JP4171354B2 - カラー画像処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカラー画像の画像処理、特に、色空間における3次元色領域の抽出、変形を利用した画像処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー画像では、色の再現や修整が重要な問題である。そのためのデータ処理には、画像から所望の領域を抽出して、その領域の色調を修整することも含まれる。以下では、カラー画像からの色領域抽出と色調修整の従来の手法について説明する。
【0003】
色空間において、色は輝度、色相、彩度の3成分からなる。そこで、色は、色相・彩度といった2次元分布として定義する方法がある。この場合、カラー画像のピクセル値を解析して、所定範囲内の色相・彩度をもつ領域を抽出する。
【0004】
画像からある特定の色領域を抽出するのに、色空間上での3次元物体色分布が利用されている。たとえば、特開平6−111016号公報に記載された画像処理では、画像の3次元物体色空間上での分布のモデルに基づき、クラスタリング手法を用いて画像の領域分割を行う。ここで、カラー画像の領域分割に際して、物体の反射モデルから推定される色空間上での分布の特徴を、「黒」から「物体色」を通り「白」へと至る曲線としてモデル化し、該曲線を区別するパラメータ空間上へ各画素を写像することにより、同一領域の画素どうしが特定の場所に局在するような分布を得、その空間上でクラスタリングを行う。これにより領域分割がより正確に行える。
【0005】
抽出した色領域に対する色補正として、色相や彩度を変えるという人為的な補正は可能である。たとえば、特開平9−28578号公報に記載された画像処理装置では、画像データの色空間上での分布特徴に依存した表現に画像を一旦変換し、その分布の特徴を表わす制御点をもとに複数の単体に分割し、画像データを単体で規定される単体内部座標に変換する。これにより、色調修整などの画像処理を少ない演算量で実行できる。また、オペレータは制御点を移動させるだけで、容易に色調を修整できるようになるため、熟練を要することなく、領域選択的な色調修整も簡単にできるようになる。
【0006】
また、特開平10−269360号公報に記載された自然カラー画像からの画像領域抽出法は、二色性反射モデルを基にしている。二色性反射モデルでは、鏡面反射成分を、色空間上の高明度かつ低彩度の位置から低明度かつ高彩度の位置に向かう線分で示し、対象物に吸収された後に拡散される吸収拡散反射による吸収拡散反射成分を、明度の最も小さな点(色空間の原点)から高明度かつ高彩度の位置に向かう線分で示す。ここで、抽出対象のサンプルデータから得られるある領域の現実の反射光分布を用い、サンプルデータを色空間上に変換して、画像上のサンプルを色空間上の色空間分布とする。この色空間分布の高明度側から低明度側または低明度側から高明度側にかけ明度軸にそって、かつ色空間分布の中心近傍を通過するような複数の線分を設け、各線分を中心軸とした色空間上の部分的な分布を各線分に対応する各部分分布とする。そして、自然カラー画像のデータ点を色空間に変換したときその色が部分分布のいずれかに含まれるとき、抽出対象として画像領域を抽出する。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−111016号公報
【特許文献2】
特開平9−284578号公報
【特許文献3】
特開平10−269360号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
色を色相・彩度といった2次元分布として定義する従来の方法では、色の異なる物体の点を、黒と照明色(たとえば白)を結ぶ線分に対して垂直な平面上に投影した場合、異なる3次元座標の点(すなわち異なる色)が平面上では同じ座標(すなわち同じ色)として認識されてしまうという問題がある。
【0009】
また、画像からある特定の色領域を抽出するのに、色空間上での3次元物体色分布を利用する手法は有効であるが、正確なモデル化手法は提案されていない。対象画像の色分布解析を行い、これに基づいて分布パラメータを推定しているため、領域の自動抽出が困難である。たとえば特開平6−111016号公報に記載された画像処理では、黒から物体色を通り白へと通るモデル化について物体色の定義があいまいであり、モデルが一意に決められない。物体色を対象画像ごとに毎回求める必要がある。
【0010】
抽出した色領域に対して色相や彩度を変えるという手法で人為的な補正は可能である。たとえば、特開平9−28578号公報に記載された手法では、色分布モデルとして個別色分布を内包する個別の立体の外形を変化させることで、色を人為的に補正している。しかし、照明光が明るくなることによる色変化、すなわち色分布の外形を保ったままで内部で入力画像中の画素に対応する色空間内での座標位置が移動するようなケースが考慮されていない。自然な補正として実際に照明光が明るくなったような場合に起きる分布モデル内の分布移動が実現できないため、画像処理が不正確になるとともに、実際の照明変化を反映した画像処理が困難になる。したがって、色補正を実現することは不可能であった。
【0011】
また、特開平10−269360号公報に記載された画像領域抽出方法では、色分布モデルを設定するが、ある色の色空間内での分布モデルが定義されてないため、毎回入力画像から得られる色分布を分析し、分布パラメータを求めることが必要であるという問題がある。
【0012】
