JP4172090B2 - 画像撮影・処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影した画像に対して所定の画像処理を行って出力する画像撮影・処理装置に係り、特に、スポーツ撮影のように撮影対象が広い範囲にわたって移動する場合の画像撮影および画像処理に用いて好適な画像撮影・処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スポーツのテレビ中継等においては、必要に応じて選手の名前等を示す画像情報を、選手の近傍の画面上にスーパーインポーズして表示することが行われている。従来、このような画像処理を行うにあたっては、表示内容を目視確認した結果に基づいて、適切なタイミングで表示内容に合うように、選手名等を示す画像をスパーインポーズする操作を人手によって行うようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の画像撮影装置では、スポーツ撮影における例えば選手名等のスーパーインポーズ処理を手動で行っていたため、例えば、複数の選手名を同時に表示することや、選手が大きく動いている状態、あるいは撮影カメラの切替え時やズーム時に、適切な表示を行うことが難しいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決することを目的とするものであって、例えばスポーツ撮影等のように複数の撮影対象が移動する画像撮影において、各撮影対象に合わせたスーパーインポーズ等の画像処理を、自動的あるいは半自動的に行うことができる画像撮影・処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、画像撮影装置と、前記画像撮影装置が撮影の対象とする複数の撮影対象から、個々の撮影対象を識別するとともに、撮影対象空間内における各撮影対象の位置を検出する位置検出手段と、前記画像撮影装置の撮影位置を検出する撮影位置検出手段と、前記撮影位置検出手段によって検出された前記画像撮影装置の撮影位置の情報に基づき、前記画像撮影装置の撮影画像中から1又は複数の撮影対象を抽出するとともに、抽出した撮影対象の前記撮影画像内における位置を特定する撮影対象特定手段と、前記位置検出手段によって検出された各撮影対象の位置情報に基づき、前記撮影対象特定手段によって特定された1又は複数の撮影対象に対して、前記位置検出手段による撮影対象の識別結果を対応づける識別結果対応付手段と、前記画像撮影装置の撮影画像に対して、前記識別結果対応付手段によって前記撮影対象に対応付けられた識別結果を示す画像を、前記撮影対象特定手段によって特定された該撮影対象の前記撮影画像内における位置又はその近傍に重畳処理して出力する出力手段とを備えることを特徴としている。請求項1記載の発明によれば、スポーツ撮影のように撮影対象が移動する画像撮影において、撮影対象に合わせたスーパーインポーズ等の画像処理を、自動的に行うことが可能となる。また、請求項1記載の発明によれば、撮影画像上に例えば選手の画像と選手の名前等の情報を自動的に同時に表示することが可能となる。
【0007】
また、請求項記載の発明は、前記位置検出手段は、1又は複数の位置検出用の画像撮影装置と、各撮影対象を識別するための基準となる情報を記憶する基準情報記憶手段と、前記1又は複数の位置検出用画像撮影装置によって撮影された画像情報から、複数の撮影対象の位置及び特徴を抽出する抽出手段と、前記基準情報記憶手段に記憶されている基準情報と、前記抽出手段によって抽出された特徴情報とに基づいて、各撮影対象を識別する識別手段とを備えることを特徴としている。請求項記載の発明によれば、各選手に位置検出用の装置を取りつけることなく、各選手の位置検出を行うことができる。
【0008】
また、請求項記載の発明は、前記基準情報記憶手段に記憶される基準情報は、個々の撮影対象毎に予め撮影された画像情報に基づいて作成されたものであることを特徴としている。請求項記載の発明によれば、例えば最新の情報に基づいて各選手の特徴を決定することができ、画像認識の精度を向上させることができる。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、前記位置検出手段は、各撮影対象に取り付けられ、無線信号を送出する送信手段と、前記送信手段から送信される無線信号を受信し、受信した無線信号に基づき、各撮影対象の位置を検出する受信手段とを備えることを特徴としている。請求項に記載の発明によれば、各撮影対象に取り付けられた無線信号に基づき、各撮影対象の位置を検出することができるので、位置検出精度が向上する。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、前記送信手段は、取り付けられた撮影対象の位置情報を含んだ無線信号を送出することを特徴としている。請求項に記載の発明によれば、各撮影対象から位置情報が送信されるので、位置検出精度がさらに向上する。
