JP4170561B2 - 回転ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ等に組み込んで光ビームを走査するポリゴンミラースキャナ装置等に用いる回転ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図60は従来のポリゴンミラースキャナユニットを示す断面図である。
この従来のポリゴンミラースキャナユニットの面対向型スキャナモータは、回転子部分と固定子部分とからなる。回転子部分は、下面にマグネット301を装着したロータヨーク302と、回転軸303と、ロータヨーク302上に接合され、ロータヨーク302を回転軸303に固定するフランジ304とから構成されている。
【0003】
また、固定子部分は、上面に巻線コイル305を配置したステータヨーク306と、回転軸303を軸支する軸受部分307とから構成されている。このポリゴンミラースキャナユニットのフランジ304上にはポリゴンミラー308が固定され、このポリゴンミラー308でスキャンを行うことができる。
【0004】
しかし、このポリゴンミラースキャナユニットの構成では、ポリゴンミラー308とスキャナモータとがそれぞれ独立した別体の部品であり、かつスキャナモータ自身の小型化にも限界があることから、スキャナモータにポリゴンミラー308を搭載したポリゴンミラースキャナユニット全体の構造が大型化し、小型化が困難であるという問題があった。従って、レーザプリンタなどの画像形成装置に組み込む際に大きなスペースを占有し、画像形成装置の小型化が困難であるという問題があった。
【0005】
また、図62は他の従来のポリゴンミラースキャナユニットを示す断面図である。
この従来のポリゴンミラースキャナユニットの周対向型スキャナモータは、回転子部分と固定子部分とからなる。回転子部分は、内周面にマグネット401を装着したロータヨーク402と、回転軸403と、ロータヨーク402上に接合され、ロータヨーク402を回転軸403に固定するフランジ404とを備えている。このポリゴンミラースキャナユニットのフランジ404上にはポリゴンミラー408が固定され、このポリゴンミラーでスキャンを行うことができる。
【0006】
また、固定子部分は、外周面に巻線コイル405を配置したステータヨーク406と、回転軸403を軸支する軸受部分407とから構成されている。
【0007】
この従来構成のポリゴンミラースキャナ装置の回転子部を製造するためには、板状のポリゴンミラーを形成加工する工程と平行して、ポリゴンミラーを搭載するフランジ部に回転軸を挿入し、フランジ部分にロータを固定する工程にてフランジ、回転軸及びロータを組み合わせた嵌合品を別途用意しておく。
更にポリゴンミラー加工後にフランジ、回転軸及びロータを組み合わせた嵌合品に対してポリゴンミラーを装着し、ポリゴンミラーの回転中心をフランジに装着した回転軸に一致させるための位置調整及び固定を行う。
【0008】
しかし、このポリゴンミラースキャナユニットの構成では、ポリゴンミラーとスキャナモータとがそれぞれ独立した別体の部品であり、かつスキャナモータ自身の小型化にも限界があることから、スキャナモータにポリゴンミラーを搭載したポリゴンミラースキャナユニット全体の構造が大型化し、小型化が困難であるという問題があった。従って、レーザプリンタなどの画像形成装置に組み込む際に大きなスペースを占有し、画像形成装置の小型化が困難であるという問題があった。
【0009】
そこで、従来、ロータヨークをポリゴンミラーの基体として小型化を図ったポリゴンミラー駆動用スキャナモータとして、特開平8−62527号が知られている。
【0010】
図61に示すように、このスキャナモータは、回転子310と固定子311とからなる。この回転子310は、外形が六角形を呈する平板状のロータヨーク312と、その下面側に装着した界磁永久磁石313からなる。また、固定子311は、界磁永久磁石313と軸方向のギャップを隔てて対向する扁平形の電機子コイル314,ステータヨーク315、軸受316、およびこれら部品を組み込んだハウジング317からなる。回転子310と固定子311とは、回転子軸318が軸受316に軸支して組み立てられている。
【0011】
このスキャナモータにおいて、ロータヨーク312はポリゴンミラーの基体を兼ねている。ロータヨーク312の六角形の周面には各辺ごとに表面を鏡面に仕上げたアルミ箔、あるいはガラス製の鏡などのロータヨーク312と別体のチップ状ミラー319を貼着してポリゴンミラーを形作っている。
【0012】
このような構成で、図示されていないセンサレス3相バイポーラ駆動回路を介して電機子コイル314に直流電圧を流すことにより、回転子310のロータヨーク312が回転子軸318の回りに回転する。
【0013】
そして、スキャナモータを回転させつつ、多角形を呈するロータヨーク312の周面に形成した鏡面である、ロータヨーク312と別体のチップ状ミラー319に向けて側方から光ビームを投光することにより、ロータヨーク312がそのままポリゴンミラーとして機能、動作する。
【0014】
また、ミラー面形成体として、セラミックリング、ヨーク及びロータマグネットを一体的に構成したポリゴンミラーとして、特開平5−241090号が知られている。このポリゴンミラーは、図63に示すように、ミラー面形成体を構成するアルミニウム材でセラミックリング501、ヨーク502及びロータマグネット503を一体的に鋳造した後、その表面を加工し、最後にミラー面504を蒸着形成して回転体を製造するものである。
【0015】
しかし、ロータヨーク312の周面をポリゴンミラーにしようとする場合、チップ状ミラー319を貼着させたり、膜形成することは部品点数が増加するという問題がある。
【0016】
また、チップ状ミラー319を貼着する場合には、高精度な接着を要するとともに、接着後の遠心力による剥離・変形等の不具合がある。
また、コーティングミラーを成膜した場合にも剥離・変形等の不具合がある。
【0017】
また、ロータヨーク312の平坦な下面に界磁永久磁石313を装着しているので、例えば、界磁永久磁石133を貼着した場合には、高精度に位置合わせしないと界磁永久磁石313と回転子軸318とが偏心する虞があり、偏心した場合には動バランスが崩れて、ジッター特性が悪化したり、振動や騒音が発生するという問題がある。
【0018】
さらに、ロータヨーク312の平坦な下面に界磁永久磁石313を装着しているので、遠心力による剥離・変形等の不具合が存在する。
【0019】
また、従来構成のポリゴンミラースキャナ装置の回転子部のポリゴンミラー形成においては、回転軸に対してポリゴンミラーの回転中心との位置調整が生じるために高精度な計測手段、固定手段を要することになると共に、高速回転がポリゴンミラースキャナ装置の回転子部に経時的に及ぼす影響として、遠心力によりポリゴンミラーの回転軸に対する位置ずれが生じる危険があり、ジッタ特性等が劣化する。
【0020】
また、特開平5−241090号にて開示されているポリゴンミラー形状においては、ミラー部に対して厚肉形状を介してミラー下面位置にマグネットが配置されているが、高速回転時にはマグネット部分にかかる遠心力の影響によりミラー面精度形状が悪化する虞もある。
【0021】
また、上記従来のポリゴンミラースキャナ装置の回転子部のポリゴンミラー形成においては、回転軸に対してポリゴンミラーの回転中心との位置調整が生じるために高精度な計測手段、固定手段を要することになる。更に、高速回転がポリゴンミラースキャナ装置の回転子部に経時的に及ぼす影響として、遠心力によりポリゴンミラーの回転軸に対する位置ずれが生じる危険があり、ジッタ特性等が劣化する。
【0022】
この課題を解決するために特開平8−327928号が知られている。
このポリゴンミラー装置では、図64,図65に示すように、駆動モータの扁平形ロータ901とポリゴンミラーとを一体的に構成したポリゴンミラー部901aにおいて、ポリゴンミラー部901aの鏡面加工を実施することで回転体に対するミラーの位置精度の保証を行なっており、鏡面加工時の逃げ及びロータの歪みがポリゴンミラーの鏡面に伝わるのを断ち切る機能を得るためにロータカラー901bとポリゴンミラー901aとの間に環状の逃げ溝901cを設けたことを特徴としている。なお、符号902は回転軸、符号903はロータスラストマグネットである。
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
しかしながら、従来技術の通り、図65に示すようなポリゴンミラーとロータとの一体的なポリゴンミラーに対して鏡面加工を行なうためには、ミラー形成部に鏡面切削するための切削バイトがミラー形成部より大径のロータ部に接触しないように鏡面加工装置を配置する必要がある。
【0024】
図66は、左半分が従来のポリゴンミラーの鏡面加工を示す正面図であり、右半分が同側面図である。
即ち、例えば、図66に示すような鏡面研削装置を用いた場合に、切削バイト611がロータ部901bと干渉しないようにするため切削バイト軌道下限線904より上方に切削バイト611を配置する必要がある。このため、ポリゴンミラー部901aと切削バイトの回転中心軸612とをポリゴンミラーの回転軸方向に偏倚させて配置しなければならない。この配置では、切削バイト軌道905の下端部分でミラー面を形成することになる。
【0025】
図67は、図66に示す鏡面加工により形成された鏡面の引き目を拡大して示す図である。
この鏡面切削加工によれば、図66に示すように、切削方向はミラー形成部の長手方向(以降、主走査方向と称す。また、この方向と共に平面を成すもう一方の方向を副走査方向と称す。)に切削の引き目を形成することにならざるをえない。
【0026】
ポリゴンスキャナを用いたデジタル書込み光学系においては、回転するポリゴンミラーの各面に走査ビームを照射しミラー全域に照射ビームが走査することで反射されたビームが連続的な像を形成することが出来る。
切削の引き目が主走査方向に形成されたミラーに対してビームを照射すると、ビームはビームが走査する主走査方向に反射のバラツキを生じた状態で像が走査されることになる。
【0027】
近年、ポリゴンスキャナを用いたデジタル書込み光学系に採用されるfθ補正光学系は副走査方向に対しては走査ビームの補正を行なうことが出来るため、走査ビームの形状を均一に保つことが可能であるが、主走査方向に対しては効果が得られない。そのため、主走査方向に引き目を生じたミラー部では走査ビームの均一性を得られない恐れが有る。
【0028】
また、将来の高精細な画像を得るために走査ビームの小径化を考慮して、主走査方向に走査ビームの絞り込み、均一性を求めると、要求する技術を達成することが出来なくなる。
【0029】
そこで、本発明の目的は、部品点数を増加することなく、高精度な接着を要せず、高耐久性を有し、製造が容易であるとともに、回転体の側面に歪が発生するのを防止することができるとともに、側面を均一に加工することができる回転ユニットを提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、複数で且つ円周方向に等間隔で形成される鏡面を有する側面部と、前記側面部と直交する第1の直交面部と、前記側面部を挟んで前記第1の直交面部と対向する第2の直交面部とを有する鏡面形成部を備える回転多面鏡と、該回転多面鏡に装着される環状の多極マグネットと、該マグネットの内周面と対向した周面を有し、該周面に巻線コイルが固定されて本体に取り付けられたステータヨークと、前記回転多面鏡に固定された回転軸とを具有し、前記マグネットと前記ステータヨークの周面に固定されている前記巻線コイルとが作用して前記回転軸を中心として前記本体に対して前記回転多面鏡が回転する回転ユニットにおいて、前記回転多面鏡が、前記回転軸と同軸の略円筒形状に形成されている内周面と、前記側面部より前記回転軸寄りに形成されている外周面とを有する前記第1の直交面部と一体構造の薄肉円筒部を備え、前記内周面にマグネットを圧入する際の圧入力によって、前記薄肉円筒部が前記第1の直交面部と前記薄肉円筒部との境界領域近傍で変位可能とし、前記第1の直交面部の中央部には、前記第2の直交面部を超えて前記本体と反対側に窪まされた凹部が形成され、前記凹部の底部の貫通孔に取り付けた前記回転軸を、前記ステータヨーク内に設けた軸受により、前記凹部内に対応する箇所と前記巻線コイル近傍に対応する箇所とで軸支したことを特徴とする回転ユニットである。
【0031】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の回転ユニットにおいて、前記第2の直交面部に突起部が形成されていることを特徴とする。
【0032】
また、請求項3の発明は、請求項1に記載の回転ユニットにおいて、前記外周面は、前記境界領域から前記薄肉円筒部の先端に向かって前記軸中心方向へ傾斜していることを特徴とする。
【0033】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の回転ユニットにおいて、前記内周面へ装着された前記マグネットの第1の直交面部側端部と前記第1の直交面部との間に空間領域部が設けられていることを特徴とする。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図、図2はステータヨークの組み付け状態を示す分解斜視図、図3はロータの縦断側面図である。
【0050】
