JP4171136B2

JP4171136B2 - Ingredients for fried cooked food and fried food

Info

Publication number: JP4171136B2
Application number: JP14456499A
Authority: JP
Inventors: 剛範穴田; 由香友渕; 健一水島
Original assignee: 株式会社Ｊ−オイルミルズ
Priority date: 1999-05-25
Filing date: 1999-05-25
Publication date: 2008-10-22
Anticipated expiration: 2019-05-25
Also published as: JP2000333604A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用油脂およびＨＬＢが６〜11の乳化剤を含んだ食用油脂組成物、特に、改善された分散性と安定性（乳化安定性）を備え、かつフライ油への該食用油脂の芳香および／または該食用油脂の油脂成分の移行が小さい、新規の食用油脂組成物とその利用に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
フライ食品には、典型的なものに、豚カツ、揚げ玉、揚げ豆腐、揚げ蒲鉾、かりんとう、ポテトチップなどがあり、これらフライ食品は、衣の有無によって、揚げ種（種物）をそのままフライ調理する「素揚げ」や、揚げ種の表面にデンプンや小麦粉を粉体状で塗布してフライ調理する「ころも揚げ」に分類される。
さらに、前出の「ころも揚げ」は、揚げ種に、小麦粉、デンプン、蛋白質などを塗し、次いで、これを卵液に通し、さらにパン粉付けしたものをサラダ油などで油揚げして得られる「フライ」や、前述の卵液とパン粉に代えて、小麦粉と水を主成分とするバッター液を揚げ種に付けたものを油揚げして得られる「天ぷら」に大別される。
【０００３】
ところで、近年のわが国の食事内容の多様化と嗜好の変化が進む中にあって、天ぷら、フリッター、唐揚げなどのフライ調理によって得られるフライ食品についても、その食味と食感を改善する目的で、これまでにも様々な研究開発が続けられてきた。
【０００４】
そのような中で、昨今の消費者の嗜好の多様化に対応すべく、フライ食品、とりわけ、芳香が付与されたころも（衣）を付けたフライ食品が、市場に流通するようになってきている。主に関東地方で好まれている胡麻風味の天ぷらをはじめとする、芳香を付与してなるこれらのフライ食品は、これまで、天ぷら油やサラダ油などのフライ油に適量の風味油（例えば、胡麻油）などを添加してなる調合油、あるいは風味油そのものでフライ調理されるのが通常であった。
【０００５】
ところが、このような風味油を利用したフライ調理によると、揚げ種のフライ調理を継続するに従い、風味油に含まれる香味成分が加熱作用を受けて異臭を発生し、一種の臭い酔いの現象を招くなど、調理場の作業環境を悪化せしめる要因ともなっていた。
【０００６】
このような欠点を改善すべく、通常のサラダ油を用いて、風味付けされたフライ食品を得る方法として、天ぷら用の衣液に風味油や乳化剤を添加する方法などが提案されている（例えば、特開平10−234325号公報を参照）。しかし、このような方法によっても、フライ調理を継続するに従って、衣液に添加した風味油の風味や香味がフライ油に移行する弊害の解消には至らず、このフライ油をそのまま他の食材のフライ調理に用いる場合、芳香が付いていない新しいフライ油と交換する必要があるなど、作業労力的にも、またコスト的にも非常に非効率なものと言わざるを得なかった。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、風味付けされたフライ食品の取得を目的とした従来技術での上掲の問題点に鑑みて鋭意研究を行った。そして、食用油脂と乳化剤の組み合わせの研究において、風味付けされたフライ食品を取得する上で好適な性能・性状を発現する組み合わせを突き止めた。そして、この知見に基づいて、改善された分散性と安定性（乳化安定性）を備え、かつフライ油への食用油脂の芳香および／または食用油脂の油脂成分の移行が小さい、新規の食用油脂組成物を実現するに至ったものである。
【０００８】
すなわち、本発明の要旨とするところは、食用油脂および乳化剤を含む食用油脂組成物であって、特に、ＨＬＢ（親水性親油性バランス）が６〜11の乳化剤を利用した食用油脂組成物にある。
【０００９】
前述した本発明の構成によって、改善された分散性と安定性（乳化安定性）を備え、かつフライ油への食用油脂の芳香および／または食用油脂の油脂成分の移行が小さい、食用油脂組成物が得られるのである。
【００１０】
また、本発明の他の態様によれば、本発明の食用油脂組成物を、ころも材料および／または揚げ種に添加し、これをフライ調理に供することで、良好な風味と食味を呈するフライ食品も得られる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【００１２】
先述したように、本発明は、食用油脂および乳化剤（ＨＬＢ＝約６〜約11）を含む構成の食用油脂組成物とその利用に関するものである。
【００１３】
本発明の食用油脂組成物にて使用される食用油脂としては、食用に供される食用油脂であれば特に限定されるものではなく、胡麻油、オリーブ油、ぶどう種子油、落花生油、ピーナッツ油、パンプキンシード油、からし油、くるみ油、芳香菜種油（赤水）、乳脂、バター、ラード、チキンオイルなどの、芳香を有する植物性油脂または動物性油脂（これら油脂を、以下に単に「芳香性油脂」と称する）、あるいはこれらの２種以上を含んだブレンド油などが好適に利用できる。
本明細書で使用する「芳香性油脂」の語は、油糧原料が本質的に保有する香気成分や香味成分、あるいはこれら香気成分や香味成分が添加されたことによって、芳香を呈する作用を有する油脂の総称である。また、必要に応じて、これらの芳香性油脂を分別して得た分別油なども利用できる。さらに、これら芳香性油脂の芳香を調整する目的で、任意に、香料や香辛料から得た香気成分や呈味成分、あるいはこれら成分を含む風味油を、これら芳香性油脂に加えることができる。
【００１４】
本発明の食用油脂組成物での食用油脂が占める割合（重量比率）は、食用油脂全量を芳香性油脂とする場合は、食用油脂組成物の約１〜約99.99重量％、好ましくは、約70〜約99.99重量％とする。これは、芳香性油脂の含量が、食用油脂組成物の重量の約１重量％より小さくなると、フライ食品への効率的な芳香の付与が難しくなり、逆に、約99.99重量％を超えると、油脂の芳香がフライ油に移行しやすくなり、フライ油の連続使用に制限が課されることによる。
