JP4170882B2 - 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網 - Google Patents

網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網 Download PDF

Info

Publication number
JP4170882B2
JP4170882B2 JP2003378138A JP2003378138A JP4170882B2 JP 4170882 B2 JP4170882 B2 JP 4170882B2 JP 2003378138 A JP2003378138 A JP 2003378138A JP 2003378138 A JP2003378138 A JP 2003378138A JP 4170882 B2 JP4170882 B2 JP 4170882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clock
packet
network
router
switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003378138A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005142895A (ja
Inventor
仁 上松
康直 鈴木
正啓 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2003378138A priority Critical patent/JP4170882B2/ja
Publication of JP2005142895A publication Critical patent/JP2005142895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4170882B2 publication Critical patent/JP4170882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Computer And Data Communications (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Description

本発明は、ルータまたはスイッチを介してパケットを伝送するパケット網において、クロック同期をとる網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網に関する。
図9は、ディジタル網における従来の網同期方法を示す(非特許文献1)。マスタ局80には高精度の標準クロック発生装置81が配置される。ここでは、標準クロック発生装置81で発生させた標準クロックを逓倍・分周して得られる標準クロックに同期した様々な周波数のクロックを「基準クロック」という。
マスタ局80の伝送装置82は、伝送路83へ基準クロックに同期した信号を送出する。各スレーブ局84の伝送装置85は、伝送路83を介してマスタ局80から到着した信号からクロックを抽出し、基準クロック発振器86で基準クロックを再生する。これにより、マスタ局80から各スレーブ局84へ基準クロックが分配される。この基準クロックは、スレーブ局84の全ての伝送装置(加入者線端局装置)87に供給され、各伝送装置87はそれぞ逓倍・分周した基準クロックに同期した信号を伝送路88を介してユーザ宅内へ送出する。ユーザ宅内の伝送装置(網終端装置)89およびユーザ端末90は、伝送路88を介してスレーブ局84から到着した信号からクロックを抽出して基準クロックを再生する。これにより、マスタ局80からユーザ端末90まで網同期をとることができる。
ユーザ端末90は、網から得られた基準クロックを用いて、音声や映像などのアナログ信号をA/D変換して網に送出する。また、ユーザ端末90は、網から受信したディジタル信号をD/A変換する際にこの基準クロックを用いる。このように、ディジタル網に収容されたすべてのユーザ端末は、同期がとれた基準クロックを用いてA/D変換とD/A変換を行うことにより、網内でスリップが発生することを防止することができる。
一方、ルータまたはスイッチを介してパケットを伝送するパケット網では、上記の網同期方法をそのまま適用することはできない。一般にルータおよびスイッチでは、図10に簡単化して示すように、各ポートでクロック乗換を行うエラスティックストア(ES)を介して出力される信号は、それぞれ独立したローカルなクロックで生成されるため、基準クロックとは同期していない。したがって、マスタ局から基準クロックに同期した信号をスレーブ局に送信しても、スレーブ局のルータやスイッチで基準クロックは消失し、基準クロックをユーザ端末に伝達することができない。
このようなパケット網における網同期方法として、マスタ局の基準クロックの時刻をタイムスタンプとして搭載したパケットを生成し、それをルータやスイッチを経由してユーザ端末に届ける方法がある。例えば、IETF(Internet Engineering Task Force) で定義された規格RFC1305に示されるNTP(Network Time Protocol)である(非特許文献2)。NTPの原理を図11に示す。