【0011】
また、請求項記載の発明は、前記位置検出手段による個々の撮影対象に対する識別結果及び位置検出結果を、複数組、所定時間分、記憶するための記憶装置をさらに備えることを特徴としている。また、請求項に記載の発明によれば、リアルタイムの処理に限らず、認識した各撮影対象の動きに関する情報を全体として分析することなどが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明による画像撮影・処理装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。図1に示す本発明の実施の形態は、サッカーの試合を撮影する場合に適用する例を一例として示したものであり、この場合の撮影の対象は複数の競技選手である。
【0013】
図1に示す画像撮影・処理装置は、フィールド100においてサッカーをしている複数の選手201,202,…を撮影するために設けられたビデオカメラ(画像撮影装置)300と、ビデオカメラ300の撮影方向(左右、上下の角度)と焦点距離(撮影倍率)とを測定し、ビデオカメラ300が撮影している映像の撮影位置(範囲)を検出する撮影位置検出部320と、複数の選手201,202,…のフィールド100上での位置を検出する位置検出部340と、各装置の出力信号を処理する信号処理装置360とから構成されている。
【0014】
信号処理装置360には、位置検出部340から出力された各選手の位置に関する情報を所定の周期で逐次、更新しながら記憶する記憶装置361と、記憶装置361に一旦記憶された位置情報を、所定時間の間(この場合、一試合すべてに渡って)、検出時刻の情報とともに記憶する記憶装置362とが設けられている。この場合、記憶装置361には選手毎に、選手名を示す情報とともに、各位置に関する情報がフィールド100全域に対して設定された所定の座標系(x−y平面座標)における座標値として記憶される。
【0015】
また、信号処理装置360には、撮影対象特定部363と、情報重畳部(識別結果対応付手段、出力手段)364とが設けられている。撮影対象特定部363は、ビデオカメラ300から出力される撮影画像を所定周期毎にキャプチャーし、キャプチャーした画像の画像認識を行い、撮影画像から選手の画像部分を抽出するとともに、撮影位置検出部320から出力されるビデオカメラ300の撮影位置に関する情報に基づいて、抽出した選手の画像部分の位置を特定する。
【0016】
情報重畳部364は、撮影対象特定部363によって特定されたビデオカメラ300の撮影画像中の複数の選手の画像部分の位置情報と、記憶装置361あるいは記憶装置362に記憶されている複数の選手の位置情報とを比較し、撮影画像中の複数の選手の画像部分の選手名を特定し、撮影画像中の各選手の画像の近傍あるいはその画像上に、選手名を表す画像情報をスーパーインポーズする画像処理を行って出力する。そして、情報重畳部364で処理された撮影画像は、図示していない放送設備を介して放送されたり、あるいは所定の録画装置に録画されたりする。
【0017】
なお、図1に示す例では、撮影用のビデオカメラ300を1台としているが、撮影用のビデオカメラの台数は複数台であってもよい。この場合、撮影位置検出部は、各ビデオカメラに対して設けてもよいし、複数台のビデオカメラのうち一部のビデオカメラのみに設けるようにしてもよい。また、複数台のビデオカメラを設けた場合には、各ビデオカメラおよび撮影位置検出部と、信号処理装置360の間に切替え手段を設けて、画像および位置検出情報を択一的に選択できるようにしておけばよい。また、複数のビデオカメラを固定配置した場合には、撮影位置検出部320を設けず、予め各ビデオカメラの撮影位置に関する情報を信号処理装置360に設定しておくようにしてもよい。
【0018】
また、信号処理装置360、位置検出部340は、コンピューターと、その周辺装置との組み合わせによって構成し、コンピューターによって処理のプログラムを実行することによって実現することも可能である。この場合、各コンピューターで実行されるプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体を介して頒布することが可能である。
【0019】
