JP4169878B2 - ポイント−マルチポイント光通信システム - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は局側装置と複数の加入者側装置とが1つの光ネットワークを用いて時分割多重方式にてデータ送受信を行うポイント−マルチポイント光通信システムに係り、詳しくは、各加入者側装置は局側装置への上り光信号を時分割多重方式にて光ネットワークに出力するポイント−マルチポイント光通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は1998年10月に、国際標準規格 ITU−T G983.1において「Broadband Optical Access Systems based on Passive Optical Network」として開示された従来のポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。図において、1は局側装置、35(1),・・・,35(n)はそれぞれ加入者側装置、3(1),・・・,3(n)はそれぞれ各加入者側装置35(1),・・・,35(n)に接続されたターミナル、4は局側装置1と複数の加入者側装置35(1),・・・,35(n)とを接続する光ネットワークである。また、光ネットワーク4において、5はスターカプラ、6は局側光ケーブル、7はそれぞれ加入者側光ケーブル、8はそれぞれ光コネクタである。
【0003】
局側装置1において、9は下り光信号を出力する局側送信器、10は上り光信号を受信する局側受信器、11はこれら局側送信器9および局側受信器10を局側光ケーブル6に接続する局側波長多重光回路、12は複数の情報を多重化して局側送信器9に出力するとともに、局側送信器9から入力される情報を分離する局側多重分離回路である。
【0004】
加入者側装置35(1),・・・,35(n)において、36は上り情報が重畳された上り光信号を出力する加入者側送信器、37は下り情報が重畳された下り光信号を受信する加入者側受信器、15はこれら加入者側送信器36および加入者側受信器37を加入者側光ケーブル7に接続する加入者側波長多重光回路、16はターミナル3(1),・・・,3(n)との間で情報交換を行う加入者側多重分離回路である。
【0005】
次に動作について説明する。
局側多重分離回路12から局側送信器9へ多重化されたソース情報が出力されると、局側送信器9はこれに基づいて下り光信号を出力し、下り光信号が局側波長多重光回路11、局側光ケーブル6、スターカプラ5などを介して全ての加入者側装置35(1),・・・,35(n)へ入力される。各加入者側装置35(1),・・・,35(n)では、加入者側受信器37でこの下り光信号を受信し、加入者側多重分離回路16が自局宛ての下り情報のみを抽出してターミナル3(1),・・・,3(n)へ出力する。
【0006】
加入者側多重分離回路16から加入者側送信器36へターミナル3(1),・・・,3(n)の指示に従って上り情報が出力されると、加入者側送信器36はこれに基づいて上り光信号を出力し、上り光信号が加入者側波長多重光回路15、加入者側光ケーブル7、スターカプラ5などを介して局側装置1へ入力される。この局側装置1では、局側受信器10でこの上り光信号を受信し、局側多重分離回路12がこれをそれぞれの情報に分離する。
【0007】
図7は従来のポイント−マルチポイント光通信システムにおける時分割多重方式による動作を説明するための説明図である。同図(a)は局側装置1が光ネットワーク4へ出力する下り光信号のデータフォーマット、同図(b)は局側光ケーブル6上における複数の上り光信号の合成状態に対応する上り光信号の受信フォーマットである。同図において、38は下り光信号の情報送信単位であるセル、39は各上り光信号である。
【0008】
そして、同図に示すように、局側装置1は複数の加入者側装置35(1),・・・,35(n)へのデータを一定サイズのセルに格納し、これを時系列上で順番に出力することで、複数の加入者側装置35(1),・・・,35(n)への異なる下り情報を送信する。また、加入者側装置35(1),・・・,35(n)はそれぞれ局側光ケーブル6上で互いの上り光信号が重なることなく所定の順番で配列されるようにそれぞれの上り光信号の出力タイミングを制御し、これにより局側装置1において複数の加入者側装置35(1),・・・,35(n)からの上り光信号を受信することができる。なお、同図(b)において、各上り光信号の高さが異なるのは、各加入者側装置35(1),・・・,35(n)からの伝送路の長さの違いなどに起因してその減衰量が異なることを意味している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のポイント−マルチポイント光通信システムは以上のように構成されているので、ある加入者側装置35(1),・・・,35(n)から出力された上り光信号が光コネクタ8などにおいて反射し、これが更に反射(多重反射)されて他の加入者側装置35(1),・・・,35(n)から出力された上り光信号と同時に局側装置1に入力されてしまうことがある。そして、このような多重反射光の干渉が発生すると、局側装置1ではこの多重反射光と正規の上り光信号とを分離することができず、特に信号波長差が局側受信器10の受信帯域よりも小さい場合にはコヒーレントクロストークになって、大きな受信感度劣化を生じてしまうなどの課題があった。
【0010】
図8は従来のポイント−マルチポイント光通信システムにおいて発生する上り光信号と多重反射光との干渉状態を説明する説明図である。図において、40は多重反射光である。そして、同図に示すように、上り光信号39と多重反射光40とが干渉してしまうと、局側装置1ではこの多重反射光40と正規の上り光信号39とを分離することができないので、この多重反射光40の分だけノイズレベルが上昇した状態で上り光信号39を受信することとなり、その分、受信感度劣化が生じる。
【0011】
また、このような問題を解決するためには上記多重反射光40の光量レベル自体を低下させることが考えられるが、上記ポイント−マルチポイント光通信システムの光ネットワーク4においてこのような目的を達成するためには、局側装置1などを当該光ネットワーク4に接続するための光コネクタ8などの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理して伝送路の反射減衰量を十分に管理しなければならず、保守性が非常に悪くなってしまうなどの別の課題が生じる。
【0012】