標準クロックを有するNTPサーバ91と、標準クロックに同期した時刻を得たいNTPクライアント92が、ネットワーク93を介して接続されているものとする。NTPクライアント92は、自身のクロック(スレーブクロック)による送信時刻t1 を載せた問い合わせパケットをNTPサーバ91へ送信する。NTPサーバ91は、自身の基準クロックによる問い合わせパケットの受信時刻t2 と、回答パケットの送信時刻t3 を回答パケットに載せてNTPクライアント92へ送信する。NTPクライアント92は、自身のクロックによる回答パケットの受信時刻t4 を記録する。
これらの時刻から、NTPサーバ91とNTPクライアント92の往復の遅延時間dは、
d=(t4−t1)−(t3−t2)
となる。ここで、片道の遅延時間をd/2と仮定し、NTPサーバ91の基準クロックとNTPクライアント92のクロックの誤差をcとすると、
t1+c+d/2=t2 (あるいは t3+d/2=t4+c)
となり、
c=(t2−t1+t3−t4)/2
となる。
NTPでは、この誤差cでNTPクライアント92のクロックを修正することにより、NTPサーバ91の標準クロックに同期した時刻をNTPクライアント92で得ることができる仕組みである。
河西、槇、辻、上田、「わかりやすいSDH/SONET伝送方式」、オーム社、第6章 http://www.faqs.org/rfcs/rfc1305.html
ところで、パケット網では、ルータやスイッチでパケットがバッファに蓄積されて送出待ちとなるため、待ち行列による遅延のゆらぎが生じる。したがって、パケットの遅延時間は通過するルータやスイッチの待ち行列の長さに依存し、往路と復路の遅延時間は異なる場合がある。
パケットを用いて時刻情報を伝達する従来のNTPでは、片道の遅延時間を往復の遅延時間の半分と仮定しているが、往路と復路の遅延時間が異なればこの仮定に基づく誤差cは不正確なものとなり、クライアントのクロックをサーバのクロックに正確に同期させることは困難になる。すなわち、ユーザ端末がNTPサーバから正確な基準クロックを得ることは困難になる。
本発明は、ルータやスイッチの待ち行列の長さに依存してユーザパケットの遅延時間が変化するパケット網において、マスタ局の標準クロックに同期したクロックをユーザ端末で得ることができる網同期装置、この網同期装置を用いたクロック伝達方法およびクロック伝達パケット網を提供することを目的とする。
請求項1の網同期装置は、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、標準クロックの時刻情報を載せたクロックパケットを受信し、複製してルータまたはスイッチの各出力ポートに分配する手段と、クロックパケットを受信してから最大パケット長のユーザパケットを送出する時間またはそれ以上の一定時間の遅延を与え、各出力ポートで送信中のユーザパケットの送信後かつ送信待ちのユーザパケットの送信前にクロックパケットを送信する制御を行う制御手段とを備える。
また、制御手段は、ルータまたはスイッチ内でクロックパケットに遅延を与えている時間内に、送信待ちのユーザパケットの中で送信可能なサイズのユーザパケットがあればクロックパケットに先立って送信する制御を行うようにしてもよい(請求項2)。
また、制御手段は、ルータまたはスイッチ内でクロックパケットに遅延を与えている時間内に、送信待ちのユーザパケットを分割してクロックパケットに先立って送信する制御を行うようにしてもよい(請求項3)。
請求項4のクロック伝達方法は、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、標準クロックを逓倍または分周した基準クロックで生成されるクロックパケットをルータまたはスイッチへ伝達し、本発明の網同期装置を用いて、クロックパケットの受信から一定時間後にルータまたはスイッチからクロックパケットを送信し、クロックパケットを受信する装置でそのクロックパケットが到着したタイミングから基準クロックを再生する。
請求項5のクロック伝達方法は、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、標準クロックの時刻情報をタイムスタンプとして搭載したクロックパケットをルータまたはスイッチへ伝達し、本発明の網同期装置を用いて、クロックパケットの受信から一定時間後にルータまたはスイッチからクロックパケットを送信し、クロックパケットを受信する装置でそのクロックパケットのタイムスタンプ値から標準クロックに同期した基準クロックを得る。
請求項6のクロック伝達パケット網は、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、標準クロックを逓倍または分周した基準クロックでクロックパケットを生成する手段と、本発明の網同期装置を用いて、クロックパケットの受信から一定時間後にクロックパケットを送信するルータまたはスイッチと、クロックパケットを受信し、そのクロックパケットが到着したタイミングから基準クロックを再生する手段とを備える。
