JP4171180B2 - 番組情報蓄積送出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル放送における番組送出、もしくは光ファイバー網を利用した映像配信等に用いて好適な、番組情報蓄積送出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル放送を実現するには、もともとの情報量が膨大な映像音声信号を限られた伝送路の中で効率良く送るために高能率なディジタル映像音声圧縮符号化が施される。圧縮された映像、あるいは音声のビットストリーム、および番組に付随するデータストリームは、一般にパケット化された後、一つのパケットストリームとして多重化される。
【0003】
図6から図8に、従来の番組情報蓄積送出装置を示す。
図6に示す例では、入力される映像音声信号を、符号化器51でMPEG−2(Moving Picture Experts Group2)によるエンコードを行い、番組付随のデータと共に多重化部52で時分割多重を行い、外部へ送信している。ここで、圧縮符号化前後における映像音声信号の蓄積は行われていない。
【0004】
図7に示す例は、符号化器61により圧縮符号化された映像音声信号を、一旦大容量の磁気ディスク装置(HDD)62に蓄積し、この磁気ディスク装置62を介して外部へ送出するシステム例である。
【0005】
また、図8に示す例は、大容量磁気ディスク装置72(HDD1)、大容量磁気ディスク装置73(HDD2)と、テープ記録装置74とを組み合わせて圧縮音声信号を蓄積し、送出するシステム例である。すなわち、磁気ディスク装置72には、符号化前の音声信号が蓄積され、磁気ディスク装置73には、符号化器71による音声の信号の圧縮符号化出力である信号ならびに関連データが蓄積され、磁気ディスク装置73を介してこの圧縮音声信号ならびに関連データが送出される。
なお、テープ記録装置74には、圧縮符号化前の音声信号ならびに関連データが蓄積される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図6に示す例では、符号化器51と多重化部52との間に蓄積装置が存在せず、従って、同一番組内容を繰り返し送出する際、あるいは多メディアによる時差送出の際に、VTR(Video Tape Recorder)等を利用して再生したり、あるいは符号化をその都度実施する必要があった。従って、多チャンネル化による送出番組数、送出回数の増加に伴い、運用効率を改善する必要がある。
【0007】
また、図7、図8に示すように、磁気ディスク装置を介して映像および/または音声信号等を送出するシステムにおいては、符号化後の圧縮映像、音声信号を蓄積し、これを編集して送出する磁気ディスク装置62、73は存在するが、磁気ディスク装置のみで大量かつ大容量の映像、および音声信号を共に蓄積することは、費用、および設備容積の点で困難であった。
また、テープ記録装置74は、符号化される前の音声信号のみを蓄積しており、ここから音声データを送出するものとしては用いられていない。さらに、いずれの従来例も符号化後の圧縮映像音声信号と、送出対象となる番組関連データを統合的に蓄積管理するものではない。
【0008】
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、磁気ディスク装置およびテープ記録装置を用いて、符号化された後の圧縮映像音声信号と関連する番組関連データを統合的に蓄積管理し、送出する番組情報蓄積送出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために請求項1に記載の発明は、番組にかかわる映像音声信号ならびにその番組関連データを記録媒体に蓄積し、外部へ送出する番組情報蓄積送出装置であって、前記番組を構成する前記映像音声信号と、当該映像音声信号を一意に識別する番組識別子を入力として得、符号化する符号化手段と、番組の送出タイミングと前記番組識別子を含む番組の送出情報を処理する送出情報処理手段と、前記符号化手段からの出力、ならびに前記符号化手段に入力される映像音声信号に関連する番組関連データを入力として得、前記番組識別子に関連付けて前記記録媒体に蓄積する蓄積制御手段と、前記送出情報処理手段から出力される送出制御情報により、指定の送出タイミングと指定の番組識別子に従い該当する映像音声信号と前記番組関連データを前記記録媒体から得る送出制御手段と、前記送出制御手段によって得られる映像音声信号と、番組関連データの入力形式を変換した結果を時分割多重して外部へ送出する多重化部と、を備えている。