図1,2に示すように、このポリゴンミラースキャナ装置は、固定子部12と回転子部11とを備える周対向型ブラシレス直流モータを備えている。固定子部12はステータヨーク13とステータヨーク13の周面に固定された巻線コイル14とステータヨーク13内に設けた軸受15とを備えて構成されている。又、回転子部11は中心孔16aに回転軸17が圧入された、略正角柱形状(本実施形態では平面視正五角形)のロータ16とロータ16の周面を切削鏡面仕上げしてなる鏡面(略正角柱の側面)16bと、ロータ16の第1の直交面部である下底面16dにエレメントである環状の多極マグネット18を内周に沿わせて圧入する装着手段である薄肉円筒部16cと、薄肉円筒部16cに圧入されている多極マグネット18とから構成されている。なお、図中、18は多極マグネット、19はスラスト軸受、20は蓋体、21は第1の直交面部である下底面16dの中央部に、図示のように、第2の直交面部である上底面16eを超えて本体と反対側に窪まされて形成された凹部、22は基板である。前記凹部を設けたことにより、軸受15を鏡面16bを間に挟んで上下に配置することが出来る。よって、図1に示されるように、凹部21の底部の貫通孔16aに取り付けた回転軸17は、ステータヨーク13内に設けた軸受15により、凹部21内に対応する箇所と巻線コイル14近傍に対応する箇所とで軸支されるようになる。
【0051】
前記回転子部11は、回転軸17を介して固定子部12の軸受15で回動自在に軸支され、回転子部11の多極マグネット18と固定子部12の巻線コイル14とが周方向に対向してブラシレス直流モータを構成する。
【0052】
図3に示すように、前記ロータ16は、アルミニウム合金製であり、その外形が略正角柱に形成され、本実施形態では平面視正五角形、即ち第2の直交面部である上底面16e及び下底面16dがいずれも正五角形に形成されている。また、ロータ16の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ16の周面と鏡面16bとが一体構造となってポリゴンミラーが構成されている。さらに、ロータ16の中心孔16aにはロータ16に直交する方向に回転軸17が圧入されている。なお、本実施形態では、ロータ16は正角柱のうち、底面が正五角形の場合について説明したが、正五角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0053】
また、前記ロータ16の薄肉円筒部16cは下面、即ち正角柱の下底面16dに下方に突出して、中心孔16a及び回転軸17と同心に設けられ、この薄肉円筒部16cの内周に沿わせて多極マグネット18が圧入される。この薄肉円筒部16cは、側面部である鏡面16bよりロータ16の中心孔16a寄りに形成されているので、後述する図50〜52を参照して説明するように、一様な鏡面加工をすることができる。
【0054】
この実施形態のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ16の周面が鏡面16bであるので、ミラーチップ、蒸着膜等の他の部材をロータの周面に取り付ける必要がなく、部品点数が増加しない。また、高精度な接着が不要であり、遠心力により鏡面が剥離することがない。
【0055】
また、ポリゴンミラーはロータ16の周面に鏡面16bを一体形成しているので、小型化でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に組み込む際に小さな占有スペースですみ、画像形成装置の小型化に寄与することができる。
【0056】
また、ポリゴンミラーはアルミニウム合金製のロータ16の周面に鏡面16bを一体形成しているので、回転子部11の軽量化を図ることが出来、振動・騒音に対して有利である。
【0057】
また、この実施形態のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ16の下面に突起部である薄肉円筒部16cを有するので、多極マグネット18を回転軸17と同心に位置決めすることが容易であり、高精度な位置合わせが不要であり、その上多極マグネット18と回転軸17とが偏心することがない。したがって、偏心によって動バランスが崩れることがなく、ジッター特性の悪化を防止できるとともに、振動や騒音の発生を防止することができる。
【0058】
また、この実施形態のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ16の下面に薄肉円筒部16cを有するので、多極マグネット18の圧入が容易であり、多極マグネット18がポリゴンミラーの径方向に位置決めされて保持されているので、遠心力により剥離することがない。
【0059】
このように、本実施形態のポリゴンミラースキャナ装置は、遠心力により鏡面16bや多極マグネット18が剥離することがないので、高耐久性を有する。また、鏡面16bを作製する際に高精度な接着をする必要がなく、多極マグネット18の位置決めも容易なので極めて製造が容易であり、品質も安定化するという効果がある。
【0060】
また、鏡面16bと一体のロータ16に多極マグネット18が圧入により取り付けられているので、圧入による内部応力がロータ16と一体の鏡面16bに伝達されたり、遠心力により発生する内部応力が鏡面16bに伝達される虞があるが、本実施形態では、ロータ16の薄肉円筒部16cが、鏡面16bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されているので、圧入時や遠心力による内部応力が鏡面16bに伝達されるのを防止することができる。圧入時の内部応力が鏡面16bに伝達されて鏡面16bが変形するのを防止できるので、ロータ16の鏡面加工をした後に多極マグネット18を圧入することができる。
【0061】
また、圧入時の内部応力が鏡面16bに伝達されないようにするためには、先ず薄肉円筒部16cの内周面に多極マグネット18を圧入する。その後に焼鈍加工して加工ヒステリシスを除去し、その後に鏡面加工するようにしてもよいが、この場合には焼鈍加工が必要となる。
【0062】
この回転子11を形成するための加工製造工程を以下に示す。
アルミニウム合金平板材料よりプレス加工により薄肉円筒部16cを形成する。このとき、プレス加工工法における精度出しにより回転軸を圧入するための中心孔16aも合わせて加工を行う。アルミニウム合金平板からプレス加工工法により薄肉円筒部16cを形成する例を挙げたが、アルミニウム合金棒状材料より切削による削り出し加工工法により薄肉円筒部16cの形成を行うことも可能である。
【0063】
図4はロータの中心孔に回転軸の圧入を行っている状況を示す縦断側面図である。
次に、図4に示すように、ロータ16の中心孔16aに回転軸17を圧入する。
【0064】
図5は加工用治具にロータを装着・固定し、摺面を平面視正多角形に切削鏡面仕上げする状況を示す縦断側面図である。
次に、図5に示すように、ロータ16の周面を平面視正多角形に切削鏡面仕上げするために中心孔16aに挿入された回転軸17を把持すべく加工用治具23に装着・固定する。
【0065】
図6(A)は洗浄・蒸着用治具24にカラー25を介してロータ16を複数個装着している状況の縦断側面図であり、図6(B)は洗浄・蒸着用治具25とロータ16とを示す分解斜視図である。図6(A)に示すようにロータ16と25とを交互に積層して枠体24bと蝶ねじ24aで固定する。
鏡面加工実施後に、加工用切削油の洗浄を行うべく洗浄・蒸着用治具24に積載し、洗浄槽にて洗浄を実施する。
【0066】
次に、切削鏡面仕上げしてなる加工面を保護するために洗浄・蒸着用治具24ごと蒸着機に投入し、保護膜の蒸着を実施する。
【0067】
図7は多極マグネットをロータの環状突起部の内周に沿わせて圧入を行っている状況を示す縦断側面図である。
図7に示すように、ロータ16の周面を切削鏡面仕上げし、鏡面16bを蒸着処理されたロータ16に対して多極マグネット18を圧入治具26にて挿入する。多極マグネット18の圧入は予め鏡面加工実施前に行っておく工程でも可能である。
【0068】
このとき、前記ロータ16は周面を平面視正多角形に切削鏡面仕上げしてなる鏡面16bとなっているが多極マグネット18の圧入方向に対して、前記ロータ16の平面視正多角形の下底面16dと多極マグネット18との間に離間する領域27を有する。この離間する領域27により、多極マグネット18の圧入時の圧入力によるロータ16の鏡面16bの面形状への影響を防止することが出来る。
【0069】
図8は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
図8に示すように、この参考例では、ロータ28の形状が異なり、他は実施形態と同様である。
【0070】
図9は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
図9に示すように、この参考例では、ロータ28の形状が異なり、他は実施形態と同様である。
【0071】
参考例では、ロータにマグネットを装着した回転子と、前記回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置の回転体において、前記ロータを正角柱に形成し、前記ロータに回転軸を挿入し、前記ロータに挿入した回転軸を把持して前記ロータの正角柱の各側面を切削鏡面加工することを特徴とするポリゴンミラースキャナ装置の加工製造工程によれば、ロータにマグネットを装着した回転子と、前記回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の薄肉円筒部を形成したことを特徴としたポリゴンミラースキャナ装置に対して、マグネット等の高精度な位置決めの接着等を要せず、且つロータに鏡面を構成するロータと別体のミラーチップ等を付加することなく、回転軸を中心として回転軸から均等距離にポリゴンミラーの各面を形成することで回転軸に対する反射点位置ずれのない高精度且つ、経時的に性能に変化のない回転体を加工製造することが出来る。
【0072】
また、参考例のポリゴンミラースキャナ装置においては、ロータにマグネットを装着した回転子と、該回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置に対して、前記ロータを正角柱に形成して、ローラの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面に薄肉円筒部を形成することを特徴としたポリゴンミラースキャナ装置を対象としている。
【0073】
この構成のポリゴンミラースキャナ装置では、ロータに鏡面を構成するロータと別体のミラーチップ等を付加する必要がないので、部品点数を増加することなく、且つ薄肉円筒部に対してマグネットを高精度な位置決めの接着等を要しない方法で製造することが出来るので、そのために加工製造工程を考案する。
【0074】
図10はポリゴンミラースキャナ装置の回転子の鏡面切削加工時の縦断側面図であり、図11は切削油が浸透してきている場合の状態図である。
鏡面切削では回転スピンドル30に取り付けられたダイヤモンドバイトによりロータ16の周面が切削されることにより鏡面仕上げされるが、このとき、切削点でのダイヤモンドバイトの温度上昇の低減と非切削物のダイヤモンドバイトへの付着防止等の目的で灯油成分を含んだ切削油31が噴射機32から切削点に向けて噴射される。
【0075】
マグネットに使用されるプラスチックであるために切削油を浴びると軟化・膨潤してしまう。そのため、図10のように加工治具23にロータ16の下端面を密着させている。
切削油は毛細管現象により加工治具23とロータ16との接触面に浸透し、僅かであるが、図11に示すように、ロータ16の内側に到達してしまう。
【0076】
図12は実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
図12に示すように、浸透した、切削油が多極マグネット18に到達・接触しないように圧入された多極マグネット18の下端面が多極マグネットを圧入するロータ16の薄肉円筒部16c下端面に至らない構造とする。
【0077】
図13(A)は実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の鏡面切削加工時の縦断側面図であり、(B)は切削油が浸透してきている場合の状態図である。
切削油は毛細管現象により加工治具23とロータ16との接触面に浸透するが、図12のように多極マグネット18を圧入する薄肉円筒部16c下端面に多極マグネット18の下端が至らない構造とすることで、浸透してきた切削油は重力に逆らい上方のマグネットまで到達することはない。
【0078】
図14は実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
図14に示すように、ロータ16の内側に多極マグネット18との間に段差16gを設けても良い。
【0079】
図15は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
この場合も図12の実施形態とロータ16の形状が異なるが、多極マグネット18の下端と薄肉円筒部16cの下端との関係は図12と同様に、多極マグネット18の下端の方が薄肉円筒部16cの下端より上方に配置されている。
【0080】
図16は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
この場合も図12の実施形態と図15の参考例のロータ16の形状が異なるが、多極マグネット18の下端と薄肉円筒部16cの下端との関係は図12、15と同様に、多極マグネット18の下端の方が薄肉円筒部16cの下端より上方に配置されている。
【0081】