請求項7のクロック伝達パケット網は、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、標準クロックの時刻情報をタイムスタンプとして搭載したクロックパケットを生成する手段と、本発明の網同期装置を用いて、クロックパケットの受信から一定時間後にクロックパケットを送信するルータまたはスイッチと、クロックパケットを受信し、そのクロックパケットのタイムスタンプ値から標準クロックに同期した基準クロックを得る手段とを備える。
また、本発明の網同期装置を有するルータまたはスイッチと、本発明の網同期装置を有しないルータまたはスイッチによりパケット網を構成し、クロックパケットの転送経路が複数存在するときに、複数の経路から到着したクロックパケットのうち、遅延ゆらぎの少ないクロックパケットを選択して基準クロックを得る構成としてもよい(請求項8)。さらに、遅延ゆらぎの少ないクロックパケットを選択する方法として、複数の経路から到着したクロックパケットが通過したルータまたはスイッチのうち、本発明の網同期装置を有しないルータまたはスイッチの数が最小となるクロックパケットを選択して基準クロックを得る構成としてもよい。
本発明は、クロックパケットを用いて基準クロックをユーザ端末などに分配する際に、クロックパケットに対して、他のパケットとの競合を回避するために必要な一定時間以上の遅延を与えることにより、ルータやスイッチで生じる待ち行列による遅延ゆらぎが生じないように制御することができる。これにより、マスタ局からユーザ端末に伝送されるクロックパケットの遅延時間を一定にすることができるので、ユーザ端末はクロックパケットの受信タイミング、あるいはクロックパケットの時刻情報(タイムスタンプ)から基準クロックを得ることができる。
また、請求項2あるいは請求項3に記載の網同期装置を用いることにより、クロックパケットに与えている遅延時間内にユーザパケットを伝送することができるので、クロックパケットの遅延処理による伝送効率の低下を抑制することができる。
(クロック伝達パケット網の第1の実施形態、第2の実施形態)
図1は、本発明のクロック伝達パケット網の第1の実施形態を示す。図2は、本発明のクロック伝達パケット網の第2の実施形態を示す。
図1において、マスタ局10は、高精度の標準クロックを発生する標準クロック発生装置11と、この標準クロックを逓倍または分周した基準クロックのタイミングでクロックパケットを発生するクロックパケット発生装置12と、ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータ(またはスイッチ)13と、クロックパケットを複製して各出力ポートに分配するとともに、クロックパケットを受信してから所定時間Tの遅延を与え、各出力ポートでユーザパケットと競合しないようにクロックパケットを送信する制御を行う網同期装置14を備える。
マスタ局10に伝送路15を介して接続されるスレーブ局16Aは、マスタ局10と同様のルータ(またはスイッチ)17および網同期装置18を備える。スレーブ局16Aに伝送路19を介して接続されるユーザ宅内には、網終端装置20およびユーザ端末21が接続される。ここでは、クロックパケットの伝送経路を破線で示す。なお、スレーブ局16Bについては、後述する第3の実施形態として説明する。
図1に示す網同期装置14,18は、その機能がルータ13,17の機能の一部として付加された構成である。また、図2に示すように、クロックパケットの複製機能をルータ13,17の外部に、クロックパケット複製部22として配置してもよい。
図3は、ルータの1つの出力ポートの状態を示す。従来は、ユーザパケットとクロックパケットは区別されておらず、クロックパケットが到着したときに送信待ちのユーザパケットがあれば、クロックパケットは送信待ちのユーザパケットの送信が完了した後に送信される。これが遅延ゆらぎの原因になっている。
本発明では、クロックパケットのヘッダにクロックパケットであることを示す識別子を付与し、ルータでユーザパケットと区別できるようにしており、クロックパケットとユーザパケットは別々のキューに蓄積される。ここでは、ユーザパケット1がユーザパケットキュー31から送信中で、ユーザパケット2およびユーザパケット3が送信待ちとなっているときに、クロックパケットCがルータに到着してクロックパケットキュー32に蓄積され、送信タイミングを窺っている状態を示す。
(網同期装置の処理手順)
図4は、本発明の網同期装置の第1の処理手順およびタイムチャートを示す。クロックパケットCが網同期装置に到着すると、クロックパケットCをT1 だけ遅延させてから送信するように制御するとともに、そのときに送信中のユーザパケットがあれば送信を継続する。このT1 は、最大パケット長のユーザパケットを送出する時間またはそれ以上の一定時間に設定され、その間は送信待ちのユーザパケットおよびクロックパケットCは待機となる。図4(2) では、送信中のユーザパケット1の送信が完了し、さらにクロックパケットCが到着してから遅延時間T1 が経過すると、クロックパケットCを送信し、その後に送信待ちとなっていたユーザパケット2,3が送信される状態を示す。
