JP4170025B2 - 可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管 - Google Patents

可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性と内面耐磨耗性が要求される硬質物送給管としての使用に最適な合成樹脂管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、可撓性を有する合成樹脂管としては軟質合成樹脂製管があり、耐圧性、耐磨耗性を有する合成樹脂管としては硬質合成樹脂製管が知られているが、軟質合成樹脂製管の場合には耐磨耗性、耐圧性に劣るために、例えば、硬貨等の硬質物の送給管として採用した場合には、短期間で内周面が磨損して使用できなくなるという問題点がある。一方、硬質合成樹脂製管の場合には、硬質物の送給管として使用しても内面が損傷する虞れは殆どないが、剛性に優れていて屈曲させることが困難であるため曲線状に配管施工ができなく、硬貨やパチンコ球などの硬質物の送給管としては適さない。
【0003】
このため、金属製又は硬質合成樹脂製の短管からなる円環部材を多数個、順次その対向開口端部同士を屈折自在に連結してなる関節式管体は、伸縮並びに適宜角度だけ屈曲させることができると共に耐磨耗性を有しているために、上記のような硬貨等の硬質物の送給管として使用することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような関節式管体によれば、隣接する円環部材同士を屈折自在に連結させるには、円環部材の開口両端面において、一方の端面に先端に拡大係止頭部を有する突出環状部を形成し、他方の端面にこの突出環状部を受け入れる開口端が上記拡大係止頭部よりも狭い環状溝部を形成して、対向する円環部材同士を、環状溝部に突出環状部を伸縮自在に挿入することによって順次連結した構造が広く採用されており、従って、構造が複雑で製品が高価につくばかりでなく、各連結部には管の内外に連通する隙間が存在しているから、硬貨等の硬質物を送給した時に内部に発生する騒音が外部に漏れ、特に、円環部材が金属製である場合には大きな騒音が発生して環境を悪化させるという問題点がある。
【0005】
さらに、上記環状溝部と突出環状部との間の隙間に塵埃等が侵入、付着して屈曲性を損なう虞れがあると共に異物が食い込んで損傷する場合があり、その上、管軸方向の引張力によって隣接する円環部材を連結している突出環状部が環状溝部から外れ、使用できなくなるという事態が生じる虞れもある。また、円環部材同士の連結部には、上記のように内外に連通している隙間が存在しているから、石片等の骨材や土砂を空気や水等によって流体輸送しようとしても、流体が隙間から外部に流出して流体輸送を行うことができないという問題点がある。さらにまた、上記のような環状溝部と突出環状部とによる円環部材間の屈折構造では最大屈折角度が極めて小さくて配管施工をする上で著しい制約を受けるという問題点もある。
【0006】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、構造が簡単で多量生産に適し、安価に提供し得るのは勿論、優れた耐圧強度及び内面耐磨耗性を有していると共に良好な屈曲性を発揮し、その上、硬貨等の硬質物を送給しても外部に騒音が漏れる虞れもなくしかも円滑な送給が行え、さらに、流体輸送が可能で且つ長期の使用に供することができる合成樹脂管を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管は、請求項1に記載したように、軟質合成樹脂製管の内周面に、硬質合成樹脂製紐状材の外面を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定してあり、この硬質合成樹脂製紐状材の内面に該硬質合成樹脂製紐状材間のピッチよりも広幅に形成されている硬質合成樹脂製帯状材の長辺側の一端部外面を上記と同一ピッチでもって螺旋状に融着、一体化して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる内周壁を形成した構造を有している。
【0008】