次にこれら従来技術の課題について、ITU−T G.983.1として国際標準化されたATM−PON(Asynchronous Transfer Mode−Passive Optical Network)を例として説明する。この国際標準規格では、加入者側装置35(1),・・・,35(n)の光出力電力は「−2〜+4dBm」の範囲内、加入者側装置35(1),・・・,35(n)から局側装置1までの伝送損失は「15〜30dB」の範囲内、加入者側装置35(1),・・・,35(n)の送信波長における反射減衰量は「6dB以上」、加入者伝送装置35(1),・・・,35(n)から伝送路4側をみた反射減衰量は「32dB以上」と規定されている。そして、この条件の下での上り光信号の最小受信電力は「−32dBm(=−2dBm−30dB:最小光出力−最大伝送損失)」となり、この条件の下での多重反射光の最大受信電力は「−49dBm(=+4dBm−(6dB+32dB)−15dB:最大光出力−1回の多重反射減衰量−最小伝送損失)」となる。
【0013】
図9は上り光信号などの主信号電力と多重反射光などの雑音電力との比と、受信感度を示す1つの指標であるパワーペナルティとの関係を示す雑音エラー特性図である。図において、横軸は主信号電力Sと雑音電力Xとの比(S/X比[dB])、縦軸はビットエラーレートを10-9[dB]としたときのパワーペナルティ、Δνは主信号電力と雑音電力とのスペクトラム半値全幅である。また、この特性は、主信号と雑音成分とはそれぞれ単一縦モードで発振すると仮定し、ビットレート155Mbit/s、受信帯域150MHz、干渉光無し(S/X=無限大(∞)に相当)のときの受信感度は「−38dBm」とした。また、主信号と雑音成分との発振周波数差は最悪条件を見積もって受信帯域の中心値の75MHzとした。これは局側受信器10に、主信号の「1(光ONに相当する)」に75MHzの正弦波雑音が重畳された波形が入力される場合に相当する。
【0014】
そして、上記ATM−PONではこの規格通りであればパワーペナルティを1dB以下(但し、主信号電力と雑音電力とのスペクトラム半値全幅Δν=100MHz)とすることができ、エラー発生率の低い安定した通信が可能となる。
【0015】
しかしながら、このような光通信システムにおいて一般的に用いられている、PC研磨光コネクタの反射減衰量は25dB程度であり、この場合、多重反射光の最大受信電力は「−42dBm(=+4dBm−(6dB+25dB)−15dB:最大光出力−1回の多重反射減衰量−最小伝送損失)」にまで上昇してしまい、その結果、パワーペナルティが3dB以上(但し、主信号電力と雑音電力とのスペクトラム半値全幅Δν=100MHz)にもなって、大きな受信感度劣化が生じてしまい、とても実用化することはできない。
【0016】
そして、このような光コネクタなどにおける減衰量を上記規格を満たすようにするためにはやはり、これら光コネクタなどの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理して伝送路の反射減衰量を十分に管理しなければならず、保守性が非常に悪くなってしまう。
【0017】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、光ネットワークに接続するための光コネクタなどの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に保守管理することなく多重反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制して、エラー発生率の低い安定した通信が可能であり、ひいてはPC研磨光コネクタなどを用いて光ネットワークを構築しつつもITU−T G.983.1として国際標準化されたATM−PONと同等の通信品質を確保することができるポイント−マルチポイント光通信システムを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
の発明に係るポイント−マルチポイント光通信システムは、1つの局側装置と、この局側装置との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置と、スターカプラを用いてこれら局側装置および複数の加入者側装置を接続する光ネットワークとを備え、上記複数の加入者側装置は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワークに出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、上記局側装置には、各加入者装置からの上り光信号の受信レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を出力するレベル検出回路と、この判定信号をそれぞれの加入者装置へ下り光信号として送信する送信手段とを設け、各加入者側装置には、自身への下り光信号から上記判定信号を抽出する情報抽出手段と、この情報抽出手段が抽出した判定信号応じて、自身からの上り光信号の局側装置における受信レベルが所定の出力切替閾値よりも高い場合上記上り光信号の局側装置における受信レベルを所定のレベルだけ低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワークに送出する送信手段とを設けるものである。
【0019】
この発明に係るポイント−マルチポイント光通信システムは、送信手段が、受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて基本光を出力する発光回路と、データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、上記第一変調信号に基づいて上記基本光を変調させて光ネットワークへ出力する電界吸収光変調器とを備えるものである。
【0020】
この発明に係るポイント−マルチポイント光通信システムは、送信手段が、データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、上り光信号の伝送速度よりも高い繰り返し周波数であって且つ局側装置の受信帯域外となる周波数を有する第二変調信号を出力する第二変調回路と、上記第一変調信号および上記第二変調信号が入力され、これら2つの変調信号に応じて上り光信号としての光を発光する発光回路とを備えるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
参考例1
