JP4171314B2 - Showcase - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットボトル飲料や缶飲料等の商品を陳列するショーケースに係り、特に商品を載置して展示室内に収容し、かつ展示室から引出し可能としたスライド棚に対する棚支持機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペットボトル飲料や缶飲料等の商品を展示室に多数配列して収納するショーケースは、商品の補充等の作業を容易にするため、商品を載置する棚装置がショーケース本体の前方に引き出せる構造になっているものが多い。
【0003】
従来の引出し式棚装置では、展示室に棚を水平姿勢で収容し、棚を展示室から引出すのに水平方向にスライドさせていた。そのため、商品の先入れ・先出しを行うには、売れ残り商品を手間側に移動させなければならず手間がかかる。手前側に空き空間がある状態で棚を引き出すと、勢いによっては商品が倒れ込む。
【0004】
そこで、たとえば[実用新案登録公報1]が開示されている。
【0005】
【実用新案登録公報1】
実用新案登録 第2529051号
ここでは、展示室に棚を収容した状態で、棚を前方に向けて傾斜させている。顧客が前面の扉体を開放して最前位の商品を取出すと、後列の商品が棚の傾斜に沿って滑り、空き空間を後方に残す。
【0006】
上記棚を手前側に引くと、棚は展示室から引き出されるが、完全に引き出した状態で棚が略水平姿勢となるように構成される。そのため、棚の後方に形成される空き空間に商品を補充し易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の構成の棚装置では、棚を展示室内に傾斜して支持し、その傾斜角度に沿って棚を引き出すようになっているので、傾斜角度の設定が極めて難しい。
【0008】
すなわち、傾斜角度を急にし過ぎると、後列の商品の重量の合計が最前位の商品にかかって、最前位の商品の取出しがし難い。最前位の商品を取出したあと、後列の全ての商品が棚上を同時に、かつ急激に滑って不揃いになる。棚を引き出すと、棚が急激に移動して商品が前面に飛び出し易く危険である。
【0009】
傾斜角度を緩くし過ぎると、最前位の商品を取出したあとで後列の商品が滑り難く、自動整列ができない。棚を引き出す際に、棚がスムーズに移動せず、時間がかかって操作性が悪い。
【0010】
そして、上述の棚装置では棚を展示室に収容した状態で、傾斜面を構成する傾斜始端と傾斜終端の位置に棚の後端と前端の位置が一致している。棚を引き出したとき、棚前端は傾斜始端から直ちに水平方向に移動するが、棚後端は傾斜始端から傾斜後端に至る傾斜面全長に亘って移動しなければならない。
【0011】
したがって、上述の棚装置では棚の移動距離が長くなり、棚後端が傾斜面全長を滑って傾斜始端を通過し、棚全体が水平姿勢になるまでに時間がかかり、操作性が悪いものである。
【0012】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、展示室に棚を収容した状態で棚を傾斜して支持し、棚を展示室から引き出した状態で略水平姿勢にすることを前提として、傾斜面の最適な傾斜角度を選択するとともに、傾斜面全長の短縮化を図って、商品整列および棚移動の円滑化と操作性の向上化を図れるショーケースを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために本発明のショーケースは、前面に開口部を備えたショーケース本体内に展示室を形成し、前端部が展示室から突没自在に伸縮する棚支持機構を展示室に設け、この棚支持機構にスライド棚を支持して展示室から出入り自在とし、
上記棚支持機構は、傾斜始端から傾斜終端に亘って傾斜する傾斜面を備えたスライド支持部と、このスライド支持部の傾斜面における傾斜終端位置から展示室の突出位置まで進退自在なスライドレールを備え、
上記スライド棚は展示室内に収容された状態で、スライド棚後端が傾斜面の傾斜始端と一致した位置にあり、かつスライド棚前端が傾斜終端を跨いでスライドレール上に取付けられ、スライド棚の展示室内に収容された状態での傾斜角度よりも、スライド支持部の傾斜面での傾斜角度の方が大きく設けられる。
【0014】
このような課題を解決する手段を採用することにより、傾斜面の最適な傾斜角度を選択できるとともに、傾斜面全長の短縮化を図って、商品整列および棚移動の円滑化と操作性の向上化を得る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1はショーケースの一部を省略した外観図であり、図2はショーケースの概略の断面図である。
【0016】
特に、図2では後述するように、ペットボトル飲料や缶飲料等の商品Sを載置・陳列したスライド棚1を展示室2から出し入れする状態を上下に亘って順に示している。
【0017】
このショーケースは、下部側に冷凍サイクルを構成する圧縮機3や凝縮器4および凝縮器に対向して配置される送風ファン5を収容する機械室6と、この機械室6の上部に上記展示室2を備えたショーケース本体7からなる。
【0018】