【００１５】
あるいは、前出の芳香性油脂の他にも、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、サフラワー油、パーム油、ヤシ油、MCT(ミドル・チェーン・トリグリセリド）、米油等の植物性油脂、それに、牛脂、魚油などの動物性油脂、そして、これらのブレンド油、分別油、硬化油、エステル交換油などの、芳香性油脂以外の食用に供されるすべての食用油脂（これら油脂を、以下に単に「非芳香性油脂」と称する）、あるいはこれらの２種以上を含んだブレンド油なども、選択的に用いることができる。
【００１６】
本発明の食用油脂組成物での食用油脂が占める割合（重量比率）は、食用油脂全量を非芳香性油脂とする場合は、食用油脂組成物の芳香を維持する観点から、食用油脂組成物の約１〜約99重量％、好ましくは、約１〜約49重量％の量とする。
この場合、非芳香性油脂に芳香を与える目的で、通常、香料や香辛料から得た香気成分や呈味成分、あるいはこれら成分を含む風味油を非芳香性油脂に加える。
【００１７】
さらに、本発明の他の態様によれば、本発明の食用油脂組成物の食用油脂として、芳香性油脂と非芳香性油脂からなる混合油脂を利用することもできる。このような混合油脂の場合、芳香性油脂と非芳香性油脂での各配合許容量を満たす範囲内での量をもってして、両者を混合して使用する。このような混合油脂に対しても、任意に、香料や香辛料から得た香気成分や呈味成分、あるいはこれら成分を含む風味油を加えることができる。
【００１８】
前出の香料や香辛料としては、食用に供されるものであればいずれも利用可能であるが、フライ食品に良好な風味を付与する観点からすれば、唐辛子、わさび、山椒、胡椒、胡麻、紫蘇、生姜、松茸、椎茸、ネギ、にんにく、香料などが、本発明において好適に利用できる。
【００１９】
以上をまとめると、本発明の食用油脂組成物での食用油脂の構成態様としては、(i) １種類以上の芳香性油脂、(ii)１種類以上の非芳香性油脂、(iii)１種類以上の芳香性油脂と１種類以上の非芳香性油脂からなる混合油脂、そして、(iv)油脂(i)〜(iii)のいずれかと風味油からなる油脂、の態様がある。
【００２０】
本願発明の好ましい実施態様に従えば、本発明の食用油脂組成物での食用油脂としては、後出の実施例の記載から明らかな通り、胡麻油（芳香性油脂）を含む食用油脂が好ましい。
【００２１】
一方で、本発明の食用油脂組成物を構成する乳化剤としては、ＨＬＢ（親水性親油性バランス）が約６〜約11の乳化剤が、好適に使用される。
【００２２】
本明細書で使用する「ＨＬＢ（親水性親油性バランス）」の語は、対象となる乳化剤が有する親水基と親油基のバランスから算出された数値であって、通常、０〜20の範囲で数値が当てられる。また、ＨＬＢは、数値が小さいほど親油性が強く、逆に、数値が大きいほど親水性が強いことを示す。
【００２３】
そして、本発明の食用油脂組成物での利用に好適な、ＨＬＢが約６〜約11の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンおよびこれらの混合物がある。
【００２４】
これら乳化剤を構成する主な脂肪酸としては、炭素数が約８〜約22個の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸などがあり、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、カプリル酸、カプリン酸、およびこれらの混合物などがこれに該当する。
【００２５】
上掲の乳化剤の内、本発明の食用油脂組成物にあっては、ＨＬＢが約６〜約11のポリグリセリン脂肪酸エステル、特に、モノエステル含量が80％以上のポリグリセリン脂肪酸エステル（ＨＬＢ＝約７〜約10）が好ましい。特に、本発明の所定の効果を獲得する観点からして、該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルとの組み合わせにおいて使用するのが好ましく、この場合、該ポリグリセリン脂肪酸エステル／ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの比率が１以上のものが、特に好適に利用できる。
【００２６】
本発明の食用油脂組成物は、食用油脂に乳化剤を添加し、さらに必要に応じて風味油を添加して得られた混合物を、約40〜約80℃程度にまで加温し、これを撹拌することによって調製できる。この場合、トコフェロールなどの酸化防止剤、香料、シリコーンなどを、適量添加することもできる。
【００２７】
なお、本発明の食用油脂組成物を構成する食用油脂および乳化剤の配合比率（重量比率）は、後出の実施例の結果から明らかなように、食用油脂組成物の好適な分散性と安定性（乳化安定性）を維持しつつ、かつフライ調理時のフライ油への食用油脂の芳香の移行を抑える観点からして、食用油脂と乳化剤を、食用油脂：乳化剤＝約99.99〜約70：約0.01〜約30の重量比率、好ましくは、約90〜約99.99：約0.1〜約10の重量比率で混合する。より詳細には、芳香性油脂：非芳香性油脂：乳化剤＝約１〜約99.99：約１〜約99：約0.01〜約30、好ましくは、約50〜約99.99：約１〜約49：約0.1〜約10.0の重量比率で混合する。
【００２８】
ところで、本発明の食用油脂組成物の品質、特に、フライ食品での揚げ種やころもの物理的性質、すなわち、食感の改善、水分調整、褐変防止などの目的で、デンプン、ソルビット、ベーキングパウダー、レシチンなどの添加物を、適量任意に使用できる。
【００２９】
また、本発明の食用油脂組成物を、揚げ種やころも材料に添加することもできる。本発明の食用油脂組成物を、天ぷらバッター、フライバッター、揚げ玉生地、揚げ豆腐生地、水産練り製品生地、米菓生地、スナック生地、およびドーナツ生地などに添加し、これらをフライ調理することで、本発明の食用油脂組成物の芳香・風味を、フライ食品に反映することができる。
【００３０】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例の開示によって限定的に解釈されるべきものではない。
【００３１】
実施例１：食用油脂組成物の性能の検討
本願発明の食用油脂組成物について、その分散性および乳化安定性の各性状について検討を行った。
【００３２】
(1) 分散性
85ｇの菜種サラダ油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）に、以下の表１に記載の配合割合に従って15ｇの各種乳化剤を添加した。この菜種サラダ油と乳化剤からなる混合物を、70℃で加熱溶解して得られた溶液10ｇを、90ｇの胡麻油（イゲタニ印純正胡麻油、吉原製油株式会社）に加えた。胡麻油が加えられてなるこれら混合物を、撹拌して均質に混合したものを、食用油脂組成物（バッター液用油脂組成物）とした。