そして、前記番組情報蓄積送出装置は、前記記録媒体が、前記圧縮符号化された全ての映像音声信号ならびにその番組関連データが蓄積される第1の記録媒体と、前記圧縮符号化された映像音声信号の一部写しが蓄積される第2の記録媒体から成り、
前記送出制御情報を用いて前記第2の記録媒体に、送出すべき圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データが存在する場合は、その映像音声信号ならびに番組関連データを前記送出制御手段により得て外部へ前記多重化部により出力し、また、送出すべき圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データが存在しない場合は、前記第1の記録媒体からその映像音声信号ならびに番組関連データを前記送出制御手段により得て外部へ前記多重化部により出力する構成とした。
【0010】
前記構成により、記録媒体に、ユニークな番組識別子が付された符号化後の映像音声信号を蓄積すると共に、番組関連データも番組識別子に対応付けて蓄積し、前記番組制御情報に従い記録媒体を参照することにより、指定された番組識別子に該当する圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データを得、指示された送出タイミングに従って外部へ送出する。また、前記構成により、記録媒体を第1の記録媒体と第2の記録媒体とに分けることで、それぞれの記録媒体の異なる性質を利用した蓄積管理を行なうことが可能となり、例えば、第1の記録媒体を安価で大容量かつ高速転送が可能なテープ記録装置とし、また、第2の記録媒体をランダムアクセス性能を有する磁気ディスク装置とすることにより、大量の番組情報を蓄積管理する安価で小型の番組情報蓄積送出装置を実現することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置において、前記蓄積制御手段は、前記番組識別子に基づき、前記記録媒体が有するデータベースを参照することにより前記記録媒体に蓄積される圧縮符号化された映像音声信号と対応する番組関連データの蓄積位置を得るように構成したものにかかる。
【0012】
前記構成により蓄積制御手段は、番組識別子を参照することによって圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データの蓄積位置を得ることができ、例えば、磁気ディスク装置、あるいは磁気ディスク装置とテープ記憶装置の組み合わせからなる記録媒体にアクセスし、所望の圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データを得ることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置において、前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、外部への送出が予定される順に優先度が付され、前記蓄積制御手段が前記優先度順に従い前記第1の記録媒体から選択して蓄積する構成にかかるものである。
【0016】
前記構成において、映像音声信号は、外部への送出順位に基づいて優先度が付され、容量の範囲においてあらかじめ第2の記録媒体に蓄積される。そのため、指定された音声映像信号の読み出しおよび外部への出力を迅速に行なうことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置において、前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、外部へ送出される使用頻度(あるいは送出要求)が多いものから圧縮符号化された映像音声信号に優先度が付される構成にかかるものである。
【0018】
前記構成により、使用頻度が多い映像音声信号は、第2の記録媒体に蓄積され、使用頻度が低下した映像音声信号は、第2の記録媒体から削除されることになる。これにより、常に使用頻度が高い映像音声信号を第2の記録媒体に蓄積している。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置において、前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、前記第2の記録媒体が持つ記録容量の範囲において、前記蓄積制御手段に入力された前記映像音声信号を最新のものとし、古いものから順に前記第2の記録媒体から削除されるように構成したものにかかる。
【0020】