ところで、人の顔の肌の色は、金属、プラスチックなどの物体のように単色からなっているわけではない。顔の部位によって色が異なり、肌色は、複数の色が集まった色の集合である。また、色の集合である肌色は、人によってその色の種類やばらつきが異なる。前述の従来の画像の領域抽出と色調修整の手法は、一般的な画像処理に関するものであるが、このような肌色を対象とした場合、以下のような問題がある。(1)ベースにしている単色のモデル化が色空間上では正確なモデルになっていない。これらの理由により画像処理が不自然になる。また、(2)複数の色を含む物体のモデル化が検討されておらず、色の集合である肌色のモデル化が正確に行えない。また、(3)形状操作に”立体幾何学的な”規則性はあるが、実際の色の分析に基づいていない。これにより、実際に求める画像処理に必要な操作を行うのが困難または不可能である。したがって、複数の色の集合である人の顔などの物体を含んだカラー画像について自然な画像処理が行えることが望まれる。
【0013】
この発明の目的は、単色の物体、及び複数の色の集合である物体のカラー画像の自然な画像処理を可能にすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のカラー画像処理装置は、色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められた2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定する3次元物体色領域モデル設定手段と、カラー画像を入力する画像入力手段と、システムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を設定するしきい値設定手段と、入力されたカラー画像について、3次元物体色確率分布モデルを用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力する色領域出力手段と、照明光の変化による色分布の移動の演算を定義しておき、入力されるカラー画像データと、3次元物体色確率分布モデルとを用い、定義されている上記色移動演算を行うことにより照明光変化を計算する演算手段とからなる。
【0015】
また、本発明に係る第2のカラー画像処理装置は、システムが定数として持っている、または操作者により入力された確率しきい値を設定するしきい値設定手段と、色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められた2次元物体色確率分布を設定する2次元物体色確率分布設定手段と、色空間における前記の2次元物体色確率分布、黒及び照明光色を含む3次元物体色確率分布モデルを入力する3次元物体色領域モデル設定手段と、入力されたカラー画像について、3次元物体色確率分布を用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力する色領域出力手段と、色領域出力から色領域形状パラメータを抽出する色領域形状抽出手段と、複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を含む色分布形状パラメータデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、色分布形状パラメータデータベースからの色分布形状パラメータの操作者による選択を受け付ける色形状パラメータ選択手段と、入力画像の色領域形状に対して、選択された色分布形状パラメータへの形状変形処理を行う色領域形状変形手段とからなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して発明の実施の形態を説明する。なお、図面において、同じ参照記号は同一または同等のものを示す。
【0017】
自然界に存在する物体の色は、現実には全くの単一色ではない。異なる色を含んだ、すなわち、ある色分布を持った物体が多くある。例えば、金属でも場所により組成の違いがあり、単一色で塗られた物体でも色むらがあり、自然界の緑、また、肌色は、緑または肌色として認識される複数の色の集りである。また、照明光中の物体についての色データ測定値は、照明のあたり方によって色空間内で分布を持った領域となる。また、単色であっても測定系の誤差を含んだ分布を持つ。カラー画像データからの物体色抽出と色調修整は、これらの点を考慮しなければならない。
【0018】
本発明では、色空間内で、ある物体色の色分布をモデル化する際に、輝度値の暗から明への変化に対して、物体色からなる拡散反射成分に加えて照明光色からなる鏡面反射が現れるしきい値に注目する。同じ物体色と認識されるサンプル画像の色分布を測定し、測定データから拡散反射成分に鏡面反射が加わり始めるしきい値(境界輝度値という)を求める。そして、境界輝度値を含む平面(境界輝度値平面)を設定し、この境界輝度値平面上で、同じ物体色と認識される色分布を、境界輝度値を含む2次元物体色確率分布領域として設定する。さらに、色空間内で、2次元物体色確率分布と黒および照明光色とを含み、2次元物体色確率分布の輪郭と黒および照明光色との間を補間して得られる3次元物体色確率分布を設定し、これを3次元物体色確率分布モデルとして定義する。このように、境界輝度値を基に2次元物体色確率分布モデルを定義し、2次元物体色確率分布モデルを基に3次元物体色確率分布モデルを定義することで、正確な物体色領域が定義できる。
【0019】
画像データが入力されるとき、この3次元物体色確率分布モデルを用いて物体色(たとえば人の顔)の領域を識別する。また、この3次元物体色確率分布モデルの定義を基に画像処理を行える。すなわち、3次元物体色確率分布領域内で、照明光が変化した場合の分布の移動モデルを定義し、これを画像処理として定義する。これを用いて照明光が変化した場合の画像処理を行う。
【0020】