図2は、図1に示す画像撮影・処理装置における位置検出部340の構成の一例を具体的に示すとともに、画像撮影・処理装置全体の動作を説明するための説明図である。図2に示す例では、図1の位置検出部340が、2台の選手の位置検出用のビデオカメラ341、342と、ビデオカメラ341、342の撮影画像を処理することで各選手(各選手名)を識別するとともに、各選手の位置を検出する画像処理部343とによって構成されている。ビデオカメラ341は、フィールド100の横方向の画像を撮影するためにフィールド100の横方向を見下ろす位置に固定されたものであり、図3に示すようにフィールドの全体を覆う範囲341sを撮影範囲とするように撮影方向と焦点距離が予め設定されている。ビデオカメラ342は、フィールド100の縦方向の画像を撮影するためにフィールド100の縦方向を見下ろす位置に固定されたものであり、図4に示すようにフィールドの全体を覆う範囲342sを撮影範囲とするように撮影方向と焦点距離が予め設定されている。
【0020】
以上の構成において、図2の画像処理部343は、まずビデオカメラ341、342が撮影した画像を認識することによって各選手を識別する。ここでは、選手201の選手名が“A”、選手202の選手名が“B”、選手203の選手名が“C”、…と識別されたとする。次に画像処理部343は、識別した各選手201,202,203,204,…の位置を、ビデオカメラ341、342の撮影画像を解析することによって検出する。そして検出した結果を、図5に示すように、フィールド100全域に対して設定したx−y平面100s上の座標値((x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),(x4,y4),…)として表し、信号処理装置360へ出力する。この場合、選手201,202,203,…に対して、選手名“A”、“B”、“C”、…と、位置(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3),…が設定された情報が、位置情報として信号処理装置360へ出力される。信号処理装置360は、画像処理部343(図1の位置検出部340内の構成)から出力された位置情報を、図1に示す記憶装置361と記憶装置362とに格納する。
【0021】
一方、図1に示す信号処理装置360内の撮影対象特定部363は、撮影位置検出部320から出力されるビデオカメラ300の撮影位置に関する情報に基づいて、抽出した選手のフィールド100上での位置を特定する。撮影位置検出部320からは、例えば、図5に示すビデオカメラ300の撮影方向のx−y座標軸に対する角度θx、平面100sに対する俯角θz、およびビデオカメラ300のその時点での焦点距離に関する情報が入力される。撮影対象特定部363は、入力されたビデオカメラ300の撮影位置に関する情報に基づき、x−y平面100sに対するビデオカメラ300の撮影領域300sを特定する(図5)。次に撮影対象特定部363は、ビデオカメラ300の撮影画像からその画像に含まれているすべての選手の画像を抽出するとともに、撮影領域300sに対する抽出した選手の画像の位置を特定する。撮影領域300sに対する抽出した選手の画像の位置は、例えば撮影領域300sを複数の領域に分割したときにどの分割領域に含まれているのかという情報によって特定することができる。
【0022】
次に信号処理装置360内の情報重畳部364(図1)は、撮影対象特定部363によって特定された撮影画像中の複数の選手の画像部分に対する位置の情報と、記憶装置361あるいは記憶装置362に記憶されている複数の選手に対する位置情報とを比較し、撮影画像中の複数の選手の画像部分に対して選手名を特定し、例えば、撮影画像400(図2)中の各選手201,202の画像部分201a,202aの近傍に選手名を表す画像情報401(“A選手”),402(“B選手”)をスーパーインポーズして出力する。
【0023】
図6は、図2に示す画像処理部343の内部構成の一例を示すブロック図である。位置検出用のビデオカメラ341,342で撮影された位置検出用の画像情報は、所定の周期(例えば1/30秒毎)で画像取り込み部601でキャプチャーされて、画像記憶部602で記憶される。画像記憶部602は、画像取り込み部601から送られてきた例えば過去1秒間に渡る取り込み画像を記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)か構成される。画像認識部603は、画像記憶部602に記憶されている画像情報と、記憶装置362(図1)から入力される過去の各選手の位置情報とに基づいて、選手名の識別およびその位置の特定を行う。
【0024】
