JP4173279B2 - 同軸コネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、送信ネットワーク上の装置用のパネルで端子を提供する、少なくとも２つのコネクタ通路を持つ２つのハウジング半部を持ったハウジングを備える同軸コネクタに関する。
【０００２】
（技術の現状）
同軸コネクタは例えば、ディジタルマルチプレクサを交換機端子回路に接続するための、ディジタル分布フィールド（ＤＤＦ）で用いられる。従来のＤＤＦは、各々が多くのジャック／プラグコネクタを有する複数のパネルを備えている。これらのコネクタをパネルの一方の側ではジャック端子付き同軸ケーブルでパネルの他方の側ではプラグ端子付きＵリンクで相互接続または交差接続することによって、通信ルートを再方向付けしたり遮断したりして任意の所望のレベルを持つ信号を取り出し、また、入力信号や出力信号を測定することができる。
【０００３】
ＥＰ０２３０７４６号には、遠隔通信や放送などの応用分野の送信ネットワークで用いられる同軸ジャックデバイスが開示されている。このようなジャック／プラグコネクタの各々を構成している様々な構成部品の数が非常に多く、また、トラブルのない通信の流れを維持するためにすべての構成部品に対して高品質基準が必要とされるため、上記のコネクタの製造コストと設置時間の双方が大きいものとなっている。
【０００４】
（発明の要約）
上記に鑑み、本発明の目的の１つは、品質基準を改善するあるいは少なくとも維持しながら、上記のタイプのコネクタの製造コストの低減を可能にすることにある。別の目的は、このようなコネクタの設置時間の低減を可能にすることである。
【０００５】
本発明によれば、この目的は、少なくとも２つのコネクタ通路には接続用ジャックエレメントが設けられていて、ハウジングが前記パネルの開口中に取り付けられるようにされたＵリンクタイプのコネクタを形成し、ハウジングの半部が導電性材料からできており、開口中にコネクタを取り付けるための絶縁性材料製のホルダが備えられているコネクタによって達成される。このコネクタをジャックエレメントが設けられているＵリンクタイプのコネクタとして構成し、それをパネルに取り付けるようにすることによって、この新規なコネクタは、ジャック／プラグエレメント無しで、幾つかの機能を実行し、したがって、また必要とされる構成部品の数を減少させる。本発明によるコネクタはパネルまたはラック中に事前組立して現場での設置を迅速なものとしてもよい。本発明はまた、コネクタ中の構成部品の数を減少させ、パネルに組み込むことを容易なものとすることを可能にする。また、ジャックエレメントを、ハウジングを介して電気的に接続することも可能にする。
【０００６】
ホルダーは弾性材料から作られ、また、コネクタハウジングとパネル開口との双方と協働するようにスナップロック手段を持っているのが望ましい。これによって、ネジやなんら類似の固定手段なしで、コネクタを組み立てることを可能にする。また、このホルダーにはプラグをコネクタ通路の内側に固定するためのスナップロック手段が設けられてもよい。
【０００７】
本発明の別の実施態様によれば、ハウジング半部には回路基板エレメントの収納装置が設けられている。このエレメントはハウジング半部の分離線に対してほぼ直角である平面上にあるのが望ましい。
【０００８】
回路基板エレメントには、平行する２つのコネクタ通路用の突出中心コンタクトが設けられてもよいし、また、これらのコンタクトは前記エレメントの導電性プリント層によって接続されてもよい。回路基板エレメントはハウジング内での中心コンタクトに対する費用効果のよい位置付けと導電機能とを提供する。
【０００９】
本発明の特殊な実施態様によれば、ハウジングには接続用ジャックエレメントを持つ第３のコネクタ通路が設けられていて、このコネクタ通路は測定ジャックを提供している。
【００１０】
この実施態様では、回路基板エレメントの反対側には、表面取り付け抵抗体エレメントを介して導電性プリント層に接続されている突出中心コンタクトが設けられていてもよい。
【００１１】
本発明による同軸コネクタのいかなる実施態様においても、２つのハウジング半部は対称的であるのが望ましい。また、各中心コンタクトには円筒形絶縁物が設けられていても良い。
【００１２】
この２つのハウジング半部にはハウジング半部を一緒に保持するための摩擦カップリングピンが設けられていてもよい。ホルダとナットもまた、前記半部を一緒に保持する助けとなる。
【００１３】
（発明の詳細な説明）