上記展示室2は前面に開口部8が設けられ、展示室2の左右両側面には側板(ガラス板)9が嵌め込まれている。上記展示室2の上下面、背面および左右後方の両側面には断熱材10が取付けられ、展示室2の各面を完全に断熱材10で覆うことにより、展示室2の断熱構造が得られている。
【0019】
上下面の断熱材10および背面の断熱材10と所定間隔を存して区画板11が一体に張り巡らされ、これら区画板11と上記左右両側板9とで囲まれる空間が実質的な展示室2となる。この展示室2には上下方向に所定間隔を存して複数段のスライド棚1が平行に取付けられている。
【0020】
展示室2前面の開口部8を介して、スライド棚1に載置・陳列してある商品を取出すことができる。そして、後述するように、必要に応じてスライド棚1の少なくとも一部を展示室2から引き出すことができる。
【0021】
一方、上下面区画板11のそれぞれ前端部と上記断熱材10との間に開口部が形成される。下面区画板11と断熱材10とで形成される開口部を吸込み口12と呼び、上面区画板と断熱材とで形成される開口部を吹出し口13と呼ぶ。
【0022】
下面区画板11と断熱材10との間隙に冷気循環用送風機14が配置され、背面区画板11と断熱材10との間隙に上記圧縮機3・凝縮器4などとともに冷凍サイクルを構成する蒸発器15が配置される。
【0023】
したがって、上記冷気循環用送風機14を駆動することにより、吸込み口12から吸込んだ空気を下面区画板11と断熱材10との間隙から蒸発器15を介して背面と上部の間隙に導き、さらに吹出し口13から吹出し案内するよう、各区画板11と断熱材10との間に冷気循環用ダクト16が形成される。
【0024】
上記吸込み口12を上方に向けて開口し、上記吹出し口13を下方に向けて開口しているので、吹出し口13から吹出される空気が吸込み口12に吸込まれ易く、冷気は効率よく展示室の前面側と冷気循環用ダクト16を循環する。
【0025】
特に図示していないが、上記背面区画板11には多数の小孔からなる冷気導通孔が開口されていて、冷気循環用ダクト16に導かれる冷気の一部は展示室2内に円滑に導入される。
【0026】
つぎに、上記スライド棚1と、このスライド棚に対する支持構造について、図1,2とともに図3ないし図5にもとづいて詳述する。
図3はスライド棚1の展示室2収容状態と、展示室2から引き出した状態を併せて描いた構成図、図4(A)はスライド棚1を展示室2に収容した状態の斜視図、図4(B)は展示室2から引き出した状態の斜視図、図5(A)(B)(C)はスライド棚1の動きを順に、かつ模式的に示す説明図である。
【0027】
上記展示室2には、上記商品Sを直接載置し、かつ陳列状態となすスライド棚1と、このスライド棚を支持し、スライド棚を展示室2に収容する位置から少なくともスライド棚一部が展示室から突出する位置に移動自在とした棚支持機構20を備えている。
【0028】
はじめに、上記棚支持機構20から説明すると、これは後述する傾斜面53を備えたスライド支持部30と、このスライド支持部に取付けられるスライドレール40とから構成される。
【0029】
上記スライド支持部30は、その後端縁に上記背面区画板11の冷気導通孔に掛脱自在なフック片31が一体に設けられ、前端が展示室2の前面近傍まで延在する左右一対の支持側片32を備えている。
【0030】
各支持側片32は、スライド棚1の左右両側部にそれぞれ対向して設けられている。この上端縁は背面側端部から前面側の中途部までが水平で、この水平端部から前端部までは所定の角度に傾斜する。
【0031】
上記支持側片32の上端縁は内側に折曲され、互いに対向する。したがって、支持側片32上端は水平面32aと傾斜面32bとが連設されることになる。これら支持側片32の水平面32a全体と傾斜面32b一部に亘って固定板33が掛け渡される。
【0032】
上記固定板33と各支持側片32とは取付けねじ等で取付け固定され、この固定板33によって左右の支持側片32相互が架設状態にある。上記支持側片32は後端フック片31が背面区画板11に掛止するだけの不安定な状態にあるが、固定板33を架設することにより取付け安定性が向上する。
【0033】
左右両側の支持側片32における上端折曲片で、かつ傾斜面32bに直接、もしくは上記固定板33を介して、上端折曲片と同一幅に形成された固定滑走板34が取付けられる。
【0034】
この固定滑走板34は、高滑走特性を備えた素材である、たとえばポリアセタール樹脂材からなる。上記素材は高滑走特性ばかりでなく機械的強度が大であって、耐摩耗性に優れている。
【0035】
上記スライドレール40は、支持側片32に取付け固定される固定側レール41と、この固定側レールに対して移動自在に掛合する可動側レール42とから構成される。
【0036】
なお説明すれば、上記固定側レール41は支持側片32の側面部下端縁に沿って取付けられていて、この前端部は支持側片32前端から突出している。上記可動側レール42は固定側レール41に最大限押し込んだ状態で、その前端部は固定側レールの前端部から突出し、かつ展示室2前部に位置する。
【0037】
固定側レール41と可動側レール42との間には、コロあるいはベアリングなどの回転部材が介設されていて、固定側レール41に対して可動側レール42が水平方向に移動自在になっている。