この場合、画像認識部603は、画像記憶部602に記憶されている画像情報を認識し、画像に含まれる各選手の画像部分を特定してその位置(座標情報)および特徴を抽出する位置・特徴抽出部603aと、あらかじめ各選手を特定するために必要となる基準特徴情報を記憶している特徴記憶部603bと、位置・特徴抽出部603aによって抽出された各選手の特徴と特徴記憶部603bに記憶されている各選手の特徴とを比較する特徴比較部603cと、位置・特徴抽出部603aによって抽出された各選手の画像部分の位置を示す座標情報と、記憶装置362に記憶されているこれまでの各選手の位置情報と、特徴比較部603cによる比較結果とを総合的に判定することで、各選手を識別し、その位置を求めて出力する認識結果判定・出力部603dとから構成されている。
【0025】
ここで、特徴記憶部603bが記憶する情報は、例えば試合に先立ってあらかじめ各選手を撮影した画像を画像取り込み部601で取り込み、位置・特徴抽出部603aで各画像を認識することで各選手の特徴を抽出した結果を、基準特徴情報として記憶したものである。各選手の特徴としては、例えば、実際の画像から抽出した試合着の色、背番号、顔の特徴、髪型、身長に対する頭、胴、腕、脚、肩幅の割合等の要素を用いることができる。そして、特徴記憶部603bには、これらの特徴が選手の名前に対応したテーブル情報として記憶されている。
【0026】
位置・特徴抽出部603aでは、画像の入力元として複数の位置検出用のビデオカメラを用いる場合には、各ビデオカメラの画像情報をそれぞれ分析することで、同一の選手に対する画像部分を特定し、両方の認識結果からより確からしさの高い特徴に関する情報を選択して採用するようにする。なお、位置検出用のビデオカメラは、1台あるいは3台以上の複数としてもよい。また、画像撮影用のビデオカメラ300がフィールド100全域を映し出す位置に固定されている場合には、ビデオカメラ300を位置検出用のビデオカメラとして兼用するようにしてもよい。
【0027】
特徴比較部603cでは、各選手の画像毎に複数の特徴要素についてそれぞれ類似度を算出し、各要素毎の類似度の計算結果を、そのまま認識結果判定・出力部603dに出力する。そして、認識結果判定・出力部603dでは、位置・特徴抽出部603aからの座標情報と、記憶装置362に記憶されているこれまでの各選手の位置情報から求めた移動可能範囲や移動位置の推定結果と、特徴比較部603cからの各特徴要素に対する類似度の数値を、あらかじめ定めた判定式に従って判定することで、各選手の名前を識別し、それに対する座標情報を位置情報として出力する。
【0028】
画像認識部603から出力された各選手の名前と位置を示す位置情報は、補正部604に入力され、ここで現在の位置情報が表示部605によって表示され、操作者が表示結果を見ることで、認識結果に誤りがあった場合には操作子606によって位置情報の修正が行われる。また、補正部604は、ビデオカメラ300および撮影位置検出部320(図1)からの画像情報と位置情報を用いて、画像取り込み部601、画像記憶部602、画像認識部603と同様の機能を有する画像取り込み記憶認識部607によって、例えば拡大撮影された画像情報に基づいてその画像内での選手の識別と位置検出とを行い、その結果に基づいて画像認識部603による認識結果を補正あるいは修正するようにすることも可能である。
【0029】
以上のような構成によって、図6に示す画像処理部343では、位置検出用のビデオカメラ341、342の撮影画像から、各選手の識別と位置検出とを行うことができる。なお、上記の構成において、補正部604、表示部605、操作子606、画像取り込み記憶認識部607は、省略することも可能である。
【0030】
また、上記の実施の形態では、図1の信号処理装置360内で識別した各選手の画像に対して、選手名を示す画像を対応づけ、スーパーインポーズする画像処理を行うこととしたが、例えば、スーパーインポーズを行う前の画像情報と、画面上の表示位置と表示内容を示す情報とを別々に放送し、テレビ受像機側で視聴者がスーパーインポーズを行うかどうかを選択できるようにすることも可能である。また、記憶装置362には1試合に渡る各選手の動きが記録されるので、記憶装置362に記憶された位置情報の利用範囲は、上記のような画像処理に限定される必要はなく、例えば試合内容を解析する際の基礎データとして使用すること等ができる。また、上記の実施の形態では、画像認識の対象を各選手としているが、それに追加して、例えば、ボールの位置を認識、記憶するようにすること等も可能である。
【0031】
上述したように、本実施形態に係る画像撮影・処理装置によれば、位置検出部340によって、自動的に撮影対象であるフィールド100上の各選手を識別する事が可能であるとともに、その選手のフィールド100上での位置を検出することができる。従って、常時、ビデオカメラ300に撮影された画像内において映し出された選手がどの選手であるかを認識することができ、画像上の認識した選手の近傍にこの選手の名前等の情報を自動的にスーパーインポーズさせることができる。また、位置検出部340のビデオカメラ341、342に撮影した画像に基づいて、各選手の識別や位置の検出を行っているので、各選手に位置情報発信器等を装着する必要がなく各選手の運動が妨げられることがない。従って、サッカーなどの激しい運動を行う競技の選手を撮影対象とする場合に好適である。