前記構成により、最新の映像音声信号は、第2の記録媒体にその記録容量の範囲内で蓄積され、古い映像音声信号から順に前記第2の記録媒体から削除して、常に最新の映像音声信号を第2の記録媒体に蓄積している。
【0021】
前記記録媒体は、例えば、磁気ディスク装置単体で、あるいは磁気ディスク装置とテープ記録装置との組み合わせで構成され、特に、後者の場合、テープ記録装置には圧縮符号化された全ての映像音声信号ならびにその番組関連データが蓄積され、磁気ディスク装置には、圧縮符号化された映像音声信号の一部写しが蓄積される。このとき、番組識別子を参照して磁気ディスク装置に送出すべき圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データが存在する場合はその映像音声信号ならびに番組関連データを外部へ出力し、存在しない場合はテープ記録装置からその映像音声信号ならびに番組関連データを得て外部へ出力する。
【0022】
なお、番組関連データとは、番組名、あらすじ、出演者等の番組記述、時間情報、課金情報、制作環境、著作権情報、MPEG−1、MPEG−4等高圧縮映像信号の集まりであって、これら番組関連データのうち、テキスト情報は、例えば、XML(eXtensible Markup Language)で記述されるものとする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における番組情報蓄積送出装置の一実施形態を示すブロック図である。
本発明の番組情報蓄積送出装置1は、送出情報処理部11と、符号化器12と、蓄積・送出制御部13と、記録媒体15としての磁気ディスク装置(HDD)と、データ変換部16と、多重化部17で構成される。
【0026】
送出情報処理部11は、番組識別子、送出タイミング等から成る送出情報を入力として得、蓄積・送出制御部13を介して番組の送出を制御するものである。また、符号化器12は、番組を構成する映像音声信号と、当該映像音声信号を一意に識別する番組識別子(ID)を入力として得、これをMPEG−2パケットとして時分割多重したトランスポートストリーム(TS)を蓄積・送出制御部13に供給するものである。そして、この符号化器12は、映像音声信号等をMPEG−4などのMPEG−2以外の符号化方式により圧縮符号化するものであっても良い。
【0027】
また、番組識別子は、少なくとも放送局や映像配信事業者などの番組提供者名または識別コードと番組識別番号を備えるものとし、これらをテキスト形式または2値バイナリー形式により表現されるものとする。この番組識別子は、例えば電子透かしを用いるようにしてもよい。
【0028】
なお、番組識別子を電子透かしとした場合は、符号化後の情報に対して不正コピーの原本の所有者を識別できる状態とすることができるため、番組を識別する機能と合わせて不正コピーの防止を抑制することができる。
【0029】
蓄積・送出制御部13は、詳しくは蓄積制御部と送出制御部とから成る。蓄積制御部は、符号化器12の出力であるTSをファイル化して記録媒体15であるHDDに蓄積し、また符号化器12に入力される映像音声信号に関連する番組関連データを入力として得、番組識別子に関連付けて記録媒体(HDD)15に蓄積するものである。
【0030】
なお、番組関連データとは、番組名、ジャンル、あらすじ、出演者等の番組記述、時間情報、課金情報、制作環境、著作権情報、MPEG−1、MPEG−4等高圧縮映像信号の集まりであって、これら番組関連データのうち、テキスト情報は、例えば、XML(eXtensible Markup Language)で記述される。
【0031】
また、図1に示すように、多重化部17に入力される伝送制御信号等とは、例えば、MPEG−2のTSではPAT,PMT,NIT,CATの4種類のテーブルで定義され、多重化と伝送に関する様々な情報を含むものである。
さらに、送出情報処理部11に入力される送出情報は、番組識別子(ID)と送出される日時などであり、送出情報処理部11を通過することで、送出制御情報となり、蓄積・送出制御部13を介して送出タイミング情報となる。
【0032】
記録媒体(HDD)15のデータ構造を図3に示す。図3(a)に示すように、記録媒体(HDD)15には、映像音声信号データベース15Aと、番組関連データベース15Bと、符号化映像音声信号情報ファイル15Cと、高圧縮映像音声ファイル15D等が格納されている。
【0033】
