JP4169619B2 - 難透水性土木シート及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難透水性土木シートに関するものであり、さらに詳しくは、土木シートの目開き部より細かな土粒子が流出せず、且つ、水分や気体の透過量を制御することが可能な難透水性土木シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、土木シートとしては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる織物や不織布がしばしば用いられている。その際、該土木シートとしての強力を高め、しかもコストを極力低下させるために、できるだけ繊度の大きい合成繊維が使用されることが多かった。さらに、土木シートの透水性を阻害しないように、その透水係数を1×10-2以上とした土木シートが多用されてきた。
【0003】
しかしながら、これらの土木シートには、これを用いて軟弱地盤等を被覆した場合、その透水性が大きい為、雨水の浸入により地盤崩れや陥没等の事故が発生するなどの問題があった。さらに、屋外廃棄物処分場に用いて廃棄物を被覆した場合、多量の雨水の浸入により、周辺の地下水などに有害物質が拡散する問題があった。
【0004】
一方、これらの土木シートの透水性を下げ、難透水性土木シートを製造する方法として、土木シートに樹脂をコーティングする方法やフィルムをラミネートする方法が知られており、また、特開平3−167362号公報には、メルトブローン不織布の両面に長繊維不織布を積層してなる耐水性シートが開示されている。しかしながら、これらのシートは、いずれも難透水性には優れているものの通気性に乏しく、地盤に敷設した場合、地中より発生する水蒸気やガスを透過させるには不十分であるため、敷設したシートが、発生した水蒸気やガスにより膨らみ、破損する事故が発生するという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−167362号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有する問題点を解消し、土木シートの目開き部より細かな土粒子が流出せず、且つ、水分や気体の透過量を制御することが可能な難透水性の土木シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、バインダー繊維がマトリックス繊維中に分散しながらマトリックス繊維と融着している繊維集合体からシートを構成するとき、所望の土木シートが得られることを究明して本発明に到達した。
【0008】
かくして本発明によれば、熱可塑性繊維からなるマトリックス繊維中に、低融点ポリマーからなる熱融着成分が少なくとも表面の一部に配されたバインダー繊維が分散され、且つ、該バインダー繊維が、該マトリックス繊維と相互に絡合しながら融着されてなる繊維集合体から構成されるシートであって、該バインダー繊維が、捲縮が付与された単繊維繊度が1.1〜55dtexの短繊維、該マトリックス繊維が、捲縮が付与された単繊維繊度が0.55〜55dtexの短繊維であり、かつ該熱融着成分の重量比率が土木シートの全重量に対して5〜75重量%であり、該繊維集合体が、加熱・加圧処理が施されており、下記のa〜eの要件を同時に満足していることを特徴とする難透水性土木シートが提供される。
a.集合体を構成するマトリックス繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上であること;
b.低融点ポリマーの融点がマトリックス繊維の融点よりも少なくとも20℃以上低いこと;
c.嵩密度が0.10〜0.50g/cm3の範囲にあること;
d.透水係数が1×10−3未満であること;
e.通気度が0.2cc/cm2/秒以上であること。
【0009】
また、本発明によれば、下記aの要件を満足する、熱可塑性繊維からなる捲縮が付与された単繊維繊度が1.1〜55dtexの短繊維であるマトリックス繊維と、下記bの要件を満足する、捲縮が付与された単繊維繊度が0.55〜55dtexの短繊維であり、低融点ポリマーからなる熱融着成分が少なくとも表面の一部に配されたバインダー繊維とを混合・分散せしめた後、強制絡合処理を施し、次いで該低融点ポリマーの融点以上の温度で、加圧・加熱処理を施して、下記c〜eの要件を同時に満足する繊維集合体を得ることを特徴とする難透水性土木シートの製造方法が提供される。