図5は、本発明の網同期装置の第2の処理手順およびタイムチャートを示す。第1の処理手順では、クロックパケットCが到着してから遅延時間T1 が経過するまでは、送信待ちのユーザパケットおよびクロックパケットCは待機となる。第2の処理手順では、送信中のユーザパケットの送信が完了してから遅延時間T1 が経過するまでの間に、送信待ちのユーザパケットの送信が可能であれば、そのユーザパケットをクロックパケットCの前に送信する。図5(2) では、ユーザパケット1の次にユーザパケット2を送信し、遅延時間T1 が経過してからクロックパケットCを送信し、その後に送信待ちとなっていたユーザパケット3が送信される状態を示す。
図6は、本発明の網同期装置の第3の処理手順およびタイムチャートを示す。第3の処理手順は、ユーザパケットを送出する装置がIPルータなど、ユーザパケットの分割(フラグメンテーション)が可能な装置の場合に適用される。送信中のユーザパケット1の送信が完了してから遅延時間T1 が経過するまでの間に、送信待ちのユーザパケットの送信が可能であれば、そのユーザパケットをクロックパケットCの前に送信し、送信不可であれば、送信待ちのユーザパケット2を分割したユーザパケット2−1をクロックパケットCの前に送信する。そして、遅延時間T1 が経過してからクロックパケットCを送信し、その後に残りのユーザパケット2−2と送信待ちとなっていたユーザパケット3が送信される。
以上示したいずれかの方法により、クロックパケットCに対して常に一定の遅延T1 を与えて送出することができ、クロックパケットがルータ(またはスイッチ)を通過するときの遅延ゆらぎを解消することができる。
図1または図2に示すクロック伝達パケット網において、マスタ局10の網同期装置14で上記の処理手順に従って送出されたクロックパケットCは、スレーブ局16A,16Cの網同期装置18に到着する。スレーブ局16A,16Cでは、識別子によってユーザパケットと区別されたクロックパケットCを複製し、網同期装置18で遅延時間T2 だけ遅延させてから送信するように制御する。ここで、マスタ局10の網同期装置14における遅延時間T1 と、スレーブ局16A,16Cの網同期装置18における遅延時間T2 は、それぞれのポートでの物理速度やそこで取り扱う最大パケット長が異なるので一般的に異なる値となるが、簡単のために最も大きい値で統一するようにしてもよい。
(クロック伝達方法1)
マスタ局10のクロックパケット発生装置12は、標準クロックを逓倍または分周した基準クロックのタイミングでクロックパケットCを発生する。このクロックパケットCは、マスタ局10およびスレーブ局16A,16Cでそれぞれユーザパケットと分離され、各網同期装置14,18でそれぞれ一定の遅延を受けてユーザ宅内のユーザ端末21に到着する。これにより、各ユーザ端末21には、マスタ局10およびスレーブ局16A,16Cにおける遅延ゆらぎを受けずにクロックパケットCが到着するので、受信したパケットからクロックパケットCを識別し、その到着タイミングからマスタ局10の標準クロックに同期した基準クロックを再生することができる。
ここで、ビット誤りなどによりクロックパケットCが網内で廃棄された場合の対応について、図7を参照して説明する。クロックパケットCは、マスタ局10のクロックパケット発生装置12から一定の時間間隔tc で送出されるものとする。クロックパケットCは、マスタ局10の網同期装置14でT1 の遅延を受け、マスタ局10からスレーブ局16A,16Cまでの伝送路15でL1 の伝搬遅延を受ける。次に、スレーブ局16A,16Cの網同期装置18でT2 の遅延を受け、スレーブ局16A,16Cからユーザ宅内までの伝送路19でL2 の伝搬遅延を受ける。すべてのクロックパケットCには同一の遅延時間が生じるので、途中でパケット損失がなければユーザ端末21にも時間間隔tc ごとに到着する。
ユーザ端末21では、基準クロックにほぼ近い周波数で微調整が可能な自走クロックを発振させておく。この自走クロックで前回のクロックパケット到着からtc ±pの時間範囲を指定し、その間に次のクロックパケットCが到着すれば自走クロックのタイミングをクロックパケットCの到着タイミングに調整する。一方、tc ±pの時間範囲にクロックパケットCが到着しなければ、クロックパケットCが損失したものと判断し、ユーザ端末21のクロックをそのまま自走させ、前回のクロックパケット到着から2tc ±2pの時間範囲でクロックパケットCの到着を待つ。
(クロック伝達方法2)
マスタ局10のクロックパケット発生装置12は、標準クロック発生装置11で発生する標準クロックの時刻情報をタイムスタンプとして搭載したクロックパケットCを発生する。この発生タイミングは、周期的あるいは非周期的のいずれでもよい。このクロックパケットCは、同様にマスタ局10およびスレーブ局16A,16Cの各網同期装置14,18でそれぞれ一定の遅延を受けてユーザ宅内のユーザ端末21に到着する。これにより、各ユーザ端末21には、マスタ局10およびスレーブ局16A,16Cにおける遅延ゆらぎを受けずにクロックパケットCが到着する。