添付図面を参照して、本発明を以下に、非制限的な態様で、さらに説明する。
【００１４】
本発明による同軸コネクタはＵリンクタイプのコネクタとして構成されていて、対称的で同じ形状をした２つのハウジング半部１１を備えている。ハウジングには３つのコネクタ通路１２〜１４が設けられていて、これらはすべて同じ平面上にあるが、その２つである１２と１３は平行で同じ方向を向いている。第３のコネクタ通路１４は反対方向を向いている。
【００１５】
ハウジング半部は同一の鋳造モールドによって、例えば、耐食性の合金などの金属から鋳造されている。３つのコネクタ通路１２〜１４は同じものであり、コネクタ通路の端の輪郭を定める壁同士の間に小さな距離があるように位置付けされていて、ハウジングの中心内にスロット形状の収容スペース１５の輪郭を定めている。
【００１６】
収容スペース１５は、コネクタ通路の面に対して直角な面上に小型の回路基板エレメント１６を保持するようにされている。エレメント１６には、電導性のハウジング１０の隣接する部品から良好に絶縁されるように配置されているプリント導電層経路１７が設けられている。エレメント１６は、このエレメントの面に対して直角に、このエレメント上に剛性的に取り付けられた中心コンタクト１８用の機械的に剛性なキャリヤを形成しており、これによって、このエレメントがハウジング中のスロット１５中に位置付けされた時、中心コンタクト１８が各コネクタ通路の中心に位置付けされる。円筒形絶縁体１９には貫通穴２０が設けられていて、これらの貫通穴２０は、コネクタハウジングが組立てられた時、中心コンタクト１８がこれらの穴を通過するにちょうど十分な大きさとなっている。
【００１７】
各絶縁体１９は対応する中心コンタクト１８をコネクタ通路の内側で心合わせし、また、自身はその横方向端壁によって適所に保持される。各絶縁体１９にはより小さい直径の軸方向突出部２１も設けられていて、該突出部はそれぞれのコネクタ通路中に突出し、弾性ジャックエレメント２２の一方の端から途中まで中に突出している。
【００１８】
コネクタ通路１２と１３の内側に位置している２つのジャックエレメント２２は同軸プラグ２３（図３を参照）の管状端に対する摩擦カップリングを提供している。このジャックエレメントはまた、前記プラグとコネクタハウジング間で電気的接続を提供している。これに対応して装備されている第３のコネクタ通路１４は入力信号と出力信号を測定する測定ジャックを提供している。この目的のために、第３の中心コンタクト１８は表面取付抵抗体２４を介して導電性プリント層１７に電気的に接続されている。
【００１９】
ハウジング１０の２つの半部１１は、相手側のハウジング半部の対応する穴２６に挿入されるピンであるハウジング半部の各々の上にある突出ピン２５を介して提供されている摩擦カプリングによって一緒に保持されるのが望ましい。この摩擦カップリングはリベットによって確実にされてもよい。ハウジング半部の割り出しは、対応する割り出し空洞２８中に嵌合する各ハウジング半部中の２つのより小さい割り出しピンによってさらに保証される。この２つの半部を正確に割り出すための別の対策は、対応する溝３０中に嵌合して１種のラビリンスシールを形成し、ダスト粒子と湿気のコネクタへの侵入を防止するＶ字形リッジ２９である。
【００２０】
コネクタの二重コネクタ通路端はパネル又はラック３１（図３を参照）の開口中に取り付けるようにされている。この目的のために、絶縁材料製のホルダ３２が提供されていて、ホルダを金属パネルから絶縁している。ホルダには、コネクタハウジング１０の溝３４中にスナップインすることができるリッジ形態のスナップロック手段３３が設けられている。可撓性ロックタング（図示せず）形態の他のスナップロック手段はパネル開口と協働して、コネクタを開口内に固定する。ホルダ３２には、プラグ２３をコネクタ通路１２と１３の内側に固定する可撓性ロックタングが設けられている。
【００２１】
コネクタの単一コネクタ通路端は、コネクタ通路１４の外側の周りの溝３７にスナップインするリッジ手段３６が設けられたプラスチック製ナット３５を取り付けるようにされている。プラスチック製ナット３５には、コネクタが測定用のＵリンクジャックとして構成されている、又はプラスチック製プラグが閉じられ得る場合、又はコネクタが通常のＵリンクジャックとして構成されている場合は、測定用プラグを挿入するための開口３８が設けられてもよい。このタイプの構成においては、コネクタ通路１４のジャックエレメント２２、絶縁体２１、中心コンタクト１８および抵抗体エレメント２４は省略されてもよい。
