JP4172266B2 - クライアント端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書を表示デバイス上に表示する機能を備えた情報検索表示処理システムを構成するクライアント端末に関する。より詳細には、複数のユーザより電子文書に付与された付箋を利用して情報検索を行なう技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
人が文書を読む場合、ペンやマーカなどの筆記具を利用してメモや注釈などを付与しながら読解を行なうことは自然なことである。メモや注釈が付与された位置は読み手にとって、何らかの興味がある位置であると思われる。
【0003】
同様のことは、電子文書を取り扱う場合にも起こる。たとえば、メモ、メッセージ、あるいはアノテーションなどの、電子文書の本文に付加される可視化情報(電子付箋)を、電子文書の本文に影響を与えることのないよう、その電子文書の本体の付加データとして添付する技術が広く用いられている。
【0004】
たとえば、複数の端末装置を通信ネットワークで接続することにより、複数のユーザが端末画面を介して会議に参加できるようにした電子会議システムにおいて、参加者間で文書を共有可能にする技術が種々提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−84905号公報
【0006】
ここで、注釈などの電子付箋を端末画面に表示された文書に付加することは、電子会議システムでもなされる。たとえば、端末画面に表示された文書(電子化された資料)に、ペン型の指示デバイスを用いての入力や指先で直接タッチパネルに触れて記入する手書き入力などによって、メモやアノテーションなどの電子付箋を表示画面上で書き込むことがある。
【0007】
この電子付箋の機能によれば、会議の参加者は、それぞれの端末から独自に加筆修正することができ、思考を妨げず簡単に付加情報を入力することができる。また、この手書き情報を他の参加者の端末画面上にも表示することができる。これにより、各端末装置から意見やアイデアを入力したりそのハードコピーを取ったりすることができる。つまり、文書の電子化やネットワークの利用により、電子的に表示された文書に対して付与されたアノテーション(アンダーラインやマーキングや文字の書込みなど)などを共有することができる。
【0008】
また、ある文書の一部に付与されたアノテーションなどの電子付箋の状態をクエリ(検索条件)として、既に同じ位置に付与されている文書の電子付箋を検索結果として再現することもできる。電子付箋が付与された位置は読み手にとって、何らかの興味がある位置であると思われる。他人や自分が以前に付与した電子付箋を再現することにより、他人や自分が付与した興味のある位置を知ることができる。
【0009】
どの人物がどのような特性を持っているのかを知っている場合、特定の人物のアノテーションは意味があるが、不特定多数の人物が文書やアノテーションを共有する場合、素性の知らぬ人物のアノテーションはあまり意味が無い。
【0010】
特許文献2には、電子文書に付与されたアノテーションを、アノテーションを付与した人物ごとに管理し、ある特定の人物を指定することにより、その人物が付与したアノテーションを再現する手法が提案されている。特定の人物の興味を知りたい場合は、この特許文献2に記載の方法により対応を採ることができる。
【0011】
【特許文献2】
特開平9−62676号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一方、特定の人物のアノテーションを再現するよりも、特定の視点で付与されたアノテーションを再現することも有効となる場合がある。たとえば、自分がある視点である文書を読む場合に、既に同一の視点で他者がその文書を読んでおり、アノテーションを付与している場合、自分と同一の視点の他者が注目している点を素早く知りたい場合がある。
【0013】
しかしながら、上記特許文献2に記載の方法では、特定の人物を検索条件に指定する手法であるから、このような要求に応えることはできないので、効率的に情報検索を進めることができない。単に他人を指定できるに過ぎず、自分と同一の視点の他者を特定することができないからである。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アノテーションなどの文書に付加された付加情報を利用して効率的に情報検索を行なうことのできる情報検索表示処理システムを構成するクライアント端末を提供することを目的とする
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係るクライアント端末は、所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備え、付加情報を介して文書に関わる関連情報を検索する情報検索表示処理システムに使用されるものであって、所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、文書中における付加情報付与部により付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、検索を指示する文書閲覧者が閲覧中の文書中における、付加情報付与部分検知部が取得した付加情報が付与された付加情報付与部分の情報によって特定される実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて閲覧中の文書における文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定し、実質的に読んだ部分を特定するために使用された付加情報付与部分の情報の登録を禁止する検索範囲設定部と、検索範囲設定部が設定した検索対象部分について文書を閲覧中のユーザとは異なる他のユーザと関わりのある関連情報についての検索結果を取得し、この検索結果を所定の提示媒体に提示させる関連情報提示制御部とを備えるものとした。
【0020】
【作用】
上記構成においては、先ず、文書に付加情報が付与されたとき、その付加情報が付与された文書中の位置と、付加情報やこの不可情報が付与された文書を関連情報として、両者を対応付けて所定の登録部(データベース)に格納する。
【0021】
そして、付加情報を利用した検索処理の要求を受け付ける場合は、先ず所定の方法により閲覧中の文書内で検索範囲の指定を受け付ける。具体的には、文書閲覧者が閲覧中の文書中の実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて閲覧中の文書における文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定する。この後、設定された検索対象部分に関連する関連情報の検索処理を指示されると、検索対象部分と予め記憶媒体にて管理している付加情報付与部分の情報とを比較することで他ユーザと関わりのある関連情報についての検索処理を実行する。指定された検索範囲内に付与されている付加情報を利用して、自分の視点と同じような視点を持つ他人が付与した付加情報に関わるに関連情報を検索するのである。これにより、間接的に、自分の視点と同じような視点を持つ他人を特定することとなる。そして、自分と同一の視点の他者が付与した付加情報に関わる関連情報、たとえばその他人が付与した付加情報そのものや、その付加情報にて示される閲覧中文書内の語句から導かれるクエリに該当する別の文書を検索する。なお、検索処理のための実質的に読んだ部分を特定するために使用された付加情報付与部分の情報の登録は禁止するようにする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る情報検索表示処理方法および情報検索表示処理システムを適用した電子会議システムの構成例を示す図である。なお、この例での電子会議の場面設定としては、たとえば、開発開始提案や国際技術標準化会議など、電子的なドキュメントベースの会議の場面を想定する。
【0024】
電子的なドキュメントとしては、たとえば、開発開始提案の場面では、前任機(現行機種など開発対象機種に対するそれ以前の機種)に関する仕様書、市場トラブルレポート、サポート部門の技術標準書類、など類似文書が多数ある。また、技術標準化会議の場面では、似たような技術標準書や同じ技術に関するメーリングリストなど関連する文書が周囲に存在している。
【0025】
電子会議システムへの参加者としては、たとえば、決定に影響を与えたり決定事項から影響を受けたりする組織の代表である参加者、議長、記録係などが想定される。
【0026】
電子会議システムでは、たとえば、代表者の誰かが提案書を纏め事前に資料を配布している。そして、会議の前に参加者ならびに議長が資料を読み、手書きのアノテーションなどの電子付箋を表示画面上に加えることができる。また、会議の進行中に組織の代表者は、バックオフィスにいる関係者とアノテーションを用いてコンテキストを共有し、また互いに連絡をとりながらリアルタイムに部門意見の調整を行なうこともできる。
【0027】
ここで、電子会議システムにおける会議の流れの中で、手書きアノテーションなどの電子付箋の共有が関わる場面としては、たとえば、次のようなものが考えられる。
*配布された資料を会議前に読み、アノテーションを書き込む。
*説明内容を聞きながらアノテーションを入れる。
*質疑応答セッションで、アノテーションをもとに質問箇所を素早く探して質問する、あるいは応答する。
*過去の関連文書を検索する。
*会議中で同僚に質問する。
*議論のセッション。
*採択や意見集約のセッション。
*合意事項の確認のセッション。
*議事録作成。
*会議の模様をグループのメンバーに報告する。
*会議を通して専門家を発見したり、多様な視点に気付かされたりする。
【0028】
<<システム構成の概要>>
次に、図1に示した電子会議システムの構成を説明する。電子会議システム1は、電子会議の参加者が使用するクライアントシステム100と、電子会議システム1にて使用される電子データ(文書データに限らず、会議に必要な他の電子的な情報の全てを含む)を処理するサーバシステム200とを備えている。クライアントシステム100およびサーバシステム200を構成する各機能要素は、有線や無線などのネットワーク(通信網)9によって接続されている。
【0029】
クライアントシステム100は、会議への参加者ごとに設けられている。図示した例では、2セット分を例示しているが、その数は2つに限らない。なお、1つのセットは1人のユーザが使用するものとする。予め端末の利用者が決まっている状況を前提にすることで、端末と利用者を1対1に対応付けるためである。個人のプロファイルの保存と検索を行なうプロファイルサーバやプロファイルDBを設け、端末を使用するユーザを識別する仕組みを設けることで、1つのセット(端末)を複数人が共用する仕組みとしても構わない。
【0030】
クライアントシステム100は、電子文書を表示するための文書ビューア102(図では102a,102b)、文書ビューア102に表示されている電子文書に付加情報の一例であるアノテーションを付与するためのアノテーションデバイス170(図では170a,170b)、および画面操作の履歴を保存したり文書ビューア102を制御したりするマネジャ部180(図では180a,180b)を有する。文書ビューア102とアノテーションデバイス170とで、付加情報付与部106(図では106a,106b)およびアノテーション検出部(付加情報付与部分情報取得部)107(図では107a,107b)とが構成される。また、付加情報付与部106とアノテーション検出部107とで、検索範囲設定部が構成される。
【0031】
文書ビューア102は、図示しない本体(クレードル/ドッキングステーション)に装着自在となっている。文書ビューア102としては、たとえば、パソコンなどに使用されるCRTや液晶(LCD)などのディスプレイや、紙を模倣したようなデバイス(たとえばタブレットPC)などを使用するとよい。なお、文書ビューア102は、ホワイトボード程度の大きさにした大型タブレットとして構成してもよい。
【0032】
アノテーションデバイス170としては、手書き入力ができる機能を備えたものであるのがよく、たとえばペンの形状を持つデバイスなどの入力デバイスを使用するとよい。ペン形状のデバイスの場合、表示面上をデバイスで直接指示できるように、たとえば電磁誘導方式の検知機構とする場合には文書ビューア102およびアノテーションデバイス170ともに指示入力を検知する仕組みを持つものとする。また、タッチパネル方式を採用してもかまわない。また、アノテーションデバイス170は、ペン型のものに限らず、マウスやキーボードなどの入力・指示デバイスを用いるものであってもよい。
【0033】
マネジャ部180は、文書の閲覧履歴やアノテーションの履歴(ログファイル)を保存するログファイル格納部182(図では182a,182b)を有する。また、このマネジャ部180は、読み手により指定された表示手法(本例では強調表示機能)を実現する機能部が設けられる(後述する図3参照)。
【0034】
サーバシステム200は、付加情報管理部の一例であってログファイルやアノテーションを管理するアノテーション管理部210と電子文書を管理する文書管理部220とを有する。