図1はこの発明の参考例1によるポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。図において、1は局側装置、2(1),・・・,2(n)はそれぞれ加入者側装置、3(1),・・・,3(n)はそれぞれ各加入者側装置2(1),・・・,2(n)に接続されたパーソナルコンピュータなどのターミナル、4は局側装置1と複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)とを接続する光ネットワークである。
【0022】
光ネットワーク4において、5は入力された光を分配して出力するスターカプラ、6はこのスターカプラ5と局側装置1とを接続する局側光ケーブル、7はそれぞれスターカプラ5と各加入者側装置2(1),・・・,2(n)とを接続する加入者側光ケーブル、8はそれぞれ加入者側光ケーブル7,7同士を接続する光コネクタである。
【0023】
局側装置1において、9は下り情報が重畳された下り光信号を出力する局側送信器、10は上り情報が重畳された上り光信号を受信する局側受信器、11は局側光ケーブル6とこれら局側送信器9および局側受信器10とを接続するとともに、上記下り光信号を局側光ケーブル6に出力し、局側光ケーブル6から出力される上り光信号を局側受信器10に出力する局側波長多重光回路、12はサービス情報や監視制御情報などの複数のソース情報を多重化して局側送信器9に出力するとともに、局側受信器10から入力される情報を分離する局側多重分離回路である。
【0024】
各加入者側装置2(1),・・・,2(n)において、13は上り情報が重畳された上り光信号を出力する加入者側送信器、14は下り情報が重畳された下り光信号を受信する加入者側受信器、15は加入者側光ケーブル7とこれら加入者側送信器13および加入者側受信器14とを接続するとともに、上記上り光信号を加入者側光ケーブル7に出力し、加入者側光ケーブル7から出力される下り光信号を加入者側受信器14に出力する加入者側波長多重光回路、16は各ターミナル3(1),・・・,3(n)からのソース情報を多重化して加入者側送信器13に出力するとともに、加入者側受信器14から入力される情報を分離してターミナル3(1),・・・,3(n)に出力する加入者側多重分離回路である。
【0025】
なお、上り光信号と下り光信号とは互いに異なる波長が割り当てられ、局側受信器10の受信帯域と各加入者側受信器14の受信帯域とも互いに異なる範囲となるように設定されている。これにより、上り光信号と下り光信号とのクロストークなどによる伝送特性劣化を防止している。また、局側波長多重光回路11および加入者側波長多重光回路15はそれぞれこの異なる波長の信号を低損失で合波している。
【0026】
図2はこの発明の参考例1による加入者側送信器13、加入者側受信器14および加入者側波長多重光回路15の詳細な構成を示すブロック図である。図において、17は加入者側光ケーブル7から入力される光の光量に応じた電流を出力する受光フォトダイオード、18はこの電流の大きさに応じたレベルの受光電圧を出力する増幅器、19はこの受光電圧のレベルをデジタル値に変換して加入者側多重分離回路16に出力するA/D変換回路、20は受光電圧のレベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を出力するレベル検出回路である。
【0027】
また、21は加入者側多重分離回路16から上り情報のデータおよびクロック信号が入力され、このクロック信号に同期して変化する送信データを生成するバッファ回路、22はこの送信データに応じて2種類のレベルの変調電流を出力する駆動回路、23はこの変調電流が入力され、この電流の大きさに応じた光量の光を加入者側光ケーブル7に出力する半導体レーザ素子、24はこの半導体レーザ素子23の出力光の一部を受光してその光量レベルに応じた光量検出信号を出力するモニタフォトダイオード、25はこの光量検出信号および上記判定信号が入力され、判定信号に応じたレベルの光量が出力されるように駆動回路に対して2種類の光量指示信号を出力して半導体レーザ素子23の発光光量を制御する光出力制御回路である。
【0028】
次に動作について説明する。
まず、局側多重分離回路12が複数のソース情報を多重化して局側送信器9に出力すると、局側送信器9はこの複数のソース情報が重畳された下り光信号を出力し、局側波長多重光回路11から局側光ケーブル6に下り光信号が出力される。この下り光信号はスターカプラ5において全ての加入者側装置への加入者側光ケーブル7,・・・,7に分離され、全ての加入者側装置2(1),・・・,2(n)に入力される。
【0029】
加入者側装置2(1),・・・,2(n)に入力されたこの下り光信号は、加入者側波長多重光回路15を介して加入者側受信器14に入力される。そして、受光フォトダイオード17で電気信号に変換されたあと増幅器18およびA/D変換回路19を介して加入者側多重分離回路16において自局宛の下り情報が分離され、この分離された下り情報がターミナル3(1),・・・,3(n)に出力される。
【0030】
これと同時にレベル検出回路20は、この下り光信号に基づく増幅器18の出力レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を出力する。
【0031】
次に、加入者側装置2(1),・・・,2(n)のバッファ回路21はターミナル3(1),・・・,3(n)から上り情報に基づいてクロック信号に同期して変化する送信データを生成し、駆動回路22はこの送信データに応じた変調電流を出力し、この電流の大きさに応じた光量の光が半導体レーザ素子23から加入者側光ケーブル7に出力される。そして、この加入者側光ケーブル7に入力された上り光信号はスターカプラ5で他の上り光信号と合波されたあと局側光ケーブル6に入力され、更に局側波長多重光回路11を介して局側受信器10に入力される。そして、この局側受信器10において電気信号に変換され、局側多重分離回路12において分離される。
【0032】
そして、このような上り光信号の出力動作において、光出力制御回路25はモニタフォトダイオード24の出力に基づいて判定信号に応じたレベルの光量が出力されるように駆動回路22に対して光量指示信号を出力し、これに応じて駆動回路22は半導体レーザ素子23の発光光量を制御する。
【0033】