このように構成した可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管において、請求項2に係る発明は、上記軟質合成樹脂製管の外周面に、硬質合成樹脂製紐状材を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定してあり、この硬質合成樹脂製紐状材の外面に該硬質合成樹脂製紐状材間のピッチよりも広幅に形成されている硬質合成樹脂製帯状材の長辺側の一端部内面を上記と同一ピッチでもって螺旋状に融着、一体化して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる外周壁を形成した構造としている。
【0009】
【作用】
軟質合成樹脂製管の内周面に、硬質合成樹脂製帯状材を一定幅だけ管軸方向にずらして重ね合わせながら螺旋状に巻回してなる内周壁を形成しているから、この硬質合成樹脂製内周壁によって全長に亘り均一な耐圧強度を発揮すると共に該内周壁を被覆している上記軟質合成樹脂製管を常に断面円形状に保形する。その上、硬質合成樹脂製内周壁を形成している断面舌片形状の螺旋状帯状材部同士が順次、管軸方向にずれた状態で重なり合っており、且つその一端部のみを上記軟質合成樹脂製管の内周面に固着させているので、この耐圧合成樹脂管を屈曲させた時に、硬質合成樹脂製帯状材部同士が軟質合成樹脂製管を管軸方向に伸縮させながら互いに摺動し合って円滑に且つ大きく屈曲させることができ、大きな角度まで屈曲させた場合においても隣接する硬質合成樹脂製帯状材部が互いに重なり合った状態を保持する。
【0010】
従って、屈曲させた場合においても管の内面が全長に亘って硬質合成樹脂製内周壁による耐磨耗性、耐圧性を発揮し、この合成樹脂管を硬貨等の硬質物の送給管として使用した場合には、内面が損傷し難い上に硬質物を断面舌片形状の螺旋状帯状材部の一端側から他端側に向かって引っ掛かり等を生じさせることなく円滑に送給することができ、その上、この内周壁を全面的に被覆している軟質合成樹脂製管によって騒音が外部に漏れるのを確実に防止することができると共に、この合成樹脂管を使用して石等の骨材や土砂を容易に流体輸送することができ、その輸送中においても上述したように、内周壁を形成している硬質合成樹脂製帯状材部が常に互いに重なりあった状態を保持しているので、土砂等が帯状材部間を通じて軟質合成樹脂製管の内面に達するのを阻止し、軟質合成樹脂製管が損傷する虞れをなくして長期の使用に供することができる。
【0011】
さらに、上記軟質合成樹脂製管の内周面に硬質合成樹脂製紐状材を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定し、この硬質合成樹脂製紐状材上に上記硬質合成樹脂製帯状材の一端部外面を重ね合わせて螺旋状に融着、一体化させることにより、隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なりあってなる内周壁を形成しているので、軟質合成樹脂製管の内周面に螺旋巻き状に固着してなる硬質合成樹脂製紐状材によって合成樹脂管の圧潰変形が生じがたくなり、耐圧強度が一層増大すると共に、この合成樹脂管の製造が正確に且つ能率よく行える。
【0012】
また、上記軟質合成樹脂製管の外周面側にも内周壁と同様な構造を有する硬質合成樹脂製帯状材よりなる可撓性を有する外周壁を形成しておいてもよく、この合成樹脂管によれば、軟質合成樹脂製管を全面的に被覆、保護して損傷や破損するのを防止することができ、硬質合成樹脂製帯状材からなる内周壁と共に大きな耐圧強度を発揮して長期の使用に供することができる。
【0013】
なお、この外周壁を形成している硬質合成樹脂製帯状材も、内周壁と同様に、軟質合成樹脂製管の外周面に硬質合成樹脂製紐状材を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定し、この硬質合成樹脂製紐状材上に該硬質合成樹脂製帯状材の一端部内面を重ね合わせて螺旋状に融着、一体化させることにより、隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なりあってなる外周壁を形成している。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1は可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管Aの一部を断面した簡略側面図であって、この合成樹脂管Aは軟質塩化ビニルからなる軟質合成樹脂製管1の内周面に硬質塩化ビニルからなる屈曲変形が可能な硬質合成樹脂製内周壁2を設けてなる構造を有している。なお、軟質合成樹脂製管1や硬質合成樹脂製内周壁2は、それぞれ軟質、硬質の塩化ビニル樹脂から形成しているが、その他の接着性が良好な同質材料で且つ硬度の異なって合成樹脂材、例えば、軟質ポリエチレン樹脂と硬質ポリエチレン樹脂等から形成しておいてもよい。