【００３３】
120ｇの薄力粉（バイオレット、日清製粉株式会社）に冷水200mlを加えて十分に撹拌して得た調製物に、12ｇの食用油脂組成物を添加し、これをスリーワンモーター（HEIDON BL600、新東科学株式会社）で、500rpmで、30秒間撹拌した。
この時の食用油脂組成物（試料記号Ａ〜Ｄ、ＶおよびＷ）のバッターへの分散状態を評価し、その評価結果を、以下の表１に並記した。
【００３４】
【表１】

【００３５】
表１に記載の結果から明らかな通り、ＨＬＢが６〜11の乳化剤を利用した食用油脂組成物（試料記号Ａ〜Ｄ）では、油脂組成物が、バッター中に短時間の内に速やかに分散して均質化していた。
【００３６】
(2) 乳化安定性
前出の食用油脂組成物（試料記号Ａ〜Ｄ、ＶおよびＷ）の各15ｇを、共栓付試験管（50ml容）にとり、各試験管にさらに20ｇの水を加えた。そして、全ての試験管を上下に100回振とうした後に、これを20℃の温度条件下に放置して、試験管の底部に形成される水相部の量（厚さ）を経時的に観察した。その結果を、前出の表１に並記した。
【００３７】
表１に記載の結果から明らかな通り、対照品では水相と油相とが完全に相分離していたのに対し、ＨＬＢが６〜11の乳化剤を利用した食用油脂組成物（本発明品）にあっては、良好な乳化安定性が認められた。
【００３８】
実施例２：食用油脂組成物の組成の検討
本発明の食用油脂組成物の組成を、天ぷらの調理を通じて検討した。
【００３９】
まず、以下の表２に記載の試料記号Ｅ、Ｆ、Ｉ、ＪおよびＫでの各組成に従って、菜種サラダ油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）に、乳化剤（ポエムDO-100(ポリグリセリン脂肪酸エステル；理研ビタミン株式会社))を添加した。この菜種サラダ油と乳化剤からなる混合物を、70℃で加熱溶解し、得られた溶液10ｇを、所定量の胡麻油（イゲタニ印純正胡麻油、吉原製油株式会社）に加えた。胡麻油が加えられてなるこれら混合物を、撹拌して均質に混合したものを、食用油脂組成物（天ぷらバッター液用組成物：試料記号Ｅ、Ｆ、Ｉ、ＪおよびＫ）とした。
【００４０】
また、以下の表２に記載の試料記号ＧおよびＨでの組成に従って、所定量の乳化剤（ポエムDO-100(ポリグリセリン脂肪酸エステル；理研ビタミン株式会社))を、所定量の胡麻油（イゲタニ印純正胡麻油、吉原製油株式会社）に加えた。乳化剤と胡麻油からなる混合物を、70℃で加熱溶解し、撹拌して均質に混合したものを、食用油脂組成物（天ぷらバッター液用油脂組成物：試料記号ＧおよびＨ）とした。この時の食用油脂組成物（試料記号Ｅ〜Ｋ）のバッターへの分散状態を評価し、その評価結果を、以下の表２に並記した。
【００４１】
これとは別に、100ｇの天ぷら粉（黄金、昭和産業株式会社）に冷水160mlを加えてハンドミキサーで均質になるまで撹拌し、これに、食用油脂組成物（試料記号Ｅ〜Ｋ）の各10ｇを添加した後、各食用油脂組成物が均質に混合・分散するまで撹拌を継続して、バッター液を調製した。
【００４２】
そして、3000ｇのフライ油（菜種サラダ油（ゴールデン菜種白絞油、吉原製油株式会社))を電気フライヤーの油槽に入れ、これを約170℃にまで加熱した。揚げ種として、輪切りにしたサツマイモ片（直径約５cm、厚さ約８mm）を６片準備した。各サツマイモ片に、試料記号Ｅ〜Ｋの各組成に従って調製したバッター液を、ほぼ同量付着せしめ、バッター液を付けたサツマイモ片（計６種類）を、加熱したフライ油中に投入し、約４分間フライ調理を行って、天ぷらを調理した。
【００４３】
そして、調理してから１時間後に、熟練したパネラー10名によって、いも天ぷらの風味、衣のサク味感（食感）、衣のソフト感（衣の柔軟性）について官能評価を行った。食感の評価方法は、４段階で評価し、その平均的な評価をとりまとめた。その評価結果を、以下の表２に並記した。
【００４４】
【表２】

【００４５】
表２に記載の結果から明らかな通り、本願発明による所定の効果を獲得する観点からして、乳化剤の配合比率（重量比率）としては、食用油脂組成物の重量の0.10〜10.0重量％が、また、芳香性食用油の配合比率（重量比率）としては、食用油脂組成物の重量の30重量％以上、好ましくは、50重量％以上、そして、最も好ましくは、70重量％以上とする、ことが望ましいことが判明した。
【００４６】
実施例３：食用油脂組成物による効果の検討
本発明の食用油脂組成物の有用性を、天ぷらの調理を通じて検討した。
【００４７】
(3) 天ぷらの風味
【００４８】
85ｇまたは100ｇの菜種サラダ油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）に、以下の表３に記載の配合割合に従って15ｇの乳化剤を添加した。ただし、対照の試料Ｚは、乳化剤無添加とした。この菜種サラダ油と乳化剤の混合物を、70℃で加熱溶解し、得られた溶液10ｇを、90ｇの胡麻油（イゲタニ印純正胡麻油、吉原製油株式会社）に加えた。そして、胡麻油が加えられてなるこれら混合物を、撹拌して均質に混合したものを、食用油脂組成物（天ぷらバッター液用油脂組成物：試料記号Ｌ、Ｍ、Ｎ、Ｘ、ＹおよびＺ）とした。
【００４９】
これとは別に、100ｇの天ぷら粉（黄金、昭和産業株式会社）に冷水160mlを加えてハンドミキサーで均質になるまで撹拌し、これに、10ｇの各食用油脂組成物を添加した後、各食用油脂組成物が均質に混合・分散するまで撹拌を継続して、バッター液を調製した。
【００５０】
そして、3000ｇの菜種サラダ油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）を電気フライヤーの油槽に入れ、これを約170℃にまで加熱した。揚げ種として、輪切りにしたサツマイモ片（直径約５cm、厚さ約８mm）を６片準備した。
【００５１】
各サツマイモ片に、いずれかの組成に従って調製したバッター液を、ほぼ同量付着せしめ、バッター液を付けたサツマイモ片（計６個）を、加熱したフライ油中に投入し、約４分間フライ調理を行った。
【００５２】
そして、調理してから１時間後に、熟練したパネラー10名によって、いも天ぷらの風味、衣のサク味感（食感）、衣のソフト感（衣の柔軟性）について官能評価を行った。食感の評価方法は、いも天ぷらをパネラー10名に試食してもらい、４段階（１：優、２：良、３：可、４：不可）で評点して、その平均点をもってして評価を行った。その評価結果を、以下の表３に並記した。
【００５３】
【表３】

【００５４】