次に、色領域の抽出についてさらに説明する。物体の色分布を見ると、RGB空間では、多くの場合、2色性反射モデルから推測されるように、図1に示すような色分布になる。この色分布の特徴は、ある単一色からなる物体に当てる照明光を暗から明へと変化させていった場合、物体色による色分布(直線)と照明光色による色成分(直線)とがつながることである。すなわち、照明光の強度を増加していくと、最初は物体からの拡散反射成分として物体色が増していくが、ある程度明るくなると、物体色に加えて鏡面反射成分として照明光色が加わる。図1では、照明色は白色としている。図1では、拡散反射成分は、色空間上の明度の最も小さな点(色空間の原点)から境界輝度値の位置Hに向かう線分で示され、鏡面反射成分は、高明度かつ低彩度の位置(照明光色)から境界輝度値の位置Hに向かう線分で示される。なお、図1は、2つの物体A,Bについて色分布が示されている。このように、拡散反射成分と鏡面反射成分とは、いずれもほぼ直線で近似でき、2つの成分のつながる境界での輝度(境界輝度値という)が、色データの解析により求められる。
【0021】
前述の境界輝度値は、物体色のみからなる領域(拡散反射領域)と物体色に照明光色が加わる領域(鏡面反射領域)との輝度値のしきい値である。この境界輝度値は、物理単位で見た値としてはほぼ一定であるが、計測系で得られるデータとしては、撮像系の性質としてCCDのダイナミックレンジや画像データ処理の内容により変化する。1例として、図2は、CCDで記録できる領域が少し狭くなった状況を示している。しかし、撮像系の性質や画像データ処理の内容が一定であれば、一度実験的に境界輝度値を求めておけば、以後はその値で近似でき、この値を境界輝度値とする。境界輝度値設定部10が設定する境界輝度値は、このように調整された値である。
【0022】
単に色といっても色空間内で1点になるのではなく、実際には照明のあたりかたによって色空間内で分布を持った領域になる。そこで、複数の測定値をもとに色分布と境界輝度値を求めることにより、図3に示すように、この境界輝度値の複数の位置Hを含む平面(境界輝度値平面という)が設定でき、この境界輝度値平面上で、物体色と認識される色分布を2次元物体色確率分布領域として設定する。位置Hは、輝度値は同じであるが色が異なる点である。また、肌色のような認識色の場合、肌色と認識されるサンプル画像の色分布を測定し、境界輝度値の複数の位置Hを含む境界輝度値平面上で、肌色と認識される色分布を2次元物体色確率分布領域として設定する。図3で斜線で示した領域は、ある確率しきい値を用いて得られた、境界輝度値の複数の位置を囲む輪郭内の2次元確率分布領域を示す。
【0023】
次に、色空間内において物体色が存在する確率(入力画像中の画素の物体色らしさ)として、図4に示すように、2次元物体色確率分布の輪郭を原点(黒)との間及び照明光色(白色光源の場合は白)との間で補間して得られる3次元物体色確率分布モデルを定義する。したがって、3次元物体色確率分布モデルは、境界輝度値平面での2次元物体色確率分布の輪郭、黒及び照明光色とを含む。2次元確率分布領域は、図3に示すように確率しきい値を用いて得られた領域である。図4の例では、3次元物体色確率分布は、2次元物体色確率分布の輪郭と、黒または照明光色との間を直線で補間して求めている。3次元物体色確率分布モデルを用いることで、物体色の分布を正確に求めることが可能となる。
【0024】
色領域の抽出においては、入力画像データから、この3次元物体色確率分布モデルを用いて、確率しきい値以上の物体色らしさを持つ色(認識色)を物体色領域として抽出する。こうして、画像から物体色領域を抽出する。
【0025】
人の肌の色のような、人が認識する色(認識色)は、上述の単一色を複数含んでいる。図5に示すように、実験結果より、そのような場合、上述の境界輝度値は、ほぼ1つの平面上に分布することが見出された。したがって、認識色の領域は、上述の実験結果に基いて定義される。すなわち、色空間上での認識色の場合、境界輝度値平面上で同一色として認識される境界輝度値の複数の位置(色グループ)の色分布を、2次元物体色確率分布領域として定義する。たとえば、複数のサンプル画像の色分布を測定し、それらから求められる境界輝度値をすべて含むように2次元物体色グループ確率分布領域を求める。境界輝度値平面は、色空間の原点(黒)と照明色(たとえば白)を結ぶ線に垂直である。次に、単一色の場合(図4)と同様に、この2次元物体色確率分布を原点(黒)との間と、照明光色との間で補間して、色空間内において物体色が存在する確率(入力画像中の画素の物体色らしさ)として3次元物体色確率分布モデルを定義する。
【0026】
人の顔の肌色の場合、多数の人について実物の顔の色を測定することにより、上述の2次元物体色確率分布が求められ、3次元物体色確率分布が定義される。その他、色サンプルがあるものは、その測定値をもとに3次元物体色確率分布が定義される。これらは一定の色見本が存在するものである。一方、個人的に同一の物体色として主観的に認識する(含める)複数の単一色の集り(たとえば、ある人が青色として認識する色の集合)の色領域を判別したい場合がある。その場合、そのような色を測定し、2次元物体色確率分布を求め、これを基に3次元物体色確率分布を定義できる。これにより、人が認識する色のかたまり(主観的な色)の色領域も認識できる。これにより、人の知覚する色の色空間内での分布を正確に求めることができる。認識色は、このように定義された色である。
【0027】
一方、単色からなる物体であっても、現実には全くの単色ではなく、異なる色を含んだ、すなわち色分布(色むら)を持った物体が多くある。たとえば、塗料で塗った物体や自然界の緑は、実際には異なる分布を含んでいる。そのような物体は、色のばらつきの影響を受けやすく、2次元物体色確率分布を求めたとしても、実際の物体では、色むらのため、その物体色を持つものと判断されないことがある。そこで、2次元物体色確率分布を求めた後で、必要ならば、操作者が実際の対象の色のばらつき具合を調整して、3次元物体色確率分布を求める。これにより3次元物体色確率分布を調整することにより、現実世界の物体の色空間内での分布を正確に求めることができる。