【0015】
上記硬質合成樹脂製内周壁2は、軟質合成樹脂製管1の内周面に一定のピッチでもって全長に亘って螺旋状に巻装し且つその外面を軟質合成樹脂製管1の内周面に融着一体化させている断面横長矩形状又は楕円形状の硬質合成樹脂製紐状材2Bと、この硬質合成樹脂製紐状材2Bの内面にその一方の長辺側の一端部外面を融着により一体に固着し且つ硬質合成樹脂製紐状材2Bと同一ピッチでもって軟質合成樹脂製管1の内周面に沿って螺旋巻きしてなる硬質合成樹脂製帯状材2Aとから構成されている。
【0016】
さらに、この硬質合成樹脂製帯状材2Aにおける管軸方向の幅、即ち、両側長辺端縁間の幅Wは、上記硬質合成樹脂製紐状材2Bの螺旋ピッチPよりも大きい幅に形成されてあり、従って、硬質合成樹脂製帯状材2Aを、その一端部外面を硬質合成樹脂製紐状材2Bに融着させた状態で螺旋方向に1巻きしてなる断面舌片形状の螺旋帯状材部2aと、この螺旋帯状材部2aに連続して同様に1巻きしてなる断面舌片形状の螺旋帯状材部2aとは、互いに管軸方向に螺旋ピッチPだけずれた状態で断面鱗状に重ね合わされた構造となっている。
【0017】
図1においては、硬質合成樹脂製帯状材2Aの幅Wは螺旋ピッチPの略2倍に形成されてあり、従って、互いに重なり合った隣接する硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2a、2aにおいて、一方の螺旋帯状材部2aの一端部側(基端部側)の1/2幅部分上に他方の螺旋帯状材部2aの他端部側(先端部側)の1/2幅部分が重なった状態となっている。さらに、この重なり合った部分は融着されておらず、互いにその対向面を摺動可能に密接した状態となっている。
【0018】
なお、螺旋ピッチPに対する硬質合成樹脂製帯状材2Aの幅を余り大きくすると、螺旋ピッチPが一定である場合に、この硬質合成樹脂製紐状材2Bによって形成された内周壁2における隣接する螺旋帯状材部2a、2a同士の重合幅が大きくなって屈曲性(可撓性)が低下するので、該硬質合成樹脂製帯状材2Aの幅を螺旋ピッチPの1.5 〜3.0 の幅としておくことが望ましい。
【0019】
このように構成した合成樹脂管Aは、外周壁が軟質合成樹脂製管1によって形成されているので、通常の表面が平滑な合成樹脂管と同じ外観を呈するのは勿論、この軟質合成樹脂製管1の内周面に重ね合わせた状態で配設している硬質合成樹脂製内周壁2によって全長に亘り均一な耐圧強度を発揮すると共に軟質合成樹脂製管1を常に断面円形状に保形しておくことができる。
【0020】
さらに、この硬質合成樹脂製内周壁2を形成している硬質合成樹脂製帯状材2Aは、隣接する螺旋帯状材部2a、2a同士が順次、螺旋ピッチPの幅だけ管軸方向にずれた状態で重なり合っているので、図2に示すように、この合成樹脂管Aを円弧状に屈曲(湾曲)させると、凸円弧状に屈曲する外側周壁部A1においては、管軸方向に引張力が発生して硬質合成樹脂製紐状材2Bの隣接する紐状材部2b、2b間の軟質合成樹脂製管部分が緊張すると共に順次、重合している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2a、2aが軟質合成樹脂製紐状材2Bに一体に融着している一端部を支点として外径方向に拡がろうとしてより一層、強固に圧接し合う一方、凹円弧状に屈曲する内側周壁部A2においては、管軸方向に圧縮力が発生して硬質合成樹脂製紐状材2Bの隣接する紐状材部2b、2b間の軟質合成樹脂製管部分外が管軸方向に圧縮変形しながら紐状材部2b、2b間が狭まり、合成樹脂管Aを直角以上に大きく屈曲させることができる。
【0021】
この際、凹円弧状に屈曲した内側周壁部A2においは、隣接する硬質合成樹脂製紐状材部2b、2b同士の接近と共に、これらの帯状材部2b、2bに一端部を一体に融着させて互いに重合している硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2a、2aは、内径方向に起立しようとするが、互いに重ね合う幅も広くなり且つその重ね合わせ状態を維持することができる。
【0022】