なお、この1つの光ネットワーク4を用いて局側装置1の下り光信号と、複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)の上り光信号とを送受信するために上記局側装置1および複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)は時分割多重方式にてそれぞれの光信号を出力している。まず、局側装置1は各加入者毎に一定のバイト長を有するセルを時間軸上に多重したデータでもって光変調を行って下り光信号を出力し、加入者側装置2(1),・・・,2(n)ではこの時間軸上に多重化された複数のセルの中から自局宛に送信されたセルのみを分離してターミナル3(1),・・・,3(n)に出力する。逆に、各加入者側装置2(1),・・・,2(n)は、局側光ケーブル6上においてそれぞれの上り光信号が他の上り光信号と分離されるように(つまり局側装置1への入力タイミングが時間軸上で衝突しないように)互いのタイミングを制御してそれぞれの一定のバイト長の有するセルをバースト状の光信号として出力する。局側装置1はこの局側光ケーブル6上で一列に配列された各加入者側装置2(1),・・・,2(n)からの複数の上り光信号を順次受信し、局側多重分離回路12でこれを各加入者側毎の情報に分離する。なお、この複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)同士の上り光信号送出同期動作は、例えば、局側装置1が各加入者側装置2(1),・・・,2(n)に対して送出タイミング設定情報を下り光信号で出力し、これに応じて各加入者側装置2(1),・・・,2(n)が上り光信号を出力することにより実現することができる。
【0034】
次にこの参考例1におけるレベル検出回路20の検出動作とこれに応じた加入者側送信器13の動作について詳しく説明する。ここでは、ITU−T G.983.1として国際標準化されたATM−PONの場合を例として説明する。この国際標準規格では、既に記述したように、加入者側装置2(1),・・・,2(n)の光出力電力は「−2〜+4dBm」の範囲内、加入者側装置2(1),・・・,2(n)から局側装置1までの伝送損失は「15〜30dB」の範囲内、加入者側装置2(1),・・・,2(n)の送信波長における反射減衰量は「6dB以上」、加入者側装置2(1),・・・,2(n)から光ネットワーク4側をみた反射減衰量は「32dB以上」と規定されている。
【0035】
そして、この参考例1では、この規格値に基づいて、レベル検出回路20は下り光信号の受信レベルが「−11〜−23dBm」の範囲内(つまり伝送路損失としては「15〜21dB」の範囲内)である場合に判定信号を切り替え、光出力制御回路25はこれに応じて半導体レーザ素子23の発光光量を「−5dB」だけ低下させるようにした。
【0036】
下記表1はこのような切替制御の下で実現されるポイント−マルチポイント光通信システムの入出力レベルを示すものである。同表において、第一列は上記切替条件に合致する範囲の局側装置1のスペック、第二列および第三列は加入者側装置2(1),・・・,2(n)のスペックである。また、第二列は上記切替をしていない時のスペック、第三列は上記切替時のスペックである。なお、この表は、加入者側装置2(1),・・・,2(n)とスターカプラ5との間に1つの光コネクタ8が存在することを想定した場合のものである(注.この条件は多重反射光を最大とするための条件である)。また、下りの伝送路損失よりも上りの伝送路損失のほうが4dBも低いのは、ファイバ(6,7)損失の波長依存性を「−3dB」、スターカプラ5の分岐損失の波長依存性として「−1dB」を見積もっているためである。
【0037】
従って、このような切替を行ったとしても、同表に示すように上り光信号の局側装置1における受信レベルは「32dB以上」を満たし、上記規格に準拠したレベルダイヤグラムにて動作させることが可能である。
【0038】
また、このような切替により、上り光信号の最小レベルとしては「−32dBm」、多重反射光の最大レベルとしては「−47dBm」となるので、これらのS/X比は「15dB」となり、図9からすれば、上り光信号と多重反射光とのスペクトラム半値全幅Δνが100MHzである場合においても上り信号同士の干渉であるパワーペナルティを1.5dB以下に抑圧することができる。従って、伝送路損失に対して何ら格別の制限をつけることなくパワーペナルティを1.5dB以下に抑圧することができるので、従来の光ネットワークでも用いられている標準的な性能のPC光コネクタ(反射減衰量25dB)などを用いて従来と同様に光ネットワーク4を構築し、この光ネットワーク4を用いてITU−T
G.983.1として国際標準化されたATM−PONに準拠したポイント−マルチポイント方式の通信を安定して行うことができる。
【0039】
ちなみに、このように下り光信号の受信レベルが「−11〜−23dBm」の高い範囲(つまり伝送路損失としては低い範囲)内である場合に半導体レーザ素子23の発光光量を「−5dB」だけ低下させると、上り光信号の局側装置1における受信レベルも「−5dB」は低下することになる。そして、複数の上り光信号の受信レベル同士を比較した場合、この制御ではたまたま複数の受信レベルが一致するような場合も想定されるが、一般的には複数の受信レベルは異なる状態となることがほとんどである。
【0040】
【表1】
Figure 0004169878
【0041】
以上のように、この参考例1によれば、1つの局側装置1と、この局側装置1との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)と、スターカプラ5を用いてこれら局側装置1および複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)を接続する光ネットワーク4とを備え、上記複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワーク4に出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、各加入者側装置2(1),・・・,2(n)が、局側装置1からの下り光信号の受信レベルを検出するレベル検出回路20と、この受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置1における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワーク4に送出する加入者側送信器13とを備えるので、局側装置1からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置2(1),・・・,2(n)ではその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)よりも上り光信号の局側装置1における受信レベルが低くなる。