【0038】
そして、可動側レール42を固定側レール41から最大限引き出した状態で、可動側レール42の前端部は展示室2から突出する。この位置での可動側レール42の移動規制および位置の保持は、固定側レール41と可動側レール42との間に設けられるストッパ部材の作用による。
【0039】
上記スライド棚1は、商品Sを支持する底面部aと、この底面部の周端縁に沿って一体に立ち上がり形成される側片部bを備えている。特に、左右両側の側片部bは下方に一体に突出していて、上記支持側片32の外側面を覆うように形成される。
【0040】
スライド棚1の底面部a下面で、かつ後部側の左右両側に、上記固定滑走板34と同一素材で、同一幅寸法の移動滑走板45が取付けられる。この移動滑走板45は、スライド棚1の位置によっては上記固定滑走板34上に載る。
【0041】
上記スライド棚1の前端部はヒンジ具46を介してスライドレール40の可動側レール42前端部に取付けられる。このスライド棚1の前端部を除く他の部分は、上記棚支持機構20に対して自由状態となっている。
【0042】
このことから、可動側レール42の固定側レール41からの突出位置によっては、スライド棚1は後端のみ、もしくは後部が支持側片32上に載ったり、スライド棚1全体が可動側レール42上に載る。
【0043】
また、上記ヒンジ具46近傍のスライド棚1底面(もしくは、可動側レール42前端)には、板ばね材を略N状に折曲加工してなるN形ストッパ47が取付けられる。このN形ストッパ47は、固定側レール41前端に取付けられる掛止片48に掛脱自在である。
【0044】
すなわち、スライド棚1を展示室2に収容した状態でN形ストッパ47が上記掛止片48に掛止して、可動側レール42の位置を保持するとともに、スライド棚1の姿勢を保持する。上記N形ストッパ47を弾性変形させ掛止片48から離脱させれば、スライド棚1と可動側レール42の移動が自由になる。
【0045】
一方、スライド棚1を展示室2に収容した状態で、スライド棚の下面に設けられる移動滑走板45の前端一部が固定滑走板34の後端部を介して支持側片32の上端折曲片上に載る。
【0046】
なお説明すると、上述したように支持側片32上端は固定板33が設けられる水平面32aと固定滑走板34が設けられる傾斜面32bとが連設され、この水平面32aと傾斜面32bとのなす角部K上にスライド棚1の後部が載る。
【0047】
スライド棚1の前端部がヒンジ具46を介してスライドレール40に取付けられているので、スライド棚1は傾斜する。したがって、スライド棚1の底面部a下面と、支持側片角部K前後において互いに隙間が形成される。
【0048】
上記スライド棚1を展示室2から引出すと、スライド棚前端1bはヒンジ具46を介して可動側レール42とともに移動する。スライド棚後端1aは角部Kを滑って傾斜面32bに至り、さらには可動側レール42上に載るようになっている。
【0049】
したがって、スライド支持部30は、スライド棚1を展示室2に収容した状態で、スライド棚後端1aと一致する位置を傾斜始端50とし、支持側片32の傾斜前端とスライドレール40との交点位置を傾斜終端51とする、上記傾斜面53を備えている。
【0050】
この傾斜面53は、傾斜始端50から角部Kまでと、角部Kから傾斜終端51までとの、2つの異なる傾斜角度のスロープから構成される。前者を第1のスロープMと呼び、後者を第2のスロープNと呼ぶ。
【0051】
図からも明らかなように、第1のスロープMは比較的緩い傾斜角度θaに形成され、第2のスロープNは第1のスロープMの傾斜角度θaよりも急な傾斜角度θbに形成される。
【0052】
上記第1のスロープMに対する傾斜角度θaの設定により、この角度にスライド棚1を傾けた状態で商品Sを載置し、かつ最前位の商品Sを取出した際に後列の商品Sの全てが円滑に前方に移動して他なの後方に空き空間を形成できる条件を備える。
【0053】
なお、上記第2のスロープNは支持側片32の傾斜面32b全長が相当するが、上記第1のスロープMを構成する部材は実質的に存在せず、展示室2に収容したスライド棚底面部aの角部K接触位置から後端1a(傾斜始端50でもある)までの傾斜部分が対応する。
【0054】
スライド棚1を展示室2に収容した状態で、スライド棚後端1aが傾斜始端50と一致した位置にある一方で、スライド棚前端1bは上記傾斜終端51を跨いでスライドレール40上に位置している。
【0055】
一方、上記スライド棚1の底面部aには、図示しないヒーターが内蔵されている。このヒーターに接続されるリード線60はスライド棚1から突出して背面区画板11を貫通する。なお、上記ヒーターは載置されたペットボトル飲料や缶飲料等の商品を必要に応じて温めるために設けられいる。
【0056】
特に図3に示すように、上記スライド棚1を展示室2内に収容した状態で、スライド棚後端1aと背面区画板11との間には、上記リード線60を収容するためのスペース63が形成される。
【0057】
図4(B)にも示すように、リード線収容スペース63で、上記固定板33上には、リード線60を所定の長さで取付け固定するためのリード支え65が取付けられている。
【0058】