【0032】
次に、図7および図8を参照して、図1に示す位置検出部340の他の構成例について説明する。図7は、図1に示す位置検出部340の一構成例を示すブロック図である。この例では、各選手に、GPS(Global Positioning System)を利用するためのGPSアンテナ71−1,71−2,…,71−n(nは自然数)および受信機72−1,72−2,…,72−nと、受信機72−1,72−2,…,72−nから出力される緯度、経度等を示すデータを、アンテナ74−1,74−2,…,74−nから電波によって送信する送信機73−1,73−2,…,73−nとを携帯させることで、位置検出を行うようにしている。また、フィールド外には、アンテナ75によって各送信機73−1,73−2,…,73−nから送信されてきた電波を受信する受信機76を設けるとともに、信号処理部77によって受信機76で受信されたデータを処理し、各選手の位置情報を得て、図1の信号処理装置360へ出力する。
【0033】
上記の構成において、各選手が携帯する各受信機72−1,72−2,…,72−nは、それぞれ各GPSアンテナ71−1,71−2,…,71−nを介して複数のGPS衛星からなるGPS衛星群78から送られてくる電波を受信し、位置情報を取得する。そして、各送信機73−1,73−2,…,73−nは、各送信機に対してあらかじめ個別に割り当てられている識別コードとともに、得られた位置情報を送信する。このとき、各送信機から送信される電波は、時分割、周波数分割等の所定の多重化方式によって別々の伝送チャネルによって送信されるように設定されている。受信機76は、各送信機73−1,73−2,…,73−nから送られてきた電波から識別コードと位置情報を受信して信号処理部77へ出力する。信号処理部77は、予め設定されている識別コードと選手名との対応表から、識別コードを選手名を直接表す情報に変換するとともに、GPSによる位置情報を、フィールド100(図1)上での座標情報に変換して出力する。
【0034】
図7に示す位置検出部340の構成によれば、選手名の識別に関する誤認識の確率が低いので、精度良く安定して各選手の位置を検出することが可能である。ただし、上述したようにサッカー選手等に設ける場合には、GPSアンテナや受信機、送信機等は、各選手の運動機能に影響を与えない程度に、小型、軽量なものであることが望ましい。また、撮影対象が人ではない場合、例えばモータースポーツ等においては、走行する車に上述した受信機を設けるようにしても競技の妨げとならない。従って、撮影対象が人でない場合の位置検出手段として好適である。
【0035】
次に図8を参照して、図1に示す位置検出部340のさらに他の構成例について説明する。図8に示す位置検出部340は、各選手201,202,203,204,…に送信機81−1,81−2,81−3,81−4,…を携帯させるとともに、フィールド100の周辺部に分散して複数のアンテナ82−1,82−2,82−3,82−4,82−5,82−6を配置し、各送信機からの送信信号を受信することによって、各選手の位置を検出するように構成されている。ここで各送信機81−1,81−2,81−3,81−4,…からは、各送信機に対してそれぞれ割り当てられた固有の識別コードを含む信号が送信される。また、アンテナ82−1,82−2,82−3,82−4,82−5,82−6は所定角度の範囲で自動的に回転する狭角度の指向性を有するアンテナと、このアンテナの回転角度を検出する検出器とによって構成されている。そして、アンテナ82−1,82−2,82−3,82−4,82−5,82−6を常時回転させながら、各アンテナに接続されている図示していない受信機および信号処理部によって、各アンテナで受信された各送信機からの電波の強度と、アンテナの回転角度の情報とに基づいて、各選手の位置が特定される。
【0036】