従って、この合成樹脂管Aを硬貨やパチンコ球等の硬質物Bの送給管として使用し、図3に示すように、内周壁2を形成している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2aに対して螺旋紐状材2Bに固着(融着)した基端部側から自由端である先端部側に向かう方向に硬質物Bを送給すると、この硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2aからなる内周壁2の内面上を硬質物Bが滑動或いは転動しながら円滑に送給される。この際、内周壁2は硬質合成樹脂よりなるので、耐磨耗性を発揮して硬質物Bの摺接や当接にもかかわらず、殆ど損傷することなく長期の使用に耐えることができると共に硬質物同士の衝突などによって発生する騒音もこの内周壁2を全面的に被覆している軟質合成樹脂製管1によって外部に漏れるのを確実に阻止し、周囲の環境を良好にすることができる。また、この合成樹脂管Aは、小石や土砂、或いはその他の骨材や硬質物を空気輸送する輸送管としても使用することができる。
【0023】
次に、上記のように構成した合成樹脂管Aの製造方法を図4に基づいて簡単に説明すると、一定幅と厚みを有する半溶融状態の硬質塩化ビニル樹脂よりなる硬質合成樹脂製帯状材2A' を第1成形ノズル21から押し出しながら途中で融点以下の温度まで冷却した後、周知のように成形回転軸20の基端部上に先行する帯状材部2a' の一側部上に後続する帯状材部2a' の他側部を融着させることなく重ねあわせながら一定のピッチでもって螺旋状に巻回していくと共に、この螺旋帯状材部2a' の一端部上に、第2成形ノズル22から断面が偏平な矩形状の半溶融状態の硬質塩化ビニル樹脂よりなる硬質合成樹脂製紐状材2Bを押し出しながら、上記ピッチと同一ピッチでもって一定のピッチでもって螺旋状に巻回し、螺旋帯状材部2a' の一端部に一体に融着させることによって内周壁2を形成する。
【0024】
さらに、第3成形ノズル23から一定幅と厚みを有する半溶融状態の軟質塩化ビニル樹脂よりなる軟質合成樹脂製帯状材11を押し出しながら上記と同一ピッチでもって螺旋巻きしてその一端部を硬質合成樹脂製紐状材2Bに一体に融着させると共に先行する帯状材部11aの一側部上に後続する帯状材部11a の他側部を重ね合わせて一体に溶着させながら一定のピッチでもって螺旋状に巻回することによって軟質合成樹脂製管1を形成する。こうして、硬質合成樹脂製内周壁2の外周面に軟質合成樹脂製管1を設けてなる合成樹脂管を成形回転軸20上で連続的に製造し、所望長さ毎に切断して所定長の合成樹脂管Aを得るものである。
【0025】
なお、上記合成樹脂管Aにおいては、硬質合成樹脂製内周壁2として軟質合成樹脂製管1の内周面に螺旋状に融着一体化してなる硬質合成樹脂製紐状材2Bと、この紐状材2Bに一端部外面を融着一体化させてなる硬質合成樹脂製帯状材2Aとから形成しているが、軟質合成樹脂製管1の内周面に融着させる一端部を他の部分によりも肉厚に形成しておき、この肉厚部を軟質合成樹脂製管1の内周面に直接、融着させながら一定のピッチでもって螺旋巻きして内周壁2を形成してもよい。
【0026】
図5は本発明合成樹脂管の別な実施の形態を示すもので、上記図1で示した可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管Aにおいては、軟質合成樹脂製管1の内面側のみに硬質合成樹脂製帯状材2Aの螺旋巻きによる内周壁2を形成しているが、この実施の形態においては、図1で示した合成樹脂管Aにおける軟質合成樹脂製管1の外周面にも硬質合成樹脂製帯状材3Aの螺旋巻きによる可撓性を有する耐圧性、耐磨耗性外周壁3を形成しているものである。
【0027】
即ち、内周面に硬質合成樹脂製紐状材2Bと硬質合成樹脂製帯状材2Aの螺旋巻きによる上記内周壁2を形成している軟質合成樹脂製管1の外周面に、内周壁2の硬質合成樹脂製紐状材2Bと同一材料で同一断面形状の硬質合成樹脂製紐状材3Bを内周側の硬質合成樹脂製紐状材2Bの外面に対して軟質合成樹脂製管1を介して重なる位置に硬質合成樹脂製紐状材2Bと同一螺旋ピッチでもって螺旋巻きし且つその内面を軟質合成樹脂製管1の外周面に融着させてあり、この硬質合成樹脂製紐状材3Bの外面に内周壁2を構成している硬質合成樹脂製帯状材2Aと同一材料で同一幅、同一形状の硬質合成樹脂製帯状材3Aにおける一方の長辺側の一端部内面を融着により一体に固着し且つ硬質合成樹脂製紐状材3Bと同一ピッチでもって軟質合成樹脂製管1の外周面に沿って螺旋巻きして外周壁3を形成している。
【0028】