【0035】
アノテーション管理部210は、文書に付与されたアノテーションの保存と検索を行なうサーバであるアノテーションサーバ212と、付加情報登録部の一例であってアノテーションおよびそれに付随する属性情報を保存するためのデータベース(Data Base )であるアノテーションDB216とを有する。アノテーションDB216は、文書にアノテーションなどの付加情報を付与した人物を特定するユーザ情報を付加情報と対応付けて登録する。
【0036】
文書管理部220は、文書の保存と検索を行なうサーバである文書サーバ222と、文書およびそれに付随した属性情報を保存するためのデータベースである文書DB224とを有する。
【0037】
文書本体を管理する文書管理部220と、電子文書に付与されるアノテーションなどの付加情報を管理するアノテーション管理部210とを設けることで、配布資料に対する加筆修正がそれぞれ独自に行なわれるケースでも、会議終了時に原本と合わせたときにその内容に矛盾が生じることを回避することができる。
【0038】
たとえば、だれかが原本のある部分に補足説明を加え、一方、だれかが同じ部分を削除するような修正を加えたときでも、それらの編集部分を文書DB224に登録されている文書本体とは別に、文書本体と対応付けてアノテーションDB216に登録しておくことで、会議資料本体やこれに対する加筆修正などの内容に矛盾が生じることなく情報の管理を行なうことができる。また、アノテーションDB216を参照することで、その場で出された意見や討論の内容を後で書き出すことも容易である。
【0039】
なお、図示したサーバシステム200の各管理部210,220は、それぞれ別体のものであってもよいし、任意の組合せにて同一筐体内に収容されたものであってもよい。たとえば、各サーバは共通のコンピュータで構成されていてもよいし、各データベースとして共通のハードディスク装置を利用するものであってもよい。なお、アノテーション管理部210および文書管理部220を纏めて、文書情報管理部ともいう。これら管理部210,220としては、たとえばワークステーションが使用されるとよい。
【0040】
<文書ビューアの外観>
図2は、情報表示処理装置の一実施形態である文書ビューア102の表示面側に着目した外観図である。図示するように、この文書ビューア102は、表示デバイスの一例である液晶表示パネル103と種々のハードウェアキーで構成された操作ボタン110とが筐体109に収容されて構成されており、ある程度の厚みを持った1枚の板状に形成されている。
【0041】
液晶表示パネル103は、バックライト付きパネルとして構成されており、文書を表示するための文書表示エリア104として使用される。文書表示エリア104上は、アノテーションデバイス170にて手書き入力(デジタルインク)が可能である。マネジャ部180には、このデジタルインクに対応したメモ書きユーティリティ(ハードウェアおよびアプリケーションソフト)が組み込まれる。
【0042】
デジタルインクに対応したコントローラとしては、手書きで入力したデータを“デジタルインク(手書き文字)”として認識し処理するためのものであればよく、必ずしも、手書きで入力したものをテキスト変換する機能(手書き文字認識機能)を備えたものである必要はない。この場合でも、テキストの最上位フォーマットとして取り扱うことができ、手書き文字のまま検索したり、文字を加工(カラー変更など)したりすることができる。なお、デジタルインクデータフォーマットを画像データ(たとえばビットマップデータ)として取り扱ってもよい。
【0043】
このように、文書ビューア102は、紙の文書を読む際に文書に好きな形で下線や丸を付けたりメモを書き込んだりするのと同様に、アノテーションデバイス170を用いて書込み入力が可能となっている。また、厚みを持った1枚の板状に形成されているので、たとえば、書込み時に、膝の上に置いたり傾けたりして読みやすい位置や角度に据えることも容易である。
【0044】
書込み入力された情報(文書本体の付加情報)は、文書ビューア102内の図示しない記憶部に保持され、所定のときにサーバシステム200のアノテーション管理部210に送られ、アノテーションDB216に文書本体と対応付けられて格納される。後にその文書を読み出すときには、文書本体とともに、過去に記入したアノテーションも読み出され、文書表示エリア104に表示される。
【0045】
これにより、紙のように自由に好きな形で下線や丸あるいはメモなどの書込みを入れることで、情報の記載場所に関する読み手の記憶を視覚的に助ける効果を発揮させることが可能となる。
【0046】
たとえば、電子会議システム1を利用した会議であれば、配布された資料を会議前に読みアノテーションを書き込んだり、あるいは会議の途中に説明内容を聞きながらアノテーションを入れたりするなどに利用することができる。
【0047】
操作ボタン110としては、複数のハードウェアキーが用意されている。たとえば図示するように、文書DB224に格納された文書を読み込むための文書読込みボタン114と、文書表示エリア104に描画されたアノテーションを保存するための保存ボタン116とを備えている。また、操作ボタン110としては、アノテーションDB216に保存されるアノテーションを検索し文書表示エリア104に表示させるための検索ボタン118とページを前後に捲るための前ページ送りボタン122aおよび次ページ送りボタン122bからなるページ捲りボタン122を備えている。なお、操作ボタン110のハードウェアキーに代えて、文書表示エリア104にキーボタンを表示するソフトウェアキーとしてもよい。
【0048】
この文書ビューア102は、内部に備えられている記憶媒体から読み出したデータ、あるいは図示しないネットワーク接続機能部を介してサーバシステム200(Webサーバでもよい)などから取得したデータに基づいて画像を液晶表示パネル103に表示するように構成されている。
【0049】
また、文書ビューア102は、本を読むようにパラパラと捲りながらページ単位で表示を切り替えていく機能(捲り表示機能)が搭載されており、この捲り表示機能を利用することで、たとえば、取り込んだ多数の情報の中から所望の情報を素早く検索できるように構成されている。
【0050】
すなわち、この文書ビューア102における情報検索時には、前ページ送りボタン122aや次ページ送りボタン122bといった2つのページ送りボタン(ページ捲りボタン122)を操作することで、ページ捲り操作を行ないながら所望のページ情報を液晶表示パネル103に表示させることができる。また、前ページ送りボタン122aや次ページ送りボタン122bの何れか一方を連続的に押し続けると高速でページ送りを行なうことができ、これにより、次々と表示される情報を確認しながら所望とする情報を探すという操作が可能となっている。
【0051】
また、捲り表示の際は、ページ送り操作に合わせて、液晶表示パネル103の液晶素子を駆動する画素振幅である画像コントラストや画像全体の明るさである表示明度(ブライトネス/背景輝度)を通常表示時と異なるものとし、表示デバイス上の表示画像の明暗状態を所定時間に亘って通常状態の明暗の調子と異なるものにすることで、全体の画像の特徴抽出が容易となるように構成されている。
【0052】
<文書ビューア/マネジャ部>
図3は、文書ビューア102とマネジャ部180の機能ブロック図である。文書ビューア102は、ページ単位で画像を表示する表示デバイスの一例である液晶表示パネル103と、文書ビューア102におけるの表示処理全体を制御するコントローラ130と、所定条件の元に新しいページ画像を生成するページ画像生成部140とを備える。コントローラ130は、液晶表示パネル103上のページ画像の切替指示を操作ボタン110を介して受け付けるページ送り指示受付部132を有する。ページ画像生成部140は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けたことを条件として新しいページ画像を生成する。
【0053】
また、文書ビューア102は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けたことを条件として、液晶表示パネル103上の画像を切り替えるとともに表示画像の明暗状態を所定順序に従って切り替える表示輝度制御部150を備える。
【0054】
ページ画像生成部140は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けると、指示された方向(前方/後方の何れか)の新しいページ画像を生成し、生成し終えると、その旨を示す生成完了信号S1を表示輝度制御部150に通知する。
【0055】
表示輝度制御部150は、液晶表示パネル103上におけるページ画像の表示コントラストを制御する機能部であるコントラスト制御部150aと、液晶表示パネル103のバックライト輝度を制御することでブライトネスを制御する機能部であるブライトネス制御部150bとを有する。
【0056】
表示輝度制御部150は、液晶表示パネル103上のページ画像のコントラストをコントラスト制御部150aにより調整したり、あるいはページ画像のブライトネスをブライトネス制御部150bにより調整したりして、液晶表示パネル103上における表示輝度を制御する。なお、コントラストおよびブライトネスの両方に限らず、この両者の少なくとも一方を調整するものであればよい。
【0057】
この表示輝度制御部150は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けると、液晶表示パネル103の画像をページ画像生成部140が生成した新しいページ画像に切り替えるとともに、表示輝度を所定時間だけ通常表示(その時点にユーザが設定しているコントラストやブライトネスの状態)と少し変える機能を備えている。これにより、本を読むようにパラパラと捲りながら表示を行なっていく場合でも、判別能を高めることができる。
【0058】
一方、マネジャ部180は、ログファイル格納部182の他に、読み手が読もうとする対象文書を文書DB224から取り込み強調表示すべき文字やセンテンスを特定する強調語/センテンス特定部184と、強調表示すべき文字やセンテンスの選択手法を強調語/センテンス特定部184に指示する強調語/センテンス選択手法指示部186と、強調表示機能の有効/無効(オン/オフ)を制御する強調指示制御部188とを備える。
【0059】
マネジャ部180は、先ず、強調語/センテンス選択手法指示部186にて読み手(本例では会議参加者)により指定された手法を実現する強調語/センテンス特定手法を選択し強調語/センテンス特定部184に指示する。読み手が読もうとする対象文書は、強調語/センテンス特定部184に入力される。強調表示機能がオンとなっている場合は、強調語/センテンス特定部184にて強調表示すべき語句(単語、センテンス、あるいは文章)をどのように表示するかが決定された後に文書ビューア102のコントローラ130を通じページ画像生成部140へ画像情報が送られる。
【0060】
なお、強調表示手法としては、濃度(コントラスト/ブライト)を変化させて表示させる、フォント(種類やサイズ)を変化させて表示させる、文字色を変化させて表示させる、文字の背景色を変化させて表示させる、下線やべた塗りを付す、などという方法がある。
【0061】
また、強調表示機能を利用することで、「流し読み機能」を持たせる場合にも効果を高めることができる。たとえば、紙の文書を流し読みするとき、読み手は、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句を拾い読みしながら、大事な内容が掲載されていそうなページや文書の大凡の印象を得るといったことを行なっている。この文書ビューア102でも、「流し読みモード」を設けることで、文意をよく表現していると思われる重要語句を濃く表示することができる。濃く表示されているキーワードを追っていくことによって、短時間で文書の内容を理解することができる。また、読み手は、濃く表示されている語句の周辺が重要な箇所であると推測することもできる。より深く内容を理解したければ、そこを読み進めればよい。
【0062】
また、アノテーション機能を利用した文献リストの自動生成とリンクさせた文書を表示することもできる。たとえば、ある文書に読み手が書き込んだ下線や丸などの印がついた語句をキーワードにして、サーバシステム200に保持している文書に検索をかける。そしてキーワードが頻出する文書を参考文献としてリストアップする。読み手は、文書のタイトル、キーワードが頻出している個所の文章(クリップ)とページ番号を参照することができる。
【0063】
指定された参照文献を表示する際には、クリップ(検索条件に該当した語句を示す状態)中のキーワードに、たとえば、フォント種やサイズあるいは色を変える、下線(アンダーライン)を引く、下線の太さを変える、マーカーペンのように色塗りする、あるいは濃い文字で表示するなどの強調表示をする。こうすることで、参照文献の内容を素早く理解することが可能となる。これらの手法をどのように実現するかは、公知技術であるので、説明を割愛する。
【0064】
なお、強調語/センテンス特定部184、強調語/センテンス選択手法指示部186、および強調指示制御部188の各処理は、本願出願人に係る特願2002−314876号を参照するとよい。