【0028】
次に、3次元物体色確率分布を用いた色領域抽出を説明する。画像から物体色領域を抽出するとき、色空間での上述の3次元物体色確率分布を用いて、ある一定値(確率しきい値)以上の物体色らしさを持つ色を物体色領域として画像から抽出する。画像からある色領域を抽出するのに、色空間上での3次元分布を利用する従来の手法は有効であるが、正確なモデル化手法は提案されていなかった。本発明では、光に対する物体の反射モデルを導入することで、色空間内での色分布モデル化を行える。このような色分布モデルは、たとえば顔領域の識別処理などにおいて有用である。
【0029】
色処理は、こうして抽出された物体色領域に対して行う。物体色に対する色処理演算は、実際の照明変化がもたらす色空間における色分布変化に基づき、拡散反射成分として物体色が増えていき、次に、物体色に鏡面反射成分として照明光色が加わり、最終的に照明光色に変化していく色処理(色分布変化モデル)を、色空間での座標計算として実装する。こうして、色分布モデルを用いた色領域抽出と色分布変化モデルを用いた画像処理とを用いることで、特定の色領域に対する自然な色補正が可能となる。従来は照明光の変化を自然な色補正として行えなかったが、本発明では、照明光変化による色分布変化モデルを考慮した画像処理を行い、この問題を解決できる。
【0030】
以下の実施形態ではRGB空間を用いて説明している。しかし、L空間、L空間、HSV空間においても、境界輝度値平面をそれぞれL軸、V軸に直交するように設定し、その平面上で2次元物体色確率分布を設定することで、同様な作用効果が得られる。
【0031】
また、L空間、L空間などの均等色空間を用いた場合、均等色空間の特徴として空間内でのユークリッド距離と知覚尺度とが空間座標によらず等しいため、空間座標によらずに境界輝度値平面上での2次元物体色グループ確率分布領域が設定可能となる。具体的に述べると、均等色空間を用いない場合、境界輝度値平面上の座標位置によって、2次元確率分布領域の形状が異なるが、均等色空間を用いると、境界輝度値平面上の位置によらず、同一の2次元物体色グループ確率分布形状を使える。このため、ある認識色の3次元物体色確率分布モデルがより少ない変数で定義可能となる。
【0032】
実施形態1.
図6は、実施形態1の画像処理装置を示す。この画像処理装置の構成は、通常のコンピュータと同様である。画像処理装置は、全体を制御するCPU100を中心として構成される。CPU100は、バスを介して、プログラムなどを記憶するROM102と、データなどを記憶するRAM104に接続され、また、フレキシブルディスク(FD)106、ハードデイスク(HD)110、CD−ROM114をそれぞれ記録媒体とするフレキシブルディスク装置108、ハードデイスク装置112、CD−ROM装置116に接続される。さらに、CPU110は、各種画面などを表示するディスプレイ装置108や、各種入力、指示操作などを行うための入力手段であるキーボード120とマウス122、画像を読み取るスキャナ124に接続される。さらに、USBインタフェース126を介して、外部のデジタルカメラ128、ビデオカメラ(図示しない)などに接続可能である。ここで、ハードディスク110には、オペレーティングシステム・プログラムのほか、後で説明する画像処理プログラムなどのアプリケーションが記憶される。デジタル画像としてのカラー顔画像は、たとえば、スキャナ124、デジタルカメラ128などから入力される。また、通信装置130からネットワークを通して他のコンピュータなどから受け取ってもよい。また、画像処理プログラムは、フレキシブルディスク106、CD−ROM114などの記録媒体に記憶できる。また、フレキシブルディスク106、CD−ROM114などの記録媒体に記録された画像処理プログラムが、この画像処理装置にダウンロードできる。この画像処理装置の構成は、以下に説明する他の実施の形態の画像処理装置でも同様であり、以下の実施の形態では説明を省略する。また、以下に説明する画像処理は、プリンタ、デジタルカメラなどにおける画像処理装置においても適用でき、また、携帯電話などにおける画像処理にも採用できる。
【0033】
図7は、実施の形態1における画像処理装置における色分布設定の機能ブロック図を示す。この画像処理装置では、境界輝度値設定部10は、色空間において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を定め、2次元物体色確率分布定義部12は、境界輝度値をもとに境界輝度値平面上での色確率分布を設定する。2次元物体色確率分布定義部12は、たとえば、サンプルとなる物体の境界輝度値平面上で占める色領域の重心値を求め、この重心値を元に、2次元物体色確率分布領域(たとえば、楕円領域や正規分布)を定義する。図1において楕円は確率が0である輪郭を表わしている。3次元物体色確率分布定義部14は、黒と境界輝度値の間と、境界輝度値と照明光色との間で2次元物体色確率分布を補間することで色空間での3次元物体色確率分布を定義する。これにより、境界輝度平面上に2次元物体色確率分布を定義し、次に、この2次元物体色確率分布と黒および照明色とから色空間内で3次元物体色確率分布モデルを定義する。これにより、こうして、色空間における色分布領域が定義される。さらに、単色の物体について、実際の対象の色のばらつき具合を調整するため、色分布調整パラメータ設定部16を追加する。この色分布調整パラメータ設定部16は、肌色などの認識色の場合には使用しない。