【0042】
そして、ポイント−マルチポイント光通信システムの光ネットワーク4においては基本的に、この局側装置1からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置2(1),・・・,2(n)では、その加入者側装置2(1),・・・,2(n)からの上り光信号の局側装置1での受信レベルも高く、逆に、この局側装置1からの下り光信号の受信レベルが低い加入者側装置2(1),・・・,2(n)では、その加入者側装置2(1),・・・,2(n)からの上り光信号の局側装置1での受信レベルも低い傾向にあって、その結果、上り光信号の多重反射光も局側装置1からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置2(1),・・・,2(n)からのもののほうがその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)のものよりも高くなる傾向にあるが、上述したように局側装置1からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置2(1),・・・,2(n)ではその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)よりも局側装置1における受信レベルが低くなるように制御することで、その多重反射光の局側装置1における受信レベルも低下し、この多重反射光の受信レベルとその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)の上り光信号の受信レベルとのレベル差を拡大することができる。
【0043】
その結果、これら2つが同時に局側装置1に入力されてしまったとしても、それらの受信レベルの差を従来よりも拡大することができ、例え、局側装置1においてこの多重反射光と上り光信号とを分離することができず、しかも信号波長差が局側受信器10の受信帯域よりも小さい場合であったとしても、大きな受信感度劣化を生じてしまうことはなく、反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制してエラー発生率の低い安定した通信が可能となる効果がある。
【0044】
また、局側装置1などを当該光ネットワークに接続するための光コネクタ8などの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理したりすることなく、このような反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制することができるので、従来と同程度の特性の光ネットワーク4を用いつつ保守性などを悪化させてしまうこともない。
【0045】
実施の形態1
図3はこの発明の実施の形態1によるポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、加入者側送信器13、加入者側受信器14および加入者側波長多重光回路15の詳細な構成を示すブロック図である。図において、26は光出力制御回路25からの光量指示信号に応じた大きさの駆動電流を出力する駆動回路、27はこの駆動電流の大きさに応じた光量の光を加入者側光ケーブル7に出力する半導体レーザ素子、28は加入者側多重分離回路16から上り情報のデータおよびクロック信号が入力され、このクロック信号に同期して2種類のレベルの変調信号を出力するバッファ回路、29は加入者側光ケーブル7と半導体レーザ素子27との間に配設され、上記変調信号に応じて当該半導体レーザ素子27から加入者側光ケーブル7への光の入射を制御する電界吸収型光変調器である。これ以外の構成は参考例1と同様であり説明を省略する。
【0046】
次に動作について説明する。
下り光信号の受光レベルに応じて光出力制御回路25から2種類の光量指示信号が出力されると、駆動回路26から光量指示信号に応じた大きさの駆動電流が出力され、半導体レーザ素子27はこの駆動電流の大きさに応じた光量の光を出力する。そして、光出力制御回路25はモニタフォトダイオード24の光量検出信号に基づいて半導体レーザ素子27の発光光量が上記光量指示信号となるように光量指示信号を制御する。従って、この半導体レーザ素子27は光量指示信号に応じて光量レベルを2種類に切り替え、その切り替えた光量レベルにて発光し続けることになる。
【0047】
このような光量レベル制御がなされる一方で、バッファ回路28は加入者側多重分離回路16から上り情報のデータおよびクロック信号が入力され、このクロック信号に同期して2種類の状態に変化する変調信号を出力し、電界吸収型光変調器29はこの変調信号に応じて半導体レーザ素子27の発光光の加入者側光ケーブル7への入射を制御する。
【0048】
従って、半導体レーザ素子27の光は変調信号に応じて電界吸収型光変調器29において加入者側光ケーブル7への入射が制御され、これにより上り情報のデータに応じた上り光信号が光ネットワーク4を介して局側装置1に入射されることになる。これ以外の動作は参考例1と同様であり説明を省略する。
【0049】
以上のように、この実施の形態1によれば、加入者側送信器13が、下り光信号の受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置1における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて連続した基本光を出力する半導体レーザ素子27と、データに応じた変調信号を出力するバッファ回路28と、この変調信号に基づいて上記基本光を変調させて光ネットワーク4へ出力する電界吸収側光変調器29とを備えるので、半導体レーザ素子27のみでその発光レベルを変化させつつデータに応じて変調を行った場合において問題となる発光レベルの変動による出力光波形の変動を生ずること無く、これらを両立させることができる。
【0050】
その結果、特に伝送速度が高速化した場合において有利な特性とすることができ、このように伝送速度を高速化したような場合であっても標準的な性能を有する光コネクタ8を用いてエラー発生率の低い安定した通信を実現することができる効果がある。
【0051】
実施の形態2