従って、この合成樹脂製帯状材3Aにおける螺旋方向に1巻きしてなる断面舌片形状の螺旋帯状材部3aと、この螺旋帯状材部3aに連続して同様に1巻きしてなる断面舌片形状の螺旋帯状材部3aとは、内周壁2を構成している硬質合成樹脂製帯状材2Aと同様に、互いに管軸方向に螺旋ピッチPだけずれた状態で断面鱗状に重ね合わされた構造となっている。
【0029】
なお、この外周壁3においても軟質合成樹脂製管1の外周面に螺旋状に融着一体化してなる硬質合成樹脂製紐状材3Bと、この紐状材3Bに一端部内面を融着一体化させてなる硬質合成樹脂製帯状材3Aとから形成しているが、軟質合成樹脂製管1の外周面に融着させる一端部を他の部分によりも肉厚に形成しておき、この肉厚部を軟質合成樹脂製管1の外周面に直接融着させながら一定のピッチでもって螺旋巻きして外周壁3を形成してもよい。
【0030】
このように構成した合成樹脂管A'は、硬質合成樹脂製の外周壁3によって軟質合成樹脂製管1を全面的に被覆、保護して損傷や破損するのを防止することができる上に、硬質合成樹脂製の内周壁2と共に大きな耐圧強度を発揮して長期の使用に供することができ、また、軟質合成樹脂製管1を常に断面円形状に保形しておくことができる。
【0031】
さらに、この合成樹脂管A'を図6に示すように湾曲させると、凸円弧状に湾曲する管の外側周壁部A1においては、管軸方向に引張力が発生して緊張するが、硬質合成樹脂製内外周壁2、3を形成している硬質合成樹脂製帯状材2A、3Aは、隣接する螺旋帯状材部2a、2a同士及び螺旋帯状材部3a、3a同士が、螺旋ピッチPの幅だけ管軸方向にずれた状態で順次、重なり合っているので、内周壁2を形成している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2a、2a同士が互いに一層強固に圧接しあう一方、外周壁3を形成している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部3aは、僅かに起立する方向に変形するだけで、硬質合成樹脂製紐状材3B上で互いに重なりあった状態を維持する。
【0032】
また、凹円弧状に湾曲した管の内側周壁部A2においては、隣接する硬質合成樹脂製紐状材部2b、2b間(3b、3b間)の軟質合成樹脂製管部分に弛みを生じさせながら湾曲して外周壁3を形成している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部3a、3a同士が互いに一層強固に圧接しあう一方、内周壁2を形成している断面舌片形状の硬質合成樹脂製螺旋帯状材部2aは、僅かに起立する方向に変形するだけで、硬質合成樹脂製紐状材3B上で互いに重なりあった状態を維持し、管全体を大きく湾曲させることができるものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明の合成樹脂管は、請求項1に記載したように、軟質合成樹脂製管の内周面に、硬質合成樹脂製帯状材をその長辺側の一端部外面のみを一定のピッチでもって螺旋状に固着して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる内周壁を形成した構造としているので、この硬質合成樹脂製内周壁によって合成樹脂管が全長に亘り均一な耐圧強度を発揮すると共に耐磨耗性に優れた内面を形成することができ、その上、この内周壁を被覆している軟質合成樹脂製管を常に断面円形状に保形しておくことができる。
【0034】
さらに、硬質合成樹脂製内周壁を形成している断面舌片形状の螺旋状帯状材部同士が順次、管軸方向にずれた状態で断面鱗状に重なり合っており、且つその一端部のみを上記軟質合成樹脂製管の内周面に固着させているので、この耐圧合成樹脂管を屈曲させた時に、硬質合成樹脂製帯状材部同士が軟質合成樹脂製管を管軸方向に伸縮させながら互いに摺動し合って円滑に且つ大きく屈曲させることができ、大きな角度まで屈曲させた場合においても隣接する硬質合成樹脂製帯状材部が互いに重なり合った状態を保持して軟質合成樹脂製管の内周面側に不純物や異物等が侵入する虞れもなく、配管施工が容易に行えると共に長期の使用に耐えることができる耐圧合成樹脂管を提供し得るものである。
【0035】
また、屈曲させた場合においても管の内面が全長に亘って硬質合成樹脂製内周壁による耐磨耗性、耐圧性を発揮し、この合成樹脂管を硬貨等の硬質物の送給管として使用した場合には、内面が損傷し難い上に硬質物を断面舌片形状の螺旋状帯状材部の一端側から他端側に向かって引っ掛かり等を生じさせることなく円滑に送給することができ、その上、この内周壁を全面的に被覆している軟質合成樹脂製管によって騒音が外部に漏れるのを確実に防止することができる。
