JP4172624B2 - 凍結防止剤及び凍結防止剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒冷地等で雪を融解したり雪や氷の凍結を防ぐための凍結防止剤及び凍結防止剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、凍結防止剤として種々の物質が用いられてきており、各種塩化物系の凍結防止剤や、酢酸塩系の凍結防止剤が使用されるようになってきている。酢酸塩系の凍結防止剤としては、例えば、酢酸カリウム,酢酸ナトリウム,酢酸カルシウム等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように従来からの種々の凍結防止剤があるが、夫々、雪や氷を融解する融解性に能力の差があり、その価格も能力に対応しており、能力の高いものほど高価になっている。そのため、安価で融解性の能力の高い凍結防止剤が望まれているという実情がある。
【0004】
例えば、酢酸カルシウムを例に挙げると、酢酸カルシウムは、比較的安価であるが、雪や氷の温度が約−7℃以下になると、融解性が遅効性で、融解が進んで溶けた水分がある程度生じてこないと、充分な能力を発揮できにくい。
一方、酢酸カリウムは、−20℃の雪や氷にも高い融解性を示し、即効性もあって緊急性に対応でき優れているが、反面、高価になっている。
また、融解性を増加させるために、マグネシウムを混在させた酢酸カルシウム・マグネシウムの形態のものもあるが、融解性が遅効性で、酢酸カリウム程ではなく緊急性に欠く欠点がある。
更に、従来においては、各種凍結防止剤を混合して散布することも行なうが、互いに接触する確率が一様ではなく、雪や氷の融解にムラができてしまうという欠点がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、比較的融解性の能力の低い物質を用いても雪や氷の温度条件に対する融解能力を向上させるようにし、安価に製造できるようにした凍結防止剤及び凍結防止剤の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の技術的手段は、粒状の凍結防止剤において、芯となる粒状の芯剤に該芯剤よりも相対的に融解性の高い被覆剤をコーティングした構成としている。芯剤と被覆剤の物質の組合せは、適宜に選択できる。
この凍結防止剤によれば、芯となる粒状の芯剤に比較的融解能力の低い比較的安価な物質を用い、被覆剤に芯剤よりも融解能力の高い物質を用いる。
これにより、雪や氷を融解する際には、融解当初は、被覆剤が接触するので、その高い融解能力が発揮され、ある程度雪や氷を融解する。その後、芯剤が露出してくると、芯剤が機能するが、この際には、ある程度被覆剤によって融解が進んでいるので、被覆剤より多少融解能力が低くても、充分にその機能が生かされることになる。そのため、芯剤の物質単体に比較して雪や氷の温度条件に対する融解能力が向上させられ、また、被覆剤の物質単体を用いるのに比較して安価に製造できるようになる。
更に、芯剤の粒径や被覆剤の厚さを適宜に調整すれば、遅効性と即効性の調整を行なうことができ、時間制御を行なうことができ、散布する場所の諸条件に対応することができる。例えば、雪が降る前に散布しておき、降ってから融解できるようにし、あるいは、夜間の長時間持続的に作用させる等することができる。
【0007】
そして、必要に応じ、上記芯剤及び被覆剤の少なくともいずれか一方を有機酸塩で構成している。環境に優しい凍結防止剤になる。即ち、塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の塩化物系のみの凍結防止剤では、環境に対して塩害をもたらす。塩害とは塩化ナトリウム若しくはナトリウムイオンやクロールイオンの増加によって、舗装道路の劣化、道路周辺の植物への悪影響と生態系の破壊、道路周辺の建造物(鉄筋コンクリート等)の劣化、自動車等の腐食等である。しかしながら、有機酸塩を含むので、それだけ、塩害が低減される。
【0008】
そしてまた、必要に応じ、芯剤を、酢酸カルシウムで構成している。比較的安価であり、また、被覆剤である程度雪や氷が融解された後は、溶けた水分の影響もあって持続的に融解機能が発揮させられる。
この際、必要に応じ、上記被覆剤を、酢酸カリウムもしくは尿素で構成している。酢酸カルシウムよりも相対的に融解性の高い酢酸カリウムもしくは尿素をコーティングしているので、凍結防止効果を現す有効温度が拡大されるとともに、凍結防止効果の即効性と持続性を併せ持つようになる。酢酸コーティングすることによって酢酸臭を著しく軽減できる作用もある。
即ち、これにより、雪や氷を融解する際には、融解当初は、酢酸カリウムもしくは尿素の被覆剤が接触するので、−20℃の雪や氷にも高い融解性を示し、その高い融解能力が発揮され、ある程度雪や氷を融解する。その後、酢酸カルシウムの芯剤が露出してくると、芯剤が機能するが、この際には、ある程度被覆剤によって融解が進んでいるので、被覆剤より多少融解能力が低くても、すでに溶けた水分の作用等により充分にその機能が生かされることになる。そのため、酢酸カルシウム単体に比較して雪や氷の温度条件に対する融解能力が向上させられ、また、酢酸カリウムもしくは尿素単体を用いるのに比較して安価に製造できるようになる。また、緊急性にも対応できる。
【0009】