a.マトリックス繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上であること;
b.低融点ポリマーの融点がマトリックス繊維の融点よりも少なくとも20℃以上低いこと;
c.嵩密度が0.10〜0.50g/cm3であること;
d.透水係数が1×10−3未満であること;
e.通気度が0.2cc/cm2/秒以上であること。
【0010】
さらに本発明によれば、屋外廃棄物処分場において、廃棄物を埋設した後に該廃棄物の上部を被覆するに際し、上記の難透水性土木シートを用いて被覆することを特徴とする廃棄物処分場の被覆工法、並びに汚染土壌の上部を被覆するに際し、上記の難透水性土木シートを用いて被覆することを特徴とする汚染土壌の被覆工法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維集合体の具体的な形態としては、不織布、織物、編物のいずれでもよいが、嵩高で且つ嵩密度が制御しやすい不織布が好ましく、その中でも特に繊維間交絡性に優れたニードルパンチ不織布が最も好ましい。
【0012】
本発明で使用する熱可塑性繊維からなるマトリックス繊維には、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維及びこれらの共重合体繊維などが用いられ、また、これらの繊維を組み合わせて用いてもよい。このような熱可塑性繊維の中でもポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6やナイロン66などのポリアミド繊維及びこれらの共重合体繊維が好ましく例示される。
【0013】
これらマトリックス繊維の引張強度は、3.0cN/dtex以上であることが必要である。引張強度が3.0cN/dtex未満の場合は、シートの強度が低くなり過ぎて土木シートとしては使用できなくなる恐れがあり好ましくない。
【0014】
本発明で使用するマトリックス繊維には、長繊維、短繊維のいずれを用いても良いが、該マトリックス繊維がシート基材の中での分散性の面から、その繊維長が10〜200mmの範囲にあることが好ましく、さらに、20〜150mmの範囲にあることが特に好ましい。また、該マトリックス繊維の単繊維繊度は、特に制限するものではないが、ウェッブを形成するカード工程の効率を考慮した場合には、0.55〜55dtexの範囲にあることが好ましい。
【0015】
また、繊維同士の交絡状態が良好になるので、該マトリックス繊維には捲縮が付与されていたほうが好ましく、その際の捲縮度は5〜50%、捲縮数が5〜30個/インチの範囲にあることが好ましいが、前記の交絡状態をさらに良好なものとするために、該捲縮度は5〜30%、捲縮数が5〜20個/インチの範囲にあるのが特に好ましい。なお、本発明に使用する熱可塑性繊維からなるマトリックス繊維の断面形状は円形、偏平、異型または中空の何れであってもよい。
【0016】
次に、本発明で使用するバインダー繊維の具体的な繊維の形態としては、単一ポリマーからなるタイプ、さらに、高融点ポリマーと低融点ポリマー(熱融着成分)とで形成する複合サイド・バイ・サイドタイプ、同じく複合シース・コアタイプの何れであってもよいが、好ましいものは繊維の強度が比較的強く、立体捲縮によりカード工程の通過性に優れた複合タイプである。
【0017】
該バインダー繊維の太さは、特に制限されないが、1.1〜55dtex、特に1.1〜22dtexの範囲にあるものが好ましく使用される。該バインダー繊維は、長繊維を用いても短繊維を用いてもどちらでもよいが、該バインダー繊維が均一に分散したほうが好ましいことを考えると短繊維を用いたほうがよく、そのときの短繊維長は10〜200mmの範囲のものが好ましく、より好ましくは20〜150mmの範囲である。
【0018】
ここで、熱融着成分として配される低融点ポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマーなどが好ましく例示される。
【0019】
該熱融着成分は前記に例示した低融点ポリマーの融点は、マトリックス繊維の融点よりも20℃以上低いものを選んで使用するとよい。該バインダー繊維に使用する低融点ポリマーの融点とマトリックス繊維の融点の差が20℃未満であると、熱処理の際に使用する温度が、高温域であるとマトリックス繊維が溶解しシート強度が下がる問題が発生する恐れがあり、また逆に、低温域であるとバインダー繊維の接着性が悪くなるなどの問題がある。
【0020】
該バインダー繊維が複合繊維からなる場合、その熱融着成分は、少なくとも表面の一部に配される(露出している)ことが必要であり、従って芯鞘構造の複合繊維では熱融着成分が鞘部を構成し、芯部としては高融点ポリマーを用いればよく、特に制限はないが、強度、耐久性の面から非弾性ポリエステルが好ましく使用される。
【0021】
さらに、該熱融着成分の重量比率は、土木シートの全重量に対して5〜75重量%の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは10〜50重量%の範囲である。該熱融着成分の重量比が5重量%未満であると、通気性は満たされるが、繊維集合体中に形成される熱融着の個所が少なくなり充分な網目構造が形成されないため、前記の難透水性が得られず好ましくない。また、該重量比が75重量%を超える場合には、繊維集合体中に形成される熱融着の個所が多くなり難透水性は満たされるが、前記の通気性が満足できない恐れがあり好ましくない。
【0022】
このような繊維を使用して、難透水性土木シートを製造するには、例えば、前記のマトリックス繊維とバインダー繊維をホッパーオープナーやホッパーフィーダーからカード工程に供給して、両繊維を混合・分散せしめてウェッブを形成し、該ウェッブをクロスレイ法で積層させた後、これにニードルパンチ加工を施すことにより強制絡合処理を行い不織布を製造することができる。このような強制絡合処理により、多数の繊維をほぼ厚み方向に沿った方向に配向させることができる。
【0023】
ここにほぼ厚み方向に沿った方向とは、厚み方向と平行な方向ないし厚み方向と45°未満の角度で交わる方向をいい、強制絡合処理前の積層ウェッブ内の繊維は、主として該厚み方向に直交する平面(不織布の表面)に沿った方向に配向していたが、強制絡合処理により該平面方向と交わる方向に多数の繊維を配向させることが出来たものである。
【0024】
次いで、該不織布に対して、バインダー繊維の接着温度範囲で加圧・加熱処理を施す必要がある。ここで、バインダー繊維の接着温度範囲とは、バインダー成分の熱融着成分の溶融温度以上で分解温度未満の温度をいう。具体的な加圧・加熱処理方法としては、土木シートの用途、目的等により適宜変更すればよいが、前記c〜eの要件を可能にするためにある程度のクリアランスがあったほうが好ましく、加圧・加熱処理を施す前の不織布の厚みを基準として60〜90%の範囲で加圧・加熱処理を施すものが好ましい。このためには、例えば、該不織布を一対の加熱ローラーにより処理する方法、熱プレスにより処理する方法等を行えばよく、その際の加圧条件としては、線圧で98〜9800N/cm(10〜1000kg/cm)の範囲にあることが好ましい。
【0025】
この様な加圧・加熱処理を施すことにより、不織布中の各々の繊維が加圧下に容易に圧縮されるので、さらに緻密な構造の繊維集合体にすることができる。その際、加熱処理を同時に行うことによって、バインダー繊維に配されている熱融着成分が作用して繊維が相互に接触している多数の交絡点を融着させて不織布中に網目構造を形成することができる。しかもかかる網目構造にかかわる繊維は、前記のように平面方向に沿って配向している繊維のみならず、該平面方向と交わる方向に配向している繊維も多数含まれるためにこの網目構造は3次元的な網目構造を形成することになる。
【0026】
このような網目構造を形成する際に、単繊維繊度、熱融着成分の量、強制絡合処理の程度、加圧・加熱処理の条件等を調節することにより、該繊維集合体に特殊な範囲の透水係数と通気度を付与することができる。
【0027】
すなわち、相反する特性として考えられる透水係数と通気度の両方を制御して、透水係数が1×10-3未満で、且つ、通気度が0.2cc/cm2/秒以上を同時に満足する繊維集合体とすることが可能となる。
【0028】
このようにして得られる繊維集合体で形成される土木シートは、その嵩密度が0.10〜0.50g/cm3の範囲にある必要があり、特に好ましくは、0.2〜0.40g/cm3の範囲にあるものが好ましい。該嵩密度が0.10g/cm3未満の場合には、シートの透水係数を下記に示す範囲内に制御することが困難となり、また、該嵩密度が0.50g/cm3を超える場合には、通気度を下記に示す範囲内に制御することが困難となる。