【0065】
<文書サーバ/文書データベース>
図4は、文書サーバ222および文書DB224の構成例を示す図である。文書サーバ222は、「登録」と「文書読込み」を外部からの指示により受け付ける。たとえば、文書ビューア102の文書読込みボタン114が操作されたことをクライアントシステム100にて検知すると、クライアントシステム100は、その旨をサーバシステム200を構成する文書管理部220の文書サーバ222に通知する。これにより、文書サーバ222は、文書DB224から指示された文書を読み込む。
【0066】
なお、「登録」は、たとえば“http://datacenter.company.co.jp/access.cgi?DocumentID=8gjk3cl3”などのように、文書DB224への文書の格納先を示すアドレスを示した登録したい文書へのURL(Uniform Resource Locators )などのパスやディレクトリへのパスで与えることとする。
【0067】
文書サーバ222は、与えられたパスが示す文書(群)に対し、順次、文書IDを付与し、文書名と文書本文を文書DB224に登録する。このとき、文書DB224内のデータ構造は、たとえば図4(B)のようになる。文書名または文書本文はURLなどの文書へのパスでもかまわない。
【0068】
文書サーバ222は、文書ビューア102から「文書読込み」の指示を受け付ける。文書サーバ222は、「文書読込み」の指示を受け付けると、文書DB224内の文書名の一覧を作成し、文書ビューア102へ返す。また、文書サーバ222は、文書ビューア102より文書名を受け取り、対応する文書本文を文書ビューア102へ送り返す。
【0069】
<アノテーションサーバ/アノテーションデータベース>
図5は、アノテーションサーバ212およびアノテーションDB216の基本的な構成例を示す図である。
【0070】
アノテーションサーバ212は、「保存」と「検索」を外部からの指示により受け付ける。たとえば、文書ビューア102の保存ボタン116が操作されたことをクライアントシステム100にて検知すると、クライアントシステム100は、その旨をサーバシステム200を構成するアノテーション管理部210のアノテーションサーバ212に通知する。これにより、アノテーションサーバ212は、保存を指示されたアノテーション情報(付加情報の特徴を表した情報の一例)をそのアノテーションが付与されていた文書に対応付けて、記憶部の一例であるアノテーションDB216に登録(格納)する。
【0071】
たとえば、アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から「保存」の指示を受け付ける。このとき、保存したいアノテーション内容と、アノテーションの矩形情報と、アノテーションが付与された文書IDと、「保存」指示を発した文書ビューア102の端末IDとが与えられる。
【0072】
アノテーションサーバ212は、与えられた端末ID、文書ID、矩形情報(詳細は後述する)、アノテーション内容を、テーブルデータとしてアノテーションDB216に保存する。このときアノテーションDB216内のデータ構造は、たとえば図5(B)のようになる。アノテーションIDは、文書IDと端末IDとの組合せが新規の場合、新たに付与される。新規でない場合は、そのアノテーションIDで示される行を上書きするものとする。
【0073】
アノテーション内容は、描画されたアノテーションを再現するためのデータであり、ビットマップやベクトルデータなどのデータとなる。端末IDは、文書ビューア102を操作しているユーザが使用している端末を示す情報である。
【0074】
また、クライアントシステム100は、文書ビューア102の検索ボタン118が操作されたことを検知すると、その旨をサーバシステム200を構成するアノテーション管理部210のアノテーションサーバ212に通知する。これにより、アノテーションサーバ212は、検索を指示されたアノテーション情報をアノテーションDB216から読み出す。
【0075】
たとえば、アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から「検索」の指示を受け付ける。このとき、アノテーションサーバ212は、文書IDと矩形情報とアノテーション付与範囲に関する情報をクライアントシステム100(文書ビューア102)から受け取る。アノテーションサーバ212は、これらの情報(検索条件)に基づきアノテーションDB216内を検索し、適切なアノテーション内容を文書ビューア102へ返す。この検索処理については後述する。
【0076】
<<アノテーション付与に関する処理>>
次に、アノテーション付与に関する処理について、具体例を用いて説明する。先ず、文書の登録、読込み、アノテーション付与、保存までを説明する。
【0077】
<文書の登録処理>
図6は、以下に述べる具体例における文書DB224の構成例を示す図である。先にも述べたように、文書の登録は、登録したい文書へのURLやディレクトリへのパスで与えることとする。文書サーバ222は、受け取ったパスで示される文書の文書ID、文書名、文書本文を、文書DB224への文書の登録内容として、図6のように登録する。この例でのそれぞれの文書は、コピー機の操作に関するマニュアルである。
【0078】
<文書の読込み処理>
文書の読み込みを希望する参加者(本例ではユーザA)は、文書ビューア102の文書読込みボタン114を押下する。この指示を受け付けた文書ビューア102は、文書読込み要求を文書サーバ222へ発信する。
【0079】
この通知を受けた文書サーバ222は、文書DB224内の文書名の一覧を作成し、文書ビューア102へ返す。ここでは“manual1.txt ,manual2.txt ,manual3.txt ,manual4.txt ”となる。文書ビューア102は、文書名の一覧をリストボックスなどで表示しユーザAへ選択を促す。
【0080】
ユーザAは、“manual2.txt ”を選択したものとする。文書ビューア102は、“manual2.txt ”が選択されたことを文書サーバ222へ通知する。文書サーバ222は、“manual2.txt ”に付与される文書IDと文書本文を文書DB224より検索し、文書ビューア102へ返す。文書ビューア102は、受け取った文書本文を文書表示エリア104へ表示する。なお、文書サーバ222に全文検索機能などを設けると、読込みの対象として検索結果を提示することも可能である。
【0081】
<アノテーション付与処理>
図7は、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書にアノテーションを付与した状態の表示例を示す図である。読み手(ユーザA)は、文書表示エリア104に表示された文書に対して、興味や関心に応じて下線や丸などの印(アノテーションなどの電子付箋)を付与しながら文書を読む。ここではアノテーションデバイス170としてペン型のデバイスを利用する。この場合、紙に書き込むようにアノテーションを付与することができる。
【0082】
このとき、文書表示エリア104は、図7(A)に示されるように、アノテーションが付与された部分を特定するために、実際には目に見えないが文字を含む矩形に区切られているものとする。文字の無い空白名部分や図表などの部分も適当な大きさの矩形に区切る。たとえば、前後の文字のフォントサイズを参考に適当な大きさの矩形に区切るとよい。それぞれの矩形には、各矩形を特定するための情報が付与される。たとえば、連続した矩形番号が左上から横方向に順に付与される。複数ページに亘る文書の場合には、次ページ以降も前ページに連続した番号が付与されるものとする。矩形番号によって、どのページに付与されたアノテーションであるのかを特定することができる。なお、ページごとに独立した矩形番号を付与し、ページ番号と各ページの矩形番号とにより、どのページに付与されたアノテーションであるのかを特定するようにしてもよい。
【0083】
たとえば、コピー機のマニュアルの校正を行なう会議で、ユーザAはマニュアルのあるページの説明文の「原稿の中心を…」に着目して、図7(A)に示されるアノテーションa1を付与したとする。また、綴じ代を行なう操作にも注目してアノテーションb1を付与したとする。この後、2ページ目、3ページ目と読み進み、実際に操作を行ないながら注意すべき点などを、図7(B)のように3ページに亘ってアノテーションを付与したとする。
【0084】
<保存処理>
図8は、本事例において文書ビューア102が保存指令を受けたときにアノテーションサーバ212へ送る情報の一例を示した図である。また、図9は、本事例におけるアノテーションDB216の構成例を示す図である。図9に示すデータの構成例は図5に示したものと同様である。
【0085】
文書ビューア102は、この保存指示を受け付けると、アノテーションが付与された文書の文書ID、端末ID、アノテーションが付与された矩形の矩形番号、およびアノテーション内容(画像情報)をアノテーションサーバ212へ送る。アノテーションサーバ212へ送る情報は、図8のようになる。ここで文書ビューア102の端末IDは“1”であるとする。
【0086】
アノテーションサーバ212は、図8に示した情報を受け取り、アノテーションDB216へ格納する。このとき、既に同一の文書IDと端末IDの組合せがある場合は、受け取った情報をそこに上書きをする。この例では、図9に示すように、アノテーションDB216には既に、文書ID2,3,4に対して所定の端末(端末ID;1,2,3)で付与されたアノテーションが4個保存されている(アノテーションID;1,2,3,4)。ここで、アノテーションDB216には、文書ビューア102から送られた図8に示す情報と同一の文書IDと端末IDの組合せの登録がないので、アノテーションサーバ212は、新規にアノテーションIDに“5”を割り当て、図9の下段のように登録する。
【0087】
以上で、文書に対するアノテーション付与に関する操作状況のデータベースへの保存が終了する。
【0088】
<<電子付箋を利用した情報検索表示処理>>
次に、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書にアノテーションなどの電子付箋を付し、このアノテーションなどで示された情報を利用することで、効率的な情報検索を実現する手法について、具体的に説明する。以下、このような情報検索機能をなす電子会議システム1の情報表示処理に関わるシステムを、特に情報検索表示処理システムという。
【0089】
図10は、情報検索表示処理システム7について、アノテーションを利用した情報検索機能に着目した第1実施形態のブロック図である。ここで、図10(A)は、全体構成の概要を示し、図10(B)は、情報検索表示処理機能に特化した機能要素の詳細を示す。
【0090】
本実施形態の情報検索表示処理システム7は、付加情報検索表示処理部の一例であって、効率的な検索処理やアノテーション情報の提供処理を実行する仕組みを司る専用の装置であるアノテーション処理装置218を備えている。
【0091】
ビューア使用者(ユーザ;本例では会議への参加者)は、会議進行中に、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書をページ捲りをしながら読みつつ、アノテーションデバイス170を用いて、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句に下線や丸などの印(アノテーション)を書き込む。あるいは、メモ書きを付してもよい。メモ書きは、フリーハンドによるものに限らず、規定枠にテキスト入力をするテキストアノテーションであっても構わない。
【0092】
これらの文書に付与されたアノテーションなどの文書本体に対する付加情報に関する情報は、保存ボタンが押されることで、ネットワーク9を介してサーバシステム200に送信される(図8参照)。文書本体は、文書管理部220にて管理されている(図4や図6参照)。
【0093】
文書本体に対応するアノテーションなどの付加情報は、アノテーション管理部210のアノテーションDB216に、その文書本体に対応付けられて管理(保存)される(図9参照)。
【0094】
そして、必要に応じて読み手から検索が指示されると、読み手が指定した検索条件に従って適合する付加情報(たとえばアノテーション)をアノテーション管理部210を利用してサーチ(検索)し、検索条件に合致する情報をユーザに提示する。
【0095】
たとえば、図1に示した電子会議システム1の構成では、ユーザは、電子会議の最中に、電子文書を文書ビューア102の表示面に表示し、その表示面上でアノテーションを付与することができる。ここで、様々な文書や、膨大な量の文書を使う会議において、または長期間継続して文書を使った活動において、アノテーションを付与できる文書表示装置を使って、知的活動を行った場合を考える。
【0096】
最初はある1つの文書から使い始め、その文書のある箇所について詳細を知る必要に迫られ、別の文書を表示することがある。その別の文書でもさらに別の文書の情報を必要としている箇所があり、また別の文書を開くケースも生じ得る。このように、次々に肝要となる箇所にアノテーションを付けていくシーンを考える。
【0097】