また、凍結防止剤は、酢酸塩や尿素で構成されるので、環境に優しい凍結防止剤になる。即ち、塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の塩化物系のみの凍結防止剤は、環境に対して塩害をもたらすが、本発明の凍結防止剤の散布後には、速やかに分解され、カルシウムと二酸化炭素及びカリウムになって、環境に対しての影響は塩化物に比較して極めて少なくなる。
更に、芯剤の粒径や被覆剤の厚さを適宜に調整すれば、遅効性と即効性の調整を行なうことができ、時間制御を行なうことができ、散布する場所の諸条件に対応させることができる。
【0010】
更に、必要に応じ、上記被覆剤を、バインダを介してコーティングした構成としている。バインダとしては、糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質が有効である。被覆剤を芯剤に確実に付着させることができる。
【0011】
そしてまた、上記課題を解決するための本発明の凍結防止剤の製造方法は、芯となり酢酸カルシウムで構成される粒状の芯剤に該芯剤よりも融解能力の高い酢酸カリウムもしくは尿素で構成された被覆剤をコーティングして形成される粒状の凍結防止剤の製造方法において、炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において加温し攪拌しながら酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤を造粒し、それから、被覆剤を芯剤にコーティングする構成としている。比較的簡易な設備で機能性の高い凍結防止剤を比較的安価に製造でき、製造効率が向上させられる。
【0012】
この場合、必要に応じ、上記被覆剤のコーティング前に、芯剤にバインダを被覆する構成としている。バインダとしては、糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質が有効である。被覆剤を芯剤に確実に付着させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る凍結防止剤を説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係る凍結防止剤を示している。この凍結防止剤は、芯となる粒状の芯剤1に、この芯剤1よりも相対的に融解能力の高い被覆剤2をコーティングしたものである。
芯剤1は、酢酸カルシウムで構成され、被覆剤2は、酢酸カリウムで構成されている。例えば、直径3〜6mmの造粒した酢酸カルシウムに酢酸カリウムを層状にコーティングしている。
【0014】
次に、この実施の形態に係る凍結防止剤を製造する本発明の実施の形態に係る凍結防止剤の製造方法について説明する。
炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において温度を150℃に保って加温し攪拌しながら40%酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤1(例えば、直径3〜6mm)を造粒し、それから、50%酢酸カリウムの被覆剤2を液状にして噴霧して芯剤1にコーティングする。全体の粒径は、例えば、直径4〜7mmになる。
【0015】
このように製造された凍結防止剤によれば、雪や氷を融解する際には、融解当初は、酢酸カリウムの被覆剤2が接触するので、−20℃の雪や氷にも高い融解性を示し、その高い融解能力が発揮され、ある程度雪や氷を融解する。その後、酢酸カルシウムの芯剤1が露出してくると、芯剤1が機能するが、この際には、ある程度被覆剤2によって融解が進んでいるので、被覆剤2より多少融解能力が低くても、すでに溶けた水分の作用等により充分にその機能が生かされることになる。そのため、凍結防止効果を現す有効温度が拡大されるとともに、凍結防止効果の即効性と持続性を併せ持つようになる。
【0016】
図2には、別の実施の形態に係る凍結防止剤を示す。この凍結防止剤において、芯剤1は、酢酸カルシウムで構成され、被覆剤2は、酢酸カリウムで構成されている。例えば、直径3〜6mmの造粒した酢酸カルシウムに酢酸カリウムを細かい粒子状にしてコーティングしている。
この凍結防止剤の製造方法は、炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において温度を150℃に保って加温し攪拌しながら40%酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤1(例えば、直径3〜6mm)を造粒し、それから、酢酸カリウムの粉体を付着させる。全体の粒径は、例えば、直径4〜7mmになる。
この凍結防止剤の雪や氷を融解する際の作用,効果は上記と同様である。
【0017】
図3には、また別の実施の形態に係る凍結防止剤を示す。この凍結防止剤において、芯剤1は、酢酸カルシウムで構成され、被覆剤2は、尿素で構成されている。例えば、直径3〜6mmの造粒した酢酸カルシウムに尿素を層状にコーティングしている。
この凍結防止剤の製造方法は上記と略同様であるが、尿素は30%溶液を噴霧して、コーティングした。
また、この凍結防止剤の別の製造方法は、尿素をコーティングする場合、尿素をエタノールに融解した30%尿素エタノール溶液を用いて、攪拌槽の温度を60℃に設定して製造した。
この凍結防止剤の雪や氷を融解する際の作用,効果は上記と同様である。
【0018】
図4には、他の実施の形態に係る凍結防止剤を示す。これは、直径3〜6mmの造粒した芯剤1としての酢酸カルシウムに糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質からなるバインダ3を介して被覆剤2としての酢酸カリウムを層状にコーティングしたものである。