【0034】
ある物体のRGB空間における色分布を分析すると、先に図1により説明したように、物体色からなる拡散反射領域と、照明光色による影響が加わった鏡面反射領域とがつながったアーチ状の分布形状特徴が見られる。境界輝度値設定部10は、この鏡面反射が起き始める輝度値をしきい値として設定する。
【0035】
次に、2次元物体色確率分布定義部12は、境界輝度値平面上で物体色が実際に占める領域を分析することで、図3のような2次元物体色確率分布領域を求める。たとえば、図3の例では、この領域は楕円状である。そして、3次元色確率分布定義部14は、原点と境界輝度値の間と、境界輝度値と照明光色の間とで、この2次元物体色確率分布領域を補間することで、3次元物体色確率分布を定義する(図4)。たとえば図3のような楕円領域が補間されて3次元確率分布領域が求められた場合、その領域の表面の曲面上で確率がゼロとなる。
【0036】
色分布調整パラメータ設定部16は、単色の物体について、実際の対象の色のばらつき具合を調整するために設けられる。操作者は、2次元物体色確率分布定義部22で求められた2次元物体色確率分布に対して、キーボード30などで、3次元色確率分布を調整するため、抽出したい現実の物体に合わせた色分布調整パラメータを設定する。これにより、異なる色を含んだ物体について、現実世界の物体の色空間内での分布をより正確に求めることができる。
【0037】
図8は、CPU100による3次元物体色確率分布を求める処理のフローチャートを示す。まずサンプルカラー画像データの入力を受け取る(S10)。次に、あらかじめ求められている境界輝度値を入力し(S12)、3次元色空間において境界輝度値を含む平面において、サンプルカラー画像データについて2次元物体色確率分布を求める(S14)。次に、2次元物体色確率分布を基に3次元物体色確率分布を求める(S16)。たとえば、黒と2次元物体色確率分布の間と、2次元物体色確率分布と照明光色の間とで直線で補間して3次元物体色確率分布を得る。求められた2次元物体色確率分布と3次元物体色確率分布は記憶装置に記憶しておく。
【0038】
図9は、CPU100による単色の3次元物体色確率分布を求める処理のフローチャートを示す。まずサンプルカラー画像データの入力を受け取る(S10)。次に、あらかじめ求められている境界輝度値を入力し(S12)、3次元色空間において境界輝度値を含む平面において、サンプルカラー画像データについて2次元物体色確率分布を求める(S14)。次に、操作者による色分布調整パラメータの設定を受け取り(S15)、それを用いて、2次元物体色確率分布を調整する。次に、調整された2次元物体色確率分布を基に3次元物体色確率分布を求める(S16)。求められた2次元物体色確率分布と3次元物体色確率分布は記憶装置に記憶しておく。
【0039】
図10は、実施の形態1における画像処理装置の色領域出力の機能ブロック図を示す。2次元物体色確率分布設定部20は、境界輝度値平面上での2次元色確率分布を設定する。この2次元色確率分布は、すでに求められているものである。色分布調整パラメータ設定部22は、操作者により入力される色分布調整パラメータを設定する。3次元物体色確率分布設定部24は、2次元色確率分布と黒及び照明色を含む3次元物体色確率分布を設定する。この3次元色確率分布は、すでに求められているものを用いるか、または、入力される色分布調整パラメータを用いて2次元色確率分布を調整したものである。すでに求められた3次元色確率分布のみを用いる場合は、2次元物体色確率分布設定部20と色分布調整パラメータ設定部22は不要である。色領域を抽出するとき、画像入力部26は、カラー画像を入力し、色空間データ変換部28は、画像のピクセル値をRGB色空間で表現する。色領域出力部30は、3次元物体色確率分布設定部24からの3次元物体色確率分布を用いて、確率しきい値設定部32でシステムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を超える色確率を有するピクセルを物体色領域として抽出し、出力する。このように、人が認識する色(複数の色の集まり)の確率分布を定義した認識色の3次元確率分布を用いることで、たとえば、人の肌色などの実際には複数の色を含んだ認識色の領域を、画像から正確に抽出できる。
【0040】
図11は、CPU100によるカラー画像データからの物体色領域抽出のフローチャートを示す。すでに求められている3次元色確率分布を設定する(S22)。次に、カラー画像データを受け取ると(S24)、そのデータをRGBデータに変換する(S26)。そして、システムが持つデフォルトの確率しきい値を変更する必要が有れば、操作者による確率しきい値を入力し(S28)、RGBデータから、設定されている3次元物体色確率分布と確率しきい値とを用いて、物体色領域を抽出し、出力する(S30)。
【0041】
図12は、CPU100によるカラー画像データからの物体色領域抽出のフローチャートを示す。すでに求められている2次元色確率分布を入力し(S20)、操作者により入力された色分布調整パラメータを設定する(S21)。次に、色分布調整パラメータを用いて調整された2次元色確率分布を調整し、調整された3次元色確率分布を設定する(S22)。次に、カラー画像データを受け取ると(S24)、そのデータをRGBデータに変換する(S26)。そして、システムが持つデフォルトの確率しきい値を変更する必要が有れば、操作者による確率しきい値を入力し(S28)、RGBデータから、設定されている3次元物体色確率分布と確率しきい値とを用いて、物体色領域を抽出し、出力する(S30)。
すでに求められている2次元色確率分布と3次元色確率分布を入力する(S22、S24)。
【0042】
実施形態2.