図6は、リード線60を取付けたリード支え65の概略の断面図である。
このリード支え65において、リード線60はたとえば樹脂製の結束バンド66を用いて取付け固定される。上記リード支え65は、断面L字状に折曲形成されていて、この折曲L字内にリード線60が載る。
【0059】
リード支え65の立上り片部dには所定間隔を存して2ヶ所の孔部67が設けられている。リード線60に上記結束バンド66を巻き付け、結束バンドの一端部を上記孔部67に挿通し、この外部において結束する。したがって、リード線60は結束バンド66を介してリード支え65に強固に取付け固定される。
【0060】
リード支え65の長手方向一端部に取付け用孔68が設けられていて、ここに取付けねじ69が挿通し上記固定板33に取付けられる。上記取付け用孔68は取付けねじ69の杆部よりも大なる直径に形成されていて、リード支え65は取付けねじ69を中心に回動自在である。
【0061】
すなわち、上記スライド棚1を展示室2内に収容した状態からスライド付勢して、スライド棚一部を展示室2から突出させ、あるいはこの突出位置から元の展示室2収容位置までスライドする。上記リード線60は、スライド棚1の移動にともなって変形しなければならない。
【0062】
スライド棚1後端と背面区画板11との間にリード線収容スペース63を備えたので、スライド棚1を展示室2内に収容した状態で、リード線60が異常な状態で絡み合うことがなく、確実にスライド棚1を展示室2に収容できる。
【0063】
また、リード線60を取付け保持するリード支え65を、一端の取付けねじ69を中心にして回動自在としたので、スライド棚1の移動時にリード支え65が回動して、リード線60が異常な状態で絡み合うことがなく、スライド棚1の円滑なスライドが保証される。
【0064】
図7(A)は、スライド棚1が展示室2内に収容された状態の斜視図であり、スライド棚後端に近接する背面区画板11部位に蓋板70が取付けられる。図7(B)は、上記蓋板70を拡大して示した斜視図であり、ここには多数の小孔からなる冷気導通孔71が設けられている。
【0065】
一方、背面区画板11には作業用開口部72が上下方向に複数個設けられていて、上記蓋板70は取付けねじ73を介して上記作業用開口部72に開閉自在に取付けられる。なお、リード線60は蓋板70下部の開口部72から引き出される。
【0066】
図7(C)は、上記作業用開口部72に上記リード線60を挿通したうえで、電源コード61に設けられるコネクタ62に接続する状態を示した斜視図である。
【0067】
たとえば、背の高いペットボトルなどを展示室2に収容する場合にはスライド棚1を取外して収容高さを確保することがあり、もしくは必要に応じて新たにスライド棚1を追加することがある。
【0068】
上記スライド棚1にはヒーターが内蔵され、このヒーターにはリード線60が接続される。リード線60は電気部品箱から冷気循環用ダクト16を引き回される電源コード61とコネクタ62を介して接続しなければならない。
【0069】
上記電源コード61に対するリード線60の接続作業をなす際には、図7(B)に示すように蓋板70を取外し、図7(C)に示すように作業用開口部72内においてコネクタ62と接続する。
【0070】
したがって、スライド棚1を着脱することにより、上下に移動する際のリード線60の接続、取外し作業が自在になる。常に、各スライド棚1に対向する作業用開口部72においてコネクタ62の接続作業を行うため、位置的に各スライド棚1に接続される各リード線60の長さを共通できる。
【0071】
つぎに、特に図5を中心にして、棚支持機構20に対するスライド棚1の位置と姿勢およびスライド状態を説明する。
図5(A)ではスライド棚1を展示室2に収容した状態を示していて、上述したようにスライド棚後端1aが傾斜面53の傾斜始端50と一致した位置にあり、スライド棚前端1bは傾斜終端51を跨いでスライドレール40上に取付けられる。
【0072】
そして、スライド棚1後部が角部Kに載り、スライド棚1の底面部aの下面は第2のスロープNに接していない。結局、スライド棚1は第1のスロープMに沿って傾斜しており、比較的緩い傾斜角度θaとなるよう支持されている。
【0073】
展示室2前面の開口部8を介して最前位の商品Sを取出せば、後列の商品Sが自動的に棚1上を滑って移動し、空き空間を後方に戻す。これにより、商品の先入れ、先出しが確実に行われる。
【0074】
必要に応じてスライド棚1を展示室2から引き出すべく、N形ストッパ47を掛止片48から開放してスライド棚前端1bもしくは可動側レール42前端部を引き出す。この場合、第1のスロープMに沿ってスライド棚1が引出されるので、引出しがスムーズに行われる。
【0075】
図5(B)に示すように、可動側レール42の固定側レール41からの突出量が増大し、スライド棚後端1aが第2のスロープN上を滑る。実際には、スライド棚1底面に設けられる移動滑走板45がスライド支持部30に設けられる固定滑走板34に対して滑走する。
【0076】
それぞれの滑走板45,34が高滑降特性を備えているので、スライド棚1のスライドが極めて円滑であるばかりでなく、滑走にともなう騒音(擦れ音)の発生を抑制する。
【0077】