このシステムでは、電子的に表示された文書に対して付与されたアノテーション(アンダーラインやマーキングや文字の書込みなど)を共有できるようになっている。また、ある文書の一部に付与されたアノテーションの状態をクエリとして、既に同じ位置に付与されている文書のアノテーションを検索結果として再現することもできる。アノテーションが付与された位置は読み手にとって、何らかの興味がある位置であると思われる。また、他人や自分が以前に付与したアノテーションを再現することにより他人や自分が付与した興味のある位置を知ることができる。また、アノテーションを付与した人物ごとに管理し、ある特定の人物を指定することにより、ある特定の人物の興味を知りたい場合は、その人物が付与したアノテーションのみを再現することができる。
【0098】
また、特定の人物のアノテーションを再現するよりも、特定の視点で付与されたアノテーションを再現することも有効となる場合がある。たとえば、自分がある視点である文書を読む場合に、既に同一の視点で他者がその文書を読んでおり、アノテーションを付与している場合、自分と同一の視点の他者が注目している点を素早く知りたい場合がある。この要求に応えるべく、本実施形態の電子会議システム1(情報検索表示処理システム7)は、電子付箋を利用して、会議の途中や会議が終わった後などに、自分と同一の視点を有する他者が付した電子付箋を再現することで効率的な情報処理を行なうことを可能とする機能(以下情報検索表示処理機能という)を備えている。具体的には、この情報検索表示処理機能を実現する中央処理部として、アノテーション処理装置218が機能する。以下、本実施形態の特徴部分である電子付箋を利用した情報検索表示処理機能について詳しく説明する。
【0099】
図10(A)に示すように、この機能をなす情報検索表示処理システム7は、読み手から検索処理や情報表示指示を受け付けるための検索要求部の一例である要求受付部560と、検索要求された該当文書やその他の関連した情報がアノテーション管理部210のアノテーションDB216や文書管理部220の文書DB224に登録済みか否かを検索し、該当品がある場合にはその検索結果やアノテーションと関わりのある情報をクライアントシステム100側へ送るアノテーション処理装置218と、アノテーション処理装置218から送られた検索結果やその他の情報を表示する表示処理部101とからなる。
【0100】
なお、アノテーション処理装置218の機能を、アノテーションサーバ212や文書サーバ222にて担当してもよい。この場合、図中点線で示すように、アノテーションサーバ212と文書サーバ222とが直接に(あるいはネットワーク9を介して)アノテーションの検索処理に関わるアノテーション情報のやり取りをするようにする。
【0101】
表示処理部101は、文書ビューア102とマネジャ部180とにおける表示処理に関わる部分で構成される。クライアントシステム100側へ送られるアノテーションと関わりのある情報としては、たとえばアノテーション処理装置218で生成される検索結果を纏めたリスト情報などがある。
【0102】
アノテーション処理装置218の一構成例は図10(B)に示される。このブロック図により、アノテーションを利用することで情報検索表示処理機能を果たすための、検索処理や情報表示処理を効率的に行なうことを可能にする機構が具体的に示されることとなる。
【0103】
図示するように、アノテーション処理装置218は、検索条件を決定する検索条件決定部544と検索条件決定部544により決定された検索条件に合致するアノテーション情報を検索する検索部546と、検索部546により検索された検索条件に合致するアノテーション情報を関連情報としてユーザに提示する関連情報提示制御部の一例であるアノテーション提示制御部550とを備える。検索部546とアノテーション提示制御部550とにより検索処理部545が構成される。検索条件決定部544による検索条件の決定は、文書ビューア102上に条件設定のための画面を提示し、ユーザからの指示入力を受け付けることで実現する。
【0104】
クライアントシステム100側に設けられている要求受付部560は、文書に付与された全ての電子付箋のうち、ある特定の条件に合致する電子付箋のみを選択的に表示させる要求を受け付けることができるようになっている。ある特定の条件としては、少なくとも“自分と同一の視点を有する他者が付した電子付箋(本例では手書きのアノテーション)”を含むものとする。要求受付部560がこのような表示要求をユーザから受け付ける仕組みは、アノテーション検索をトリガとして行なうものとする。
【0105】
たとえば、要求受付部560は、検索ボタン118が押下されたことを検知すると、“自分と同一の視点を有する他者が付した電子付箋(本例では手書きのアノテーション)”の検索を、アノテーション処理装置218に指示する。ここで、この第1実施形態では、“自分と同一の視点を有する他者が付したアノテーション”を特定する手法として、自分が閲覧中の文書に自身で付与したアノテーションを利用する。具体的には、自身が付した位置とほぼ同じような位置に他者により付与されたアノテーションを、自分と同一視点で他者により付与されたと思われるアノテーションとする。
【0106】
文書ビューア102は、検索ボタン118が押下されたことを検知すると、端末ID、閲覧中の文書を特定する文書ID、および表示中の文書ページのアノテーションが付与された矩形の矩形番号を検索要求としてアノテーションサーバ212へ送る。
【0107】
アノテーション処理装置218の検索条件決定部544は文書IDとアノテーション位置を示す矩形番号を検索条件に設定し検索部546に検索を指示する。検索部546は、アノテーション情報を登録しているアノテーションDB216を検索し、検索を指示された文書(閲覧中の文書)に関わる検索を指示した者と同一視点の他者により付与された全てのアノテーションを検索し、検索結果をアノテーション提示制御部550に渡す。アノテーション提示制御部550は、所定のルールに従ってスコアリングをし、最終的に文書ビューア102に表示すべきアノテーションを特定する。この後、アノテーション提示制御部550は、所定のスコアを獲得したアノテーションIDのアノテーション内容(画像情報)を文書ビューア102に送る。
【0108】
図11は、図10に示した情報検索表示処理システム7における情報検索処理(特にアノテーションが付与された視点を利用した情報検索処理)の手順を示す概略図である。図12は、検索指示を発する文書閲覧中のユーザが文書に付したアノテーションの一例を示す図である。図13は、検索要求が発せられたときにクライアントシステム100(文書ビューア102)からアノテーション管理部210(アノテーションサーバ212)へ通知される情報の一例を示す図である。
【0109】
ステップS100〜S102(アノテーション付与/登録);
会議に参加している各ユーザは、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書ID2の文書“manual2.txt ”を読みながら、アノテーションデバイス170を用いて、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句にアノテーションを付与する。アノテーション検出部107は、文書に付与されたアノテーションの位置や属性を検出し、この検出したアノテーションの位置や画像情報を文書IDとともにアノテーション処理装置218に渡す(S100)。
【0110】
アノテーション処理装置218は、アノテーションの位置や画像情報を、アノテーションサーバ212を介して図9に示したようにアノテーションDB216に登録する(S102)。
【0111】
ステップS110〜S116(同一視点アノテーションの検索);
ユーザBは、文書ビューア102にログインする。ユーザBは、自分の端末の文書ビューア102へ文書を読み込む。読み込む手順は上述した通りである。ここでもやはりコピー時の画像移動を行なうための文書として、文書ID2の文書“manual2.txt ”を読み込んだとする。原稿画像を用紙の中心へ移動して、綴じ代を付ける操作に注目したとする。このとき、1ページ目について注目すべき単語や文について、図12のようにアノテーションa2,b2を付与する。この時点では、「保存」の指示がないので、アノテーションa2,b2の情報(位置や画像情報)は、クライアントシステム100側だけが知り得ている。
【0112】
この後、ユーザBは、これらのアノテーションa2,b2を元に、自分と同一視点の他人により付与されたと思われるアノテーションの検索・再現を指示する。たとえば、ユーザBは、所定のときに検索ボタン118を押下する。つまり、アノテーション検索時には、閲覧中の文書に検索指示用のアノテーションを付与することで、検索範囲を指定する。すると、この検索指示を受け付けた要求受付部560は、アノテーション処理装置218に、このユーザBと同一視点の他のユーザが付与したアノテーション検索を指示する(S110)。
【0113】
たとえば、要求受付部560は、検索ボタン118が押下されたことを検知すると、図13に示すように、文書ID、端末ID、および表示されているページのアノテーションが付与された矩形の矩形番号を検索要求としてアノテーション処理装置218へ送る。ここでユーザBが使用している文書ビューア102の端末IDは“4”とする。
【0114】
アノテーション処理装置218の検索条件決定部544は、図13に示される情報を受け取ると、ユーザBが閲覧中の文書の文書IDを検索条件に設定し検索部546に検索を指示する。検索部546は、アノテーションサーバ212を介して、文書ID2に対するアノテーションが存在するかアノテーションDB216を検索する(S112)。つまり、アノテーション処理装置218は、ユーザBが閲覧中の文書に付与されている全てのアノテーションを先ず検索する。
【0115】
もし無い場合は文書ID2に対するアノテーションが存在しない旨をアノテーション提示制御部550を介して文書ビューア102に返す。ここでは図9に示すデータ構造のアノテーションDB216を検索したとする。文書ID2に関するアノテーションは3件(アノテーションID2,4,5)が検索される。検索結果はアノテーション提示制御部550に渡される。
【0116】
アノテーション処理装置218のアノテーション提示制御部550は、文書ビューア102側から受け取った図13の検索要求と検索部546から得られたアノテーションID2,4,5の矩形情報(矩形番号)とを、それぞれ順に比較することで、文書ビューア102に検索結果として返すべきアノテーションを特定する(S114)。比較の方法は以下の通りである。
【0117】
1)検索要求の矩形情報で最も小さな矩形番号(MinRectNum)を抽出する。図13の例では、MinRectNum=“78”となる。
【0118】
2)検索要求の矩形情報で最も大きな矩形番号(MaxRectNum)を抽出する。図13の例では、MaxRectNum=“142”となる。
【0119】
3)それぞれの比較対象のアノテーションIDの矩形情報(矩形番号)に対して、以下の処理を繰り返す。
【0120】
3−1)MinRectNum≦TargetNum ≦MaxRectNumとなるような矩形番号TargetNum が存在するか否かを計算する。つまり、ユーザBが付与したアノテーションの先頭の矩形位置と最後の矩形位置との間に存在する付与済みの(自身によるものを含んでいてもよい)アノテーションを検索する。要するに、検索要求のアノテーションの付与範囲については、アノテーションが付与された最も小さい矩形番号と最も大きい矩形番号を範囲とするということである。
【0121】
存在する場合、その範囲の矩形情報が検索対象となる。存在しない場合、次のアノテーションIDについて調べる。たとえば、アノテーションID2の矩形情報を調べると、159−183,231−256となっており、MinRectNum≦TargetNum ≦MaxRectNumとなるようなTargetNum は存在しない。アノテーションID4の矩形情報は134−147のうち134−142が含まれるので検索対象となる。アノテーションID5の矩形情報は75−100,133−147のうち78−93,133−142が含まれるので検索対象となる。
【0122】
3−2)
a;MinRectNum,MaxRectNumの範囲で何割の検索要求の矩形が検索対象の矩形情報に含まれるかを示すアノテーション再現率を計算する。
b;MinRectNum、MaxRectNumの範囲で何割の検索対象の矩形情報が検索要求の矩形情報に含まれるかを示すアノテーション適合率を計算する。
c;アノテーション再現率と適合率の平均値を取る。
【0123】
つまり、a〜cにより、アノテーション付与位置を利用した視点類似度計算処理を実行する。アノテーションID4の場合、検索要求の矩形情報が検索対象の矩形情報に含まれる割合は、9/26=0.35(78−93,133−142は134−142中に9個含まれる)。またアノテーションID4の検索対象の矩形情報が検索要求の矩形情報に含まれる割合は、9/9=1(134−142中に78−93,133−142は9個含まれる)。平均値は(0.35+1)/2=0.675となる。
【0124】