この凍結防止剤を製造する本発明の実施の形態に係る凍結防止剤の製造方法について説明する。
炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において温度を150℃に保って加温し攪拌しながら40%酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤1(例えば、直径3〜6mm)を造粒し、それから、反応槽を80℃に保ち、攪拌・回転を行ないながら、ポリエチレングリコール(分子量6000)の20%溶液を噴霧した後に、反応槽の温度を150℃に上昇させ、攪拌しながら40%酢酸カリウム溶液を噴霧して、三層構造から成る凍結防止剤を得た。全体の粒径は、例えば、直径4〜7mmになる。
この凍結防止剤の雪や氷を融解する際の作用,効果は上記と同様である。
【0019】
図5には、また他の実施の形態に係る凍結防止剤を示す。これは、直径3〜6mmの造粒した芯剤1としての酢酸カルシウムに、糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質からなるバインダ3を介して被覆剤2としての酢酸カリウムを細かい粒子状にしてコーティングしたものである。
この凍結防止剤の製造方法は、炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において温度を150℃に保って加温し攪拌しながら40%酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤1(例えば、直径3〜6mm)を造粒し、それから、反応槽を80℃に保ち、攪拌・回転を行いながら、ポリエチレングリコール(分子量6000)の20%溶液を噴霧して被覆する。それから、酢酸カリウムの粉体を付着させる。全体の粒径は、例えば、直径4〜7mmになる。
また、この凍結防止剤の雪や氷を融解する際の作用,効果も上記と同様である。
【0020】
尚、図示しないが、凍結防止剤としては、造粒した酢酸カルシウムに、糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質からなるバインダを介して尿素を層状あるいは細かい粒子状にしてコーティングしたものであっても良い。
【0021】
【実験例】
次に、実施例についての比較実験例を示す。
(融氷効果実験1)
この実験は、直径20cmの5枚のシャーレに、各20mlの水を入れて、−10℃の冷凍恒温室で、24時間放置して冷凍水を得た。そして、温度を−10℃に保った状態で、以下の凍結防止剤を散布した後に、時間の経過に伴う水分量の重さを測定した。
【0022】
No.1(実施例):酢酸カルシウム100gに対して酢酸カリウム25gを噴霧コーティングして得た凍結防止剤を1g散布した。
No.2(比較例):酢酸カルシウムのみの凍結防止剤を1g散布した。
No.3(比較例):酢酸カリウムのみの凍結防止剤を1g散布した。
No.4(比較例):A社の市販されている凍結防止剤で、主成分は酢酸カルシウム・マグネシウムを1g散布した。
【0023】
そして、各凍結防止剤の効果を時間的、融氷量で比較した。結果を図6に示す。
この結果から、酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウムは酢酸カルシウムの単体の場合と比較して約2倍の融氷効果があって、10分間の放置結果ではA社の市販品よりも約10倍の融氷率(量)を示し融氷能力は高い。経過時間30分においては酢酸カリウムとほぼ同様な有業率(量)を得ている。しかし、酢酸カリウムよりは劣るものである。
【0024】
まとめると、以下のことが言える。
▲1▼酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウムは酢酸カルシウムの単体及びA社市販品よりも早期に解氷結果を示した。
▲2▼時間の経過に伴って有業率(量)は高くなり、約30分間で酢酸カリウムとほぼ同様の融氷率(量)を示した。
▲3▼酢酸カルシウム単体の欠点(空港等での使用時、すなわち緊急時にも迅速に対応できる等)を補うことが可能であるといえる。
▲4▼酢酸カリウム単体の成績が良いが、高価であることから、使用量を減ずることができて、その生産費等の欠点を補うことができる。
【0025】
(融氷効果実験2)
この実験は、直径20cmの3枚のシャーレに、各20mlの水を入れて、−10℃の冷凍恒温室で、24時間放置して冷凍水を得た。そして、温度を−10℃に保った状態で、実施例に係る凍結防止剤を散布した後に、時間の経過に伴う水分量の重さを測定した。
【0026】
(A):酢酸カルシウムに酢酸カリウムを被覆する量を1:0.25とした実施例に係る酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウムを1g散布した。
(B):酢酸カルシウムに酢酸カリウムを被覆する量を1:0.5とした実施例に係る酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウムを1g散布した。
(C):酢酸カルシウムに酢酸カリウムを被覆する量を1:1とした実施例に係る酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウムを1g散布した。
【0027】
結果を図7に示す。