図4はこの発明の実施の形態2によるポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。図において、30は局側受信器10に入力された上り光信号の受光レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を局側多重分離回路12へ出力する局側監視制御回路(レベル検出回路)、31はこの判定信号に基づく下りデータが入力されたらこれを上り光信号の検出レベルに応じた情報として抽出する多重分離回路、32はこの抽出した情報に基づいて判定信号を出力する加入者側監視制御回路(判定信号生成回路)である。これ以外の構成は参考例1と同様であり説明を省略する。
【0052】
次に動作について説明する。
局側受信器10は各加入者側装置2(1),・・・,2(n)からの上り光信号を受信すると、局側多重分離回路12がこの局側受信器10から入力される情報を分離するとともに、局側監視制御回路30は局側受信器10に入力された上り光信号の受光レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を局側多重分離回路12へ出力する。そして、この局側多重分離回路12はこの判定信号を上記各加入者側装置2(1),・・・,2(n)への下り情報として局側送信器9に出力し、この局側送信器9から下り光信号が出力される。なお、この判定信号は例えば下り光信号のオーバヘッド領域に書き込めばよい。
【0053】
各加入者側受信器14が自局宛ての下り光信号を受信するとこれを加入者側多重分離回路31で分離する。そして、この自局宛ての下り光信号に上記判定信号が含まれていると、加入者側多重分離回路31はこれを上り光信号の検出レベルに応じた情報として抽出し、加入者側監視制御回路32がこれに基づいて判定信号を出力し、加入者側送信器13はこの判定信号に応じた2種類の光量レベルにて上り光信号としての変調光信号を生成する。これ以外の動作は参考例1と同様であり説明を省略する。
【0054】
以上のように、この実施の形態2によれば、1つの局側装置1と、この局側装置1との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)と、スターカプラ5を用いてこれら局側装置1および複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)を接続する光ネットワーク4とを備え、上記複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワーク4に出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、上記局側装置1には、各加入者装置2(1),・・・,2(n)からの上り光信号の受信レベルを検出する局側監視制御回路30と、この検出レベルに応じた情報をそれぞれの加入者装置へ下り光信号として送信する局側送信器9とを設け、各加入者側装置2(1),・・・,2(n)には、自身への下り光信号から上記検出レベルに応じた情報を抽出する加入者側多重分離回路31と、この加入者側多重分離回路31が抽出した検出レベル情報に基づいて、上記上り光信号の受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワーク4に送出する加入者側送信器13とを設けるので、局側装置1からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置2(1),・・・,2(n)ではその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)よりも上り光信号の局側装置1における受信レベルが低くなって、その多重反射光の受信レベルとその他の加入者側装置2(1),・・・,2(n)の上り光信号の受信レベルとのレベル差を拡大することができる。
【0055】
従って、これら2つが同時に局側装置1に入力されてしまったとしても、それらの受信レベルの差を従来よりも拡大することができ、局側装置1においてこの多重反射光と上り光信号とを分離することができず、しかも信号波長差が受信手段の受信帯域よりも小さい場合であったとしても、大きな受信感度劣化を生じてしまうことはなく、反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制してエラー発生率の低い安定した通信が可能となる効果がある。
【0056】
また、局側装置1などを当該光ネットワーク4に接続するための光コネクタ8などの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理したりすることなく、このような反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制することができるので、従来と同程度の特性の光ネットワーク4を用いつつ保守性などを悪化させてしまうこともない。
【0057】
なお、参考例1と比較した場合、この実施の形態2のほうが参考例1よりも正確に規格に準拠したレベルダイヤグラムの下での通信を可能とするものであり、参考例1のほうが実施の形態2よりも高速に応答が可能である。
【0058】
実施の形態3
図5はこの発明の実施の形態3によるポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、加入者側送信器13、加入者側受信器14および加入者側波長多重光回路15の詳細な構成を示すブロック図である。図において、33は局側受信器10の受信帯域外となる500MHz程度の強制変調信号を半導体レーザ素子23に印加する発振器、34はモニタフォトダイオード24からの光量検出信号が入力され、所定の一定の光量が出力されるように駆動回路22に対して光量指示信号を出力する光出力制御回路である。これ以外の構成は参考例1と同様であり説明を省略する。
【0059】
次に動作について説明する。
駆動回路22からの変調電流とともに発振器33からの強制変調信号が入力されると、半導体レーザ素子23はこれら2つの変調信号に応じて上り光信号としての光を発光し、これが加入者側光ケーブル7に出力される。これ以外の動作は参考例1と同様である。
【0060】
そして、このように半導体レーザ素子23に強制変調信号を入力すると、半導体レーザ素子23の線幅が拡大され、上り光信号の伝送速度と比較して十分に広い線幅とすることができ、このようなシステムに一般的に用いられている100MHz程度の線幅を有する半導体レーザ素子23であれば上り光信号と多重反射光とのスペクトラム半値全幅Δνを500MHz程度とすることができるので、図9からすれば、S/X比が10dB以下であったとしてもパワーペナルティを1dB以下とすることができる。
【0061】
また、この強制変調信号による変調成分は、ビットレートの5倍程度となるので局側受信器10の帯域制限をうけるので、これにより受信感度が劣化してしまうこともなく、上り光信号をその伝送速度と比較して十分に広い線幅にて光ネットワーク4に送出することができる。
【0062】
以上のように、この実施の形態3によれば、1つの局側装置1と、この局側装置1との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)と、スターカプラ5を用いてこれら局側装置1および複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)を接続する光ネットワーク4とを備え、上記複数の加入者側装置2(1),・・・,2(n)は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワーク4に出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、各加入者側装置2(1),・・・,2(n)が、上り光信号の伝送速度と比較して十分に広い線幅にて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワーク4に送出する加入者側送信器13を備えるので、多重反射光の受信レベルと上り光信号の受信レベルとのレベル差としては変わらないものの、コヒーレントクロストークの影響を抑圧することができる。
【0063】
従って、これら2つが同時に局側装置1に入力され、局側装置1においてこの多重反射光と上り光信号とを分離することができない場合であったとしても、大きな受信感度劣化を生じてしまうことはなく、反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制してエラー発生率の低い安定した通信が可能となる効果がある。また、これと同時に、これらの信号波長差が局側受信器10の受信帯域よりも大きくなるように上り光信号を変調することで、この局側受信器10の帯域制限で受信感度の劣化を無視することも可能であり、受信感度の劣化を伴うこともない効果がある。
【0064】
また、局側装置1などを当該光ネットワーク4に接続するための光コネクタ8などの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理したりすることなく、このような反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制することができるので、従来と同程度の特性の光ネットワーク4を用いつつ保守性などを悪化させてしまうこともない。
【0065】
なお、一般的に用いられる数mW出力の半導体レーザ素子の換わりに、数十nm以上の線幅を示すLED(Light Emitting Diode)を用いることでも線幅をある程度広げることができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、1つの局側装置と、この局側装置との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置と、スターカプラを用いてこれら局側装置および複数の加入者側装置を接続する光ネットワークとを備え、上記複数の加入者側装置は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワークに出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、上記局側装置には、各加入者装置からの上り光信号の受信レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を出力するレベル検出回路と、この判定信号をそれぞれの加入者装置へ下り光信号として送信する送信手段とを設け、各加入者側装置には、自身への下り光信号から上記判定信号を抽出する情報抽出手段と、この情報抽出手段が抽出した判定信号応じて、自身からの上り光信号の局側装置における受信レベルが所定の出力切替閾値よりも高い場合上記上り光信号の局側装置における受信レベルを所定のレベルだけ低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワークに送出する送信手段とを設けるので、局側装置からの下り光信号の受信レベルが高い加入者側装置ではその他の加入者側装置よりも上り光信号の局側装置における受信レベルが低くなって、その多重反射光の受信レベルとその他の加入者側装置の上り光信号の受信レベルとのレベル差を拡大することができる。
【0067】
従って、これら2つが同時に局側装置に入力されてしまったとしても、それらの受信レベルの差を従来よりも拡大することができ、局側装置においてこの多重反射光と上り光信号とを分離することができず、しかも信号波長差が受信手段の受信帯域よりも小さい場合であったとしても、大きな受信感度劣化を生じてしまうことはなく、反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制してエラー発生率の低い安定した通信が可能となる効果がある。そして、PC研磨光コネクタなどを用いて光ネットワークを構築しつつもITU−T G.983.1として国際標準化されたATM−PONと同等のパワーペナルティ(1.5dB以下、但し、主信号電力と雑音電力とのスペクトラム半値全幅Δν=100MHz)を実現することができる効果がある。
【0068】
また、局側装置や局側装置などを当該光ネットワークに接続するための光コネクタなどの各種の接続部材の接続状態などを徹底的に管理したりすることなく、このような反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制することができるので、従来と同程度の特性の光ネットワークを用いつつ保守性などを悪化させてしまうこともない。
【0069】
この発明によれば、送信手段が、受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて基本光を出力する発光回路と、データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、上記第一変調信号に基づいて上記基本光を変調させて光ネットワークへ出力する電界吸収光変調器とを備えるので、発光回路のみでその発光レベルを変化させつつデータに応じて変調を行った場合において問題となる発光レベルの変動による出力光波形の変動を生ずること無く、これらを両立させることができる。その結果、特に伝送速度が高速化した場合において有利な特性とすることができ、このように伝送速度を高速化したような場合であっても標準的な性能を有する光コネクタを用いてエラー発生率の低い安定した通信を実現することができる効果がある。