アノテーションID5の場合、検索要求の矩形情報が検索対象の矩形情報に含まれる割合は、26/26=1(78−93,133−142は78−100、133−142中に26個含まれる)。またアノテーションID5の検索対象の矩形情報が検索要求の矩形情報に含まれる割合は、26/33=0.79(78−100、133−142中に78−93,133−142は26個含まれる)。平均値は(1+0.79)/2=0.90となる。
【0125】
以上のようにして、すべての検索対象アノテーションに対しての比較が終了すると、アノテーション提示制御部550は、所定のスコアよりも高いスコアを獲得したアノテーションIDの全てのアノテーション内容(画像情報)を文書ビューア102へ返す(S116)。つまり、視点の類似度が所定レベルよりも大きなアノテーションIDの全アノテーションを検索結果とする。たとえば、最も高いスコアを獲得したアノテーションIDの全てのアノテーション内容を検索結果として文書ビューア102へ返す。
【0126】
本例では、アノテーションID5のスコアが0.90と最も高いので、アノテーション提示制御部550は、アノテーションID5の画像情報1,2,3つまりユーザAによってある時点に付与された全てのアノテーションを文書ビューア102へ返す。文書ビューア102は、受け取ったアノテーションの画像情報を文書表示エリア104上に再現する。
【0127】
このように、第1実施形態の情報検索の手法によれば、文書閲覧者と同一の視点を持つと思われるアノテーションを検索し再現する仕組みを構築することができる。具体的には、電子的に表示された文書に対して付与されたアノテーション(アンダーラインやマーキングや文字の書込みなど)を共有できる装置において、ある文書の一部に付与されたアノテーションの状態(アノテーション付与位置)をクエリとして、閲覧中の文書において、既に同じような位置に付与されているすべてのアノテーションを検索結果として再現する仕組みを提案することができる。
【0128】
自分がある視点である文書を読む場合に、既に同一の視点で他者がその文書を読んでおり、アノテーションを付与している場合、その他者のアノテーションを再現することにより、同一の視点で付与されたアノテーションを得ることができる。したがって、興味のある個所にアノテーションがすでに付与されているので、そこに目を通すことにより興味ある情報を素早く得ることができ、特定の人物のアノテーションを再現するよりも、より効率的な情報検索(本例ではアノテーション検索)ができる。
【0129】
たとえば、前例では、ユーザBは1ページ目に付けたアノテーションを元に、ユーザAが付与した2ページ目と3ページ目のアノテーションを文書ビューア102上で確認することができる。ユーザBが1ページ目に付けたアノテーションはユーザAが1ページ目に付けたアノテーションと位置が類似しているので、近い視点でアノテーションを付与したとみなすことができる。したがって、ユーザBは、おそらく、ユーザAが2,3ページ目に付与したアノテーション位置に、同様のアノテーションを付与する可能がある。それを予め提示することにより、ユーザBの文書理解を促進できるであろう。
【0130】
この例では、ユーザBはコピー操作のマニュアルにおいて、原稿を用紙の中心へ移動して、かつ綴じ代を付けてコピーしたいので、1ページ目にその操作に相当する位置にアノテーションを付与した。同じ位置に、既にユーザAがアノテーションを付与しており、かつ2,3ページ目においても、注意点や補足などにアノテーションを付与していれば、ユーザBはそのアノテーションを参照することにより、注目すべき点を素早く確認することができるといった効果がある。
【0131】
なお、この例では、不特定他者のアノテーションを保存・検索できる例であるが、マニュアルの場合、マニュアル執筆者が予め、この部分に興味あるユーザはここにも興味があるはずだとか、ここを注意してみて欲しいといった部分に予めアノテーションを付与し、マニュアルと一緒に提供することによりマニュアルの理解の促進を促すことができる。
【0132】
なお、第1実施形態の構成では、管理装置の一例であるサーバシステム200側にて文書閲覧者(前例ではユーザB)の視点と同一視点で付与されたアノテーションを特定する処理を行なっていたが、必ずしもこのようなシステム構成に限定されるものではない。たとえば、サーバシステム200にて収集したアノテーション情報をそのままクライアント端末の一例であるクライアントシステム100に渡し、クライアントシステム100側にて、文書閲覧者の視点と同一視点で付与されたアノテーションを特定する処理を行なうシステム構成としてもよい。以下、このような形態のシステム構成について説明する。
【0133】
図14は、クライアントシステム100側にて文書閲覧者の視点と同一視点で付与されたアノテーションを特定する処理を行なう第2実施形態の情報検索システムのブロック図である。ここで、図14(A)は、全体構成の概要を示し、図14(B)は、アノテーションの人物属性を利用した情報検索表示処理機能の詳細を示す。
【0134】
図14(A)に示すように、この形態の情報検索表示処理システム7は、図10(A)に示したアノテーション処理装置218を備えていない。その代わりに、図10(B)に示した検索条件決定部544の機能を要求受付部560と一体的に構成している。要求受付部560にて指示された検索条件はサーバシステム200側に渡される。これを受けて、たとえば、アノテーション管理部210や文書管理部220が検索条件に合致する文書やアノテーションを抽出し、検索結果としてクライアントシステム100のマネジャ部180に返す。
【0135】
たとえば、要求受付部560は、同一視点で既に付与されているアノテーション検索の指示を受け付けつけると、ユーザが閲覧中の文書に付与されている全てのアノテーションの検索をアノテーション管理部210に指示する。また、このときには、マネジャ部180に対して、アノテーション付与位置を利用した視点類似度計算処理を指示する。
【0136】
図14(B)に示すように、クライアントシステム100のマネジャ部180には、アノテーション提示制御部550が設けられている。このアノテーション提示制御部550の機能は、図10に示したアノテーション提示制御部550と同様のものである。
【0137】
たとえば、アノテーション提示制御部550は、アノテーション付与位置を利用した視点類似度計算処理を要求受付部560から指示されると、アノテーションサーバ212から、文書ビューア102上に表示中の文書に付与されている全てのアノテーションを受け取る。そして、第1実施形態と同様の手順にて、文書閲覧者により付与されたアノテーション付与位置を利用した視点類似度計算処理を実行し、文書ビューア102上に提示すべきアノテーションを特定する。
【0138】
この第2実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様に、文書閲覧者により付与されたアノテーション付与位置を利用することで、文書閲覧者と同一の視点を持つと思われるアノテーションを検索し再現する仕組みを構築することができる。
【0139】
以上のように、アノテーション位置を利用することで、文書閲覧者と同一視点にて付与されたアノテーションを検索し提示することで効率的に情報(たとえばアノテーション)を検索する手法を説明したが、以下のような変形の手法を採ることもできる。
【0140】
A.上記の例では、アノテーションの検索に、矩形情報を付与し、同じ矩形を共有する割合でアノテーションの類似性を判断したが、類似性の判定方法はこの方法によらない。
【0141】
B.上記の例では、アノテーションの検索結果のランキングにおいて、単純に同じ矩形を含む数をもとにしているが、より長い範囲に付与されたアノテーションの場合、さらに重み付けを行なってもよい。
【0142】
C.アノテーションに色属性を持たせて、検索時に色の合致も考慮してもよい。
【0143】
D.再現率優先あるいは適合率優先の重み付けを行なってもよい。この場合、再現率重視か適合率重視かを、ユーザが指定できるようにするとよい。
【0144】
E.電子ビューア102へのログイン機能を待たせることにより、端末IDの代わりにユーザIDも利用可能である。たとえば、文書ビューア102を使用するにあたり、ユーザは、予めその文書ビューア102に対してログイン作業を行なう。この場合、ユーザIDの合致、すなわち、ユーザIDによるフィルタリングを考慮することもできる。
【0145】
F.上記の例では、ユーザが付与したアノテーションの先頭の矩形位置と最後の矩形位置との間をクエリ(検索範囲)となるアノテーション付与範囲として指定していたが、この検索範囲の指定は、必ずしもこれに限らず、次のような変形例の方法を採ることができる。基本的には、上記実施形態のものも含めて、何れのものも、検索を指示する文書閲覧者が実質的に文書中の所定範囲を読んだ部分を示すものである。“実質的に”とは、きちんと読んではいないが“読んだ”に等しい部分や“これから読もうとするという意志のある部分”も含める意味である。
【0146】
1)検索ボタン118が押下された時点で表示されているページ全体を検索範囲とする。
【0147】
2)ユーザが明示的にアノテーションを用いて検索範囲を指定する。たとえば、ペンなどを利用して範囲を指定する。このとき、範囲を指定するために利用するアノテーションは通常のアノテーションとは異なる仕組み(アノテーション属性)を持つ。たとえば、検索範囲指定用のアノテーション属性として、範囲指定属性を持ち、GUI(Graphical User Interface)上は、他のペンとはインクの色を変える。そのペンで記された、最も小さい矩形番号と最も大きい矩形番号を範囲とする。このようにして、検索範囲の設定に使用される専用のアノテーションは、アノテーションDB216への保存指示があっても保存動作を禁止するようにする。あくまでも、検索範囲の設定(実質的に読んだ部分の特定)のためにのみ使用されるようにすることで、誤使用を避けるためである。
【0148】
3)最新のアノテーション1個の範囲、または、上記実施形態と変形例1の組合せなどを利用して検索範囲を指定する。
【0149】
4)アノテーションが付与された語句を含む文の全体を検索範囲とする。複数の文にアノテーションが付与されている場合は複数の文が付与範囲(実質的に読んだ範囲)となる。ユーザが文書中のある部分にアノテーションを付したとき、その文の全体に文書閲覧者の視点(読み手の意志)があるとする考え方である。アノテーションを付与した語句だけに着目する上記実施形態よりも、より好ましい検索結果が得られると考えられる。
【0150】
5)アノテーションが付与された段落を検索範囲とする。複数の段落にアノテーションが付与されている場合は、複数の段落が付与範囲(実質的に読んだ範囲)となる。ユーザが文書中のある部分にアノテーションを付したとき、ある纏まった単位に文書閲覧者の視点(読み手の意志)があるとする考え方である。アノテーションを付与した語句だけに着目する上記実施形態よりも、より好ましい検索結果が得られると考えられる。一方、このF5の手法と上記F4の手法の何れが好ましいかは、一概に言えない。
【0151】
なお、段落は、文頭が1段下がった文法上の段落に限らず、予め定めた“段落”の定義によるものであってもよい。つまり、ある基準にて“纏まった単位”を段落として捉え、“単文”は纏まった単位に含めない。たとえば、特許明細書であれば、文頭の1段下がりに関わらず、同一の段落番号部分を“纏まった単位=段落”として捉える。
【0152】
G.上記の例では、文書閲覧者が付与したアノテーション位置をクエリの基準としていたが、アノテーション以外の指定をクエリの基準としてもよい。たとえば、ユーザが検索を指示する際に、検索範囲(たとえば矩形枠などで)のみが指定されてクエリとなるアノテーションが付与されない場合である。つまり、検索を希望する文字列にアノテーションを付与して検索指示を発することに代えて、興味のある部分(読みたい部分;実質的に読んだ部分)を矩形枠などで特定して検索指示を発する。
【0153】
検索対象部分を特定する設定枠を指定するための手法は、アノテーションデバイス170やマウスあるいはその他のポインティングデバイスを用いた通常の範囲指定の手法を用いるとよい。また、キーボードで文書中の座標位置(矩形番号でもよい)を指定する手法を用い、矩形の対向する頂点座標(たとえば左上と右下)の位置を指定してもよい。
【0154】
この場合、要求受付部560は、検索範囲設定部として機能し、クエリとなる指定された検索範囲の情報をアノテーション処理装置218やアノテーション管理部210に通知する。アノテーションサーバ212は、指定された範囲内のアノテーションを含むアノテーションIDを検索し、そのアノテーション内容をクライアントシステム100に返す。または、アノテーション内容の代わりに端末IDのリストを返す。端末IDはEで示したように、ユーザIDで置き換えることもできるので、この場合はユーザIDまたはユーザ名のリストを返す。
【0155】
文書ビューア102はアノテーション内容が返された場合は、それらの全てのアノテーションを表示する。このとき、文書ビューア102は、予め指定しておいた範囲のみのアノテーションを表示することもできる。
【0156】
ユーザIDまたはユーザ名が返された場合は、それらのリストを文書ビューア102上に表示する。リストに表示されたユーザIDやユーザ名を選択することにより、そのユーザが付与したアノテーションを、さらにアノテーションサーバ212から検索し、文書ビューア102上に表示することができる。