【００２２】
図３では、本発明による２つの同軸Ｕリンクジャックコネクタが、バラン３９を介して相互接続されているパネル３１中に取り付けられている様子が示されている。２つのプラグ２３がバランを１列に接続している。
【００２３】
本発明は上記の実施態様に限られるものではなく、添付の特許請求の範囲内で複数の修正例が可能である。例えば、ハウジング１０を図示のものとは別様に設計したり、回路基板エレメント１６の代わりに何か別のホルダを中心コンタクト用に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による、内部と外部の構成部品を持つＵリンクコネクタのハウジング半部を示す拡大平面図である。
【図２】 分解して示された内部構成部品を持つ対応する縮小図である。
【図３】 バランによって相互接続されたパネル中に取り付けられた本発明による２つのコネクタを示す図である。

Claims (14)

1. 送信ネットワーク上の装置のパネル（３１）で端子を提供する同軸コネクタであり、少なくとも２つのコネクタ通路（１２、１３）を持った２つのハウジング半部（１１）を有するハウジングを備える同軸コネクタにおいて、
   少なくとも２つのコネクタ通路（１２、１３）には、接続用ジャックエレメント（２２）が設けられており、前記ハウジングが前記パネル（３１）の開口中に取り付けられるようにされたＵリンクタイプのコネクタを形成し、前記ハウジング半部（１１）が導電性材料製であり、絶縁性材料製のホルダ（３２）が前記開口中に前記コネクタを取り付けるために設けられていて、前記ホルダ（３２）が弾性材料から作られ、前記コネクタハウジング（１０）と前記パネル開口との双方と協働するためのスナップロック手段（３３）を持つことを特徴とする同軸コネクタ。
2. 前記ジャックエレメント（２２）が前記ハウジング（１０）を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項１に記載の同軸コネクタ。
3. 前記ホルダ（３２）には、プラグ（２３）を前記コネクタ通路（１２、１３）の内側に固定するためのスナップロック手段も設けられていることを特徴とする請求項２に記載の同軸コネクタ。
4. 前記ハウジング（１０）には回路基板エレメント（１６）を収容するための装置が設けられていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の同軸コネクタ。
5. 前記回路基板エレメント（１６）が前記ハウジング半部（１１）の分離線に対してほぼ直角である面上に置かれていることを特徴とする請求項４に記載の同軸コネクタ。
6. 前記回路基板エレメント（１６）の一方の側には平行する２つのコネクタ通路（１２、１３）用の突出中心コンタクト（１８）が設けられていることを特徴とする請求項５に記載の同軸コネクタ。
7. 前記回路エレメント（１６）の前記中心コンタクトが前記エレメントのプリント導電層によって接続されていることを特徴とする請求項６に記載の同軸コネクタ。
8. 前記ハウジング（１０）には接続用ジャックエレメント（２２）を持つ第３のコネクタ通路（１４）が設けられ、前記第３のコネクタ通路が測定用ジャックを提供することを特徴とする請求の項１から７のいずれか１項に記載の同軸コネクタ。
9. 前記回路基板エレメント（１６）の反対側には、表面取り付け抵抗体エレメント（２４）を介して前記プリント導電層（１７）に接続される突出中心コンタクト（１８）が設けられていることを特徴とする請求項６から８のいずれか１項に記載の同軸コネクタ。
10. 前記２つのハウジング半部（１１）は対称であることを特徴とする請求項１から９のいずれか１項に記載の同軸コネクタ。
11. 各中心コンタクト（１８）には円筒形絶縁体（２１）が設けられていることを特徴とする請求項６から１０のいずれか１項に記載の同軸コネクタ。
12. 前記２つのハウジング半部には前記半部（１１）を一緒に保持するための摩擦カップリングピン（２５）が設けられていることを特徴とする請求項１０に記載の同軸コネクタ。
13. 前記ホルダ（３２）もまた前記半部（１１）を一緒に保持するのに寄与することを特徴とする請求項１２に記載の同軸コネクタ。
14. ナット（１３）もまた前記半部（１１）を一緒に保持するのに寄与することを特徴とする請求項１２又は１３に記載の同軸コネクタ。

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