上記の実施形態では、ロータにマグネットを装着した回転子と、該回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の薄肉円筒部を有し、この薄肉円筒部に配置されたマグネットの下面がロータの環状の薄肉円筒部下面に至らない構造を形成したことを特徴とするポリゴンミラースキャナ装置によれば、ロータにマグネットを装着した回転子と該回転子の回転軸と前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の薄肉円筒部を形成した構造に対し、マグネット圧入した状態で、マグネットが切削油の影響を受けることなく、ロータの正角柱の切削加工を実施して鏡面をなすことが出来るので、回転軸を中心として回転軸から均等距離にポリゴンミラーの各面を形成することで回転軸に対する反射点位置ずれのない高精度且つ、経時的に性能に変化のない回転体を提供することができる。
【0082】
図17は実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の高速回転時におけるマグネットの遠心力に対するミラー面への影響を防止していることを示す図である。
図17に示すように、多極マグネット18の回転による遠心力は回転中心より外側の方向へ変形を及ぼそうとするが、ロータ16の下底面と多極マグネット18の上面との間に離間する領域16hを有していることにより、変形力がミラー面部へは及ばずロータ16の鏡面部16bの面形状への影響を防止することが出来る。
【0083】
本発明では、ロータにマグネットを装着した回転子と、該回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の薄肉円筒部を形成すると共に、マグネットの圧入方向にマグネットの圧入圧がミラー面に影響を与えることを防止する構造を提供することを目的としている。
【0084】
そして、ロータにマグネットを装着した回転子と該回転子の回転軸と前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の薄肉円筒形状部を形成してポリゴンミラースキャナ装置を構成した場合には、ロータの正角柱の各側面の鏡面形成後に面形状がマグネット圧入圧の影響を受けることを防止することができる。
【0085】
また、このポリゴンミラースキャナ装置において、マグネット圧入時に前記ロータの正角柱部分を有する部分の下底面相当位置とマグネットとの離間領域を形成した場合には、高速回転時の遠心力を薄肉円筒形状部が撓んで吸収することが出来るので、鏡面が変形することのない回転子を製造することが出来る。
【0086】
また、本発明では、ロータにマグネットを装着した回転子と、該回転子の回転軸と、前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、高速回転時にマグネット部分にかかる遠心力の影響によるミラー面精度形状が悪化を防止することを目的としている。
【0087】
そして、ロータにマグネットを装着した回転子と該回転子の回転軸と前記マグネットに所定距離離間して対向するコイルを備えた固定子とを備えたポリゴンミラースキャナ装置において、前記ロータを正角柱に形成して、ロータの正角柱の各側面を鏡面としてポリゴンミラーを構成し、前記ロータの一方の底面にマグネット圧入用の突起部を形成すると共にマグネット圧入時に前記ロータの正角柱部分を有する部分の下底面相当位置とマグネットとの離間領域を有することで、高速回転時のマグネットにより発生する遠心力の影響をミラー面形状に伝えることがないので、ポリゴンミラースキャナ装置としてのジッタ特性を良好に保てる。
【0088】
図18は参考例に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図、図19は回転子部分の斜視図である。
【0089】
この参考例のポリゴンミラースキャナ装置110は、固定子部112と回転子部111とを備える周対向型ブラシレス直流モータを備えている。固定子部112は、ステータヨーク113と、ステータヨーク113の周面に固定された巻線コイル114と、ステータヨーク113内に設けた軸受115とを備えて構成されている。また、回転子部111は、中心孔116aに回転軸117が圧入されたロータ116と、ロータ116の周面を平面視正多角形に研削・研磨仕上げしてなる鏡面(正角柱の側面)116bと、ロータ116の下底面に多極マグネット118を内周に沿わせて圧入する環状の薄肉円筒部である突起部116cと、突起部116cに圧入されている多極マグネット118と、ロータ116の上底面に形成され突起部116cの下端部を嵌合する嵌合手段である環状溝部116hとから構成されている。
【0090】
前記回転子部111は、回転軸117を介して固定子部112の軸受115で回動自在に軸支され、回転子部111の多極マグネット118と固定子部112の巻線コイル114とが周方向に対向してブラシレス直流モータを構成する。
【0091】
前記ロータ116は、アルミニウム合金製であり、その外形が正角柱に形成され、本参考例では平面視正六角形、即ち上底面及び下底面がいずれも正六角形に形成されている。また、ロータ116の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ116の周面と鏡面116bとが一体構造となってポリゴンミラーPが構成されている。さらに、ロータ116の中心孔116aにはロータ116に直交する方向に回転軸117が圧入されている。なお、本参考例では、ロータ116は正角柱のうち、底面が正六角形の場合のついて説明したが、正六角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0092】
また、前記ロータ116の突起部116cは、下面、即ち正角柱の下底面に下方に突出して、中心孔116a及び回転軸117と同心に設けられ、この突起部116cの内周に沿わせて環状の多極マグネット118が圧入される。ロータ116の上面、即ち正角柱の上底面に上方に突出して、中心孔116a及び回転軸117と同心の積層用の環状溝部116hが一体形成されている。この環状溝部116hにより、後述するように加工時の締結力による変形を防止することができる。
【0093】
なお、前記ロータ116の突起部116cは、上面、即ち正角柱の上底面に上方に突出して、中心孔116a及び回転軸117と同心に設けられ、この突起部116cの内周に沿わせて環状の多極マグネット118が圧入されるようにしてもよい。
【0094】
前記ロータ116の突起部116cは、鏡面116bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されている。即ち、偏倚した位置は、径方向の偏倚が鏡面116bから所定距離中心寄りの位置であって、軸方向の偏倚が鏡面に対向しない位置である。
【0095】
また、突起部116cの軸方向の長さは、図18,図19に示すように、圧入される多極マグネット118の長さより短く形成されているので、多極マグネット118の圧入時に多極マグネット118からロータ116に作用する力を拡散させることができる。このように突起部116cの長さを多極マグネット118の長さと変えることによっても、内部応力を逃がすことができる。
【0096】
この参考例のポリゴンミラースキャナ装置110は、ロータ116の周面が鏡面116bであるので、ミラーチップ、蒸着膜等の他の部材をロータの周面に取り付ける必要がなく、部品点数が増加しない。また、高精度な接着が不要であり、遠心力により鏡面が剥離することがない。
【0097】
また、ポリゴンミラーPはロータ116の周面に鏡面116bを一体形成しているので、小型化でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に組み込む際に小さな占有スペースですみ、画像形成装置の小型化に寄与することができる。
【0098】
また、ポリゴンミラーPはアルミニウム合金製のロータ116の周面に鏡面116bを一体形成しているので、回転子部111の軽量化を図ることが出来、振動・騒音に対して有利である。
【0099】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置110は、ロータ116の下面に突起部116cを有するので、多極マグネット118を回転軸117と同心に位置決めすることが容易であり、高精度な位置合わせが不要であり、その上多極マグネット118と回転軸117とが偏心することがない。したがって、偏心によって動バランスが崩れることがなく、ジッター特性の悪化を防止できるとともに、振動や騒音の発生を防止することができる。
【0100】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置110は、ロータ116の下面に突起部116cを有するので、多極マグネット118の圧入が容易であり、多極マグネット118がポリゴンミラーPの径方向に位置決めされて保持されているので、遠心力により剥離することがない。
【0101】
このように、参考例のポリゴンミラースキャナ装置110は、遠心力により鏡面116bや多極マグネット118が剥離することがないので、高耐久性を有する。また、鏡面116bを作製する際に高精度な接着をする必要がなく、多極マグネット118の位置決めも容易なので極めて製造が容易であり、品質も安定化するという効果がある。
【0102】
また、鏡面116bと一体のロータ116に多極マグネット118が圧入により取り付けられているので、圧入による内部応力がロータ116と一体の鏡面116bに伝達されたり、遠心力により発生する内部応力が鏡面116bに伝達される虞があるが、本参考例では、ロータ116の突起部116cが、鏡面1116bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されているので、圧入時や遠心力による内部応力が鏡面116bに伝達されるのを防止することができる。圧入時の内部応力が鏡面116bに伝達されて鏡面116bが変形するのを防止できるので、ロータ116の鏡面加工をした後に多極マグネット18を圧入することができる。
【0103】
また、圧入時の内部応力が鏡面116bに伝達されないようにするためには、先ず突起部116cの内周面に多極マグネット118を圧入する。その後に焼鈍加工して加工ヒステリシスを除去し、その後に鏡面加工するようにしてもよいが、この場合には焼鈍加工が必要となる。
【0104】
図20(A)はポリゴンミラーの突起部の変形例を示す底面図、(B)は突起部の他の変形例を示す底面図である。
【0105】
図20(A)に示すように、突起部116cは6等分に分割され、各々が同一形状の円弧状突起部116dに形成され、各円弧状突起部116dの中心が頂角116fに対応して配置されている。
【0106】
このように突起部116cを分割することにより、多極マグネット118の圧入時に突起部を構成する円弧状突起部116dの変形が容易となり、多極マグネット118の圧入が容易である。また、ポリゴンミラーPのブランクとして変形しにくい材料を使用することもできる。
【0107】
なお、この変形例では6分割したが、各々の円弧状突起部116dを周方向に2等分して12分割してもよい。即ち、正多角柱がn角形を有する場合には、a×n(aは自然数)分割することが動バランス上望ましい。
【0108】
また、図20(B)に示すように、6等分された円弧状突起部116dの端部間を頂角に対応する様に配置してもよい。
【0109】
図21は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
参考例のポリゴンミラースキャナ装置120は、固定子部122と回転子部121とを備える面対向型ブラシレス直流モータを備えている。固定子部122は、ステータヨーク123と、ステータヨーク123の上面に固定された巻線コイル124と、ステータヨーク123の中央部に設けた軸受125とを備えて構成されている。また、回転子部121は、中心孔126aに回転軸127が圧入されたロータ126と、ロータ126の周面を平面視正多角形に研削・研磨仕上げしてなる鏡面(正角柱の側面)116bと、ロータ126の下面に多極マグネット128を内周に沿わせて圧入する環状の突起部126cと、突起部126cに圧入されている多極マグネット128と、ロータ126の上底面に形成され突起部126cの下端部を嵌合する環状溝部116hとから構成されている。回転子部121は回転軸127を介して固定子部122の軸受125で回動自在に軸支され、回転子部121の多極マグネット128と固定子部122の巻線コイル124とが面方向に対向してブラシレス直流モータを構成する。
【0110】
前記ロータ126は、参考例のロータ16と同様に、アルミニウム合金製であり、その外形が正角柱に形成され、参考例では平面視正六角形、即ち上底面及び下底面がいずれも正六角形に形成されている。また、ロータ126の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ126の周面と鏡面126bとが一体構造となってポリゴンミラーPが構成されている。さらに、ロータ126の中心孔126aにはロータ126に直交する方向に回転軸127が圧入されている。なお、本参考例では、ロータ126は正角柱のうち、底面が正六角形の場合のついて説明したが、正六角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0111】
また、前記ロータ126の突起部126cは、下面、即ち正角柱の底面に下方に突出して、中心孔126a及び回転軸127と同心に設けられ、この突起部126cの内周に沿わせて環状の多極マグネット128が圧入される。
【0112】