ユーザ端末21は、基準クロックにほぼ近い周波数で微調整が可能な自走クロック(ユーザクロック)をもつ。ユーザ端末21は、受信したパケットからクロックパケットCを識別し、そのクロックパケットCからタイムスタンプを取り出し、ユーザクロックの時刻を受信したタイムスタンプに合わせる。到着するクロックパケットCのタイムスタンプに合わせ続けることにより、ユーザクロックの進み具合はマスタ局10の標準クロックと同じになり、ユーザ端末21で標準クロックに同期した基準クロックを得ることができる。なお、クロックパケットCが網内で損失したとしても、ユーザクロックは自走しているので、次のクロックパケットCのタイムスタンプでタイミング調整することができる。
(クロック伝達方法3)
図1に示すクロック伝達パケット網のスレーブ局16Bにおいて、マスタ局10から到着したクロックパケットCを基準クロック再生装置23に入力し、上記のクロック伝達方法1またはクロック伝達方法2により、マスタ局10の標準クロックに同期した基準クロックを再生するようにしてもよい。ここで再生された基準クロックは、クロックパケット発生装置24に入力されて新たなクロックパケットCとなり、網同期装置18で所定の遅延調整されて配下のユーザ端末21に分配される。
このようなスレーブ局16Bは、他方のスレーブ局に比べて構成が複雑になるが、一旦基準クロックを抽出することにより、スレーブ局内で基準クロックを利用することができる利点がある。また、マスタ局10からスレーブ局16Bまでの伝送路15の故障などで、マスタ局10からクロックパケットCが到着しない場合でも、スレーブ局16Bの基準クロックを高精度に自走させることにより、スレーブ局16Bの配下のユーザ端末にクロックパケットCを供給し続けることができる。
(クロック伝達パケット網の第3の実施形態)
図8は、本発明のクロック伝達パケット網の第3の実施形態を示す。本実施形態は、本発明の網同期装置18を有するスレーブ局16Aと、網同期装置18を有しないスレーブ局16Dがあり、ユーザ端末21には各スレーブ局16A,16Dを介する転送経路からクロックパケットCがそれぞれ到着するものとする。網同期装置18を有するスレーブ局16Aを介してユーザ端末21に到着するクロックパケットCは、一定の遅延が与えられているために到着タイミングの遅延ゆらぎは小さい。一方、網同期装置18を有しないスレーブ局16Dを介してユーザ端末21に到着するクロックパケットCは、遅延調整されていないために、ユーザパケットの待ち行列に応じて遅延ゆらぎが大きくなる。したがって、一般に網同期装置18を有するスレーブ局16Aを通過するクロックパケットCの方が遅延ゆらぎが小さく、基準クロックに近いクロックを再生することができる。
ユーザ宅内のクロックパケット選択装置25では、2つの転送経路から到着するクロックパケットCの時間間隔の標準偏差などを用いて、遅延ゆらぎが小さい方のクロックパケットCを選択してユーザ端末21に送出する。これにより、ユーザ端末21では基準クロックに近いクロックを再生することができる。
また、本発明の網同期装置14,18において、通過するクロックパケットCに通過回数aを記載する。一方、ルータ(またはスイッチ)13,17を通過するクロックパケットCに、例えばIPパケットのTTL(Time To Live) などによる通過回数bを記載する。この通過回数bと通過回数aの差が、網同期装置を有しないルータ(またはスイッチ)の通過回数となる。図8の例では、スレーブ局16Aを通過したクロックパケットCの通過回数差は0となり、スレーブ局16Dを通過したクロックパケットCの通過回数差は1となり、クロックパケット選択装置25ではその値が最小となる経路を通過したクロックパケットCを選択してユーザ端末へ送出する。
なお、本実施形態では、ユーザ端末へのクロックパケット供給において、経路の二重化とその選択方法について説明したが、例えばマスタ局10とスレーブ局16A〜16Cとの間でも同様にクロックパケット経路の二重化が可能である。
本発明のクロック伝達パケット網の第1の実施形態を示す図。 本発明のクロック伝達パケット網の第2の実施形態を示す図。 ルータの1つの出力ポートの状態を示す図。 本発明の網同期装置の第1の処理手順を示す図。 本発明の網同期装置の第2の処理手順を示す図。 本発明の網同期装置の第3の処理手順を示す図。 クロック伝達方法1におけるクロックパケット廃棄対策例を説明する図。 本発明のクロック伝達パケット網の第3の実施形態を示す図。 ディジタル網における従来の網同期方法を説明する図。 パケット網におけるルータの送出クロックを説明する図。 NTPの原理を説明する図。
符号の説明
10 マスタ局
11 標準クロック発生装置
12 クロックパケット発生装置
13,17 ルータ(またはスイッチ)
14,18 網同期装置
15,19 伝送路
16 スレーブ局
20 網終端装置
21 ユーザ端末
22 クロックパケット複製部
23 基準クロック再生装置
24 クロックパケット発生装置
25 クロックパケット選択装置
31 ユーザパケットキュー
32 クロックパケットキュー

Claims (9)

  1. ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、
    標準クロックの時刻情報を載せたクロックパケットを受信し、複製して前記ルータまたはスイッチの各出力ポートに分配する手段と、