【0029】
また上記土木シートは、その透水係数が1×10-3未満であり、かつ、通気度が0.2cc/cm2/秒以上であることが必要である。該透水係数が1×10-3以上の場合は、難透水性材料の土木シートとして機能しなくなるので好ましくない。また、該通気度が、0.2cc/cm2/秒未満の場合には、地中より発生するメタンガスや水蒸気などの気体を透過させることが困難となり敷設したシートの破損を引き起こす恐れがあり好ましくない。
【0030】
【実施例】
以下、実施例によりさあらに本発明を具体的に説明する。尚、実施例中の各特性は下記の方法により評価した。また、実施例で使用する繊維の製造についても下記に示した。
【0031】
(1)繊維引張強度
JIS L 1013に規定される方法に準じて測定した。
【0032】
(2)透水係数
JIS A 1218に規定される、「土の透水試験方法」に準じて測定した。
【0033】
(3)通気度
JIS L 1096のA法に規定される、フラジール形法に準じて測定した。
【0034】
(4)嵩密度
シートの重量(g/m2)および厚さ(mm)を測定し、下記式により嵩密度(g/cm3)を算出した。
【0035】
【数1】
【0036】
(5)融点
Du Pont社製、熱示唆分析計990型(DSC)を使用し、昇温速度20℃/分で測定し、溶融ピーク温度を融点とした。
【0037】
(6)マトリックス繊維の製造
テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとをエステル交換させてポリエチレンテレフタレートを製造する任意の段階でイソフタル酸を15モル%添加し、減圧下で重縮合反応させて、固有粘度:0.64、融点:245℃の共重合ポリエステルポリマーを得た。さらにこのポリマーを減圧下で180℃の温度に加熱して固相重合を行い、固有粘度:0.83のポリエステルポリマーとした。
【0038】
得られたポリマーを310℃で溶融させた後、ホール数:96の円形吐出孔を備えた紡糸口金より吐出させ、530m/分の速度で巻き取った。得られた未延伸糸を100℃の温度で予熱後、5.4倍で延伸し、押し込み捲縮を付与した後、カット長:64mmに切断し、乾燥処理後、油剤を付与した。得られたマトリックス繊維の単繊維繊度は5.8dtexであった。
【0039】
(7)複合バインダー繊維の製造
融点:100℃の共重合ポリエステルを鞘成分に、融点:245℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に使用して、重量比が、鞘/芯=60/40になるように配して、公知の方法により、紡糸、延伸、捲縮付与後切断し、油剤付与を行って、単繊維繊度:4.4dtex、繊維長:51mmの熱接着性短繊維を製造した。
【0040】
(8)単一成分からなるバインダー繊維の製造
融点:100℃の共重合ポリエステルを使用し、公知の方法により、紡糸、延伸、捲縮付与後切断し、油剤付与を行って、単繊維繊度:4.4dtex、繊維長:51mmの熱接着性短繊維を作成した。
【0041】
[実施例1]
前記(6)に記載のマトリックス繊維:70重量%および(7)に記載のバインダー繊維:30重量%を用いて、該マトリックス繊維とバインダー繊維とを混綿して、カード工程に通した後、クロスレイ法で積層ウェッブを作成し、該ウェッブにニードルパンチ加工(300パンチ/cm2)を行って強制絡合処理を施した。
【0042】
次に、温度:100℃の雰囲気中で3分間予熱をかけた後、直ちに、カレンダーロールを用いて温度:120℃で融着熱処理を行い、土木シートを得た。得られた土木シートの物性値、および実際に屋外廃棄物処分場に6ヶ月間使用した際の状況を表1に示す。
【0043】
[実施例2]
実施例1において、マトリックス繊維:50重量%とバインダー繊維:50重量%とを混綿する以外は実施例1と同様に実施して土木シートを得た。得られた土木シートの物性値、および実際に屋外廃棄物処分場に6ヶ月間使用した際の状況を表1に併せて示す。
【0044】
[比較例1]
実施例1において、マトリックス繊維:95重量%とバインダー繊維:5重量%(低融点ポリマー成分:約3重量%)とを混綿する以外は実施例1と同様に実施して土木シートを得た。得られた土木シートの物性値、および実際に屋外廃棄物処分場に6ヶ月間使用した際の状況を表1に併せて示す。
【0045】
[実施例3]
前記(6)に記載のマトリックス繊維:30重量%および(8)に記載の単一成分からなるバインダー繊維:70重量%を用いて、該マトリックス繊維とバインダー繊維とを混綿する以外は実施例1と同様に実施して土木シートを得た。得られたシートの物性値、および実際に屋外廃棄物処分場に6ヶ月間使用した際の状況を表1に併せて示す。
【0046】
[比較例2]
実施例3において、マトリックス繊維:20重量%とバインダー繊維:80重量%とを混綿する以外は実施例1と同様に実施して土木シートを得た。得られたシートの物性値、および実際に屋外廃棄物処分場に6ヶ月間使用した際の状況を表1に併せて示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
本発明の土木シートは、以上の構成を有しているので、地面に敷設後、細粒分(シルト、粘土)が織物表面に堆積し、さらにその表面に形成された泥膜の作用とも相俟って、初期段階から良好な難透水層として機能する。この難透水層を利用すると、廃棄物処分場などへの過剰な雨水の流入を防止することも可能である。
【0049】
すなわち、屋外廃棄物処分場において、廃棄物を埋設した後に該廃棄物の上部を被覆する際に、本発明の難透水性土木シートを使用すれば、廃棄物の無害化に必要な水分は供給されるが、過剰な雨水は侵入を防止することができ、排水処理装置の付加を低減することも可能となり、さらに、廃棄物から発生するガスを大気中に抄出することができる。また、この土木シートは、敷設初期からフィルターとして機能し(初期に細粒分をほとんど透過しない)、良好な防砂シートとして機能することも可能である。
Claims (5)
- 熱可塑性繊維からなるマトリックス繊維中に、低融点ポリマーからなる熱融着成分が少なくとも表面の一部に配されたバインダー繊維が分散され、且つ、該バインダー繊維が、該マトリックス繊維と相互に絡合しながら融着されてなる繊維集合体から構成されるシートであって、該バインダー繊維が、捲縮が付与された単繊維繊度が1.1〜55dtexの短繊維、該マトリックス繊維が、捲縮が付与された単繊維繊度が0.55〜55dtexの短繊維であり、かつ該熱融着成分の重量比率が土木シートの全重量に対して5〜75重量%であり、該繊維集合体が、加熱・加圧処理が施されており、下記のa〜eの要件を同時に満足していることを特徴とする難透水性土木シート。
a.集合体を構成するマトリックス繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上であること;
b.低融点ポリマーの融点がマトリックス繊維の融点よりも少なくとも20℃以上低いこと;
c.嵩密度が0.10〜0.50g/cm3の範囲にあること;
d.透水係数が1×10−3未満であること;
e.通気度が0.2cc/cm2/秒以上であること。 - バインダー繊維が、熱融着成分がその表面に露出している複合繊維である請求項1記載の難透水性土木シート。
- 下記aの要件を満足する、熱可塑性繊維からなる捲縮が付与された単繊維繊度が1.1〜55dtexの短繊維であるマトリックス繊維と、下記bの要件を満足する、捲縮が付与された単繊維繊度が0.55〜55dtexの短繊維であり、低融点ポリマーからなる熱融着成分が少なくとも表面の一部に配されたバインダー繊維とを混合・分散せしめた後、強制絡合処理を施し、次いで該低融点ポリマーの融点以上の温度で、加圧・加熱処理を施して、下記c〜eの要件を同時に満足する繊維集合体を得ることを特徴とする難透水性土木シートの製造方法。
a.マトリックス繊維の引張強度が3.0cN/dtex以上であること;
b.低融点ポリマーの融点がマトリックス繊維の融点よりも少なくとも20℃以上低いこと;
c.嵩密度が0.10〜0.50g/cm3であること;
d.透水係数が1×10−3未満であること;
e.通気度が0.2cc/cm2/秒以上であること。 - 屋外廃棄物処分場において、廃棄物を埋設した後に該廃棄物の上部を被覆するに際し、請求項1記載の難透水性土木シートを用いて被覆することを特徴とする廃棄物処分場の被覆工法。
- 汚染土壌の上部を被覆するに際し、請求項1記載の難透水性土木シートを用いて被覆することを特徴とする汚染土壌の被覆工法。
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