前記ロータ126の突起部126cは、鏡面126bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されている。即ち、径方向の偏倚は鏡面から所定距離中心寄りの位置であって、軸方向の偏倚は鏡面に対向しない位置である。
【0113】
図22の面対向型のポリゴンミラースキャナ装置の場合も上述した図18の周対向型のポリゴンミラースキャナ装置の場合と同様の作用効果を有している。
【0114】
図22は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。なお、図22〜図24の参考例においては、図18の参考例と同様の部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0115】
参考例のポリゴンミラースキャナ装置130は、図18の実参のポリゴンミラースキャナ装置110において、多極マグネット圧入用の突起部116cの一部、即ち内周面下部の一部を切り欠いて切り欠き部116eを形成し、多極マグネット118を圧入したものであり、圧入時の突起部116cの変形を容易にしている。
【0116】
図23は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。この参考例のポリゴンミラースキャナ装置140は、図18の参考例のポリゴンミラースキャナ装置110において、突起部116cの一部、即ち外周面上端部を切り欠いて切り欠き部116eを形成し、多極マグネット118を圧入したものであり、圧入時の突起部116cの変形を容易にしている。
【0117】
図24は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。この参考例のポリゴンミラースキャナ装置150は、図18の参考例のポリゴンミラースキャナ装置110において、突起部116cの一部、即ち外周をテーパ状に切り欠いて多極マグネット118を圧入したものであり、圧入時の突起部の変形を容易にしている。
【0118】
なお、図22〜図24において、参考例の周対向型のブラシレスモータの場合について説明したが、図21の参考例の面対向型のブラシレスモータの場合に適用することもできる。
【0119】
図25はポリゴンミラーの変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【0120】
このポリゴンミラーブランクpは、ロータ116と、ロータ116から下方に突出する多極マグネット圧入用の突起部116cと、ロータ116の上面の突起部116c上に突起部116cを嵌合可能な環状溝部116hとから構成されている。この研削前のポリゴンミラーブランクpを図25(A)のように、下側のポリゴンミラーブランクpの環状溝部116hに上側のポリゴンミラーブランクpの突起部116cを挿入して積層する。このとき、環状溝部116hの深さが突起部116cの軸方向の長さより短く形成されているので、2つのポリゴンミラーブランクpは、ロータ116同士が互いに接触することがなく、環状溝部116hの内周面と突起部1116cの下端部とが接触し、軸方向および径方向に位置決めされる。またロータ同士が接触しないので、研削・研磨加工時にロータ面を傷つけることがない。
【0121】
このポリゴンミラーブランクの積層体を図25(B)に示すように、最上層のポリゴンミラーブランクpの環状溝部116h内に端部が挿入される第1治具119cと最下層のポリゴンミラーブランクpの突起部116cの下端面に当接する板状の第2治具119dとで積層体を挟持し、ボルト状固定具119aを第1治具119c及び第2治具119dの中心孔とポリゴンミラーブランクpの中心孔116aに挿通し、ナット状固定具119bで締結することにより一体的に固定することができる。このように一体的に固定した積層体の各ポリゴンミラーブランクpの外周面を同時に研削・研磨仕上げ加工することができる。従って、研削・研磨工程の効率化を図ることができる。また、固定具からポリゴンミラーブランクpに加わる締結力が軸と平行な一直線上となるので、ポリゴンミラーPの変形を防止することができる。
【0122】
図26はポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図、図27は同要部拡大図である。
【0123】
このポリゴンミラーブランクは、図25のポリゴンミラーブランクpの突起部116cの下端面を中心に向かう傾斜面、即ち環状の突起部の内径が先端に向かって拡開するテーパ面116iに形成し、環状溝部の底面を突起部116cを挿入したときに突起部116cのテーパ面116iに倣う傾斜面、即ちテーパ面116jに形成したものである。このように形成することにより、突起部116cから溝部に伝達される締結力による内部応力が中心に向かうので、内部応力により鏡面が変形するのを防止することができる。また、多極マグネットを挿入する際に、傾斜面116iでガイドすることができるので、挿入が容易である。さらに、傾斜面116iが形成されているので、積層したポリゴンミラーブランクpを取り外すのが容易である。なお、傾斜面116iが形成された突起部116cの外周面と溝部の外周面との間にクリアランスを設けることにより、突起部116cから鏡面方向に圧入時の内部応力をより完全に防止することができる。
【0124】
図28は参考例に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図、図29は回転子部分の斜視図である。
【0125】
この参考例のポリゴンミラースキャナ装置210は、固定子部212と回転子部211とを備える周対向型ブラシレス直流モータを備えている。固定子部212は、ステータヨーク213と、ステータヨーク213の周面に固定された巻線コイル214と、ステータヨーク213内に設けた軸受215とを備えて構成されている。また、回転子部211は、中心孔216aに回転軸217が圧入されたロータ216と、ロータ216の周面を平面視正多角形に研削・研磨仕上げしてなる鏡面(正角柱の側面)216bと、ロータ216の下底面に多極マグネット218を内周に沿わせて圧入する環状の突起部216cと、突起部216cに圧入されている多極マグネット218と、ロータ216の上底面に上方に突出する積層用突起部216gとから構成されている。
【0126】
前記回転子部211は、回転軸217を介して固定子部212の軸受215で回動自在に軸支され、回転子部211の多極マグネット218と固定子部212の巻線コイル214とが周方向に対向してブラシレス直流モータを構成する。
【0127】
前記ロータ216は、アルミニウム合金製であり、その外形が正角柱に形成され、本参考例では平面視正六角形、即ち上底面及び下底面がいずれも正六角形に形成されている。また、ロータ216の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ216の周面と鏡面216bとが一体構造となってポリゴンミラーPが構成されている。さらに、ロータ216の中心孔216aにはロータ216に直交する方向に回転軸217が圧入されている。なお、本参考例では、ロータ216は正角柱のうち、底面が正六角形の場合のついて説明したが、正六角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0128】
また、前記ロータ216の突起部216cは、下面、即ち正角柱の下底面に下方に突出して、中心孔216a及び回転軸217と同心に設けられ、この突起部216cの内周に沿わせて環状の多極マグネット218が圧入される。ロータ216の上面、即ち正角柱の上底面に上方に突出して、中心孔216a及び回転軸217と同心の環状の積層用突起部216gが一体形成されている。
【0129】
なお、前記ロータ216の突起部216cは、上面、即ち正角柱の上底面に上方に突出して、中心孔216a及び回転軸217と同心に設けられ、この突起部216cの内周に沿わせて環状の多極マグネット218が圧入されるようにしてもよい。
【0130】
前記ロータ216の突起部216cは、鏡面216bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されている。即ち、偏倚した位置は、径方向の偏倚が鏡面216bから所定距離中心寄りの位置であって、軸方向の偏倚が鏡面に対向しない位置である。
【0131】
また、突起部216cの軸方向の長さは、図28,図29に示すように、圧入される多極マグネット218の長さより短く形成されているので、多極マグネット218の圧入時に多極マグネット218からロータ216に作用する力を拡散させることができる。このように突起部216cの長さを多極マグネット218の長さと変えることによっても、内部応力を逃がすことができる。
【0132】
この参考例のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ216の周面が鏡面216bであるので、ミラーチップ、蒸着膜等の他の部材をロータの周面に取り付ける必要がなく、部品点数が増加しない。また、高精度な接着が不要であり、遠心力により鏡面が剥離することがない。
【0133】
また、ポリゴンミラーPはロータ216の周面に鏡面216bを一体形成しているので、小型化でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に組み込む際に小さな占有スペースですみ、画像形成装置の小型化に寄与することができる。
【0134】
また、ポリゴンミラーPはアルミニウム合金製のロータ216の周面に鏡面216bを一体形成しているので、回転子部211の軽量化を図ることが出来、振動・騒音に対して有利である。
【0135】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置210は、ロータ216の下面に突起部216cを有するので、多極マグネット218を回転軸217と同心に位置決めすることが容易であり、高精度な位置合わせが不要であり、その上多極マグネット218と回転軸217とが偏心することがない。したがって、偏心によって動バランスが崩れることがなく、ジッター特性の悪化を防止できるとともに、振動や騒音の発生を防止することができる。
【0136】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置210は、ロータ216の下面に突起部216cを有するので、多極マグネット218の圧入が容易であり、多極マグネット218がポリゴンミラーPの径方向に位置決めされて保持されているので、遠心力により剥離することがない。
【0137】
このように、参考例のポリゴンミラースキャナ装置210は、遠心力により鏡面216bや多極マグネット218が剥離することがないので、高耐久性を有する。また、鏡面216bを作製する際に高精度な接着をする必要がなく、多極マグネット218の位置決めも容易なので極めて製造が容易であり、品質も安定化するという効果がある。
【0138】
また、鏡面216bと一体のロータ216に多極マグネット218が圧入により取り付けられているので、圧入による内部応力がロータ216と一体の鏡面216bに伝達されたり、遠心力により発生する内部応力が鏡面216bに伝達される虞があるが、本参考例では、ロータ216の突起部216cが、鏡面216bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されているので、圧入時や遠心力による内部応力が鏡面216bに伝達されるのを防止することができる。圧入時の内部応力が鏡面216bに伝達されて鏡面216bが変形するのを防止できるので、ロータ216の鏡面加工をした後に多極マグネット218を圧入することができる。
【0139】
また、圧入時の内部応力が鏡面216bに伝達されないようにするためには、先ず突起部216cの内周面に多極マグネット218を圧入する。その後に焼鈍加工して加工ヒステリシスを除去し、その後に鏡面加工するようにしてもよいが、この場合には焼鈍加工が必要となる。
【0140】
図30(A)はポリゴンミラーの突起部の変形例を示す底面図、(B)は突起部の他の変形例を示す底面図である。
【0141】
図30(A)に示すように、突起部216cは6等分に分割され、各々が同一形状の円弧状突起部216dに形成され、各円弧状突起部216dの中心が頂角216fに対応して配置されている。
【0142】
このように突起部216cを分割することにより、多極マグネット218の圧入時に突起部を構成する円弧状突起部216dの変形が容易となり、多極マグネット218の圧入が容易である。また、ポリゴンミラーPのブランクとして変形しにくい材料を使用することもできる。
【0143】
なお、この変形例では6分割したが、各々の円弧状突起部216dを周方向に2等分して12分割してもよい。即ち、正多角柱がn角形を有する場合には、a×n(aは自然数)分割することが動バランス上望ましい。
【0144】
また、図30(B)に示すように、6等分された円弧状突起部216dの端部間を頂角に対応する様に配置してもよい。
【0145】
図31は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
参考例のポリゴンミラースキャナ装置220は、固定子部222と回転子部221とを備える面対向型ブラシレス直流モータを備えている。固定子部222は、ステータヨーク223と、ステータヨーク223の上面に固定された巻線コイル224と、ステータヨーク223の中央部に設けた軸受225とを備えて構成されている。また、回転子部221は、中心孔226aに回転軸227が圧入されたロータ226と、ロータ226の周面を平面視正多角形に研削・研磨仕上げしてなる鏡面(正角柱の側面)226bと、ロータ226の下面に多極マグネット228を内周に沿わせて圧入する環状の突起部226cと、突起部226cに圧入されている多極マグネット228とから構成されている。回転子部221は回転軸227を介して固定子部222の軸受225で回動自在に軸支され、回転子部221の多極マグネット228と固定子部222の巻線コイル224とが面方向に対向してブラシレス直流モータを構成する。