表３に記載の結果から明らかな通り、ＨＬＢが６〜11の乳化剤を利用した食用油脂組成物において、天ぷらに良好な芳香と風味を付与できる上に、良好な衣のサク味感（食感）と衣のソフト感（衣の柔軟性）を、長時間にわたって維持できることが認められた。とりわけ、この傾向は、モノエステル含量が80％以上のポリグリセリン脂肪酸エステル（乳化剤Ａ：ＨＬＢ＝８）とポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル（乳化剤Ｄ）を配合した乳化剤を利用した試料（試料記号Ｍ）において特に顕著であった。
【００５５】
(4) フライ油への食用油脂の芳香および成分の移行
フライ油として、市販の精製オリーブ油（エクストラライトオリーブ油（リノール酸含量9.0％）、ボルゲス社）１kgを、２ｌ容のステンレスビーカーに入れ、約170℃にまで加熱した。
【００５６】
次に、360ｇの天ぷら粉（黄金、昭和産業株式会社）に冷水580ｇを加え、ハンドミキサーで均質になるまで撹拌し、これに、36ｇの各食用油脂組成物（試料記号：Ｌ、Ｍ、Ｎ、ＹおよびＺ）を添加した後、油滴が完全に消失するまで箸で撹拌して、天ぷら用バッターを調製した。
【００５７】
このようにして調製したバッターの約40ｇを、前出の精製オリーブ油（エクストラライトオリーブ油、ボルゲス社）で４分間フライし、次いで、新しいバッター（約40ｇ）を４分間フライする作業を繰り返して、バッター全量をフライ調理した（合計976ｇのバッターをフライした）。そして、フライ調理終了後に、フライ油を採取した。
【００５８】
本実施例の場合、フライ油として用いたオリーブ油は、油脂劣化の影響を受けるために、そのリノール酸含量が約1.7％程度ほど減少していた。本実施例で使用した胡麻油のリノール酸含量は42.0％であるので、胡麻油がフライ油に移行するに従い、精製オリーブ油のリノール酸（構成脂肪酸）含量が増加することになる。各食用油脂組成物に関して、精製オリーブ油でのリノール酸含量と胡麻油臭について評価を行った。それら評価結果を、前出の表３に並記した。
【００５９】
表３に記載の結果から明らかな通り、ＨＬＢが６〜11の乳化剤を利用した食用油脂組成物（本発明品）において、精製オリーブ油へのリノール酸の移行が明らかに抑制されており、精製オリーブ油の寿命を長期化できることが認められた。
【００６０】
実施例４：食用油脂組成物の利用例
本発明の食用油脂組成物を用いて、ドーナツ、油揚げ、および花林糖（かりんとう）を製造した。
【００６１】
(5) ドーナツ
98.5ｇのオリーブ油（エクストラバージンオリーブ油、ボルゲス社）に、１ｇのポエムDO-100（理研ビタミン株式会社）と0.5ｇのサンソフト818H（太陽化学株式会社）を添加した。このオリーブ油と乳化剤の混合物を、70℃で加熱溶解し、得られた溶液を撹拌して均質に混合して食用油脂組成物を調製した。
【００６２】
35ｇの食用油脂組成物を、ドーナツ生地（約１kg）に添加して、180℃に加熱した菜種サラダ油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）に投入して、３分間フライ調理した。また、対照として、本願発明の食用油脂組成物を添加せずに、同様にしてドーナツをフライ調理した。
【００６３】
その結果、本願発明の食用油脂組成物によると、対照のドーナツからして、オリーブ風味と食感（歯ざわり）の双方の面において、優れたドーナツが得られた。
【００６４】
(6) 油揚げ
98.5ｇの胡麻油（イゲタニ印純正胡麻油、吉原製油株式会社）に、１ｇのポエムDO-100（理研ビタミン株式会社）と0.5ｇのサンソフト818H（太陽化学株式会社）を添加した。この胡麻油と乳化剤の混合物を、70℃で加熱溶解し、得られた溶液を撹拌して均質に混合して食用油脂組成物を調製した。
【００６５】
食用油脂組成物（２重量％／豆乳）が添加された豆乳から得た豆腐を用いて、常法に従って、油揚げを調製した。また、対照として、本願発明の食用油脂組成物を添加していない豆乳から得た豆腐を用いて、同様にして油揚げを調製した。
【００６６】
この製造プロセスにおいて、本願発明の食用油脂組成物は、豆乳中へ極めて容易に油脂分散した。また、本願発明の食用油脂組成物を利用した油揚げは、対照の油揚げと比較して、明らかに胡麻風味が良好であった。
【００６７】
(7) かりんとう（油揚菓子）
98.5ｇの胡麻油（イゲタニ純正胡麻油、吉原製油株式会社）に、１ｇのポエムDO-100（理研ビタミン株式会社）と0.5ｇのサンソフト818H（太陽化学株式会社）を添加した。この胡麻油と乳化剤の混合物を、70℃で加熱溶解し、得られた溶液を撹拌して均質に混合して食用油脂組成物を調製した。
【００６８】
43ｇの食用油脂組成物を、かりんとう生地（約844ｇ）に添加して、180℃に加熱した菜種油（ゴールデン菜種サラダ油、吉原製油株式会社）に投入して、10分間フライ調理した。また、対照として、本願発明の食用油脂組成物を添加せずに、同様にしてかりんとうをフライ調理した。
【００６９】
その結果、本願発明の食用油脂組成物によると、対照のかりんとうからして、胡麻風味と食感（口中での崩壊性）の双方の面において、優れたかりんとうが得られた。
【００７０】
本実施例の結果から明らかなように、いずれの食品にあっても、本願発明の食用油脂組成物を利用した食品において、良好な風味と食感の発現が確認された。
【００７１】
【発明の効果】
このように本発明によると、所期の目的であった、改善された分散性と安定性（乳化安定性）を備え、かつフライ油への食用油脂の芳香および／または食用油脂の成分の移行が小さい、食用油脂組成物が実現されたのである。
【００７２】
これまでに実証してきた通り、本発明の食用油脂組成物は、フライ食品の調理において好適に利用できるのみならず、従来の食用油脂組成物によっては得られない優れた風味・食味が付与されたフライ食品をも提供できるのである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an edible oil / fat composition comprising an edible oil / fat and an emulsifier having an HLB of 6 to 11, particularly, improved dispersibility and stability (emulsification stability), and the fragrance of the edible oil / fat to frying oil. The invention relates to a novel edible oil / fat composition and its use, in which the transfer of the oil / fat component of the edible oil / fat is small.