つぎに、映像音声信号データベース15Aおよび番組関連データベース15Bのエントリ構造を図3(b)、(c)を参照して説明する。はじめに、図3(b)に示すように、映像音声信号データベース15Aは、映像音声信号情報が集合したデータベースであって、1つの映像音声信号情報には、映像音声信号と番組関連データを関連付けて管理するための番組識別子15Aaと、この番組識別子15Aaが付された符号化映像音声信号情報ファイル15Cを何時送出するかを決めるための送出タイミング情報15Abと、符号化映像音声信号情報ファイル15Cの映像に関するデータのファイル名が記載されている映像データ15Acと、その映像データ15Acの音声に関するデータのファイル名が記載されている音声データ15Adと、符号化映像音声信号情報ファイル15Cに対応し、検索時などに参照用映像音声信号として用いるMPEG−1、MPEG−4により高圧縮した高圧縮データ15Ae等が含まれている。
なお、送出タイミング情報15Abは、図3(d)に示すように、情報を送出する年月日時分(秒)や、チャンネルなどの情報を含んで構成されている。
【0034】
また、図3(c)に示すように、番組関連データベース15Bは、番組関連データが集合したデータベースであって、1つの番組関連データには、映像音声信号と番組関連データを関連付けて管理するための番組識別子15Ba、番組名を示す番組名15Bb、ジャンルを示すジャンル15Bc、課金内容を示す課金情報15Bd、出演者を示す出演者15Be、著作権者を示す著作権者15Bf、制作環境を示す制作環境15Bg、番組を送出した回数を示す送出回数15Bh等が含まれている。
【0035】
番組識別子と番組関連データは、番組識別子により対応付けられて管理される。なお、番組識別子は、図3(a)に示すように、符号化映像音声信号情報ファイル15Cのそれぞれに付加されている。このようにすることにより、家庭内の蓄積型受信装置(図示せず)などの送出先においても、送出元と同一の番組識別子を用いて番組情報を管理することが可能となる。
【0036】
また、映像音声信号の番組識別子に対応するパケットは、MPEG2−TS内の、例えば、ヘッダ等あらかじめ決められた一箇所に、あるいは任意箇所、更には、あらかじめ決められた複数箇所に配置するものとする。また、映像音声信号の番組識別子は、ファイル名称を用いても構わない。
【0037】
一方、送出制御部は、送出情報処理部11から出力される送出制御情報に従い、指定の送出タイミングで指定の識別子に該当する映像音声信号とこれに付随する番組関連データを記録媒体(HDD)15から得、多重化部17へ供給する。以降、蓄積制御部と送出制御部とを蓄積・送出制御部13と総称して説明を行う。多重化部17は、蓄積・送出制御部13によって得られる映像音声信号と、番組関連データの入力形式をデータ変換部16によって変換した結果と、更に、伝送制御信号とを入力として得、時分割多重して外部へ送出する。
【0038】
図4は、図1に示す本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
以下、図4に示すフローチャートを参照しながら図1に示す本発明実施形態の動作について詳細に説明する。
【0039】
まず、映像音声信号は、符号化器12において番組識別子と共に、例えば、MPEG−2等の圧縮符号化が施され、時分割多重されたストリームとして出力され、蓄積・送出制御部13に供給される。このとき同時に蓄積・送出制御部13に番組関連データも供給される(ステップS31)。これを受けた蓄積・送出制御部13は、番組識別子が多重化された圧縮符号化後の映像音声信号をファイルとして記憶媒体(磁気ディスク装置)15に蓄積し、映像音声信号と番組関連データを番組識別子により関連付けて管理するものとする(ステップS32)。
【0040】
ところで、送出情報として、送出すべき映像音声信号の番組識別子の他に、その番組送出時刻等番組の送出タイミングが定義されるものとし、これを受けた送出情報処理部11は、その内容に基づいて送出制御情報を出力し、蓄積・送出制御部13を介して番組送出を制御する。すなわち、蓄積・送出制御部13は、送出制御情報により、指定された送出タイミングにおいて指定の番組識別子に該当する映像音声信号を映像音声信号データベース15A(図3参照)を使用して検索して(ステップ34)、記憶媒体(磁気ディスク装置)15に蓄積された符号化映像音声信号情報ファイル15Cを選択する。そして、選択された映像音声信号等は、多重化部17に出力される(ステップS35〜S36)。このとき、蓄積・送出制御部13は、番組識別子に基づき、記憶媒体(磁気ディスク装置)15から対応する番組関連データを選択し、データ変換部16を介してこれらを多重化部17に出力する(ステップS35、S37)。
【0041】