【0146】
前記ロータ226は、参考例のロータ116と同様に、アルミニウム合金製であり、その外形が正角柱に形成され、本参考例では平面視正六角形、即ち上底面及び下底面がいずれも正六角形に形成されている。また、ロータ226の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ226の周面と鏡面226bとが一体構造となってポリゴンミラーPが構成されている。さらに、ロータ226の中心孔226aにはロータ226に直交する方向に回転軸227が圧入されている。なお、本参考例では、ロータ226は正角柱のうち、底面が正六角形の場合のついて説明したが、正六角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0147】
また、前記ロータ226の突起部226cは、下面、即ち正角柱の底面に下方に突出して、中心孔226a及び回転軸227と同心に設けられ、この突起部226cの内周に沿わせて環状の多極マグネット228が圧入される。
【0148】
前記ロータ226の突起部226cは、鏡面226bに対してポリゴンミラーPの径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されている。即ち、径方向の偏倚は鏡面から所定距離中心寄りの位置であって、軸方向の偏倚は鏡面に対向しない位置である。
【0149】
図31の面対向型のポリゴンミラースキャナ装置の場合も上述した図1の周対向型のポリゴンミラースキャナ装置の場合と同様の作用効果を有している。
【0150】
図32は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。なお、図32〜図34の参考例においては、図28の参考例と同様の部分には同一の符号を付しその説明を省略する。また、積層用の突起部は、図28の参考例と同様であるので、その説明及び図示を省略している。
【0151】
参考例のポリゴンミラースキャナ装置230は、図28の参考例のポリゴンミラースキャナ装置210において、多極マグネット圧入用の突起部216cの一部、即ち内周面下部の一部を切り欠いて切り欠き部216eを形成し、多極マグネット218を圧入したものであり、圧入時の突起部216cの変形を容易にしている。
【0152】
図33は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。この参考例のポリゴンミラースキャナ装置240は、図28の参考例のポリゴンミラースキャナ装置210において、突起部216cの一部、即ち外周面上端部を切り欠いて切り欠き部216eを形成し、多極マグネット218を圧入したものであり、圧入時の突起部216cの変形を容易にしている。
【0153】
図34は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。この参考例のポリゴンミラースキャナ装置250は、図28の参考例のポリゴンミラースキャナ装置210において、突起部216cの一部、即ち外周をテーパ状に切り欠いて多極マグネット218を圧入したものであり、圧入時の突起部の変形を容易にしている。
【0154】
なお、図32〜図34において、参考例第の周対向型のブラシレスモータの場合について説明したが、図31の参考例の面対向型のブラシレスモータの場合に適用することもできる。
【0155】
図35はポリゴンミラーの鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーブランクを固定した状態を示す。
【0156】
このポリゴンミラーブランクは、図28のポリゴンミラースキャナのポリゴンミラーPの鏡面216bを切削・研磨加工するためのものであり、外周が研削・研磨加工される前のロータ216と、ロータ216から下方に突出する多極マグネット圧入用の突起部216cと、ロータ216から上方に突出して、積層した他のポリゴンミラーブランクpの突起部216cの外周に内周が隣接するリング状の積層用突起部216gとから構成されている。この研削前のポリゴンミラーブランクpを図35(A)のように、下側のポリゴンミラーブランクpの積層用突起部216gを上側のポリゴンミラーブランクpの多極マグネット圧入用の突起部216cの外側に挿入して積層する。
【0157】
このとき、積層用突起部216gの軸方向の長さが多極マグネット圧入用の突起部216cの軸方向の長さより短く形成されているので、2つのポリゴンミラーブランクpは、積層用突起部216gの内周面と圧入用の突起部216cの外周面とが接触し、ロータ216の上面と圧入用の突起部216cの下端面とが接触し、軸方向および径方向に位置決めされる。
【0158】
このポリゴンミラーブランクpの積層体を図35(B)に示すように、最上層のポリゴンミラーブランクpの積層用突起部216gの内側に隣接し、圧入用の突起部216cに対応する位置に当接する第1治具219cと最下層のポリゴンミラーブランクpの突起部216cの下端面に当接する板状の第2治具219dとで積層体を挟持し、ボルト状固定具219aを第1治具219c及び第2治具219dの中心孔とポリゴンミラーブランクpの中心孔216aとに挿通し、ナット状固定具219bで締結することにより一体的に固定することができる。このように一体的に固定した積層体の各ポリゴンミラーブランクpの外周面を同時に研削・研磨仕上げして鏡面216bを加工することができる。従って、工数削減等により研削・研磨工程の効率化を図ることができる。
【0159】
また、固定具219a,219bからポリゴンミラーブランクpに加わる締結力が軸と平行な一直線上となるので、ポリゴンミラーPの変形を防止することができる。さらに、この参考例では、積層用突起部216gが圧入用の突起部216cの内周に接触することがないので、多極マグネット218を圧入・位置決めする突起部216cの内周面を傷付けることがない。したがって、多極マグネット218の圧入時に引っかかりを生じたり位置ずれを生じることがない。
で、ポリゴンミラーPの変形を防止することができる。
【0160】
なお、以上で2枚のポリゴンミラーブランクを積層した場合について説明したが、2枚以上積層してもよいのはもちろんである。
【0161】
図36はポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【0162】
このポリゴンミラーブランクは、ロータ216と、ロータ216から下方に突出する多極マグネット圧入用の突起部216cと、ロータ216から上方に突出して突起部216cの内周に外周が隣接するリング状の積層用突起部216gとから構成されている。この研削前のポリゴンミラーブランクpを図36(A)のように、下側のポリゴンミラーブランクpの積層用突起部216gを上側のポリゴンミラーブランクpの多極マグネット圧入用の突起部216cの内側に挿入して積層する。
【0163】
このとき、積層用突起部216gの軸方向の長さが多極マグネット圧入用の突起部216cの軸方向の長さより短く形成されているので、2つのポリゴンミラーブランクpは、積層用突起部216gの内周面と圧入用の突起部216cの外周面とが接触し、ロータ216の上面と圧入用の突起部216cの下端面とが接触し、軸方向および径方向に位置決めされる。
【0164】
このポリゴンミラーブランクpの積層体を図36(B)に示すように、最上層のポリゴンミラーブランクpの積層用突起部216gの外側に隣接し、圧入用の突起部216cに対応する位置に当接する第1治具219cと最下層のポリゴンミラーブランクpの突起部216cの下端面に当接する板状の第2治具219dとで積層体を挟持し、ボルト状固定具219aを第1治具219c及び第2治具219dの中心孔とポリゴンミラーブランクpの中心孔216aとに挿通し、ナット状固定具219bで締結することにより一体的に固定することができる。このように一体的に固定した積層体の各ポリゴンミラーブランクpの外周面を同時に研削・研磨仕上げして鏡面216bを加工することができる。従って、工数削減等により研削・研磨工程の効率化を図ることができる。また、固定具219a,219bからポリゴンミラーブランクpに加わる締結力が軸と平行な一直線上となるので、ポリゴンミラーPの変形を防止することができる。
【0165】
なお、図36の参考例において、図35の参考例と同様に、積層用突起部216gの軸方向の長さを多極マグネット圧入用の突起部216cの軸方向の長さより長く形成して、積層用突起部216gの外周面と圧入用の突起部216cの内周面とを接触させ、ロータ216の下面と圧入用の突起部216cの上端面とを接触させることにより、2つのポリゴンミラーブランクpを軸方向および径方向に位置決めするようにしてもよい。
【0166】
図37はポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【0167】
このポリゴンミラーブランクpは、ロータ216と、ロータ216から下方に突出する多極マグネット圧入用の突起部216cと、ロータ216の上面の突起部216c上に突起部216cを嵌合可能なリング状の溝部216hとから構成されている。この研削前のポリゴンミラーブランクpを図37(A)のように、下側のポリゴンミラーブランクpの溝部216hに上側のポリゴンミラーブランクpの突起部216cを挿入して積層する。このとき、溝部216hの深さが突起部216cの軸方向の長さより短く形成されているので、2つのポリゴンミラーブランクpは、ロータ216同士が互いに接触することがなく、溝部216hの内周面と突起部216cの下端部とが接触し、軸方向および径方向に位置決めされる。またロータ同士が接触しないので、研削・研磨加工時にロータ面を傷つけることがない。
【0168】
このポリゴンミラーブランクの積層体を図37(B)に示すように、最上層のポリゴンミラーブランクpの溝部216h内に端部が挿入される第1治具219cと最下層のポリゴンミラーブランクpの突起部216cの下端面に当接する板状の第2治具219dとで積層体を挟持し、ボルト状固定具219aを第1治具219c及び第2治具219dの中心孔とポリゴンミラーブランクpの中心孔216aに挿通し、ナット状固定具219bで締結することにより一体的に固定することができる。このように一体的に固定した積層体の各ポリゴンミラーブランクpの外周面を同時に研削・研磨仕上げ加工することができる。従って、研削・研磨工程の効率化を図ることができる。また、固定具からポリゴンミラーブランクpに加わる締結力が軸と平行な一直線上となるので、ポリゴンミラーPの変形を防止することができる。
【0169】
図38はポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図、図39は同要部拡大図である。
【0170】
このポリゴンミラーブランクは、図39のポリゴンミラーブランクpの突起部216cの下端面を中心に向かう傾斜面、即ち環状の突起部の内径が先端に向かって拡開するテーパ面216iに形成し、溝部の底面を突起部216cを挿入したときに突起部216cのテーパ面216iに倣う傾斜面、即ちテーパ面216jに形成したものである。このように形成することにより、突起部216cから溝部に伝達される締結力による内部応力が中心に向かうので、内部応力により鏡面が変形するのを防止することができる。また、多極マグネットを挿入する際に、テーパ面216iでガイドすることができるので、挿入が容易である。さらに、傾斜面216iが形成されているので、積層したポリゴンミラーブランクpを取り外すのが容易である。なお、傾斜面216iが形成された突起部216cの外周面と溝部の外周面との間にクリアランスを設けることにより、突起部216cから鏡面方向に圧入時の内部応力をより完全に防止することができる。
【0171】
(以下に、参考例のポリゴンミラースキャナ装置を示すと共に、ポリゴンミラーブランクの製造方法の一例として参考例のポリゴンミラースキャナ装置に用いるポリゴンミラーブランクの場合について示す。)
【0172】
図40は第18実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図であり、図41は同装置に用いる回転子部の分解斜視図であり、図42は同装置に用いる回転子部の断面図である。
【0173】
図40に示すように、このポリゴンミラースキャナ装置は、固定子部301と回転体である回転子部302とを備える周対向型ブラシレス直流モータを備えている。
【0174】
固定子部301は、ステータヨーク303と、ステータヨーク303の中空円筒状部303aの周面に固定された磁力発生用部材である駆動コイルとしての巻線コイル304と、ステータヨーク303内に設けたラジアル軸受305と、回転軸のスラスト方向を支持するスラスト軸受3010と、ステータヨーク303に取り付けられている制御基板309とを備えて構成されている。なお、巻線コイル304は制御基板309に固定されていても良い。
【0175】
又、回転子部302は、中心孔308cに回転軸306が圧入された、略正角柱形状(本参考例では平面視正六角形)のミラー・ロータとしてのロータ308と、ロータ308の周面を切削鏡面仕上げしてなる反射部としての鏡面(略正角柱の側面)308aと、ロータ308の第1の直交面部である下底面308eにエレメントである環状の多極マグネット307を内周に沿わせて圧入、接着等により固定する装着手段であるロータ部としての薄肉円筒部308bと、薄肉円筒部308bに圧入されている多極マグネット307とから構成されている。なお、本明細書中において、正角柱又は略正角柱とは、回転体としての必要な精度の動バランスを維持できる範囲内の変形を含むものとする。また、多極マグネットとしては、N,S一対のマグネットであってもよい。