第2のスロープNの傾斜角度θbを第1のスロープMの傾斜角度θaと比較して急角度に設定しているとともに、従来の傾斜面全長と比較して傾斜面長が短縮されているので、スライド棚1のスライド速度が速まって、スライド棚後端1aが第2のスロープNを早急に、かつ短時間に滑り下りる。
【0078】
スライド棚前端1bは可動側レール42に取付いたままであるので、スライド棚後端1aが第2のスロープNを滑ることで、スライド棚1の傾斜角度が二点鎖線で示す急な状態から漸次、実線で示す緩い状態に変る。
【0079】
図5(C)に二点鎖線で示すように、可動側レール42の突出量増大にともなってスライド棚1は水平姿勢に近ずく。実線で示すように、可動側レール42が最大限引き出されると、スライド棚後端1aは傾斜終端51を越えて固定側レール41先端もしくは可動側レール42上に載り、スライド棚1全体が略水平姿勢になる。
【0080】
このようにして、スライド棚1を引き出すと、第2のスロープNは急角度で、かつ傾斜面長が短縮されているので、スライド棚後端1aが第2のスロープNに至ってから早急に移動して、引き出し時間が短縮され、操作性が良い。滑り終わる直前で勢いが和らぎ、水平姿勢になってスライド棚1が静止するので、商品の前倒れや飛び出しが全くなく、信頼性の向上を得られる。
【0081】
なお、上記実施の形態においては、スライド支持部30に形成される傾斜面53を第1のスロープMと第2のスロープNの組み合わせからなるようにしたが、これに限定されるものではない。
【0082】
たとえば、図8に模式的に示すようなスライド支持部30Aであってもよい。図8(A)〜(D)は上記スライド支持部30Aに支持されたスライド棚1の移動状態を順に説明する図である。傾斜面53Aは単体のスロープからなり、その傾斜角度は先に説明した第2のスロープNの傾斜角度θbと略同一である。
【0083】
図8(A)はスライド棚1を展示室2内に収容した状態を示していて、この状態でスライド棚1の傾斜角度を先に説明した第1のスロープMの傾斜角度θaと略同一になるよう設定してある。
【0084】
そして、スライド棚後端1aと傾斜始端50との位置が一致し、スライド棚前端1bは傾斜終端51を跨いでスライドレール40上にヒンジ具を介して取付けられる。したがって、スライド棚底面部aの下面と傾斜面53Aとは隙間が存在している。
【0085】
図8(B)に示すように、スライド棚前端1bもしくは可動側レール42の前端部を引き出すと、スライド棚後端1aが傾斜面53A上を滑る。傾斜面53Aの傾斜角度設定により、従来の傾斜面長と比較して傾斜面全長が短縮されることでスライド棚1は早急に、かつ短時間で移動する。
【0086】
図8(C)に示すように、可動側レール42が最大限引き出される直前の位置で、スライド棚1が水平姿勢に近い状態になる。したがって、ここに載置されている商品の傾きが早急に矯正される。
【0087】
図8(D)に示すように、可動側レール42が最大限引き出されると、スライド棚後端1aは傾斜面53Aを完全に滑り下り、傾斜終端51を越えてスライドレール40上に載り略水平姿勢になる。
【0088】
このような構成であっても、スライド棚1を展示室2に収容した状態で上記傾斜角度θaと略同一の角度で傾斜しているので、最前位の商品を取出せば後列の商品が自動的に棚上を滑って移動し、空き空間を後方に戻す。これにより、商品の先入れ、先出しが確実に行われる。
【0089】
スライド棚1を引き出すと、棚は上記傾斜角度θbと略同一の角度の傾斜面53Aに沿って滑るので、早急に移動する。傾斜面53Aの傾斜面全長が短縮されることとあいまって、完全に引き出されるまでの時間が短縮され、操作性が良い。
【0090】
そして、スライド棚1は傾斜面53Aを滑り終わる直前で勢いが和らぎ、水平姿勢になってから静止する。そのため、商品の前倒れや飛び出しが全くなく、信頼性の向上を得られる。
【0091】
この他、本発明の要旨を超えない範囲内で種々変形実施可能であり、これら変形構成は全て本発明に含まれる。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、傾斜面の最適な傾斜角度を選択でき、傾斜面全長の短縮化を図って、商品の整列および棚の引出し操作の円滑化と操作性の向上化を図れる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る、ショーケースの一部を省略した外観図。
【図2】 同実施の形態に係る、スライド棚のスライド状態を順に示すショーケースの概略の断面図。
【図3】 同実施の形態に係る、スライド棚を展示室に収容した状態と、展示室から引き出した状態のスライド棚とスライド支持部の構成図。
【図4】 同実施の形態に係る、スライド棚を展示室に収容した状態と、展示室から引き出した状態のスライド棚とスライド支持部の斜視図。
【図5】 同実施の形態に係る、スライド棚の移動状態を順に、かつ模式的に説明する図。
【図6】 同実施の形態に係る、リード線の保持構造を説明する断面図。
【図7】 同実施の形態に係る、リード線の処理状態を説明する斜視図。
【図8】 本発明の他の実施の形態に係る、スライド棚の移動状態を順に、かつ模式的に説明する図。