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
Typical fried foods include pork cutlet, fried balls, fried tofu, fried rice cake, karinto, potato chips, etc. These fried foods are prepared by fried fried seeds (species) as they are depending on the presence or absence of clothing. It is classified as “fried” or “rolled fried” in which starch or wheat flour is applied to the surface of the fried seed in a powder form and fried.
In addition, the above-mentioned “Koromo fried” is obtained by applying fried seeds with flour, starch, protein, etc., then passing this through egg liquid and further frying it with salad oil. It is broadly classified into “Fry” and “tempura” obtained by frying a fried seed with batter liquid mainly composed of flour and water instead of the egg liquid and bread crumb described above.
[0003]
By the way, with the recent diversification of meal contents and changing tastes in Japan, fried foods obtained by fried cooking such as tempura, fritters, and deep-fried chicken are also intended to improve the taste and texture. Until now, various research and development have been continued.
[0004]
Under such circumstances, in order to respond to the diversification of consumer tastes in recent years, fried foods, especially fried foods with clothes (clothes) even when fragrance is given, have come to circulate in the market. ing. These fried foods with aroma, including sesame-flavored tempura, which are mainly preferred in the Kanto region, have so far been suitable for frying oils such as tempura oil and salad oil (for example, sesame oil). ) And the like or the flavor oil itself is usually fried.
[0005]
However, according to such frying cooking using flavor oil, as the frying seeds of fried seeds continue to be cooked, the flavor components contained in the flavor oil are subjected to a heating action, producing a strange odor, and a kind of odor sickness phenomenon. It was also a factor that deteriorated the working environment of the kitchen.
[0006]
In order to improve such drawbacks, as a method of obtaining a flavored fried food using normal salad oil, a method of adding flavor oil or an emulsifier to tempura clothing liquid has been proposed (for example, (See JP-A-10-234325). However, even with such a method, as the frying cooking is continued, the adverse effect of the flavor and flavor of the flavor oil added to the coating liquid shifting to the frying oil has not been eliminated. When using it for frying, it was necessary to replace it with new frying oil without fragrance, and it had to be said that it was very inefficient in terms of work labor and cost.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive research in view of the above-mentioned problems in the prior art aimed at obtaining a flavored fried food. And in the research of the combination of edible oil and fat and an emulsifier, the combination which expressed the performance and the property suitable for obtaining the flavored fried food was identified. And based on this knowledge, novel edible fats and oils having improved dispersibility and stability (emulsification stability) and having a small fragrance of edible fats and / or fat components of edible fats and oils to frying oil This has led to the realization of the composition.
[0008]
That is, the gist of the present invention is an edible oil / fat composition containing an edible oil / fat and an emulsifier, and particularly an edible oil / fat composition using an emulsifier having an HLB (hydrophilic lipophilic balance) of 6 to 11. .
[0009]
Edible oil composition having improved dispersibility and stability (emulsification stability) and having a small fragrance of edible oil and / or fat and oil component of edible oil and fat transferred to frying oil by the constitution of the present invention described above. Is obtained.
[0010]
Moreover, according to the other aspect of this invention, the edible oil-fat composition of this invention is added to a raw material and / or fried seed, and this is used for frying, The frying which exhibits favorable flavor and taste Food can also be obtained.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
[0012]
As described above, the present invention relates to an edible oil / fat composition comprising an edible oil / fat and an emulsifier (HLB = about 6 to about 11) and use thereof.
[0013]
The edible oil / fat used in the edible oil / fat composition of the present invention is not particularly limited as long as it is an edible oil / fat used for edible purposes. Sesame oil, olive oil, grape seed oil, peanut oil, peanut oil, pumpkin Seed oil, mustard oil, walnut oil, aromatic rapeseed oil (red water), milk oil, butter, lard, chicken oil and other fragrant vegetable oils or animal oils (these oils are simply referred to as “aromatic oils” below) Or a blended oil containing two or more of these can be suitably used.
As used herein, the term “aromatic oil / fat” has the effect of presenting a fragrance by the addition of fragrance components and flavor components inherent in oily raw materials, or these fragrance components and flavor components. A general term for fats and oils. Moreover, the fractionation oil obtained by fractionating these aromatic fats and oils etc. can also be utilized as needed. Furthermore, for the purpose of adjusting the fragrance of these aromatic fats and oils, an aromatic component and a taste component obtained from a fragrance and a spice, or a flavor oil containing these components can be optionally added to these aromatic fats and oils.
[0014]
The ratio (weight ratio) of the edible oil / fat in the edible oil / fat composition of the present invention is about 1 to about 99.99% by weight of the edible oil / fat composition, preferably about 70% when the total amount of the edible oil / fat is an aromatic oil / fat. ~ 99.99 wt%. This is because when the content of aromatic fat is less than about 1% by weight of the edible fat composition, it becomes difficult to efficiently impart aroma to the fried food, and conversely, when it exceeds about 99.99% by weight, This is because the fragrance of fats and oils is easily transferred to frying oil, and restrictions are imposed on the continuous use of frying oil.
[0015]
Alternatively, in addition to the above-mentioned aromatic oils and fats, vegetable oils such as rapeseed oil, soybean oil, corn oil, cottonseed oil, safflower oil, palm oil, palm oil, MCT (middle chain triglyceride), rice oil, In addition, animal fats and oils such as beef tallow and fish oil, and blended oils, fractionated oils, hydrogenated oils, transesterified oils, etc. Or simply referred to as “non-aromatic fat”), or blend oils containing two or more of these can also be used selectively.
[0016]
The ratio (weight ratio) of the edible oil / fat in the edible oil / fat composition of the present invention is that the edible oil / fat composition is made from the viewpoint of maintaining the fragrance of the edible oil / fat composition when the total amount of the edible oil / fat is non-aromatic The amount is about 1 to about 99% by weight, preferably about 1 to about 49% by weight.
In this case, for the purpose of imparting fragrance to the non-aromatic fats and oils, aroma components and taste components obtained from fragrances and spices or flavor oils containing these components are usually added to the non-aromatic fats and oils.
[0017]
Furthermore, according to the other aspect of this invention, the mixed fats and oils which consist of an aromatic fat and a non-aromatic fat can also be utilized as an edible fat of the edible fat composition of this invention. In the case of such mixed fats and oils, they are used by mixing them with an amount within a range satisfying each blending allowable amount of aromatic fats and non-aromatic fats and oils. Also to such mixed fats and oils, aroma components and taste components obtained from flavors and spices, or flavor oils containing these components can be added arbitrarily.