この結果から、酢酸カリウムを被覆した酢酸カルシウム、すなわち被覆する酢酸カリウムの量によって、融氷率が異なる。酢酸カリウムの量を多くすると融氷率が高くなる。これは酢酸カリウムの被覆量を調整することによって、即効性と遅効性を制御できることを示している。即ち、酢酸カリウム濃度が高くなるにつれて、融氷率(量)が高くなり、これは任意の時間に効果を定めることができることを示す。
これにより、コーティングに係る凍結防止剤は、即効性と遅効性の時間を任意に設計でき、それに従って製造できる。
【0028】
尚、上記の実施の形態及び実施例において、被覆剤は1種類を被覆するものに限らず多種類を被覆するようにしても良く、適宜変更して良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の凍結防止剤によれば、芯となる粒状の芯剤に相対的に融解性の高い被覆剤をコーティングした構成としたので、芯剤が被覆剤より多少融解能力が低くても、充分にその機能が生かされることになる。そのため、芯剤の物質単体に比較して雪や氷の温度条件に対する融解能力を向上させることができるとともに、被覆剤の物質単体を用いるのに比較して安価に製造できるようになる。
また、芯剤の粒径や被覆剤の厚さを適宜に調整すれば、遅効性と即効性の調整を行なうことができ、時間制御を行なうことができ、散布する場所の諸条件に合わせて作用させることができる。
【0030】
そして、芯剤及び被覆剤の少なくともいずれか一方を有機酸塩で構成した場合には、塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の塩化物系のみの凍結防止剤に比較して、塩害を低減して環境への影響を極力抑制することができるようになる。
そしてまた、芯剤を、酢酸カルシウムで構成した場合には、比較的安価であり、また、被覆剤である程度雪や氷が融解された後は、持続的に融解機能を発揮させることができる。
【0031】
この際、被覆剤を、酢酸カリウムもしくは尿素で構成した場合には、酢酸カルシウムよりも相対的に融解性の高い酢酸カリウムもしくは尿素でコーティングするので、凍結防止効果を現す有効温度が拡大されるとともに、凍結防止効果の即効性と持続性を併せ持つようにすることができる。そのため、酢酸カルシウム単体に比較して雪や氷の温度条件に対する融解能力を向上させることができるとともに、酢酸カリウムもしくは尿素単体を用いるのに比較して安価に製造できるようになる。また、塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の塩化物系のみの凍結防止剤に比較して、塩害を低減して環境への影響を極力抑制することができるようになる。更に、芯剤の粒径や被覆剤の厚さを適宜に調整すれば、遅効性と即効性の調整を行なうことができ、時間制御を行なうことができる。
また、被覆剤を、糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質等からなるバインダを介してコーティングした場合には、被覆剤を芯剤に確実に付着させることができる。
【0032】
そしてまた、本発明の凍結防止剤の製造方法によれば、上記の作用,効果を発揮する凍結防止剤を比較的簡易な設備で比較的安価に製造でき、製造効率を向上させることができる。
この場合、被覆剤のコーティング前に芯剤に糖やポリエチレングリコール等の耐凍物質等からなるバインダを被覆すれば、被覆剤を芯剤に確実に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る凍結防止剤を模式的に示す図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に係る凍結防止剤を模式的に示す図である。
【図3】本発明のまた別の実施の形態に係る凍結防止剤を模式的に示す図である。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る凍結防止剤を模式的に示す図である。
【図5】本発明のまた他の実施の形態に係る凍結防止剤を模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施例について比較例とともに行なった融氷効果実験の結果を示すグラフ図である。
【図7】本発明の実施例について行なった融氷効果実験の結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 芯剤
2 被覆剤
3 バインダ
Claims (4)
- 粒状の凍結防止剤において、芯となる粒状の芯剤に該芯剤よりも相対的に融解能力の高い被覆剤をコーティングし、
上記芯剤を、酢酸カルシウムで構成し、
上記被覆剤を、酢酸カリウムもしくは尿素で構成したことを特徴とする凍結防止剤。 - 上記被覆剤を、バインダを介してコーティングしたことを特徴とする請求項1記載の凍結防止剤。
- 芯となり酢酸カルシウムで構成される粒状の芯剤に該芯剤よりも融解能力の高い酢酸カリウムもしくは尿素で構成された被覆剤をコーティングして形成される粒状の凍結防止剤の製造方法において、
炭酸カルシウムもしくは酸化カルシウムを反応槽において加温し攪拌しながら酢酸溶液を噴霧して酢酸カルシウムの芯剤を造粒し、それから、被覆剤を芯剤にコーティングすることを特徴とする凍結防止剤の製造方法。 - 上記被覆剤のコーティング前に、上記芯剤にバインダを被覆することを特徴とする請求項3記載の凍結防止剤の製造方法。
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