【0176】
前記回転子部302は、回転軸306を介して固定子部301のラジアル軸受305及びスラスト軸受310で回動自在に軸支され、回転子部302の多極マグネット307と固定子部301の巻線コイル304とが周方向に所定距離離間して対向してブラシレス直流モータを構成する。即ち、巻線コイル304の外周の円筒面は、多極マグネット307の内周の円筒面に対して、ある間隔を一定に保ちつつ対向させている。
【0177】
図41,42に示すように、前記ロータ308は、アルミニウム合金製であり、その外形が略正角柱に形成され、本参考例では平面視正六角形、即ち第2の直交面部である上底面308f及び下底面308eがいずれも正六角形に形成されている。また、ロータ308の周面は、研削加工による鏡面仕上げとされ、ロータ308の周面と鏡面308aとが一体構造となってポリゴンミラーが構成されている。さらに、ロータ308の中心孔308cにはロータ308に直交する方向に回転軸306が圧入されている。なお、本参考例では、ロータ308は正角柱のうち、底面が正六角形の場合について説明したが、正六角形以外の正多角形であってもよいのはもちろんである。
【0178】
また、前記ロータ308の薄肉円筒部308bは、下面、即ち正角柱の下底面308eに下方に突出して、中心孔308c及び回転軸306と同心に設けられ、この薄肉円筒部308bの内周に沿わせて多極マグネット307が圧入される。
【0179】
この参考例のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ308の周面(側面)が鏡面308aであるので、ミラーチップ、蒸着膜等の他の部材をロータの周面に取り付ける必要がなく、部品点数及び組立工数を削減でき、コストも削減できる。また、高精度な接着が不要であり、遠心力等により鏡面が剥離することがない。
【0180】
また、ポリゴンミラーはロータ308の周面に鏡面308aを一体形成しているので、小型化でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に組み込む際に小さな占有スペースですみ、画像形成装置の小型化に寄与することができる。
【0181】
また、ポリゴンミラーはアルミニウム合金製のロータ308の周面に鏡面308aを一体形成しているので、回転子部302の軽量化を図ることが出来、振動・騒音の低減に対して有利である。特に、上記ロータ308は、高純度アルミニウム合金材から形成することができ、軽量で動バランスにも優れているので、高速回転化に対応でき、振動及び騒音の低減にも有利な構成である。
【0182】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ308の下面に突起部である薄肉円筒部308bを有するので、多極マグネット307を回転軸306と同心に位置決めすることが容易であり、高精度な位置合わせが不要であり、その上多極マグネット307と回転軸306とが偏心することがない。したがって、偏心によって動バランスが崩れることがなく、ジッター特性の悪化を防止できるとともに、振動や騒音の発生を防止することができる。
【0183】
また、この参考例のポリゴンミラースキャナ装置は、ロータ308の下面に薄肉円筒部308bを有するので、多極マグネット307の圧入が容易であり、多極マグネット307がポリゴンミラーの径方向に位置決めされて保持されているので、遠心力により剥離することがない。
【0184】
このように、本参考例のポリゴンミラースキャナ装置は、遠心力により鏡面308aや多極マグネット307が剥離することがないので、高耐久性を有する。また、鏡面308aを作製する際に高精度な接着をする必要がなく、多極マグネット307の位置決めも容易なので極めて製造が容易であり、品質も安定化するという効果がある。
【0185】
また、鏡面308aと一体のロータ308に多極マグネット307が圧入により取り付けられているので、圧入による内部応力がロータ308と一体の鏡面308aに伝達されたり、遠心力により発生する内部応力が鏡面308aに伝達される虞があるが、本参考例では、ロータ308の薄肉円筒部308bが、鏡面308aに対して径方向及び軸方向の何れにも偏倚した位置に配置されているので、圧入時や遠心力による内部応力が鏡面308aに伝達されるのを防止することができる。圧入時の内部応力が鏡面308aに伝達されて鏡面308aが変形するのを防止できるので、ロータ308の鏡面加工をした後に多極マグネット307を圧入することができる。
【0186】
さらに、上記のように、薄肉円筒部308bと一体の正角柱(例えば、正六角形を有する正角柱)の側面を反射面308aにした構成によれば、回転子部302を構成する部品点数を削減できるとともに、組立工数を削減することができ、これらによりコストを大幅に下げることができる。特に、ロータ308は、高純度アルミニウム合金材から形成することができるので、軽量で動バランスにも優れている。したがって、高速回転化に対応でき、振動及び騒音の低減にも有利な構成である。
【0187】
この回転子部2のミラーロータブランクを製造するための加工製造工程を以下に示す。
【0188】
以下、図43〜図46において本発明に係るロータのブランクの製造方法における参考例について説明をする。
図43はロータのブランクを製造するための鍛造金型の形状を示す図であり、(A)は鍛造押型の下面図であり、(B)は鍛造押型の断面図であり、(C)は鍛造受型の上面図であり、(D)は鍛造受型の断面図である。図44は鍛造材の形状を示す図であり、(A)は鍛造材の上面図であり、(B)は鍛造材の断面図である。
。
【0189】
図43に示すように、鍛造金型は受型312と押型311との二種の型を一式として構成されており、図43(B)には薄肉円筒部308b形成用の環状溝部311cと凹部形成用の凸部311dとを備えている押型断面311aが示され、図43(A)には押型の型面311bが示され、図43(D)にはロータの側面を形成する側面形成用凹部312dと回転軸把持部形成用凹部312cとを備える受型断面312aが示され、図43(C)には受型の型面312bがそれぞれ示されている。
【0190】
また、図44に示すように、鍛造材313は正多角形の鍛造材上面313aと、長方形の鍛造材側面313bとを有するごとく略正角柱形状をなしている。この鍛造材313の成形方法については、先ず、溶解したアルミニウム合金を押し出し型により成形した断面正多角形の棒材を作製し、この棒材を正多角形面にならって切断する。この正角柱形状の棒材を鍛造材313として使用する。この場合には切削工数が付加されないので、ブランク製造コスト上有利である。
また、鍛造材313の成形方法については、溶解したアルミニウム合金を棒状に押し出し成形した棒材ブランクを前記鍛造材313の形状に旋削したものを利用してもよい。
【0191】
図45は鍛造による製造工程について示す図である。なお、鍛造のために外力を金型に付加する鍛造設備ついては図中には記載していない。
図45(A)に示すように、先ず、鍛造設備中に設置された鍛造受型312の正多角形の外形枠である側面形成用凹部312dに対して、この側面形成凹部312dに嵌合し得る形状に形成された鍛造材313を鍛造受型312の側面形成用凹部312dに収まるように配置する。また、鍛造設備中に設置された鍛造受型312に設置された鍛造材313に対し、鍛造受型312と同様に、鍛造設備中に設置された鍛造押型311を鍛造受型312と対を成して配置する。
【0192】
次に、図45(B)に示すように、鍛造押型311を矢印の方向に移動して鍛造材313を加圧し、鍛造押型311と鍛造受型312とで形成される空間内に鍛造材313を鍛圧・変形する。
次に、図45(C)に示すように、鍛造押型311と鍛造受型312とを開放して、鍛造品314を取り出す。
【0193】
図46は図45で作製した鍛造品をロータブランクに仕上げる工程を示している。
先ず、図46(A)の予備加工工程に示すように、旋盤加工器(図示せず)等の加工機械において、鍛造品314の薄肉円筒部314aの開放側より、回転中心が加工機械精度により保証されているインナーチャック317を挿入して鍛造品314を把持する。
【0194】
次に、矢印▲1▼の方向に旋盤加工器の切削バイト315により、鍛造時の予備構造である鍛造用突起319を削除する。続いて矢印▲2▼の方向に旋盤加工器の切削バイト315により、反射部より上部に突出している円筒形部分の回転軸把持部308dの外周を切削する。これらの工程は、後述する図46(B)に示す回転軸306を嵌合するための孔部308cを加工するための準備工程であり、必要が無ければ、何れかの切削処理を割愛しても構わない。
【0195】
次に、図46(B)に示すように、図46(A)で予備加工が終わった鍛造品314を反射部308aより上部に突出している円筒形部分の外周を把持するようにアウターチャック318に持ち替える。続いて、矢印▲3▼の方向に旋盤加工器の切削バイト315により、鍛造時の予備構造である鍛造用突起320を削除する。必要が無ければ、この切削処理を割愛しても構わない。
次に、矢印▲4▼の方向に旋盤加工器のボーリングバイト316を用いて回転軸306を嵌合するための孔部308cを形成する。
【0196】
上記の工程を経ることにより、図46(C)に示すロータブランク321が形成される。
以上の工程により形成されたロータブランク321の反射部に鏡面切削加工を行われたミラー・ロータであるロータ308は、従来のポリゴンスキャナにおけるポリゴンミラーをポリゴンミラー支持部材に固定する構造に対して、構成部品・部材が少なくなり、またポリゴンミラーとポリゴンミラー支持部材に相対した位置決めに関する高度な計測方法や固定精度を考慮した組付け工程の必要がなくなる。
【0197】
また、ミラー及びロータが一体構造となるので、高速回転がポリゴンスキャナモータの回転子部に経時的に及ぼす影響としての、遠心力や熱に起因した、ポリゴンミラーのポリゴンミラー支持部材への押え力の変化による回転中心に対する、位置ずれや面精度形状の悪化を懸念する必要が無くなる。
【0198】
図47はロータブランクに回転軸を嵌合するための工程を示したものである。回転軸把持部308dを焼バメ用熱源322に設置し、ロータブランク321を加熱し、焼バメ温度に到達した時点で回転軸306を挿入する。回転軸306を嵌合する方法としては、従来では回転軸306をポリゴンミラー支持部材に圧入する方式等が一般的である。しかし、本参考例では、図46(B)にて形成した回転軸6用の孔部308cの加工精度に対する回転軸306の嵌合精度が焼バメにより嵌合する方が、嵌合時に不測の外力を受けること無く嵌合できるため、ロータブランク321の回転中心と回転軸306の軸心が従来より高精度に維持される。
【0199】
図48は回転子部の基部となる構造を示す図である。
図48に示すように、焼バメにより回転軸306がロータブランク321に嵌合されたロータ308は、回転子部302の基部となる構造を有している。
【0200】
(次に、参考例の回転子部に用いるポリゴンミラーブランクの場合について示す。)
図49は、参考例のポリゴンミラースキャナ装置に用いる回転子部302を示す断面図である。ロータ408の形状が異なる他は、上記参考例と同じ構成である。
図49に示すように、参考例のポリゴンミラースキャナ装置に用いるロータ408は、上下2段に鏡面308aを形成して構成されている。
【0201】
図45及び図46の製造工程は、図49に示される参考例においても同様に適応される。この場合には、上下に分かれている反射部308aの間の薄肉円筒部308bに対する切削工程が付加されることになる。
【0202】
ところで、ポリゴンミラーを回転駆動するポリゴンスキャナモータは、技術の進歩に伴ない回転数の高速化が要求される。高速回転化に伴ない、ロータの回転中心に対するポリゴンミラーの中心位置精度や各反射面の面精度等面状態が高精度であることが要求される。仮に、これらの要求精度を満たしていなければ、回転中心の位置ずれ、偏重心等によって円滑な回転状態を得ることができず、高速化が不可能であるばかりでなく、振動、騒音、線像の乱れと言ったさまざまな問題が生じる。
【0203】
従来のねじ止めによるポリゴンミラーの固定方法は、ねじ締めつけ時に各ねじ部の部品精度のバラツキから来る締付トルクのバラツキの発生が避けられず、又ねじや座金が必要であるため部品点数が増加すること、ポリゴンミラーへの穴加工・ポリゴンミラー支持部材へのタップ穴加工が必要であり、これが部品精度を劣化させる原因となっている。また、ばね押しによるポリゴンミラーの固定方法は、ねじ止めの欠点を解消しているがばね定数のバラツキによりポリゴンミラーへの押え力が変化し、弱ければポリゴンミラーが動き、強ければポリゴンミラーを変形させることになる。また、接着によるポリゴンミラーの固定方法は塗布量のバラツキによりアンバランスを多く発生させ、未硬化の液の飛散、回転により発生する熱により変形したり、それに伴なうアンバランス発生の原因となっている。また、弾性体の介在によるポリゴンミラーの固定方法は熱ストレスによるクリープ変化が生じ、押え力が弱まりポリゴンミラーが動くことになる。
【0204】
これらの従来のポリゴンミラー、ポリゴンミラー支持部材におけるポリゴンミラー固定方法においては、ポリゴンミラー及びポリゴンミラー支持部材以外にも部品・部材が必要となり、またポリゴンミラーとポリゴンミラー支持部材に相対した位置決めに関する高度な計測方法や固定精度を考慮した組付け工程が要求されるので経済的にも高価となる。
【0205】
また、高速回転がポリゴンスキャナモータの回転子部に経時的に及ぼす影響としては、遠心力や熱に起因して、ポリゴンミラーのポリゴンミラー支持部材への押え力の変化による回転中心に対する位置ずれや面精度形状の悪化が生じる虞がある。
【0206】
そこで、上記参考例の製造方法によれば、溶解したアルミニウム合金を押し出し型により成形した断面正多角形の棒材より、棒材を正多角形面にならって切断したアルミニウム合金材料を正多角形に嵌合し得る鍛造型に収め、鍛圧することによりミラーを一体化したロータブランクを成形するので、構成部品・部材が少なく、またポリゴンミラーとポリゴンミラー支持部材に相対した位置決めに関する高度な計測方法や固定精度を考慮した組付け工程の必要が無いミラー及びロータが一体となった構造を棒材からすべて旋削するよりもはるかに少量の部材より実現することができ、且つ旋削により廃棄される切削端材の量もはるかに抑えられるので、今後の環境問題等に対しても有利である。
【0207】
また、参考例の製造方法によれば、ミラーを一体化した構造のロータブランクに回転軸を焼バメにより挿入することで、嵌合時に不測の外力を受けること無く嵌合でき、且つ回転軸用の孔部の加工精度に対する回転軸の嵌合精度が維持できるので、ロータブランクの回転中心と回転軸の軸心とが同軸に維持される。回転軸を加工基準とする鏡面加工方法においては、軸心と同一なる回転中心から等距離に鏡面形成が行われるために偏重心が無く、アンバランス量を修正するための工程が不要となり、回転体を製造するためにかかるコストを低減することができる。
【0208】
また、参考例の製造方法により製造されたロータを有するポリゴンミラーによれば、ミラー及びロータが一体となった構造の回転子を搭載するポリゴンスキャナは、回転子構造に経時変動が生じないために円滑な回転状態を継続でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に搭載されれば、振動、騒音、線像の乱れと言った回転子に派生するさまざまな問題を経時的に防げる。また、軸受を含む固定子側が寿命を終えても、経時変動が生じないことからリサイクル性を有しているので再利用・再搭載が可能である。
【0209】
(次に、本参考例について説明する。)
図50は、図10,図11と同様の、参考例の鏡面加工を示す図、図51は切削バイトの軌跡を連続的に示した図、図52は図50の鏡面加工による鏡面の引き目を拡大して示す図である。
【0210】
以下、図50〜図52において図48に示すロータ308のブランク構造の鏡面加工における参考例について説明をする。
図50に示すように、切削バイトの主軸611がポリゴンミラーの構造に制約されることなく切削の軌跡を描くことが可能であるため、主軸回転中心線612をミラー面の法線上に配置することができるので、図51,図52に示すように、ミラー形成面に対し副走査方向対して均一な引き目を形成することが可能となる。なお、図50中、600は治具本体、601は分割盤、602は位置出し軸、603は位置決めブロック、604は加工治具、605は上下ピン、606は締めねじ、607は受けブロック、608はチャック、609は切削面、610は切削バイトホルダ、611は主軸カッタ、612は主軸回転中心線である。
【0211】
上記の鏡面加工方法は、図49に示されるロータ408においても同様に適応される。この場合には主軸回転中心線612を上下のミラー面である反射部308aの中間に配置することが望ましい。これによりほぼ均一な引き目を形成することができる。また、この場合には、上下に分かれている反射部308aの間のロータ部408に対する切削工程が付加されることになる。
【0212】
以上の工程により形成されたミラー・ロータブランクの反射部に鏡面切削加工を行われたミラー・ロータ308は、従来のポリゴンスキャナにおけるポリゴンミラーをポリゴンミラー支持部材に固定する構造に対して、構成部品・部材が少なくなり、またポリゴンミラーとポリゴンミラー支持部材に相対した位置決めに関する高度な計測方法や固定精度を考慮した組付け工程の必要がなくなる。また、ミラー及びロータが一体構造となるので、高速回転がポリゴンスキャナモータの回転子部に経時的に及ぼす影響としての、遠心力や熱に起因した、ポリゴンミラーのポリゴンミラー支持部材への押え力の変化による回転中心に対する、位置ずれや面精度形状の悪化を懸念する必要が無くなる。
【0213】
ミラー及びロータが一体となった構造のミラー・ロータを構成する回転子を搭載するポリゴンスキャナは、回転子構造に経時変動が生じないために円滑な回転状態を継続でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に搭載がされれば、振動、騒音、線像の乱れと言った回転子に派生するさまざまな問題を経時的に防げる。また、軸受を含む固定子側が寿命を終えても、経時変動が生じないことからリサイクル性を有しているので再利用・再搭載が可能である。
【0214】
また、ミラー及びロータが一体となった構造のミラー・ロータブランクに回転軸を焼バメにより挿入することで、嵌合時に不測の外力を受けること無く嵌合でき、且つ回転軸用の孔部の加工精度に対する回転軸の嵌合精度が維持できるので、ミラー・ロータブランクの回転中心と回転軸の軸心が維持される。回転軸を加工基準とする鏡面加工方法においては、軸心と同一なる回転中心から等距離に鏡面形成が行われるために偏重心が無く、アンバランス量を修正するための工程が不要となり、回転体を製造するためにかかるコストを低減することができる。
【0215】
図53〜図57は参考例を説明するための図である。
図53は参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図、図54は図53のポリゴンスキャナの回転子の分解斜視図である。
【0216】
図53に示すように、ポリゴンスキャナ装置702は、マグネット707と、ロータ部708b、孔部708c及び反射部708aを一体形成したミラー・ロータ708と、回転軸706と、回転軸706をステータヨーク703に軸支するラジアル軸受705と、スラスト軸受710と、マグネット707に対向してステータヨーク703に固定されている磁力発生用部材の駆動コイル704とステータヨーク703に取付けられている制御基板709とを備えている。
【0217】
このミラー・ロータ708は、中心の軸固定部である孔部708cに回転軸706が固定されており、反射面708aと直交する上面708eに円筒状のロータ部708bを一体に有し、ロータ部708bの内側には、接着・圧入等によりマグネット707が固定され、回転子部を構成する。固定子部としては、マグネット707に所定距離離間して対向する駆動コイル704をステータヨーク703の中空円筒状部の外周に固定し、この駆動コイル704の外周の円筒面は、マグネット707の内周の円筒面と、ある間隔を一定に保ちつつ対向させている。なお、この駆動コイル704は制御基板709に固定されていても良い。
【0218】
上記のように、ロータ部708bと一体の正多角形(例えば、正六角形)の側面を反射面708aにした構成によれば、回転子を構成する部品点数を削減すると共に組立工数の削減が行なわれ、コストを下げることができる。特に、上記ミラー・ロータ708は、高純度アルミニウム合金材から形成することができ、軽量で動バランスにも優れている。したがって、高速回転化に対応でき、振動及び騒音の低減にも有利な構成である。
【0219】
次に、図55、図56を参照して図53のポリゴンミラースキャナ装置に用いる回転子部のミラー・ロータのブランクの製造方法における参考例について説明をする。
図55は、図53のポリゴンミラースキャナ装置に用いる回転子部のロータの縦断側面図である。但し、この図ではマグネット707を装着していない。
図56は図53のポリゴンミラースキャナ装置に用いるロータブランクを上述した鍛造による製造に換えて形成するためのプレス材の形状を示す図であり、(A)はプレス材の上面図であり、(B)はプレス材の断面図である。
【0220】
図56はミラー・ロータ708のブランクを形成するための材料となるアルミニウム合金の板材形状を示したものである。前記アルミニウム合金の板材(以下、板材と称す)713は正多角形(この場合、正六角形成している)に形どられており、板材713の各端面713bには、ミラー・ロータ708形成後に切削加工により鏡面加工処理が行われるため、アルミニウム合金の組織に変形が生じないような、例えば任意の板金材料より削り出し加工法などの手法で形どって置く必要が有る。
【0221】
図57は図56のプレス材のプレス加工を示す図であり、(A)は一段目のプレス加工、(B)は二段目のプレス加工である。
図57(A)に示すように、板材713をプレス金型714,715に設置し、プレス加工を実施する様子を示している。図57(A)においては、一段目のプレス加工によりマグネット707を装着する部分を形成する。本図では、一段目のプレス加工を実施した後の形成形状を示している。
【0222】
図57(B)に示すように、図57(A)の一段目のプレス加工後の板材713をプレス金型716,717に設置し、二段目のプレス加工を実施する様子を示している。図57(B)においては、二段目のプレス加工により回転軸706を装着する部分を形成する。本図では二段目のプレス加工を実施した後の形成形状を示している。
【0223】
図示はしていないが、二段目のプレス加工を実施した後の図57(B)に示す形成品は正多角形を成しているので、精密旋盤等のチャック装置により正多角形の外形を把持し、加工器のボーリングバイトを用いて回転軸706を嵌合するための孔部708cを形成することでミラー・ロータ708を製造する。
次に、ミラー・ロータ708の孔部708cに回転軸706を焼きバメ等の手段により嵌合することで、図55に示す鏡面形成前のミラー・ロータ708が形成される。
【0224】
なお、ミラー・ロータ708に回転軸706を嵌合するための方法は、例えば上述した図47に示す方法により行うことができる。また、ミラー・ロータ708の反射部708aに対する反射面の加工方法及び加工装置が図50〜52に記載されている。
【0225】
アルミニウム合金の板材より成形した正多角形の板材713より、板材713を板材713の正多角形の外形に嵌合し得るプレス型に収め、多段にわたるプレス加工をすることによりミラー・ロータブランクを成形するので、構成部品・部材が少なく、またポリゴンミラーとポリゴンミラー支持部材に相対した位置決めに関する高度な計測方法や固定精度を考慮した組付け工程の必要が無いミラー及びロータが一体となった構造を棒材からすべて旋削するよりもはるかに少量の部材より実現することができ、且つ旋削により廃棄される切削端材の量もはるかに抑えられるので、今後の環境問題等に対しても有利である。
【0226】
また、このようにして製造されたミラー及びロータが一体となった構造のミラー・ロータブランクに回転軸706を焼バメでの嵌合手段により挿入することで、嵌合時に不測の外力を受けること無く嵌合でき、且つ回転軸用の孔部708cの加工精度に対する回転軸706の嵌合精度が維持できるので、ミラー・ロータブランクの回転中心と回転軸706の軸心が維持される。回転軸706を加工基準とする鏡面加工方法においては、軸心と同一なる回転中心から等距離に鏡面形成が行われるために偏重心が無く、アンバランス量を修正するための工程が不要となり、回転体を製造するためにかかるコストを低減することができる。
【0227】
このようにして製造されたミラー及びロータが一体となった構造のミラー・ロータを構成する回転子を搭載するポリゴンスキャナは、回転子構造に経時変動が生じないために円滑な回転状態を継続でき、レーザプリンタ等の画像形成装置に搭載がされれば、振動、騒音、線像の乱れと言った回転子に派生するさまざまな問題を経時的に防げる。また、軸受を含む固定子側が寿命を終えても、経時変動が生じないことからリサイクル性を有しているので回転子側の再利用・再搭載が可能である。
【0228】
以下、図6でも説明したように、図58、図59を参照して本発明に係るミラー・ロータの洗浄・蒸着における参考例について詳述する。
図58及び図59は参考例を説明するための図である。
図58は図42の回転子部を作製するための鏡面切削加工した後の洗浄方法を説明するための図であり、図59は、図42の回転子部を作製するための洗浄した後の蒸着方法を説明するための図である。
【0229】
図10,11,50〜52を参照して上述したように、鏡面切削加工では切削力による生ずる熱がバイト及び被切削物に内包されてしまい、バイトの寿命・切削性能、得られる面精度に悪影響を与えるために常時冷却のために切削液が切削部に噴射されている。通常、切削液には灯油を含む液剤が使用されている。
【0230】
そのため、切削後のミラー・ロータは多分に切削液を浴びているが、鏡面保護のために後の工程で蒸着処理を施す際に切削液がミラー・ロータに残っていると蒸着面にムラ等を生じさせるために、完全に洗浄しておく必要が有る。
【0231】
洗浄時には洗浄液に満たされた洗浄槽にて回転駆動しながらなど、ミラー・ロータの姿勢を変化させながら洗浄を実施することになる。ミラー・ロータの形状は内側に対して複雑な形状を呈しているためにミラー・ロータの内側を開放した状態で洗浄する必要が有る。
【0232】