[0018]
Any of the above-mentioned fragrances and spices can be used as long as they are edible, but from the viewpoint of imparting a good flavor to the fried food, chili, wasabi, yam, pepper, sesame, Shiso, ginger, matsutake mushrooms, shiitake mushrooms, leeks, garlic, fragrances and the like can be suitably used in the present invention.
[0019]
In summary, the edible fat and oil composition in the edible fat and oil composition of the present invention includes (i) one or more aromatic oils and fats, (ii) one or more non-aromatic oils and fats, and (iii) one kind. There are mixed fats and oils composed of the above aromatic fats and oils and one or more kinds of non-aromatic fats and oils and fats composed of (iv) any of the fats and oils (i) to (iii) and flavor oils.
[0020]
According to a preferred embodiment of the present invention, as the edible oil / fat in the edible oil / fat composition of the present invention, an edible oil / fat containing sesame oil (aromatic oil / fat) is preferable, as will be apparent from the description of Examples below.
[0021]
On the other hand, as an emulsifier constituting the edible oil / fat composition of the present invention, an emulsifier having an HLB (hydrophilic lipophilic balance) of about 6 to about 11 is preferably used.
[0022]
The term “HLB (hydrophilic / lipophilic balance)” used in the present specification is a numerical value calculated from the balance between the hydrophilic group and the lipophilic group of the emulsifier in question, and is usually in the range of 0-20. The numerical value is applied. Moreover, HLB shows that lipophilicity is so strong that a numerical value is small, and conversely, hydrophilicity is so strong that a numerical value is large.
[0023]
And as an emulsifier suitable for use in the edible oil and fat composition of the present invention and having an HLB of about 6 to about 11, glycerin fatty acid ester, polyglycerin fatty acid ester, glycerin organic acid fatty acid monoester, sorbitan fatty acid ester, sucrose There are fatty acid esters, lecithin and mixtures thereof.
[0024]
The main fatty acids constituting these emulsifiers include saturated or unsaturated fatty acids having from about 8 to about 22 carbon atoms, such as stearic acid, oleic acid, linoleic acid, lauric acid, palmitic acid, behenic acid. These include caprylic acid, capric acid, and mixtures thereof.
[0025]
Among the above-mentioned emulsifiers, the edible oil / fat composition of the present invention has a polyglycerol fatty acid ester having an HLB of about 6 to about 11, particularly a polyglycerol fatty acid ester having a monoester content of 80% or more (HLB = about 7 to about 10) is preferred. In particular, from the viewpoint of obtaining the predetermined effect of the present invention, the polyglycerin fatty acid ester is preferably used in combination with a polyglycerin condensed ricinoleic acid ester. In this case, the polyglycerin fatty acid ester / polyglycerin. Those having a condensed ricinoleic acid ester ratio of 1 or more can be particularly suitably used.
[0026]
The edible oil / fat composition of the present invention is a mixture obtained by adding an emulsifier to an edible oil / fat and further adding flavor oil as necessary, and warms the mixture to about 40 to about 80 ° C. and stirs it. Can be prepared. In this case, an appropriate amount of an antioxidant such as tocopherol, a fragrance, and silicone can be added.
[0027]
In addition, the compounding ratio (weight ratio) of the edible fat and the emulsifier constituting the edible fat and oil composition of the present invention is suitable for the dispersibility and stability of the edible fat and oil composition, as is apparent from the results of the following examples. From the viewpoint of maintaining the (emulsification stability) and suppressing the transfer of fragrance of edible fats and oils to frying oil during frying, edible fats and emulsifiers are mixed with edible fats and oils: emulsifier = about 99.99 to about 70: about Mix in a weight ratio of 0.01 to about 30, preferably in a weight ratio of about 90 to about 99.99: about 0.1 to about 10. More specifically, aromatic fat / oil: non-aromatic fat / oil: emulsifier = about 1 to about 99.99: about 1 to about 99: about 0.01 to about 30, preferably about 50 to about 99.99: about 1 to about 49: about Mix in a weight ratio of 0.1 to about 10.0.
[0028]
By the way, the quality of the edible oil and fat composition of the present invention, in particular, the physical properties of fried seeds and rolls in fried foods, that is, for the purpose of improving the texture, adjusting the water content, preventing browning, etc., starch, sorbitol, baking powder An appropriate amount of an additive such as lecithin can be used.
[0029]
Moreover, the edible oil-fat composition of this invention can also add a deep-fried seed and a roller to a material. By adding the edible oil and fat composition of the present invention to tempura batter, fly batter, fried ball dough, fried tofu dough, fishery kneaded product dough, rice cake dough, snack dough, donut dough, etc. The fragrance and flavor of the edible oil / fat composition of the invention can be reflected in the fried food.
[0030]
【Example】
Examples of the present invention will be specifically described below, but the present invention should not be construed as being limited by the disclosure of these examples.
[0031]
Example 1: Examination of performance of edible oil / fat composition The edible oil / fat composition of the present invention was examined for its dispersibility and emulsion stability.
[0032]
(1) Dispersibility
15 g of various emulsifiers were added to 85 g of rapeseed salad oil (Golden rapeseed salad oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.) according to the blending ratio shown in Table 1 below. 10 g of a solution obtained by heating and dissolving the rapeseed salad oil and emulsifier mixture at 70 ° C. was added to 90 g of sesame oil (Igetani brand genuine sesame oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.). An edible oil / fat composition (oil / fat composition for batter liquid) was obtained by stirring and mixing the mixture obtained by adding sesame oil.
[0033]
To a preparation obtained by adding 200 ml of cold water to 120 g of weak flour (Violet, Nisshin Flour Milling Co., Ltd.) and stirring thoroughly, 12 g of edible oil / fat composition is added, and this is added to a three-one motor (HEIDON BL600, Shinto Kagaku). ) And stirred at 500 rpm for 30 seconds.
The dispersion state to the batter of the edible oil / fat composition (sample symbols A to D, V and W) at this time was evaluated, and the evaluation results are listed in Table 1 below.
[0034]
[Table 1]

[0035]
As is clear from the results shown in Table 1, in the edible oil / fat composition (sample symbols A to D) using an emulsifier having an HLB of 6 to 11, the oil / fat composition is quickly dispersed in a batter within a short time. And homogenized.