データ変換部16は、蓄積・送出制御部13から出力される番組関連データを多重化部17の入力形式に変換して多重化部17に供給する(ステップS38)。多重化部17は、蓄積・送出制御部13から出力される映像音声信号と番組関連データを、伝送制御信号等の番組送出に必要な制御信号とともに時分割多重化し、送出する(ステップS39)。
【0042】
このように、圧縮符号化された映像音声信号をあらかじめ蓄積し、番組関連データと関連づけてこれらを統合的に管理し、送出情報等に基づいて機能的に送出することができるため、番組情報を効率的に蓄積管理できるとともに、番組の送出を能率的にかつ迅速に行なうことが可能となる。
【0043】
つぎに、図2を参照して本発明における番組情報蓄積送出装置10の他の実施形態を説明する。図1に示す実施形態との差異は記録媒体25の構成にある。ここでは、記録媒体25として、テープ記憶装置251と磁気ディスク装置252とを組み合わせ、大量かつ大容量の信号を蓄積する。すなわち、圧縮された全ての映像音声信号はテープ記憶装置251に蓄積され、更に、磁気ディスク装置252には、全ての番組関連データおよび物理的容量が許す範囲で、圧縮された一部の映像音声信号が蓄積されている。
【0044】
磁気ディスク装置252に蓄積する映像音声信号は、例えば、送出情報処理部11から出力される送出制御情報に従い、送出が予想される順に優先度(順位)を設け、蓄積・送出制御部13によって選択されるものとする。あるいは、磁気ディスク装置252に蓄積される映像音声信号は最新のものとし、古いものから順に削除される置換アルゴリズムを使用してもよい。
【0045】
なお、ここで使用されるテープ記憶装置251は、磁気ディスク装置252より大容量のものが用いられ、一例として、磁気ディスク装置252の容量より10倍以上の大きさを備えるものであれば記録媒体を二つに分けて使用するときに都合がよい。また、テープ記憶装置251および磁気ディスク装置252は、ここでは、それぞれ一つづつ配置される構成として例示したが、その配置数は、磁気ディスク装置252を複数配置する構成としてもよく、テープ記憶装置251を複数配置する構成としてもよい。
【0046】
図5は、図2に示す本発明実施形態の動作を示すフローチャートである。
以下、図5に示すフローチャートを参照しながら図2に示す本発明実施形態の動作について説明する。
【0047】
まず、映像音声信号は、符号化器12において番組識別子と共に、例えば、MPEG−2等の圧縮符号化が施され、時分割多重されたストリームとして出力され、蓄積・送出制御部13に供給される(ステップS41)。このとき同時に蓄積・送出制御部13に番組関連データも供給される(ステップS42)。これを受けた蓄積・送出制御部13は、番組識別子が付与された圧縮符号化後の映像音声信号を記録媒体25としてのテープ記憶装置251ならびに磁気ディスク装置252に蓄積する(ステップS43、S44)。
【0048】
ここで、全ての映像音声信号はテープ記憶装置251に蓄積され、一部の映像音声信号および全ての番組関連データは磁気ディスク装置252に蓄積される(ステップS45)。磁気ディスク装置252に蓄積される映像音声信号は、ここでは、送出情報処理部11から出力される送出制御情報に従い、送出が予想される順に優先度を設け、蓄積・送出制御部13によって選択されるものとする。なお、優先度は、使用頻度により決めることや、また、蓄積・送出制御部13に入力された順に優先度を決めるなど映像音声信号を効率的に送り出すことができる順番となるものであれば特に限定されるものではない。
【0049】
蓄積・送出制御部13は、テープ記憶装置251、または磁気ディスク装置252に蓄積された映像音声信号と番組関連データを関連づけて管理する。また、送出情報として、送出すべき映像音声信号の番組識別子の他に、その番組送出時刻等番組の送出タイミングが定義されるものとし、これを受けた送出情報処理部11は、その内容に基づいて送出制御情報を出力し、蓄積・送出制御部13を介して番組送出を制御する。
【0050】
すなわち、蓄積・送出制御部13は、送出制御情報により、指定された送出タイミングにおいて磁気ディスク装置252に蓄積された指定の番組識別子に該当する映像音声信号を選択して多重化部17に出力する(ステップS46→S47→S48→S50)。更に、蓄積・送出制御部13は、当該番組識別子に基づき、磁気ディスク装置252から対応する番組関連データを選択し、データ変換部16を介してこれらを多重化部17に出力する(ステップS46→S47→S48→S52)。
【0051】
