディスプレイ装置8に表示する。
【0021】
中央処理装置1は、利用者からの希望に応答して、前記の待ち行列に歌唱指導番組の識別子(楽曲番号+特定符号であり、これを番組識別子と呼ぶ)を登録する。待ち行列中のある番組識別子の実行順番がくると、中央処理装置1は、歌唱指導番組データベースから該当楽曲の歌唱指導番組にアクセスし、番組の映像と音声をディスプレイ装置8とオーディオ装置7から出力する。
【0022】
===歌唱指導番組の選択とリクエスト===
(1)カラオケ装置で演奏可能な楽曲を整理したいわゆるカラオケ目次本に歌唱指導番組の紹介情報も掲載しておき、利用者がカラオケ目次本を見て歌唱指導番組の番組識別子(楽曲番号+特定符号)を利用者インタフェース装置6で入力することで、前記待ち行列に登録させる。
【0023】
(2)利用者インタフェース装置6でカラオケ演奏のための楽曲番号をリクエストしたとき、あるいは待ち行列に登録された楽曲番号の曲をカラオケ演奏するに際して、その楽曲の歌唱指導番組がデータベースに登録されているかどうかを調べ、あるならば「この曲の歌唱指導番組が用意されています、試してみてください」といった案内をリクエストの仕方とともに表示する。
【0024】
(3)利用者インタフェース装置6で歌唱指導番組の一覧要求コマンドを入力すると、そのコマンドに応答してデータベースに登録されている歌唱指導番組を曲名順・アーチスト名順・指導者名順などで一覧表示し、リクエストの仕方を案内表示する。
【0025】
(4)歌唱指導番組データベースの曲数が大規模になってきたら、このデータベースについて曲名検索やアーチスト名検索あるいは指導者名検索などの検索機能を使えるようにし、利用者インタフェース装置6により希望の楽曲の歌唱指導番組をリクエストしやすくする。
【0026】
(5)人気の高いスタンダード楽曲などについては、複数の歌唱指導者がそれぞれ制作編集した同一楽曲の歌唱指導番組をデータベースに登録しておくことができる。その場合、利用者が楽曲を指定したとき、その楽曲の複数の歌唱指導番組を指導者名付きで一覧的に提示し、どれか1つの歌唱指導番組を選んでもらうようにする。
【0027】
【発明の効果】
この発明では、カラオケ伴奏音楽と歌詞映像を同期して映像音響出力するというカラオケ装置の基本機能に加えて、この基本機能にきわめて深く関わりのある楽曲ごとに制作編集された歌唱指導番組を映像音響出力する機能を設けた。従来においても、カラオケボックスなどで歌の練習をする人向けに、カラオケ装置に録音機能を付けたり採点機能を付けたりしていたが、真剣に歌を勉強する人にはきわめて不十分であった。この発明では、カラオケ装置の基本構成・基本機能を有効活用し、カラオケで歌を勉強したいという利用者の希望に十分に応えうるコンテンツを提供することができ、カラオケ店の利用促進に多大な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるカラオケ装置のハードウエア主体の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 中央処理装置
2 ハードディスク装置
3 CD−ROM再生装置
4 DVD−ROM再生装置
5 通信制御装置
6 利用者インタフェース手段
7 オーディオ装置
8 ディスプレイ装置
9 シンセサイザー
10 音声デコーダ
11 映像デコーダ
12 映像制御装置

Claims (1)

  1. カラオケデータベースと、歌唱指導番組データベースと、利用者インタフェース手段と、カラオケ演奏手段と、歌唱指導番組再生手段と、制御手段と、オーディオ装置と、ディスプレイ装置を備えたカラオケ装置であって、
    カラオケデータベースは、楽曲番号に対応付けしたカラオケデータを複数格納し、
    歌唱指導番組データベースは、番組識別子に対応付けした歌唱指導番組を複数格納し、
    番組識別子は、カラオケデータベースにおける楽曲を特定する楽曲番号に特定符号を付加したものであり、
    歌唱指導番組は、番組識別子中の楽曲番号に対応する楽曲の歌唱指導用の映像と音声のデータで構成され、
    利用者インタフェース手段は、楽曲番号と、番組識別子の入力が受け付け可能であり、
    カラオケ演奏手段は、制御手段の制御により、カラオケデータに基づいてカラオケ伴奏音楽をオーディオ装置にて出力するとともに歌詞字幕をディスプレイ装置に表示し、
    歌唱指導番組再生手段は、制御手段の制御により、歌唱指導番組に基づいて前記映像と音声のデータをディスプレイ装置とオーディオ装置により映像音声出力し、
    制御手段は、利用者インタフェース手段により受け付けた楽曲番号および番組識別子を待ち行列に登録し、
    制御手段は、待ち行列の順番に従い、楽曲番号に該当するカラオケデータをカラオケ演奏手段により出力させる際、当該楽曲番号を含んだ番組識別子の歌唱指導番組が歌唱指導番組データベースに存在するか否かを調べ、存在する場合には当該楽曲の歌唱指導番組が再生可能であることを利用者に知らせるメッセージをディスプレイ装置に表示し、
    制御手段は、待ち行列の順番に従い、番組識別子に該当する歌唱指導番組を歌唱指導番組再生手段に再生させる
    カラオケ装置。
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