[0036]
(2) Emulsification stability 15 g of the above edible oil / fat composition (sample symbols A to D, V and W) are put into a test tube with a stopper (50 ml capacity), and 20 g is added to each test tube. Of water was added. After all the test tubes were shaken 100 times up and down, this was left under the temperature condition of 20 ° C., and the amount (thickness) of the aqueous phase formed at the bottom of the test tube was changed over time. Observed. The results are listed in Table 1 above.
[0037]
As apparent from the results shown in Table 1, in the control product, the aqueous phase and the oil phase were completely separated, whereas the edible oil / fat composition using the emulsifier having an HLB of 6 to 11 (the product of the present invention). ), Good emulsification stability was observed.
[0038]
Example 2: Examination of composition of edible fat composition The composition of the edible fat composition of the present invention was examined through cooking tempura.
[0039]
First, rapeseed salad oil (Golden Rapeseed Salad Oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.) and emulsifier (Poem DO-100 (polyglycerin fatty acid) according to each composition of sample symbols E, F, I, J and K shown in Table 2 below. Ester; Riken Vitamin Co., Ltd.) was added. This mixture of rapeseed salad oil and an emulsifier was dissolved by heating at 70 ° C., and 10 g of the resulting solution was added to a predetermined amount of sesame oil (Igetani branded sesame oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.). An edible oil / fat composition (a composition for tempura batter solution: sample symbols E, F, I, J, and K) was obtained by stirring and mixing the mixture obtained by adding sesame oil.
[0040]
In addition, according to the composition of sample symbols G and H shown in Table 2 below, a predetermined amount of emulsifier (Poem DO-100 (polyglycerin fatty acid ester; Riken Vitamin Co., Ltd.)) is added to a predetermined amount of sesame oil (Igetani brand genuine). Sesame oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.). A mixture composed of an emulsifier and sesame oil was dissolved by heating at 70 ° C., and stirred and mixed uniformly to obtain an edible oil / fat composition (oil / fat composition for tempura batter liquid: sample symbols G and H). The dispersion state to the batter of the edible oil and fat composition (sample symbols E to K) at this time was evaluated, and the evaluation results are listed in Table 2 below.
[0041]
Separately, add 160 ml of cold water to 100 g of tempura flour (Golden, Showa Sangyo Co., Ltd.) and stir until homogenous with a hand mixer, and add 10 g of each of the edible oil / fat compositions (sample symbols E to K). Then, stirring was continued until each edible oil / fat composition was uniformly mixed and dispersed to prepare a batter solution.
[0042]
And 3000 g frying oil (rapeseed salad oil (Golden rapeseed white squeezed oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.)) was put into an oil tank of an electric fryer and heated to about 170 ° C. As fried seeds, 6 pieces of sweet potato pieces (diameter: about 5 cm, thickness: about 8 mm) were prepared. Batter liquid prepared according to each composition of sample symbols E to K was attached to each sweet potato piece, and the same amount of batter liquid was attached, and the sweet potato pieces (total of 6 types) with batter liquid were put into heated frying oil, and about Fried food was cooked for 4 minutes to cook tempura.
[0043]
And 1 hour after cooking, 10 skilled panelists performed sensory evaluation on the flavor of potato tempura, the crispy taste (texture) of clothing, and the soft feel of clothing (flexibility of clothing). The texture evaluation method was evaluated in four stages, and the average evaluation was summarized. The evaluation results are listed in Table 2 below.
[0044]
[Table 2]

[0045]
As is apparent from the results shown in Table 2, from the viewpoint of obtaining a predetermined effect according to the present invention, the blending ratio (weight ratio) of the emulsifier is 0.10 to 10.0% by weight of the weight of the edible oil / fat composition, The mixing ratio (weight ratio) of the aromatic edible oil is 30% by weight or more, preferably 50% by weight or more, and most preferably 70% by weight or more of the weight of the edible oil / fat composition. Turned out to be desirable.
[0046]
Example 3: Examination of effect by edible fat composition The usefulness of the edible fat composition of the present invention was examined through cooking tempura.
[0047]
(3) Tempura flavor [0048]
15 g of emulsifier was added to 85 g or 100 g of rapeseed salad oil (Golden Rapeseed Salad Oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.) according to the blending ratio shown in Table 3 below. However, the control sample Z was not added with an emulsifier. This mixture of rapeseed salad oil and emulsifier was heated and dissolved at 70 ° C., and 10 g of the resulting solution was added to 90 g of sesame oil (Igetani branded sesame oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.). Then, the mixture obtained by adding sesame oil to the mixture by stirring and mixing it with an edible oil / fat composition (fat composition for tempura batter liquid: sample symbols L, M, N, X, Y and Z) did.
[0049]
Separately, add 100 ml of chilled water to 100 g of tempura flour (Golden, Showa Sangyo Co., Ltd.) and stir until homogenous with a hand mixer, add 10 g of each edible oil and fat composition to this, Stirring was continued until the fat and oil composition was homogeneously mixed and dispersed to prepare a batter solution.
[0050]
Then, 3000 g of rapeseed salad oil (Golden rapeseed salad oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.) was put in an oil tank of an electric fryer and heated to about 170 ° C. As fried seeds, 6 pieces of sweet potato pieces (diameter: about 5 cm, thickness: about 8 mm) were prepared.
[0051]
Batter liquid prepared according to any composition is attached to each sweet potato piece in almost the same amount, and the sweet potato pieces (total of 6 pieces) with batter liquid are put into heated frying oil and fried for about 4 minutes. Went.
[0052]
And 1 hour after cooking, 10 skilled panelists performed sensory evaluation on the flavor of potato tempura, the crispy taste (texture) of clothing, and the soft feel of clothing (flexibility of clothing). To evaluate the texture, 10 panelists of potato tempura were sampled and scored in four stages (1: Excellent, 2: Good, 3: Acceptable, 4: Not acceptable), and evaluated using the average score. Went. The evaluation results are listed in Table 3 below.
[0053]
[Table 3]

[0054]
As is clear from the results shown in Table 3, in the edible oil / fat composition using an emulsifier having an HLB of 6 to 11, a good fragrance and flavor can be imparted to tempura, and the crisp taste (food texture) ) And the softness of clothes (softness of clothes) can be maintained over a long period of time. In particular, this tendency is caused by a sample (sample symbol M) using an emulsifier containing a polyglycerol fatty acid ester (emulsifier A: HLB = 8) having a monoester content of 80% or more and a polyglycerol condensed ricinoleic acid ester (emulsifier D). In particular.