なお、磁気ディスク装置252に必要とする映像音声信号が存在しないときは、映像音声信号をテープ記憶装置251から磁気ディスク装置252へ転送し(ステップS49、S51)、多重化部17へ出力する。
【0052】
データ変換部16は、蓄積・送出制御部13から出力される番組関連データを多重化部17の入力形式に変換して多重化部17に供給する(ステップS53)。多重化部17は、蓄積・送出制御部13から出力される映像音声信号と番組関連データを、伝送制御信号等の番組送出に必要な制御信号とともに時分割多重化し送出する(ステップS54)。
【0053】
以上説明のように本発明は、記録媒体に、ユニークに番組識別子が付された符号化後の映像音声信号を蓄積すると共に、番組関連データも対応付けて蓄積し、送出制御情報に従い各データベース15A,15Bを参照することにより、指定された番組識別子に該当する圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データを得、指示された送出タイミングに従って外部へ送出するものである。
【0054】
記録媒体として、例えば、図1に示すようにHDD(15)単体で、あるいは図2に示すように、テープ記憶装置251と磁気ディスク装置252との組み合わせで構成され、特に、後者の場合、テープ記憶装置251には圧縮符号化された全ての映像音声信号が蓄積され、また、磁気ディスク装置252には、圧縮符号化された映像音声信号の一部写し、ならびに全ての番組関連データが蓄積される。
【0055】
なお、前記した本発明実施形態においては、符号化器12に映像音声信号を一意に識別する番組識別子を入力し、当該番組識別子と番組関連データとを関連付けて管理し、送出するものとしたが、更に、著作権情報等のテキストデータにより記述される比較的小容量の番組関連データも先の番組識別子と共に符号化器12へ入力し、MPEG−2のパケットとして映像音声信号と共に時分割多重してMPEF2−TSとして蓄積、送出してもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明のように本発明の番組情報蓄積送出装置は、放送番組を構成するユニークな番組識別子を付した圧縮符号化された映像音声信号と、映像音声信号に関連する番組関連データとを磁気ディスク装置、あるいは磁気ディスク装置とテープ記録装置の組み合わせから成る記録媒体に蓄積し、これらとデータベースを用いて番組識別子に関連づけて蓄積するものであり、このことにより、圧縮映像音声信号とこれらに付随する番組関連データを統合的に管理できるため、運用が効率化される。
【0057】
また、番組情報蓄積送出装置は、蓄積制御手段が番組識別子に基づきデータベースを参照することにより、圧縮符号化された所望の映像音声信号ならびに番組関連データの蓄積位置を知ることができ、効率良く迅速に映像音声信号ならびに番組関連データを送出することができる。
【0058】
さらに、番組情報蓄積送出装置は、記録媒体を、第1および第2の記録媒体とすることで、それぞれの記録媒体の異なる性質を利用した蓄積管理を行なうことが可能となる。例えば、第1の記録媒体を安価で大容量かつ高速転送が可能なテープ記録装置とし、また、第2の記録媒体をランダムアクセス性能を有する磁気ディスク装置とすることにより、大量の番組情報を蓄積管理する安価で小型の番組情報蓄積送出装置を実現することができる。
【0059】
そして、番組情報蓄積送出装置において、第2の記録媒体に蓄積される圧縮符号化された映像音声信号は、外部へ送出が予定されている順に優先度が付され、第1の記録媒体のみならず、記録容量の範囲内で第2の記録媒体にも蓄積されるため、第2の記録媒体からの検索および外部への出力を迅速に行なうことができる。
【0060】
また、番組情報蓄積送出装置は、外部へ送出される使用頻度が多いもの、あるいは送出要求の多いものから、圧縮符号化された映像音声信号に優先度が付され第1の記録媒体のみでなく第2の記録媒体にも蓄積されるため、第2の記録媒体からの検索および外部への出力を迅速に行うことができる。
【0061】
さらに、番組情報蓄積送出装置は、第2の記録媒体に蓄積される圧縮符号化された映像音声信号に関し、最新のものを有効とし、古いものを掃き出すアルゴリズムを採用することで、第2の記録媒体が常に最新の状態を維持することができる。これらのことにより、大量の映像音声信号を効率良く管理できるとともに番組の送出を能率的かつ迅速に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における番組情報蓄積送出装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明における番組情報蓄積送出装置の他の実施形態を示すブロック図である。