    前記クロックパケットを受信してから最大パケット長のユーザパケットを送出する時間またはそれ以上の一定時間の遅延を与え、前記各出力ポートで送信中のユーザパケットの送信後かつ送信待ちのユーザパケットの送信前に前記クロックパケットを送信する制御を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とするパケット網の網同期装置。
  2. 請求項1に記載のパケット網の網同期装置において、
    前記制御手段は、前記ルータまたはスイッチ内で前記クロックパケットに遅延を与えている時間内に、送信待ちのユーザパケットの中で送信可能なサイズのユーザパケットがあれば前記クロックパケットに先立って送信する制御を行う
    ことを特徴とするパケット網の網同期装置。
  3. 請求項1に記載のパケット網の網同期装置において、
    前記制御手段は、前記ルータまたはスイッチ内で前記クロックパケットに遅延を与えている時間内に、送信待ちのユーザパケットを分割して前記クロックパケットに先立って送信する制御を行う
    ことを特徴とするパケット網の網同期装置。
  4. ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、
    標準クロックを逓倍または分周した基準クロックで生成されるクロックパケットを前記ルータまたはスイッチへ伝達し、
    請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を用いて、前記クロックパケットの受信から一定時間後に前記ルータまたはスイッチから前記クロックパケットを送信し、
    前記クロックパケットを受信する装置でそのクロックパケットが到着したタイミングから前記基準クロックを再生する
    ことを特徴とするパケット網のクロック伝達方法。
  5. ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、
    標準クロックの時刻情報をタイムスタンプとして搭載したクロックパケットを前記ルータまたはスイッチへ伝達し、
    請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を用いて、前記クロックパケットの受信から一定時間後に前記ルータまたはスイッチから前記クロックパケットを送信し、
    前記クロックパケットを受信する装置でそのクロックパケットのタイムスタンプ値から前記標準クロックに同期した基準クロックを得る
    ことを特徴とするパケット網のクロック伝達方法。
  6. ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、
    標準クロックを逓倍または分周した基準クロックで前記クロックパケットを生成する手段と、
    請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を用いて、前記クロックパケットの受信から一定時間後に前記クロックパケットを送信するルータまたはスイッチと、
    前記クロックパケットを受信し、そのクロックパケットが到着したタイミングから前記基準クロックを再生する手段と
    を備えたことを特徴とするクロック伝達パケット網。
  7. ユーザパケットを宛先に対応する出力ポートにルーティングするルータまたはスイッチを備えたパケット網において、
    標準クロックの時刻情報をタイムスタンプとして搭載したクロックパケットを生成する手段と、
    請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を用いて、前記クロックパケットの受信から一定時間後に前記クロックパケットを送信するルータまたはスイッチと、
    前記クロックパケットを受信し、そのクロックパケットのタイムスタンプ値から前記標準クロックに同期した基準クロックを得る手段と
    を備えたことを特徴とするクロック伝達パケット網。
  8. 請求項6または請求項7に記載のクロック伝達パケット網において、
    請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を有するルータまたはスイッチと、同装置を有しないルータまたはスイッチによりパケット網を構成し、
    前記クロックパケットの転送経路が複数存在するときに、複数の経路から到着したクロックパケットのうち、遅延ゆらぎの少ないクロックパケットを選択して基準クロックを得る構成である
    ことを特徴とするクロック伝達パケット網。
  9. 請求項8に記載のクロック伝達パケット網において、
    複数の経路から到着したクロックパケットが通過したルータまたはスイッチのうち、請求項1〜3のいずれかに記載の網同期装置を有しないルータまたはスイッチの数が最小となるクロックパケットを選択して基準クロックを得る構成である
    ことを特徴とするクロック伝達パケット網。
JP2003378138A 2003-11-07 2003-11-07 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網 Expired - Fee Related JP4170882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003378138A JP4170882B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003378138A JP4170882B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005142895A JP2005142895A (ja) 2005-06-02