【0157】
<<電子付箋を利用した知識の共有>>
なお、上記変形例Gの手法(アノテーション以外の指定をクエリの基準とする手法)は、本願出願人に係る特願2002−315121号における情報検索の、検索条件の設定に利用することもできる。特願2002−315121号における情報検索の手法は、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書にアノテーションなどの電子付箋を付し、このアノテーションなどで示された情報を利用することで、システムを利用するユーザ個々人が持つ個人情報の共有、つまり個人ベースでの情報共有(知識の共有)を実現する手法である。
【0158】
ここで、特願2002−315121号では、情報共有(知識の共有)のための情報検索のトリガとなるのが、文書閲覧者が付与したアノテーションであったが、アノテーションに代えて、上記変形例Gのように範囲指定する手法を利用することができる。以下、この点について、第3実施形態として説明する。
【0159】
図15は、アノテーションを用いた検索処理や情報提供処理を利用して、複数ユーザ間で情報の共有を可能とする機能に着目した情報検索表示処理システムの第3実施形態のブロック図である。ここで、図15(A)は、全体構成の概要を示し、図15(B)は、情報提供処理に特化した機能要素の詳細を示す。基本的なシステム構成の枠組みは、図1や図10に示した構成図と相違ない。
【0160】
前述同様、文書閲覧者(本例では会議への参加者)は、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書を読みながら、アノテーションデバイス170を用いて、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句に下線や丸などの印(アノテーション)を書き込む。あるいは、メモ書きを付してもよい。
【0161】
そして、必要に応じて読み手から検索が指示されると、読み手が指定した付加情報の属性に適合する付加情報(たとえばアノテーション)をアノテーション管理部210を利用してサーチ(検索)する。
【0162】
また、アノテーションで示された語句、たとえばアノテーション付近に書かれている文字情報である対象文字列を抽出することができる。また、この対象文字列をクエリとして、文書サーバ222は、そのクエリに合致する文書を文書DB224から検索し、そのリストを文書ビューア102に返すことができる。このとき、文書サーバ222は、検索リストとしてリストアップされた文書本体の格納先(URL)の情報をリンクとして付加しておく。
【0163】
ユーザは、文書ビューア102に表示されたリスト(検索結果)を参照して、必要であれば、そのリストにリンクされている文書をクリックする。これを受けて、文書サーバ222は、指示された文書本体を文書DB224から読み出し、文書ビューア102に提示する。
【0164】
このような検索の仕組みにより、たとえば議事進行中に、過去の関連文書を検索したり、あるいは、会議を通して専門家を発見したりすることができる。これにより、必要とする情報であって、自分がそれまで知らなかった情報を取得することができる。
【0165】
ここで、この第3実施形態では、検索結果を得る際、ユーザが指定した検索条件そのものに関わる情報に限らず、そのユーザが指定した検索条件と類する他のユーザが指定した検索条件にて取得され得る情報についても、自動的にユーザに提示されるような仕組みが設けられている。
【0166】
換言すれば、ほぼ同じ視点の検索条件ではあるが、個々人の個性による視点差(ちょっと違う点)に着目して、同様の興味を持つ他人が取得し得る情報に関しても、検索を指示したユーザに提示するようになっている。以下この点について詳しく説明する。
【0167】
先ず、アノテーション情報は、それを付与した人(ユーザ)および付与された文書内の位置(アノテーション位置)を含んでいる。1つ以上のアノテーション位置を指定することで、その付近にアノテーションを付与したすべてのユーザおよびそれらのユーザが付与した別のアノテーションを検索することができる。
【0168】
ここで、アノテーションの検索対象は同一文書内であっても、別の文書であってもよい。すなわち、「文書の部分→その部分にアノテーションを付与したユーザ→そのユーザが付与したアノテーション位置(の集合)→対象文字列(の集合)」の順に検索が行なわれる。
【0169】
情報検索表示処理システム(本例では特に情報共有処理システム)7は、あるユーザが付与したアノテーションの対象文字列を管理し、あるアノテーションの対象文字列、そのアノテーションが付与された文書内のすべてのアノテーションの対象文字列の集合、そのユーザが付与したアノテーションの対象文字列の集合を検索する。このような処理を実現する中央処理部として、アノテーション処理装置218が機能する。
【0170】
図15(A)に示すように、この機能をなす第3実施形態の情報検索表示処理システム7は、読み手から検索指示を受け付けるための検索要求指定部500を備える。この検索要求指定部500は、要求受付部560とほぼ同様の機能をなすものである。この第3実施形態では、検索要求指定部500は、クエリとなる指定された検索範囲の情報をアノテーション処理装置218やアノテーション管理部210に通知する。
【0171】
アノテーション処理装置218は、検索を要求された文書やその他の関連した情報がアノテーション管理部210のアノテーションDB216や文書管理部220の文書DB224、あるいはアノテーション処理装置218に登録済みか否かを検索し、該当品がある場合にはその検索結果を表示側へ送る。
【0172】
アノテーション処理装置218の一構成例は図15(B)に示される。このブロック図により、アノテーションを用いた検索処理や情報提供処理を利用して、複数のユーザ間で情報の共有を可能にする機能が具体的に示されることとなる。
【0173】
図15(B)に示すように、アノテーション処理装置218は、文書ごとに、アノテーション検出部107(図1参照)により取得されたアノテーション付与情報を複数のユーザについて登録する登録部542と、検索要求指定部500から通知された検索範囲の情報と登録部542に予め登録されている複数のユーザについてのアノテーション付与部分情報とを比較することで、検索範囲として指定された部分の情報に関連し且つ他ユーザと関わりのある関連情報の検索条件を決定する検索条件決定部544と、検索条件決定部544により決定された検索条件に合致する情報を検索する検索部546と、検索部546により検索された検索結果を関連情報として提示する関連情報提示制御部548とを備える。
【0174】
検索部546は、指示ユーザにより指定された検索範囲部分のテキスト(対象文字列)の位置とほぼ同一位置にアノテーションを付した他ユーザによる、そのアノテーションが付与された部分の情報と直接的に関連する(指示ユーザとは直接的には関係しない)情報を検索する。
【0175】
たとえば、指示ユーザが検索範囲として指定した位置とほぼ同一位置にアノテーションを付した他ユーザによる、そのアノテーションが付与された部分の情報と直接的に関連する(指示ユーザとは直接的には関係しない)文書情報を検索する。また、指示ユーザと同一もしくは類似する視点または興味を有するユーザに関する情報を検索する。このときには、登録部542に登録されている情報を参照する。
【0176】
また、指示ユーザが検索範囲として指定した位置とほぼ同一位置にアノテーションを付した他ユーザの視点または興味に関する情報を検索する。この場合にも、登録部542に登録されている情報を参照する。このとき、関連情報の検索を指示したユーザが指定した検索範囲により示される対象文字列と、ほぼ同一位置の他ユーザによるアノテーションにより示される対象文字列との差を他ユーザの視点または興味に関する情報とする。このとき、検索部546は、他ユーザのアノテーションに関しての検索をアノテーション管理部210に指示する。
【0177】
なお、文書中のアノテーションが付与された部分の情報(たとえばテキストや画像に埋め込まれている参照情報など)と直接的に関連する文書情報やアノテーションに関しての検索を文書管理部220に指示してもよい。
【0178】
図16は、第3実施形態の情報検索表示処理システム7におけるアノテーション処理(特に他ユーザに関連する情報の提供処理)の手順を示す概略図である。以下では、検索範囲を指定する行為を自らの興味あるいは視点を表出するものと捉え、この検索範囲の指定(行為とそれ自体および対象文字列)を通じて興味の近さや視点の違いを知るための操作および機能について説明する。
【0179】
ステップS200;
ユーザは、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書を読みながら、アノテーションデバイス170を用いて、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句にアノテーションを付与する。文書ビューア102は、文書に付与されたアノテーションの位置や属性を検出し、この検出したアノテーションの位置や属性の情報をアノテーション管理部210に送る。
【0180】
アノテーション管理部210は、このアノテーションの位置や属性の情報を、アノテーションサーバ212を介して図5や図9に示したようにアノテーションDB216に登録する。このとき、文書ビューア102は、文書IDについて、文書ビューア102に表示されている文書IDを属性として送付する。アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から受け取った文書IDとアノテーション位置の情報をアノテーション処理装置218に渡す。
【0181】
ステップS202;
これを受けて、アノテーション処理装置218は、アノテーションDB216の登録情報に基づき、指定された検索範囲と同じような位置にアノテーションを付与した他のユーザすべてに対して、同一文書内のアノテーション位置を検索してそれらの対象文字列の集合を得る。つまり、アノテーション処理装置218は、このような処理を複数のユーザから受け付け、データベースを構築する。たとえば、アノテーション処理装置218は、以下のような要素からなるリスト(以下関連ユーザリストともいう)を作成する。
【0182】
a)同一文書で同一位置に1つでもアノテーションを付与したユーザのリスト、b)アノテーション位置(アノテーションが付与された部分を特定する矩形の位置)のリスト(上記全ユーザ分)、
c)対象文字列のリスト(上記全ユーザ分の)。
【0183】
ステップS204;
また、ユーザは、自分と興味や視点の近い他のユーザが付与したアノテーションに関わる情報を知りたいときには、たとえば矩形枠で指示するなど、アノテーション以外手法にて、今着目したい場所を検索範囲として指定する。アノテーション処理装置218は、検索範囲とともに検索指示をあるユーザから受け付けると、検索範囲内の対象文字列の情報を文書管理部220に送付する。
【0184】
文書管理部220の文書サーバ222は、この対象文字列をクエリとして、そのクエリに合致する文書を文書DB224から検索し、アノテーション処理装置218を介し、その検索リストをアノテーション処理装置218を介して文書ビューア102に返す。このとき、文書サーバ222は、検索リストとしてリストアップされた文書本体の格納先(URL)の情報をリンクとして付加しておく。
【0185】
また、アノテーション処理装置218は、検索指示を受け付けると、検索範囲内の対象文字列を参照して前述の関連ユーザリスト作成を実行するとともに、検索範囲内の対象文字列と登録済みのアノテーション情報とを比較する。この対象文字列の比較により興味の近いユーザを推定することができる。また、対象文字列の差分を求めることで、他のユーザの視点(自分の視点との差異)を得ることができる。
【0186】
ここで、対象文字列の比較は、たとえば、対象文字列からキーワード(たとえば、固有名詞)を抽出し、キーワードベクトルの比較による類似度計算によって類似度を計算し、ある閾値を境に類似しているかどうかを判定する。類似度計算の手法としては、たとえば、TF(Term Frequency)法やIDF(Inverted Document Frequency )法、あるいはTF法とIDF法とを組み合わせたTF/IDF法などを利用すればよい。
【0187】
次に、アノテーション処理装置218は、対象文字列の差分の情報を文書サーバ222に渡す(S210)。これを受けて、文書サーバ222は、文書DB224内の対象文字列の差分に関連する文書を検索する(関連文書検索という)。この関連文書検索の手法は何れの手法であってもよいが、たとえば“Namazu”などの公知の全文検索エンジンを使用することができる。
【0188】
文書サーバ222は、検索結果の情報をアノテーション処理装置218に渡す(S220)。アノテーション処理装置218は、この関連情報の検索結果と関連ユーザリストとを元に、文書ビューア102に以下のような情報のうちの少なくとも1つを返す(S230)。
【0189】
a)興味の近いユーザのリスト、
b)他のユーザの視点(対象文字列の差分)、
c)関連文書の情報(関連文書の検索リスト)。
【0190】