【0036】
さらにまた、この合成樹脂管を使用して石等の骨材や土砂を容易に流体輸送することができ、その輸送中においても上述したように、内周壁を形成している硬質合成樹脂製螺旋帯状材部が常に互いに重なりあった状態を保持しているので、土砂等が螺旋帯状材部間を通じて軟質合成樹脂製管の内面側に移動、滞留するのを確実に阻止しながら、円滑な流体輸送を可能にすることができる。
【0037】
上記合成樹脂管において、軟質合成樹脂製管の内周面に、硬質合成樹脂製紐状材を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定し、この硬質合成樹脂製紐状材に該硬質合成樹脂製紐状材間のピッチよりも広幅に形成されている硬質合成樹脂製帯状材の長辺側の一端部外面を上記と同一ピッチでもって螺旋状に融着、一体化しているので、製造が容易で多量生産に適する合成樹脂管の構造を提供することができると共に、軟質合成樹脂製管の外周面に螺旋巻きしている硬質合成樹脂製紐状材によって耐圧強度が増大し、圧潰変形が生じ難い合成樹脂管を構成することができる。
【0038】
一方、請求項に係る発明は、上記軟質合成樹脂製管の外周面に、該軟質合成樹脂製管の内周面に形成している内周壁と同じく、硬質合成樹脂製帯状材をその長辺側の一端部内面のみを一定のピッチでもって螺旋状に固着して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる外周壁を形成しているので、管の屈曲性、可撓性を保持した上でこの硬質合成樹脂製外周壁によって軟質合成樹脂製管を全面的に被覆、保護して損傷や破損するのを防止することができ、その上、硬質合成樹脂製帯状材からなる上記内周壁と共に大きな耐圧強度を発揮して長期の使用に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明合成樹脂管の一部分の一部を断面した簡略側面図。
【図2】 屈曲させた状態の一部を断面した簡略側面図。
【図3】 使用状態の一例を示す簡略縦断側面図。
【図4】 製造方法を説明するための簡略側面図。
【図5】 本発明の別な実施の形態を示す一部分を断面した一部簡略側面図。
【図6】 屈曲させた状態の一部を断面した簡略側面図。
【符号の説明】
A 合成樹脂管
1 軟質合成樹脂製管
2 硬質合成樹脂製内周壁
2A 硬質合成樹脂製帯状材
2a 螺旋帯状材部
2B 硬質合成樹脂製紐状材
3 硬質合成樹脂製外周壁
3A 硬質合成樹脂製帯状材
3B 硬質合成樹脂製紐状材

Claims (2)

  1. 軟質合成樹脂製管の内周面に、硬質合成樹脂製紐状材の外面を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定してあり、この硬質合成樹脂製紐状材の内面に該硬質合成樹脂製紐状材間のピッチよりも広幅に形成されている硬質合成樹脂製帯状材の長辺側の一端部外面を上記と同一ピッチでもって螺旋状に融着、一体化して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる内周壁を形成していることを特徴とする可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管。
  2. 軟質合成樹脂製管の外周面に、硬質合成樹脂製紐状材を一定のピッチでもって螺旋状に融着、固定してあり、この硬質合成樹脂製紐状材の外面に該硬質合成樹脂製紐状材間のピッチよりも広幅に形成されている硬質合成樹脂製帯状材の長辺側の一端部内面を上記と同一ピッチでもって螺旋状に融着、一体化して隣接する断面舌片形状の螺旋帯状材部同士が上記ピッチに等しい幅だけ管軸方向に順次ずれた状態で重なり合ってなる外周壁を形成していることを特徴とする請求項に記載の可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管。
JP2002172187A 2002-06-13 2002-06-13 可撓性と内面耐磨耗性を有する合成樹脂管 Expired - Lifetime JP4170025B2 (ja)

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