JP4170882B2 true JP4170882B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=34688617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003378138A Expired - Fee Related JP4170882B2 (ja) 2003-11-07 2003-11-07 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4170882B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2661379C (en) * 2006-08-22 2014-10-14 Brilliant Telecommunications, Inc. Apparatus and method of controlled delay packet forwarding
JP5720465B2 (ja) * 2011-03-31 2015-05-20 沖電気工業株式会社 通話データ中継システム
JP5768289B2 (ja) * 2011-12-21 2015-08-26 株式会社日立製作所 ネットワークノード及びパケット管理方法
JP5675703B2 (ja) * 2012-06-04 2015-02-25 株式会社東芝 通信装置、制御装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005142895A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4856382B2 (ja) ネットワーク端末のクロック同期化の方法およびシステム
JP4987346B2 (ja) ネットワークを介した時間同期化システムおよび方法
US7069325B1 (en) Method and apparatus for handling requests in a network
JP2005253033A (ja) 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網
JP4981073B2 (ja) パケット・ネットワークにおける同期化信号の伝送
CN101510849B (zh) 获取传输路径上节点传输信息的方法和系统
EP1350355B1 (en) Time synchronization in computer network
CN103201971B (zh) 用于同步具有节点之间的聚合连接的分组交换网络的主时钟和从时钟的方法以及相关联的同步装置
EP1841137B1 (en) Audio network system
JP4509921B2 (ja) 無線通信システムおよび無線通信方法
JP4542027B2 (ja) 時刻同期方法、時刻クライアント、時刻サーバ、アプリケーション装置及び時刻同期システム
US20030142696A1 (en) Method for ensuring access to a transmission medium
JP2006503480A (ja) タイムスタンプを使用して非同期ネットワークの通信端末同士を同期化させるためのシステムおよび方法
JPH0311699B2 (ja)
WO2010037347A1 (zh) 同步网中主、从时钟侧的时间同步方法、装置、及系统
EP2630752B1 (en) Layer one path delay compensation
JP4170882B2 (ja) 網同期装置、クロック伝達方法およびクロック伝達パケット網
KR100652013B1 (ko) 무선 ieee1394 프로토콜을 사용하는 이종 네트워크환경에서의 시간 동기화 방법
EP1809066B1 (en) Optical transmission system
JP5088281B2 (ja) パケット同期切替方法及びゲートウェイ装置
JPH0851451A (ja) 同期方法および同期装置、端末、交換装置
JP2001358766A (ja) パケット通信システム、パケット通信方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
CN112039621B (zh) 一种时间同步方法和系统
JP3802408B2 (ja) ネットワークシステムの同期方法
EP1340344B1 (en) Latency management for a network

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080807

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees