JP4169660B2 - 石炭焚きボイラ炉底灰のスラリーポンプ輸送制御方法および装置 - Google Patents

石炭焚きボイラ炉底灰のスラリーポンプ輸送制御方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、石炭火力発電所の石炭焚きボイラの炉底から回収されるクリンカあるいはボトムアッシュなどの炉底灰の輸送に使用するスラリーポンプの制御技術に関する。
従来、石炭焚きボイラ炉底灰は、図6に例示するような設備を用いて処理されてきた。図6に示した処理法によれば、石炭焚きボイラの炉底には、水を張ったクリンカホッパが設けられ、炉中で発生する燃焼灰やクリンカは、炉底灰としてクリンカホッパに落下して貯まる。クリンカホッパの底にはゲートバルブを介してクリンカクラッシャが設けられ、クリンカホッパに炉底灰が所定量貯まるとゲートバルブを開いてクリンカ輸送配管に送り込む。このとき、炉底灰はクリンカクラッシャで湿式粉砕されて細粒化し、水と混合したスラリーとして排出される。
スラリー輸送配管に送り込まれた炉底灰スラリーは、配管中を流れる大量の水に混ざって配管中に備えたジェットパルジョンポンプやスラリーポンプによって脱水槽に水力輸送される。脱水槽は濾過槽でクリンカや灰は槽底から抜き出してたとえば灰捨て場に処分し、溢流した濾過水は灰沈降槽に流入してさらに灰分を沈降分離して、上澄み水を貯水槽に溜める。
貯水槽に溜めた水は、補給水ポンプでクリンカホッパに環流させて再利用する。水の一部はクリンカホッパに設けたレベルスイッチにより制御される制御弁を介してクリンカホッパに供給され、ホッパ内の水面位置を一定に保持するために使われ、また一部はスラリー輸送配管に供給されて炉底灰スラリーの輸送に使われる。
従来はスラリー輸送にジェットパルジョンポンプを使用していたが、大量の高圧水を必要とするため大型設備が必要で動力費なども嵩む上、激しい騒音と振動を引き起こし、特許文献1に開示されるように、ボリュートポンプなどのスラリーポンプが利用されるようになってきた。
スラリーポンプを使った設備で石炭焚きボイラ炉底灰を水力輸送する場合は、クリンカホッパから排出されるスラリーが多いときはスラリー濃度が濃くなって配管の抵抗が大きくなるので、ポンプの性能曲線に従って流量が減少する。逆にスラリー排出量が減少してスラリー濃度が低下すると、抵抗が小さくなるのでポンプ流量は増大する。
したがって、スラリーポンプを使うときは、インバータを用いた回転数制御を実施することにより、クリンカホッパからのスラリー供給状態にしたがってスラリー濃度が変化してもこれに対応して回転数を調整しポンプ流量を一定化することで、管内流速を一定に保って輸送の安定化を図り経済的な運転を行うようにしていた。
このため、クリンカホッパからの排出濃度を想定してこれに対応する一定量の希釈水を供給してスラリー輸送するものとしてスラリーポンプなどの計画・設計を行ってきたが、炭種や燃焼状態が変化すると、発生するクリンカの性状が変化して排出濃度が変わり、希釈水量が不足してスラリーポンプに過負荷状態が生じてトリップさせなければならない場合があった。また、安全のため、クリンカホッパからの排出濃度が最も高い状態に対応して設備を計画すると、ポンプ動力が過大となり必要以上の設備コストが発生することになる。
そこで、クリンカホッパからのスラリー濃度を測定してスラリーポンプにおけるスラリー濃度を調整することが望まれるが、従来の技術ではクリンカホッパからのスラリー濃度を安定的に測定する実用的方法がない。また、スラリー濃度測定計器があっても、スラリー濃度測定の応答性が悪く、濃度測定結果を知ってから希釈水流量をコントロールするまでの遅れ時間が比較的長いので、適切な濃度コントロールができない、などの問題がある。
なお、特許文献2にはスラリー密度を測定する粒体密度差測定器が記載されている。特許文献2に記載されたものは、密度差を超音波の流体通過速度変化でとらえたり、密度差に起因する内部流体発生音の変化でとらえるものである。これら、スラリー濃度測定計器であっても、直接測定結果を用いて希釈水流量をコントロールするためには、スラリー濃度測定の信頼性が十分でない。
このため、従来は希釈水量を一定にしてクリンカホッパから流出した炉底灰スラリーをそのまま混合してスラリー輸送を行うようにしてきた。
特開平6−82029号公報 特開昭58−78012号公報
本発明が解決しようとする課題は、石炭焚きボイラの炉底灰スラリーの輸送ポンプについて、負荷を一定化することにより運転状態を安定化させるとともに、ポンプに対する要求仕様をゆるめてコストを低減させることである。
上記課題を解決するため、本発明のスラリーポンプ輸送制御方法は、石炭焚ボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプにおいて、スラリーポンプのサクション側配管のスラリーポンプ入口に近い下流位置の圧力が所定の値になるように希釈水の流量を調整して、スラリーポンプにおけるスラリー濃度を一定化することを特徴とする。
炉底灰スラリーは、いくつかに区分けされたクリンカホッパの区分ごとにアッシュゲートを有する排出口を備え、アッシュゲートを順次操作することにより内部に堆積した炉底灰が順次スラリー輸送配管に供給され、希釈水と混合してスラリーポンプにより脱水槽に輸送される。
ここで、スラリー輸送量が一定であれば、配管の圧力損失はスラリー濃度の関数になるので、スラリーポンプのサクション側配管中でポンプから適当な距離だけ上流にある位置で圧力を測定すると、その圧力はスラリー濃度の指標値になる。
そこで、本発明のスラリーポンプ輸送制御方法により、希釈水量を加減して下流配管中で測定するサクション圧力が予め求めた所定値になるように調整すると、スラリー濃度が一定値になり、ポンプ負荷の均一化、デリバリー配管の配管抵抗の一定化をもたらし安定な運転を達成することができる。
また、スラリー濃度を一定にする制御を前提とすればポンプ容量が最大限に利用できるので、ポンプ定格も余裕を持つことができコストが低下する。
本発明のスラリーポンプ輸送制御装置は、石炭焚きボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプを備えた配管において、スラリーポンプのサクション側配管中に圧力発信器を設け、希釈水供給配管に流量調節弁を設け、圧力発信器の測定出力を入力して流量調節弁を調整する制御信号を発生する制御器を設けたもので、その制御器が測定出力を所定の目標値に近づかせるように流量調節弁を調整することを特徴とする。
また、本発明の制御装置により、スラリーポンプの運転を安定化させることができると共に、この制御装置を備えることにより高価なスラリーポンプの要求仕様をより緩やかなものにして設備費を低下させることができる。
本発明の制御装置は、圧力目標値を一定の変化率で下げていき、最低値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最低値まで徐々に下げるようにプログラム設定できるようにすることが好ましい。
また、目標値を一定の変化率で上げていき、最高値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最高値まで上げるようにプログラム設定することができるようにすることが好ましい。
クリンカホッパ内部に残ったクリンカの状態を確認するために必要な水抜き運転時には、スラリー濃度を調整しながら炉底灰スラリーを排出した後で、クリンカホッパの水位制御弁を閉止して、圧力制御の目標値をプログラムに従って変化させる。
圧力検出器の位置における圧力は水頭に対応する。そこで、圧力目標値すなわち水位目標値のプログラムを、水位を初めに所定の率で下げていき、クリンカホッパの最低水位よりたとえば1m上の点で一旦保持して安定させてから、さらに徐々に最低水位まで下げて安定させるようにした。これにより、スラリーポンプに空気を巻き込むことを防止し、キャビテーションを防止することができる。
なお、水抜き運転ではクリンカホッパ内の水を排出するが、炉底灰と一緒に水を排出しても、スラリー濃度が低くなりスラリーポンプの負荷が低くなるので、不都合がない。この場合も、圧力のプログラム制御は水位の低下速度を炉底灰排出量に適合するように設定するだけで、ほぼ同じパターンで行えばよい。
また、クリンカホッパの排出口を切り換える時には、排出口のアッシュゲートを閉じてパージ運転した後に、次の排出口のアッシュゲートを開いて移行する。このとき、ポンプのサクション圧力に対するバッファになっていたクリンカホッパが、一旦縁切りされてしまうため、切り換え時にポンプサクション圧は大きく変動する。
特に、水抜き運転時には、水位レベルを最も下げた状態になっていて、水量排出に対して水位変動が大きいため、排出口切り換えを行うと激しく水位変動するところからキャビテーションが問題になる。
そこで、低水位の状態でアッシュゲートを切り換えを行わずに、ポンプ入り口圧力の目標値を徐々に引き上げて、一定圧力まで上昇させて、水位を上げた上で次の排出口に切り換える方式を採用して、水位変動を防止しアッシュゲート切り換え時の急激な給水量増加を防止することができた。
なお、クリンカクラッシャの負荷は通過するクリンカの量に対応するので、クリンカクラッシャの駆動電流値に基づいてスラリー濃度を推定することができる。そこで、クリンカクラッシャの電流を検知して所定の値を維持するように希釈水供給量を調節することにより、スラリーポンプの負荷を均等化して円滑にスラリー輸送することもできる。
以下、実施例を用いて本発明の石炭焚きボイラ炉底灰のスラリーポンプ輸送制御方法および制御装置を詳細に説明する。
図1は本発明に係る石炭焚きボイラの炉底灰処理設備の実施例のフロー図である。
本実施例の石炭焚きボイラの炉底灰処理設備は、クリンカホッパ1と脱水槽2と灰沈降槽3と貯水槽4で構成される。
クリンカホッパ1には、クリンカホッパの内面保護とクリンカの冷却のため、水が張られていて、クリンカホッパ1の上に設備された図外の石炭焚きボイラ燃焼炉で発生したクリンカは、クリンカホッパ1に落下して貯灰される。
クリンカが一定量貯まると、クリンカホッパ1の底に設けられたアッシュゲートを開けて、クリンカクラッシャ11を通って輸送に適当な大きさに調整されたクリンカと水をスラリー輸送配管12に流し込み、スラリーポンプ5で脱水槽2に輸送する。
脱水槽2は濾過槽であって、供給されたスラリーをクリンカと水に分離する。分離水はオーバーフローして灰沈降槽3に流れ込み、底に貯まったクリンカは適宜排出して図外の灰処理場に輸送する。
灰沈降槽3では、静置することにより濾過水に混じった灰成分を沈降させて、上澄み水を貯水槽4に送り込む。底に貯まった灰成分は適宜取り出して再び脱水槽2に投入して分離し、最終的に灰処理場に送られる。
貯水槽4の水は、補給水ポンプ6により希釈水あるいは補給水としてクリンカホッパ1とスラリー輸送配管12に再循環して利用される。クリンカホッパ1にはレベル計13と補給水の供給量を調節する水位調節弁14が設備されていて、常時は水位が一定になるように調節されている。
また、スラリー輸送配管12には水力輸送を可能とするための希釈水が供給されている。希釈水は、クリンカ輸送中は最小限の水量を確保するため開度を固定した給水元弁15と、制御器16により開度を調節できる流量調節弁17の2個の弁を介して供給される。なお、固定弁15と流量調節弁17は並列に設置されている。
クリンカホッパ1から排出されたスラリーは、スラリー輸送配管12に流れ込んで、補給水ポンプ6から送られた希釈水と混合し適当なスラリー濃度になってスラリーポンプ5の吸い込み口に到達し、ポンプで昇圧して脱水槽2まで水力輸送される。
スラリーポンプ5の吸い込み側配管でスラリーポンプ5と少し距離を置いた位置に圧力発信器18が設けられており、測定出力が制御器16に送信されている。圧力発信器18で検出する圧力は、スラリーが輸送配管を流れる間に生じる圧力損失の影響を受け、流量が変わらなければスラリーの密度変化を反映したものになる。
クリンカホッパ1の水位を一定に保ちながらスラリー排出処理する水位保持運転においては、圧力発信器18の測定圧力とスラリー密度の関係は、クリンカホッパ1の底と輸送配管12の接続関係、および圧力発信器18の位置などに従って予め求めることができる。また、スラリー密度を一定に保持するためには、圧力発信器18の測定圧力を一定に維持するように流量調節弁17を調整することにより、希釈水量を加減すればよい。スラリー輸送配管12における希釈水量が増加すると、クリンカホッパ1から流入するスラリーの量が減少してスラリーポンプ5の吸い込み口におけるスラリー濃度が減少する。一方、希釈水量が減少すると、スラリーポンプ5の流量を一定にするためクリンカホッパ1からのスラリー流入量が増大して吸い込み口におけるスラリー濃度が増大する。
このように、スラリーポンプ吸い込み圧力に基づいて希釈水量調節をしてスラリー密度を調整し、所定のスラリー密度になったスラリーをスラリーポンプ5で水力輸送するようにすれば、スラリーポンプ5が過負荷になることもなく、輸送能力不足のためにデリバリー側輸送配管が閉塞することもなく、安定に運転を継続することができる。また、スラリーポンプの容量を最大限に利用してスラリー輸送することができるので、スラリーポンプの定格は最小限のものでよくなるので、設備費も低下する。
なお、クリンカホッパ1の各排出口とスラリーポンプ5の配管接続状態によっては、各排出口についてそれぞれ独立に適当な設置位置を決めて圧力発信器を設けておいて、排出口を切り換える度に圧力発信器も切り換えて使用するようにしてもよい。
さらに、クリンカクラッシャ11の駆動電流は破砕するクリンカの量に対応するので、電流値が一定になるように流量調節弁17の開度を加減するようにしてもよい。
スラリー輸送配管12を流れる希釈水の量が増加すれば、クリンカホッパ1からのクリンカ落下量が減少してクリンカクラッシャ11の電流が減少し、またスラリーポンプ5の吸い込み口におけるスラリー濃度は低下する。
次に、クリンカホッパ水抜き運転におけるスラリー輸送処理について説明する。クリンカホッパから水力でクリンカを排出した後にホッパの底に排出しきれなかったクリンカが残る場合がある。また、クリンカホッパの壁の状態も定期的に検査する必要がある。このため、1日に1回あるいは1週間に1回など、適当な間隔でクリンカホッパ1から水を抜いて側壁や底の表面の状態を目視で検査し、必要な場合は作業員がマンホールなどから処置をするようにしている。
水抜き作業は水位一定のままスラリー排出をした後に水位のみを変更させるようにすると、制御アルゴリズムが簡単である。さらに、スラリー排出と同時に水位変更を行えば、効率的に作業を行うことができ好ましい。
本実施例の別の態様によれば、このような水抜き作業を自動的に行うことができる。
水抜き作業の自動化は、本実施例において、輸送配管圧力に基づいてスラリー濃度制御を行う制御器16に、プログラム設定器19を付属させて、希望する水位変化に対応する輸送配管圧力目標値をプログラム設定するようにしたもので実施することができる。プログラム設定器は従来から使用される機械構造のものであってもよく、また電子計算機を用いた論理演算式のものであってもよい。もちろん、制御器16に一緒に組み込まれたものであればより便利である。
スラリー排出後にクリンカホッパ1の水位を下げていく水抜き作業は、ほとんど水のみを排出するだけなので、スラリー輸送配管12に設置した圧力発信器18の測定値がクリンカホッパ1の水頭を示すことから、比較的単純なプログラムで自動運転ができる。ただし、水位が低くなると断面積が狭まり排出水量の割に水頭の低下が著しくなり、また流量調節弁17の遅れやその他の動特性が原因となって、設定値に対する水位の行き過ぎが発生することから、適当に余裕がある水位で一旦水位を一定に保持して、その後慎重に必要な水位まで低下させるようなプログラムにして、スラリーポンプ5のキャビテーションを防止することが好ましい。
一方、スラリー排出と水抜きを同時に実施する水抜き運転時では、クリンカ輸送をしながらクリンカホッパの水位を下げていく必要があり、それほど単純ではない。図2はこのために採用されるプログラム設定の例を示すパターン図である。図2に示すように、アッシュゲートを開いてプログラムを開始すると、初めは暫時初めの水位に対応する圧力(ここではたとえば36kPa)を保持して制御の安定を確保してから、最低目標レベル(ここでは2kPa)より僅かにたとえば1m高い水位に向けて徐々に圧力設定値を低下させる。圧力低下の変化率は、炉底灰が満杯になったクリンカホッパ1から初めに炉底灰が流出するときにスラリー濃度が大きくなり過ぎないような値であって、クリンカホッパ1やスラリー輸送配管12の形態、スラリーポンプ5の性能などに左右され、経験的に得ることができる。ここでは、0.78kPa/minの低下速度を採用して良好な結果を得ることができた。
最低水位は、ほぼクリンカホッパ1の底位置であるが、制御特性に基づく行き過ぎによってポンプのキャビテーションが発生しないようにするため、約1m高い水位(ここでは12kPa相当)で一旦停滞させるようにする。ここで、適当時間T待機して輸送配管中の圧力を安定させてから、また徐々に圧力低下させて、最終の目標値にする。
このようなプログラム制御を採用することにより、クリンカ輸送中のスラリー濃度を所定値に管理しながらクリンカホッパ1の水抜きを行い、さらに最低水位を確実に確保してポンプのキャビテーションを防止することができた。
1基のクリンカホッパ1はいくつかに仕切られ、クリンカを排出するときは、それぞれの区分ごとに順次排出する。
クリンカホッパ1の排出口にはアッシュゲートが設けられていて、排出口を切り換えるときには、アッシュゲートを閉止してから次の区分のアッシュゲートを開ける。したがって、クリンカ輸送配管にとってバッファーとなっていたクリンカホッパがアッシュゲートを閉めることにより断絶されるので、排出口を切り換える時にはポンプ入り口圧力が大きく変動する。特に、水抜き運転時には水位レベルがクリンカホッパの底の位置にあるときに排出口切り換えを行うので、水位変動によりポンプがエアを噛んでキャビテーションを発生する懸念がある。
本実施例のスラリーポンプ輸送制御装置は、水抜き運転時における排出口切り換えに伴う問題点を解決するため、プログラム設定器19を用いて、切り換え時には輸送配管圧力目標値を予め決めたパターンで実行するようにプログラム設定できるようにした。
図3は、水抜き運転の排出口切り換え時に使用するプログラム設定の例を示すパターン図である。図3に示すように、切り換え時にはアッシュゲートを閉める前に、ポンプ入り口圧力の設定値を徐々に上昇させて一定圧力まで達してから、アッシュゲートを閉めて次の排出口のアッシュゲートを開けるようにする。
具体的には、水抜き運転時の最低圧力設定値から10kPaなど適当な水頭を加算した安全水位まで設定値を徐々に上げて、入り口圧力が確実にこの安全水位になる程度の時間が経過した後で、アッシュゲートを閉めて排出口の切り換えを行い、圧力設定値も新しい排出口に対する値に移行する。
設定値の増加レートは、たとえば5kPa/min程度であってよい。また入り口圧力が安全水位に達したか否かを圧力発信器の出力から判定してもよい。
上記のプログラム制御を行うことにおり、アッシュゲート切り換えによる低水位状態での水位変動を抑制してスラリーポンプのキャビテーションを防止し、アッシュゲート切り換え時における一時的な給水流量増加を避けることができるようになった。
図4はスラリーポンプに関連する配管部を示すフローシートである。図4はクリンカホッパ1を1個の区分で代表して表現している。
図4に示すように、クリンカホッパ1のアッシュゲート21を囲って設けられ排出されたクリンカをクリンカクラッシャ11に導くアッシュゲートエンクロージャ22はベント管23でクリンカホッパ1と繋がっているため、補給水ポンプ6からスラリーポンプ5の間の配管は完全な密閉配管ではない。
このため、この配管部に希釈水として供給される補給水量が多すぎると、ベント管23を通してクリンカホッパ1に補給水が流入することになり、排出すべき水量が増加してクリンカホッパ1の下流側設備の容量を大きくしなければならない。一方、補給水量が不足すると、スラリーポンプ5の水量が不足してキャビテーションを起こすことになる。
このような現象は特にスラリーポンプの起動時に起こりやすいので、シーケンサ20を備えて、スラリーポンプの起動に適用するシーケンス制御を行うことにより、クリンカホッパ1への補給水の流入を抑制し、かつスラリーポンプを安定して起動することができるようになった。
なお、シーケンス制御の必要のため、スラリーポンプ5の出口側にシーケンサ20で開度制御ができるポンプ出口弁24を設けると共に、給水元弁15と流量調節弁17に開閉指示ができる駆動器を設けた。また、スラリーポンプ5の周辺機器もシーケンサ20からの指令により動作するようにした。
図5は、スラリーポンプの起動シーケンスの例を説明するフロー図である。
図5におけるシーケンスによると、スラリーポンプ5の起動スイッチが押されると(S1)、まずスラリーポンプ5の軸シール弁を開く指令を発する(S2)。
その後5秒のタイミングを見て、流量調節弁17の開度を強制的に50%にする指令を出し(S3)、さらに5秒のタイミングを見てポンプ入り口圧力の圧力制御を開始する指令を発し(S4)、同時にスラリーポンプ5の始動をして(S5)、ポンプ出口弁24を開ける指令を発する(S6)。
そして、ポンプ出口弁24が実際に開き始めて中間開度になったところでリミットスイッチが働いたことを確認して(S7)、ポンプ出口弁24をその中間開度に保持し(S8)、10秒など所定のタイミングをおいて給水元弁15を開ける指令を発し(S9)、また同様のタイミングおいてポンプ出口弁24を全開させる指令を発する(S10)。
さらに、給水元弁15が全開になったことをリミットスイッチで確認し(S11)、ポンプ出口弁24が全開になったことを確認して(S12)、スラリーポンプの起動動作を終了する(S13)。
このようにして、スラリーポンプ5が始動する前に流量調節弁17を50%など適当な開度にして適当量の希釈水を輸送配管12に導入してから、ポンプ入り口圧力の制御をして、その後、スラリーポンプ5の起動とポンプ出口弁24の開操作をほぼ同じタイミングで実施する。さらに、ポンプ出口弁24を半開状態にして一旦保持することで、スラリーポンプ5への給水を安定化させ、その後に給水元弁15とスラリーポンプの出口弁24を全開して通常の運転状態にする。
したがって、補給水が過剰になってクリンカホッパ1の水位を上昇させることもなく、スラリーポンプ5に給水が不足してキャビテーションを起こすこともなく、スラリーポンプ5を円滑に起動させることができる。
本発明のスラリーポンプ輸送制御方法および制御装置を適用することにより、火力発電所などの石炭焚きボイラ炉底灰のスラリーポンプはより小さな容量で十分機能を果たすので、炉底灰処理設備における設備費と運転費用が節減できる。
本発明に係る石炭焚きボイラの炉底灰処理設備の実施例を示すフロー図である。 本実施例における水抜き運転時のプログラム設定の例を示すパターン図である。 本実施例における排出口切り換え時のプログラム設定の例を示すパターン図である。 本実施例におけるスラリーポンプに関連する配管部を示すフロー図である。 本実施例におけるスラリーポンプの起動シーケンスの例を説明するフロー図である。 従来の石炭焚きボイラの炉底灰処理設備の例を示すフロー図である。
符号の説明
1 クリンカホッパ
2 脱水槽
3 灰沈降槽
4 貯水槽
5 スラリーポンプ
6 補給水ポンプ
11 クリンカクラッシャ
12 スラリー輸送配管
13 レベル計
14 水位調節弁
15 給水元弁
16 制御器
17 流量調節弁
18 圧力発信器
19 プログラム設定器
20 シーケンサ
21 アッシュゲート
22 アッシュゲートエンクロージャ
23 ベント管
24 ポンプ出口弁

Claims (4)

  1. 石炭焚ボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプを備えた配管において、該スラリーポンプのサクション側配管中に圧力発信器を設け、希釈水供給配管に流量調節弁を設け、前記圧力発信器の測定出力を入力して前記流量調節弁を調整する制御信号を発生する制御器を設けて、該制御器が前記測定出力が所定の目標値に近づくように前記流量調節弁を調整することを特徴とするスラリーポンプ輸送制御装置であって、
    前記制御器が、前記目標値を一定の変化率で下げていき、最低値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最低値まで徐々に下げるようにプログラム設定することによりクリンカホッパ水抜き運転時の制御を行うことを特徴とするスラリーポンプ輸送制御装置
  2. 石炭焚ボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプを備えた配管において、該スラリーポンプのサクション側配管中に圧力発信器を設け、希釈水供給配管に流量調節弁を設け、前記圧力発信器の測定出力を入力して前記流量調節弁を調整する制御信号を発生する制御器を設けて、該制御器が前記測定出力が所定の目標値に近づくように前記流量調節弁を調整することを特徴とするスラリーポンプ輸送制御装置であって、
    前記制御器が、前記目標値を一定の変化率で上げていき、最高値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最高値まで上げるようにプログラム設定することによりクリンカホッパ切り換え時の制御を行うことを特徴とするスラリーポンプ輸送制御装置
  3. 石炭焚ボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプにおいて、スラリーポンプのサクション側配管中のスラリーポンプに近い下流位置における圧力が所定の値になるように希釈水の流量を調整することにより、該スラリーポンプにおけるスラリー濃度を一定化するスラリーポンプ輸送制御方法であって、前記圧力を一定の変化率で下げていき、最低値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最低値まで徐々に下げるようにすることによりクリンカホッパ水抜き運転を行うことを特徴とするスラリーポンプ輸送制御方法
  4. 石炭焚ボイラのボイラ炉底灰スラリーを希釈水と混合してスラリー輸送するスラリーポンプにおいて、スラリーポンプのサクション側配管中のスラリーポンプに近い下流位置における圧力が所定の値になるように希釈水の流量を調整することにより、該スラリーポンプにおけるスラリー濃度を一定化するスラリーポンプ輸送制御方法であって、前記圧力を一定の変化率で上げていき、最高値に達する前に一旦定値に保持した後に、最終的に最高値まで上げるようにすることによりクリンカホッパ切り換えを行うことを特徴とするスラリーポンプ輸送制御方法
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