図58は本発明における洗浄時の参考例であり、洗浄治具の把持部804にてミラー・ロータ308の上面部を把持しながら回転駆動機構を有する洗浄槽に洗浄治具本体800を設置する。そして、洗浄槽の駆動力を回転主軸801、回転主軸801に固定されている傘歯車802、傘歯車802に歯合するとともに把持部804に取り付けられている傘歯車803を介して洗浄治具本体に伝達することで、各ミラー・ロータ308自体を回転洗浄する。これによりミラー・ロータ308の内部構造を露呈しながら洗浄することができる。なお、図58中の中央に配置されている一対のミラー・ロータ308については傘歯車等の図示を省略してある。
【0233】
図59は洗浄後に鏡面部の保護のためにミラー・ロータに蒸着処理を実施している図である。
図40に示す通り、回転子部302の回転軸306をラジアル軸受305及びスラスト軸受310が回転支持することでポリゴンスキャナは構成されているが、蒸着時に回転軸306に蒸着物質が付着すると十分な回転性能が得られなくなる恐れがある。
【0234】
そのため、図59に示すように、蒸着時には回転軸306が露出しない様に回転軸周辺に中空構造を呈するカラー854を準備し、且つ蒸着に影響しない面で回転軸306をカラー854にて密閉することで蒸着を達成している。したがって、回転軸306に蒸着物質等の異物が付着するのを防止することができる。図59中、符号850は蒸着治具本体であり、符号851は固定部であり、符号852は軸受であり、符号853は蒸着釜から駆動力が伝達される回転主軸であり、符号855は圧接部である。
【0235】
なお、図58,59に示した洗浄・蒸着の参考例では、処理効率を挙げるために複数個のミラー・ロータに対しての実施例を示しているが、洗浄槽及び蒸着釜の条件の及ぶ限りで対応個数を拡張することが可能であることは明らかである。対応個数の拡張とは、洗浄槽(蒸着釜)に応じて、洗浄治具本体(蒸着治具本体)に取り付けるミラー・ロータの数を増加させるようにしたり、洗浄治具本体(蒸着治具本体)の数を増加させるようにすることである。
図58及び図59で示した洗浄・蒸着方法は、図49に示される回転子部302においても同様に適応される。
【0236】
回転体の洗浄処理において、一体的構造の回転体の内側構造を露呈して洗浄するので、ミラー・ロータの鏡面部分への品質変動の影響なくミラー・ロータの洗浄が行なえるため、蒸着により形成される膜精度を高品質に維持できるため、経時において品質変動が生じないのでリサイクル性を有し、数世代に渡る再利用が可能となる。
【0237】
また、回転体の蒸着処理において、一体的構造の回転体の回転軸を密閉して蒸着するので、高精度に精度出しされた回転子の回転軸に対して、蒸着物質等の付着物を生じさせずにミラー・ロータの鏡面部分へ蒸着膜を形成できるので、回転軸を支持する軸受に対する精度を維持できるのでジッター等の回転品質を劣化させる恐れがない。
【0238】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0239】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、部品点数を増加することなく、高精度な接着を要せず、高耐久性を有し、製造が容易であるとともに、回転体の側面に歪が発生するのを防止することができる回転ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図2】 実施形態に係わるステータヨークの組み付け状態を示す分解斜視図である。
【図3】 実施形態に係わるロータの縦断側面図である。
【図4】 実施形態に係わるロータの中心孔に回転軸の圧入を行っている状況を示す縦断側面図である。
【図5】 実施形態に係わる加工用治具にロータを装着・固定し、摺面を平面視正多角形に切削鏡面仕上げする状況を示す縦断側面図である。
【図6】 図6(A)は洗浄・蒸着用治具にロータを複数個装着している状況の縦断側面図であり、図6(B)は洗浄・蒸着用治具とロータとを示す分解斜視図である。
【図7】 多極マグネットをロータの環状突起部の内周に沿わせて圧入を行っている状況を示す縦断側面図である。
【図8】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図9】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図10】 実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の回転子の鏡面切削加工時の縦断側面図である。
【図11】 切削油の浸透を示す状態図である。
【図12】 実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
【図13】 図13(A)は実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の鏡面切削加工時の縦断側面図であり、(B)は切削油が浸透してきている場合の状態図である。
【図14】 実施形態のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
【図15】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
【図16】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の回転子の縦断側面図である。
【図17】 実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の高速回転時におけるマグネットの遠心力に対するミラー面への影響を防止していることを示す図である。
【図18】 参考例に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図19】 回転子部分の斜視図である。
【図20】 (A)はポリゴンミラーの突起部の変形例を示す底面図、(B)は突起部の他の変形例を示す底面図である。
【図21】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図22】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図23】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図24】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図25】 ポリゴンミラーの変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【図26】 ポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図である。
【図27】 同要部拡大図である。
【図28】 参考例本発明の第13実施形態に係わるポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図29】 回転子部分の斜視図である。
【図30】 (A)はポリゴンミラーの突起部の変形例を示す底面図、(B)は突起部の他の変形例を示す底面図である。
【図31】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図32】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図33】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図34】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図35】 ポリゴンミラーの鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーブランクを固定した状態を示す。
【図36】 ポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【図37】 ポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図であり、(A)は鏡面加工前のポリゴンミラーブランクを積層した状態を示し、(B)は積層したポリゴンミラーを固定した状態を示す。
【図38】 ポリゴンミラーの他の変形例の鏡面加工を示す図である。
【図39】 同要部拡大図である。
【図40】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図41】 同装置に用いる回転子部の分解斜視図である。
【図42】 同装置に用いる回転子部の断面図である。
【図43】 参考例に係るロータのブランクを製造するための鍛造金型の形状を示す図であり、(A)は鍛造押型の下面図であり、(B)は鍛造押型の断面図であり、(C)は鍛造受型の上面図であり、(D)は鍛造受型の断面図である。
【図44】 参考例に係るロータブランクを製造するための鍛造材の形状を示す図であり、(A)は鍛造材の上面図であり、(B)は鍛造材の断面図である。
【図45】 参考例に係るロータブランクを製造するための鍛造による製造工程について示す図である。
【図46】 図45で作製した鍛造品をロータブランクに仕上げる工程を示す図である。
【図47】 図46で作製したロータブランクに回転軸を嵌合するための工程を示す図である。
【図48】 図46の工程で作製した回転子部の基部となる構造を示す図である。
【図49】 参考例第19実施形態のポリゴンミラースキャナ装置に用いる回転子部を示す断面図である。
【図50】 参考例の鏡面加工を示す図である。
【図51】 参考例の鏡面加工における切削バイトの軌跡を連続的に示す図である。
【図52】 参考例の鏡面加工による鏡面の引き目を拡大して示す図である。
【図53】 参考例のポリゴンミラースキャナ装置の縦断側面図である。
【図54】 同装置に用いる回転子部の分解斜視図である。
【図55】 同装置に用いる回転子部のロータの縦断側面図である。
【図56】 同装置に用いるロータブランクを形成するためのプレス材の形状を示す図であり、(A)はプレス材の上面図であり、(B)はプレス材の断面図である。
【図57】 図56のプレス材のプレス加工を示す図であり、(A)は一段目のプレス加工、(B)は二段目のプレス加工である。
【図58】 図42の回転子部を作製するための鏡面切削加工した後の洗浄方法を説明するための図である。
【図59】 図42の回転子部を作製するための洗浄した後の蒸着方法を説明するための図である。
【図60】 従来のポリゴンミラースキャナユニットを示す断面図である。
【図61】 他の従来のポリゴンミラー駆動用スキャナモータを示す断面図である。
【図62】 他の従来のポリゴンミラースキャナユニットを示す断面図である。
【図63】 その他の従来のポリゴンミラーのロータを示す図である。
【図64】 他の従来のポリゴンミラースキャナユニットを示す断面図である。
【図65】 その他の従来のポリゴンミラーのロータを示す図である。
【図66】 左半分が従来のポリゴンミラーの鏡面加工を示す正面図であり、右半分が同側面図である。
【図67】 図66に示す鏡面加工により形成された鏡面の引き目を拡大して示す図である。
【符号の説明】
13 ステータヨーク
14 巻線コイル
15 軸受
16a 中心孔(貫通孔)
16b 鏡面
16c 薄肉円筒部
16d 下底面
16e 上底面
17 回転軸
18 多極マグネット
21 凹部
116h 環状溝部
Claims (4)
- 複数で且つ円周方向に等間隔で形成される鏡面を有する側面部と、前記側面部と直交する第1の直交面部と、前記側面部を挟んで前記第1の直交面部と対向する第2の直交面部とを有する鏡面形成部を備える回転多面鏡と、
該回転多面鏡に装着される環状の多極マグネットと、
該マグネットの内周面と対向した周面を有し、該周面に巻線コイルが固定されて本体に取り付けられたステータヨークと、
前記回転多面鏡に固定された回転軸とを具有し、
前記マグネットと前記ステータヨークの周面に固定されている前記巻線コイルとが作用して前記回転軸を中心として前記本体に対して前記回転多面鏡が回転する回転ユニットにおいて、
前記回転多面鏡が、前記回転軸と同軸の略円筒形状に形成されている内周面と、前記側面部より前記回転軸寄りに形成されている外周面とを有する前記第1の直交面部と一体構造の薄肉円筒部を備え、
前記内周面にマグネットを圧入する際の圧入力によって、前記薄肉円筒部が前記第1の直交面部と前記薄肉円筒部との境界領域近傍で変位可能とし、
前記第1の直交面部の中央部には、前記第2の直交面部を超えて前記本体と反対側に窪まされた凹部が形成され、前記凹部の底部の貫通孔に取り付けた前記回転軸を、前記ステータヨーク内に設けた軸受により、前記凹部内に対応する箇所と前記巻線コイル近傍に対応する箇所とで軸支した
ことを特徴とする回転ユニット。 - 前記第2の直交面部に突起部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
- 前記外周面は、前記境界領域から前記薄肉円筒部の先端に向かって前記軸中心方向へ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
- 前記内周面へ装着された前記マグネットの第1の直交面部側端部と前記第1の直交面部との間に空間領域部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転ユニット。
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JP2000099808A JP4170561B2 (ja) | 1999-04-09 | 2000-03-31 | 回転ユニット |
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