このとき、アノテーション処理装置218(文書サーバ222でもよい)は、関連文書の検索リストとしてリストアップされた文書本体の格納先(URL)の情報をリンクとして付加しておく。
【0191】
このように、第3実施形態の検索手法によれば、検索を希望する文字列にアノテーションを付与して検索指示を発することに代えて、興味のある部分(読みたい部分)を矩形枠などで指定して検索指示を発する。こうすることで、指定された検索範囲内の対象文字列のみをクエリにして検索するのではなく、その対象文字列と同じような位置にアノテーションを付与した他ユーザの視点をも加味した検索結果や同様な検索視点の他ユーザに関する情報がそのユーザに提示されることになる。
【0192】
この結果、以下のような効果が得られる。
(1)各ユーザについて得られた対象文字列の集合同士を比較することで、その文書に対する興味の近さを推定し、興味の近いユーザのリストを提示することができる。
【0193】
(2)他のユーザのアノテーションから得られた対象文字列と指定した検索範囲内の対象文字列との差分を求め、他のユーザの視点を得ることができる。これら興味の近さおよび対象文字列の差分は、興味の近いユーザ名あるいはそのユーザの視点による文書の別な解釈としてユーザに提示することができる。
【0194】
(3)対象文字列の差分は、それに近い内容を持つ別の文書の検索に利用することができる。
【0195】
(4)さらに、検索の結果得られた文書に付与されているアノテーションから、そのアノテーションを付与した他ユーザを検索することも可能である。この結果、対話的かつ網羅的に複数の文書を扱うことが容易となる。
【0196】
つまり、あるユーザの視点に立ったテーマ、話題、あるいは興味に基づく検索対象文字列をトリガとして、この対象文字列に直接に関係する文書情報だけでなく、そのユーザの視点と類する視点を持つ他ユーザによる対象文字列に直接に関係する(元のユーザにとっては直接的でない)文書情報をも取得できるようになる。
【0197】
換言すれば、自己の視点や興味の範囲だけでなく、あるユーザの視点と同様もしくは類似する視点を持つ他ユーザが得るであろう情報まで検索範囲を広げることができる。個性の違いがあっても、似通った視点や興味などを持つ他人の情報を加味して、自分の視点や興味などと「ちょっと違う」範囲にまで情報検索範囲を拡張することができる。そして、このことが、複数のユーザ相互になされることで、結果として、それぞれが持つ(あるいは持つであろう)情報を相互に共有することができるようになり、複数のユーザの間で情報の共有を実現することができるようになる。
【0198】
これにより、自己の視点だけでは得られない情報であって、自己の視点と類似する他ユーザの視点から得られる情報についても、自己の知識として得ることができる。つまり自己の持っていない知識を他人が持っている知識で補い合うことができ、知識(知的な情報)の共有を実現することができる。
【0199】
また、検索結果だけでなく、あるユーザの視点と同様もしくは類似する視点を持つ他ユーザに関する情報についても通知することで、自己と他人との興味の近さや視点の違いを知ることもできる。
【0200】
たとえば、自分はある文書を見始めたばかりで、読んでいる最中にある場所に検索範囲を指定したとする。またこのとき、自分が指定した範囲(指定位置)と同じような所に他人が既にアノテーションを付していたとする。そしてこの場合、その他人は既に文書を読み進めており、指定位置以降にも多数のアノテーションを付していたとする。
【0201】
このような場合、第3実施形態の構成では、自分が指定した指定位置の文字列をトリガとして、指定位置と同じような位置にアノテーションを付した他ユーザに関する情報がその自分に通知される。このとき、他人がその文書に付したアノテーションの情報を知ることができる。たとえば、他人が付したアノテーションを表示させることで、他人が先読みし印を付した箇所だけを読み進めることで、速読ができ、また、文書の内容を素早く理解することもできる。
【0202】
このように、第3実施形態の構成では、検索を希望する部位をアノテーション以外の手法にて範囲指定するだけで他ユーザに関する情報が自動的に通知される仕組みとしているので、これらの情報に簡易にアクセスすることができる。
【0203】
組織やグループで情報を共有する手段として、従来よりデータベースを用いたクライアントサーバ型のシステムが用いられている。データベースを用いたクライアントサーバ型のシステムでは、予め設定したデータベーススキーマに従って、データベースサーバに情報を保存しておき、クライアントアプリケーションからSQL(Structured Query Language )などのデータベースアクセス言語を用いてデータベースへの問い合わせや情報の格納を行なうことで、情報の共有を図っている。
【0204】
しかしながら、データベースを用いたクライアントサーバ型のシステムでは、設定したスキーマに適合する情報以外の情報が扱えないという欠点があった。また、システムを構成するデータベースの数や所在は固定的であり、新たなデータベースを追加することは困難であった。このため、扱う情報の種類が増えたり変化したりする状況に対応する事が極めて困難であった。
【0205】
このような問題点に対処する手法として、ときの状況や扱う情報の種類によって、同一の情報管理装置が情報の提供者にも情報の消費者にもなり得るようにすることで、情報の共有を実現する仕組みが考えられている。
【0206】
たとえば、情報管理装置が管理する情報内容を考慮して、類似の情報を持った情報管理装置で構成されるクラスタを構成するシステムが提案されている。特開平10−301905号公報には、同じようなテーマ、話題、興味を持った者同士での、情報共有を実現する仕組みが提案されている。
【0207】
この特開平10−301905号公報に記載の手法では、情報管理装置間の局所的な関係を用いて、大域的な関係を合成することによって情報の共有を実現するようにしている。すなわち、2つの情報管理装置間の繋がりを表す意味、さらには、繋がりの重みを持ったパイプ情報の集合を管理するパイプ管理手段と、ユーザからの要求や他の情報管理装置からの要求に対して、パイプ管理手段が管理するパイプ情報から適するパイプ情報を検索するパイプ検索手段と、検索された複数のパイプ情報を合成して新たなパイプ情報を生成するパイプ合成手段とを備えた構成としている。
【0208】
これにより、ユーザからの要求(他の情報管理装置からの要求)があった場合に、パイプ管理手段から要求に合致するパイプ情報をパイプ検索手段により検索して適切なパイプ情報を選択し、必要な情報管理装置とのコミュニケーションを可能にしている。さらに、必要に応じてパイプ合成手段が複数のパイプ情報を合成することにより、要求に適するパイプ情報を生成し、必要な情報管理装置とのコミュニケーションを可能にしている。
【0209】
パイプの生成と更新は、電子メールシステムなどの情報交換をモニタリングし、コミュニケーションを検出することによって、同じ興味のある人同士を特定することで行なう。たとえば、メールの送受信からキーワードを検出して共通の関心を持った人同士の繋がりを「パイプ」として管理し、さらに複数のパイプを合成することで直接繋がりがなかったが、共通の関心を持った人とのパイプを構築する。そして、これに基づいてデータベースの相互利用を可能とすることで、同じようなテーマ、話題、興味を持った者同士での、情報共有を実現している。
【0210】
一方、情報を共有するという点では、知識(知的な情報)の共有、つまり自己の持っていない知識を他人が持っている知識で補い合うということもポイントとなる。
【0211】
しかしながら、特開平10−301905号公報の発明をはじめとする従来の「情報の共通」の考え方は、専ら、情報源であるデータベースの共有に主眼をおいたもので、個人ベースでの情報共有(知識の共有)という点では難がある。すなわち、特許文献1などの情報共有の手法は、「複数の情報管理装置間」で相互に情報を提供し合うことによって情報の共有を実現するもので、これは、情報提供源の“マス(桝)”を拡張することで、提供可能な情報の量や数を増やす点に主眼をおいている。
【0212】
したがって、特開平10−301905号公報などの情報共有の手法では、個人ベースでの情報共有、換言すれば、複数の個人が持つ知識を共有し合うということの解決にはならない。
【0213】
たとえば、自分と同じような興味を持っている他人が知っている情報であって、その自分が有していない情報を知りたい場合があるが、特許文献1などの従来の手法では、それができない。このような、自分は有していないが他人が有する(あるいは有するであろう)情報にアクセスしようとすれば、自分は有していないが他人が有する情報が何であるかを自らがサーチし、その情報にアクセスする必要があるが、実際にはそのようなことは難しい。
【0214】
これに対して、上記第3実施形態の構成によれば、同じようなテーマ、話題、あるいは興味などを持った者同士で、自分は有していないが他人が有する(あるいは有するであろう)情報に簡易にアクセスすることが可能になる。
【0215】
<<コンピュータ利用の構成>>
なお、上述したアノテーションを利用することで効率的な情報検索処理を進める一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込みマイコンなど)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0216】
この記録媒体は、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供されてもよいし、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。あるいは、ソフトウェアを構成するプログラムが、通信網を介して提供されてもよい。
【0217】
図17は、上述した情報検索表示処理システム7を、コンピュータにより構成する場合のシステム構成の概略を示した図である。このようなコンピュータシステムの基本構成は、ハードウェア層910、OS(Operating Systems )層920、文書情報管理層930、ユーザインタフェース層940という4つの層から成り立っている。各層は独立性が保たれており、層ごとに機能を拡張したり別のものに交換することが容易になっている。
【0218】
ハードウェア層910は、図1で示したシステム構成に相当するもので、たとえば、文書ビューア102に対応するタブレット911、アノテーションデバイス170に対応するペン入力装置912、操作ボタン110に対応するボタン913、およびネットワーク9に対応する通信ネットワーク914からなる。なお、たとえば音声入出力インタフェース915など、その他の仕組みを設けてもよい。
【0219】
文書情報管理層930は、文書管理部220に対応し文書本体の管理を担当する文書層932、アノテーション管理部210に対応しアノテーションなどの文書本体に付加される付加情報の管理を担当するワークスペース934、およびアノテーションなどを利用して情報検索を行なう情報検索層936からなる。
【0220】
ユーザインタフェース層940は、文書ビューア102やアノテーションデバイス170に対応しユーザからの入力を管理するユーザ入力管理層942、文書表示エリア104における情報表示に関わる画面層944、およびマネジャ部180に対応し文書表示エリア104の表示動作を管理する画面マネジャ946からなる。
【0221】
このようなシステム構成においては、たとえば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムに供給し、そのシステムのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、上記実施形態で述べた効果が達成される。
【0222】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0223】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0224】
なお、上記実施形態で述べた処理を実現するプログラムコードを記述したファイルとしプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、システムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0225】
たとえば、図1に示したシステム構成では、クライアントシステム100とサーバシステム200とがネットワーク9で接続された形態であるので、表示に関する処理プログラム(たとえばページ捲り時や検索結果を反映した強調表示機能用の処理プログラム)は、クライアントシステム100側の装置に向けて、クライアントシステム用モジュールとして提供されるのがよい。一方、アノテーションの管理や検索に関する処理プログラムは、サーバシステム200側の装置に向けて、サーバシステム用モジュールとして提供されるのがよい。また、サーバシステム用モジュールは、さらに、サーバシステム200を構成する各管理部の構成に応じて、一括ファイルもしくはサブモジュールファイルとして提供されてもよい。
【0226】