実施形態2の画像処理装置では、照明光変化による色分布変形として色処理を行う。図13の機能ブロック図に示すように、この画像処理装置では、3次元物体色確率分布設定部24は、境界輝度値平面上での3次元物体色確率分布モデルを設定する。この3次元物体色確率分布モデルはすでに求められている。画像入力部26はカラー画像を入力し、色空間データ変換部28は、画像のピクセル値を色空間で表現する。色確率出力部34は、3次元物体色確率分布設定部24からの3次元物体色確率分布に基づいて各ピクセルに対する色確率を出力する。色分布移動演算定義部36は、次に説明するように、照明光の変化による色分布の移動演算を定義している。照明光変化演算部38は、色分布移動演算定義部36で定義された色分布移動演算により、色確率出力部34からの色確率とピクセルの値とを掛け合わせることにより照明光変化を計算する。画像出力部40は、照明光変化演算部38による演算結果の画像を出力する。このように、照明光変化による色分布変化に注目し、色分布変化の解析結果に基づいた色分布変形として色処理を実現することで、自然な画像処理が可能である。
【0043】
色分布移動演算についてさらに詳しく説明する。色分布移動演算定義部36では、図14に示したように、黒(原点)から境界輝度値(境界輝度値平面)まで進み、その後照明色に向かう経路に沿った移動を定義する。図14において、SとSは、境界輝度平面で分けられる色空間の原点側と照明光側を表わす。Aを入力画像中のピクセル、A’を移動後のAの座標、Pskinを点Aの肌色確率とする。sを経路にそっての移動量とすると、移動後のAすなわちA’は、AがSに属していれば、
【数1】
Figure 0004171354
AがSに属していれば、
【数2】
Figure 0004171354
この色分布移動演算において、移動量sを物体色確率Pskinを係数として掛けたものをピクセルのRGB値に適用する。これにより、物体色の領域のみに対し、照明光変化を画像処理として適用できる。ここで、人の肌色など複数の色を含む認識色の3次元物体色確率分布を用いることで、人の肌色など複数の色の集まった物体の物体色領域のみに対して、照明光変化を画像処理として適用することができる。
【0044】
図15は、CPU100による実施形態2の色処理のフローチャートを示す。まず、すでに求められている3次元色確率分布を設定する(S22)。次に、カラー画像データを受け取ると(S24)、そのデータをRGBデータに変換する(S26)。そして、そのRGBデータから、3次元物体色確率分布と確率しきい値に基づいて各ピクセルに対する色確率を出力する(S32)。
【0045】
次に、照明光変化による色分布変化に注目し、色分布変化の解析結果に基づいた色分布変形として色処理を実現する。すなわち、前もって定義されている色分布移動演算を用いて、色確率とピクセルの値とを掛け合わせることにより照明光変化を計算する(S34)。次に、照明光変化演算により得られた画像を出力する(S36)。
【0046】
実施形態3.
撮影装置の特性や照明環境によって同じ物体でも異なる色分布をする。そこで、画像を修整することが一般に行われている。実施形態3の画像処理装置では、色確率分布を用いて特定の色領域の形状パラメータを抽出し、抽出した色領域に対して既存の色分布の形状パラメータを用いた画像処理を行う。したがって、色画像データの修整を物体色分布の形状パラメータを用いて自然かつ容易に行う。
【0047】
図16は、実施の形態3における画像処理装置の機能ブロック図を示す。この画像処理装置において、色領域形状抽出部42は、色領域出力部30からの色領域出力データから、色領域形状パラメータを抽出する。色分布形状パラメータデータベース44は、複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を保存している。色形状パラメータ選択部46は、色分布形状パラメータデータベース44からのある特定の色分布の、操作者による選択を受け付ける。形状変形処理部48は、入力画像の色領域形状に対して、選択された色分布形状パラメータへの形状変形処理を行う。
【0048】
図17は、CPU100による実施の形態3の形状変形処理のフローチャートを示す。まず、また、すでに求められている3次元色確率分布を設定する(S22)。次に、カラー画像データを受け取ると(S24)、そのデータをRGBデータに変換する(S26)。そして、システムが持つデフォルトの確率しきい値を変更する必要が有れば、操作者による確率しきい値を入力し(S28)、そのRGBデータから、3次元物体色確率分布と確率しきい値に基づいて色領域を抽出し、出力する(S30)。
【0049】
次に、画像処理を行う。ここで、色領域出力から、色領域形状パラメータを抽出する(S38)。一方、複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を保存した色分布形状パラメータデータベースからのユーザによるある特定の色分布の選択を入力する(S40)。次に、入力画像の色領域形状に対して色領域形状パラメータから選択した形状パラメータへの形状変形処理を行う(S42)。こうして、色確率分布を用いて特定の色領域の形状パラメータを抽出し、この抽出領域に対して既存の色分布の形状パラメータを用いた画像処理を行う。
【0050】
自然な色補正は、一つの認識色の中での分布形状の変化と考えられる。このような認識色に対する補正として、例えば入力画像に人の顔画像を用いて画像中の肌色を補正する場合、肌色というのは単色の集まりであるので、この集まりを定義した2次元物体色確率分布を2次元物体色確率分布設定部22において設定する。この2次元確率分布を補間して作られる3次元物体色確率分布及び確率しきい値を用いて入力画像中から認識色として肌色領域が抽出され、色領域出力部30から出力される。図18に示されるように、人の肌色として認識される2次元物体色確率分布は、多くの人の肌色を含んだ広い範囲の確率分布であり、画像中に含まれる個々の肌色は、その中の一部である。色領域形状抽出部42では、この部分領域の形状抽出を行う。
【0051】
次に、具体的な例を説明する。色領域形状抽出部42において、入力画像の色領域出力の形状パラメータセットとして、境界輝度値Lthと境界輝度値平面上での形状(たとえば楕円領域)のパラメータx、y、a、bを出力する。
【数3】
Figure 0004171354
また、色分布形状パラメータデータベース44には、個々の肌色の色分布形状を用意しておく。ユーザは、色分布形状パラメータデータベース44の中から、任意の選択された形状パラメータセットとして境界輝度値Lth1と境界輝度値平面上での形状パラメータ(たとえば楕円領域パラメータ)x、y、a、bを選択する。