【符号の説明】
8…開口部、7…ショーケース本体、2…展示室、20…棚支持機構、1…スライド棚、50…傾斜始端、51…傾斜終端、53…傾斜面、40…スライドレール、M…第1のスロープ、N…第2のスロープ、47…N形ストッパ、34…固定滑走板、45…移動滑走板、33…固定板、60…リード線、65…リード支え、16…冷気循環用ダクト、63…リード線収容スペース、62…コネクタ、72…作業用開口部、70…蓋板。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a showcase for displaying products such as plastic bottle drinks and canned drinks, and in particular, an improvement of a shelf support mechanism for a slide shelf on which products are placed and accommodated in an exhibition room and can be pulled out from the exhibition room About.
[0002]
[Prior art]
The showcase that stores a large number of products such as plastic bottle drinks and canned drinks in the exhibition room can be pulled out to the front of the showcase body in order to facilitate product replenishment and other operations. Many are structured.
[0003]
In the conventional drawer-type shelf device, shelves are accommodated in the exhibition room in a horizontal posture, and the shelves are slid horizontally to be pulled out of the exhibition room. Therefore, it takes time and effort to move unsold products to the laborious side in order to first-in / first-out the products. If you pull out the shelf with an empty space on the front side, the product may fall down depending on the momentum.
[0004]
Thus, for example, [Utility Model Registration Gazette 1] is disclosed.
[0005]
[Utility Model Registration Gazette 1]
Utility model registration No. 2529051
Here, the shelf is inclined forward with the shelf accommodated in the exhibition room. When the customer opens the front door and takes out the foremost product, the product in the rear row slides along the inclination of the shelf, leaving an empty space behind.
[0006]
When the shelf is pulled to the near side, the shelf is pulled out from the exhibition room, but the shelf is configured to be in a substantially horizontal posture when fully pulled out. Therefore, it is easy to replenish products in the empty space formed behind the shelf.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the shelf apparatus having the above-described configuration, the shelf is supported while being tilted in the exhibition room, and the shelf is pulled out along the tilt angle. Therefore, it is extremely difficult to set the tilt angle.