また、図1に示したシステム構成では、クライアントシステム100とサーバシステム200とがネットワーク9にて接続されているが、これらは近接した場所に配置されてもよい。この場合、クライアントシステム100のマネジャ部180をサーバシステム200(その全体あるいはその一部)と一体化させてもよい。
【0227】
また、上述の説明では、文書ビューア102がマネジャ部180を収容した本体(クレードル/ドッキングステーション)と別体であるものとして説明したが、上記実施形態で説明したマネジャ部180内の機能部分を文書ビューア102と一体化させてもかまわない。
【0228】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0229】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0230】
たとえば、上記実施形態では、検索部により検索されたアノテーションなどの付加情報を、表示デバイスである文書ビューア102の文書表示エリア104に表示されている閲覧中の文書に重ねて表示させるようにしていたが、検索結果の情報の提示手法は、必ずしもこのようなものに限らない。たとえば、文書ビューア102上に、文書本文を表示する文書表示エリア104とは別にパレット表示エリアを設け、このパレット表示エリアに検索結果を一覧表示(リスト表示)するようにしてもよい。
【0231】
この場合、アノテーションが付加されたテキスト部分を一覧表示するとともに、この一覧表示から文書本文中のアノテーションが付与された場所を参照可能とするリンク機能をもたせるようにしてもよい。また、この一覧表示は、文書本文にアノテーションが付与された状態でその部分(その周辺を含んでいてよい)を切り出した画像として提示してもよい。この場合、一覧表示だけで、アノテーションが付与された部分だけを素早く読み進めることができる。
【0232】
なお、文書本文を表示している文書ビューア102とは別に検索結果を提示する専用の提示デバイスを用意してもよい。たとえば、専用の表示デバイスに、アノテーションが付与された部分だけを一覧表示する、あるいは、プリンタにて、アノテーションが付与された部分だけを、一覧形式で印刷出力するなどである。
【0233】
また、システムを構築する上で、各機能要素をどの部分で分けてクライアントシステム100とサーバシステム200とに振り分けるかは、上述した実施形態のものに限定されない。システムを構成する上で、都合のよい部分にて分ければよいのはいうまでもない。また、逆に、クライアントシステム100とサーバシステム200とを一体化させたシステム構成としてもよい。たとえば、電子会議システムに利用する場合、会議進行を管理する者(たとえば議長)が使用する端末として、この一体化させたものを使用し、他の会議参加者が使用する端末として、上述通りの構成のクライアントシステム100を使用するシステム構成とすればよい。
【0234】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アノテーションなどの電子付箋(付加情報)を介して検索処理を行なう際に、閲覧中の文書内に所定の方法により検索対象範囲を指定し、この指定された検索範囲内に予め他ユーザにより付与されている電子付箋をクエリとして検索処理を進めるようにしたので、ある特定の人物を直接に指定する場合よりも、効率的な検索処理を行なうことができる。。
【0235】
たとえば、特定の人物のアノテーションを再現するのではなく、特定の視点で付与されたアノテーションを再現することができる。より具体的には、自分がある視点である文書を読む場合に、既に同一の視点で他者がその文書を読んでおり、アノテーションを付与している場合、その他者のアノテーションを再現することにより、同一の視点で付与されたアノテーションを得ることができ、検索を指示したユーザは、そこに目を通すことにより、興味ある情報を素早く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る情報検索表示処理方法および情報検索表示処理システムを適用した電子会議システムの構成例を示す図である。
【図2】 情報表示処理装置の一実施形態である文書ビューアの表示面側に着目した外観図である。
【図3】 文書ビューアとマネジャ部の機能ブロック図である。
【図4】 文書サーバおよび文書データベースの構成例を示す図である。
【図5】 アノテーションサーバおよびアノテーションデータベースの構成例を示す図である。
【図6】 文書データベースの具体的な構成例を示す図である。
【図7】 文書にアノテーションを付与した状態の表示例を示す図である。
【図8】 アノテーションサーバへ送る情報の一例を示した図である。
【図9】 アノテーションデータベースの登録例を示した図である。
【図10】 アノテーションを利用した情報検索機能に着目した第1実施形態の情報検索表示処理システムのブロック図である。
【図11】 図10に示した情報提供処理システムにおける情報検索処理の手順を示す概略図である。
【図12】 検索指示を発するユーザが文書に付したアノテーションの一例を示す図である。
【図13】 検索要求が発せられたときにクライアントシステム(文書ビューア)からアノテーション管理部(アノテーションサーバ)へ通知される情報の一例を示す図である。
【図14】 第2実施形態の情報検索システムのブロック図である。
【図15】 複数ユーザ間で情報の共有を可能とする機能に着目した第3実施形態の情報検索システムのブロック図である。
【図16】 図15に示した情報検索表示処理システムにおける他ユーザに関連する情報の提供処理の手順を示す概略図である。
【図17】 情報検索表示処理システムを、コンピュータにより構成する場合のシステム構成の概略を示した図である。
【符号の説明】
1…電子会議システム、7…情報検索表示処理システム、9…ネットワーク、100…クライアントシステム、101…表示処理部、102…文書ビューア、103…液晶表示パネル、104…文書表示エリア、106…付加情報付与部、107…アノテーション検出部(付加情報付与部分情報取得部)、109…筐体、110…操作ボタン、114…文書読込みボタン、116…保存ボタン、118…検索ボタン、120…更新ボタン、122…ページ捲りボタン、122a…前ページ送りボタン、122b…次ページ送りボタン、124…強調表示ボタン、126…ユーザ表示ボタン、130…コントローラ、132…ページ送り指示受付部、140…ページ画像生成部、150…表示輝度制御部、150a…コントラスト制御部、150b…ブライトネス制御部、170…アノテーションデバイス、180…マネジャ部、182…ログファイル格納部、184…強調語/センテンス特定部、186…強調語/センテンス選択手法指示部、188…強調指示制御部、200…サーバシステム、210…アノテーション管理部、212…アノテーションサーバ、216…アノテーションDB、220…文書管理部、222…文書サーバ、224…文書DB、544…検索条件決定部、545…検索処理部、546…検索部、550…アノテーション提示制御部

Claims (4)

  1. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備え、前記付加情報を介して前記文書に関わる関連情報を検索する情報検索表示処理システムに使用されるクライアント端末であって、
    所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、
    前記文書中における前記付加情報付与部により前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、
    検索を指示する文書閲覧者が閲覧中の文書中における、前記付加情報付与部分検知部が取得した前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報によって特定される実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて前記閲覧中の文書における当該文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定し、前記実質的に読んだ部分を特定するために使用された前記付加情報付与部分の情報の登録を禁止する検索範囲設定部と、
    前記検索範囲設定部が設定した前記検索対象部分について、前記文書を閲覧中のユーザとは異なる他のユーザと関わりのある前記関連情報についての検索結果を取得し、この検索結果を所定の提示媒体に提示させる関連情報提示制御部と
    を備えたことを特徴とするクライアント端末。
  2. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備え、前記付加情報を介して前記文書に関わる関連情報を検索する情報検索表示処理システムに使用されるクライアント端末であって、
    所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、
    前記文書中における前記付加情報付与部により前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、
    検索を指示する文書閲覧者が閲覧中の文書中における、前記付加情報付与部分検知部が取得した前記付加情報であって、最新の付加情報付与部分の情報によって特定される実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて前記閲覧中の文書における当該文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定し、前記実質的に読んだ部分を特定するために使用された前記付加情報付与部分の情報の登録を禁止する検索範囲設定部と、
    前記検索範囲設定部が設定した前記検索対象部分について、前記文書を閲覧中のユーザとは異なる他のユーザと関わりのある前記関連情報についての検索結果を取得し、この検索結果を所定の提示媒体に提示させる関連情報提示制御部と
    を備えたことを特徴とするクライアント端末。
  3. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備え、前記付加情報を介して前記文書に関わる関連情報を検索する情報検索表示処理システムに使用されるクライアント端末であって、
    所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、
    前記文書中における前記付加情報付与部により前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、
    検索を指示する文書閲覧者が閲覧中の文書中における、前記付加情報付与部分検知部が取得した前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報により示される語句を含む文の全体によって特定される実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて前記閲覧中の文書における当該文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定し、前記実質的に読んだ部分を特定するために使用された前記付加情報付与部分の情報の登録を禁止する検索範囲設定部と、
    前記検索範囲設定部が設定した前記検索対象部分について、前記文書を閲覧中のユーザとは異なる他のユーザと関わりのある前記関連情報についての検索結果を取得し、この検索結果を所定の提示媒体に提示させる関連情報提示制御部と
    を備えたことを特徴とするクライアント端末。
  4. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備え、前記付加情報を介して前記文書に関わる関連情報を検索する情報検索表示処理システムに使用されるクライアント端末であって、
    所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、
    前記文書中における前記付加情報付与部により前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、
    検索を指示する文書閲覧者が閲覧中の文書中における、前記付加情報付与部分検知部が取得した前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報により示される語句を含む段落の全体によって特定される実質的に読んだ部分を示す情報に基づいて前記閲覧中の文書における当該文書閲覧者の視点や興味のある部分を特定し、この特定した視点や興味のある部分を検索対象部分に設定し、前記実質的に読んだ部分を特定するために使用された前記付加情報付与部分の情報の登録を禁止する検索範囲設定部と、
    前記検索範囲設定部が設定した前記検索対象部分について、前記文書を閲覧中のユーザとは異なる他のユーザと関わりのある前記関連情報についての検索結果を取得し、この検索結果を所定の提示媒体に提示させる関連情報提示制御部と
    を備えたことを特徴とするクライアント端末。
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