【数4】
Figure 0004171354
【0052】
色分布形状パラメータデータベース44の中から任意の形状パラメータを選択し、形状変形処理部48で、抽出された境界輝度値及び形状パラメータと選択された境界輝度値及び形状パラメータとから、入力画像の形状パラメータセットから選択された形状パラメータセットへのアフィン変換Mを求め、これを色領域に対して施す。たとえば、次のように演算する。
(a)OEを中心に−θの回転
(b)x方向に−xの平行移動
(c)x方向にa/a倍、y方向にb/b倍の拡大
(d)x方向にxの平行移動
(e)OEを中心にθの回転
(f)図19に示すように、Aをとおり、OEを法線とする平面のO側の点では、OE方向にOB/OAの拡大、または、その平面のE側の点では、OE方向にEを中心にEB/EAの拡大を行う。これにより、肌色領域の形状変形が容易に行える。
【0053】
実施形態4.
図20は、実施の形態4における画像処理装置の機能ブロック図を示す。この画像処理装置では、画像データベース50は、実施の形態3の色分布形状パラメータデータベースの代わりに、色分布形状パラメータと形状パラメータに対応づけられた実際の画像とを保存している。サンプル提示部52は、操作者に画像データベース50中の画像(顔画像)を提示する。画像選択部54は、提示された画像からの任意の画像の選択を受け付ける。形状変形処理部48は、操作者に画像のサンプルを選択させ、その選択に応じて、色領域の形状を変化させる画像処理を行う。このように、サンプル画像の中から画像を選択することで、必要な形状パラメータが選択されることで、処理結果の推測が容易であるとともに、操作者の好みにあった画像処理が容易となる。
【0054】
人の認識する色の1例である肌色の場合、それは単一色の集まりであり、この色の集まりを2次元物体色確率分布として2次元物体色確率分布設定部において設定する。そして、サンプル画像提示部52で、複数の人の顔画像を提示する。ここで、任意の顔画像を画像選択部54で操作者が選択することで、選択した顔画像中の肌色に入力画像中の肌色が変化するような画像処理が容易に可能となる。特に、顔は曲面から構成されており、照明との関係で色分布が多様である。したがって、色形状変形パラメータだけではわかりにくい画像処理が、画像を選択することで容易に可能となる。
【0055】
図21は、CPU100による実施の形態4の画像処理のフローチャートを示す。まず、すでに求められている3次元色確率分布を設定する(S22、S24)。次に、カラー画像データを受け取ると(S26)、そのデータをRGBデータに変換する(S28)。そして、そのRGBデータから、3次元物体色確率分布と確率しきい値を用いて物体色領域を抽出し、出力する(S30)。
【0056】
次に、肌色を変化する画像処理を行う。ここで、色領域出力から、色領域形状パラメータを抽出する(S38)。一方、色分布形状パラメータとこの形状パラメータに対応づけられた実際の画像とを保存した画像データベース50の中の画像(顔画像)をユーザに提示し(S44)、提示された画像からユーザによる任意の画像の選択を受け取る(S46)。次に、ユーザに選択された画像(たとえば顔画像の肌)のサンプルの色形状パラメータを用いて色領域の形状を変形する(S48)。
【0057】
なお、当業者に容易に理解されるように、上述の種々の実施の形態において説明した各種構成要素は、可能な限り組み合わせることができる。
【0058】
【発明の効果】
境界輝度値に着目して2次元物体色確率分布を求め、この2次元物体色確率分布を基に3次元物体色確率分布モデルを定義することで、物体色の分布を正確に求めることが可能となる。
境界輝度値に着目した3次元物体色分布モデルを用いることにより、正確な色領域抽出が可能となる。
顔を含むカラー画像において、物体色領域(たとえば肌色領域)の色分布形状を3次元的にとらえて、物体色領域に対して自然な画像処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 RGB空間での二反射性モデルを示す図
【図2】 RGB空間においてCCDで記録できる領域を示す図
【図3】 境界輝度値平面における2次元確率分布領域を示す図
【図4】 2次元確率分布領域を用いた補間による3次元確率分布領域の設定を示す図
【図5】 認識色の2次元確率分布領域を示す図
【図6】 実施の形態1による画像処理装置のブロック図
【図7】 実施の形態1の画像処理の機能ブロック図
【図8】 実施の形態1における3次元色確率分布設定のフローチャート
【図9】 実施の形態1における3次元色確率分布設定の別の例のフローチャート
【図10】 実施の形態1の画像処理の機能ブロック図
【図11】 実施の形態1における色領域抽出のフローチャート
【図12】 実施の形態1における色領域抽出の別の例のフローチャート
【図13】 実施の形態2の画像処理のブロック図
【図14】 照明光の変化の処理を説明するための図
【図15】 実施の形態2における画像処理のフローチャート
【図16】 実施の形態3の画像処理のブロック図
【図17】 実施の形態3における画像処理のフローチャート
【図18】 複数の単一色からなる物体色を説明するための図
【図19】 画像データの拡大を説明するための図
【図20】 実施の形態4の画像処理のブロック図
【図21】 実施の形態4における画像処理のフローチャート
【符号の説明】
10 境界輝度値設定部、 12 2次元物体色確率分布生成部、 143次元物体色確率分布生成部、 24 3次元物体色確率分布設定部、 26 画像入力部、 30 色領域出力部、 32 確率しきい値設定部、34 色確率出力部、 38 色照明変化演算部、 44 色分布形状パラメータデータベース、 46 形状パラメータ選択部、 48 形状変形処理部、 50 画像データベース、 52 サンプル画像提示部、 100 CPU、 102 ROM、 110 ハードデイスク、 112 ハードデイスク装置、 118 ディスプレイ装置。

Claims (7)

  1. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められた2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定する3次元物体色領域モデル設定手段と、
    カラー画像を入力する画像入力手段と、
    システムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    入力されたカラー画像について、3次元物体色確率分布モデルを用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力する色領域出力手段と
    照明光の変化による色分布の移動の演算を定義しておき、入力されるカラー画像データと、3次元物体色確率分布モデルとを用い、定義されている上記色分布移動演算を行うことにより照明光変化を計算する演算手段と
    からなることを特徴とするカラー画像処理装置。
  2. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められた2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定する3次元物体色領域モデル設定手段と、
    カラー画像を入力する画像入力手段と、
    システムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を設定するしきい値設定手段と、
    入力されたカラー画像について、3次元物体色確率分布モデルを用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力する色領域出力手段と
    色領域出力から色領域形状パラメータを抽出する色領域形状抽出手段と、
    複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を含む色分布形状パラメータデータベースを記憶するデータベース記憶手段と、
    色分布形状パラメータデータベースからの色分布形状パラメータの操作者による選択を受け付ける色形状パラメータ選択手段と、
    入力画像の色領域形状に対して、選択された色分布形状パラメータへの形状変形処理を行う色領域形状変形手段と
    からなることを特徴とするカラー画像処理装置。
  3. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められている2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定し、
    操作者により入力された確率しきい値を設定し、
    入力されたカラー画像に対して、設定された3次元物体色確率分布を用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力し、
    照明光の変化による色分布の移動の演算を定義しておき、入力されるカラー画像データと、3次元物体色確率分布モデルとを用い、定義されている上記色分布移動演算を行うことにより照明光変化を演算する
    ことを特徴とするカラー画像処理方法。
  4. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基に求められている2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定し、
    操作者により入力された確率しきい値を設定し、
    入力されたカラー画像に対して、設定された3次元物体色確率分布を用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力し、
    色領域出力から色領域形状パラメータを抽出し、
    複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を含む色分布形状パラメータデータベースを記憶し、
    色分布形状パラメータデータベースからの色分布形状パラメータの操作者による選択を受け付け、
    入力画像の色領域形状に対して、選択された色分布形状パラメータへの形状変形処理を行う
    ことを特徴とするカラー画像処理方法。
  5. さらに、
    色分布形状パラメータと色分布形状パラメータに対応づけられた実際の画像とを含む画像データベースを記憶し、
    画像データベース中の画像サンプルをユーザに提示し、
    提示された画像からの操作者による任意の画像の選択を受け付け、
    入力画像の色領域形状に対して、選択された画像の色分布形状パラメータへの形状変形処理を行う
    ことを特徴とする請求項1または2に記載されたカラー画像処理方法。
  6. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基にあらかじめ求められている2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定するステップと、
    システムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を入力するステップと、
    入力されたカラー画像に対して、設定された3次元物体色確率分布を用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力するステップと
    照明光の変化による色分布の移動の演算を定義しておき、入力されるカラー画像データと、3次元物体色確率分布モデルとを用い、定義されている上記色分布移動演算を行うことにより照明光変化を演算することにより照明光変化を計算するステップと
    からなり、コンピュータにより実行されるプログラム。
  7. 色空間において輝度を増加したときに物体の色分布において拡散反射成分に鏡面反射成分が加わる境界輝度値を含む平面上で、境界輝度値を有する色分布を基にあらかじめ求められている2次元物体色確率分布と、黒及び照明光色とを含む3次元物体色確率分布モデルを設定するステップと、
    システムが持つデフォルトの確率しきい値、または操作者により入力された確率しきい値を入力するステップと、
    入力されたカラー画像に対して、設定された3次元物体色確率分布を用いて確率しきい値以上の領域を色領域として出力するステップと
    色領域出力から色領域形状パラメータを抽出するステップと、
    複数のサンプル画像から抽出した色領域の個々の色分布形状を含む色分布形状パラメータデータベースを記憶するステップと、
    色分布形状パラメータデータベースからの色分布形状パラメータの操作者による選択を受け付けるステップと、
    入力画像の色領域形状に対して、選択された色分布形状パラメータへの形状変形処理を行うステップと
    からなり、コンピュータにより実行されるプログラム。
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