[0008]
That is, if the inclination angle is too steep, the total weight of the products in the rear row is applied to the front product, and it is difficult to take out the front product. After taking out the foremost product, all the products in the back row slide on the shelf simultaneously and suddenly and become uneven. When the shelves are pulled out, the shelves move suddenly and the product tends to jump out to the front, which is dangerous.
[0009]
If the tilt angle is too loose, the rear row products will not slide easily after the foremost product is taken out, and automatic alignment will not be possible. When pulling out the shelf, the shelf does not move smoothly, it takes time and the operability is poor.
[0010]
And in the above-mentioned shelf apparatus, the position of the rear end and front end of the shelf coincides with the positions of the inclination start end and the inclination end that constitute the inclined surface in a state where the shelf is accommodated in the exhibition room. When the shelf is pulled out, the shelf front end immediately moves in the horizontal direction from the tilt start end, but the shelf rear end must move over the entire inclined surface from the tilt start end to the tilt rear end.
[0011]
Therefore, in the above-described shelf device, the movement distance of the shelf becomes long, the shelf rear end slides along the entire inclined surface and passes through the inclination start end, and it takes time until the entire shelf becomes a horizontal posture, and the operability is poor. is there.
[0012]
The present invention has been made by paying attention to the above circumstances, and the object of the present invention is to support the tilted shelf in a state in which the shelf is accommodated in the exhibition room, and in a state in which the shelf is pulled out from the exhibition room. Provided a showcase that selects the optimal inclination angle of the inclined surface and shortens the entire length of the inclined surface to facilitate product alignment and shelf movement and improves operability on the premise of the posture. It is something to try.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems and achieve the object, the showcase of the present invention is a shelf support in which an exhibition room is formed in a showcase body having an opening on the front surface, and a front end portion is extendable and retractable from the exhibition room. A mechanism is provided in the exhibition room, and the shelf support mechanism supports the slide shelf so that it can be freely moved in and out of the exhibition room.
The shelf support mechanism includes a slide support portion having an inclined surface inclined from the inclination start end to the inclination end, and a slide rail which can be moved back and forth from the inclination end position on the inclined surface of the slide support portion to the projecting position of the exhibition room. Prepared,
When the slide shelf is housed in the exhibition room, the rear end of the slide shelf is in a position that coincides with the inclination start end of the inclined surface, and the front end of the slide shelf is mounted on the slide rail across the inclination end.The inclination angle on the inclined surface of the slide support portion is larger than the inclination angle when the slide shelf is housed in the exhibition room.
[0014]
By adopting the means to solve such problems, it is possible to select the optimum inclination angle of the inclined surface, shorten the overall length of the inclined surface, facilitate the product alignment and shelf movement, and improve the operability. Get.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is an external view in which a part of the showcase is omitted, and FIG. 2 is a schematic sectional view of the showcase.
[0016]
In particular, in FIG. 2, as will be described later, a state in which the
[0017]
This showcase has a
[0018]
The
[0019]
A
[0020]
A product placed and displayed on the
[0021]
On the other hand, an opening is formed between each front end of the upper and
[0022]
A
[0023]
Accordingly, by driving the cool
[0024]
Since the
[0025]
Although not shown in the drawing, the
[0026]
Next, the
FIG. 3 is a configuration diagram illustrating the state in which the
[0027]
In the
[0028]
First, the
[0029]
The
[0030]
Each
[0031]
The upper end edges of the
[0032]
The fixing
[0033]
A fixed sliding
[0034]
The fixed sliding
[0035]
The
[0036]
If it demonstrates, the said fixed
[0037]
A rotating member such as a roller or a bearing is interposed between the fixed
[0038]
The front end portion of the
[0039]
The
[0040]
A
[0041]
The front end portion of the
[0042]
Therefore, depending on the projecting position of the
[0043]
Further, an N-
[0044]
That is, the N-
[0045]
On the other hand, in a state where the
[0046]
In other words, as described above, the upper end of the
[0047]
Since the front end portion of the
[0048]
When the
[0049]
Therefore, the
[0050]
The
[0051]
As is apparent from the figure, the first slope M is formed at a relatively gentle inclination angle θa, and the second slope N is formed at an inclination angle θb that is steeper than the inclination angle θa of the first slope M. .