特定された各選手の位置の情報は、さらに、信号処理部によって、フィールド100上での座標情報に変換されて信号処理装置360(図1)へと出力される。図8に示す構成によれば、図7に示すGPSを用いた構成に比べ、選手に携帯させる装置の小型化を図ることができる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態は、上記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で適宜変更することが可能である。例えば、撮影対象は、サッカーに限られるものではなく、例えばテニス等の移動範囲の広い競技などを撮影する装置として適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えばスポーツ撮影等のように複数の撮影対象が移動する画像撮影において、撮影画像における各撮影対象に合わせたスーパーインポーズ等の画像処理を、自動的あるいは半自動的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像撮影・処理装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す画像撮影・処理装置をより詳細に説明するための説明図である。
【図3】 図2に示す位置検出用のビデオカメラの撮影範囲を示す模式図である。
【図4】 図2に示す位置検出用のビデオカメラの撮影範囲を示す模式図である。
【図5】 図1および図2に示すフィールドに対する座標系を説明するための平面図である。
【図6】 図2に示す画像処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】 図1に示す位置検出部の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】 図1に示す位置検出部のさらに他の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
300……ビデオカメラ(画像撮影装置)、320……撮影位置検出部、340……位置検出部、341,342……位置検出用のビデオカメラ、360……信号処理装置、361,362……記憶装置、363……撮影対象特定部、364……情報重畳部(識別結果対応付手段、出力手段)

Claims (6)

  1. 画像撮影装置と、
    前記画像撮影装置が撮影の対象とする複数の撮影対象から、個々の撮影対象を識別するとともに、撮影対象空間内における各撮影対象の位置を検出する位置検出手段と、
    前記画像撮影装置の撮影位置を検出する撮影位置検出手段と、
    前記撮影位置検出手段によって検出された前記画像撮影装置の撮影位置の情報に基づき、前記画像撮影装置の撮影画像中から1又は複数の撮影対象を抽出するとともに、抽出した撮影対象の前記撮影画像内における位置を特定する撮影対象特定手段と、
    前記位置検出手段によって検出された各撮影対象の位置情報に基づき、前記撮影対象特定手段によって特定された1又は複数の撮影対象に対して、前記位置検出手段による撮影対象の識別結果を対応づける識別結果対応付手段と、
    前記画像撮影装置の撮影画像に対して、前記識別結果対応付手段によって前記撮影対象に対応付けられた識別結果を示す画像を、前記撮影対象特定手段によって特定された該撮影対象の前記撮影画像内における位置又はその近傍に重畳処理して出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする画像撮影・処理装置。
  2. 前記位置検出手段は、
    1又は複数の位置検出用の画像撮影装置と、
    各撮影対象を識別するための基準となる情報を記憶する基準情報記憶手段と、
    前記1又は複数の位置検出用画像撮影装置によって撮影された画像情報から、複数の撮影対象の位置及び特徴を抽出する抽出手段と、
    前記基準情報記憶手段に記憶されている基準情報と、前記抽出手段によって抽出された特徴情報とに基づいて、各撮影対象を識別する識別手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の画像撮影・処理装置。
  3. 前記基準情報記憶手段に記憶される基準情報は、個々の撮影対象毎に予め撮影された画像情報に基づいて作成されたものであることを特徴とする請求項記載の画像撮影・処理装置。
  4. 前記位置検出手段は、各撮影対象に取り付けられ、無線信号を送出する送信手段と、前記送信手段から送信される無線信号を受信し、受信した無線信号に基づき、各撮影対象の位置を検出する受信手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影・処理装置。
  5. 前記送信手段は、取り付けられた撮影対象の位置情報を含んだ無線信号を送出することを特徴とする請求項に記載の画像撮影・処理装置。
  6. 前記位置検出手段による個々の撮影対象に対する識別結果及び位置検出結果を、複数組、所定時間分、記憶するための記憶装置をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像撮影・処理装置。
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