【図3】(a),(b),(c)は、図1に示す記録媒体(HDD)のデータ構造を示す説明図である。
【図4】 図1に示す本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図5】 図2に示す本発明実施形態の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図6】 従来における番組情報蓄積送出装置を示すブロック図である。
【図7】 従来における別の番組情報蓄積送出装置を示すブロック図である。
【図8】 従来におけるさらに別の番組情報蓄積送出装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,10 番組情報蓄積送出装置
11 送出情報処理部(送出情報処理手段)
12 符号化器(符号化手段)
13 蓄積・送出制御部(蓄積制御手段および送出制御手段)
15、25 記録媒体
16 データ変換部
17 多重化部
251 テープ記憶装置(第1の記録媒体)
252 磁気ディスク装置(第2の記録媒体)

Claims (5)

  1. 番組にかかわる映像音声信号ならびにその番組関連データを記録媒体に蓄積し、外部へ送出する番組情報蓄積送出装置であって、前記番組を構成する前記映像音声信号と、当該映像音声信号を一意に識別する番組識別子を入力として得、符号化する符号化手段と、番組の送出タイミングと前記番組識別子を含む番組の送出情報を処理する送出情報処理手段と、前記符号化手段からの出力、ならびに前記符号化手段に入力される映像音声信号に関連する番組関連データを入力として得、前記番組識別子に関連付けて前記記録媒体に蓄積する蓄積制御手段と、前記送出情報処理手段から出力される送出制御情報により、指定の送出タイミングと指定の番組識別子に従い該当する映像音声信号と前記番組関連データを前記記録媒体から得る送出制御手段と、前記送出制御手段によって得られる映像音声信号と、番組関連データの入力形式を変換した結果を時分割多重して外部へ送出する多重化部と、を備え
    前記記録媒体は、前記圧縮符号化された全ての映像音声信号ならびにその番組関連データが蓄積される第1の記録媒体と、前記圧縮符号化された映像音声信号の一部写しが蓄積される第2の記録媒体から成り、
    前記送出制御情報を用いて前記第2の記録媒体に、送出すべき圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データが存在する場合は、その映像音声信号ならびに番組関連データを前記送出制御手段により得て外部へ前記多重化部により出力し、また、送出すべき圧縮符号化された映像音声信号ならびに番組関連データが存在しない場合は、前記第1の記録媒体からその映像音声信号ならびに番組関連データを前記送出制御手段により得て外部へ前記多重化部により出力することを特徴とする番組情報蓄積送出装置。
  2. 前記蓄積制御手段は、番組識別子に基づき、前記記録媒体が有するデータベースを参照することにより前記記録媒体に蓄積される圧縮符号化された映像音声信号と対応する番組関連データの蓄積位置を得ることを特徴とする請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置。
  3. 前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、外部への送出が予定される順に優先度が付され、前記蓄積制御手段が前記優先度順に従い前記第1の記録媒体から選択して蓄積することを特徴とする請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置。
  4. 前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、外部へ送出される使用頻度が多いものから圧縮符号化された映像音声信号に優先度が付されることを特徴とする請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置。
  5. 前記第2の記録媒体に蓄積される映像音声信号は、前記第2の記録媒体が持つ記録容量の範囲において、前記蓄積制御手段に入力された前記映像音声信号を最新のものとし、古いものから順に前記第2の記録媒体から削除されることを特徴とする請求項1に記載の番組情報蓄積送出装置。
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