[0052]
By setting the inclination angle θa with respect to the first slope M, when the product S is placed with the
[0053]
The second slope N corresponds to the entire length of the
[0054]
While the
[0055]
On the other hand, a heater (not shown) is built in the bottom surface portion a of the
[0056]
In particular, as shown in FIG. 3, a
[0057]
As shown in FIG. 4B, a
[0058]
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view of the
In the
[0059]
Two
[0060]
An
[0061]
That is, the
[0062]
Between the rear end of the
[0063]
Further, since the
[0064]
FIG. 7A is a perspective view of a state in which the
[0065]
On the other hand, the
[0066]
FIG. 7C is a perspective view showing a state in which the
[0067]
For example, when a tall plastic bottle or the like is stored in the
[0068]
The
[0069]
When connecting the
[0070]
Therefore, by attaching and detaching the
[0071]
Next, the position and posture of the
FIG. 5A shows a state in which the
[0072]
The rear portion of the
[0073]
If the foremost product S is taken out through the
[0074]
In order to pull out the
[0075]
As shown in FIG. 5B, the amount of protrusion of the
[0076]
Since each of the sliding
[0077]
Since the inclination angle θb of the second slope N is set to a steep angle as compared with the inclination angle θa of the first slope M, the inclined surface length is shortened compared to the entire length of the conventional inclined surface. The slide speed of the
[0078]
Since the slide shelf
[0079]
As indicated by a two-dot chain line in FIG. 5C, the
[0080]
When the
[0081]
In the above-described embodiment, the
[0082]
For example, a
[0083]
FIG. 8A shows a state in which the
[0084]
And the position of the slide shelf
[0085]
As shown in FIG. 8B, when the slide shelf
[0086]
As shown in FIG. 8C, the
[0087]
As shown in FIG. 8D, when the
[0088]
Even with such a configuration, since the
[0089]
When the
[0090]
The
[0091]
In addition, various modifications can be made without departing from the gist of the present invention, and all these modifications are included in the present invention.
[0092]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the optimum inclination angle of the inclined surface can be selected, the overall length of the inclined surface can be shortened, the product alignment and the shelf pull-out operation can be facilitated and the operability can be improved. There are effects such as being able to plan.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external view in which a part of a showcase is omitted according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of a showcase that sequentially shows the sliding state of a slide shelf according to the embodiment.
FIG. 3 is a configuration diagram of a slide shelf and a slide support unit in a state in which the slide shelf is accommodated in the exhibition room and a state in which the slide shelf is pulled out from the exhibition room according to the embodiment.
FIG. 4 is a perspective view of the slide shelf and the slide support portion in a state in which the slide shelf is housed in the exhibition room and pulled out from the exhibition room according to the embodiment.
FIGS. 5A and 5B are diagrams for schematically and sequentially explaining a moving state of a slide shelf according to the embodiment. FIGS.
6 is a cross-sectional view illustrating a lead wire holding structure according to the embodiment; FIG.
FIG. 7 is a perspective view illustrating a processing state of a lead wire according to the embodiment.
FIGS. 8A and 8B are diagrams for schematically and sequentially explaining the moving state of a slide shelf according to another embodiment of the present invention. FIGS.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
上記棚支持機構は、傾斜始端から傾斜終端に至る傾斜面を備えたスライド支持部と、このスライド支持部の傾斜面における傾斜終端位置から上記展示室の突出位置まで進退自在なスライドレールとを備え、
上記スライド棚は上記展示室内に収容された状態で、スライド棚後端が上記傾斜面の傾斜始端と一致した位置にあり、かつスライド棚前端が傾斜終端を跨いで上記スライドレール上に取付けられ、
上記展示室内に収容された状態での上記スライド棚の傾斜角度よりも、上記スライド支持部の傾斜面での傾斜角度の方が大きく設けられる
ことを特徴とするショーケース。A showcase body having an opening on the front surface, an exhibition room formed in the showcase body, a shelf support mechanism provided in the exhibition room, the front end of which extends and retracts freely from the exhibition room, and the shelf In a showcase with a slide shelf supported by a support mechanism and freely accessible from the exhibition room,
The shelf support mechanism includes a slide support portion having an inclined surface extending from an inclination start end to an inclination end portion, and a slide rail that is movable back and forth from the inclination end position on the inclined surface of the slide support portion to the projecting position of the exhibition room. ,
The slide shelf is housed in the exhibition room, the rear end of the slide shelf is in a position coincident with the inclined start end of the inclined surface, and the front end of the slide shelf is mounted on the slide rail across the inclined end ,
The showcase characterized in that the inclination angle on the inclined surface of the slide support portion is larger than the inclination angle of the slide shelf in the state accommodated in the exhibition room .
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