【0070】
この発明によれば、送信手段が、データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、上り光信号の伝送速度よりも高い繰り返し周波数であって且つ局側装置の受信帯域外となる周波数を有する第二変調信号を出力する第二変調回路と、上記第一変調信号および上記第二変調信号が入力され、これら2つの変調信号に応じて上り光信号としての光を発光する発光回路とを備えるので、各加入者側装置は、上り光信号の伝送速度と比較して十分に広い線幅にて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワークに送出することができる。
【0071】
その結果、多重反射光と上り光信号とを分離することができない場合であったとしても、大きな受信感度劣化を生じてしまうことはなく、反射光の干渉に起因する受信感度劣化を抑制してエラー発生率の低い安定した通信が可能となる効果がある。また、これと同時に、局側装置の受信帯域外となるように第二変調信号の周波数を設定しているので、受信手段の帯域制限により受信感度の劣化を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考例1によるポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】 この発明の参考例1による加入者側送信器、加入者側受信器および加入者側波長多重光回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、加入者側送信器、加入者側受信器および加入者側波長多重光回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態2よるポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3によるポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、加入者側送信器、加入者側受信器および加入者側波長多重光回路の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】 従来のポイント−マルチポイント光通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【図7】 従来のポイント−マルチポイント光通信システムにおける時分割多重方式による動作を説明するための説明図である。
【図8】 従来のポイント−マルチポイント光通信システムにおいて発生する上り光信号と多重反射光との干渉状態を説明する説明図である。
【図9】 上り光信号などの主信号電力と多重反射光などの雑音電力との比と、受信感度を示す1つの指標であるパワーペナルティとの関係を示す雑音エラー特性図である。
【符号の説明】
1 局側装置、2(1),・・・,2(n) 加入者側装置、3(1),・・・,3(n) ターミナル、4 光ネットワーク、5 スターカプラ、6 局側光ケーブル、7 加入者側光ケーブル、8 光コネクタ、9 局側送信器、10 局側受信器、11 局側波長多重光回路、12 局側多重分離回路、13 加入者側送信器、14 加入者側受信器、15 加入者側波長多重光回路、16 加入者側多重分離回路、17 受光フォトダイオード、18 増幅器、19 A/D変換回路、20 レベル検出回路、21 バッファ回路、22 駆動回路、23 半導体レーザ素子、24 モニタフォトダイオード、25 光出力制御回路、26 駆動回路、27 半導体レーザ素子、28 バッファ回路、29 電界吸収型光変調器、30 局側監視制御回路(レベル検出回路)、31 多重分離回路、32 加入者側監視制御回路(判定信号生成回路)、33 発振器、34 光出力制御回路。

Claims (3)

  1. 1つの局側装置と、この局側装置との間で光通信によるデータ送受信を行う複数の加入者側装置と、スターカプラを用いてこれら局側装置および複数の加入者側装置を接続する光ネットワークとを備え、上記複数の加入者側装置は時分割多重方式にてそれぞれの上り光信号を光ネットワークに出力するポイント−マルチポイント光通信システムにおいて、
    上記局側装置には、
    各加入者装置からの上り光信号の受信レベルと所定の出力切替閾値とを比較してその比較結果に応じた判定信号を出力するレベル検出回路と、
    この判定信号をそれぞれの加入者装置へ下り光信号として送信する送信手段とを設け、
    各加入者側装置には、
    自身への下り光信号から上記判定信号を抽出する情報抽出手段と、
    この情報抽出手段が抽出した判定信号応じて、自身からの上り光信号の局側装置における受信レベルが所定の出力切替閾値よりも高い場合上記上り光信号の局側装置における受信レベルを所定のレベルだけ低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて、データに応じて変調された上り光信号を光ネットワークに送出する送信手段とを設けることを特徴とするポイント−マルチポイント光通信システム。
  2. 送信手段は、
    受信レベルが所定のレベルよりも高い場合には、上記上り光信号の局側装置における受信レベルが低くなるように当該上り光信号の送信レベルを低下させ、この制御に基づく発光レベルにて基本光を出力する発光回路と、
    データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、
    上記第一変調信号に基づいて上記基本光を変調させて光ネットワークへ出力する電界吸収型光変調器とを備えることを特徴とする請求項1記載のポイント−マルチポイント光通信システム。
  3. 送信手段は、
    データに応じた第一変調信号を出力する第一変調回路と、
    上り光信号の伝送速度よりも高い繰り返し周波数であって且つ局側装置の受信帯域外となる周波数を有する第二変調信号を出力する第二変調回路と、
    上記第一変調信号および上記第二変調信号が入力され、これら2つの変調信号に応じて上り光信号としての光を発光する発光回路とを備えることを特徴とする請求項1記載のポイント−マルチポイント光通信システム。
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