[0055]
(4) Transfer of fragrance and ingredients of edible fats and oils to frying oil As a frying oil, 1 kg of commercially available refined olive oil (extralite olive oil (linoleic acid content 9.0%), Borges), 2 liter stainless beaker And heated to about 170 ° C.
[0056]
Next, 580 g of cold water was added to 360 g of tempura powder (Golden, Showa Sangyo Co., Ltd.) and stirred with a hand mixer until homogeneous, and 36 g of each edible oil / fat composition (sample symbols: L, M, N) , Y and Z) were added, and stirred with chopsticks until the oil droplets completely disappeared to prepare a batter for tempura.
[0057]
About 40 g of the batter thus prepared is fried for 4 minutes with the above-mentioned refined olive oil (extralite olive oil, Borges), and then the new batter (about 40 g) is fried for 4 minutes to repeat the batter. The whole amount was fried (a total of 976 g of batter was fried). And the frying oil was extract | collected after completion | finish of frying cooking.
[0058]
In the case of this example, olive oil used as frying oil was affected by fat and oil deterioration, and therefore its linoleic acid content was reduced by about 1.7%. Since the linoleic acid content of the sesame oil used in this example is 42.0%, the linoleic acid (component fatty acid) content of the refined olive oil increases as the sesame oil moves to the frying oil. For each edible oil / fat composition, the linoleic acid content and sesame oil odor in refined olive oil were evaluated. The evaluation results are listed in Table 3 above.
[0059]
As is apparent from the results shown in Table 3, in the edible oil / fat composition (product of the present invention) using an emulsifier having an HLB of 6 to 11, the transfer of linoleic acid to purified olive oil was clearly suppressed, and purified olive oil It has been found that the life of can be prolonged.
[0060]
Example 4: Example of use of edible oil / fat composition Using the edible oil / fat composition of the present invention, donuts, fried chicken, and karinto were produced.
[0061]
(5) Donut
To 98.5 g of olive oil (extra virgin olive oil, Borges), 1 g of Poem DO-100 (Riken Vitamin Co., Ltd.) and 0.5 g of Sunsoft 818H (Taiyo Chemical Co., Ltd.) were added. This olive oil and emulsifier mixture was dissolved by heating at 70 ° C., and the resulting solution was stirred and mixed homogeneously to prepare an edible oil / fat composition.
[0062]
35 g of edible oil / fat composition was added to doughnut dough (about 1 kg), and was added to rapeseed salad oil (Golden rapeseed salad oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.) heated to 180 ° C. and fried for 3 minutes. As a control, donuts were fried in the same manner without adding the edible oil / fat composition of the present invention.
[0063]
As a result, according to the edible oil / fat composition of the present invention, an excellent donut was obtained in terms of both the olive flavor and the texture (texture) as compared to the control donut.
[0064]
(6) Deep-fried
To 98.5 g of sesame oil (Igetani brand genuine sesame oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.), 1 g of Poem DO-100 (RIKEN VITAMIN Co., Ltd.) and 0.5 g of Sunsoft 818H (TAIYO CHEMICAL CO., LTD.) Were added. This mixture of sesame oil and emulsifier was dissolved by heating at 70 ° C., and the resulting solution was stirred and mixed homogeneously to prepare an edible oil / fat composition.
[0065]
Fried chicken was prepared according to a conventional method using tofu obtained from soymilk to which an edible oil / fat composition (2% by weight / soymilk) was added. As a control, fried chicken was prepared in the same manner using tofu obtained from soy milk to which the edible oil / fat composition of the present invention was not added.
[0066]
In this production process, the edible oil / fat composition of the present invention was very easily dispersed in soybean milk. In addition, the fried food using the edible oil / fat composition of the present invention clearly had better sesame flavor than the control fried food.
[0067]
(7) Karinto (dried sweets)
To 98.5 g of sesame oil (Igetani genuine sesame oil, Yoshihara Oil Co., Ltd.), 1 g of Poem DO-100 (RIKEN VITAMIN Co., Ltd.) and 0.5 g of Sunsoft 818H (TAIYO CHEMICAL CO., LTD.) Were added. This mixture of sesame oil and emulsifier was dissolved by heating at 70 ° C., and the resulting solution was stirred and mixed homogeneously to prepare an edible oil / fat composition.
[0068]
43 g of the edible oil / fat composition was added to the garlic dough (about 844 g), put into rapeseed oil (Golden Rape Salad Oil, Yoshiwara Oil Co., Ltd.) heated to 180 ° C., and fried for 10 minutes. In addition, as a control, Karinto was fried in the same manner without adding the edible oil / fat composition of the present invention.
[0069]
As a result, according to the edible oil and fat composition of the present invention, superior garlic was obtained in terms of both sesame flavor and texture (disintegration in the mouth) from the control garlic.
[0070]
As is clear from the results of the present Example, in any food, good flavor and texture were confirmed in the food using the edible oil / fat composition of the present invention.
[0071]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the desired dispersibility and stability (emulsification stability) are provided, and the fragrance of the edible fat and / or the component of the edible fat is transferred to the frying oil. An edible oil / fat composition having a small size was realized.
[0072]
As demonstrated so far, the edible oil / fat composition of the present invention is not only suitably used in cooking fried foods, but also has an excellent flavor and taste that cannot be obtained by conventional edible oil / fat compositions. They can also provide fried foods.

Claims

Fried food ingredients, i.e., fried food ingredients that also contain ingredients and / or fried seeds,
The food material contains an oil and fat composition for batter liquid , and is selected from the group consisting of tempura batter and fly batter ,
The batter liquid fat composition includes an edible fat and emulsifier,
The edible oil and fat includes sesame oil which is an aromatic oil and fat,
The HLB (hydrophilic / lipophilic balance) of the emulsifier is 8 to 11 , or the emulsifier is a polyglycerin fatty acid ester and a polyglycerin condensed ricinoleate having an HLB of 6 to 11 and a monoester content of 80 % or more. combining a is, frying food ingredients, characterized in that the.

The fried food according to claim 1, wherein the emulsifier having an HLB of 8 to 11 includes glycerin fatty acid ester, polyglycerin fatty acid ester, glycerin organic acid fatty acid monoester, sorbitan fatty acid ester, sucrose fatty acid ester, lecithin and combinations thereof. Food ingredients .

The foodstuff for fried cooked foods according to claim 1 or 2, wherein a blending ratio of the edible oil and fat and the emulsifier is a weight ratio of edible oil and fat: emulsifier = 99.99: 0.01 to 70:30.

A fried food produced by fry cooking the foodstuff according to any one of claims 1 to 3 .